説明

変性プロピレン系重合体およびその製造方法

【課題】 分子量分布が広く、流動性に優れる変性プロピレン系重合体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 下記のプロピレン系重合体(A)と、エチレン性不飽和結合含有モノマー(B)と、有機過酸化物(C)とを加熱処理して得られる変性プロピレン系重合体であって、(A)、(B)および(C)のそれぞれの処理量が、(A)100重量部に対して、(B)が0.1〜50重量部であり、(C)が0.01〜20重量部である変性プロピレン系重合体、および、その製造方法。
プロピレン系重合体(A):
135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]A1が5dl/g以上15dl/g以下であるプロピレン系重合体成分(A1)0.05〜90重量%と、135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]A2が0.1dl/g以上5dl/g未満であるプロピレン系重合体成分(A2)10〜99.5重量%とからなるプロピレン系重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変性プロピレン系重合体およびその製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、分子量分布が広く、流動性に優れる変性プロピレン系重合体およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロピレン系重合体は、機械物性等に優れることから、自動車部品、家電部品等の幅広い分野で用いられている。そして、塗料や接着剤を直接塗布したり、金属と接着したり、極性樹脂と複合化したりするために、プロピレン系重合体に不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトする方法が知られている。
【0003】
例えば、特開平9−3140号公報には、低温接着性と接着力保持性とのバランスに優れたグラフト変性プロピレン系重合体として、極限粘度が0.1〜20dl/gであるプロピレン単独重合体に極性モノマーがグラフト共重合されているグラフト変性プロピレン系重合体が記載されている。
【0004】
また、特開2002−20436号公報には、他の素材との親和性に優れ、高分子量である変性ポリプロピレン樹脂として、固有粘度が5〜15dl/gである超高分子量結晶性ポリプロピレン樹脂に対して、エチレン性不飽和結合含有モノマーおよび有機過酸化物を含む混合物を溶融混練して得られる変性ポリプロピレン樹脂が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−3140号公報
【特許文献2】特開2002−20436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の公報等に記載されている変性プロピレン系重合体の分子量分布は、必ずしも広いわけではないことから、その流動性については、さらなる改良が求められていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、分子量分布が広く、流動性に優れる変性プロピレン系重合体およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、鋭意検討の結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
下記のプロピレン系重合体(A)と、エチレン性不飽和結合含有モノマー(B)と、有機過酸化物(C)とを加熱処理して得られる変性プロピレン系重合体であって、(A)、(B)および(C)のそれぞれの処理量が、(A)100重量部に対して、(B)が0.1〜50重量部であり、(C)が0.01〜20重量部である変性プロピレン系重合体、および、その製造方法に係るものである。
プロピレン系重合体(A):
135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]A1が5dl/g以上15dl/g以下であるプロピレン系重合体成分(A1)0.05〜90重量%と、135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]A2が0.1dl/g以上5dl/g未満であるプロピレン系重合体成分(A2)10〜99.5重量%とからなるプロピレン系重合体(但し、成分(A1)と成分(A2)とからなるプロピレン系重合体(A)の全量を100重量%とする)であって、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分(a)、有機アルミニウム化合物(b)および電子供与体成分(c)から形成される触媒系の存在下に少なくとも2槽からなる重合槽を直列に配置し、成分(A1)を重合した後、得られた成分(A1)を次の重合槽に移し、その重合槽で成分(A2)を連続的に重合して得られるプロピレン系重合体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、分子量分布が広く、流動性に優れる変性プロピレン系重合体を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のプロピレン系重合体(A)は、成分(A1)と成分(A2)とからなるものである。
【0010】
成分(A1)としては、プロピレンを主体とする単量体を重合して得られるプロピレン系重合体であり、例えば、プロピレンを単独重合して得られるプロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンを共重合して得られるプロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンを共重合して得られるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体等が挙げられ、α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン、1−ヘキセン等が挙げられる。
【0011】
成分(A1)として、好ましくは結晶性プロピレン系重合体であり、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンと、結晶性を失わない程度の量のエチレン、炭素数4〜12のα−オレフィン等との共重合体が挙げられる。より好ましくはプロピレンの単独重合体もしくはプロピレン−エチレンランダム共重合体であり、プロピレン−エチレンランダム共重合体のエチレン含有量は、0.5〜8重量%である。
【0012】
成分(A1)の135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]A1は5dl/g以上15dl/g以下であり、好ましくは6dl/g以上15dl/g以下、さらに好ましくは6dl/g以上9dl/g以下である。極限粘度[η]A1が5dl/g未満の場合、分子量分布の狭い変性プロピレン系重合体が得られ、流動性に劣る変性プロピレン系重合体が得られることがある。一方、極限粘度[η]A1が15dl/gより大きい場合は、加熱処理時におけるプロピレン系重合体の粘度が高すぎ、加熱処理が困難になることがある。
【0013】
成分(A1)の示差走査熱量計によって測定される昇温サーモグラムの融解ピーク温度TmA1は130〜170℃であり、好ましくは145〜165℃である。
【0014】
成分(A2)としては、プロピレンを主体とする単量体を重合して得られるプロピレン系重合体であり、具体的には、プロピレンを単独重合して得られるプロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンを共重合して得られるプロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンを共重合して得られるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、および、プロピレン−エチレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0015】
成分(A2)として用いられるプロピレンとエチレンを共重合して得られるプロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンを共重合して得られるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体は、成分(A1)と同様の重合体が挙げられる。
成分(A2)に用いられる炭素原子数4〜12のα−オレフィンとしても、成分(A1)と同様のα−オレフィンが挙げられる。
【0016】
成分(A2)の135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]A2は0.1dl/g以上5dl/g未満であり、好ましくは0.3dl/g以上3dl/g以下であり、より好ましくは0.5dl/g以上1.5dl/g以下である。極限粘度[η]A2が0.1dl/g未満の場合、変性プロピレン系重合体の製造安定性が低下することがある。また、極限粘度[η]A2が5dl/g以上の場合は、分子量分布が狭くなり、流動性に優れる変性プロピレン系重合体が得られないことがある。
【0017】
成分(A2)の示差走査熱量計によって測定される昇温サーモグラムの融解ピーク温度TmA2は130〜170℃であり、好ましくは145〜165℃である。
【0018】
本発明のプロピレン系重合体の全体の極限粘度[η]Tは3dl/g以上15dl/g以下であり、好ましくは4dl/g以上15dl/g以下、より好ましくは5dl/g以上10dl/g以下である。
【0019】
本発明のプロピレン系重合体のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布Q値(Mw/Mn)は、3以上10未満であり、好ましくは3以上8以下、さらに好ましくは3以上7以下である。
【0020】
本発明で用いられるプロピレン系重合体(A)に含有される成分(A1)の含有量は0.05〜90重量%であり、好ましくは10〜85重量%、より好ましくは40〜75重量%、さらに好ましくは51〜75重量%である。(すなわち、成分(A2)の含有量は10〜99.5重量%であり、好ましくは15〜90重量%、より好ましくは25〜60重量%、さらに好ましくは25〜49重量%である。)ただし、プロピレン系重合体(A)の全量を100重量%とする。
【0021】
成分(A1)の含有量が0.05重量%未満の場合、分子量分布が狭くなり、流動性に優れる変性プロピレン系重合体が得られないことがある。また、成分(A1)の含有量が90重量%を超えた場合、加熱処理時におけるプロピレン系重合体の粘度が高すぎ、加熱処理が困難になることがある。
【0022】
本発明で用いるプロピレン系重合体(A)の製造方法としては、例えば、以下に示す方法(I)〜(III)等が挙げられる。
【0023】
方法(I):成分(A1)の重合パウダーと成分(A2)の重合パウダーを混合して、重合体(A)を製造する方法
方法(II):公知の重合触媒を用いて、公知の重合方法によって、重合体(A)を製造する方法
方法(III):上記の方法(II)で得られた重合体(A)と、さらに別途、製造された成分(A1)の重合パウダーおよび成分(A2)の重合パウダーから選ばれる少なくとも1種とを、混合して重合体(A)を製造する方法
等が挙げられる。
【0024】
上記の方法(II)で用いられる公知の重合触媒としては、例えば、(a)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分、(b)有機アルミニウム化合物および(c)電子供与体成分から形成される触媒系が挙げられる。
この触媒の製造方法としては、例えば、特開平1−319508号公報、特開平7−216017号公報や特開平10−212319号公報に記載されている製造方法が挙げられる。
【0025】
上記の方法(II)で用いられる公知の重合方法としては、例えば、バルク重合、溶液重合、スラリー重合、気相重合等が挙げられる。これらの重合方法は、バッチ式、連続式のいずれでも良く、また、これらの重合方法を任意に組み合わせても良い。
【0026】
上記の方法(II)として、好ましくは、前記の固体触媒成分(a)、有機アルミニウム化合物(b)および電子供与体成分(c)からなる触媒系の存在下に少なくとも2槽からなる重合槽を直列に配置し、成分(A1)を重合した後、得られた成分(A1)を次の重合槽に移し、その重合槽で成分(A2)を連続的に重合する方法である。工業的かつ経済的な観点から、より好ましくは連続式の気相重合法である。
【0027】
上記の方法(II)で用いられる固体触媒成分(a)、有機アルミニウム化合物(b)および電子供与体成分(c)の使用量や、各触媒成分を重合槽へ供給する方法は、適宜、決めれば良い。
【0028】
重合温度は、通常、−30〜300℃であり、好ましくは20〜180℃である。重合圧力は、通常、常圧〜10MPaであり、好ましくは0.2〜5MPaである。分子量調整剤として、例えば、水素を用いても良い。
【0029】
本発明で用いられるプロピレン系重合体(A)の製造において、本重合を実施する前に、公知の方法によって、予備重合を行っても良い。公知の予備重合の方法としては、例えば、固体触媒成分(a)および有機アルミニウム化合物(b)の存在下、少量のプロピレンを供給して溶媒を用いてスラリー状態で実施する方法が挙げられる。
【0030】
本発明で用いられるエチレン性不飽和結合含有モノマー(B)は、同一分子内に少なくとも一種の不飽和基を持つ化合物及び/又は製造工程内で脱水反応等により構造が変化し、同一分子内に少なくとも一種の不飽和基を持つ構造に変化する化合物である。
【0031】
本発明のエチレン性不飽和結合含有モノマー(B)は25℃、1気圧下において、液状であることが好ましい。
【0032】
本発明のエチレン性不飽和結合含有モノマー(B)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、t-ブチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどの芳香族ビニルモノマー;メチルメタアクリレートなどの(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0033】
本発明のエチレン性不飽和結合含有モノマー(B)は、好ましくは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、イミダゾール基、ピリジン基、ピペリジン基、シリル基、シアノ基、イソシアネート基、オキサゾリン基から選ばれる少なくとも1種の極性基を有するモノマー、または、該モノマーの無水物から選ばれる少なくとも1種の極性基を有したエチレン性不飽和結合含有極性モノマーである。
【0034】
エチレン性不飽和結合含有極性モノマーとしては、ヒドロキシル基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、エポキシ基含有化合物、アミノ基含有化合物、アミド基含有化合物、イミダゾール基含有化合物、ピリジン基含有化合物、ピペリジン基含有化合物、シリル基含有化合物、シアノ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物などが挙げられる。
【0035】
ヒドロキシル基含有化合物としては、下記の構造式(1)または(2)で表される化合物が挙げられる。

(構造式(1)または(2)において、R1は水素原子または炭素数が1〜6個のアルキル基を表し、R2は炭素数1〜20個のアルキレン基および/またはシクロアルキレン基を表し、R3は(Cn2nO)mを表す。)
【0036】
上記の構造式(1)または(2)で表される化合物としては、例えば、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0037】
上記構造式(1)または(2)で表される化合物以外の水酸基含有化合物としては、例えば、アリルアルコール、9−デセン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、プロパギルアルコール等の不飽和アルコール;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等のアリルエーテル;p−ビニルフェノール、2−プロペニルフェノール等のアルケニルフェノールなどが挙げられる。
【0038】
カルボキシル基含有化合物とは、例えば、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、ハイミック酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;アクリル酸、ブタン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、ドデセン酸、リノール酸、アンゲリカ酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸;無水マレイン酸、無水ハイミック酸、アクリル酸無水物等の前記α、β−不飽和ジカルボン酸又は不飽和モノカルボン酸の酸無水物及びそれらのアルキルエステルが挙げられる。
【0039】
エポキシ基含有化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0040】
アミノ基含有化合物としてはジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの3級アミノ基含有(メタ)アクリレート;4−ビニルモルホリン、2−メチル−4−ビニルモルホリン、4−アリルモルホリン等のビニルモルホリン;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物とアミン化合物との反応生成物である3級アミノ基含有不飽和イミド化合物;ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの3級アミノ基含有(メタ)アクリルアミド;3級アミノ基含有芳香族ビニル化合物;N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)アンモニウムクロライドなどの3級アミノ基含有不飽和化合物を、カチオン化剤でカチオン化した4級アンモニウム塩基含有不飽和化合物などが挙げられる。
【0041】
カチオン化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、塩化ブチル、塩化オクチル、塩化ラウリル、塩化ステアリル、塩化シクロヘキシル、塩化ベンジル、塩化フェネチル、塩化アリル、臭化メチル、臭化エチル、臭化ブチル、臭化オクチル、臭化ラウリル、臭化ステアリル、臭化ベンジル、臭化アリル、沃化メチル、沃化エチル、沃化ブチル、沃化オクチル、沃化ラウリル、沃化ステアリル、沃化ベンジル等のハロゲン化アルキル誘導体類、モノクロル酢酸メチル、モノクロル酢酸エチル、ブロモ酢酸エチル等のハロ酢酸アルキル類、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のジアルキル硫酸類、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸等の無機酸類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類、N−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド等の3級アミン鉱酸塩エピハロヒドリン付加物などが挙げられる。
【0042】
アミド基含有化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
【0043】
イミダゾール基含有化合物としては、例えば、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、4−メチル−1−ビニルイミダゾール、5−メチル−1−ビニルイミダゾール、2−ラウリル−1−ビニルイミダゾール、4−t−ブチル−1−ビニルイミダゾール等のビニルイミダゾールなどが挙げられる。
【0044】
ピリジン基含有化合物としては、例えば、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、3−メチル−5−ビニルピリジン、4−メチル−5−ビニルピリジン、6−メチル−5−ビニルピリジン、2−メチル−4−ビニルピリジン、3−メチル−4−ビニルピリジン、2−ラウリル−4−ビニルピリジン、2−ラウリル−5−ビニルピリジン、2−t−ブチル−4−ビニルピリジン、2−t−ブチル−5−ビニルピリジン等のビニルピリジンなどが挙げられる。
【0045】
ピペリジン基含有化合物としては、1−ビニルピペリジン、4−メチル−4−ビニルピペリジン等のビニルピペリジン、2−ラウリル−1−ビニルピペラジン、4−メチルピペラジノエチル(メタ)アクリレート等のビニルピペラジンなどが挙げられる。
【0046】
シリル基含有化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
【0047】
シアノ基含有化合物としては、例えば、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
【0048】
イソシアネート基含有化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイルイソシアナート、クロトイルイソシアナート、クロトン酸イソシアナートエチルエステル、クロトン酸イソシアナートブチルエステル、クロトン酸イソシアナートエチルエチレングリコール、クロトン酸イソシアナートエチルジエチレングリコール、クロトン酸イソシアナートエチルトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸イソシアナートエチルエステル、(メタ)アクリル酸イソシアナートブチルエステル、(メタ)アクリル酸イソシアナートヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸イソシアナートオクチルエステル、(メタ)アクリル酸イソシアナートラウリルエステル、(メタ)アクリル酸イソシアナートヘキサデシルエステル、(メタ)アクリル酸イソシアナートエチレングリコール、(メタ)アクリル酸イソシアナートエチルジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸イソシアナートエチルトリエチレングリコール等が挙げられる。
【0049】
オキサゾリン基含有モノマーとしては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−オキサゾリン等が挙げられる。
【0050】
エチレン性不飽和結合含有モノマー(B)の添加量は、オレフィン系重合体パウダー(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部である。好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。添加量が過少であるとオレフィン系重合体組成物パウダーから得られる変性オレフィン系重合体中の(B)のグラフト量が低下することがある。また、添加量が過多になるとオレフィン系重合体組成物パウダーのパウダー性状が悪化することがあり、オレフィン系重合体組成物パウダーから得られる変性オレフィン系重合体中に未反応の(B)が多く残留することがあり、例えば接着用途で使う場合に十分な接着強度は得られないことがある。
【0051】
本発明で用いられる有機過酸化物(C)としては、従来公知の有機過酸化物が挙げられ、例えば、半減期が1分となる分解温度が120℃未満である有機過酸化物を挙げることができる。例えば、ジアシルパーオキサイド化合物、パーカボネート化合物(分子骨格中に下記構造式(3)で表される構造を有する化合物(I)やアルキルパーエステル化合物(下記構造式(4)で表される構造を有する化合物(II))などが挙げられる。

【0052】
構造式(3)で表される構造を有する化合物(I)としては、ジ−3−メトキシブチル パーオキシジカルボネート、ジ−2−エチルヘキシル パーオキシジカルボネート、ビス(4−t−ブチル シクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジイソプロピル パーオキシジカルボネート、t−ブチル パーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチル パーオキシカルボネート等があげられる。構造式(4)で表される構造を有する化合物(II)としては、1,1,3,3−テトラメチル ブチル ネオデカノエート、α―クミル パーオキシ ネオデカノエート、t−ブチル パーオキシ ネオデカノエート等があげられる。
【0053】
また、半減期が1分となる分解温度が120℃以上である有機過酸化物も挙げることができる。例えば、1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブテン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ベルオキシ)バレラート、ジ−t−ブチルベルオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサイド、α−α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などである。
【0054】
有機過酸化物(C)の添加量は、オレフィン系重合体(A)100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.03〜1.0重量部である。添加量が過少であるとオレフィン系重合体組成物パウダーから得られる変性オレフィン系重合体中の(B)のグラフト量が低下することがある。また、添加量が過多になると変性オレフィン系重合体の製造中においてオレフィン系重合体パウダーの分解が促進されることがある。
【0055】
エチレン性不飽和結合含有モノマー(B)が25℃、1気圧下において、液状である場合には、有機多孔質パウダー(D)などの液状物を含浸できる成分を用いて、本発明の変性プロピレン系重合体の製造効率を高めてもよい。
【0056】
有機多孔質パウダー(D)としては、1〜7000μmの粒径、0.1〜1000m2/gの比表面積、0.05〜10μmの細孔径、5〜90%の空隙率を有する粉状もしくは粒状のポリマーが挙げられる。
【0057】
有機多孔質パウダー(D)の比表面積は、好ましくは10〜800m2/g、さらに好ましくは30〜300m2/gである。また有機多孔質パウダーの空隙率は、好ましくは30〜85%、より好ましくは50〜85%である。
【0058】
有機多孔質パウダー(D)は、エチレン性不飽和結合含有モノマー(B)、有機過酸化物(C)には溶解しないものである。
【0059】
有機多孔質パウダー(D)として、一般には、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ヘキセン−1共重合体、プロピレン−ジビニルベンゼン共重合体等のα−オレフィン重合体;ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等の芳香族不飽和炭化水素重合体;ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の極性基含有重合体等が挙げられる。
【0060】
有機多孔質パウダー(D)は、例えば、ポリマーに対して適度の溶解能を持つ溶媒により当該ポリマー粒子と処理して細孔を形成させることによって製造することができる。また当該有機多孔質パウダーは販売されており、例えば、MEMBRANA社から各種グレード(商品名Accurel(日本名:アキュレル))が販売されており、これらの各種グレードを用いても良い。
【0061】
本発明の変性オレフィン系重合体の、135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]は0.5〜2dl/g、好ましくは0.7〜1.5dl/gである。
【0062】
本発明の変性オレフィン系重合体の、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布Q値(Mw/Mn)は2〜8であり、好ましくは2.5〜6、さらに好ましくは3〜6である。
【0063】
さらに本発明の変性オレフィン系重合体の、示差走査熱量計によって測定される昇温サーモグラムの融解ピーク温度Tmは130〜170℃であり、好ましくは140〜165℃であり、より好ましくは150〜165℃である。
【0064】
本発明の変性プロピレン系重合体には、必要に応じて、添加剤や充填剤を含有させても良い。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、中和剤、耐候剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、分散剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、造核剤、難燃剤、発泡剤、気泡防止剤、架橋剤、着色剤、顔料等が挙げられる。
充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、アラミド繊維、硫酸バリウム、ガラスフレーク、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0065】
本発明の変性プロピレン系重合体の製造方法としては、従来公知の方法によって製造する方法が挙げられる。例えば、
(1)有機溶媒の溶液中で各成分を加熱処理する溶液法
(2)各成分の全部またはいくつかを組み合わせて、個別に、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブレンダー等によって混合して均一な混合物としたのち、同混合物を押出機等の溶融混練装置を用いて加熱処理する溶融混練法
等が挙げられる。好ましくは、上記の(2)の方法である。
【0066】
上記の(2)の方法で用いられる溶融混練の方法としては、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸又は二軸押出機等の従来公知の溶融混練の方法である。好ましくは、一軸又は二軸押出機を用い、本発明で用いられる(A)、(B)、(C)を押出機の供給口より供給して溶融混練する方法、または、本発明で用いられる(A)および(C)を押出機の供給口から供給し、押出機の途中から液状添加物設備を用いて、(B)および(C)を供給して溶融混練する方法である。
押出機の混練を行う部分の温度(例えば、押出機ならシリンダー温度)は、通常50〜300℃であり、好ましくは100〜250℃である。押出機の混練を行う部分の温度は、混練を前半と後半の二段階に分け、前半より後半の温度を高めた設定にしても良い。混練時間は、通常0.1〜30分間であり、好ましくは0.5〜5分間である。
【実施例】
【0067】
以下、実施例および比較例によって本発明を説明する。実施例及び比較例で用いた重合体の物性は、以下に示した方法に従って測定した。
(1)極限粘度(単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定した。
【0068】
(2)2段階の重合で得られたプロピレン系重合体の極限粘度:[η]A1、[η]A2
1段階の重合で得たものは上記(1)の方法に従って測定した([η])。2段階の重合で得たものは、1段階重合工程後に重合槽より抜き出したサンプルと2段階重合工程後の最終サンプルをそれぞれ上記(1)の方法で測定した([η]A1、[η]T)。2段階目の工程で重合された成分の極限粘度[η]A2は下記式から計算して求めた。
[η]A2=([η]T−[η]A1×XA1)/XA2
[η]T:2段階重合工程後の最終サンプルの極限粘度(dl/g)
[η]A1:1段階重合工程後に重合槽より抜き出したサンプルの極限粘度(dl/g)
A1:1段階目の工程で重合された成分の重量比
A2:2段階目の工程で重合された成分の重量比
なお、XA1、XA2は重合時の物質収支から求めた。XA1とXA2の合計は1である。
【0069】
(3)融解ピーク温度(Tm、単位:℃)
示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC−7)を用い、ポリマーを220℃で5分間熱処理後、降温速度300℃/分で150℃まで冷却して150℃において1分間保温し、さらに降温速度5℃/分で50℃まで冷却して50℃において1分間保温し、さらに50℃から180℃まで昇温速度5℃/分で加熱した際の融解ピーク温度をTmとして求めた。
【0070】
(4)分子量分布(Q値、Mw/Mn
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により、下記条件で測定した。
機種:150CV型(ミリポアウォーターズ社製)
カラム:Shodex M/S 80
測定温度:145℃
溶媒:オルトジクロロベンゼン
サンプル濃度:5mg/8mL
検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。この条件で測定された標準ポリスチレン(NBS706:Mw/Mn=2.0)のMw/Mnは1.9〜2.0であった。
【0071】
(5)2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)含量(単位:重量%)
サンプルを熱プレスにより厚さ100μm程度のフィルムを作成した。この作成したフィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1730cm-1付近の吸収からHEMA含量を定量した。
【0072】
実施例および比較例で用いた各種材料を下記および表1に示した。
PP1:
プロピレン系重合体、特願2003−387520号の実施例に記載のプロピレン系重合体(HMS−3)の製造方法を用いて、製造した。
PP2:
プロピレン単独重合体、[η]:0.75dl/g、特開平7−216017記載の固体触媒成分を用いて気相重合法によって製造した。
PP3:
プロピレン単独重合体、[η]:3.0dl/g、特開平7−216017記載の固体触媒成分を用いて気相重合法によって製造した。
HEMA:
エチレン性不飽和結合含有モノマー、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(東京化成工業社製)
Kb−B:
有機過酸化物、t−ブチルパーオキシベンゾエート(化薬アクゾ社製 カヤブチルB)MP−1000:
有機多孔質パウダー(MEMABRANA社製 MP−1000)
NA−11:
ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート(旭電化工業社製 アデカスタブNA−11)
【0073】
実施例1
PP1、HEMA、Kb−B、MP−1000、NA−11および各種安定剤(チバ・スペシャルティケミカルズ社製 IRGANOX1010、チバ・スペシャルティケミカルズ社製 IRGAFOS168)を均一混合した後、二軸混練押出機(商品名 KZW15−45MG、同方向回転型スクリュー15mm×45L/D、テクノベル社製)を用いて、設定温度180℃、スクリュー回転速度500rpmの条件で溶融混練して、変性プロピレン系重合体を得た。各成分の配合割合および得られた変性プロピレン系重合体の物性を表2に示した。
【0074】
実施例2
プロピレン重合体として、PP1 100重量部の代わりに、PP1 50重量部およびPP2 50重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
【0075】
実施例3
プロピレン重合体として、PP1 100重量部の代わりに、PP1 25重量部とPP2 75重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
【0076】
比較例1
プロピレン重合体として、PP1 100重量部の代わりに、PP3 100重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
【0077】
【表1】

【0078】
【表2】

【0079】
本発明の要件を満足する実施例1〜3は、分子量分布(Mw/Mn)が広く、流動性に優れるものであることが分かる。
これに対して、本発明の要件である成分(A1)を含有しない重合体(A)を用いた比較例1は、分子量分布(Mw/Mn)が狭く、流動性が不十分なものであることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のプロピレン系重合体(A)と、エチレン性不飽和結合含有モノマー(B)と、有機過酸化物(C)とを加熱処理して得られる変性プロピレン系重合体であって、(A)、(B)および(C)のそれぞれの処理量が、(A)100重量部に対して、(B)が0.1〜50重量部であり、(C)が0.01〜20重量部である変性プロピレン系重合体。
プロピレン系重合体(A):
135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]A1が5dl/g以上15dl/g以下であるプロピレン系重合体成分(A1)0.05〜90重量%と、135℃のテトラリン中で測定される極限粘度[η]A2が0.1dl/g以上5dl/g未満であるプロピレン系重合体成分(A2)10〜99.5重量%とからなるプロピレン系重合体(但し、成分(A1)と成分(A2)とからなるプロピレン系重合体(A)の全量を100重量%とする)であって、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分(a)、有機アルミニウム化合物(b)および電子供与体成分(c)から形成される触媒系の存在下に少なくとも2槽からなる重合槽を直列に配置し、成分(A1)を重合した後、得られた成分(A1)を次の重合槽に移し、その重合槽で成分(A2)を連続的に重合して得られるプロピレン系重合体。
【請求項2】
(B)が、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、イミダゾール基、ピリジン基、ピペリジン基、シリル基、シアノ基、イソシアネート基、オキサゾリン基から選ばれる少なくとも1種の極性基を有するモノマー、または、該モノマーの無水物である請求項1記載の変性プロピレン系重合体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の変性ポリオレフィンの製造方法であって、プロピレン系重合体(A)、エチレン性不飽和結合含有モノマー(B)および有機過酸化物(C)のそれぞれの処理量を、(A)100重量部に対して、(B)を0.1〜50重量部とし、(C)を0.01〜20重量部として、(A)と(B)と(C)とを加熱処理する変性プロピレン系重合体の製造方法。

【公開番号】特開2011−219775(P2011−219775A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169870(P2011−169870)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【分割の表示】特願2004−328687(P2004−328687)の分割
【原出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】