説明

外傷治療における外科的使用のための材料

本発明は、外傷治療における外科的使用のための材料、構造体及び方法に係る。より具体的には、本発明は、複合材料、生適合性のある一時的な支持構造体、及び骨折の治癒過程で骨接合を助ける際に該支持構造体を使用することに関連する方法に関する。材料は、生体内で固相にある状態でその強度を維持する。そして、治癒した後の除去を支援するために、任意の時点でエネルギーを与えることによって、例えば微粉砕された状態を含む実質的に流体相にある状態へと当該材料を転換することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外傷治療における外科的使用のための材料、構造体及び方法に関する。より詳しくは、本発明は、複合材料、生適合性のある一時的な支持構造体、及び骨折の治癒過程を支援する際に該支持構造体を使用することに関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な材料で作られた、プレート、爪部材及び他の構造体が、骨折の手術と治療において、今日、世界中で広く用いられている。体内に固定されるこのような器具は、骨折が治癒する過程において安定性と配列とを維持するために、通常、最初の手術の最中に挿入される。骨折が治癒したら、これらの器具の大部分は、望ましくない危険と費用とを伴う第二の手術によって除去されなければならない。
【0003】
さらに、多くの内部固定具は、その堅さが治癒中に問題を生じることがある。骨折が治癒した後に所定の位置に残されているプレートによって局所的な骨粗鬆症が生じることがあり、これによって骨が弱くなってしまう。プレートや螺子は、骨が治癒した後に長期に亘って残されていると、軟部組織の炎症又は進行性異物反応を引き起こすこともある。さらに、骨髄内釘固定法又はギプスによる骨折の処置で経験する場合があるが、骨折が治癒する間には絶対的な堅牢さは必要ない。良好な配列と配置とが保証されているか否かに応じて、治癒中には骨折領域にある程度の動きや脈動があった方が、治癒が速くなることがある。
【0004】
従来技術による数多くの器具が、生分解性、分解性又は再吸収性の材料の使用を伴っている。例えば、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、及びポリジオキサノン(PDS)等の他の脂肪族ポリエステル)製の縫糸及びピンに使用されているものと同じ材料を用いた分解可能なプレートが使用されることがある。しかしながら、これらの材料は次第に弱くなり、吸収又は分解の速度を生体内で積極的に制御することができないので、これらの材料は完全に満足の行くものではない。したがって、生吸収性材料による固定の時間と持続時間とは生体内で変更することも制御することもできない。患者毎に治癒にかかる時間が大きく異なり、また、予想するのも困難であるので、このような変更や制御が必要となることもよくある。
【0005】
例えば、アレクサンダー等(Alexander et al.)に与えられた米国特許第4,329,743号は、PGAやPLA等の生吸収性ポリマーと、靱帯、腱及び骨における新しい組織の成長のための外科的「足場」(即ち、支持枠組)を構築するのに適した多数の炭素繊維によって形成された少なくとも1枚の基板との複合体を教示している。体内に植え込んだ後に繊条状の炭素が人体に移動するのを防止するために、炭素繊維性の足場は生吸収性ポリマーで被覆される。炭素繊維−ポリマー複合体から新しい組織への長期に亘る負荷の移行を可能にするために、この生吸収性ポリマーの吸収速度は、新しい組織の成長速度と一致しなければならない。この材料は、生適合性の螺子又は標準的な外科技法による他の固定手段と共に骨折に使用される骨固定プレートの構築に使用することができる。しかしながら、先に説明したように、挿入された構造体を除去するための第二の手術を必要としない処置法と、次第に弱くなることがなく、生体内でより積極的に制御することのできる材料とが求められている。
【0006】
同様に、リッター等(Ritter et al.)に与えられた米国特許第4,496,446号は、PGA等のグリコールから生じたエステル結合を有する生吸収性材料で作られた外科的構造要素を教示している。このようなポリマーの生体内における強度損失と分解との速度を、硫酸バリウム等の充填材の使用と光照射とによって変えている。このような方法での、ポリマーの分解速度の生体内制御は許されない。
【0007】
ルツィオ等(Luzio et al.)に与えられた米国特許第5,820,608号は、分解可能な、イオンによって架橋されたポリマーで作られた、ステント、カテーテル、カニューレ部品、プラグ及び圧迫器等の医療器具を教示している。架橋された材料における架橋イオンを、結合又は置換によって非架橋性のイオンに入れ替える化学的トリガーに曝すことによって、当該医療器具は、所望の時点で、生体内で分解する。分解を誘発することによって、天然の生分解性材料の患者毎の分解時期の不確かさを排除することができるが、食事投与、直接的な局所投与、非経口的供給等のいずれによるにせよ、トリガー剤を投与することに固有の不確かさがある。これらの材料は骨折の治療に使用するのに十分な強度はなく、生体内にあるプレートや螺子の全表面に向け化学的トリガーを注入するのは、通常、非現実的又は不可能である。
【0008】
レイリー等(Reiley et al.)に与えられた米国特許第5,827,289号は、骨の内側の骨皮質に対して海綿骨と髄とを圧縮して押し付ける際にバルーンを使用することを記載している。挿入されると、膨張したバルーンが海綿骨に空洞を形成し、抗生物質、骨成長因子、熱可塑性ポリマー、及び本発明において骨折の治療に使われるもののような他の材料をこの空洞に充填することができる。レイリーは、骨の内側に空洞を作るのに使用する装置を教示しており、流動可能な材料を該空洞内に導入することを考えている。これは、高圧下で硬くて安定なフォーマットを作るために行われる。しかしながら、高圧であるが故に、この解決法は、18ヶ月にも及ぶ治癒過程の間に致命的な漏洩を被りやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,329,743号
【特許文献2】米国特許第4,496,446号
【特許文献3】米国特許第5,820,608号
【特許文献4】米国特許第5,827,289号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、骨折部位の内部固定において外科的に使用するのに適し、任意の時点での迅速で容易な除去のために制御すると共に生体内で再成形することができ、十分な治癒の後の除去に外科的侵入を必要としない材料が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は骨折部位における外科的使用のための複合材料に関し、エネルギーを吸収することによって生体内で実質的に流体相にある状態(例えば、微粉砕された状態)に変換することのできる生適合性ポリマーマトリックス(当該生適合性ポリマーマトリックスはそれ自体エネルギーを吸収するかも知れないし、しないかもしれない。)を有する第一成分と、該生適合性ポリマーマトリックスを強化することのできる、及び/又はエネルギーを吸収することのできる第二成分とを含む。発明の実施態様は、前記生適合性ポリマーマトリックスを強化することのできる、及び/又はエネルギーを吸収することのできる追加的な成分を含むことができる。
【0012】
本発明は、また、生体内において骨折部位の骨接合を助けるための生適合性のある一時的な支持構造体にも関し、該支持構造体は、ポリマーマトリックスと、該ポリマーマトリックスを強化することのできる少なくとも1つの成分とを有し、前記支持構造体は生体内の骨に取り付けられ、該支持構造体は該生体の体温で実質的に固体であり、該体温よりも高い温度に生体内で加熱されると実質的に流体となり、該支持構造体は任意の時点で実質的に流体相にある状態として該生体から除去することができる。
【0013】
本発明は、生体内において骨折部位の骨接合を助けるための生適合性のある一時的な支持構造体に関し、該支持構造体は、ポリマーマトリックスと、該ポリマーマトリックスを強化することのできる少なくとも1つの成分とを有し、前記支持構造体は生体内の骨に取り付けられ、該支持構造体は該生体に取り付けられた時点では実質的に固体であり、エネルギーを吸収すると生体内で微粉砕された状態になり、該支持構造体は微粉砕された状態で該生体から除去することができる。
【0014】
本発明は、生体内で骨折の治癒に際して骨接合を支援する方法に更に関し、該方法は、生体の体温で実質的に固体である、該生体内の骨用の、生適合性のある一時的な支持構造体を用意する段階、該支持構造体を生体内で骨に取り付ける段階、エネルギー源を該支持構造体に与える段階、及び該支持構造体の大部分を実質的に流体相にある状態として該生体から除去する段階を含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施態様に従って、人の右側の近位大腿骨における骨折を治療するのに使用される、生適合性のある一時的な支持構造体を前から見た断面図である。
【図2】図1の更なる図面であって、やはり断面図である。
【図3】図1及び図2の更なる図面であって、やはり断面図である。
【図3a】本発明の実施態様に従って、人の右側の近位大腿骨における骨折を治療するのに使用される、生適合性のある一時的な支持構造体を前から見た図3に類似する断面図であって、特に微粉砕された状態にある支持構造体を示している。
【図4】図1、2及び3の更なる図面であって、やはり断面図である。
【図5】本発明の実施態様に従って、人の右側の上膊骨における骨折をプレート固定によって治療するのに使用される、生適合性のある一時的な支持構造体を前から見た断面図である。
【図6】本発明の実施態様に従って、人の右側の近位大腿骨における骨折を治療するのに使用される、生適合性のある一時的な支持構造体を前から見た断面図である。
【図7】本発明の実施態様に従って、人の右側の近位大腿骨における骨折を治療するのに使用される、生適合性のある一時的な支持構造体を前から見た断面図である。
【図8】図7の更なる図面であって、やはり断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好ましい態様の以下の記述は、本発明の全記載の一部であると考えられる添付の図面と共に読むことを意図している。図面は必ずしも一律の縮尺で描かれておらず、本発明のある特徴は誇張されて示されており、また、明確さと簡潔さとのために多少概略的に示されている。以下の記載において、「水平な」、「垂直な」、「上方の」、「下方の」及び「底部」等のような相対的な用語、並びにそれらの派生語(例えば、「水平に」、「上方に」、「下方に」等)は、参照している図面に記載されている、即ち示されている、向きを意味すると解釈されたい。軸方向の大きさと方向との参照(例えば、「X」方向に、「Y」軸方向に亘る長さ等)も、参照している図面に記載されている、即ち示されている、向きを意味すると解釈されたい。これらの相対的な用語は記載の便宜のために使用され、通常、特定の方向を必須とすることを意図するものではない。「外側に」に対して「内側に」、「横方向の」に対して「長手方向の」等も、相互に関するもの、又は長手方向の軸に関するもの、又は回転軸若しくは回転中心に関するものとして適宜解釈さるべきものである。「結合された」、「接続された」及び「連結された」等の取り付けや連結に係る用語は、明示の断り書きがない限り、直接的、又は間に入る構造体を介して間接的に相互に固定又は取り付けられている関係、さらに、双方が可動又は不動である取り付け状態若しくは関係を指す。
【0017】
図1を参照すると、本発明による一態様は、人骨200の骨折部位150を安定させるために使用される生適合性複合体の一時的な支持構造体100を含む。軟部組織230が骨200を取り囲んでいる。支持構造体100は骨接合支援具として使用される。ある態様においては、支持構造体100が空洞210に部分的に挿入され、複数の固定具110によって骨200に外側から部分的に固定される。空洞210は海綿骨又は骨髄に穴を開ける方法、又は他の方法で形成することができる。或いは、支持構造体100は、図5に示されているように、骨200の骨折部位150に近接して配置されたプレートであってもよい。即ち、支持構造体は、骨に接して配置されてもよいし、骨の中に配置されてもよい。これらの態様及び他の態様において、支持構造体100は複合材料から予め作られ、金属又は他の固体支持構造体の従来からの使用法及び取付法に類似する方法で、骨折領域に実質的に固体の形態で取り付けられる。
【0018】
異なる実施態様の記述においては、支持構造体100は、整形外科用器具若しくは整形外科用インプラント、内部固定具、人工装具等と様々に称されることもある。
【0019】
支持構造体100は、少なくとも一種の、外傷治療における外科用複合材料で作られており、少なくとも2つの成分を含んでいる。第一成分はポリマーマトリックスを有している。「補強材」と称されることもある第二成分が、前記ポリマーマトリックスを強化するために、及び/又は任意の時点で、例えば、熱や衝撃波のようなエネルギーを吸収するために添加される。ポリマーマトリックスを強化することができる、及び/又はエネルギーを吸収することのできる第三、第四、又はそれ以上の成分を添加することもできる。全成分は無毒性で生適合性がある。固定具110と固定具120とは同一の材料、類似の材料、又は異なる材料で作ることができる。支持構造体100が、異なる所望の性質を有する複合材料を二種以上含む態様もある。
【0020】
支持構造体100の複合材料のポリマーマトリックスは、哺乳動物、特に人などの生物に対して生体内で使用するの適している、無毒性で生適合性のあるポリマーマトリックスである。通常の周囲圧力においては、このポリマーマトリックスは、対象となる生体の通常の深部体温の大凡の範囲内の温度で実質的に固相にあると好ましい。例えば、人のような哺乳動物への挿入に適したポリマーマトリックスは、約34℃以上42℃以下の範囲内の大凡の温度で実質的に固相にある状態であるのが好ましい。或いは、そのような温度で、ポリマーマトリックス単独では固相以外の状態にあり、他の成分や添加剤を加えることによって、そのような温度で実質的に固相にある状態のポリマーマトリックスを含む複合体としてもよい。
【0021】
通常の周囲圧力においては、このポリマーマトリックスは、対象となる生体の通常の深部体温の範囲よりもほぼ高く、対象となる生体の細胞、又は上皮、結合組織、筋肉組織及び神経組織等の体組織を実質的に損傷する温度より低い温度で、実質的に流体相にあると好ましい。例えば、人に挿入するのに適したポリマーマトリックスは、約42℃よりもほぼ高く、約50℃よりもほぼ低い温度で実質的に流体相にあると好ましい。或いは、そのような温度で、ポリマーマトリックス単独では流体相以外の相にあり、他の成分や添加剤を加えることによって、そのような温度で実質的に流体相にあるポリマーマトリックスを含む複合体としてもよい。対象となる生体の細胞を実質的に損傷する温度の下限値よりも高い温度では、他の成分や添加剤の有無に関わらず、ポリマーマトリックスは実質的に流体相にある状態又は他の相にある状態であればよい。
【0022】
ここで用いられている「実質的に流体相」という用語は、実質的に流体の性質を示す多相系を含むが、このような多相系に限定されない。例えば、実質的に流体の性質を有する二相コロイド、複数の混じり合わない液相(例えば、水相と有機相)を有する多相系、そして気相と液相とを有する多相系が「実質的に流体相」にあると考えられる。さらに、固体粒子状物、薄片状物、又は他の微粒子状物を含む微粉砕状態にあるものも「実質的に流体相」にあるものとされる。
【0023】
好ましい一態様においては、ポリマーマトリックスは、約37℃より高く、人体組織を実質的に損傷する温度よりも低い温度の範囲にある温度、又はこのような範囲に亘る温度に、融点、融解相、又は融点範囲を有する。ポリマーマトリックスは、約45℃以上約50℃以下の範囲に実質的に入る温度の融点、融解相、又は融点範囲を有していると、最も好ましい。
【0024】
ポリマーマトリックスは一種以上のポリマーを含んでいてもよい。適切なポリマーとしては、本発明を制限しない例として、(1) ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ビス(2-アミノプロピルエーテル)(PPG-PEG-PPG)、(2) エチレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体(PEGMAGMA)、(3) トリレン-2,4-ジイソシアネートを末端基としたポリ(エチレンアジペート)(PEAcy)、(4) ポリ(エチレングリコール)(PEG)、(5) ポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル(PEGdme)、(6) ポリ(エチレングリコール)ジステアレート(PEGds)、(7) ポリ(プロピレンカーボネート)(PPC)、(8) ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、(9) ポリ(ビニルアセテート)(PVAc)を挙げることができる。
【0025】
ポリマーマトリックスに適した他のポリマーとしては、ポリカプロラクトン(PCL)とポリカプロラクトンポリオールを挙げることができる。
【0026】
第二成分は、ポリマーマトリックスを含む第一成分に、ポリマーマトリックスを強化するために添加される。ある態様においては、第二成分は、例えば、粘土、金属薄片又は炭素繊維、鉱物繊維若しくはグラスファイバ等の無毒性の粒子、薄片又は繊維を含んでいる。他の態様としては、第二成分はナノ構造体を含んでいる。ナノ構造体としては、例えば、ナノチューブ、ナノロッド又はナノ粒子を挙げることができる。これらのナノ構造体は、例えば、炭素、金属又は金属酸化物で作ることができる。ある態様においては、第二成分は、二酸化マンガン(MnO2)、二酸化チタン(TiO2)又はマグネシウムやアルミニウムの薄片や繊維などの低密度金属で作られたナノ構造体を含む。
【0027】
ある態様においては、第二成分はナノ粘土である。
【0028】
複合材料の第二成分がエネルギーを吸収することもできると好ましい。第二成分は、例えば、伝導、対流若しくは電磁放射によって熱などのエネルギーを吸収することができ、又は衝撃波を吸収することができる。第二成分がエネルギーを吸収するので、ポリマーマトリックスは生体内で、例えば微粉砕状態を含む実質的に流体相に転移する。ある態様においては、第二成分が熱エネルギー、即ち熱を吸収して、先に説明したように、対象となる生体の通常の深部体温よりも十分に高い温度に達すると、ポリマーマトリックスは生体内で実質的に流体相に転移する。好ましい態様においては、約45℃よりほぼ高く約50℃よりほぼ低い温度でポリマーマトリックスは実質的に流体相に至る。他の態様においては、第二成分が衝撃波を吸収し、ポリマーマトリックスが生体内で実質的に流体の性質を示す微粉砕された状態になる。このようにして、腎臓結石を粉砕するのによく使用されている体外衝撃波結石破砕術(ESWL)で用いられるのに類似する方法で、複合材料は素早く分解される。
【0029】
ある態様においては、ポリマーマトリックスをさらに強化するために、及び/又はエネルギーを吸収するその能力を増加させるために、複合材料の第一成分と第二成分とに第三成分を加える。ある態様においては、この第三成分は、粘土、金属薄片又は炭素繊維、鉱物繊維若しくはグラスファイバ等の無毒性の粒子、薄片又は繊維を含んでいる。他の態様としては、第三成分はナノ構造体を含んでいる。ナノ構造体としては、例えば、ナノチューブ、ナノロッド又はナノ粒子を挙げることができる。これらのナノ構造体は、例えば、炭素、金属又は金属酸化物で作ることができる。ある態様においては、第三成分は、二酸化マンガン(MnO2)、二酸化チタン(TiO2)又はマグネシウムやアルミニウムの薄片や繊維などの低密度金属で作られたナノ構造体を含む。
【0030】
前記第二成分と同様に、第三成分は、例えば、伝導、対流若しくは電磁放射によって熱などのエネルギーを吸収することができ、又は衝撃波を吸収することができる。第三成分がエネルギーを吸収するので、ポリマーマトリックスは生体内で、例えば微粉砕状態を含む実質的に流体相に転移する。
【0031】
第四成分、第五成分等の他の成分も、ポリマーマトリックスを強化し、及び/若しくはエネルギーを吸収するために、又は数ある望ましい性質の内のいずれかを支持構造体に与えるために加えることができる。或いは、ポリマーマトリックスへの分散を容易にするために一種以上のこれらの成分を加えてもよい。
【0032】
第二成分、ある態様においては第三以降の成分を、ポリマーマトリックスを有する第一成分に加えると、全三成分又はそれ以上の成分を含む複合材料は、実質的に固相にあると共に強度、引張強度、剛性及び/又は曲げ強さを有する。これは、例えば、チタン及びその合金、ステンレススチール、並びにコバルト−クロム合金等の整形外科で通常使用されている他の金属又は合金等の一般に使用される骨接合材料に匹敵するか、それよりも優れている。換言すれば、実質的に固相にある複合材料は骨を支持するのに十分な強度を有している。この複合材料は強度において金属に匹敵する一方で、骨の可撓性に近い物理的可撓性を有しているであろう。この既存の材料等に匹敵する強度又は機能は望ましいものであり、骨接合材料として、また、本発明によって作られて使用される生適合性支持構造体として、一時的な固定具において使用されている金属の十分な代替物となり得る。この複合材料は耐疲労性があり、ある程度の弾性があり、毒性がない。金属に比べて耐疲労性が大きいことは、骨接合用の複合材料としての適合性を向上させるために望ましい。
【0033】
ある態様においては、骨用の支持構造体を形成するのに使用される複合材料は、固相にあるものとして予め作られ、照射又は他の低温法にて殺菌されて、生体内での使用に備えられる。そのような態様において、支持構造体は、手術によって対象となる生体内の骨折部位に使用される。図1に示されているように、本発明の一態様は、軟部組織230に取り囲まれた人骨200の骨折部位150を安定化させるために使用される、生適合性複合材料の一時的な支持構造体100を含む。支持構造体100は空洞210に部分的に挿入され、固定具120によって固定され、また、複数の固定具110によって骨200に外側から部分的に固定される。
【0034】
図2を参照すると、骨折部位150が(図1の状態から)支持構造体100を除去するのに十分なほど治癒した後に、任意の時点でエネルギー300を与えることによって、支持構造体を実質的に固相にある状態から実質的に流体相にある状態(微粉砕された状態等)に転換する。骨が折れてから、例えば2ヶ月から18ヶ月のいずれかの時点で、骨折は十分に治癒するであろう。例えば、支持構造体100の複合材料によって効率的に吸収されると共に骨200や骨を取り囲んでいる軟部組織230による吸収が最小限である特定周波数又は特定波長の電磁放射線を照射することによって、エネルギー300が支持構造体100に送られる。この態様においては、支持構造体100がエネルギー300を吸収して溶解し始め、それによって実質的に流体相である状態に入って行く。支持構造体100が実質的に流体相である状態に入って行くにつれ、その外表面が、骨200内の空洞210の内表面から、そして骨200の外側にある軟部組織230の内側に形成された偽被膜215から後退して行く。固定具110及び固定具120も実質的に固相の状態から実質的に液相の状態に変換することができる。或いは、例えば、金属製又は異なる材料で作られた螺子が使用されていれば、これらの固定具は部分的に又は全体的に所定の場所に残しておいてもよい。
【0035】
ある態様においては、支持構造体100は、ポリマーマトリックスを含む第一成分と炭素のナノ構造体を含む第二成分とを有する複合材料を有している。エネルギー300が照射されると、炭素のナノ構造体がそのエネルギーを吸収し、ポリマーマトリックスが実質的に流体相である状態に転換される。実質的に流体である複合材料を除去した後、炭素繊維の一部が体内に残る場合がある。
【0036】
図3と図3aとを参照すると、エネルギー300(エネルギー300は図2に示されている)を吸収して既に実質的に流体となっている支持構造体100は、針又は注射器400を用いた吸引及び/又は排水によって、骨200内の空洞210から、そして軟部組織230内の偽被膜215によって定められる空間から除去することができる。実質的に流体となっている支持構造体100と固定具110及び120とは、例えば、針、注射器又は特別な導出具を介した吸引及び/又は排水によって除去することができる。支持構造体100と固定具110及び120とは、外科的侵入等の侵入が最小限又は全くない、迅速、低価格、低リスク、そして比較的痛みのない方法で除去することができる。支持構造対等の除去は、麻酔の使用を必要とする場合もあるし、必要としない場合もある。実質的に流体である支持構造体100の除去は、外来で、即ち外来患者への処置として行うことができる。図3aは、支持構造体100が微粉砕された状態に変換される態様を具体的に図示するために含まれている。
【0037】
図4を参照すると、支持構造体100が、骨200内の空洞210と軟部組織230における偽皮膜215によって定められた空間とから実質的に除去されているので、支持構造体100を成していた材料の内のわずかな量のみが、空洞210、固定具があった場所に残されている空洞、及び偽皮膜215によって定められる空間に残っている。実質的に流体となっている支持構造体100の最大限の量を除去するように排水と吸収とを行うことができる。偽皮膜215と空洞210とは、実質的に流体である複合材料が軟部組織230内に拡散して行くのを防ぐ、閉鎖空洞となる。実質的に全部の支持構造体100を除去する工程を支援するために、溶媒や追加的な熱を加えてもよい。
【0038】
対象となる生体から除去される複合材料の量を最大にするために、内視鏡検査及び/又は放射線検査を行ってもよい。内視鏡/放射線を用いた除去をよりよく行うために、複合材料及び/又は複合材料が有する成分の内のいずれかが、複合材料と、対象となる生体における周囲の体組織との間の差異を示すのに使用される添加剤を含んでもよい。例えば、視覚的に観察する内視鏡検査において他の体組織と対照をなす示差的な色又は特質を与えて、除去工程の最中に複合材料を容易に視別させる添加剤を複合材料が含むことができる。また、複合材料は、放射線を用いた評価の最中に視認できる造影剤を含んでもよい。
【0039】
図5を参照すると、ある態様においては、支持構造体100は、骨折部位150に近接させて配置して固定具110を介して骨200に取り付けられるプレートであってもよい。骨折部位150は支持構造体100と骨折部位固定具115とによって支持される。このような態様においては、支持構造体100は骨200に設けた空洞には挿入されない。このような態様は、例えば、人の上膊骨のある種の骨折に適している。
【0040】
図6を参照すると、ある態様においては、複合材料320を骨200の内側にある骨髄又は骨腔350に実質的に流体の形態で導入し、その後に、複合材料を実質的に固相にある状態へと硬化させて、骨折部位150に対して十分な支持を与えるようにすることもできる。針、注射器又は特別な導入出器具400を介して、複合材料320を骨髄又は骨腔350に導入することができる。他の態様にあっては、複合材料320を実質的に流体相にある状態で、針、注射器又は特別な導入出器具400を介して対象となる生体から除去することもできる。先に記載した、レイリー等(Reiley et al.)に与えられた米国特許第5,827,289号の開示されているものと共に使用することのできる装置又は方法によって、複合材料320を対象となる生体に実質的に流体の状態で導入することもできる。より詳しくは、ある態様においては、膨張させたバルーンを介して、(1) 骨に予め形成した空洞内に、又は(2) 骨の内側の骨皮質に対して海綿骨と髄とを圧縮して押し付けることによって骨の内側に空洞を形成して該空洞内に、複合材料320を導入することができる。
【0041】
図7と8とを参照すると、ある態様においては、頭部420と軸部430とを有する少なくとも1本の固定具410を用いて、支持構造体100を骨200に取り付けることができる。この固定具の頭部は、エネルギーを吸収することによって生体内で実質的に流体相にある状態に転移することのできる材料を有しており、軸部は実質的に固相にある状態のままでいる材料を有している。換言すると、この固定具の頭部の材料は軸部の材料とは異なっている。頭部の材料は、支持構造体100の複合材料と同じ、又は類似していてもよく、さらに該複合材料とは異なっていてもよい。好ましい態様においては、頭部の材料は、支持構造体100の複合材料と同じ、又は該複合材料に類似している。固定具の頭部と軸部とに異なる材料を使用することによって、軸部を実質的に固相にある状態に保ったままで、頭部を実質的に固相にある状態から実質的に流体相にある状態に変換することができる。これらの態様においては、支持構造体100が実質的に流体相にある状態に変換されるのと同時に、固定具の頭部を実質的に流体相にある状態に転移させることができ、固定具の軸部を骨200の中に残したままで、固定具と支持構造体との全流体状材料を同時に除去することができる。
【0042】
ある態様においては、各ポリマーマトリックスが異なる物理的性質を有し、そのようなポリマーマトリックスの一種を有する成分を二種以上含むように支持構造体を予め作っておくことができて有益である。例えば、エネルギーを吸収して第一の融点で溶解することによって生体内で実質的に流体相である状態に転移することのできる第一の生適合性ポリマーマトリックスと、エネルギーを吸収して前記第一の融点よりも低い第二の融点で溶解することによって生体内で実質的に流体相である状態に転移することのできる第二の生適合性ポリマーマトリックスと、前記二種の生適合性ポリマーマトリックスを強化する及び/又はエネルギーを吸収することのできる追加的な成分とを用いて、支持構造体を予め作っておくことができる。このような支持構造体は、第一の生適合性ポリマーマトリックスで作られた中心、内側又は芯部分と、比較的低い融点を有する第二の生適合性ポリマーマトリックスで作られた外方、外側又は周辺部分とを含むことができる。このような支持構造体を、図1及び6に示されているような骨折部位に対して、支持構造体の一部が骨の中の空洞に挿入されるように使用するに際して、支持構造体を骨折部位に取り付ける工程の間(除去工程に対して)にエネルギーを支持構造体に与え、中心、内側又は芯部分に影響を与えずに外方、外側又は周辺部分のポリマーマトリックスのみを柔らかくして、骨の空洞と支持構造体の外表面とをよりよく適合させることができる。
【0043】
本発明が、ここに開示され、図面に示されている特定の構造のみに限定されることが決してないことが理解さるべきである。添付の請求項は、該請求項の範囲内、又は請求項に対して均等である範囲でのあらゆる変更及び改変を包摂するように広く解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の時点でエネルギーを吸収することによって生体内で実質的に流体相にある状態に変換することのできる生適合性ポリマーマトリックスを有する第一成分を含むことを特徴とする、骨折部位の治療における外科的使用のための複合材料。
【請求項2】
前記生適合性ポリマーマトリックスを強化することのできる第二成分を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
前記生適合性ポリマーマトリックスを強化することと、前記エネルギーの吸収を増加させることの少なくとも一方を行うことのできる、少なくとも第三成分を更に含むことを特徴とする、請求項2に記載の複合材料。
【請求項4】
前記複合材料及び前記生適合性ポリマーマトリックスの少なくとも一方が、該複合材料が挿入される生体の通常の体温の範囲よりも高く、該生体の体組織を実質的に損傷する温度より低い温度の融点を有していることを特徴とする、請求項1に記載の複合材料。
【請求項5】
前記複合材料及び前記生適合性ポリマーマトリックスの少なくとも一方が、実質的に約42℃〜約50℃の範囲内の温度の融点を有することを特徴とする、請求項1に記載の複合材料。
【請求項6】
前記第二成分がエネルギーを吸収し、前記第一成分の相を転換するのに該エネルギーを使用することができることを特徴とする、請求項2に記載の複合材料。
【請求項7】
前記第二成分及び前記第三成分の少なくとも一方が、粒子、薄片、繊維、粘土及びナノ構造体の少なくとも1つを有していることを特徴とする、請求項3に記載の複合材料。
【請求項8】
前記ナノ構造体が、ナノチューブ、ナノロッド又はナノ粒子よりなる群から選択される少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項4に記載の複合材料。
【請求項9】
前記ナノ構造体がカーボンナノ構造体を有することを特徴とする、請求項7に記載の複合材料。
【請求項10】
前記ナノ構造体が金属酸化物を含むことを特徴とする、請求項7に記載の複合材料。
【請求項11】
前記金属酸化物が、MnO2及びTiO2の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項10に記載の複合材料。
【請求項12】
前記ナノ構造体が低密度金属を含むことを特徴とする、請求項7に記載の複合材料。
【請求項13】
前記ナノ構造体が、マグネシウム及びアルミニウムの少なくとも1つの薄片を含むことを特徴とする、請求項12に記載の複合材料。
【請求項14】
実質的に固相の状態にある前記複合材料が骨を支持するのに十分な強度を有することを特徴とする、請求項1に記載の複合材料。
【請求項15】
前記生適合性ポリマーマトリックスが、(1) ポリ(プロピレングリコール)-ブロック-ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(プロピレングリコール)-ビス(2-アミノプロピルエーテル)、(2) エチレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、(3) トリレン-2,4-ジイソシアネートを末端基としたポリ(エチレンアジペート)、(4) ポリ(エチレングリコール)、(5) ポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル(6) ポリ(エチレングリコール)ジステアレート、(7) ポリ(プロピレンカーボネート)、(8) ポリ(エチレンオキシド)、及び(9) ポリ(ビニルアセテート)の少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項1に記載の複合材料。
【請求項16】
請求項1に記載の材料を有することを特徴とする、生体の骨用の支持構造体。
【請求項17】
頭部と軸部とを有し、
該頭部が、エネルギーを吸収することによって生体内で実質的に流体相にある状態に転移することのできる材料を有する
ことを特徴とする、請求項16に記載の支持構造体を骨に取り付けるのに使用される固定具。
【請求項18】
前記ナノ構造体がナノ粘土を有することを特徴とする、請求項7に記載の複合材料。
【請求項19】
前記生適合性ポリマーマトリックスが、(1) ポリカプロラクトンと(2) ポリカプロラクトンポリオールとの少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項1に記載の複合材料。
【請求項20】
前記生適合性ポリマーマトリックスが、ポリカプロラクトン及びポリカプロラクトンポリオールを有することを特徴とする、請求項1に記載の複合材料。
【請求項21】
前記生適合性ポリマーマトリックスが、(1) ポリカプロラクトンと(2) ポリカプロラクトンポリオールとの少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項18に記載の複合材料。
【請求項22】
前記生適合性ポリマーマトリックスが、ポリカプロラクトン及びポリカプロラクトンポリオールを有することを特徴とする、請求項18に記載の複合材料。
【請求項23】
ポリマーマトリックスと、
該ポリマーマトリックスを強化することのできる少なくとも1つの成分と
を有する、生体における骨折部位の骨接合を支援するための、生適合性のある一時的な支持構造体であって、
該支持構造体が生体における骨に取り付けられ、
該支持構造体は、該生体の体温で実質液に固体であり、生体内で該生体の体温を超える温度に加熱されたときに実質的に流体であり、
該支持構造体は、実質的に流体相にある状態で、前記生体から除去可能である
ことを特徴とする支持構造体。
【請求項24】
前記生体が哺乳類であり、前記体温が約34℃〜約42℃の範囲内の温度であることを特徴とする、請求項23に記載の支持構造体。
【請求項25】
前記哺乳類が人であることを特徴とする、請求項24に記載の支持構造体。
【請求項26】
前記骨が空洞を有しており、前記支持構造体が該空洞内に挿入可能な部分を有していることを特徴とする、請求項23に記載の支持構造体。
【請求項27】
前記ポリマーマトリックスを強化することのできる前記少なくとも1つの成分がナノ粘土であることを特徴とする、請求項26に記載の支持構造体。
【請求項28】
前記ポリマーマトリックスが、(1) ポリカプロラクトンと(2) ポリカプロラクトンポリオールとの少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項23に記載の支持構造体。
【請求項29】
前記ポリマーマトリックスが、ポリカプロラクトン及びポリカプロラクトンポリオールを有することを特徴とする、請求項23に記載の複合材料。
【請求項30】
前記ポリマーマトリックスが、(1) ポリカプロラクトンと(2) ポリカプロラクトンポリオールとの少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項27に記載の支持構造体。
【請求項31】
前記ポリマーマトリックスが、ポリカプロラクトン及びポリカプロラクトンポリオールを有することを特徴とする、請求項27に記載の支持構造体。
【請求項32】
ポリマーマトリックスと、
該ポリマーマトリックスを強化することのできる少なくとも1つの成分と
を有する、生体における骨折部位の骨接合を支援するための、生適合性のある一時的な支持構造体であって、
該支持構造体が生体における骨に取り付けられ、
該支持構造体は、該生体に取り付けられたときには実質的に固体であり、該支持構造体は、エネルギーを吸収することによって生体内で微粉砕された状態に変換可能であり、
該支持構造体は前記生体から除去可能である
ことを特徴とする支持構造体。
【請求項33】
衝撃波を吸収することによって、前記支持構造体が生体内で微粉砕された状態に変換可能であることを特徴とする、請求項32に記載の生適合性のある一時的な支持構造体。
【請求項34】
前記ポリマーマトリックスを強化することのできる前記少なくとも1つの成分がナノ粘土であることを特徴とする、請求項33に記載の生適合性のある一時的な支持構造体。
【請求項35】
前記ポリマーマトリックスが、(1) ポリカプロラクトンと(2) ポリカプロラクトンポリオールとの少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項32に記載の生適合性のある一時的な支持構造体。
【請求項36】
前記ポリマーマトリックスが、ポリカプロラクトン及びポリカプロラクトンポリオールを有することを特徴とする、請求項32に記載の生適合性のある一時的な支持構造体。
【請求項37】
前記ポリマーマトリックスが、(1) ポリカプロラクトンと(2) ポリカプロラクトンポリオールとの少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項34に記載の生適合性のある一時的な支持構造体。
【請求項38】
前記ポリマーマトリックスが、ポリカプロラクトン及びポリカプロラクトンポリオールを有することを特徴とする、請求項34に記載の生適合性のある一時的な支持構造体。
【請求項39】
(a) 生体の体温で実質的に固体である、該生体内の骨用の、生適合性のある一時的な支持構造体を用意する段階、
(b) 該支持構造体を生体内で骨に取り付ける段階、
(c) エネルギー源を該支持構造体に与える段階、及び
(d) 該支持構造体の大部分を実質的に流体相にある状態として該生体から除去する段階
を有することを特徴とする、生体内での骨折部位の治癒における骨接合を支援する方法。
【請求項40】
前記段階(c) が、前記エネルギー源を与えて、生体内で前記支持構造体を溶解又は微粉砕することを含むことを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記除去段階が最小限の侵入を伴うことを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記除去段階が、排水と吸引との少なくとも一方を伴うことを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記除去段階が、注射器と導出具との少なくとも1つを伴うことを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記除去段階が外来で行われることを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記支持構造体が、前記骨に接して配置されるか、前記骨の中に配置されるかの少なくとも一方であることを特徴とする、請求項39に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−519594(P2011−519594A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505617(P2011−505617)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【国際出願番号】PCT/IB2009/005808
【国際公開番号】WO2009/130607
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(510279011)
【氏名又は名称原語表記】EFSKIND, Lasse, Daniel
【住所又は居所原語表記】Arvid Andresensvei 12, N−1349 Nesbru, Norway
【出願人】(510279022)
【氏名又は名称原語表記】IDSOE, Tore, Etholm
【住所又は居所原語表記】Hogdavn 41, N−1397 Nesoya, Norway
【Fターム(参考)】