変速機
【課題】小型で軽量である変速機を提供する。
【解決手段】ケース14の内部に回転自在に支持された第一軸2と第二軸16とが互いに平行に配置されるとともに、これらの軸2,16の間に伝動機構が設けられ、それらの各軸2,16にトルクを入出力できるように構成された変速機1において、第一軸2に対してトルクを選択的に入出力する第一クラッチ9が、第一軸2の一方の端部側に配置されるとともに、第二軸16に対してトルクを選択的に入出力する第二クラッチ23が、第二軸16の軸線方向において第一クラッチ9とは反対の端部側に配置されている。したがって、第一クラッチ9と第二クラッチ23とはそれらが設けられている軸の軸線方向において互いに接触することはなく、第一軸2と第二軸16との軸間距離は短くすることができ、その結果、変速機を小型かつ軽量化することができる。
【解決手段】ケース14の内部に回転自在に支持された第一軸2と第二軸16とが互いに平行に配置されるとともに、これらの軸2,16の間に伝動機構が設けられ、それらの各軸2,16にトルクを入出力できるように構成された変速機1において、第一軸2に対してトルクを選択的に入出力する第一クラッチ9が、第一軸2の一方の端部側に配置されるとともに、第二軸16に対してトルクを選択的に入出力する第二クラッチ23が、第二軸16の軸線方向において第一クラッチ9とは反対の端部側に配置されている。したがって、第一クラッチ9と第二クラッチ23とはそれらが設けられている軸の軸線方向において互いに接触することはなく、第一軸2と第二軸16との軸間距離は短くすることができ、その結果、変速機を小型かつ軽量化することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動力を入力するための複数のクラッチ手段を備えているいわゆる複数クラッチ式変速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の変速機は車両用の変速機として多用されており、車両用の変速機では可及的に小型・軽量であると同時に設定し得る変速段が多いことが望まれる。その一例として特許文献1に記載されたデュアルクラッチ式変速機は、変速段を設定するための複数のギヤ対を入力軸上もしくは副軸上に配列し、複数のクラッチによって歯車対の切替を行うよう構成されており、軸方向長さの短縮を図ったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−291893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている変速機は、偶数段を設定する際に駆動されるクラッチと軸と、奇数段を設定する際に駆動されるクラッチと軸と、出力用の軸とを互いに平行に設けている。このため、偶数段同士または奇数段同士の切り替えに時間がかかってしまう。これを防ぐために、クラッチの数を増やす構成も考えられるが、それらのクラッチによるスペースの取り合いが生じ、寸法が大きくなる可能性がある。また、ギヤ対をシンクロメッシュ機構もしくは同期連結機構によってトルク伝達可能にすると同時に、入力軸からそれらのギヤ対に対するトルクの伝達を入力軸上に設けられた複数のクラッチによって選択的に行うように構成されており、同軸上に配置される歯車対およびクラッチならびにシンクロメッシュ機構もしくは同期連結機構の数が多くなるために、全体としての軸長と長さ方向の長さとが長くならざるを得ない。
【0005】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、小型で軽量である変速機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、ケースの内部に回転自在に支持された第一軸と第二軸とが互いに平行に配置されるとともに、これらの軸の間に伝動機構が設けられ、それらの各軸にトルクを入出力できるように構成された変速機において、前記第一軸に対してトルクを選択的に入出力する第一クラッチが、前記第一軸の一方の端部側に配置されるとともに、前記第二軸に対してトルクを選択的に入出力する第二クラッチが、前記第二軸の軸線方向において前記第一クラッチとは反対の端部側に配置されていることを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第一クラッチと前記第二クラッチとは、前記ケースの外部に配置されていることを特徴とする変速機である。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記第一クラッチと前記第二クラッチとは、乾式または湿式の多板クラッチによって構成されていることを特徴とする変速機である。
【0009】
さらに、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記伝達機構は、ギヤ比の異なる複数のギヤ対を介して互いに連結された複数の歯車軸であることを特徴とする変速機である。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、第一クラッチが、第一軸の一方の端部側に配置されるとともに、第二クラッチが、第二軸の軸線方向において第一クラッチとは反対の端部側に配置されている。つまり、第一クラッチと第二クラッチとは、それらが設けられている軸の軸線方向において互いに異なる位置に配置されている。したがって、第一クラッチと第二クラッチとはそれらが設けられている軸の軸線方向において互いに接触することはなく、第一軸と第二軸との軸間距離は短くすることができ、その結果、変速機を小型かつ軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明に係る変速機の一例を示す模式図である。
【図2】この発明に係るクラッチ機構の一例を示す模式図である。
【図3】この発明に係るクラッチ機構の他の一例を示す模式図である。
【図4】図1に示す変速機における第1のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図5】図1に示す変速機における第2のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図6】図1に示す変速機における第3のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図7】図1に示す変速機における第4のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図8】図1に示す変速機における第5のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図9】図1に示す変速機における第6のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図10】図1に示す変速機における第7のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図11】図1に示す変速機における第8のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図12】図1に示す変速機における第9のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明を具体例に基づいて説明する。まず構成について説明する。図1は、この発明にかかる変速機の一例として9段変速機を示している。この変速機1には、図示しない動力源(例えばエンジン)から伝達されるトルクを伝える入力軸2が配置されており、その入力軸2と同軸上に第一入力ギヤ3と一体化された第一入力ギヤ軸4が回転自在に配置されている。また、第一入力ギヤ軸4の内周側には、第二入力ギヤ5と一体化された第二入力ギヤ軸6が回転自在に配置されるとともに、その第二入力ギヤ軸6の内周側には、第三入力ギヤ7と一体化された第三入力ギヤ軸8が回転自在に配置されている。これら入力軸2および各入力ギヤ軸4,6,8は同軸上に配置されており、これらの動力源側(図1における右端部)に第一クラッチ機構9が設けられている。
【0013】
この第一クラッチ機構9は、入力軸2と各入力ギヤ軸4,6,8とを選択的に連結する多板式の乾式クラッチによって構成されている。その例を図2に示してあり、入力軸2にクラッチドラム10が一体的に取り付けられるとともに、その内周側に複数のクラッチプレート12が軸線方向に移動自在に配置されている。クラッチドラム10の軸線方向においてクラッチドラム内を三等分に分割する2つのセパレートプレート11がクラッチドラム10と一体に形成されており、このセパレートプレート11は、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結するクラッチ部9aと、入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結する他のクラッチ部9bと、入力軸2と第三入力ギヤ軸8とを連結するさらに他のクラッチ部9cとに分けている。また、それらセパレートプレート11を境にしてそれら両側にクラッチプレート12が配置されている。図2において、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結するクラッチ部9aには、第一入力ギヤ軸4にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。また、図2におけるセパレートプレート11とセパレートプレート11とに挟まれた中央の部分(言い換えると、入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結するクラッチ部9b)には、前述した第二入力ギヤ軸6にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。さらに、入力軸2と第三入力ギヤ軸8とを連結するクラッチ部9cには、第三入力ギヤ軸8にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。したがって、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結するクラッチ部9aに配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とが連結されるように構成されている。また同様に、入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結するクラッチ部9bに配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、入力軸2と第二入力ギヤ軸6とが連結されるように構成されている。さらに同様に、入力軸2と第三入力ギヤ軸8とを連結するクラッチ部9cに配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、入力軸2と第三入力ギヤ軸8とが連結されるように構成されている。これら入力軸2と各入力ギヤ軸4,6,8とにトルク伝達できる状態に選択的に切り替えるために、押圧を指示するECU(図示せず)が設けられている。また、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とは、ケーシング14に設けられた軸受部15によって支持されている。
【0014】
また、入力軸2には、アイドラ軸16と出力軸17とが並列に配置されている。アイドラ軸16には、第二アイドラギヤ18と一体化した第二アイドラギヤ軸19が同軸上に回転自在に配置され、その第二アイドラギヤ軸19の外周側には第三アイドラギヤ20と一体化した第三アイドラギヤ軸21が同軸上に回転自在に配置されている。さらに、アイドラ軸16には、アイドラ軸16と一体化された第一アイドラギヤ22が設けられている。これらアイドラ軸16および各アイドラギヤ軸19,21は同軸上に配置されており、アイドラ軸16の軸線方向において第一クラッチ機構9とは反対の端部側に第二クラッチ機構23が設けられている。
【0015】
この第二クラッチ機構23は、アイドラ軸16と各アイドラギヤ軸19,21とを選択的に連結する多板式の乾式クラッチによって構成されている。その例を図3に示してあり、アイドラ軸16にクラッチドラム10が一体的に取り付けられるとともに、その内周側に複数のクラッチプレート12が軸線方向に移動自在に配置されている。クラッチドラム10の軸線方向における中央部にはセパレートプレート11がクラッチドラム10と一体に形成されており、このセパレートプレート11は、アイドラ軸16と第二アイドラギヤ軸19とを連結するクラッチ部23aと、アイドラ軸16と第三アイドラギヤ軸21とを連結する他のクラッチ部23bとに分けている。また、そのセパレートプレート11を境にしてその両側にクラッチプレート12が配置されている。セパレートプレート11の左側の部分には、前述した第二アイドラギヤ軸19にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。さらに、セパレートプレート11より右側の部分には、第三アイドラギヤ軸21にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。したがって、セパレートプレート11より左側に配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、左側から中央のセパレートプレート11に向けて油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、アイドラ軸16と第二アイドラギヤ軸19とが連結されるように構成されている。また同様に、セパレートプレート11より右側に配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、右側から中央のセパレートプレート11に向けて油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、アイドラ軸16と第三アイドラギヤ軸21とが連結されるように構成されている。これらアイドラ軸16と各アイドラギヤ軸19,21とにトルク伝達できる状態に選択的に切り替えるために、押圧を指示するECU(図示せず)が設けられている。また、第三アイドラギヤ軸21とアイドラ軸16とは、ケーシング14に設けられた軸受部15によって支持されている。
【0016】
そのアイドラ軸16に一体化された第一アイドラギヤ22と第一入力ギヤ3とはギヤ対が構成されており、そのギヤ対を介してアイドラ軸16と第一入力ギヤ軸4とが互いに連結されるよう構成されている。さらに、第二アイドラギヤ18と第二入力ギヤ5とはギヤ対が構成されており、そのギヤ対を介して第二アイドラギヤ軸19と第二入力ギヤ軸6とが互いに連結されるよう構成されている。さらに、第三アイドラギヤ20と第三入力ギヤ7とはギヤ対が構成されており、そのギヤ対を介して第三アイドラギヤ軸21と第三入力ギヤ軸8とが互いに連結されるよう構成されている。
【0017】
出力軸17には、第一出力ギヤ24に一体化された第一出力ギヤ軸25が同軸上に回転自在に配置され、その第一出力ギヤ軸25の外周側には第二出力ギヤ26と一体化された第二出力ギヤ軸27が同軸上に回転自在に配置されている。さらに、この第二出力ギヤ軸27には、その軸線方向に第三出力ギヤ28が設けられている。さらに、出力軸17には、出力軸17と一体になったドライブピニオンギヤ29が設けられている。これら出力軸17および各出力ギヤ軸25,27は同軸上に配置されており、出力軸17の軸線方向において第一クラッチ機構9とは反対の端部側に第三クラッチ機構30が設けられている。
【0018】
この第三クラッチ機構30は、入力軸2に設けられている前述の第二クラッチ機構23と同様の機構であって、出力軸17と各出力ギヤ軸25,27とを選択的に連結する多板式の乾式クラッチによって構成されている。出力軸17にクラッチドラム10が一体的に取り付けられるとともに、その内周側に複数のクラッチプレート12が軸線方向に移動自在に配置されている。クラッチドラム10の軸線方向における中央部にはセパレートプレート11がクラッチドラム10と一体に形成されており、このセパレートプレート11は、出力軸17と第一出力ギヤ軸25とを連結するクラッチ部30aと、出力軸17と第二出力ギヤ軸27とを連結する他のクラッチ部30bとに分けている。また、そのセパレートプレート11を境にしてその両側にクラッチプレート12が配置されている。セパレートプレート11の右側の部分には、前述した第二出力ギヤ軸27にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。さらに、セパレートプレート11より左側の部分には、第一出力ギヤ軸25にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。つまり、セパレートプレート11より左側に配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、左側から中央のセパレートプレート11に向けて油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、出力軸17と第一出力ギヤ軸25とが連結されるように構成されている。また同様に、セパレートプレート11より右側に配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、右側から中央のセパレートプレート11に向けて油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、出力軸17と第二出力ギヤ軸27とが連結されるように構成されている。これら出力軸17と各出力ギヤとにトルク伝達できる状態に選択的に切り替えるために、押圧を指示するECU(図示せず)が設けられている。また、第二出力ギヤ軸27と出力軸17とは、ケーシング14に設けられた軸受部15によって支持されている。
【0019】
第一出力ギヤ24と第一入力ギヤ3とはギヤ対を構成しており、そのギヤ対を介して第一出力ギヤ軸25と第一入力ギヤ軸4とが互いに連結されるよう構成されている。さらに、第二出力ギヤ26と第二入力ギヤ5とはギヤ対を構成しており、そのギヤ対を介して第二出力ギヤ軸27と第二入力ギヤ軸6とが互いに連結されるよう構成されている。さらに、第三出力ギヤ28と第三入力ギヤ7とはギヤ対を構成しており、そのギヤ対を介して第二出力ギヤ軸27と第三入力ギヤ軸8とが互いに連結されるよう構成されている。また、出力軸17と一体であるドライブピニオンギヤ29は、デフリングギヤ30と噛み合うように設けられている。そのデフリングギヤ30は、ケーシング14に支持されていてデフケース31が一体となっており、左ドライブシャフト32と右ドライブシャフト33とが係合されている。
【0020】
さらに、この発明に係る変速機では、各ギヤ対(ヘリカルギヤ対)を収容するケーシング14を備えるとともに、各クラッチ機構9,23,30はケーシング14の外側に配置されている。また、第一クラッチ機構9は、図1に示すように、入力軸2のその軸線方向において図示しない動力源側に配置されているとともに、第二クラッチ機構23と第三クラッチ機構30とは、各軸部の軸線方向において第一クラッチ機構9とは反対の端部側に配置されている。
【0021】
次に、作用について説明する。まず、図4に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9aを係合させて入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30aを係合させて出力軸17と第一出力ギヤ軸25とを連結させることにより、第一入力ギヤ3から第一出力ギヤ24を介してトルクが出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ24との歯数比に基づいて定まる値となる。
【0022】
つぎに、図5に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9bを係合させて入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30bを係合させて出力軸17と第二出力ギヤ軸27とを連結させることにより、第二入力ギヤ5から第二出力ギヤ26を介してトルクが出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第二入力ギヤ5と第二出力ギヤ26との歯数比に基づいて定まる値となる。
【0023】
つぎに、図6に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9cを係合させて入力軸2と第三入力ギヤ軸8とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30bを係合させて出力軸17と第二出力ギヤ軸27とを連結させることにより、第三入力ギヤ7から第三出力ギヤ28を介してトルクが出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第三入力ギヤ7と第三出力ギヤ28との歯数比に基づいて定まる値となる。
【0024】
つぎに、図7に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9aを係合させて入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結し、第二クラッチ機構23のクラッチ部23aを係合させてアイドラ軸16と第二アイドラギヤ軸19とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30bを係合させて出力軸17と第二出力ギヤ軸27とを連結させることにより、第一入力ギヤ3から第一アイドラギヤ22を介してトルクがアイドラ軸16に伝達される。アイドラ軸16に伝達されたトルクは、第二アイドラギヤ18から第二入力ギヤ5と第二出力ギヤ26とを介して、出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第一入力ギヤ3と第一アイドラギヤ22との歯数比と、第二アイドラギヤ18と第二出力ギヤ26との歯数比とに基づいて定まる値となる。
【0025】
つぎに、図8に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9aを係合させて入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結し、第二クラッチ機構23のクラッチ部23bを係合させてアイドラ軸16と第三アイドラギヤ軸21とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30bを係合させて出力軸17と第二出力ギヤ軸27とを連結させることにより、第一入力ギヤ3から第一アイドラギヤ22を介してトルクがアイドラ軸16に伝達される。アイドラ軸16に伝達されたトルクは、第三アイドラギヤ20から第三入力ギヤ7と第三出力ギヤ28とを介して、出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第一入力ギヤ3と第一アイドラギヤ22との歯車比と、第三アイドラギヤ20と第三出力ギヤ28との歯数比とに基づいて定まる値となる。
【0026】
つぎに、図9に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9bを係合させて入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結し、第二クラッチ機構23のクラッチ部23aを係合させてアイドラ軸16と第二アイドラギヤ軸19とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30aを係合させて出力軸17と第一出力ギヤ軸25とを連結させることにより、第二入力ギヤ5から第二アイドラギヤ18を介してトルクがアイドラ軸16に伝達される。アイドラ軸16に伝達されたトルクは、第一アイドラギヤ22から第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ24とを介して、出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第二入力ギヤ5と第二アイドラギヤ18との歯数比と、第一アイドラギヤ22と第一出力ギヤ24との歯数比とに基づいて定まる値となる。
【0027】
つぎに、図10に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9cを係合させて入力軸2と第三入力ギヤ軸8とを連結し、第二クラッチ機構23のクラッチ部23bを係合させてアイドラ軸16と第三アイドラギヤ軸21とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30aを係合させて出力軸17と第一出力ギヤ軸25とを連結させることにより、第三入力ギヤ7から第三アイドラギヤ20を介してトルクがアイドラ軸16に伝達される。アイドラ軸16に伝達されたトルクは、第一アイドラギヤ22から第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ24とを介して、出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第三入力ギヤ7と第三アイドラギヤ20との歯数比と、第一アイドラギヤ22と第一出力ギヤ24との歯数比とに基づいて定まる値となる。
【0028】
つぎに、図11に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9bを係合させて入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結し、第二クラッチ機構23のクラッチ部23bを係合させてアイドラ軸16と第三アイドラギヤ軸21とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30aを係合させて出力軸17と第一出力ギヤ軸25とを連結させることにより、第二入力ギヤ5から第二出力ギヤ26と第二出力ギヤ軸27に一体である第三出力ギヤ28と第三入力ギヤ7と第三アイドラギヤ20とを介してトルクがアイドラ軸16に伝達される。アイドラ軸16に伝達されたトルクは、第一アイドラギヤ22から第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ24とを介して、出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第二入力ギヤ5と第二出力ギヤ26との歯数比と、第三出力ギヤ28と第三アイドラギヤ20との歯数比と、第一アイドラギヤ22と第一出力ギヤ24との歯数比とに基づいて定まる値となる。
【0029】
つぎに、図12に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9cを係合させて入力軸2と第三入力ギヤ軸8とを連結し、第二クラッチ機構23のクラッチ部23aを係合させてアイドラ軸16と第二アイドラギヤ軸19とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30aを係合させて出力軸17と第一出力ギヤ軸25とを連結させることにより、第三入力ギヤ7から第二出力ギヤ軸に一体である第三出力ギヤ28と第二出力ギヤ26と第二入力ギヤ5と第二アイドラギヤ18とを介してトルクがアイドラ軸16に伝達される。アイドラ軸16に伝達されたトルクは、第一アイドラギヤ22から第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ24とを介して、出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第三入力ギヤ7と第三出力ギヤ28との歯数比と、第二出力ギヤ26と第二アイドラギヤ18との歯数比と、第一アイドラギヤ22と第一出力ギヤ24との歯数比とに基づいて定まる値となる。
【0030】
また、各クラッチ機構9,23,30はケーシング14の外側に配置されているため、ケーシング内では歯車対同士を近い位置に配置できるので、その結果、ケーシング幅が縮小し、ケーシング剛性や駆動軸の支持剛性を向上させることができる。さらに、各クラッチ機構9,23,30はケーシング14の外側に配置されているため、クラッチ機構として乾式クラッチを用いることが可能となり、その結果、クラッチ機構の引きずりを小さくすることができ、駆動効率を向上させることができる。
【0031】
また、第一クラッチ機構9は、入力軸2のその軸線方向において図示しない動力源側に配置されているとともに、第二クラッチ機構23と第三クラッチ機構30とは、各軸のその軸線方向において第一クラッチ機構9とは反対の端部側に配置されている。つまり、第一クラッチ機構9と第二クラッチ機構23とは、それらが設けられている軸の軸線方向において互いに異なる位置に配置され、また、第一クラッチ機構9と第三クラッチ機構30とは、それらが設けられている軸の軸線方向において互いに異なる位置に配置されている。したがって、第一クラッチ機構と第二クラッチ機構と第三クラッチ機構とがそれらが設けられている軸の軸線方向において同じ端部側に配置される場合よりも、第一クラッチ機構9と第二クラッチ機構23とはそれらが設けられている軸の軸線方向において互いに接触することはなく、入力軸2とアイドラ軸16との軸間距離と、入力軸2と出力軸17との軸間距離とを短くすることができるため、その結果、変速機を小型かつ軽量化することができる。
【0032】
なお、この発明は上述した具体例に限定されず、第一軸に対してトルクを選択的に入出力する第一クラッチが、第一軸の一方の端部側に配置されるとともに、前記第二軸に対してトルクを選択的に入出力する第二クラッチが、第二軸の軸線方向において前記第一クラッチとは反対の端部側に配置されていればよい。要は、並列に隣接する軸部と他の軸部との軸間距離が短くなるように、各クラッチ機構が配置されていればよい。例えば、クラッチ機構は、乾式の多板クラッチでもよい。また、例えば、ギヤ段は複数段あってもよく、ギヤ列も複数列あってもよい。さらに、各ギヤ段の配置、ギヤの組合せが変わってもよい。また、少なくとも一つのクラッチ機構がケーシング内に配置されていてもよい。
【0033】
また、この発明に係る変速機は、車両や航空機、船舶、産業用機械など、回転することにより動力を伝達する機械・装置類に用いることができる。
【符号の説明】
【0034】
1…変速機、 2…入力軸(第一軸)、 9…第一クラッチ機構(第一クラッチ)、 14…ケーシング(ケース)、16…アイドラ軸(第二軸)、 17…出力軸、 23…第二クラッチ機構(第二クラッチ)、 30…第三クラッチ機構。
【技術分野】
【0001】
この発明は、動力を入力するための複数のクラッチ手段を備えているいわゆる複数クラッチ式変速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の変速機は車両用の変速機として多用されており、車両用の変速機では可及的に小型・軽量であると同時に設定し得る変速段が多いことが望まれる。その一例として特許文献1に記載されたデュアルクラッチ式変速機は、変速段を設定するための複数のギヤ対を入力軸上もしくは副軸上に配列し、複数のクラッチによって歯車対の切替を行うよう構成されており、軸方向長さの短縮を図ったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−291893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている変速機は、偶数段を設定する際に駆動されるクラッチと軸と、奇数段を設定する際に駆動されるクラッチと軸と、出力用の軸とを互いに平行に設けている。このため、偶数段同士または奇数段同士の切り替えに時間がかかってしまう。これを防ぐために、クラッチの数を増やす構成も考えられるが、それらのクラッチによるスペースの取り合いが生じ、寸法が大きくなる可能性がある。また、ギヤ対をシンクロメッシュ機構もしくは同期連結機構によってトルク伝達可能にすると同時に、入力軸からそれらのギヤ対に対するトルクの伝達を入力軸上に設けられた複数のクラッチによって選択的に行うように構成されており、同軸上に配置される歯車対およびクラッチならびにシンクロメッシュ機構もしくは同期連結機構の数が多くなるために、全体としての軸長と長さ方向の長さとが長くならざるを得ない。
【0005】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、小型で軽量である変速機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、ケースの内部に回転自在に支持された第一軸と第二軸とが互いに平行に配置されるとともに、これらの軸の間に伝動機構が設けられ、それらの各軸にトルクを入出力できるように構成された変速機において、前記第一軸に対してトルクを選択的に入出力する第一クラッチが、前記第一軸の一方の端部側に配置されるとともに、前記第二軸に対してトルクを選択的に入出力する第二クラッチが、前記第二軸の軸線方向において前記第一クラッチとは反対の端部側に配置されていることを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第一クラッチと前記第二クラッチとは、前記ケースの外部に配置されていることを特徴とする変速機である。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記第一クラッチと前記第二クラッチとは、乾式または湿式の多板クラッチによって構成されていることを特徴とする変速機である。
【0009】
さらに、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記伝達機構は、ギヤ比の異なる複数のギヤ対を介して互いに連結された複数の歯車軸であることを特徴とする変速機である。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、第一クラッチが、第一軸の一方の端部側に配置されるとともに、第二クラッチが、第二軸の軸線方向において第一クラッチとは反対の端部側に配置されている。つまり、第一クラッチと第二クラッチとは、それらが設けられている軸の軸線方向において互いに異なる位置に配置されている。したがって、第一クラッチと第二クラッチとはそれらが設けられている軸の軸線方向において互いに接触することはなく、第一軸と第二軸との軸間距離は短くすることができ、その結果、変速機を小型かつ軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明に係る変速機の一例を示す模式図である。
【図2】この発明に係るクラッチ機構の一例を示す模式図である。
【図3】この発明に係るクラッチ機構の他の一例を示す模式図である。
【図4】図1に示す変速機における第1のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図5】図1に示す変速機における第2のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図6】図1に示す変速機における第3のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図7】図1に示す変速機における第4のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図8】図1に示す変速機における第5のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図9】図1に示す変速機における第6のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図10】図1に示す変速機における第7のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図11】図1に示す変速機における第8のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【図12】図1に示す変速機における第9のトルクの伝達経路を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この発明を具体例に基づいて説明する。まず構成について説明する。図1は、この発明にかかる変速機の一例として9段変速機を示している。この変速機1には、図示しない動力源(例えばエンジン)から伝達されるトルクを伝える入力軸2が配置されており、その入力軸2と同軸上に第一入力ギヤ3と一体化された第一入力ギヤ軸4が回転自在に配置されている。また、第一入力ギヤ軸4の内周側には、第二入力ギヤ5と一体化された第二入力ギヤ軸6が回転自在に配置されるとともに、その第二入力ギヤ軸6の内周側には、第三入力ギヤ7と一体化された第三入力ギヤ軸8が回転自在に配置されている。これら入力軸2および各入力ギヤ軸4,6,8は同軸上に配置されており、これらの動力源側(図1における右端部)に第一クラッチ機構9が設けられている。
【0013】
この第一クラッチ機構9は、入力軸2と各入力ギヤ軸4,6,8とを選択的に連結する多板式の乾式クラッチによって構成されている。その例を図2に示してあり、入力軸2にクラッチドラム10が一体的に取り付けられるとともに、その内周側に複数のクラッチプレート12が軸線方向に移動自在に配置されている。クラッチドラム10の軸線方向においてクラッチドラム内を三等分に分割する2つのセパレートプレート11がクラッチドラム10と一体に形成されており、このセパレートプレート11は、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結するクラッチ部9aと、入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結する他のクラッチ部9bと、入力軸2と第三入力ギヤ軸8とを連結するさらに他のクラッチ部9cとに分けている。また、それらセパレートプレート11を境にしてそれら両側にクラッチプレート12が配置されている。図2において、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結するクラッチ部9aには、第一入力ギヤ軸4にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。また、図2におけるセパレートプレート11とセパレートプレート11とに挟まれた中央の部分(言い換えると、入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結するクラッチ部9b)には、前述した第二入力ギヤ軸6にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。さらに、入力軸2と第三入力ギヤ軸8とを連結するクラッチ部9cには、第三入力ギヤ軸8にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。したがって、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結するクラッチ部9aに配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とが連結されるように構成されている。また同様に、入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結するクラッチ部9bに配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、入力軸2と第二入力ギヤ軸6とが連結されるように構成されている。さらに同様に、入力軸2と第三入力ギヤ軸8とを連結するクラッチ部9cに配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、入力軸2と第三入力ギヤ軸8とが連結されるように構成されている。これら入力軸2と各入力ギヤ軸4,6,8とにトルク伝達できる状態に選択的に切り替えるために、押圧を指示するECU(図示せず)が設けられている。また、入力軸2と第一入力ギヤ軸4とは、ケーシング14に設けられた軸受部15によって支持されている。
【0014】
また、入力軸2には、アイドラ軸16と出力軸17とが並列に配置されている。アイドラ軸16には、第二アイドラギヤ18と一体化した第二アイドラギヤ軸19が同軸上に回転自在に配置され、その第二アイドラギヤ軸19の外周側には第三アイドラギヤ20と一体化した第三アイドラギヤ軸21が同軸上に回転自在に配置されている。さらに、アイドラ軸16には、アイドラ軸16と一体化された第一アイドラギヤ22が設けられている。これらアイドラ軸16および各アイドラギヤ軸19,21は同軸上に配置されており、アイドラ軸16の軸線方向において第一クラッチ機構9とは反対の端部側に第二クラッチ機構23が設けられている。
【0015】
この第二クラッチ機構23は、アイドラ軸16と各アイドラギヤ軸19,21とを選択的に連結する多板式の乾式クラッチによって構成されている。その例を図3に示してあり、アイドラ軸16にクラッチドラム10が一体的に取り付けられるとともに、その内周側に複数のクラッチプレート12が軸線方向に移動自在に配置されている。クラッチドラム10の軸線方向における中央部にはセパレートプレート11がクラッチドラム10と一体に形成されており、このセパレートプレート11は、アイドラ軸16と第二アイドラギヤ軸19とを連結するクラッチ部23aと、アイドラ軸16と第三アイドラギヤ軸21とを連結する他のクラッチ部23bとに分けている。また、そのセパレートプレート11を境にしてその両側にクラッチプレート12が配置されている。セパレートプレート11の左側の部分には、前述した第二アイドラギヤ軸19にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。さらに、セパレートプレート11より右側の部分には、第三アイドラギヤ軸21にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。したがって、セパレートプレート11より左側に配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、左側から中央のセパレートプレート11に向けて油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、アイドラ軸16と第二アイドラギヤ軸19とが連結されるように構成されている。また同様に、セパレートプレート11より右側に配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、右側から中央のセパレートプレート11に向けて油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、アイドラ軸16と第三アイドラギヤ軸21とが連結されるように構成されている。これらアイドラ軸16と各アイドラギヤ軸19,21とにトルク伝達できる状態に選択的に切り替えるために、押圧を指示するECU(図示せず)が設けられている。また、第三アイドラギヤ軸21とアイドラ軸16とは、ケーシング14に設けられた軸受部15によって支持されている。
【0016】
そのアイドラ軸16に一体化された第一アイドラギヤ22と第一入力ギヤ3とはギヤ対が構成されており、そのギヤ対を介してアイドラ軸16と第一入力ギヤ軸4とが互いに連結されるよう構成されている。さらに、第二アイドラギヤ18と第二入力ギヤ5とはギヤ対が構成されており、そのギヤ対を介して第二アイドラギヤ軸19と第二入力ギヤ軸6とが互いに連結されるよう構成されている。さらに、第三アイドラギヤ20と第三入力ギヤ7とはギヤ対が構成されており、そのギヤ対を介して第三アイドラギヤ軸21と第三入力ギヤ軸8とが互いに連結されるよう構成されている。
【0017】
出力軸17には、第一出力ギヤ24に一体化された第一出力ギヤ軸25が同軸上に回転自在に配置され、その第一出力ギヤ軸25の外周側には第二出力ギヤ26と一体化された第二出力ギヤ軸27が同軸上に回転自在に配置されている。さらに、この第二出力ギヤ軸27には、その軸線方向に第三出力ギヤ28が設けられている。さらに、出力軸17には、出力軸17と一体になったドライブピニオンギヤ29が設けられている。これら出力軸17および各出力ギヤ軸25,27は同軸上に配置されており、出力軸17の軸線方向において第一クラッチ機構9とは反対の端部側に第三クラッチ機構30が設けられている。
【0018】
この第三クラッチ機構30は、入力軸2に設けられている前述の第二クラッチ機構23と同様の機構であって、出力軸17と各出力ギヤ軸25,27とを選択的に連結する多板式の乾式クラッチによって構成されている。出力軸17にクラッチドラム10が一体的に取り付けられるとともに、その内周側に複数のクラッチプレート12が軸線方向に移動自在に配置されている。クラッチドラム10の軸線方向における中央部にはセパレートプレート11がクラッチドラム10と一体に形成されており、このセパレートプレート11は、出力軸17と第一出力ギヤ軸25とを連結するクラッチ部30aと、出力軸17と第二出力ギヤ軸27とを連結する他のクラッチ部30bとに分けている。また、そのセパレートプレート11を境にしてその両側にクラッチプレート12が配置されている。セパレートプレート11の右側の部分には、前述した第二出力ギヤ軸27にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。さらに、セパレートプレート11より左側の部分には、第一出力ギヤ軸25にスプライン嵌合させた摩擦板13が配置され、この摩擦板13はクラッチプレート12と軸線方向に交互に並んで配置されている。つまり、セパレートプレート11より左側に配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、左側から中央のセパレートプレート11に向けて油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、出力軸17と第一出力ギヤ軸25とが連結されるように構成されている。また同様に、セパレートプレート11より右側に配置されているクラッチプレート12および摩擦板13を、右側から中央のセパレートプレート11に向けて油圧などによって押圧することにより、クラッチプレート12と摩擦板13とが摩擦接触し、出力軸17と第二出力ギヤ軸27とが連結されるように構成されている。これら出力軸17と各出力ギヤとにトルク伝達できる状態に選択的に切り替えるために、押圧を指示するECU(図示せず)が設けられている。また、第二出力ギヤ軸27と出力軸17とは、ケーシング14に設けられた軸受部15によって支持されている。
【0019】
第一出力ギヤ24と第一入力ギヤ3とはギヤ対を構成しており、そのギヤ対を介して第一出力ギヤ軸25と第一入力ギヤ軸4とが互いに連結されるよう構成されている。さらに、第二出力ギヤ26と第二入力ギヤ5とはギヤ対を構成しており、そのギヤ対を介して第二出力ギヤ軸27と第二入力ギヤ軸6とが互いに連結されるよう構成されている。さらに、第三出力ギヤ28と第三入力ギヤ7とはギヤ対を構成しており、そのギヤ対を介して第二出力ギヤ軸27と第三入力ギヤ軸8とが互いに連結されるよう構成されている。また、出力軸17と一体であるドライブピニオンギヤ29は、デフリングギヤ30と噛み合うように設けられている。そのデフリングギヤ30は、ケーシング14に支持されていてデフケース31が一体となっており、左ドライブシャフト32と右ドライブシャフト33とが係合されている。
【0020】
さらに、この発明に係る変速機では、各ギヤ対(ヘリカルギヤ対)を収容するケーシング14を備えるとともに、各クラッチ機構9,23,30はケーシング14の外側に配置されている。また、第一クラッチ機構9は、図1に示すように、入力軸2のその軸線方向において図示しない動力源側に配置されているとともに、第二クラッチ機構23と第三クラッチ機構30とは、各軸部の軸線方向において第一クラッチ機構9とは反対の端部側に配置されている。
【0021】
次に、作用について説明する。まず、図4に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9aを係合させて入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30aを係合させて出力軸17と第一出力ギヤ軸25とを連結させることにより、第一入力ギヤ3から第一出力ギヤ24を介してトルクが出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ24との歯数比に基づいて定まる値となる。
【0022】
つぎに、図5に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9bを係合させて入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30bを係合させて出力軸17と第二出力ギヤ軸27とを連結させることにより、第二入力ギヤ5から第二出力ギヤ26を介してトルクが出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第二入力ギヤ5と第二出力ギヤ26との歯数比に基づいて定まる値となる。
【0023】
つぎに、図6に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9cを係合させて入力軸2と第三入力ギヤ軸8とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30bを係合させて出力軸17と第二出力ギヤ軸27とを連結させることにより、第三入力ギヤ7から第三出力ギヤ28を介してトルクが出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第三入力ギヤ7と第三出力ギヤ28との歯数比に基づいて定まる値となる。
【0024】
つぎに、図7に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9aを係合させて入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結し、第二クラッチ機構23のクラッチ部23aを係合させてアイドラ軸16と第二アイドラギヤ軸19とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30bを係合させて出力軸17と第二出力ギヤ軸27とを連結させることにより、第一入力ギヤ3から第一アイドラギヤ22を介してトルクがアイドラ軸16に伝達される。アイドラ軸16に伝達されたトルクは、第二アイドラギヤ18から第二入力ギヤ5と第二出力ギヤ26とを介して、出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第一入力ギヤ3と第一アイドラギヤ22との歯数比と、第二アイドラギヤ18と第二出力ギヤ26との歯数比とに基づいて定まる値となる。
【0025】
つぎに、図8に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9aを係合させて入力軸2と第一入力ギヤ軸4とを連結し、第二クラッチ機構23のクラッチ部23bを係合させてアイドラ軸16と第三アイドラギヤ軸21とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30bを係合させて出力軸17と第二出力ギヤ軸27とを連結させることにより、第一入力ギヤ3から第一アイドラギヤ22を介してトルクがアイドラ軸16に伝達される。アイドラ軸16に伝達されたトルクは、第三アイドラギヤ20から第三入力ギヤ7と第三出力ギヤ28とを介して、出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第一入力ギヤ3と第一アイドラギヤ22との歯車比と、第三アイドラギヤ20と第三出力ギヤ28との歯数比とに基づいて定まる値となる。
【0026】
つぎに、図9に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9bを係合させて入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結し、第二クラッチ機構23のクラッチ部23aを係合させてアイドラ軸16と第二アイドラギヤ軸19とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30aを係合させて出力軸17と第一出力ギヤ軸25とを連結させることにより、第二入力ギヤ5から第二アイドラギヤ18を介してトルクがアイドラ軸16に伝達される。アイドラ軸16に伝達されたトルクは、第一アイドラギヤ22から第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ24とを介して、出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第二入力ギヤ5と第二アイドラギヤ18との歯数比と、第一アイドラギヤ22と第一出力ギヤ24との歯数比とに基づいて定まる値となる。
【0027】
つぎに、図10に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9cを係合させて入力軸2と第三入力ギヤ軸8とを連結し、第二クラッチ機構23のクラッチ部23bを係合させてアイドラ軸16と第三アイドラギヤ軸21とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30aを係合させて出力軸17と第一出力ギヤ軸25とを連結させることにより、第三入力ギヤ7から第三アイドラギヤ20を介してトルクがアイドラ軸16に伝達される。アイドラ軸16に伝達されたトルクは、第一アイドラギヤ22から第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ24とを介して、出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第三入力ギヤ7と第三アイドラギヤ20との歯数比と、第一アイドラギヤ22と第一出力ギヤ24との歯数比とに基づいて定まる値となる。
【0028】
つぎに、図11に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9bを係合させて入力軸2と第二入力ギヤ軸6とを連結し、第二クラッチ機構23のクラッチ部23bを係合させてアイドラ軸16と第三アイドラギヤ軸21とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30aを係合させて出力軸17と第一出力ギヤ軸25とを連結させることにより、第二入力ギヤ5から第二出力ギヤ26と第二出力ギヤ軸27に一体である第三出力ギヤ28と第三入力ギヤ7と第三アイドラギヤ20とを介してトルクがアイドラ軸16に伝達される。アイドラ軸16に伝達されたトルクは、第一アイドラギヤ22から第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ24とを介して、出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第二入力ギヤ5と第二出力ギヤ26との歯数比と、第三出力ギヤ28と第三アイドラギヤ20との歯数比と、第一アイドラギヤ22と第一出力ギヤ24との歯数比とに基づいて定まる値となる。
【0029】
つぎに、図12に示すように、第一クラッチ機構9のクラッチ部9cを係合させて入力軸2と第三入力ギヤ軸8とを連結し、第二クラッチ機構23のクラッチ部23aを係合させてアイドラ軸16と第二アイドラギヤ軸19とを連結し、第三クラッチ機構30のクラッチ部30aを係合させて出力軸17と第一出力ギヤ軸25とを連結させることにより、第三入力ギヤ7から第二出力ギヤ軸に一体である第三出力ギヤ28と第二出力ギヤ26と第二入力ギヤ5と第二アイドラギヤ18とを介してトルクがアイドラ軸16に伝達される。アイドラ軸16に伝達されたトルクは、第一アイドラギヤ22から第一入力ギヤ3と第一出力ギヤ24とを介して、出力軸17に伝達される。そして出力軸17に伝達されたトルクはドライブピニオンギヤ29とデフリングギヤ30とドライブシャフト32,33を介して駆動輪(図示せず)に伝わる。したがって、変速比は、第三入力ギヤ7と第三出力ギヤ28との歯数比と、第二出力ギヤ26と第二アイドラギヤ18との歯数比と、第一アイドラギヤ22と第一出力ギヤ24との歯数比とに基づいて定まる値となる。
【0030】
また、各クラッチ機構9,23,30はケーシング14の外側に配置されているため、ケーシング内では歯車対同士を近い位置に配置できるので、その結果、ケーシング幅が縮小し、ケーシング剛性や駆動軸の支持剛性を向上させることができる。さらに、各クラッチ機構9,23,30はケーシング14の外側に配置されているため、クラッチ機構として乾式クラッチを用いることが可能となり、その結果、クラッチ機構の引きずりを小さくすることができ、駆動効率を向上させることができる。
【0031】
また、第一クラッチ機構9は、入力軸2のその軸線方向において図示しない動力源側に配置されているとともに、第二クラッチ機構23と第三クラッチ機構30とは、各軸のその軸線方向において第一クラッチ機構9とは反対の端部側に配置されている。つまり、第一クラッチ機構9と第二クラッチ機構23とは、それらが設けられている軸の軸線方向において互いに異なる位置に配置され、また、第一クラッチ機構9と第三クラッチ機構30とは、それらが設けられている軸の軸線方向において互いに異なる位置に配置されている。したがって、第一クラッチ機構と第二クラッチ機構と第三クラッチ機構とがそれらが設けられている軸の軸線方向において同じ端部側に配置される場合よりも、第一クラッチ機構9と第二クラッチ機構23とはそれらが設けられている軸の軸線方向において互いに接触することはなく、入力軸2とアイドラ軸16との軸間距離と、入力軸2と出力軸17との軸間距離とを短くすることができるため、その結果、変速機を小型かつ軽量化することができる。
【0032】
なお、この発明は上述した具体例に限定されず、第一軸に対してトルクを選択的に入出力する第一クラッチが、第一軸の一方の端部側に配置されるとともに、前記第二軸に対してトルクを選択的に入出力する第二クラッチが、第二軸の軸線方向において前記第一クラッチとは反対の端部側に配置されていればよい。要は、並列に隣接する軸部と他の軸部との軸間距離が短くなるように、各クラッチ機構が配置されていればよい。例えば、クラッチ機構は、乾式の多板クラッチでもよい。また、例えば、ギヤ段は複数段あってもよく、ギヤ列も複数列あってもよい。さらに、各ギヤ段の配置、ギヤの組合せが変わってもよい。また、少なくとも一つのクラッチ機構がケーシング内に配置されていてもよい。
【0033】
また、この発明に係る変速機は、車両や航空機、船舶、産業用機械など、回転することにより動力を伝達する機械・装置類に用いることができる。
【符号の説明】
【0034】
1…変速機、 2…入力軸(第一軸)、 9…第一クラッチ機構(第一クラッチ)、 14…ケーシング(ケース)、16…アイドラ軸(第二軸)、 17…出力軸、 23…第二クラッチ機構(第二クラッチ)、 30…第三クラッチ機構。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの内部に回転自在に支持された第一軸と第二軸とが互いに平行に配置されるとともに、これらの軸の間に伝動機構が設けられ、それらの各軸にトルクを入出力できるように構成された変速機において、
前記第一軸に対してトルクを選択的に入出力する第一クラッチが、前記第一軸の一方の端部側に配置されるとともに、前記第二軸に対してトルクを選択的に入出力する第二クラッチが、前記第二軸の軸線方向において前記第一クラッチとは反対の端部側に配置されていることを特徴とする変速機。
【請求項2】
前記第一クラッチと前記第二クラッチとは、前記ケースの外部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機。
【請求項3】
前記第一クラッチと前記第二クラッチとは、乾式または湿式の多板クラッチによって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の変速機。
【請求項4】
前記伝達機構は、ギヤ比の異なる複数のギヤ対を介して互いに連結された複数の歯車軸であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の変速機。
【請求項1】
ケースの内部に回転自在に支持された第一軸と第二軸とが互いに平行に配置されるとともに、これらの軸の間に伝動機構が設けられ、それらの各軸にトルクを入出力できるように構成された変速機において、
前記第一軸に対してトルクを選択的に入出力する第一クラッチが、前記第一軸の一方の端部側に配置されるとともに、前記第二軸に対してトルクを選択的に入出力する第二クラッチが、前記第二軸の軸線方向において前記第一クラッチとは反対の端部側に配置されていることを特徴とする変速機。
【請求項2】
前記第一クラッチと前記第二クラッチとは、前記ケースの外部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の変速機。
【請求項3】
前記第一クラッチと前記第二クラッチとは、乾式または湿式の多板クラッチによって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の変速機。
【請求項4】
前記伝達機構は、ギヤ比の異なる複数のギヤ対を介して互いに連結された複数の歯車軸であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の変速機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−233499(P2012−233499A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100593(P2011−100593)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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