説明

変性された二層粘土鉱物、その製造方法および使用

本発明は変性された二層粘土鉱物に関し、前記鉱物は埋め込まれた有機分子を有することを特徴とする。前記粘土鉱物の製造方法および使用も記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機分子を封入して含有することを特徴とする変性された二層粘土鉱物、その製造方法および使用に関する。
【0002】
二層粘土鉱物、例えばカオリンまたはカオリン粘土は長い間建築化学およびセラミックにおよび高級磁器の出発物質として使用されている。現在これらの粘土はきわめて広く使用される。カオリンはその間に紙、衛生用品、プラスチック、接着剤、塗料、仕上げ材、薬品、化粧品、ガラス繊維、およびゴム(天然ラテックスおよび合成製品)の製造に基本的な重要性を獲得した。機能的充填剤の定義および処理された鉱物の同時の発展とともに、典型的な使用分野のほかに多数の新しい使用分野が生じ、用途に合わせた粘土表面の変性が前記の新しい使用分野を開発するためにますます重要になってきた。印刷可能性、光学特性(明るさ、不透明性、光沢、多孔度)および機械的特性(引っ張り強さ、耐衝撃性)、構造、密度、粒子分布、電気および熱伝導性、光の屈折、およびポリマー材料での遮断作用(特にCO、O、UVに対する)が重要な特性の基準である。
【0003】
カオリンは一般に火山ガラスおよび長石を有する珪酸岩(花崗岩、片麻岩花崗質砂岩)の風化または熱水反応の結果として形成される。カオリン群の粘土鉱物はカオリンの主成分である。カオリナイトは層状構造を有するアルミノヒドロシリケート(フィロシリケート)である。化学式はAl[Si(OH)]である。基本層(TOパケット)が層を形成するために結合した[Al(O、OH)]八面体および層を形成するために結合した[SiO]四面体から形成される。この層状珪酸塩の構造は層パケットおよび中間層の連続により決定される。四面体および八面体カチオンの置換基はほとんど存在しない。八面体層表面は中間層に向かってヒドロキシル基を有する。層パケットは主に水素橋状結合により互いに結合される。
【0004】
技術水準により現在まで層状珪酸塩ポリマーナノ複合体の開発に複雑な前処理が必要である。使用される層状珪酸塩は主にスメクタイト族の粘土鉱物であり、これらは自然条件下で膨張可能であり、三層粘土鉱物である。これらは中間層の内部表面上に中間層に埋め込まれたカチオンにより補償される電荷を有し、結果として個々の層パケットが互いに保持される。これらのカチオンは水和されていてもよく、従って中間層を拡張する。スメクタイトの最もよく知られた成分、モンモリロナイトは、中間層がナトリウムによってのみ占有される場合に、完全に層が離れる傾向を有するほど多くの水を吸収する。従って多くのモンモリロナイトは変性の前にポリマー複合体形成ブロックを生じるためにカチオン交換しなければならず、多くの場合にカルシウムをナトリウムに交換する。変性法においてナトリウムイオンを引き続きいわゆる相溶化剤、例えば欧州特許第1055706号に記載されるように第三級アミンと交換する。
【0005】
粘土鉱物表面の占有に疎水特性を付与し、マトリックスポリマーにカップリングする変性により粘土鉱物とマトリックスポリマーの間に直接共有結合が存在しない。
【0006】
カオリナイト、表面電荷を有しない二層粘土鉱物はプラスチック工業に充填剤として長い間使用された。カオリナイトは純粋な充填剤であり、1μm〜数μmの粒度で存在する。粘土鉱物はいわばポリマーマトリックス中を浮遊し、現在わずかに新しいプラスチック特性を生じる。しかしカオリナイトはその触媒特性により、有利に重合工程に影響を与えることができる(英国特許第758010号、英国特許第838368号、英国特許第1082278号)。カオリナイトは被覆材料または流動改良剤としてエラストマーの貯蔵性に優れていることが示された(ドイツ特許第3937799号)。
【0007】
極性および水素橋結合によってのみ一緒に保持されるカオリナイトの個々の層パケットの特定の結合特性の結果として、寸法に合わせた分子を使用してそうでなければ自然条件下で膨張しないカオリナイトの中間層を挿入することができる。更にカオリナイトは接近可能な八面体層表面に、重合反応にモノマーのアンカー部位として用いられるヒドロキシル基を有する。
【0008】
米国特許第3080256号は水性媒体中でまずポリアミンと反応させ、引き続き有機化合物と反応させることによる、カオリンを含む種々の粘土鉱物の変性を記載する。この結果としてこの方法で変性された粘土鉱物は有機系中で良好な湿潤性および分散性を達成する。
【0009】
現在使用される三層粘土鉱物はすべてアンモニウム化合物処理を必要とする表面電荷を有し、この処理が光学的透明度およびマトリックスポリマーでの層状珪酸塩の不完全な離層に関してポリマーナノ複合体に不利に作用する。
【0010】
本発明の課題は現在知られている三層粘土鉱物の欠点を有しない、変性された二層粘土鉱物を製造する方法を提供することである。
【0011】
前記課題は、第1工程で
a)水溶液中のアルカリ金属酢酸塩および酢酸アンモニウムを二層粘土鉱物と混合し、その結果酢酸塩が二層粘土鉱物に埋め込まれ、および
第2工程で
b)工程a)で得られた二層粘土鉱物を、他の溶剤を使用してまたは使用せずに有機分子と混合し、結果として有機分子が二層粘土鉱物に埋め込まれる
方法により解決される。
【0012】
本発明により変性される二層粘土鉱物が有利である。変性される二層粘土鉱物がカオリナイト、特に有利にハロイサイト、ディッカイト、ナクライト、およびカオリナイト、特に有利にカオリナイトからなる群からの粘土鉱物をベースとする場合が有利である。
【0013】
1つの有利な構成において、工程a)で埋め込まれた酢酸塩を完全にまたは少なくとも部分的に排除する。酢酸塩の埋め込みは15〜30℃の温度で、有利に室温で行う。
【0014】
本発明に関して室温は約20℃である。有機分子の埋め込みは15℃以上、有利に35℃以上、特に50℃以上、特に有利に60℃以上の温度で行うことができる。
【0015】
工程b)を2つの連続する別々の工程に分けることができ、第1工程b1)は5分〜24時間の時間の本来の混合からなり、工程b2)は場合により高温での数時間から14日までの時間にわたる貯蔵からなる。工程b1)およびb2)を形成する時間はそれぞれ埋め込みの所望の程度に依存する。低い埋め込みの程度が所望の場合は、短い時間を選択すべきである。他方で大きいまたは(ほぼ)完全な埋め込みを行うべきである場合は、長い時間を選択すべきである。前記時間の間に達成される埋め込みの程度はその間のサンプリングにより容易に決定できる。所望の埋め込みの程度に達した場合に、工程b1)またはb2)を単に終了する。本発明により、工程b2)を15℃以上、有利に35℃以上、特に50℃以上、特に有利に60℃以上の温度で実施する。本発明により工程b1)を、工程b2)と関係なく同様に15℃以上の温度で実施できる。しかし工程b1)を15〜30℃の温度で、特に室温で実施することが有利である。
【0016】
本発明により工程a)で埋め込まれる酢酸塩は酢酸アンモニウムおよび/またはアルカリ金属酢酸塩からなる群から選択される。従って酢酸アンモニウムおよび種々のアルカリ金属の酢酸塩の両方を使用することができる。個々の酢酸塩および異なる酢酸塩の組合せの両方を使用できるが、組合せを使用しないことが好ましい。
【0017】
本発明により、工程a)のための有利な酢酸塩は酢酸アンモニウムおよび酢酸カリウムである。工程a)で使用される酢酸塩が酢酸カリウムである場合が本発明により特に有利であり、従って特に好ましい。
【0018】
酢酸塩を排除するために使用できる有機化合物は重合反応の開始剤分子および/またはモノマー分子である。
【0019】
開始剤分子は熱による励起または放射線による励起または他の触媒による励起により重合反応を開始できる1個以上の官能基を有する有機化合物であると理解される。官能基の例は例えばN−ブロモスクシンイミド中の=N−Br基であり、ラジカル開始剤として作用できる。モノマー分子は官能基を有する有機化合物であり、この官能基は重合反応でポリマーに配合される化合物を生じることができる。これらの基は例えば炭素−炭素二重結合であり、ラジカル重合で処理される。
【0020】
開始剤分子および/またはモノマー分子の他の構成は当業者に知られており、ここで記載する必要はない。
【0021】
本発明により埋め込まれる有機化合物は水素橋結合を形成できることが必要である。
【0022】
前記化合物の例は官能基−OH、−SH、=NH、−NR、−CO−NR、=O、−O−および/またはXを有する化合物からなる群から選択される化合物であり、式中、Xは任意の所望のハロゲンであり、RおよびRはそれぞれ互いに独立に水素または1〜10個の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル基またはアルキレン基、特にメチル基またはビニル基である。本発明により以下のものが有機化合物として特に適している。
A)ヒドロキシル官能性化合物、特にエチレングリコール、グリセロール、トリエチレングリコール、およびポリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテルはあまり有利でない、
B)メルカプト化合物。特にエタン−1,2−ジチオール、
C)イミノ基またはアミノ基を有する化合物、特にN−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、およびアクリルアミド、
D)ハロゲン官能性化合物、特にブロモマレイン酸無水物、N−ブロモスクシンイミド、ジエチルメソ−2,5−ジブロモアジペート、4−クロロカテコール、テトラブロモカテコールおよび3−クロロプロパンスルホニルクロリド、
E)アリル基および/またはビニル基を有する化合物、特にメチレンコハク酸、2−ヒドロキシエチレンメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、有利に質量平均分子量Mw360を有するもの。
【0023】
本発明の方法は工程b)で場合により重合抑制剤の添加を有してもよく、この時点でこれがなお好ましくない場合は、特に高温で早すぎる重合を抑制する。
【0024】
本発明の方法において工程b)で場合により有機溶剤および/または水を添加することができる。この添加は2つの作用を有する。第1に埋め込まれる有機化合物が溶解または分散し、化合物の取り扱いが容易になり、第2に有機溶剤および/または水の添加により有機化合物と二層粘土鉱物の混合が容易になる。
【0025】
従って本発明は本発明の方法により得られる変性された二層粘土鉱物に関する。
【0026】
本発明による変性された二層粘土鉱物および本発明の方法にもとづき製造される変性された二層粘土鉱物はナノ複合体の製造に使用される。
【0027】
後者はそれ自体変性された二層粘土鉱物と全く同様に紙、衛生製品、プラスチック、接着剤、塗料、仕上げ剤、製薬製剤、化粧品、ガラス繊維、ゴム(天然ラテックスおよび合成製品)、洗剤および家庭用洗剤の製造に使用される。
【0028】
三層粘土鉱物の代わりに二層粘土鉱物の中間層に有機化合物を埋め込む工程およびそれぞれの重合工程に重要な有機化合物の供給は本発明の一部である。
【0029】
本発明により、二層粘土鉱物の八面体層の表面を前記層のヒドロキシル基がポリマーのアンカー部位を提供するように変性する。ポリマーは共有結合により基本層の表面にカップリングできるべきである。マトリックスポリマーへのこのカップリングはプラスチックの生成物特性の広い範囲の改良を生じる。被覆技術の更なる開発は鉱物表面とマトリックスポリマーの結合強度の増加を目的とする。中間層に対する八面体層表面の変性のためにまず水素橋を形成する顕著な傾向を有する極性分子をカオリナイトに埋め込む。カオリナイトにおいてアルカリ金属酢酸塩の埋め込みは0.7nmから1.4nmへの基層間隔の増加を生じる。中間層のこの開放は次の処理工程で水素橋を形成できるモノマーの埋め込みを可能にする。適当な有機化合物の付加的な埋め込みにより決められた重合反応を中間層の間隔で実施できる。本発明で生じる変性された二層粘土鉱物は例えばラジカル重合、原子移動ラジカル重合(ATRP)またはUV開始重合に使用することができ、結果としてポリマー中に結合した粘土鉱物を有するポリマーが得られる。埋め込まれた分子は二層粘土鉱物−ポリマー化合物およびポリマー−ポリマー化合物の両方の構成を可能にする。従って課題に応じて所望の特性の二層粘土鉱物ナノ複合体を製造できる。二層粘土鉱物でのその場の重合により、例えば基本層の離層を達成することができ、マトリックスポリマーでの基本層の均一な分布を生じる。結果としてナノスケール範囲においても一定の材料特性が保証される。
【0030】
本発明の利点は層状珪酸塩ナノ複合体中のナノ複合体成分としてカオリナイトを提供することであり、これによりマトリックスポリマー中のカオリナイトの同時の離層および分散(カオリナイトの中間層でのその場の重合およびマトリックスポリマーとの架橋および同時のポリマーとの共有結合の形成)のための寸法に合わせた開始剤またはモノマー分子の埋め込みが可能になる。
【0031】
本発明の他の利点は三層珪酸塩の前処理での複雑化したカチオン交換工程の省略により同時に費用を最小にした、ポリマー−層状珪酸塩ナノ複合体の開発の分野での、二層粘土鉱物、有利にカオリナイトの使用分野の開発および所望のマトリックスポリマーの形式によるきわめて広い範囲の重合工程のための、二層粘土鉱物、有利にカオリナイトでの挿入化合物の提供である。
【0032】
前記方法は例えば製紙工業に使用されるカオリナイトの使用範囲を拡大する。
【0033】
本発明に記載される方法でカオリナイトはナノ複合体成分として簡単で、より経済的な前処理法で三層粘土鉱物に代用できる。更にマトリクスポリマーに対する共有結合を形成して機能充填剤としての特性により、カオリナイトの使用範囲が拡大する。
【0034】
本発明は有機化合物それ自体の埋め込みの間に重合が行われる変性した二層粘土鉱物に関する。
【0035】
本発明は更に有機化合物それ自体の埋め込みの間に重合が行われ、これにより埋め込みまたは重合の間に離層が行われる、変性した二層粘土鉱物に関する。
【0036】
二層粘土鉱物のポリマー制御された離層を達成するために、本発明は以下の2つの構想からなる。
(I)制御されない条件、まず適当なモノマーを二層粘土鉱物の中間層に埋め込み、粘土鉱物が自発的なまたは熱により開始される重合により離層を生じる。この特性は例えばポリ(エチレングリコール)メタクリレート(PEGMA)の場合に観察された。PEGMA二層粘土鉱物はアセトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、ジオキサンおよびクロロホルムのような溶剤を使用する試験により処理された。製造されたPEGMAベースポリマー複合体は前記溶剤にあまり溶解しないことが示されたが、クロロホルムが溶解性に関して最良の結果を生じた。
(II)制御された条件、まず適当な物質を二層粘土鉱物の中間層に埋め込み、前記物質は例えば重縮合のような引き続く重合の反応物質として用いられ、またはATRPまたは場合によりUVにより開始された重合の開始剤として用いられる。引き続き開始される重合反応の間にこの重合により二層粘土鉱物層の離層が生じる。
【0037】
実施例
以下の例で水を使用する場合は蒸留水である。
【0038】
異分子の埋め込みおよび埋め込みの程度をX線回折分析(XRD)により決定した。
【0039】
埋め込みは約14Å(酢酸カリウムカオリナイトの反射d(001))から約11Åへの反射シフトにより検出できる。
【0040】
未処理カオリナイトの反射d(001)は7.2Åである。明らかにするために、実施例のXRD反射に関してd(001)の代わりにdのみを記載する。
【0041】
工程a)
製造したカオリン(カオリナイトの割合>9%)および酢酸カリウムを前処理に使用した。酢酸カリウムを水溶液で、室温でカオリナイトに導入した。カオリナイト:酢酸塩:水の質量比は62%:27%:11%である。この方法で前処理した酢酸カリウムカオリナイトを更に埋め込まれるモノマー/開始剤分子により処理する(例1〜17以下参照)。
【0042】
工程b):
例1)
酢酸カリウムカオリナイト5gを20℃で、250mlポリエチレン(PE)容器に配量し、エチレングリコール100mlを添加した。その後試料をオーバーヘッドシェーカー中で1時間振動し、その後20℃で放置した。4日後および14日後に遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=10.8Åで完全な埋め込み。
【0043】
例2)
2.1)グリセリン(無水=AN)50ml中の酢酸カリウムカオリナイト5gをオーバーヘッドシェーカー中で3日間振動し、その後20℃で放置した。4日後に遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11.1Åで埋め込み。
2.2)(比較)
ANグリセリン50ml中のカオリナイト5gをオーバーヘッドシェーカー中で3日間振動し、その後20℃で放置した。4日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:出発物質と比較して回折グラフで変化なし。
【0044】
例3
3.1)酢酸カリウムカオリナイト10gおよび分子量約200(=PEG200)を有するポリエチレングリコール100mlを250mlPE広口瓶中で、オーバーヘッドシェーカー中で24時間振動し、その後20℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=12Åで埋め込み。
3.2)酢酸カリウムカオリナイト10gおよびPEG200 100mlを250mlPE広口瓶中で、オーバーヘッドシェーカー中で24時間振動し、その後20℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11Åで埋め込み。
3.3)酢酸カリウムカオリナイト10gおよびPEG400 100mlを250mlPE広口瓶中で、オーバーヘッドシェーカー中で24時間振動し、その後20℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11Åで埋め込み。
3.4)酢酸カリウムカオリナイト10gおよびPEG400 100mlを250mlPE広口瓶中で、オーバーヘッドシェーカー中で24時間振動し、その後40℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11Åで埋め込み。
3.5)酢酸カリウムカオリナイト10gおよびPEG600 100mlを250mlPE広口瓶中で、オーバーヘッドシェーカー中で24時間振動し、その後40℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11Åで埋め込み。
3.6)酢酸カリウムカオリナイト10gおよびPEG600 100mlを250mlPE広口瓶中で、オーバーヘッドシェーカー中で24時間振動し、その後60℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11Åで埋め込み。
3.7)酢酸カリウムカオリナイト10gおよびPEG600 100mlを250mlPE広口瓶中で、オーバーヘッドシェーカー中で24時間振動し、その後80℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11Åで埋め込み。
【0045】
例4)
酢酸カリウムカオリナイト5gを、閉鎖された250mlPET容器中のトリエチレングリコール(TEG)50ml中で、オーバーヘッドシェーカー中で振動し、その後20℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11.7Åおよびd=11.1Åで埋め込み。
【0046】
例5)
5.1)(比較)
カオリナイト2gを、ワンタッチ式ふたを有する試験管30ml中のトリエチレングリコールモノメチルエーテル(TEGMME)15ml中で、低周波の振動台上で、20℃で24時間振動した。4日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
5.2)酢酸カリウムカオリナイト2gを、ワンタッチ式ふたを有する試験管30ml中のTEGMME15ml中で、低周波の振動台上で、20℃で24時間振動した。4日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11.38Åで部分的(約5%)埋め込み。
5.3)(比較)
水で挿入除去されたカオリナイト2gを、ワンタッチ式ふたを有する試験管30ml中のTEGMME15ml中で、低周波の振動台上で、20℃で24時間振動した。4日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
【0047】
例6)
それぞれ酢酸カリウムカオリナイト1gを2−メルカプトエタノール10mlと懸濁させた。カオリナイトに典型的な不透明作用を有して急速な分散が観察される。72時間後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11.9Åで約50%の埋め込み。
【0048】
例7)
製造:n−ビニルアセトアミド(NVA)(1cm塩結晶凝集物)30gを磁気撹拌機を使用して水4mlに溶解した。NVA溶液約34mlが得られた。
7.1)(比較)
カオリナイト1gおよびNVA溶液4mlを20ml瓶中で、オーバーヘッドシェーカー中で1時間分散液を完全に均一にするために振動し、その後20℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
7.2)(比較)
カオリナイト1gおよびNVA溶液4mlを20ml瓶中で、オーバーヘッドシェーカー中で1時間分散液を完全に均一にするために振動し、その後65℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
7.3)酢酸カリウムカオリナイト1gおよびNVA溶液4mlを20ml瓶中で、オーバーヘッドシェーカー中で1時間分散液を完全に均一にするために振動し、その後20℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
7.4)酢酸カリウムカオリナイト1gおよびNVA溶液4mlを20ml瓶中で、オーバーヘッドシェーカー中で1時間分散液を完全に均一にするために振動し、その後65℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=10.7Åで完全な埋め込み。
【0049】
例8)製造:攪拌しながら水4mlにアクリルアミド2gを溶解した。
8.1)酢酸カリウムカオリナイト250mgを上部空き高瓶2ml中のアクリルアミド1mlと一緒にオーバーヘッドシェーカー中で1時間分散液を完全に均一にするために振動し、その後20℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11Åでほぼ完全な埋め込み。
8.2)酢酸カリウムカオリナイト250mgを上部空き高瓶2ml中のアクリルアミド1mlと一緒にオーバーヘッドシェーカー中で1時間分散液を完全に均一にするために振動し、その後20℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11Åでほぼ完全な埋め込み。
8.3)(比較)
カオリナイト250mgを上部空き高瓶2ml中のアクリルアミド1mlと一緒にオーバーヘッドシェーカー中で1時間分散液を完全に均一にするために振動し、その後20℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
8.4)(比較)
カオリナイト250mgを上部空き高瓶2ml中のアクリルアミド1mlと一緒にオーバーヘッドシェーカー中で1時間分散液を完全に均一にするために振動し、その後65℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
8.5)(比較)
挿入除去した酢酸カリウムカオリナイト250mgを上部空き高瓶2ml中のアクリルアミド1mlと一緒にオーバーヘッドシェーカー中で1時間分散液を完全に均一にするために振動し、その後20℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
8.6)(比較)
挿入除去した酢酸カリウムカオリナイト250mgを上部空き高瓶2ml中のアクリルアミド1mlと一緒にオーバーヘッドシェーカー中で1時間分散液を完全に均一にするために振動し、その後65℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
【0050】
例9)
製造:4−クロロカテコール500mgを攪拌しながらエタノール(>99.8%、AN)2mlに溶解した。
9.1)(比較)
カオリナイト250mgを乾燥(150℃/48時間)し、上部空き高瓶2ml中の4−クロロカテコール/エタノール溶液1mlと一緒にオーバーヘッドシェーカー中で1時間、分散液を完全に均一にするために振動し、その後20℃で放置した。6日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
9.2)酢酸カリウムカオリナイト250mgを、上部空き高瓶2ml中の4−クロロカテコール/エタノール溶液1mlと一緒にオーバーヘッドシェーカー中で1時間、分散液を完全に均一にするために振動し、その後20℃で放置した。6日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
9.3)(比較)
カオリナイト250mgを乾燥(150℃/48時間)し、上部空き高瓶2ml中の4−クロロカテコール/エタノール溶液1mlと一緒にオーバーヘッドシェーカー中で1時間、分散液を完全に均一にするために振動し、その後乾燥炉中で65℃で放置した。3日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
9.4)酢酸カリウムカオリナイト250mgを、上部空き高瓶2ml中の4−クロロカテコール/エタノール溶液1mlと一緒にオーバーヘッドシェーカー中で1時間、分散液を完全に均一にするために振動し、その後乾燥炉中で65℃で放置した。3日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11.5Åで埋め込み(約30%)。
【0051】
例10)
製造:テトラブロモカテコール500mgを攪拌しながらエタノール(>99.8%、AN)2mlに溶解した。
10.1)酢酸カリウムカオリナイト250mgを、上部空き高瓶2ml中のテトラブロモカテコール/エタノール溶液1mlと一緒にオーバーヘッドシェーカー中で1時間、分散液を完全に均一にするために振動し、その後20℃で放置した。14日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=10.6Åで埋め込み。
10.2)酢酸アンモニウムカオリナイト250mgを、上部空き高瓶2ml中のテトラブロモカテコール/エタノール溶液1ml中で、オーバーヘッドシェーカー中で1時間、分散液を完全に均一にするために振動し、その後20℃で放置した。14日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11.3Åで埋め込み。
10.3)酢酸カリウムカオリナイト250mgを、上部空き高瓶2ml中のテトラブロモカテコール/エタノール溶液1mlと一緒にオーバーヘッドシェーカー中で1時間、分散液を完全に均一にするために振動し、その後乾燥炉中、65℃で放置した。14日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=10.3Åで埋め込み。
10.4)酢酸アンモニウムカオリナイト250mgを、上部空き高瓶2ml中のテトラブロモカテコール/エタノール溶液1ml中で、オーバーヘッドシェーカー中で1時間、分散液を完全に均一にするために振動し、その後乾燥炉中、65℃で放置した。14日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11.3Åで埋め込み。
【0052】
例11)
11.1)酢酸カリウムカオリナイト200mgを、グローブボックス中、N雰囲気下で、2mlGCガラス容器中の3−クロロプロパンスルホニルクロリド400μlと混合し、分散液を完全に均一にするためにオーバーヘッドシェーカー中で振動し、波形のキャップで閉鎖し、20℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=9.9Åで完全な埋め込み。
【0053】
引き続きアルゴン雰囲気下、アセトン中でオーバーヘッドシェーカーを用いる5日間の洗浄により生成物が安定に残留することが示された。
11.2)酢酸カリウムカオリナイト200mgを、グローブボックス中、N雰囲気下で、2mlGCガラス容器中の3−クロロプロパンスルホニルクロリド400μlと混合し、分散液を完全に均一にするためにオーバーヘッドシェーカー中で振動し、波形のキャップで閉鎖し、60℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=9.9Åで約30%の埋め込み。
【0054】
これは酢酸カリウムがなおカオリナイトに埋め込まれていることを示す。引き続きアルゴン雰囲気下、アセトン中でオーバーヘッドシェーカーを用いる5日間の洗浄により生成物が安定に残留することが示された。
【0055】
埋め込みの程度はこの生成物の場合により高い(酢酸カリウムに対して約70%)
例12)
製造:ジエチルメソ−2,5−ジブロモアジペート1gを攪拌しながらエタノール3mlに溶解した。
12.1)酢酸カリウムカオリナイト250mgをオーバーヘッドシェーカー中で2ml上部空き高容器中のジエチルメソ−2,5−ジブロモアジペート/エタノール溶液1mlと一緒に分散液を完全に均一にするために1時間振動し、その後20℃で放置した。6日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11.4Åでわずかな埋め込み。
12.2)酢酸カリウムカオリナイト250mgをオーバーヘッドシェーカー中で2ml上部空き高容器中のジエチルメソ−2,5−ジブロモアジペート/エタノール溶液1mlと一緒に分散液を完全に均一にするために1時間振動し、その後65℃で放置した。6日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11.4Åで完全な埋め込み。
【0056】
例13)製造:N−ブロモスクシンイミド1gを攪拌しながらエタノール3mlに溶解した。
13.1)(比較)
カオリナイト250mgをオーバーヘッドシェーカー中で2ml上部空き高容器中のN−ブロモスクシンイミド1mlと一緒に分散液を完全に均一にするために1時間振動し、その後20℃で放置した。6日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
13.2)酢酸カリウムカオリナイト250mgをオーバーヘッドシェーカー中で2ml上部空き高容器中のN−ブロモスクシンイミド1mlと一緒に分散液を完全に均一にするために1時間振動し、その後20℃で放置した。6日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=10.3Åで約50%の埋め込み。
13.3)カオリナイト250mgをオーバーヘッドシェーカー中で2ml上部空き高容器中のN−ブロモスクシンイミド1mlと一緒に分散液を完全に均一にするために1時間振動し、その後65℃で放置した。6日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
13.4)酢酸カリウムカオリナイト250mgをオーバーヘッドシェーカー中で2ml上部空き高容器中のN−ブロモスクシンイミド1mlと一緒に分散液を完全に均一にするために1時間振動し、その後65℃で放置した。6日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=10.3Åでほぼ完全な埋め込み。
【0057】
例14)
14.1)酢酸カリウムカオリナイト250mgを、グローブボックス中、アルゴン雰囲気下、2mlGCガラス容器中のブロモマレイン酸無水物1000μlと混合し、分散液を完全に均一にするためにオーバーヘッドシェーカーで1時間振動し、波形キャップで閉鎖し、その後20℃で放置した。5日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:カオリナイトの離層。
14.2)酢酸カリウムカオリナイト250mgを、グローブボックス中、アルゴン雰囲気下、2mlGCガラス容器中のブロモマレイン酸無水物1000μlと混合し、分散液を完全に均一にするためにオーバーヘッドシェーカーで1時間振動し、波形キャップで閉鎖し、その後65℃で放置した。5日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:カオリナイトの離層。
14.3)カオリナイト250mgを、グローブボックス中、アルゴン雰囲気下、2mlGCガラス容器中のブロモマレイン酸無水物1000μlと混合し、分散液を完全に均一にするためにオーバーヘッドシェーカーで1時間振動し、波形キャップで閉鎖し、その後20℃で放置した。5日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
14.4)カオリナイト250mgを、グローブボックス中、アルゴン雰囲気下、2mlGCガラス容器中のブロモマレイン酸無水物1000μlと混合し、分散液を完全に均一にするためにオーバーヘッドシェーカーで1時間振動し、波形キャップで閉鎖し、その後65℃で放置した。5日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
【0058】
ジメチルスルホキシドDMSOカオリナイトを使用する他の試験(説明のためで、本発明によらない):
埋め込みの問題が離層により明らかに説明されないので、他の例としてDMSOカオリナイトを使用して埋め込みを説明する。
14.5)DMSOカオリナイト250mgを、グローブボックス中、アルゴン雰囲気下、2mlGCガラス容器中のブロモマレイン酸無水物1000μlと混合し、分散液を完全に均一にするためにオーバーヘッドシェーカーで1時間振動し、波形キャップで閉鎖し、その後20℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込みなし。
14.6)DMSOカオリナイト250mgを、グローブボックス中、アルゴン雰囲気下、2mlGCガラス容器中のブロモマレイン酸無水物1000μlと混合し、分散液を完全に均一にするためにオーバーヘッドシェーカーで1時間振動し、波形キャップで閉鎖し、その後65℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=12.5Åでの高い程度の埋め込み。
DMSOを使用するこの補助的試験によりブロモマレイン酸無水物が埋め込まれることを示すことができる。しかし酢酸カリウムを使用するカオリナイトの本発明による前処理の場合に、埋め込みそれ自体の間に重合および結果として変性カオリナイトの離層が行われ、埋め込みはそれ自体観察できない。
【0059】
例15)
酢酸カリウムカオリナイト5gを100mlPE広口瓶中で2−ヒドロキシエチルメタクリレート50mlと一緒にオーバーヘッドシェーカーで24時間振動した。その後それぞれ10mlをヘッドスペース瓶に入れ、
a)20℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11.9Åでの埋め込み。
b)40℃で放置した。6日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11.7Åでの埋め込み。
【0060】
例16)
酢酸カリウムカオリナイト5gを100mlPE広口瓶中でポリ(エチレングリコール)メタクリレート50mlと一緒にオーバーヘッドシェーカーで24時間振動した。その後それぞれ10mlをヘッドスペース瓶に入れ、
a)20℃で放置した。6日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=12.3Åでのほぼ完全な埋め込み。
b)乾燥炉で40℃で放置した。6日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込み後に試料が重合。
c)乾燥炉で65℃で放置した。6日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:埋め込み後に試料が重合。
例16a)および16c)の場合に24時間保存後に試料の重合が行われた。
【0061】
例17)
製造:メチレンコハク酸3gを攪拌しながらエタノール(AN)9mlに溶解した。48時間後、連続的攪拌にもかかわらずメチレンコハク酸が完全に溶解しなかった。澄んだ上澄み液を連続試験に使用した。
17.1)酢酸カリウムカオリナイト250mgを、2mlヘッドスペース瓶中でメチレンコハク酸1mlと混合し、その後まずオーバーヘッドシェーカーで20℃で24時間振動し、引き続き65℃で放置した。7日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
7日後のXRD:d=11.6Åでのほぼ完全な埋め込み。
17.2)酢酸カリウムカオリナイト250mgを、2mlヘッドスペース瓶中でメチレンコハク酸1mlと混合し、その後まずオーバーヘッドシェーカーで20℃で24時間振動し、引き続き65℃で放置した。6日後、遠心分離により分散液から固形分を分離した。
XRD:d=11.6Åでのほぼ完全な埋め込み。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変性された二層粘土鉱物の製造方法において、第1工程で
a)水溶液中のアルカリ金属酢酸塩および酢酸アンモニウムを二層粘土鉱物と混合し、これにより酢酸塩が二層粘土鉱物に埋め込まれ、および
第2工程で
b)工程a)で得られた二層粘土鉱物を、他の溶剤を使用してまたは使用せずに有機分子と混合し、これにより有機分子が二層粘土鉱物に埋め込まれ、および
第3工程で
c)有機化合物の埋め込みの間にまたは後に重合を行う
ことを特徴とする、変性された二層粘土鉱物の製造方法。
【請求項2】
酢酸塩を完全にまたは部分的に有機分子により排除する請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程b)を2つの部分工程b1)およびb2)で実施し、その際
b1)は5分〜24時間の時間の本来の混合からなり、
b2)は場合により高温で数時間から14日までの時間にわたる貯蔵からなる、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
工程a)を15〜30℃の温度で、有利に室温で実施する請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
工程b1)を15〜30℃の温度で、有利に室温で実施し、工程b2)を15℃以上、有利に35℃以上、特に50℃以上、特に有利に60℃以上の温度で実施する請求項4記載の方法。
【請求項6】
工程a)で酢酸カリウムを使用する請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
変性された二層粘土鉱物がカオリナイト、有利にハロイサイト、ディッカイト、ナクライトおよびカオリナイト、特に有利にカオリナイトからなる群から選択される粘土鉱物にもとづく請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
有機分子が重合反応の開始剤分子および/またはモノマー分子である請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
有機分子が、官能基−OH、−SH、=NH、−NR、−CO−NR、=O、−O−および/またはXを有する化合物からなる群から選択される化合物であり、式中、Xは任意の所望のハロゲンであり、RおよびRはそれぞれ互いに独立に水素または1〜10個の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル基またはアルキレン基、特にメチル基またはビニル基である請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
二層粘土鉱物を埋め込みまたは重合の間に離層する請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の方法により製造できる変性された二層粘土鉱物。
【請求項12】
請求項9記載の少なくとも2個の官能基または2個の炭素原子の間の少なくとも1個の二重結合を有する請求項11記載の変性された二層粘土鉱物。
【請求項13】
ナノ複合体を製造するための請求項11または12記載の変性された二層粘土鉱物の使用。
【請求項14】
ラジカル重合、原子移動ラジカル重合および/またはUV開始重合における請求項12記載の変性された二層粘土鉱物の使用。
【請求項15】
紙、衛生用品、プラスチック、接着剤、塗料、仕上げ剤、医薬品、化粧品、ガラス繊維、ゴム(天然ラテックスおよび合成製品)、洗剤および家庭用洗剤を製造するための請求項11または12記載の変性された二層粘土鉱物の使用。

【公表番号】特表2007−505809(P2007−505809A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526645(P2006−526645)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052298
【国際公開番号】WO2005/028365
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(591004618)フォルシュングスツェントルム カールスルーエ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (50)
【氏名又は名称原語表記】Forschungszentrum Karlsruhe GmbH
【住所又は居所原語表記】Weberstrasse 5, D−76133 Karlsruhe,Germany
【Fターム(参考)】