変形自在な安全ヘルメット
安全ヘルメット(10)は、弾性変形可能な材料から作製されたシェル(12)に付設さ、例えば、発砲スチロールから作製されたダンピング要素(13)を備えている。開口部(11)の周囲に沿って配設されたダンピング要素(13)のシェル(12)の方を向く面全体が、シェル(12)に位置付けられて、シェル(12)と完全に接触する内側支持ベルトを形成している。ヘルメットのキャビティ内における頭部の位置が、頭部の形に応じるシェル(12)の弾性変形によって支持ベルトの変形を引き起こし、支持ベルトに沿って実質的に均一に、頭部に対する支持ベルトの永続的な締め付けを生じさせるように、ヘルメット(10)は構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を介して外側に通じ、頭部に適合するキャビティを画成する安全ヘルメットであって、単一部品の外側シェルと、シェルの内側に付設された複数のダンピング要素と、ダンピング要素を互いに結合する結合要素と、を備えた安全ヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの安全ヘルメットは、US6,665,884B1の公報により知られている。ここでは、硬いシェルだけが、外部衝撃力の影響で変形するようになっている。シェルの内側には、側部、前部および頂部ダンピング要素が付設されている。側部要素の各々は、シェルに取り付けられた側部部分と、側部部分に接合されていない後側部分とに、更に分割されている。このため、側部ダンピング要素の各々は、シェルに部分的に取り付けられている。後部部分の自由端部は、柔軟性バンドによって互いに結合されている。後部部分と柔軟性バンドとは、シェルの内面から所定の距離に位置付けられている。このことにより、シェルとダンピング要素との間に配置されるデッドボリュームが存在するようになり、最適な保護がなされない。前部ダンピング要素は、側部ダンピング要素から完全に分離され、シェルのキャビティ内の適切な位置にある頭部に締め付けが適用されないというレベルの空きスペースが介在される。
【0003】
頭部の締め付けは、側方にのみ後部から行われる。このことは、頭部へのヘルメットの保持と、もたらされる保護とに問題があることを意味している。締付機能は、後部の柔軟性バンドと側部ダンピング要素の圧縮によって行われる。これらの部分から上述したようなデッドボリュームを介在させて所定の距離に位置付けられたシェルは、頭部への締め付けに関与せず、ユーザの頭部の形に可能な適合をもたらすことがない。側部要素だけが頭部の形に適合するようになる。
【0004】
転倒した際のヘルメットへの衝撃は、シェルに対して純粋に垂直とはならず、シェルへの接線方向成分が、激しいねじりトルクを、頭部に、そして首に引き起こすことがある。これらの突然の頭部の回転は、脳を頂部に結合する要素に内部損傷を引き起こす。先行技術のヘルメットは、この現象に対する保護を提供することはなく、安全性の問題に関する限りは十分に満足されるものではない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、ユーザの頭部がどんな形であろうとも、快適性、強度、美観および安全性が最適化された安全ヘルメットを提供することにある。
【0006】
この目的は、添付された特許請求の範囲によるヘルメットによって実現され、とりわけ、ダンピング要素が硬質発泡体を形成する材料によって形成され、シェルが弾性変形可能な材料から作製され、開口部の周囲に沿って配設されたダンピング要素のシェルの方を向く面全体が、シェルの内面に位置付けられて、シェルと完全に接触する内側支持ベルトを形成し、キャビティ内における頭部の位置が、頭部の形に応じるシェルの弾性変形によって支持ベルトの変形を引き起こし、ヘルメットが、支持ベルトに沿って実質的に均一に、頭部に対する支持ベルトの永続的な締め付けを生じさせるように構成されている、ことによって実現される。
【0007】
開口部の周囲に配置されたダンピング要素は、例えば、並んで位置付けられ、開口部の周囲全体を画定する支持ベルトを形成し、開口部の周囲に沿って空きスペースが設けられることを回避する。開口部の周囲においてシェルの方を向くダンピング要素の面の全体がシェルに位置付けられているため、シェルとダンピング要素との間にデッドボリュームが配置されることがなく、これにより、最適な保護が提供される。頭部がヘルメットのキャビティ内の適切な位置にあって頭部に対して支持ベルトの締め付けを発生させている場合に、頭部がキャビティ内に置かれる前の元の構造へのシェルの弾性的な回復によって、屈曲して弾性的に変形するように、シェルは構成されている。このため、シェルは、ユーザの頭部の形に自動的に適合する。開口部の周囲を画定するダンピング要素の全てが、締め付けに関与し、頭部の形に適合する。このようにして形成され、頭部がヘルメットのキャビティ内の適切な位置にある場合に変形するように構成された支持ベルトは、十分に押圧されているシェルの変形により、ベルトの周長にわたって永続的に、かつ均一に頭部をクランプする効果を有し、頭部へのヘルメットの保持を改良し、保護を高める。
【0008】
他の利点および特徴は、非限定的な例のために与えることを目的とし、添付した図面において示された本発明の実施の形態における以下の記述からより一層明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明によるヘルメットの底面斜視図である。
【図2】図2は、図1のヘルメットの長手方向断面図である。
【図3】図3は、ダンピング要素間の結合手段の他の実施形態を示す図である。
【図4】図4は、ダンピング要素間の結合手段の他の実施形態を示す図である。
【図5】図5は、ダンピング要素間の結合手段の他の実施形態を示す図である。
【図6】図6は、ダンピング要素間の結合手段の他の実施形態を示す図である。
【図7】図7は、ダンピング要素の形状の他の実施形態を示す図である。
【図8】図8は、ダンピング要素の形状の他の実施形態を示す図である。
【図9】図9は、ダンピング要素の形状の他の実施形態を示す図である。
【図10】図10は、ダンピング要素の形状の他の実施の形態を示す図である。
【図11】図11は、分離要素を有するヘルメットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1および図2の安全ヘルメット10は、開口部11を介して外側に通じるキャビティを画成しており、キャビティの内側に頭部を適合するようになっている。ヘルメット10は、単一部品で形成され、ノッチを有していない外側シェル12を備えている。シェル12の内側には、複数のダンピング要素13が付設されており、シェル12の内面の全体を実質的に覆っているダンピングライナー(damping liner)を形成している。ダンピング要素13を互いに結合するように結合手段を設けることができるが、このような結合手段は必須ではない。各ダンピング要素13は、他のダンピング要素13に連結されることなくシェルに付着させることができる。
【0011】
ノッチによって理解されるべきことは、ヘルメットの厚さ全体にわたる(すなわち、発泡体ライナーの全厚さ、およびシェルの全厚さにわたる)局所的な細長い材料除去部が、ヘルメットのエッジに通じるように構成されることである。しかしながら、シェル12は、閉ざされた輪郭を有する局所的な通気開口部、すなわちヘルメットのエッジに通じていない局所的な通気開口部を有することができる。
【0012】
ダンピング要素13は、発泡スチレン(PSE)、または、PSE若しくは興味深いダンピング特性に匹敵する経済的利益をもたらす他の実質的な硬質発泡体から作製されている。一方、シェル12は、例えば、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(あるいはABS)、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートグリコール(あるいはPETG)、またはポリ塩化ビニル(あるいはPVC)などの熱可塑性ポリマー材料といった、弾性変形可能な材料から作製されている。シェル12の材料は、シェル12が外部衝撃力に対して十分な抵抗力を示すと共に、材料の曲げ係数が1500〜4500MPaとなるように選択される。屈曲において必要とされる柔軟な変形能力のために、外側シェル12の厚さは、とりわけ弾性係数に応じて、例えば0.5〜3mmとなる。また、シェル12を形成する材料は、好ましくは10%を超える引張破壊伸び特性をもたらす。
【0013】
使用時には、ダンピング要素13間の結合手段は、任意の方法で実現されることができ、例えば、ダンピング要素13間の相対移動を可能にするように構成されている。
【0014】
第1の解決法は、全てのダンピング要素13を互いに連結する単一の構造体14を使用することである。周囲に複数の側部、前部および後部ダンピング要素が角度を付けて配設されている頂部ダンピング要素によってダンピングライナーが形成されている場合、単一の構造体14は、例えば、クモの形状とすることができる。その頭は、頂部ダンピング要素に取り付けられ、各脚は、頂部ダンピング要素と周囲のダンピング要素との間の結合を行う。図3においては、頂部、側部、前部および後部ダンピング要素は、単一の構造体14に外側被覆することにより実現されている。他方、図5においては、単一の構造体14は、外側被覆されておらず、ダンピング要素13と外側シェル12の内面との間に閉じ込められている。
【0015】
他の解決法は、2つのダンピング要素13の間の局所的な連結を個々に行う複数の個別連結部品を使用することである。周囲に複数の側部、前部および後部ダンピング要素が角度を付けて配設されている頂部ダンピング要素によってダンピングライナーが形成されている場合、各連結部品は、頂部ダンピング要素と周囲のダンピング要素との間の連結を行う。図4においては、各連結部品は、布地、またはVelcro(登録商標)タイプの自己グリップ材料から作製されたバンドを閉じることにより形成されたループ15の形状となっている。ループ15の一方の端部は、頂部ダンピング要素内に配設された通路開口部を貫通し、他方の端部は、これに結合された周囲のダンピング要素の通路開口部を貫通している。他方、図6においては、各連結部品は、軸方向にオフセットされた2つの部分の間のインサート16によって形成されている。各部品は、頂部ダンピング要素または周囲のダンピング要素と協働するように構成され、この目的のために、モミの木の形状の複数の非戻りタブ(anti-return tab)を有している。
【0016】
開口部11の周囲に沿って配設されたダンピング要素13のシェル12の方を向く面全体は、シェル12の内面に位置付けられ、開口部の周囲を画定し、シェルに完全に接触する支持ベルトを形成している。このため、ユーザの頭部がヘルメットのキャビティ内の適切な位置にある場合、支持ベルトを形成する各ダンピング要素13のシェル12の方を向く面全体は、シェル12の内面に完全に接触する。開口部11の周囲の全体を画定する支持ベルトを形成して開口部11の周囲に沿って空きスペースが設けられることを回避するために、開口部11の周囲に配設されたダンピング要素13は、並んで位置付けられ、または数ミリメートルのごくわずかな距離で配置されることができる。支持ベルトは、開口部11の輪郭を内側に画成するリング形状になっている。外側では、支持ベルトは、シェル12の内面に完全に接触し、シェル12と、ベルトを構成するダンピング要素13との間にデッドボリュームが配置されないことを保証し、最適な保護を提供する。
【0017】
シェル12の形状、大きさおよび厚さと、支持ベルトを構成するダンピング要素13の厚さは、(開口部11の周囲を画成する)支持ベルトの内側寸法が頭部のために予定されている接触領域内において頭部の所望の周長に完全に適合するように、選択される。このことにより、ヘルメットは以下のように構成される。すなわち、ヘルメットのキャビティ内におけるヘッドの位置付けが、支持ベルトの変形を引き起こし、その結果としてシェルの弾性的な屈曲変形を生じ、(ヘルメットのキャビティ内に頭部が位置付けられる前の)元の構造に戻ろうとするシェルの柔軟な付勢力によって、支持ベルトに沿って実質的に均一に、頭部に対する支持ベルトの永続的な締め付けを生じさせる。
【0018】
ダンピング要素13の間の結合手段がどんなものであっても、シェル12の内面へのダンピングライナーの固定は、シェルへライナーの少なくとも1つのダンピング要素13を取り付けることによって行われ得る。このような取付手段は、シェル12と、取り付けられたダンピング要素13との間のわずかなスライドを可能にするように構成され得る。このダンピング要素13とシェル12との間のわずかなスライドと、ダンピング要素13間の移動とは、潜在的に不快な音を発生させ得るが、このような不快な音には、シェルの内面および/またはダンピング要素をライトフェルト(light felt)、スプレー、またはシリコンタイプなどのコーティングで覆うことによって対抗することができる。
【0019】
周囲に複数の側部、前部および後部ダンピング要素が角度を付けて配設されている頂部ダンピング要素によってダンピングライナーが形成されている場合、第1の解決法は、頂部ダンピング要素のシェル12の内面への固定を行う取付手段を使用することである。第2の解決法においては、ヘルメット10は、支持ベルトを構成するダンピング要素をシェル12に一体的に取り付けるための手段を有しており、これにより、支持ベルトはシェル12の内面に完全に固定されている。そして、その手段は、シェル12と、取り付けられたダンピング要素との間のわずかな量のスライドを可能にするために、支持ベルトを構成するダンピング要素をシェル12に一体的に取り付けるために設けられていることが好ましい。この特徴は、Velcro(登録商標)の自己グリップバンドタイプまたは協働ループ/フックタイプの固定手段を使用することによって得ることができ、頭部の形に対するダンピング要素のより良い適合という利点をもたらす。
【0020】
支持ベルトと頭部との間の接触のレベルの快適さを改善する他の実施の形態においては、シェル12に取り付けられた支持ベルトを構成するダンピング要素の面の反対側の面に、圧縮要素17が配設され得る。このような圧縮要素17は、支持ベルトの周長の全体または一部を覆うことができ、強固な軟質発砲体、例えばエチレン酢酸ビニルから作製され、支持ベルトのダンピング要素が製造される際に付設される、または設けられる。このような圧縮要素17は、補完ベルトを作り出す機能を有し、圧縮要素17の変形によって、所望の頭部周長のために提供されたヘルメットの内側に、より大きな周長を有する頭部が位置付けられることを可能にする。
【0021】
さらに、ダンピングライナーの全体または一部にわたって、ダンピング要素13の間のギャップを充填する充填要素が配設され得る。このような充填要素は、適度に強固な柔軟材料、例えばエチレン酢酸ビニルから作製され得る。
【0022】
非限定的な実施の形態によれば、ダンピング要素13の間に配設された充填要素は、分離要素18によって形成され得る。図11に示したように、このような分離要素18は、各ダンピング要素13の間の残部に最小スペースを永続的に維持することを目的として概略的なV字形状を採用する柔軟性コネクタによって形成され得る。外力の影響による柔軟性コネクタの変形によって、この最小スペースは、一時的に減少して、その後、外力がなくなると、元の残部構造にコネクタの柔軟的な回復によってその元のサイズに戻ることができる。この実施の形態は、圧縮要素17が無い場合に特に有利である。
【0023】
シェル12とダンピング要素13との間のスライドを作り出すことに加えて、分離要素18は、シェル12の内面に対してダンピング要素13を配置する効果が、とりわけヘルメットが使用されていない間、一定に維持されて、要素13の動きを排除することを保証するという第1の利点をもたらす。それらは、さらに、スライドを助長することにより、シェルによっておよび分割されたライナーによって形成された組立体の変形を容易にする。最後に、それらは、要素13の間の接触および要素とシェル12との間の接触によって引き起こされる不快な音やこすれる音を排除することができる。分離要素18は、材料(例えば、PEまたはPP)の熱成型または射出成型によって得ることができる。
【0024】
また、ヘルメット10は、各々が支持ベルトに属している2つの対向するダンピング要素に端部が連結されたあごひもを有することができる。
【0025】
図7乃至図10の目的は、ダンピングライナーのダンピング要素13の可能性のある異なる形状の変形例を示すことである。図10においては、頂部ダンピング要素は、頂部ダンピング要素の周囲に配設された複数の側部、前部および後部ダンピング要素に連結されている。図9は、図10の変形例であって、ここでは、周囲のダンピング要素が、キャビティの底部の方向にオフセットされた2つの独立した要素にさらに分割されている。一方、図7および図8は、ダンピング要素13がシェル12の内面全体にわたって六角形状で均一に分配され、大きい分配密度を有するライナーと、これより小さい分配密度を有するライナーを示している。
【0026】
上述したヘルメットの他の実施の形態の全ては、ヘルメット内の向上した通気品質という利点をもたらす。ユーザの頭部から発生する熱は、主に、頭蓋骨の周囲における放射である。要素13の間のスリットまたはギャップは、熱および水分の効率的な除去を可能にする空気流網を形成する。この効果は、シェル12に、外側に開口してユーザの動きにより引き起こされる可変の通気の形成を容易にする穴が設けられた場合に、増大され得る。
【0027】
最後に、安全性に関して、側部ダンピング要素13が浮遊している上述した実施の形態は、接線方向の力成分の場合に頭部とシェルとの間のスライドおよび枢動によってエネルギの一部を吸収することができる。この数十ミリメートルの移動は、ストレスのピークを吸収して、脳へのダメージのしきい値以下にとどまらせることを可能にする点で重要である。ストレスがより大きい場合には、頭部とヘルメットとの間の支持ベルトの平面内におけるスライドが、衝撃波を弱めることを可能にする。このことは、支持ベルトの周長の変形が無いことにより可能となる。
【0028】
好適な他の実施の形態においては、頂部ダンパー要素13とシェル12とを取り付ける手段は、ヒューズ要素として作用することができ、2つの要素を互いから少なくとも部分的に分離させることができ、ライナーに対してシェルのより大きな回転を可能にし、伝達される力をほとんどゼロにする。このような取付手段は、接着剤、例えばホットメルト接着剤のタイプ、若しくは磁石で、またはVelcro(登録商標)タイプの自己グリップ材料で、実現され得る。シェル12は、ユーザのあごの下のあごひも、またはその同等物が全体の一体性を保証するために、分離することはできない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を介して外側に通じ、頭部に適合するキャビティを画成する安全ヘルメットであって、単一部品の外側シェルと、シェルの内側に付設された複数のダンピング要素と、ダンピング要素を互いに結合する結合要素と、を備えた安全ヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの安全ヘルメットは、US6,665,884B1の公報により知られている。ここでは、硬いシェルだけが、外部衝撃力の影響で変形するようになっている。シェルの内側には、側部、前部および頂部ダンピング要素が付設されている。側部要素の各々は、シェルに取り付けられた側部部分と、側部部分に接合されていない後側部分とに、更に分割されている。このため、側部ダンピング要素の各々は、シェルに部分的に取り付けられている。後部部分の自由端部は、柔軟性バンドによって互いに結合されている。後部部分と柔軟性バンドとは、シェルの内面から所定の距離に位置付けられている。このことにより、シェルとダンピング要素との間に配置されるデッドボリュームが存在するようになり、最適な保護がなされない。前部ダンピング要素は、側部ダンピング要素から完全に分離され、シェルのキャビティ内の適切な位置にある頭部に締め付けが適用されないというレベルの空きスペースが介在される。
【0003】
頭部の締め付けは、側方にのみ後部から行われる。このことは、頭部へのヘルメットの保持と、もたらされる保護とに問題があることを意味している。締付機能は、後部の柔軟性バンドと側部ダンピング要素の圧縮によって行われる。これらの部分から上述したようなデッドボリュームを介在させて所定の距離に位置付けられたシェルは、頭部への締め付けに関与せず、ユーザの頭部の形に可能な適合をもたらすことがない。側部要素だけが頭部の形に適合するようになる。
【0004】
転倒した際のヘルメットへの衝撃は、シェルに対して純粋に垂直とはならず、シェルへの接線方向成分が、激しいねじりトルクを、頭部に、そして首に引き起こすことがある。これらの突然の頭部の回転は、脳を頂部に結合する要素に内部損傷を引き起こす。先行技術のヘルメットは、この現象に対する保護を提供することはなく、安全性の問題に関する限りは十分に満足されるものではない。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、ユーザの頭部がどんな形であろうとも、快適性、強度、美観および安全性が最適化された安全ヘルメットを提供することにある。
【0006】
この目的は、添付された特許請求の範囲によるヘルメットによって実現され、とりわけ、ダンピング要素が硬質発泡体を形成する材料によって形成され、シェルが弾性変形可能な材料から作製され、開口部の周囲に沿って配設されたダンピング要素のシェルの方を向く面全体が、シェルの内面に位置付けられて、シェルと完全に接触する内側支持ベルトを形成し、キャビティ内における頭部の位置が、頭部の形に応じるシェルの弾性変形によって支持ベルトの変形を引き起こし、ヘルメットが、支持ベルトに沿って実質的に均一に、頭部に対する支持ベルトの永続的な締め付けを生じさせるように構成されている、ことによって実現される。
【0007】
開口部の周囲に配置されたダンピング要素は、例えば、並んで位置付けられ、開口部の周囲全体を画定する支持ベルトを形成し、開口部の周囲に沿って空きスペースが設けられることを回避する。開口部の周囲においてシェルの方を向くダンピング要素の面の全体がシェルに位置付けられているため、シェルとダンピング要素との間にデッドボリュームが配置されることがなく、これにより、最適な保護が提供される。頭部がヘルメットのキャビティ内の適切な位置にあって頭部に対して支持ベルトの締め付けを発生させている場合に、頭部がキャビティ内に置かれる前の元の構造へのシェルの弾性的な回復によって、屈曲して弾性的に変形するように、シェルは構成されている。このため、シェルは、ユーザの頭部の形に自動的に適合する。開口部の周囲を画定するダンピング要素の全てが、締め付けに関与し、頭部の形に適合する。このようにして形成され、頭部がヘルメットのキャビティ内の適切な位置にある場合に変形するように構成された支持ベルトは、十分に押圧されているシェルの変形により、ベルトの周長にわたって永続的に、かつ均一に頭部をクランプする効果を有し、頭部へのヘルメットの保持を改良し、保護を高める。
【0008】
他の利点および特徴は、非限定的な例のために与えることを目的とし、添付した図面において示された本発明の実施の形態における以下の記述からより一層明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明によるヘルメットの底面斜視図である。
【図2】図2は、図1のヘルメットの長手方向断面図である。
【図3】図3は、ダンピング要素間の結合手段の他の実施形態を示す図である。
【図4】図4は、ダンピング要素間の結合手段の他の実施形態を示す図である。
【図5】図5は、ダンピング要素間の結合手段の他の実施形態を示す図である。
【図6】図6は、ダンピング要素間の結合手段の他の実施形態を示す図である。
【図7】図7は、ダンピング要素の形状の他の実施形態を示す図である。
【図8】図8は、ダンピング要素の形状の他の実施形態を示す図である。
【図9】図9は、ダンピング要素の形状の他の実施形態を示す図である。
【図10】図10は、ダンピング要素の形状の他の実施の形態を示す図である。
【図11】図11は、分離要素を有するヘルメットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1および図2の安全ヘルメット10は、開口部11を介して外側に通じるキャビティを画成しており、キャビティの内側に頭部を適合するようになっている。ヘルメット10は、単一部品で形成され、ノッチを有していない外側シェル12を備えている。シェル12の内側には、複数のダンピング要素13が付設されており、シェル12の内面の全体を実質的に覆っているダンピングライナー(damping liner)を形成している。ダンピング要素13を互いに結合するように結合手段を設けることができるが、このような結合手段は必須ではない。各ダンピング要素13は、他のダンピング要素13に連結されることなくシェルに付着させることができる。
【0011】
ノッチによって理解されるべきことは、ヘルメットの厚さ全体にわたる(すなわち、発泡体ライナーの全厚さ、およびシェルの全厚さにわたる)局所的な細長い材料除去部が、ヘルメットのエッジに通じるように構成されることである。しかしながら、シェル12は、閉ざされた輪郭を有する局所的な通気開口部、すなわちヘルメットのエッジに通じていない局所的な通気開口部を有することができる。
【0012】
ダンピング要素13は、発泡スチレン(PSE)、または、PSE若しくは興味深いダンピング特性に匹敵する経済的利益をもたらす他の実質的な硬質発泡体から作製されている。一方、シェル12は、例えば、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(あるいはABS)、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートグリコール(あるいはPETG)、またはポリ塩化ビニル(あるいはPVC)などの熱可塑性ポリマー材料といった、弾性変形可能な材料から作製されている。シェル12の材料は、シェル12が外部衝撃力に対して十分な抵抗力を示すと共に、材料の曲げ係数が1500〜4500MPaとなるように選択される。屈曲において必要とされる柔軟な変形能力のために、外側シェル12の厚さは、とりわけ弾性係数に応じて、例えば0.5〜3mmとなる。また、シェル12を形成する材料は、好ましくは10%を超える引張破壊伸び特性をもたらす。
【0013】
使用時には、ダンピング要素13間の結合手段は、任意の方法で実現されることができ、例えば、ダンピング要素13間の相対移動を可能にするように構成されている。
【0014】
第1の解決法は、全てのダンピング要素13を互いに連結する単一の構造体14を使用することである。周囲に複数の側部、前部および後部ダンピング要素が角度を付けて配設されている頂部ダンピング要素によってダンピングライナーが形成されている場合、単一の構造体14は、例えば、クモの形状とすることができる。その頭は、頂部ダンピング要素に取り付けられ、各脚は、頂部ダンピング要素と周囲のダンピング要素との間の結合を行う。図3においては、頂部、側部、前部および後部ダンピング要素は、単一の構造体14に外側被覆することにより実現されている。他方、図5においては、単一の構造体14は、外側被覆されておらず、ダンピング要素13と外側シェル12の内面との間に閉じ込められている。
【0015】
他の解決法は、2つのダンピング要素13の間の局所的な連結を個々に行う複数の個別連結部品を使用することである。周囲に複数の側部、前部および後部ダンピング要素が角度を付けて配設されている頂部ダンピング要素によってダンピングライナーが形成されている場合、各連結部品は、頂部ダンピング要素と周囲のダンピング要素との間の連結を行う。図4においては、各連結部品は、布地、またはVelcro(登録商標)タイプの自己グリップ材料から作製されたバンドを閉じることにより形成されたループ15の形状となっている。ループ15の一方の端部は、頂部ダンピング要素内に配設された通路開口部を貫通し、他方の端部は、これに結合された周囲のダンピング要素の通路開口部を貫通している。他方、図6においては、各連結部品は、軸方向にオフセットされた2つの部分の間のインサート16によって形成されている。各部品は、頂部ダンピング要素または周囲のダンピング要素と協働するように構成され、この目的のために、モミの木の形状の複数の非戻りタブ(anti-return tab)を有している。
【0016】
開口部11の周囲に沿って配設されたダンピング要素13のシェル12の方を向く面全体は、シェル12の内面に位置付けられ、開口部の周囲を画定し、シェルに完全に接触する支持ベルトを形成している。このため、ユーザの頭部がヘルメットのキャビティ内の適切な位置にある場合、支持ベルトを形成する各ダンピング要素13のシェル12の方を向く面全体は、シェル12の内面に完全に接触する。開口部11の周囲の全体を画定する支持ベルトを形成して開口部11の周囲に沿って空きスペースが設けられることを回避するために、開口部11の周囲に配設されたダンピング要素13は、並んで位置付けられ、または数ミリメートルのごくわずかな距離で配置されることができる。支持ベルトは、開口部11の輪郭を内側に画成するリング形状になっている。外側では、支持ベルトは、シェル12の内面に完全に接触し、シェル12と、ベルトを構成するダンピング要素13との間にデッドボリュームが配置されないことを保証し、最適な保護を提供する。
【0017】
シェル12の形状、大きさおよび厚さと、支持ベルトを構成するダンピング要素13の厚さは、(開口部11の周囲を画成する)支持ベルトの内側寸法が頭部のために予定されている接触領域内において頭部の所望の周長に完全に適合するように、選択される。このことにより、ヘルメットは以下のように構成される。すなわち、ヘルメットのキャビティ内におけるヘッドの位置付けが、支持ベルトの変形を引き起こし、その結果としてシェルの弾性的な屈曲変形を生じ、(ヘルメットのキャビティ内に頭部が位置付けられる前の)元の構造に戻ろうとするシェルの柔軟な付勢力によって、支持ベルトに沿って実質的に均一に、頭部に対する支持ベルトの永続的な締め付けを生じさせる。
【0018】
ダンピング要素13の間の結合手段がどんなものであっても、シェル12の内面へのダンピングライナーの固定は、シェルへライナーの少なくとも1つのダンピング要素13を取り付けることによって行われ得る。このような取付手段は、シェル12と、取り付けられたダンピング要素13との間のわずかなスライドを可能にするように構成され得る。このダンピング要素13とシェル12との間のわずかなスライドと、ダンピング要素13間の移動とは、潜在的に不快な音を発生させ得るが、このような不快な音には、シェルの内面および/またはダンピング要素をライトフェルト(light felt)、スプレー、またはシリコンタイプなどのコーティングで覆うことによって対抗することができる。
【0019】
周囲に複数の側部、前部および後部ダンピング要素が角度を付けて配設されている頂部ダンピング要素によってダンピングライナーが形成されている場合、第1の解決法は、頂部ダンピング要素のシェル12の内面への固定を行う取付手段を使用することである。第2の解決法においては、ヘルメット10は、支持ベルトを構成するダンピング要素をシェル12に一体的に取り付けるための手段を有しており、これにより、支持ベルトはシェル12の内面に完全に固定されている。そして、その手段は、シェル12と、取り付けられたダンピング要素との間のわずかな量のスライドを可能にするために、支持ベルトを構成するダンピング要素をシェル12に一体的に取り付けるために設けられていることが好ましい。この特徴は、Velcro(登録商標)の自己グリップバンドタイプまたは協働ループ/フックタイプの固定手段を使用することによって得ることができ、頭部の形に対するダンピング要素のより良い適合という利点をもたらす。
【0020】
支持ベルトと頭部との間の接触のレベルの快適さを改善する他の実施の形態においては、シェル12に取り付けられた支持ベルトを構成するダンピング要素の面の反対側の面に、圧縮要素17が配設され得る。このような圧縮要素17は、支持ベルトの周長の全体または一部を覆うことができ、強固な軟質発砲体、例えばエチレン酢酸ビニルから作製され、支持ベルトのダンピング要素が製造される際に付設される、または設けられる。このような圧縮要素17は、補完ベルトを作り出す機能を有し、圧縮要素17の変形によって、所望の頭部周長のために提供されたヘルメットの内側に、より大きな周長を有する頭部が位置付けられることを可能にする。
【0021】
さらに、ダンピングライナーの全体または一部にわたって、ダンピング要素13の間のギャップを充填する充填要素が配設され得る。このような充填要素は、適度に強固な柔軟材料、例えばエチレン酢酸ビニルから作製され得る。
【0022】
非限定的な実施の形態によれば、ダンピング要素13の間に配設された充填要素は、分離要素18によって形成され得る。図11に示したように、このような分離要素18は、各ダンピング要素13の間の残部に最小スペースを永続的に維持することを目的として概略的なV字形状を採用する柔軟性コネクタによって形成され得る。外力の影響による柔軟性コネクタの変形によって、この最小スペースは、一時的に減少して、その後、外力がなくなると、元の残部構造にコネクタの柔軟的な回復によってその元のサイズに戻ることができる。この実施の形態は、圧縮要素17が無い場合に特に有利である。
【0023】
シェル12とダンピング要素13との間のスライドを作り出すことに加えて、分離要素18は、シェル12の内面に対してダンピング要素13を配置する効果が、とりわけヘルメットが使用されていない間、一定に維持されて、要素13の動きを排除することを保証するという第1の利点をもたらす。それらは、さらに、スライドを助長することにより、シェルによっておよび分割されたライナーによって形成された組立体の変形を容易にする。最後に、それらは、要素13の間の接触および要素とシェル12との間の接触によって引き起こされる不快な音やこすれる音を排除することができる。分離要素18は、材料(例えば、PEまたはPP)の熱成型または射出成型によって得ることができる。
【0024】
また、ヘルメット10は、各々が支持ベルトに属している2つの対向するダンピング要素に端部が連結されたあごひもを有することができる。
【0025】
図7乃至図10の目的は、ダンピングライナーのダンピング要素13の可能性のある異なる形状の変形例を示すことである。図10においては、頂部ダンピング要素は、頂部ダンピング要素の周囲に配設された複数の側部、前部および後部ダンピング要素に連結されている。図9は、図10の変形例であって、ここでは、周囲のダンピング要素が、キャビティの底部の方向にオフセットされた2つの独立した要素にさらに分割されている。一方、図7および図8は、ダンピング要素13がシェル12の内面全体にわたって六角形状で均一に分配され、大きい分配密度を有するライナーと、これより小さい分配密度を有するライナーを示している。
【0026】
上述したヘルメットの他の実施の形態の全ては、ヘルメット内の向上した通気品質という利点をもたらす。ユーザの頭部から発生する熱は、主に、頭蓋骨の周囲における放射である。要素13の間のスリットまたはギャップは、熱および水分の効率的な除去を可能にする空気流網を形成する。この効果は、シェル12に、外側に開口してユーザの動きにより引き起こされる可変の通気の形成を容易にする穴が設けられた場合に、増大され得る。
【0027】
最後に、安全性に関して、側部ダンピング要素13が浮遊している上述した実施の形態は、接線方向の力成分の場合に頭部とシェルとの間のスライドおよび枢動によってエネルギの一部を吸収することができる。この数十ミリメートルの移動は、ストレスのピークを吸収して、脳へのダメージのしきい値以下にとどまらせることを可能にする点で重要である。ストレスがより大きい場合には、頭部とヘルメットとの間の支持ベルトの平面内におけるスライドが、衝撃波を弱めることを可能にする。このことは、支持ベルトの周長の変形が無いことにより可能となる。
【0028】
好適な他の実施の形態においては、頂部ダンパー要素13とシェル12とを取り付ける手段は、ヒューズ要素として作用することができ、2つの要素を互いから少なくとも部分的に分離させることができ、ライナーに対してシェルのより大きな回転を可能にし、伝達される力をほとんどゼロにする。このような取付手段は、接着剤、例えばホットメルト接着剤のタイプ、若しくは磁石で、またはVelcro(登録商標)タイプの自己グリップ材料で、実現され得る。シェル12は、ユーザのあごの下のあごひも、またはその同等物が全体の一体性を保証するために、分離することはできない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(11)を介して外側に通じ、頭部に適合するキャビティを画成する安全ヘルメット(10)において、
単一部品の外側シェル(12)と、
シェル(12)の内側に付設された複数のダンピング要素(13)と、を備え、
ダンピング要素(13)は、硬質発泡体によって形成され、シェル(12)は、弾性変形可能な材料から作製され、
開口部(11)の周囲に配設されたダンピング要素(13)のシェル(12)の方を向く面全体が、シェル(12)の内面に位置付けられて、シェル(12)と完全に接触する内側支持ベルトを形成し、
キャビティ内における頭部の位置が、頭部の形に応じるシェル(12)の弾性変形によって支持ベルトの変形を引き起こし、支持ベルトに沿って実質的に均一に、頭部に対する支持ベルトの永続的な締め付けを生じさせるように構成されていることを特徴とするヘルメット。
【請求項2】
支持ベルトを構成するダンピング要素(13)をシェル(12)に一体的に取り付ける手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
【請求項3】
支持ベルトを構成するダンピング要素(13)をシェル(12)に一体的に取り付ける手段は、シェル(12)と、取り付けられたダンピング要素(13)との間で、わずかなスライドを可能にすることを特徴とする請求項2に記載のヘルメット。
【請求項4】
外側シェル(12)の材料は、1500〜4500MPaの弾性係数を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項5】
外側シェル(12)の厚さは、0.5〜3mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項6】
シェル(12)に取り付けられた支持ベルトを構成するダンピング要素の面の反対側の面に、圧縮要素(17)が配設されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項7】
ダンピング要素(13)を互いに結合する結合手段(14〜16)を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項8】
結合手段(14〜16)は、ダンピング要素(13)間の相対移動を可能にすることを特徴とする請求項7に記載のヘルメット。
【請求項9】
結合手段(14〜16)は、ダンピング要素(13)のセットを互いに連結する単一の構造体(14)を有していることを特徴とする請求項7または8に記載のヘルメット。
【請求項10】
結合手段(14〜16)は、2つのダンピング要素(13)の間の局所的な連結を個々に作製する複数の個別連結部品(15、16)を有していることを特徴とする請求項7または8に記載のヘルメット。
【請求項1】
開口部(11)を介して外側に通じ、頭部に適合するキャビティを画成する安全ヘルメット(10)において、
単一部品の外側シェル(12)と、
シェル(12)の内側に付設された複数のダンピング要素(13)と、を備え、
ダンピング要素(13)は、硬質発泡体によって形成され、シェル(12)は、弾性変形可能な材料から作製され、
開口部(11)の周囲に配設されたダンピング要素(13)のシェル(12)の方を向く面全体が、シェル(12)の内面に位置付けられて、シェル(12)と完全に接触する内側支持ベルトを形成し、
キャビティ内における頭部の位置が、頭部の形に応じるシェル(12)の弾性変形によって支持ベルトの変形を引き起こし、支持ベルトに沿って実質的に均一に、頭部に対する支持ベルトの永続的な締め付けを生じさせるように構成されていることを特徴とするヘルメット。
【請求項2】
支持ベルトを構成するダンピング要素(13)をシェル(12)に一体的に取り付ける手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット。
【請求項3】
支持ベルトを構成するダンピング要素(13)をシェル(12)に一体的に取り付ける手段は、シェル(12)と、取り付けられたダンピング要素(13)との間で、わずかなスライドを可能にすることを特徴とする請求項2に記載のヘルメット。
【請求項4】
外側シェル(12)の材料は、1500〜4500MPaの弾性係数を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項5】
外側シェル(12)の厚さは、0.5〜3mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項6】
シェル(12)に取り付けられた支持ベルトを構成するダンピング要素の面の反対側の面に、圧縮要素(17)が配設されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項7】
ダンピング要素(13)を互いに結合する結合手段(14〜16)を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項8】
結合手段(14〜16)は、ダンピング要素(13)間の相対移動を可能にすることを特徴とする請求項7に記載のヘルメット。
【請求項9】
結合手段(14〜16)は、ダンピング要素(13)のセットを互いに連結する単一の構造体(14)を有していることを特徴とする請求項7または8に記載のヘルメット。
【請求項10】
結合手段(14〜16)は、2つのダンピング要素(13)の間の局所的な連結を個々に作製する複数の個別連結部品(15、16)を有していることを特徴とする請求項7または8に記載のヘルメット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−518097(P2012−518097A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549621(P2011−549621)
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000108
【国際公開番号】WO2010/092254
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(511199044)クジ、スポーツ、リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】KUJI SPORTS LTD
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000108
【国際公開番号】WO2010/092254
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(511199044)クジ、スポーツ、リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】KUJI SPORTS LTD
【Fターム(参考)】
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