説明

変換ルール変更支援装置および変換ルール変更支援プログラム

【課題】最適な変換ルールを得る。
【解決手段】第2のモデルデータが修正されると、リポジトリ記憶部24を読み出して、修正された第2のモデルデータの識別子と、修正された第2のモデルデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とを関連づけて修正情報記憶部21に記憶する修正感知手段11と、修正情報記憶部21に記憶された変換ルールデータの識別子に関連づけられた第2のモデルデータの識別子の識別子を修正対象検出情報記憶部22に記憶する変更検出手段12と、修正対象検出情報記憶部22の第2のモデルデータの識別子それぞれに対して変更の要否を判断して記憶するとともに、第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータを変更するか、または第2のモデルデータを修正するかを判断して修正判断結果情報記憶部23に記憶するルール変更判断手段13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム開発時に第1の種別のデータから第2の種別のデータへ所定の変換ルールデータに従って変換するときに書き出されたリポジトリを読み出して、変換ルールデータの変更を支援する変換ルール変更支援装置および変換ルール変更支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、システム開発において、システム開発対象となるビジネスなどに重点を置いたオブジェクト指向が広く採用されている。オブジェクト指向によるシステム開発においては、関連するデータの集合と、それに対する手続き(メソッド)を「オブジェクト」と呼ばれる一つのまとまりとして管理し、その組み合わせによってソフトウェアを構築する。既に存在するオブジェクトについては、利用に際してその内部構造や動作原理の詳細を知る必要はなく、外部からメッセージを送れば機能するため、特に大規模なソフトウェア開発において有効な考え方であるとされている。
【0003】
このオブジェクト指向において、MDA(Model Driven Architecture:モデル駆動型アーキテクチャ)と呼ばれるシステム開発手法が広く普及しつつある。このMDAでは、要求モデル(Computation Independent Model)データの作成、PIM(Platform Independent Model)データの作成、PSM(Platform Specific Model)データの作成を経て、システムの実行コードを得る。ここで、「要求モデル」データとは、システムの全体の構造を表すモデルで表された設計データである。「PIM」データとは、CPU、OS、ミドルウェア、開発言語などのシステム実装環境であるプラットフォームに依存しないモデルで表された設計データある。「PSM」データとは、実際に開発対象となるプラットフォームの開発言語と1対1に対応したプラットフォームに対応したモデルで表された設計データである。PIMデータおよびPSMデータは、システム開発者によって開発または保守される。
【0004】
PIMデータからPSMデータへの変換において、図30に示すように、市販のツールや自作した変換ツール(モデルコンパイラ)が利用される。この変換ツールで利用される変換ルールデータセットには、PIMメタモデルデータからPSMメタモデルデータを変換するための複数の変換ルールデータが含まれており、この変換ルールデータによって、PIMデータからPSMデータを作成することができる。PIMデータとプラットフォームに対応して設けられた変換ルールデータによって、プラットフォームに依存しないPIMデータから、開発環境であるプラットフォームに特化および最適化されたPSMデータが得られる。この変換ルールデータは、プラットフォーム専門家(ベンダー)によって提供される。
【0005】
しかし、PIMデータからPSMデータへの変換においては、実行環境でより最適にシステムを動作させるために、PSMデータに対する修正(チューニング)が必須となる。市販ツールを用いた場合、市販ツールは汎用的なものであり、全ての組織、全てのプロジェクトにおいて求められるニーズが充分に反映されていない場合がある。更に、開発組織の方針によっては、市販ツールによって生成されたPSMデータを手作業で拡張し最適化する場合もある。一方、開発者によって生成された自作の変換ツールを用いる場合、この自作の変換ツールには、特定の目的、あるいは特定のプラットフォームに特化していることが求められるので、完全な変換ルールデータを一度で作成することは困難である。従って、開発者によって抽出された変換ルールデータに従って生成されたPSMデータは、最適なものではない場合がある。
【0006】
これに対して、最適なPSMデータを得るために、下記のような方法を利用している。
(a)生成された個々のPSMデータに対して、個別に手作業で修正
(b)変換ルールデータに対してカスタマイズを行う
【0007】
一方、一般的に仕様からオブジェクト指向設計を生成する際に、手戻りの少ない開発作業と仕様の追加・改定に柔軟に対応できる制御装置のソフトウェア開発方法がある(例えば、特許文献1)。この特許文献1においては、制御判定オブジェクト群を個々の機能の実行/停止を判断して出力する個別制御判定オブジェクトと各個別制御判定オブジェクトの出力と各機能間の優先順位や並行性をもとに制御状態を決定する制御マネージャオブジェクトに分割する。この分割により、仕様追加や変更で各機能間の優先順位や並行性に変更が生じても制御マネージャオブジェクトの仕様を変更するだけで良く、個別制御判定オブジェクト群の仕様変更の必要がなくなり、逆に個々の機能の実行可否を判定する基準や方法に変更がある場合には、変更する機能の実行に関係する個別制御判定オブジェクトのみを変更すれば良く、他の個別制御判定オブジェクトや制御マネージャオブジェクトの変更の必要がなくなる。
【特許文献1】特開平8−185424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、PIMデータおよびPSMデータは開発者によって構築および保守され、変換ルールデータはプラットフォーム専門家によって提供されるため、最適な変換ルールデータを見出すことは困難である。具体的には、開発者はプラットフォームに関する知識に乏しいので、変換ルールデータの抽出および定義を行えない一方、プラットフォーム専門家は開発対象となるビジネスの知識はないので、PIMデータの構築について把握しきれないまま変換ルールデータを作成してしまうことになる。
【0009】
これにより、最適なPSMデータを得るためには、下記の様な問題が発生する。
(a)に記載の方法においては、修正規模が小さいまたは小規模システムの場合、随時手作業で修正しても問題にならないが、修正規模が大きい場合や大規模システムの場合、作業工数の膨大化、修正漏れなどによる品質の低下などの問題が発生する。更に、PIMデータに変更が生じる度に同様の修正を実施する必要がある。
また、(b)に記載の方法においては、組織、プロジェクト、開発者のニーズに合わせて、変換ルールデータが修正されることが望まれるが、変換ルールデータを修正することによる影響の判断が困難である場合がある。
【0010】
これにより、最適なPSMデータを得るために、PSMデータを手修正で修正することが好ましいか、変換ルールデータを変更することが好ましいかの判別が困難である。又、変更するべき変換ルールデータを抽出することが困難である。更に、PSMデータを修正する場合でも、修正するべきPSMデータの抽出や、PSMデータの内部の修正箇所の抽出が困難である。これらを解決するために、PSMデータに対する修正を最小限に押さえられるように、最適な変換ルールデータを開発することが求められている。
【0011】
従って本発明は、最適な変換ルールデータを得ることのできる変換ルール変更支援装置および変換ルール変更支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、オブジェクト指向によるシステム開発時に第1のモデルデータから第2のモデルデータへ所定の変換ルールデータに従って変換するときに、第1のモデルデータの識別子と、第2のモデルデータの識別子と、第1のモデルデータから第2のモデルデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とが関連づけられた複数の変換インスタンスが記憶されたリポジトリ記憶部を記憶装置から読み出して、変換ルールデータの変更を支援する変換ルール変更支援装置に関する。即ち、本発明の第1の特徴に係る変換ルール変更支援装置は、入力装置からの指示に基づいて第2のモデルデータが修正されると、記憶装置からリポジトリ記憶部を読み出して、修正された第2のモデルデータの識別子と、修正された第2のモデルデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とを関連づけて記憶装置の修正情報記憶部に記憶する修正感知手段と、記憶装置からリポジトリ記憶部を読み出して、修正情報記憶部に記憶された変換ルールデータの識別子に関連づけられた第2のモデルデータの識別子を抽出して、第2のモデルデータの識別子を記憶装置の修正対象検出情報記憶部に記憶する変更検出手段と、修正対象検出情報記憶部に記憶された全ての第2のモデルデータの識別子それぞれに対する変更の要否データに基づいて、第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの変更、および第2のモデルデータの修正のいずれかを含む修正判断結果情報を変換ルールデータの識別子ごとに出力し、修正判断結果情報を記憶装置の修正判断結果情報記憶部に記憶するルール変更判断手段と、記憶装置から修正判断結果情報記憶部を読み出して、修正判断結果情報記憶部に記憶された修正判断結果情報を出力する変更通知手段とを実現する中央処理制御装置を備える。
【0013】
ここで第1のモデルデータとは、例えばプラットフォームに依存しないPIMとして記述された設計データである。一方第2のモデルデータとは、例えばプラットフォームに依存するPSMとして記述された設計データである。第1のモデルデータから第2のモデルデータへ変換されると、その変換に用いられた変換ルールデータの識別子と合わせて、変換インスタンスとしてリポジトリ記憶部に記憶される。この変換インスタンスは、第1のモデルデータから第2のモデルデータへの変換が実行される度に作成され、リポジトリ記憶部に記憶される。
【0014】
本発明の第1の特徴に係る変換ルール変更支援装置によれば、ある第2のモデルデータが修正されると、リポジトリ記憶部を読み出して、その第2のモデルデータを生成した変換ルールデータを抽出し、抽出された変換ルールデータを用いて生成された全ての第2のモデルデータを抽出する。この全ての第2のモデルデータについて、同様の修正が必要であるか否かを個々に検証し、変換ルールデータを修正するか、第2のモデルデータを個々に修正するかを判断する。このように本発明の第1の特徴に係る変換ルール変更支援装置は、第2のモデルデータの修正が発生すると、その修正に起因して発生しうる同様の修正に、どのように対応させるかを提示することができる。
【0015】
本発明の第2の特徴は、システム開発時に第1の種別のデータから第2の種別のデータへ所定の変換ルールデータに従って変換するときに、第1の種別のデータの識別子と、第2の種別のデータの識別子と、第1の種別のデータから第2の種別のデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とが関連づけられた複数のレコードが記憶されたリポジトリ記憶部を記憶装置から読み出して、変換ルールデータの変更を支援する変換ルール変更支援装置に関する。即ち、本発明の第2の特徴に係る変換ルール変更支援装置は、入力装置からの指示に基づいて第2の種別のデータが修正されると、記憶装置からリポジトリ記憶部を読み出して、修正された第2の種別のデータの識別子と、修正された第2の種別のデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とを関連づけて記憶装置の修正情報記憶部に記憶する修正感知手段と、記憶装置からリポジトリ記憶部を読み出して、修正情報記憶部に記憶された変換ルールデータの識別子に関連づけられた第2の種別のデータの識別子を抽出して、第2の種別のデータの識別子を記憶装置の修正対象検出情報記憶部に記憶する変更検出手段と、修正対象検出情報記憶部に記憶された全ての第2の種別のデータの識別子それぞれに対する修正の要否データに基づいて、第2の種別のデータの変換に用いられた変換ルールデータの変更、および第2の種別のデータの修正のいずれかを含む修正判断結果情報を変換ルールデータの識別子ごとに出力し、修正判断結果情報を記憶装置の修正判断結果情報記憶部に記憶するルール変更判断手段と、記憶装置から修正判断結果情報記憶部を読み出して、修正判断結果情報記憶部に記憶された修正判断結果情報を出力する変更通知手段とを実現する中央処理制御装置を備える。
【0016】
ここで、第1の種別のデータは、例えばPIMの設計データであるときに、第2の種別のデータは、例えばPSMの設計データである。また、第1の種別のデータは、例えばPSMの設計データであるときに、第2の種別のデータは、例えばプログラムコードである。このように本発明の第2の特徴に係る変換ルール変更支援装置は、第2の種別のデータが変換ツールによって第1の種別のデータから変換される場合に適用される。
【0017】
本発明の第3の特徴は、オブジェクト指向によるシステム開発時に第1のモデルデータから第2のモデルデータへ所定の変換ルールデータに従って変換するときに、第1のモデルデータの識別子と、第2のモデルデータの識別子と、第1のモデルデータから第2のモデルデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とが関連づけられた複数の変換インスタンスが記憶されたリポジトリ記憶部を記憶装置から読み出して、変換ルールデータの変更を支援する変換ルール変更支援プログラムに関する。即ち、本発明の第3の特徴に係る変換ルール変更支援プログラムは、入力装置からの指示に基づいて第2のモデルデータが修正されると、記憶装置からリポジトリ記憶部を読み出して、修正された第2のモデルデータの識別子と、修正された第2のモデルデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とを関連づけて記憶装置の修正情報記憶部に記憶する修正感知手段と、記憶装置からリポジトリ記憶部を読み出して、修正情報記憶部に記憶された変換ルールデータの識別子に関連づけられた第2のモデルデータの識別子を抽出して、第2のモデルデータの識別子を記憶装置の修正対象検出情報記憶部に記憶する変更検出手段と、修正対象検出情報記憶部に記憶された全ての第2のモデルデータの識別子それぞれに対する修正の要否データに基づいて、第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの変更、および第2のモデルデータの修正のいずれかを含む修正判断結果情報を変換ルールデータの識別子ごとに出力し、修正判断結果情報を記憶装置の修正判断結果情報記憶部に記憶するルール変更判断手段と、記憶装置から修正判断結果情報記憶部を読み出して、修正判断結果情報記憶部に記憶された修正判断結果情報を出力する変更通知手段とをコンピュータに実現させる。
【0018】
本発明の第4の特徴は、システム開発時に第1の種別のデータから第2の種別のデータへ所定の変換ルールデータに従って変換するときに、第1の種別のデータの識別子と、第2の種別のデータの識別子と、第1の種別のデータから第2の種別のデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とが関連づけられた複数のレコードが記憶されたリポジトリ記憶部を記憶装置から読み出して、変換ルールデータの変更を支援する変換ルール変更支援プログラムに関する。即ち、本発明の第4の特徴に係る変換ルール変更支援プログラムは、入力装置からの指示に基づいて第2の種別のデータが修正されると、記憶装置からリポジトリ記憶部を読み出して、修正された第2の種別のデータの識別子と、修正された第2の種別のデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とを関連づけて記憶装置の修正情報記憶部に記憶する修正感知手段と、記憶装置からリポジトリ記憶部を読み出して、修正情報記憶部に記憶された変換ルールデータの識別子に関連づけられた第2の種別のデータの識別子を抽出して、第2の種別のデータの識別子を記憶装置の修正対象検出情報記憶部に記憶する変更検出手段と、修正対象検出情報記憶部に記憶された全ての第2の種別のデータの識別子それぞれに対する修正の要否データに基づいて、第2の種別のデータの変換に用いられた変換ルールデータの変更、および第2の種別のデータの修正のいずれかを含む修正判断結果情報を変換ルールデータの識別子ごとに出力し、修正判断結果情報を記憶装置の修正判断結果情報記憶部に記憶するルール変更判断手段と、記憶装置から修正判断結果情報記憶部を読み出して、修正判断結果情報記憶部に記憶された修正判断結果情報を出力する変更通知手段とをコンピュータに実現させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、最適な変換ルールを得ることのできる変換ルール変更支援装置および変換ルール変更支援プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。本発明の最良の実施の形態において、オブジェクト指向のクラスの相互関係や継承を説明する図については、UML(Unified Modeling Language)のクラス図の形式で記述されている。このUMLのクラス図においては、クラスを表す四角形、それらの関係を示す結線などで構成される。このクラスを表す四角形には、クラス名、属性、操作(メソッド)が表示される。ここで、クラスの種別(役割)を区別するためにステレオタイプが利用される。クラスの関係を示す結線は、その関係に応じて複数種の形状を備える。UMLの記述については、後に詳述する。
【0021】
(最良の実施の形態)
(変更ルール変換支援装置)
図1に示す本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援装置1は、システム開発時に第1のモデル(PIM)データから第2のモデル(PSM)データへ所定の変換ルールデータに従って変換するときに書き出されたリポジトリ記憶部24を記憶装置107から読み出して、変換ルールデータの変更を支援する装置である。
【0022】
本発明の最良の実施の形態においては、第1のモデルデータとしてPIMデータを、第2のモデルデータとしてPSMデータを例にして説明するが、第2のモデルデータが、変換ルールデータによって第1のモデルデータから変換されるものであれば、どのような例でもかまわない。
【0023】
図2に示すように、本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援装置1は、中央処理制御装置101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103および入出力インタフェース109が、バス110を介して接続されている。入出力インタフェース109には、入力装置104、表示装置105、通信制御装置106、記憶装置107およびリムーバブルディスク108が接続されている。
【0024】
中央処理制御装置101は、入力装置104からの入力信号に基づいてROM102から変換ルール変更支援装置1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、更に記憶装置107に記憶されたオペレーティングシステムを読み出す。更に中央処理制御装置101は、入力装置104や通信制御装置106などの入力信号に基づいて、各種装置の制御を行ったり、RAM103や記憶装置107などに記憶されたプログラムおよびデータを読み出してRAM103にロードするとともに、RAM103から読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、データの計算または加工など、後述する一連の処理を実現する処理装置である。
【0025】
入力装置104は、操作者が各種の操作を入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成し、入出力インタフェース109およびバス110を介して中央処理制御装置101に送信される。表示装置105は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイなどであり、中央処理制御装置101からバス110および入出力インタフェース109を介して表示装置105において表示させる出力信号を受信し、例えば中央処理制御装置101の処理結果などを表示する装置である。通信制御装置106は、LANカードやモデムなどの装置であり、変換ルール変更支援装置1をインターネットやLANなどの通信ネットワークに接続する装置である。通信制御装置106を介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インタフェースおよびバス110を介して中央処理制御装置101に送受信される。
【0026】
記憶装置107は半導体記憶装置や磁気ディスク装置であって、中央処理制御装置101で実行されるプログラムやデータが記憶されている。リムーバブルディスク108は、光ディスクやフレキシブルディスクであり、ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インタフェース109およびバス110を介して中央処理制御装置101に送受信される。
【0027】
本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援装置1の記憶装置107には、変換ルール変更支援プログラムが記憶されるとともに、修正情報記憶部21、修正対象検出情報記憶部22、修正判断結果情報記憶部23、リポジトリ記憶部24が備えられている。また、変換ルール変更支援プログラムが変換ルール変更支援装置1の中央処理制御装置101に読み込まれOSと協働して実行されることによって、修正感知手段11、変更検出手段12、ルール変更判断手段13、変更通知手段14、ルール変更手段15が変換ルール変更支援装置1に実装される。
【0028】
本発明の最良の実施の形態においては、図3に示すように、PIMデータ1、PIMデータ2、PIMデータ3を変換ツールに入力すると、変換ルールデータセットS1によって、それぞれPSMデータ1、PSMデータ2、PSMデータ3が生成される場合について説明する。図3のPSMデータ1またはPSMデータ3に示すように、一つのPIMデータから複数のPSMデータが生成されても良い。
【0029】
リポジトリ記憶部24には、PIMデータからPSMデータを生成する複数の変換インスタンスの情報が記憶されている。具体的にこの変換インスタンスは、PIMデータの識別子とそのPIMデータの実体データ、PSMデータの識別子とそのPSMデータの実体データ、変換ルールデータの識別子と変換ルールデータ、変換記録、修正記録などが記録されている。更に、リポジトリ記憶部24には、変換ルールデータなどがバージョン管理されて記憶されている。
【0030】
例えばオブジェクト指向のシステム開発においてリポジトリ記憶部24には、図4に示すような情報が記憶されている。図4に示すリポジトリ記憶部24においては、PIMメタモデルデータから変換ルールデータR1を用いて、PSMメタモデルデータが生成される。図4に示すように、変換ルールデータR1は、PIMメタモデルデータおよびPSMメタモデルデータに依存する。PIMデータ1およびPIMデータ2は、PIMメタモデルのインスタンスであり、PSMデータ1は、PSMメタモデルのインスタンスである。「メタモデル」とは、例えばPIMまたはPSMを記述するためのUMLのモデル要素(クラス、属性、操作、関係など)を定義するモデルである。ここで、sourceであるPIMデータ1から、変換ルールデータR1を用いてtargetであるPSMデータ1を作成する場合、変換インスタンス1が生成されて、リポジトリ記憶部24に記憶される。このように変換記録に関するリポジトリ記憶部24には、変換インスタンス1として、sourceとなるPIMデータの識別子(PIMデータ1)、targetとなるPSMデータの識別子(PSMデータ1)、PSMデータ1の生成時に使用された変換ルールの識別子(変換ルールデータR1)に関する情報が含まれる。
【0031】
(変更ルール変換支援プログラム)
次に、図5を参照して、本発明の最良の実施の形態に係る変更ルール変換支援プログラムの概略を説明する。
【0032】
まず、ステップS101において、PSMデータの修正の検知を待機する。PSMデータの修正が検知されると、ステップS102において、修正されたPSMデータの識別子と、修正されたPSMデータを生成した変換ルールデータの識別子と、修正内容とを関連づけて修正情報記憶部21に、記憶する。
【0033】
次に、ステップS103において、リポジトリ記憶部24から修正が必要になる可能性があるPSMデータ、具体的には修正情報記憶部21に記憶された変換ルールデータで変換されたPSMデータの識別子を検出し、ステップS104において、検出されたPSMデータの識別子を修正対象検出情報記憶部22に記憶する。
【0034】
更に、ステップS105において、修正対象検出情報記憶部22を読み出して、修正対象検出情報記憶部22に記憶されたPSMデータそれぞれについて、PSMデータの修正が必要であるか否かを判断し、PSMデータの識別子とその判断結果とを出力する。更に、PSMデータの修正量に基づいて、ステップS106において、PSMデータを修正するか、PSMデータを生成するために用いられた変換ルールデータを変更するかを判断し、修正判断結果情報記憶部23に記憶する。具体的には、PSMデータの修正が多い場合、このPSMデータを生成するために用いられた変換ルールデータの識別子を修正判断結果情報記憶部23に記憶し、PSMデータの修正が少ない場合、ステップS105において修正が必要と判断されたPSMデータの識別子を修正判断結果情報記憶部23に記憶する。
【0035】
ステップS108において、PSMデータを修正するか、変換ルールデータを変更するかによって、処理を振り分ける。具体的には、PSMデータを修正する場合、ステップS109において、開発者端末2に、修正するPSMデータの識別子を送信し、開発者にPSMデータの修正を促す。変換ルールを変更する場合、ステップS110において、プラットフォーム専門家端末3に変更する変換ルールデータの識別子と、ステップS102で記憶された修正内容とを通知し、プラットフォーム専門家に修正内容を満たす様に変換ルールデータの変更を促す。
【0036】
ここで、図6を参照して、変換ツールによる変換インスタンスについて詳述する。図6に示したPIMデータ1をPSMデータ1に変換する変換ルールデータセットS1は、変換ルールデータP、P_S、S、S_R、R、S_E、Eを備えている。例えば、PIMデータ1のXProcessから変換ルールデータPによって、XProcessActionクラスE1と、org.apache.struts.action.ActionクラスE2と、XProcessActionクラスE1がorg.apache.struts.action.ActionクラスE2から継承することを示す結線L1とを生成し、この情報が、リポジトリ記憶部24に記憶されている。ここで要素とは、UMLに含まれる各構成を示し、PIMデータまたはPSMデータにおけるクラス、各クラスを結ぶ結線などである。
【0037】
この図6に示した例において、開発者によってXProcessAction要素E1に対して修正が行われるとする。このとき、ステップS101において、XProcessAction要素E1に修正が行われた旨のモデルデータ修正メッセージ31が、修正感知手段11によって受信される。これに伴い、ステップS102において、「PSMデータ1」、「XProcessAction要素」、修正内容などの情報が、修正情報記憶部21に記憶される。このとき、XProcessAction要素E1を生成するときに必要な変換ルールデータPを抽出し、修正情報記憶部21に記憶する。
【0038】
また、要素を生成するために、複数の変換ルールデータを適用した場合、全ての変換ルールデータが検出されることが好ましい。
【0039】
更に、例えば、XProcessAction要素E1を削除する修正が行われた場合、変換ツールに備えられたモデルチェッキング機能を利用して、他要素との関連関係を検出することができる。ここで、モデルチェッキング機能とは、モデルが変更される度に要素間の関係をチェックして正当な状態に保たれるようにする機能である。モデルチェッキング機能では、端点に要素がない不正な関連または依存エラーも検出することができる。具体的には、XProcessAction要素E1が削除された場合、XProcessAction要素E1がorg.apache.struts.action.Action要素から継承することを示す結線L1と、XProcessAction要素E1とXService要素E3の関連を示す結線L2との端点に要素がなくなってしまう。従って、結線L1およびL2についても不正な関連または依存エラーとして抽出され、この結線L1を作成した変換ルールデータPと、結線L2を作成した変換ルールデータP_Sとが、修正情報記憶部21に記憶される。このように、モデルチェッキング機能を用いて要素間の相互関係を検証することにより、より的確に修正に関する変換ルールデータを抽出することができる。
【0040】
(変換ルール変更支援装置の各手段)
次に、本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援装置1に実装される各手段について詳述する。
【0041】
(修正感知手段)
修正感知手段11は、開発者による入力装置からの指示に基づいてPSMデータが修正されたことを示すモデルデータ修正メッセージ31を受信すると、記憶装置107からリポジトリ記憶部24を読み出して、修正されたPSMデータの識別子と、修正されたPSMデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とを関連づけて記憶装置107の修正情報記憶部21に記憶する。
【0042】
修正感知手段11は、更に、入力装置からの指示に基づいてPSMデータが修正された内容を修正情報記憶部21に記憶することが好ましい。
【0043】
このモデルデータ修正メッセージ31は、例えば、リポジトリ記憶部24が更新されたときに、リポジトリの管理手段から送信される。修正されたPSMデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子を抽出する場合、モデルチェッキング機能等を用いて、精度良く抽出されることが好ましい。
【0044】
修正情報記憶部21には、修正されたPSMデータの識別子と、このPSMデータを生成するために用いられた変換ルールデータの識別子とが関連づけられて記憶されている。この修正情報記憶部21は、例えば、図7に示すようなデータ項目とデータを備える。具体的には、修正情報記憶部21は、PSMデータの識別子であるPSMデータ名、修正された箇所、修正内容、このPSMデータの生成時に利用した変換ルールデータの識別子が関連づけられて記憶されている。図7に示した修正情報記憶部21においては、図3に示す例に従って、PSMデータ1の箇所PについてAの内容で修正され、このPSMデータ1は、変換ルールデータR、Rによって生成されている場合が記憶されている。
【0045】
(変更検出手段)
変更検出手段12は、記憶装置107からリポジトリ記憶部24を読み出して、修正情報記憶部21に記憶された変換ルールデータの識別子に関連づけられたPSMデータの識別子を抽出して、PSMデータの識別子を記憶装置107の修正対象検出情報記憶部22に記憶する。
【0046】
このとき、変更検出手段12は、修正されたPSMデータと同一のスコープに属するPSMデータの識別子から、修正情報記憶部21に記憶された変換ルールデータの識別子に関連づけられたPSMデータの識別子を抽出することが好ましい。
【0047】
変更検出手段12は、記憶装置107から図7に示した修正情報記憶部21を読み出して、修正されたモデルデータのモデル名「PSMデータ1」に関連づけられた変換ルールデータの識別子「R、R」を抽出する。このとき、修正されたPSMデータ1のスコープに従って、同一スコープに属する全てのPSMデータが抽出されることが好ましい。ここでスコープとは、オブジェクトの有効範囲を示し、例えば、PSMデータ1と同様の変数名のみを使用してその変数を利用することが可能な範囲である。これにより、当該PSMデータと同じ変換ルールデータによって作成されたPSMであって、修正感知手段11によって修正されたPSMデータと同様の修正が必要になる可能性のあるPSMデータの識別子である。
【0048】
更に、変更検出手段12は、変換ルールデータRまたはRによって変換された全てのPSMデータを抽出し、抽出されたPSMデータにおいて、変換ルールデータRまたはRによって変換された箇所PないしRを検出し、修正対象検出情報記憶部22に記憶する。
【0049】
修正対象検出情報記憶部22には、修正されたPSMデータと同じ変換ルールデータで変換されたPSMデータの識別子、具体的には同様の修正が予想されるPSMデータの識別子が記憶されている。この修正対象検出情報記憶部22は、例えば、図8に示すようなデータ構造とデータを備える。具体的には、修正対象検出情報記憶部22は、PSMデータの識別子であるPSMデータ名、修正された箇所、このPSMデータが抽出されたキーとなった変換ルールデータの識別子が関連づけられて記憶されている。図8に示した例においては、図7に示した修正情報記憶部21の「変換ルールデータ」項目で記憶された変換ルールデータRまたはRによって生成されたPSMデータ名と、その変換ルールデータに関連する箇所が記憶されている。
【0050】
変更検出手段12は、図9に示すような処理を実行する。
ステップS201において、修正されたPSMデータ名「PSMデータ1」のスコープに従って、同様の修正が必要になる可能性のあるスコープを指定する。更に、ステップS202において、変数「s」に、ステップS201で指定されたスコープに属するPSMデータの数を設定する。
【0051】
次に、ステップS203において、変数「s」が0の場合、処理を終了する。
【0052】
一方、ステップS203において、変数「s」が0でない場合、ステップS204において、変数「k」に、修正情報記憶部21に記憶された変換ルールデータ数を設定する。ステップS205において、変数「k」が0の場合、ステップS206において変数「s」をデクリメントしてステップS203に戻る。
【0053】
一方、ステップS205において、変数「k」が0でない場合、ステップS207において、リポジトリ記憶部24を読み出して、PSMデータに変換ルールデータRを適用した箇所があるか否かを判断する。変換ルールデータRを適用した箇所がない場合、ステップS208において変数「k」をデクリメントし、ステップS205に戻る。
【0054】
一方、ステップS205において、変換ルールデータRを適用した場合、変換ルールデータRが適用された箇所Pを抽出するとともに、ステップS209において、PSMデータ名として「PSMデータ」、箇所「P」、変換ルールデータ「R」を関連づけて、修正対象検出情報記憶部22に記憶する。
【0055】
(ルール変更判断手段)
ルール変更判断手段13は、修正対象検出情報記憶部22に記憶された全てのPSMデータの識別子それぞれに対する修正の要否データに基づいて、PSMデータの変換に用いられた変換ルールデータの変更、およびPSMデータの修正のいずれかを含む修正判断結果情報を変換ルールデータの識別子ごとに出力し、この修正判断結果情報を記憶装置107の修正判断結果情報記憶部23に記憶する。このとき、ルール変更判断手段13は、修正対象検出情報記憶部22に記憶された全てのPSMデータの識別子それぞれに対する修正の要否データに基づいて、PSMデータの変換に用いられた変換ルールデータの識別子ごとに、PSMデータの修正が多い場合は第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの識別子を修正判断結果情報として記憶装置107の修正判断結果情報記憶部23に記憶し、PSMデータの修正が少ない場合は修正が必要なPSMデータの識別子を修正判断結果情報として記憶装置107の修正判断結果情報記憶部23に記憶する。
【0056】
具体的には、ルール変更判断手段13は、修正対象検出情報記憶部22に記憶された全てのPSMデータの識別子について、第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの識別子ごとに、PSMデータの識別子それぞれに対して修正の要否が判断されて関連づけられ、PSMデータの修正が必要な場合、修正カウントをインクリメントし、修正が必要でない場合、無修正カウントをインクリメントする。更に、ルール変更判断手段13は、修正カウントの無修正カウントに対する割合が所定の閾値より大きい場合、PSMデータの変換に用いられた変換ルールデータの識別子を記憶装置107の修正判断結果情報記憶部23に記憶し、修正カウントの無修正カウントに対する割合が所定の閾値より小さい場合、修正が必要なPSMデータの識別子を記憶装置107の修正判断結果情報記憶部23に記憶する。
【0057】
ルール変更判断手段13は、記憶装置107から修正対象検出情報記憶部22を読み出して、変更検出手段12によって検出されたPSMデータ名、箇所PないしP、変換ルールデータを抽出する。更に、この箇所PないしPについて各変換ルールデータを適用したとき、修正する必要があるか否かを判定する。このとき、開発者に回答させる場合と、プログラムに判断させる方法とがある。
【0058】
開発者に判断させる方法では、開発者端末2にダイアログを表示し、箇所PないしPに関して各変換ルールデータを適用したとき、開発者に修正が必要あるか否かをYes/No形式で答えさせ、開発者が開発者端末2の入力装置から修正判断指示を入力することにより、ルール変更判断手段13は、箇所PないしP毎に修正判断指示32a、32b、32c…を開発者端末2から受信する。
【0059】
プログラムに判断させる方法では、箇所Pに修正を適用して、モデルチェッキングを実行し、その結果問題なければ、箇所Pは修正する必要があると判断される。これを各箇所毎に実行し、箇所PないしP毎に修正判断指示32a、32b、32cを作成する。
【0060】
このとき、各箇所について、修正の重みを付けても良い。開発者に判断させる方法では、開発者に重みを入力させ、プログラムに判断させる方法では、変換ルールデータに応じた重みが予め決定されていることが好ましい。
【0061】
更に、ルール変更判断手段13は、この修正判断指示32a、32b、32c…に基づいて、変換ルールデータ毎に集計計算を行う。このとき、各箇所に修正の重みが設定されている場合、その重みも考慮して集計計算が行われることが好ましい。
【0062】
各箇所についてPSMデータの修正が必要であるか否かが判断されると、図10に示したようなデータが、RAM103などの記憶装置に記憶されることが好ましい。図10に示したデータでは、図8に示した修正対象検出情報記憶部22に、「PSMデータの修正が必要であるか」、「重み」の各項目を備えている。「PSMデータの修正が必要であるか」の項目には、修正判断指示32a、32b、32c…に基づいて、各箇所について修正するか否かをYes/No形式で設定されている。この図10に示したデータに基づいて、変換ルールデータ毎に集計し、図11に示すデータが、RAM103などの記憶装置に記憶されることが好ましい。この図11に示したデータでは、PSMデータの修正が必要である、具体的には「Yes」が設定されている場合、修正カウントをインクリメントし、PSMデータの修正が必要でない、具体的には「No」が設定されている場合、無修正カウントをインクリメントして、変換ルールデータ毎に、修正カウントと、無修正カウントの数値がカウントされている。このとき、図10において修正の重みが設定されている場合、この重みも考慮して修正カウントまたは無修正カウントに数値がカウントされる。
【0063】
更に、ルール変更判断手段13は、修正カウントの無修正カウントに対する割合が、所定の閾値以上である場合、変換ルールデータを修正する結果を出力する。この所定の閾値は、変換ルールデータを変更した方が作業量が少なくなるか、PSMデータを個別に修正した方が作業量が少なくなるかを判断する指標である。具体的には、この閾値が「2」である場合、変換ルールデータRについて、修正カウントが「3」、無修正カウントが「0」であるので、修正カウントの無修正カウントに対する割合は、2以上になる。従って、ルール変更判断手段13は、変換ルールデータRを変更する指示を出力する。また、変換ルールデータRは、修正カウントが「1」、無修正カウントが「1.6」であるので、修正カウントの無修正カウントに対する割合は、2未満になる。従って、ルール変更判断手段13は、変換ルールデータRを変更せず、PSMデータを修正する指示を出力する。
【0064】
この結果、例えば図12に示すような修正判断結果情報記憶部23を記憶装置107に記憶する。この修正判断結果情報記憶部23には、変更することが必要である変換ルールデータの識別子と、個別修正が必要であると判断された箇所の識別子が記憶されている。図11の例に従って具体的には、修正判断結果情報記憶部23には、変換ルールデータRに関して修正するPSMデータとして、PSMデータ2の箇所PおよびPが記憶されるとともに、修正する変換ルールデータとして変換ルールデータRが記憶される。
【0065】
次に、図13を参照して本発明の最良の実施の形態に係るルール変更判断手段13の処理を説明する。
【0066】
まず、ステップS301において、修正対象検出情報記憶部22に記憶された変換ルールデータの識別子一つを抽出し、変数「修正カウント」、変数「無修正カウント」を初期化する。
【0067】
次に、当該変換ルールデータを使用したPSMデータの箇所の全てについて、ステップS302ないしステップS304の処理を行う。具体的には、ステップS302において、当該箇所に対して、修正情報記憶部21に記憶された修正内容と同様に修正するか否かを判定し、修正すると判定された場合、ステップS303において修正カウントが更新される。一方、修正しないと判定された場合、ステップS304において無修正カウントが更新される。ステップS303およびステップS304においては、各箇所について修正の重みが設定されている場合、この重みも考慮して修正カウントまたは無修正カウントが修正される。
【0068】
当該ルールを使用した全ての箇所について、ステップS302ないしステップS304の処理が終了すると、ステップS305において、修正カウントの無修正カウントに対する割合が所定の閾値より大きいか否かを判定する。所定の閾値より大きい場合、ステップS306において、修正判断結果情報記憶部23に当該変換ルールデータの識別子を記憶する。一方、所定の閾値より小さい場合、ステップS307において、修正判断結果情報記憶部23に修正するべきPSMデータの識別子を記憶する。
【0069】
(変更通知手段)
変更通知手段14は、記憶装置107から修正判断結果情報記憶部23を読み出して、修正判断結果情報記憶部に記憶された修正判断結果情報を出力する手段である。具体的には、変更通知手段14は、記憶装置107から修正判断結果情報記憶部23を読み出して、PSMデータの変換に用いられた変換ルールデータを変更する指示を変換ルールデータを作成したプラットフォーム専門家端末3に送信、または修正が必要なPSMデータの識別子とPSMデータを修正する指示とをPSMデータを開発する開発者端末2に送信する。
【0070】
プラットフォーム専門家端末3に、変更通知手段14は更に、新たな変換ルールデータの識別子を発番し、その新たな変更ルールデータの識別子と修正内容を含むルールデータ変更指示34を送信する。この新たに発番される識別子は、修正する変換ルールデータのスコープにのみ適用可能な識別子であることが好ましい。この変換ルールデータの識別子によって、マスタ変換ルールであるか、特定のスコープの範囲内の変換ルールデータであるかを明確に定義することができる。
【0071】
また、開発者端末2に指示を修正するとき、修正する箇所と、その箇所が所属しているPSMデータの識別子と修正内容を含むモデルデータ変更指示33を通知する。
【0072】
(ルール変更手段)
ルール変更手段15は、プラットフォーム専門家端末3において、変換ルールデータに対して変更を行わせる手段である。このとき、ルール変更手段15は、修正された内容をプラットフォーム専門家端末3に更に送信し、修正されたPSMデータと同一のスコープにのみ適用可能な新たな修正ルールデータを生成させる。
【0073】
このルール変更手段15は、変更対象となるPSMデータとは異なるスコープに影響がでないように、スコープ内にのみ適用可能な変換ルールデータに対して更新する。ルール変更手段15は、このスコープに対してのみ有効な変換ルールデータが既に存在する場合、その変換ルールデータに対して修正する。
【0074】
一方、スコープ内にのみ適用可能な変換ルールデータが存在しない場合、ルール変更手段15は、マスタ変換ルールデータから派生された新たな変換ルールデータを作成し、その新たな変換ルールデータに対して、変更させる。具体的に図14(a)に示すように、スコープ1のPSMデータに対して変換ルールRについて、マスタ変換ルールデータのみ存在するとする。図14(a)においては、PSMデータに対して、スコープ1の変換ルールデータRは存在するが、スコープ1の変換ルールデータRは存在していない。この場合、図14(b)に示すように、変換ルール変更支援装置1は、マスタ変換ルールデータRから新たな変換ルールを派生させ、スコープ1の変換ルールデータRを生成し、プラットフォーム専門家端末3にこのスコープ1の変換ルールデータRに対して、変更させる。
【0075】
これにより、変換ルールデータを変更する場合でも、スコープ内にのみ有効な変換ルールデータに対して変更させるため、他のスコープに影響を与えることなく、当該スコープに最適な変換ルールデータを作成することができる。
【0076】
(変換ルール変更支援装置の効果)
このように、本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援装置1は、PSMデータの修正が発生すると、その修正に起因して発生しうる同様の修正に、どのように対応させるかを提示することができる。具体的には、本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援装置1は、ある変換ルールデータによって生成されたPSMデータの各箇所について、修正が必要であるか否かを判断する。修正が多い場合、変換ルールデータを修正してPSMデータを再作成させることにより、作業工数を削減させることができる。また、本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援装置1は、より最適な変換ルールデータを作成することができる。一方、修正が少ない場合、変換ルールデータを修正するよりも各PSMデータを修正させることにより、作業工数を削減させることができる。
【0077】
更に、変換ルールデータを変更する場合でも、修正されたPSMのスコープにのみ適用可能な変換ルールデータに変更するので、他のスコープに影響を与えることなく、当該スコープに最適な変換ルールデータを作成することができる。
【0078】
このように、本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援装置1は、システムを快適に動作させるためにPSMデータが修正されると、その修正されたPSMデータを作成する変換ルールデータを抽出することにより、変更すべき変換ルールデータの候補を決定する。更に本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援装置1は、その変換ルールデータを変更した場合の影響を調べて変換ルールデータを変更するか否かを決定することにより、最適な変換ルールデータを生成することができる。
【0079】
(変形例1)
本発明の最良の実施の形態の変形例1においては、変換ルールデータが変更されPSMデータが再生成された場合について説明する。
【0080】
本発明の最良の実施の形態の変形例に係る変換ルール変更支援装置1の記憶装置107には、PSMデータが再生成される前のPSMデータに対して行われた修正記録が記憶されている。この修正記録は、例えば、リポジトリ記憶部24に記憶されることが好ましい。変換ルール変更支援装置1は、再生成されたPSMデータに対して修正記録を適用する手段を備える。
【0081】
具体的には、図15に示すように、PSMデータ1の箇所P1は変換ルールデータR1によって生成されたとする。変換ルール変更支援装置1は、この箇所P1に対する修正記録を、記憶装置107に記憶する。ここで、変換ルールデータR1を派生させて新たな変換ルールデータR11が再生成され、この変換ルールデータR11によって生成された新たな箇所P1を有するPSMデータ1’が生成されたとする。変換ルール変更支援装置1は、記憶装置107からPSMデータ1の箇所P1に対する修正記録を読み出し、PSMデータ1’の箇所P1’に対してこの修正記録を適用する。
【0082】
このような本発明の最良の実施の形態の変形例に係る変換ルール変更支援装置1は、新たな変換ルールデータによって再生成される前に手動修正された修正履歴を提要することができるので、開発者の作業量を軽減させることができる。
【0083】
(変形例2)
本発明の最良の実施の形態の変形例1においては、変換ルールデータを世代管理する場合について説明する。
【0084】
変換ルールデータは、開発者、システム開発プロジェクト、システム開発対象となる組織の知恵、経験、ノウハウであり、これらの情報は有効に蓄積される必要がある。本発明の最良の実施の形態によって、スコープ内の変換ルールデータを変更することにより、スコープ内に最適なPSMデータを得ることができる。
【0085】
そこで、本発明の最良の実施の形態の変形例2に係る変換ルール変更支援装置1のルール変更手段15は、においては、定期的にスコープ範囲の変換ルールデータをチェックし、下位スコープ範囲における同じ派生元の変換ルールデータが一定数量蓄積されることを検知する。下位スコープ範囲における同じ派生元の変換ルールデータが一定数量蓄積されると、上位スコープの派生もとである変換ルールデータの変更や、マスタ変換ルールデータの変更を検討するために、マスタルールデータ変更指示35をプラットフォーム専門家端末3に送信する。上位スコープの変換ルールが変更された場合、下位スコープの変換ルールデータの変更を検討することが好ましい。
【0086】
具体的には、図16に示すように、下位スコープにおける変換ルールデータ1の変更が一定数以上になると、変換ルール変更支援装置1は、上位スコープの変換ルールデータ1の変更を促す通知を出力する。また、上位スコープにおける変換ルールデータ2の変更が一定数以上になると、変換ルール変更支援装置1は、上位スコープの変換ルールデータ1の変更を促す通知を出力する。
【0087】
この方法は、狭いスコープで適用された方法が伝播することにより、全組織にその方法が適用されるような場合に最適である。
【0088】
これにより、システム開発対象となる組織における業務の流れが時間の経過とともに変更されたとしても、より広いスコープにその変更を適用させ、変換ルールデータを進化させることができるので、より最適な変換ルールデータを作成することができる。
【0089】
(変形例3)
本発明の最良の実施の形態の変形例3に係る変換ルール変更支援装置1は、所定の目的のための変換ルールデータを異なる目的に適用し、変換ルールを横展開する場合について説明する。具体的には、変換ルール変更支援装置1は、特定のスコープ範囲の変換ルールデータをコピーし、PIMデータからPSMデータへの変換を行う。これにより変換されたPSMデータに対して。新たな目的に合致するように修正し、変換ルール変更支援装置1によって、その修正を変換ルールデータに反映させる。これにより、新たな目的のための変換ルールデータが作成されることができる。
【0090】
(変形例4)
本発明の最良の実施の形態の変形例4に係る変換ルール変更支援装置1は、PIMデータからPSMデータに限らず、所定の変換ツールによって変換されるデータに適用することができる。具体的には、変換ルール変更支援装置1は、システム開発時に第1の種別のデータから所定の変換ルールデータに従って変換された第2の種別のデータに対して修正が行われると、この変換ルールデータによって変換された第2の種別のデータを抽出してそれぞれのデータに対して修正が必要であるか否かを判断する。これにより変換ルール変更支援装置1は、変換ルールデータを変更するか、第2の種別のデータを修正するかを判断し出力する。
【0091】
変換ルール変更支援装置1によって、変換ルールデータを変更すると判断されると、その旨の通知が変換ルールデータの責任者である専門家端末に送信され、第2の種別のデータを修正すると判断されると、その旨の通知が第2の種別のデータの責任者である開発者端末に送信される。
【0092】
上述した本発明の最良の実施の形態においては、第1の種別のデータがPIMデータで、第2の種別のデータがPSMデータである場合について説明したが、これに限られない。例えば、第1の種別のデータがシステム開発対象のビジネスプロセスモデルを示したCIM(computation independent model)データで、第2の種別のデータがCIMデータから所定の変換ルールデータによって作成されるPIMデータであっても良い。更に、第1の種別のデータがPSMデータであって、第2の種別のデータがPSMデータから所定の変換ルールデータによって作成されるプラットフォーム依存のプログラムコードであっても良い。
【0093】
このように、本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援装置1は、変換ソースとなる上位設計モデルデータ(第1の種別のデータ)と、ターゲットとなる下位設計モデルデータ(第2の種別のデータ)を備えるシステムにおいて、設計モデルを示すデータの変換に適用することができる。
【0094】
(PIMおよびPSMの概説)
次に、図17および図18を参照して、PIMデータおよびPSMデータに関する一般的なUML形式での記述について説明する。UML形式におけるモデリングパターンには、Process、Service、Entity、Ruleの4つのパターンが存在する。このモデリングパターンは、システム設計時に、システム開発における要求仕様からビジネスロジックを抽出し、その役割によって分類される。
【0095】
Processは、サービスの組み合わせによって作られるビジネスフローである。Serviceは、実際にシステムが提供するサービスである。Entityは、システム内のデータベース等で保持されるデータである。Ruleは、Process、Serviceなどに内包されるシステムの業務に特有のルールである。
【0096】
まず、図17に示すPIMデータについて説明する。PIMデータでは、PIMデータを構成する要素群の間の関係付けの規則を定める。この規則にはずれる関係付けを持ったPIMデータは不正なPIMデータとして、修正の対象となる。
processクラスE11とserviceクラスE12とを結ぶ結線L11は、ある業務プロセスが、ある業務サービスを呼び出すことで業務機能を実行することを示している。このとき、結線L11は、業務プロセスから業務サービスに向かって破線矢印が記述され、その破線には「<<use>>」のステレオタイプが記述される。ここで「ステレオタイプ」とは、その要素に関連づけられた具体的な意味を表す。
serviceクラスE12とentityクラスE13を結ぶ結線L12は、ある業務サービスがロジックの実行中に処理の対象となる業務エンティティを操作することを示している。このとき、業務サービスから業務エンティティに向かって破線矢印が記述され、その破線には「<<use>>」のステレオタイプが記述される。
processクラスE11とruleクラスE14を結ぶ結線L13は、ある業務プロセスが、業務機能の実行中に業務ルールを呼び出すことを示している。このとき、業務プロセスから業務ルールに向かって、業務プロセス側の端点が菱形の実線が記述される。菱形は集約で、全体と部分を強調する。
serviceクラスE12とruleクラスE14を結ぶ結線L14は、ある業務サービスが、業務機能の実行中に業務ルールを呼び出すことを示している。このとき、業務プロセスから業務ルールに向かって、業務プロセス側の端点が菱形の実線が記述される。
【0097】
次に、図18に示すPSMデータについて説明する。PSMデータでは、PSMを構成する要素群の間の関係付けの規則を定める。この規則にはずれる関係付けを持ったPSMデータは不正なPSMデータとして、修正の対象となる。
actionクラスE21とprocessクラスE22とを結ぶ結線L21は、業務プロセスがStrutsのActionクラスを継承することを示している。このとき、actionクラスE21から業務プロセスに向かって、actionクラスE21側の端点が逆三角の実線が記述される。
processクラスE22とservicePackageE23とを結ぶ結線L22は、ある業務プロセスが、業務サービスパッケージの中の業務サービスを呼び出すことで、業務機能を実行することを示している。このとき、業務プロセスから業務サービスパッケージに向かって、破線矢印が記述され、その破線には「<<use>>」のステレオタイプが記述される。
processクラスE22とruleクラスE24とを結ぶ結線L23は、ある業務プロセスが、業務機能の実行中に業務ルールを呼び出すことを示している。このとき、業務プロセスから業務ルールに向かって、業務プロセス側の端点が菱形の実線が記述される。
servicePackageクラスE23とruleクラスE24とを結ぶ結線L24は、ある業務サービスパッケージが、業務機能の実行中に業務ルールを呼び出すことを示している。このとき、業務サービスパッケージから業務ルールに向かって、業務プロセス側の端点が菱形の実線が記述される。
servicePackageクラスE23とhelperクラスE25およびentityクラスE26とを結ぶ結線L25は、業務サービスパッケージが、ロジックの実行中に処理対象となる業務エンティティおよびヘルパーを操作することを示している。このとき、業務サービスパッケージから業務エンティティおよびヘルパーに向かって、破線矢印が記述され、その破線には「<<use>>」のステレオタイプが記述される。
helperクラスE25とentityクラスE26とを結ぶ結線L26は、ヘルパーがエンティティのインスタンスである依存関係を示している。このとき、ヘルパーからエンティティに向かって、破線矢印が記述され、その破線には「<<instantiate>>」のステレオタイプが記述される。
【0098】
(PIMデータおよびPSMデータの具体例)
次に、「経費購買申請システム」の中の一部の業務機能に対応するPIMデータと、変換ルールを用いて生成したPSMデータを説明する。
【0099】
まず、図19ないし図22を参照して、「経費購買申請システム」の一部の業務機能を説明する。まず、図19に示すログイン画面P101が表示され、ユーザに入力装置からログイン名、パスワードを入力させ、ログインボタンB101をクリックさせる。このとき経費購買申請システムは、入力されたユーザ名に基づいて当該ユーザの権限情報を取得する。
【0100】
ユーザがログインすると、経費購買申請システムは、図20に示すメニュー画面P102を提示する。ここで、ユーザによって入力装置から一覧・変更リンクL101がクリックされると、図21に示す検索画面P103が表示される。この検索画面P103で、検索条件が入力され、検索実行ボタンB102がクリックされると、申請書一覧が表示される。ここで、権限のあるユーザが閲覧する画面には、変更・削除リンクL102が設けられる、このユーザによって変更・削除リンクL102がクリックされると、図22に示したそのユーザに申請書の詳細を閲覧させる申請書表示画面P104を表示する。
【0101】
図19ないし図22を参照して説明した経費購買申請システムの一部の業務機能のPIMを、図23を参照して説明する。
【0102】
MainFlowControlクラスは、ログインの業務機能に対応し、Get_LoginInfoクラスと、Get_AuthenticationInfoクラスとを呼び出す。Get_LoginInfoクラスは、ログイン画面P101のログインボタンB101と対応するロジックを提供している。Get_AuthenticationInfoクラスは、ログインする際に、ユーザの権限情報を取得するロジックを提供している。
【0103】
Get_LoginInfoクラスと、Get_AuthenticationInfoクラスは、その実行中に、MemberInfoクラスを操作する。このMemberInfoクラスは、ユーザの権限や認証条件などのユーザ情報に対応する。
【0104】
一方、IchiranHenkouクラスは、一覧変更の業務機能に対応し、Get_SinseisyoListクラスと、Get_Sinseisyoクラスとを呼び出す。Get_SinseisyoListクラスは、検索画面P103において検索実行ボタンB102に対応するロジックを提供しているGet_Sinseisyoクラスは、検索画面P103において変更・削除リンクL102に対応するロジックを提供している。
【0105】
Get_SinseisyoListクラスと、Get_Sinseisyoクラスは、その実行中にSinseiInfoクラスを操作する。このSinseiInfoクラスは、IchiranHenkouクラスの業務機能によって操作される申請書データに対応する。このSinseiInfoクラスは、データベース上に対応するテーブルを持つ。
【0106】
Get_Sinseisyoクラスは、その業務機能の実行中に、Check_Authenticationクラスを呼び出す。Check_Authenticationクラスは、ユーザの権限チェックルールに対応する。
【0107】
次に、図24を参照して、図23に示したPIMデータから変換ルールデータに従って変換されたPSMデータを説明する。
【0108】
Actionクラスは、Struts固有の要素(クラス)を追加したことを示し、これにより元々PIMデータ中に含まれたMainFlowControlクラスおよびIchiranHenkouクラスの各要素と関連づけることができる。ここで、Struts(ストラッツ)はウェブアプリケーションを開発するためのフレームワーク(枠組み)であって、このフレームワークにより、クラスとインタフェースが定義され、全体として一つのアプリケーションとして機能するように、相互の連携が緊密になる。servicePackage_MemberInfoServiceクラスやservicePackage_SinseiServiceクラスなどのサービスパッケージによって、業務サービスはパッケージ毎に一つのクラスの中の操作(メソッド)としてまとめられる。具体的には、servicePackage_MemberInfoServiceクラスは、get_LoginInfoサービスと、get_AuthenticationInfoサービスのメソッドを備える。servicePackage_SinseiServiceクラスは、get_SinseisyoListサービスと、get_Sinseisyoサービスのメソッドを備える。また、MemberInfoクラスは、MemberInfoHomeクラスを追加し、SinseiInfoクラスは、SinseiInfoHomeクラスを追加する。
【0109】
この図24に示したPSMデータを生成するためには、例えば、R_process、R_ps、R_service、R_se、R_entity、R_associationなどの変換ルールデータを含む変換ルールデータセットが用いられる。図25には、これらの変換ルールデータセットによるPIMデータからPSMデータの変換記録が示されている。この変換記録には、PSMデータの各要素がどの変換ルールデータによって生成されたのかが把握される。
【0110】
図26は、この変換記録の一部をテーブル状にしたものである。IchiranHenkouActionクラスとservicePackage_SinseiServiceクラス間の依存関係を示す要素、具体的には図27(a)に示す結線は、PIMデータにおけるIchiranHenkouとGet_SinseisyoList、Get_Sinseisyoクラス間の関係を示しており、変換ルールデータR_psによって変換された結果である。
【0111】
ここで、図27(a)に示されたPSMデータを、図27(b)に示されたPSMデータに修正するとする。具体的には、IchiranHenkouActionクラスとservicePackage_SinseiServiceクラスとの依存関係において、servicePackage_SinseiServiceクラスへの依存関係を、servicePackage_SinseiServiceStubクラスへの依存関係に修正する。このとき、本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援装置1の修正感知手段11は、この修正前のIchiranHenkouActionクラスとservicePackage_SinseiServiceクラスとの依存関係は、図25に示す変換記録における結線L51であるので、図24に示したPIMデータから変換ルールデータR_psを適用して変換されたものであると検出する。
【0112】
その後、変換ルール変更支援装置1の変更検出手段12は、変換ルールデータR_psを適用して変換された全ての要素を抽出して修正対象検出情報記憶部22に記憶する。変換ルールデータP_psを適用して変換された要素は、MainFlowControlActionクラスとservicePackage_MemberInfoServiceクラスの依存関係を示す結線L52であるので、修正対象検出情報記憶部22は、結線L52に関する情報が記憶される。
【0113】
変換ルール変更支援装置1のルール変更判断手段13は、この結線L52について修正の必要があるか否かを決定する。ここで、変換ルールデータR_psを用いて変換されたPSMデータに対して修正が必要であると判断された場合、ルール変更判断手段13は、変換ルールデータを変更する指示を出力し、変更通知手段14は、プラットフォーム専門家端末3に変換ルールデータの変更指示を送信する。
【0114】
ルール変更手段15は、プラットフォーム専門家に変換ルールデータを変更させる際、マスタ用の変換ルールデータを特定のスコープ用の変換ルールデータとして派生させて、プラットフォーム専門家にその特定のスコープ用の変換ルールデータを変更させる。具体的には、図28(a)に示す様に、マスタ用の変換ルールデータR_psが定義されている場合、図28(b)に示すように、特定のスコープ用の変換ルールデータR_psを生成して、その依存関係を、プラットフォーム専門家に修正させる。
【0115】
このように、変換ルールが変更される度に、図28(c)に示す様にその変換ルールデータを適用させるスコープ毎に変換ルールデータが定義されると、各スコープに同様な変換ルールの変更がある場合、それを検知し出力することにより、マスタ変換ルールデータを変更する必要が生じることをプラットフォーム専門家に通知する。
【0116】
また、図29(a)に示すようなStruts用の変換ルールをコピーして修正し、Webサービスなどの異なる目的の変換ルールデータを作成することも可能である。
【0117】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の最良の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0118】
例えば、本発明の最良の実施の形態に記載した変換ルール変更支援装置は、図1に示すように一つのハードウェア上に構成されても良いし、その機能や処理数に応じて複数のハードウェア上に構成されても良い。また、リポジトリ記憶部24は、PIMデータからPSMデータへの変換を実行する装置の記憶装置に記憶され、変換ルール変更支援装置1によって読み出されても良い。
【0119】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援装置のハードウェア構成図である。
【図3】本発明の最良の実施の形態において、変換ツールによるモデルデータの変換を説明する図である。
【図4】本発明の最良の実施の形態において、変換ツールによるモデルデータの変換を詳細に説明する図である。
【図5】本発明の最良の実施の形態に係る変換ルール変更支援プログラムのフローチャートである。
【図6】本発明の最良の実施の形態において、PSMデータを修正した場合に影響する変換ルールを説明する図である。
【図7】本発明の最良の実施の形態に係る修正情報記憶部のデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図8】本発明の最良の実施の形態に係る修正対象検出情報記憶部のデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図9】本発明の最良の実施の形態に係る変更検出手段による詳細な処理を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の最良の実施の形態に係るルール変換判断手段によって一時記憶されるデータ構造とデータの一例であって、PSMデータの箇所毎に修正の有無が記憶されたデータを説明する図である。
【図11】本発明の最良の実施の形態に係るルール変換判断手段によって一時記憶されるデータ構造とデータの一例であって、変換ルールデータ毎に集計された結果を示すデータを説明する図である。
【図12】本発明の最良の実施の形態に係る修正判断結果情報記憶部のデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図13】本発明の最良の実施の形態に係るルール変更手段による詳細な処理を説明するフローチャートである。
【図14】本発明の最良の実施の形態において、変換ルールを変更させる場合におけるマスタ変換ルールデータの派生を説明する図である。
【図15】本発明の最良の実施の形態の変形例1において、手動で修正された修正内容を再生成されたPSMデータに適用する場合を説明する図である。
【図16】本発明の最良の実施の形態の変形例2における変換ルールデータの進化を説明する図である。
【図17】PIMデータをUML形式で記載した場合の記載形式を説明する図である。
【図18】PSMデータをUML形式で記載した場合の記載形式を説明する図である。
【図19】PIMデータおよびPSMデータの具体例である業務フローにおけるログイン画面の画面例である。
【図20】PIMデータおよびPSMデータの具体例を適用する業務フローにおけるメニュー画面の画面例である。
【図21】PIMデータおよびPSMデータの具体例を適用する業務フローにおける検索画面の画面例である。
【図22】PIMデータおよびPSMデータの具体例を適用する業務フローにおける申請書表示画面の画面例である。
【図23】図19ないし図22で示した業務フローにおけるPIMデータの具体例の一つである。
【図24】図19ないし図22で示した業務フローにおけるPSMデータの具体例の一つである。
【図25】図19ないし図22で示した業務フローにおけるPSMデータを生成する変換ルールデータセットの具体例の一つである。
【図26】図19ないし図22で示した業務フローにおける一部の変換ルールデータを説明する図である。
【図27】図19ないし図22で示した業務フローにおけるPSMデータの変更を説明する図である。
【図28】図19ないし図22で示した業務フローにおける変換ルールデータの変更を説明する図である。
【図29】変換ルールデータの異なる目的への展開を説明する図である。
【図30】変換ツールによって、PIMデータからPSMデータが作成されることを説明する図である。
【符号の説明】
【0121】
1…変換ルール変更支援装置
2…開発者端末
3…プラットフォーム専門家端末
11…修正感知手段
12…変更検出手段
13…ルール変更判断手段
14…変更通知手段
15…ルール変更手段
21…修正情報記憶部
22…修正対象検出情報記憶部
23…修正判断結果情報記憶部
24…リポジトリ記憶部
31…モデルデータ修正メッセージ
32…修正判断指示
33…モデルデータ変更指示
34…ルールデータ変更指示
35…マスタルールデータ変更指示
101…中央処理制御装置
102…ROM
103…RAM
104…入力装置
105…表示装置
106…通信制御装置
107…記憶装置
108…リムーバブルディスク
109…入出力インタフェース
110…バス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクト指向によるシステム開発時に第1のモデルデータから第2のモデルデータへ所定の変換ルールデータに従って変換するときに、前記第1のモデルデータの識別子と、前記第2のモデルデータの識別子と、前記第1のモデルデータから前記第2のモデルデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とが関連づけられた複数の変換インスタンスが記憶されたリポジトリ記憶部を記憶装置から読み出して、前記変換ルールデータの変更を支援する変換ルール変更支援装置であって、
入力装置からの指示に基づいて前記第2のモデルデータが修正されると、前記記憶装置から前記リポジトリ記憶部を読み出して、修正された前記第2のモデルデータの識別子と、前記修正された第2のモデルデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とを関連づけて前記記憶装置の修正情報記憶部に記憶する修正感知手段と、
前記記憶装置から前記リポジトリ記憶部を読み出して、前記修正情報記憶部に記憶された変換ルールデータの識別子に関連づけられた前記第2のモデルデータの識別子を抽出して、前記第2のモデルデータの識別子を前記記憶装置の修正対象検出情報記憶部に記憶する変更検出手段と、
前記修正対象検出情報記憶部に記憶された全ての前記第2のモデルデータの識別子それぞれに対する変更の要否データに基づいて、前記第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの変更、および前記第2のモデルデータの修正のいずれかを含む修正判断結果情報を前記変換ルールデータの識別子ごとに出力し、前記修正判断結果情報を前記記憶装置の修正判断結果情報記憶部に記憶するルール変更判断手段と、
前記記憶装置から前記修正判断結果情報記憶部を読み出して、前記修正判断結果情報記憶部に記憶された前記修正判断結果情報を出力する変更通知手段
とを実現する中央処理制御装置
を備えることを特徴とする変換ルール変更支援装置。
【請求項2】
前記ルール変更判断手段は、前記修正対象検出情報記憶部に記憶された全ての前記第2のモデルデータの識別子それぞれに対する修正の要否データに基づいて、前記第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの識別子ごとに、前記第2のモデルデータの修正が多い場合は前記第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの識別子を前記修正判断結果情報として前記記憶装置の前記修正判断結果情報記憶部に記憶し、前記第2のモデルデータの修正が少ない場合は修正が必要な前記第2のモデルデータの識別子を前記修正判断結果情報として前記記憶装置の前記修正判断結果情報記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の変換ルール変更支援装置。
【請求項3】
前記ルール変更判断手段は、前記変更検出情報記憶部に記憶された全ての前記第2のモデルデータの識別子について、前記第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの識別子ごとに、前記第2のモデルデータの識別子それぞれに対して修正の要否が判断されて関連づけられ、前記第2のモデルデータの修正が必要な場合、修正カウントをインクリメントし、修正が必要でない場合、無修正カウントをインクリメントし、前記修正カウントの前記無修正カウントに対する割合が所定の閾値より大きい場合、前記第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの識別子を前記記憶装置の前記修正判断結果情報記憶部に記憶し、前記修正カウントの前記無修正カウントに対する割合が所定の閾値より小さい場合、修正が必要な第2のモデルデータの識別子を前記記憶装置の前記修正判断結果情報記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の変換ルール変更支援装置。
【請求項4】
前記変更通知手段は、前記記憶装置から前記修正判断結果情報記憶部を読み出して、前記第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータを変更する指示を前記変換ルールデータを作成したプラットフォーム専門家端末に送信、または前記修正が必要な第2のモデルデータの識別子と前記第2のモデルデータを修正する指示とを前記第2のモデルデータを開発する開発者端末に送信する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の変換ルール変更支援装置。
【請求項5】
前記変更検出手段は、前記修正された前記第2のモデルデータと同一のスコープに属する前記第2のモデルデータの識別子から、前記修正情報記憶部に記憶された変換ルールデータの識別子に関連づけられた前記第2のモデルデータの識別子を抽出する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の変換ルール変更支援装置。
【請求項6】
前記修正感知手段は、更に、入力装置からの指示に基づいて前記第2のモデルデータが修正された内容を前記修正情報記憶部に記憶し、
前記中央処理制御装置は、更に
前記修正された内容を前記プラットフォーム専門家端末に更に送信し、前記修正された前記第2のモデルデータと同一のスコープにのみ適用可能な新たな修正ルールデータを生成させるルール変更手段を実現する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の変換ルール変更支援装置。
【請求項7】
前記第1のモデルデータは、プラットフォームに依存しないモデル(PIM)データであって、第2のモデルデータは、プラットフォームに依存したモデル(PSM)データである
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の変換ルール変更支援装置。
【請求項8】
システム開発時に第1の種別のデータから第2の種別のデータへ所定の変換ルールデータに従って変換するときに、前記第1の種別のデータの識別子と、前記第2の種別のデータの識別子と、前記第1の種別のデータから前記第2の種別のデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とが関連づけられた複数のレコードが記憶された前記リポジトリ記憶部を記憶装置から読み出して、前記変換ルールデータの変更を支援する変換ルール変更支援装置であって、
入力装置からの指示に基づいて前記第2の種別のデータが修正されると、前記記憶装置から前記リポジトリ記憶部を読み出して、修正された前記第2の種別のデータの識別子と、前記修正された第2の種別のデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とを関連づけて前記記憶装置の修正情報記憶部に記憶する修正感知手段と、
前記記憶装置から前記リポジトリ記憶部を読み出して、前記修正情報記憶部に記憶された変換ルールデータの識別子に関連づけられた前記第2の種別のデータの識別子を抽出して、前記第2の種別のデータの識別子を前記記憶装置の修正対象検出情報記憶部に記憶する変更検出手段と、
前記修正対象検出情報記憶部に記憶された全ての前記第2の種別のデータの識別子それぞれに対する修正の要否データに基づいて、前記第2の種別のデータの変換に用いられた変換ルールデータの変更、および前記第2の種別のデータの修正のいずれかを含む修正判断結果情報を前記変換ルールデータの識別子ごとに出力し、前記修正判断結果情報を前記記憶装置の修正判断結果情報記憶部に記憶するルール変更判断手段と、
前記記憶装置から前記修正判断結果情報記憶部を読み出して、前記修正判断結果情報記憶部に記憶された修正判断結果情報を出力する変更通知手段
とを実現する中央処理制御装置
を備えることを特徴とする変換ルール変更支援装置。
【請求項9】
オブジェクト指向によるシステム開発時に第1のモデルデータから第2のモデルデータへ所定の変換ルールデータに従って変換するときに、前記第1のモデルデータの識別子と、前記第2のモデルデータの識別子と、前記第1のモデルデータから前記第2のモデルデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とが関連づけられた複数の変換インスタンスが記憶されたリポジトリ記憶部を記憶装置から読み出して、前記変換ルールデータの変更を支援する変換ルール変更支援プログラムであって、
入力装置からの指示に基づいて前記第2のモデルデータが修正されると、前記記憶装置から前記リポジトリ記憶部を読み出して、修正された前記第2のモデルデータの識別子と、前記修正された第2のモデルデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とを関連づけて前記記憶装置の修正情報記憶部に記憶する修正感知手段と、
前記記憶装置から前記リポジトリ記憶部を読み出して、前記修正情報記憶部に記憶された変換ルールデータの識別子に関連づけられた前記第2のモデルデータの識別子を抽出して、前記第2のモデルデータの識別子を前記記憶装置の修正対象検出情報記憶部に記憶する変更検出手段と、
前記修正対象検出情報記憶部に記憶された全ての前記第2のモデルデータの識別子それぞれに対する修正の要否データに基づいて、前記第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの変更、および前記第2のモデルデータの修正のいずれかを含む修正判断結果情報を前記変換ルールデータの識別子ごとに出力し、前記修正判断結果情報を前記記憶装置の修正判断結果情報記憶部に記憶するルール変更判断手段と、
前記記憶装置から前記修正判断結果情報記憶部を読み出して、前記修正判断結果情報記憶部に記憶された修正判断結果情報を出力する変更通知手段
とをコンピュータに実現させることを特徴とする変換ルール変更支援プログラム。
【請求項10】
前記ルール変更判断手段は、前記修正対象検出情報記憶部に記憶された全ての前記第2のモデルデータの識別子それぞれに対する修正の要否データに基づいて、前記第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの識別子ごとに、前記第2のモデルデータの修正が多い場合は前記第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの識別子を前記修正判断結果情報として前記記憶装置の前記修正判断結果情報記憶部に記憶し、前記第2のモデルデータの修正が少ない場合は修正が必要な前記第2のモデルデータの識別子を前記修正判断結果情報として前記記憶装置の前記修正判断結果情報記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項9に記載の変換ルール変更支援プログラム。
【請求項11】
前記ルール変更判断手段は、前記変更検出情報記憶部に記憶された全ての前記第2のモデルデータの識別子について、前記第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの識別子ごとに、前記第2のモデルデータの識別子それぞれに対して修正の要否が判断されて関連づけられ、前記第2のモデルデータの修正が必要な場合、修正カウントをインクリメントし、修正が必要でない場合、無修正カウントをインクリメントし、前記修正カウントの前記無修正カウントに対する割合が所定の閾値より大きい場合、前記第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータの識別子を前記記憶装置の前記修正判断結果情報記憶部に記憶し、前記修正カウントの前記無修正カウントに対する割合が所定の閾値より小さい場合、修正が必要な第2のモデルデータの識別子を前記記憶装置の前記修正判断結果情報記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項9または10に記載の変換ルール変更支援プログラム。
【請求項12】
前記変更通知手段は、前記記憶装置から前記修正判断結果情報記憶部を読み出して、前記第2のモデルデータの変換に用いられた変換ルールデータを変更する指示を前記変換ルールデータを作成したプラットフォーム専門家端末に送信、または前記修正が必要な第2のモデルデータの識別子と前記第2のモデルデータを修正する指示とを前記第2のモデルデータを開発する開発者端末に送信する
ことを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項に記載の変換ルール変更支援プログラム。
【請求項13】
前記変更検出手段は、前記修正された前記第2のモデルデータと同一のスコープに属する前記第2のモデルデータの識別子から、前記修正情報記憶部に記憶された変換ルールデータの識別子に関連づけられた前記第2のモデルデータの識別子を抽出する
ことを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載の変換ルール変更支援プログラム。
【請求項14】
前記修正感知手段は、更に、入力装置からの指示に基づいて前記第2のモデルデータが修正された内容を前記修正情報記憶部に記憶し、
更に、
前記修正された内容を前記プラットフォーム専門家端末に更に送信し、前記修正された前記第2のモデルデータと同一のスコープにのみ適用可能な新たな修正ルールデータを生成させるルール変更手段をコンピュータに実現実現させる
ことを特徴とする請求項9ないし13のいずれか1項に記載の変換ルール変更支援プログラム。
【請求項15】
前記第1のモデルデータは、プラットフォームに依存しないモデル(PIM)データであって、第2のモデルデータは、プラットフォームに依存したモデル(PSM)データである
ことを特徴とする請求項9ないし14のいずれか1項に記載の変換ルール変更支援プログラム。
【請求項16】
システム開発時に第1の種別のデータから第2の種別のデータへ所定の変換ルールデータに従って変換するときに、前記第1の種別のデータの識別子と、前記第2の種別のデータの識別子と、前記第1の種別のデータから前記第2の種別のデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とが関連づけられた複数のレコードが記憶された前記リポジトリ記憶部を記憶装置から読み出して、前記変換ルールデータの変更を支援する変換ルール変更支援プログラムであって、
入力装置からの指示に基づいて前記第2の種別のデータが修正されると、前記記憶装置から前記リポジトリ記憶部を読み出して、修正された前記第2の種別のデータの識別子と、前記修正された第2の種別のデータへの変換に用いられた変換ルールデータの識別子とを関連づけて前記記憶装置の修正情報記憶部に記憶する修正感知手段と、
前記記憶装置から前記リポジトリ記憶部を読み出して、前記修正情報記憶部に記憶された変換ルールデータの識別子に関連づけられた前記第2の種別のデータの識別子を抽出して、前記第2の種別のデータの識別子を前記記憶装置の修正対象検出情報記憶部に記憶する変更検出手段と、
前記修正対象検出情報記憶部に記憶された全ての前記第2の種別のデータの識別子それぞれに対する修正の要否データに基づいて、前記第2の種別のデータの変換に用いられた変換ルールデータの変更、および前記第2の種別のデータの修正のいずれかを含む修正判断結果情報を前記変換ルールデータの識別子ごとに出力し、前記修正判断結果情報を前記記憶装置の修正判断結果情報記憶部に記憶するルール変更判断手段と、
前記記憶装置から前記修正判断結果情報記憶部を読み出して、前記修正判断結果情報記憶部に記憶された修正判断結果情報を出力する変更通知手段
とをコンピュータに実現させることを特徴とする変換ルール変更支援プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2006−106866(P2006−106866A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289022(P2004−289022)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】