説明

外側エンベロープ並びに外側エンベロープを備えるランプ

【課題】製造が容易かつ廉価な「安全な」蛍光ランプを提供すること。
【解決手段】 少なくとも1つの発光体と電気構成要素を伴う制御装具とを収容するための少なくとも部分的にガラス材料からなる壁を備えた外側エンベロープであって、該外側エンベロープのガラス壁は、均一な球状の光度分布が得られるようにポリエステルブロック型イソシアネートの粉体ワニスのコーティングで被覆されており、これにより機械的衝撃から該エンベロープが保護されかつ破片の封じ込めを提供している外側エンベロープを提唱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外側エンベロープ並びにこうしたエンベロープを備えるランプに関し、またさらに詳細には汎用の白熱ランプに取って代わることが可能なこうしたエンベロープを備える小型蛍光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
照明を目的とした省エネ型ランプは一般に、少なくとも1つの保護被覆またはエンベロープを伴う発光体または光源からなる。こうしたランプには例えば、低圧力放電ランプ及び小型蛍光ランプ(CFL)が含まれる(ただし、これらに限らない)。
【0003】
従来技術のランプは多種多様な家庭用途や工業用途で使用されている。しかし、これらのランプのエンベロープは、かなり脆弱であり、かつ特にランプが極端な温度や機械的応力に曝されるような環境では破損することが多い。したがって、破損のリスクを低減すると共に破損の影響を軽減するようにランプを保護できると極めて有利である。
【0004】
米国特許第5,864,202号は、機械的応力及び衝撃からの十分な保護を提供できるようなプラスチック材料から製作された外側エンベロープを使用することを提唱しているが、こうしたランプは依然として高温に関して影響を受けやすいままである。これに加えて、プラスチック材料で製作された外側エンベロープは、そのかなり高い吸収度のために十分な出力光度を提供できていない。したがってランプエンベロープを囲繞する保護被覆ガードを有するガラス材料製の外側エンベロープを用いることが好ましい。
【0005】
その内部で保護被覆ガードがランプエンベロープを囲繞しているようなランプアセンブリは米国特許第6,406,167号で知ることができる。この示唆に従った被覆ガードは、ランプを覆うように配置されてこれを囲繞していると共に、ランプ基部を部分的に覆うように拡がっているプラスチック製ホースとなっている。この被覆ガードを覆うように、ガードがランプ基部を覆うように拡がりかつ基部と比べてその直径が小さくなった箇所に剛性の金属またはプラスチック製のリングが配置されている。被覆ガードは引き続いてランプ基部に対して封止される。こうした被覆ガードは、基部セクションが管部材の端部位置にある細長い放電管を有する蛍光ランプに関してだけ使用することができる。CFLは、従来の白熱ランプに類似させるために、互いに接続させた多数の管状部材またはコイル状の管、あるいはバルブの形状を有することがあるような保護用外側エンベロープを備えるようなかなり複雑な形状を有するのが典型的である。バルブ形状の外側エンベロープを有するこうした低圧力放電ランプは米国特許第6,064,155号で知ることができる。
【0006】
さらに、シリコン材料からなる保護被覆またはスリーブを有するようなバルブ形状の外側エンベロープを備えたCFLが知られている。このシリコン被覆は、外側エンベロープを流体シリコン塗料内に浸漬した後に塗料を乾燥させることによって外側エンベロープの外側表面上に形成されている。こうしたシリコン被覆は極めて弾力がありエンベロープの外側壁に付着しないため、簡単に裂けたり損傷したりすることがある。このシリコン被覆は損傷しない限り十分な機械的保護を提供できるが、その吸収効果のために放出された光の強度が低下すると共に適正な光の分散を提供できない。
【0007】
低圧力放電ランプ及び小型蛍光ランプは一様でない空間光強度分布を有することが多く、これが光分散性の外側エンベロープを用いることによって増長されることがある。所望の効果を達成するために、外側エンベロープは半透明または不透明なガラスあるいはプラスチック材料からなることがある。可能な別の解決法は、エンベロープの内部表面上に光分散性のコーティングを有するようにしたガラス材料からなる外側エンベロープを使用することである。こうした光分散の静電被着式コーティングは米国特許第4,081,709号で知ることができる。このランプは改良型の空間光強度分布を有する、ただし被着させたコーティングの厚さ及び密度の一様性に依存する。このランプは十分な光分散を提供できるが、機械的応力及び衝撃に対して保護されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】GB 2007537 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
少なくとも1つの発光体と電気構成要素を伴う制御装具とを備えたランプ向けのエンベロープであって、ランプが放出した光の強度並びに機械的応力及び衝撃に対する十分な保護を不必要に低下させることなく十分な光分散を提供できるエンベロープを提供することが必要とされている。
【0010】
さらに、エンベロープを完全に粉砕させるほど強力な衝撃の後であっても壊れないままでありかつその内部に砕片を封じ込めるようなランプエンベロープを提供することが必要とされている。さらに、製造が容易かつ廉価で済むような「安全な」蛍光ランプを提供することが特に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の例示的な一実施形態では、少なくとも1つの発光体と電気構成要素を伴う制御装具とを収容するための外側エンベロープであって、
○ 少なくとも部分的にガラス材料からなる壁を備えると共に、
○ 該外側エンベロープのガラス壁は、均一な球状の光度分布が得られるようにポリエステルブロック型イソシアネートの粉体ワニスのコーティングで被覆されており、これにより機械的衝撃から該エンベロープが保護されかつ破片の封じ込めを提供している、外側エンベロープを提唱する。
【0012】
本発明の別の態様の例示的な一実施形態では、少なくとも1つの発光体と電気構成要素を伴う制御装具とを収容するための外側エンベロープを備えたランプを提唱する。このランプの外側エンベロープは、
○ 少なくとも部分的にガラス材料からなる壁を備えると共に、
○ 該外側エンベロープのガラス壁は、均一な球状の光度分布が得られるようにポリエステルブロック型イソシアネートの粉体ワニスのコーティングで被覆されており、これにより機械的衝撃から該エンベロープが保護されかつ破片の封じ込めを提供している。
【0013】
本発明のさらに別の態様の例示的な一実施形態では、小型蛍光ランプを提唱する。本小型蛍光ランプは、放電管配列、安定器回路、基部及び実質的にバルブ形状の外側エンベロープを備える。この放電管配列はガラスで製作された少なくとも1つの放電管で形成されており、放電気体が満たされた放電ボリュームを囲繞しており、かつ該管の内側表面上に配置された蛍光燐光体(fluorescent phosphor)コーティングを有する。該管は連続した弧状経路を形成すると共に、該弧状経路の各端部位置に配置させた電極を備えている。安定器回路は、該管内の電流の制御を提供すると共に、電極及び対応する電源に接続されている。基部は前記ランプを対応する電源に接続するための接触端子を有する。実質的にバルブ形状の外側エンベロープは主軸及び少なくとも部分的にガラス材料からなる壁を有すると共に、放電管配列の少なくとも一部分を囲繞する実質的に球状の部分及び安定器回路の少なくとも一部分を囲繞する細長い端部部分を備えている。この外側エンベロープのガラス壁は、均一な球状の光度分布が得られるようにポリエステルブロック型イソシアネートの粉体ワニスのコーティングで被覆されており、これにより機械的衝撃から該エンベロープが保護されかつ破片の封じ込めを提供している。
【0014】
本発明は従来技術と比べて幾つかの利点を有する。外側エンベロープ、異なる発光体を有するランプ並びにこうした外側エンベロープを有する小型蛍光ランプによれば、ランプの光度並びに機械的応力及び衝撃に対する十分な保護を不必要に低下させることなく均一な球状の光強度分布を提供することができる。提唱した実施形態によれば、ランプが破損した際のエンベロープからのガラス片の散乱に対する保護が非常に有効な外側エンベロープを提供することができる。こうした「安全な」エンベロープを備えたランプは製作が容易かつ廉価であるため、大量生産によく適合する。
【0015】
ここで、本発明について添付の図面を参照しながら詳細に記載することにする。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態による外側エンベロープを備えたランプの側面断面図である。
【図2】本発明の別の実施形態による外側エンベロープの側面断面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるランプのその一部を断面とした側面図である。
【図4】本発明の別の実施形態によるランプのその一部を断面とした側面図である。
【図5】鋼鉄製のボールが外側エンベロープの表面に当たったところの機械的応力実験中の写真である。
【図6】外側エンベロープの表面に当てた後に窪み及び亀裂が残ったところの機械的応力実験中の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
先ず図1を参照すると、本発明によるランプ1の第1の例示的実施形態について、少なくとも1つの発光体5、6と該少なくとも1つの発光体に必要な電気エネルギーを提供するための電子構成要素からなる制御装具4とを収容するための外側エンベロープ2と共に表している。エンベロープ2は少なくとも部分的にガラス材料からなる壁を備えており、また該外側エンベロープのガラス壁は、均一な球状の光度分布が得られるようにポリエステルブロック型イソシアネートの粉体ワニスのコーティング3で被覆されており、これにより機械的衝撃から該エンベロープが保護されかつ破片の封じ込めを提供している。外側エンベロープの内部には、その中間にある小型蛍光ランプ6と、該CFLの両側にある2つの発光ダイオード5(LED)と、を示している。LED5が低電圧源を必要とする場合には、当技術分野でよく知られるように変圧器を制御装具4として使用することになる。LEDは低電圧DC源を必要とすることがあるため、少なくとも1つの変圧器とダイオードなどの整流手段とを備えるDC電源が電気構成要素を伴う制御装具として使用されることがある。LEDはさらに、AC低電圧を供給する変圧器から直接給電を受けることがある。外側エンベロープ内部の発光体としてCFLとLEDの組み合わせを使用する場合、その変圧器を両種の発光体に関する共通の変圧器とさせることがある。図1に示すように外側エンベロープ2は、発光体の少なくとも一部分を受け容れている実質的に球状のセクションと、制御装具の構成要素の少なくとも一部分を受け容れている細長い端部セクションと、を備えた光バルブの形状を有する。当業者には明らかであろうが、外側エンベロープの形状及び材料は、本発明の範囲を逸脱することなく上で開示した実施形態と異なるように選択することができる。外側エンベロープの形状は例えば、楕円状、円筒状とすることがあり、あるいは発光体を収容するのに適した異なる別の任意の形態を有することがある。外側エンベロープの材料は全体をガラスとすること、あるいはプラスチック及び/または金属製の補助的構成要素を伴った一部ガラスとすることがある。
【0018】
保護用コーティングは、外側エンベロープ2のガラス壁を有する部分の外部表面にも内部表面にも塗布することができる。このコーティングは、80〜150マイクロメートルの厚さとすることが好ましく、80〜120マイクロメートルの厚さとすることがさらに好ましく、また80〜100マイクロメートルの厚さとすることがさらに一層好ましい。外側エンベロープは厚さが0.5〜1.5ミリメートルのガラス壁を有することがある。このコーティングは、表面の清浄及び乾燥後に粉体ワニスを静電式に被着させることによって外側エンベロープ2の壁に対して塗布されることがある。被着させた粉体ワニスは、粉末形態を無穴の均一な融解層にまで変化させるために硬化させる必要がある。コーティングのこの硬化に対する最適化は、生成時間を高速化するために硬化時間に関連すること、あるいはエンベロープ内部の電子構成要素を保護するために硬化温度に関連することがある。硬化温度及び時間は、それぞれ120〜180℃及び40〜20分の範囲内で選択することができる。ポリエステルブロック型イソシアネートを含む粉体ワニスは、例えばEgrokorr Festekipari Zrt.(Erd, Hungary)から入手可能である。
【0019】
上述の外側エンベロープを備えたランプではその発光体は、低圧力放電管、LED及びこれらを組み合わせたものからなる群より選択することができる。図1では発光体として1つのCFLと2対のLEDとの組み合わせを図示しており、また図2では発光体として低圧力放電管を示している。低圧力放電管はガラス壁を備えるため、外側エンベロープの保護被覆によって発光体のガラス壁に対しても同様に機械的保護が提供される。上ですでに開示したように、外側エンベロープの形状は、バルブ形状、楕円状、円筒状とすることや、あるいは発光体を収容するのに適した異なる別の任意の形状を有することがある。外側エンベロープの材料は、全体をガラスとすること、あるいはプラスチックや金属製の補助的構成要素を伴った一部ガラスとすることがある。金属構成要素部分は例えば、電気構成要素の前記制御装具を電源に接続するための接触端子を有する基部構成要素とすることがある。
【0020】
ここで図3及び4を参照すると、図1及び2に関連して詳細に記載したような外側エンベロープ12を伴う小型蛍光ランプ11を図示している。小型蛍光ランプ11は、放電管配列16、26と、安定器回路17と、実質的にバルブ形状の外側エンベロープ12と、基部と、を備える。放電管配列16、26は、ガラスで製作された少なくとも1つの放電管で形成されており、放電気体が満たされた放電ボリュームを囲繞しており、かつ該管の内側表面上に配置された蛍光燐光体コーティングを有する。該管は連続した弧状経路を形成すると共に、該弧状経路の各端部位置に配置させた電極を備えている。安定器回路17は、該管内の電流の制御を提供すると共に、電極及び対応する電源に接続されている。主軸13を備えた実質的にバルブ形状の外側エンベロープ12は、少なくとも部分的にガラス材料からなる壁を有すると共に、放電管配列16、26の少なくとも一部分を囲繞する実質的に球状の部分14及び安定器回路17の少なくとも一部分を囲繞する細長い端部部分15を備えている。基部18は安定器回路17を対応する電源に接続するための接触端子19を有する。外側エンベロープ12のガラス壁は、均一な球状の光度分布が得られるようにポリエステルブロック型イソシアネートを含む粉体ワニスのコーティングで被覆されており、これにより機械的衝撃から該エンベロープが保護されかつ破片の封じ込めを提供している。粉体ワニスは、図1及び2に示した外側エンベロープに関連してすでに詳細に記載したのと同じ方法でCFLの外側エンベロープのガラス壁に塗布されているが、エンベロープの外側表面上のみに塗布されることもある。
【0021】
放電管配列16、26は単一の放電管または複数の細長い放電管を含むことがある。該管の端部は気密方式で封止される。放電管配列16、26は、放電管内の引き入れワイヤ21を通る電流を制御するための安定器回路17に接続されている。安定器回路17はさらに、ランプ基部18内の接触端子19に接続された引き出しワイヤ22を通して対応する電源に接続されている。図3及び4に示すように、外側エンベロープ12のネック部分10の開放端は、管状の開口部を有する閉鎖手段40によって閉じられかつ終端されている。引き出しワイヤ22は互いに隔絶されていると共に、ソケットを通じてランプを対応する電源に接続するために管状開口部を通過して基部18まで導かれている。ランプ基部は、ランプが通常使用される従来の任意のタイプとし得るようなソケットに適合するように構成される。図3及び4はねじ込み式の基部18を表しているが、ランプ基部はねじ込みタイプソケットや差し込み式ソケットのいずれに適合するようにも構成することができる。
【0022】
安定器回路17は、ランプの主軸13と実質的に向きが平行なプリント回路基板上に装着されている。安定器回路17を搭載しているプリント回路基板の辺縁は、ランプ11の主軸13と平行な面内で見ると外側エンベロープ12の壁の長手方向断面と同じ境界形態を有すると有利である、ただし図3で最良に理解できるような閉鎖手段及び放電管の寸法により規定されるようなオフセットを伴う。しかし安定器回路のプリント回路基板は、異なる向きを有することがある。図4に示した実施形態では、安定器回路のプリント回路基板の向きはランプの主軸と垂直である。
【0023】
図3及び4に示した実施形態では、その発光体は比較的大きな寸法を有する低圧力放電管であり、このためネック部分の開放端を通して外側エンベロープ内に挿入することが不可能である。この外側エンベロープはしたがって、エンベロープ12の主軸13と実質的に直交する面内の外周線23に沿って分離される2つの部分からなる。この2つの部分は、放電管配列16の一部分を受け容れている上側部分と、放電管配列16の残りの部分及び安定器回路17の少なくとも一部分を受け容れている下側部分と、を含む。エンベロープのこの2つの部分は、均一なバルブ形状のエンベロープ12が形成されるように接続かつ封止される。外側エンベロープ12の外周分離線23は、エンベロープの壁が実質的に円筒形態を有する領域にくることがある。図示した実施形態ではその分離線は、外側エンベロープの内側ボリュームの最大値を満たすことが可能な比較的大きな放電管を使用するために外側エンベロープの球状の部分の最も幅広の位置にきている。このことは、従来の白熱ランプの比較的小さいサイズを維持すること、並びに比較的大きな放電管の比較的高い発光出力を達成すること、に役立つ。外側エンベロープのガラス壁上に均一なコーティングを提供するためには、バルブ形状の外側エンベロープの2つの部分を組み上げて再度封止した後で外側表面上にコーティングを塗布しなければならない。外側エンベロープの内部にある電子構成要素の熱衝撃や過熱を回避するためには、硬化温度をできる限り低く(約120℃が好ましい)なるように選択すべきである。
【0024】
図3に示した実施形態では小型蛍光ランプは、実質的に直線の端部セクションと該端部セクション間にある中間部分とを有する1つの管となった放電管配列16を備える。これらの端部セクションは管配列の一方の端部位置にあると共に互いに実質的に平行であり、また中間部分はランプの主軸13の周りに巻かれたコイル状構成を有する。放電管配列16とプリント回路基板20は、外側エンベロープの内部でかつランプの主軸13と実質的に直交する面内にくるような方向にある保持及び保護用のシールド30によって互いに対して保持されている。保持及び保護用シールド30は、放電管配列16及び安定器回路17のプリント回路基板20のための受容及び固定用部分を備えると共に、機械的振動及び衝撃に対する十分な保護を提供している。
【0025】
別法としてその放電管配列26は、その長手方向の軸が小型蛍光ランプの主軸と実質的に平行な4つの直線部材からなる(小型蛍光ランプ内においてこれら直線の管部材は図4に示すような連続した弧状経路を形成するように互いに直列に接続されている)ことがある。可能な配列としてはさらに、必要な出力光度に応じて2つまたは6つの個別の放電管部材を備えた構成を含む。この放電管配列はさらに、連続した弧状経路を形成するようにブリッジによって相互接続された実質的に長さが同じU字形状に曲げられた個別の2つの細長い放電管部材を備えることがある。可能な配列としてはさらに、必要な出力光度に応じてU字形状に曲げられた1つまたは3つの個別の放電管部材を備えた構成を含む。このU字形状の放電管部材は、放電管配列の長さを規定している実質的に平行な直線セクションと、湾曲した中間セクションと、を備えることがある。
【0026】
ガラス材料からなる壁を有する外側エンベロープを備えかつ該外側エンベロープのガラス壁の外部表面上に保護用コーティングを備えた小型蛍光ランプを製造した後、図5及び6に示すように機械的応力実験を実施した。実験では、外径が8mmでありかつ重量が約75gである鋼鉄製のボールを使用した。この鋼鉄製ボールは外側エンベロープの上側1メートルの距離に保持してエンベロープ上に落とした。図5で分かるように、鋼鉄製のボール31は外側エンベロープに当たったが、保護コーティングのないガラスエンベロープの場合に想定できるような破片となった破損は起こしていない。本発明の保護被覆を有する外側エンベロープの表面に当たった後に鋼鉄製のボール31は、ガラス壁内にその辺縁が断裂した長さ約5cmの亀裂32を有する図6において分かるような窪み33を残したが、外側エンベロープのガラス壁は一体のまま留まっていると共に砕片は全く分散していない。
【0027】
本発明について図面を参照しながら開示してきたが、本発明が図示しかつ開示した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨域内で別の要素、改良及び変形があることは当業者には明らかであろう。例えば、外側エンベロープ、放電管及び基部に関する多くの別の形態も本発明の目的に適用可能であることは明らかであろう。例えばエンベロープは、球形状やT字形状を有することがある。ランプ内部の放電管部材の数及び形態についても、ランプのサイズや所望のパワー出力に応じて様々となり得る。電源に対する電気接続を提供するために使用される基部シェルについても標準タイプや非標準タイプの任意のものから選択することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 ランプ
2 外側エンベロープ
3 コーティング
4 制御装具
5 発光ダイオード、発光体
6 発光体
10 ネック部分
11 小型蛍光ランプ
12 外側エンベロープ
13 主軸
14 実質的に球状部分
15 細長い端部部分
16 放電管配列
17 安定器回路
18 基部
19 接触端子
20 プリント回路基板
21 引き入れワイヤ
22 引き出しワイヤ
23 外周分離線
26 放電管配列
30 保持及び保護用のシールド
31 鋼鉄製ボール
40 閉鎖手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの発光体と電気構成要素を伴う制御装具とを収容するための外側エンベロープであって、
少なくとも部分的にガラス材料からなる壁を備えると共に、
該外側エンベロープのガラス壁は、均一な球状の光度分布が得られるようにポリエステルブロック型イソシアネートの粉体ワニスのコーティングで被覆されており、これにより機械的衝撃から該エンベロープが保護されかつ破片の封じ込めを提供している、外側エンベロープ。
【請求項2】
前記コーティングはガラス壁の外部表面に塗布されている、請求項1に記載の外側エンベロープ。
【請求項3】
前記コーティングはガラス壁の内部表面に塗布されている、請求項1に記載の外側エンベロープ。
【請求項4】
前記コーティングは80〜150マイクロメートルの厚さを有する、請求項1に記載の外側エンベロープ。
【請求項5】
前記コーティングは80〜120マイクロメートルの厚さを有する、請求項1に記載の外側エンベロープ。
【請求項6】
前記コーティングは80〜100マイクロメートルの厚さを有する、請求項1に記載の外側エンベロープ。
【請求項7】
該外側エンベロープのガラス壁は0.5〜1.5ミリメートルの厚さを有する、請求項1に記載の外側エンベロープ。
【請求項8】
前記コーティングは該外側エンベロープのガラス壁上に静電式に被着されている、請求項1に記載の外側エンベロープ。
【請求項9】
前記コーティングは、それぞれ120〜180℃及び40〜20分の範囲の硬化温度及び時間を有する、請求項8に記載の外側エンベロープ。
【請求項10】
少なくとも1つの発光体と電気構成要素を伴う制御装具とを収容するための外側エンベロープを備えたランプであって、該外側エンベロープは
少なくとも部分的にガラス材料からなる壁を備えると共に、
該外側エンベロープのガラス壁は、均一な球状の光度分布が得られるようにポリエステルブロック型イソシアネートの粉体ワニスのコーティングで被覆されており、これにより機械的衝撃から該エンベロープが保護されかつ破片の封じ込めを提供している、ランプ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの発光体は、低圧力放電管、LED及びこれらを組み合わせたものからなる群より選択される、請求項10に記載のランプ。
【請求項12】
前記外側エンベロープはその一部にプラスチック材料を含む、請求項10に記載のランプ。
【請求項13】
前記外側エンベロープは金属構成要素部分を含む、請求項10に記載のランプ。
【請求項14】
前記金属構成要素部分は基部構成要素である、請求項13に記載のランプ。
【請求項15】
ガラスで製作された少なくとも1つの放電管で形成されており、放電気体が満たされた放電ボリュームを囲繞しており、かつ該管の内側表面上に配置された蛍光燐光体コーティングを有する放電管配列であって、該管は連続した弧状経路を形成すると共に、さらに該弧状経路の各端部位置に配置させた電極を備えている放電管配列と、
前記電極及び対応する電源に接続された前記管内の電流を制御するための安定器回路と、
ランプを対応する電源に接続するための接触端子を有する基部と、
少なくとも部分的にガラス材料からなる壁を有しており、かつ放電管配列の少なくとも一部分を囲繞する実質的に球状の部分及び安定器回路の少なくとも一部分を囲繞する細長い端部部分を備えた1つの主軸をもつ実質的にバルブ形状の外側エンベロープと、を備える小型蛍光ランプであって、
該外側エンベロープのガラス壁は、均一な球状の光度分布が得られるようにポリエステルブロック型イソシアネートの粉体ワニスのコーティングで被覆されており、これにより機械的衝撃から該エンベロープが保護されかつ破片の封じ込めを提供している、小型蛍光ランプ。
【請求項16】
前記外側エンベロープは該エンベロープの主軸と実質的に直交する面に沿って分離される2つの部分からなると共に、エンベロープの該2つの部分は均一なバルブ形状のエンベロープが形成されるように接続可能かつ封止可能である、請求項15に記載の小型蛍光ランプ。
【請求項17】
前記放電管配列は実質的に直線の端部セクション及び該端部セクションの間の中間部分を有する単一の管からなると共に、該端部セクションは管配列の一方の端部位置で互いに接近して存在すると共に該中間部分は該ランプの主軸の周りに巻き付けられたコイル状構成を有する、請求項15に記載の小型蛍光ランプ。
【請求項18】
前記放電管配列は該蛍光ランプの主軸と実質的に平行な長手方向軸を有する直線状の管部材からなると共に、該直線状管部材は連続した弧状経路を形成するように互いに直列に接続されている、請求項15に記載の小型蛍光ランプ。
【請求項19】
前記コーティングはガラス壁の外部表面に塗布されている、請求項15に記載の小型蛍光ランプ。
【請求項20】
前記コーティングは前記外側エンベロープのガラス壁上に静電式に被着されている、請求項19に記載の小型蛍光ランプ。
【請求項21】
前記コーティングは、それぞれ120〜180℃及び40〜20分の範囲の硬化温度及び時間を有する、請求項20に記載の小型蛍光ランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−541132(P2010−541132A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525859(P2010−525859)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/070058
【国際公開番号】WO2009/042275
【国際公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】