説明

外壁の補修方法

【課題】本発明は、煩雑な作業を行うことなく簡単に外壁の補修を行うことができる外壁の補修方法を提供する。
【解決手段】 本発明の外壁の補修方法は、タイル貼りした外壁のタイル間に形成された目地、又は、外壁のシーリング材に、粘度が10000mPa・s以下の液状の有機重合体を塗布することを特徴とするので、目地やシーリング材上に有機重合体を塗布するといった作業だけで、シーリング材や、目地から露出した接着剤などの有機材料の表面に有機重合体による塗膜を形成し被覆することによって外壁の強度及び意匠性を向上させて外壁を将来の長期間に亘って継続的に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外壁の補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、住宅の外壁は、窯業系サイディング材や金属製サイディング材の目地にシーリング材を施工して目地の変形追従性を向上させ、防水機能を高めたものや、サイディング材上にタイルや石材を有機系接着剤やモルタルを用いて貼着して、外壁材の耐久性及び意匠性を更に高めた外壁の需要が増加しつつある。
【0003】
このような外壁の構成する材料としては、サイディング材などの下地材は、無機系又は金属系の材料であり、タイルや石材は無機系の材料となるため、耐久性としては半永久的に使用可能なのに対して、シーリング材や有機系接着剤は経年で劣化を生じ、有機材料の強度や意匠性が低下することがあった。
【0004】
又、タイルや石材をサイディング材上に貼着するためにモルタルを使用した場合は、モルタルがサイディング材の変形に追従できずにひび割れを生じ、このひび割れを通じて雨水が外壁駆体まで進入する虞れがあった。
【0005】
そこで、上記問題点を解決するために、例えば、特許文献1では、外壁に貼付されたタイル及び目地を除去した後に下地処理とタイル貼りを行うタイル外壁の補修方法が開示され、特許文献2では、シーリング材を除去する器具及び外壁目地を補修する方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、上記外壁の補修方法では、何れも外壁の目地に充填されているシーリング材を一旦除去し、改めて有機系・無機系材料を用いて施工し直す必要があり、非常に煩雑な作業を行う必要があったために工期が長くコストが高いなどの問題点があった。
【0007】
【特許文献1】特開2006−274709号公報
【特許文献2】特開2008−95347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、煩雑な作業を行うことなく簡単に外壁の補修を行うことができる外壁の補修方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の外壁の補修方法は、タイル貼りした外壁のタイル間に形成された目地、又は、外壁のシーリング材に、粘度が10000mPa・s以下の液状の有機重合体を塗布することを特徴とする
【0010】
上記外壁としては、例えば、窯業系サイディングボード、石膏ボード、軽量発泡コンクリート、合板、木質ボード、各種塗装鋼板、各種めっき鋼板、アルミ板、発泡プラスチックボードなどの下地材を所定間隔毎に配設し、下地材間の隙間には下地材の変形に追従し内部に水が進入するのを防止するためにシーリング材が充填されており、下地材の屋外側表面に塗装などの表面処理を施したものが挙げられる。
【0011】
更に、外壁としては、外壁の意匠性を向上させるために、屋外側表面にタイルを貼着一体化させてなる外壁も挙げられ、これら外壁は、戸建て住宅、集合住宅、マンション、商業施設などにおいて多く用いられている。なお、タイルとは、外壁に張る小片状の薄片をいい、陶磁器製以外に石材製であってもよく材質は問わない。
【0012】
そして、上記シーリング材としては、従来公知のものが用いられ、例えば、1液又は23液のウレタン系又は変性シリコーン系シーリング材などが挙げられる。更に、屋外側表面にタイルを貼着一体化させてなる外壁は、下地材の屋外側表面に、変性シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤などの有機系接着剤や、モルタルなどの無機系材料などを全面的に塗布した上で、この接着剤やモルタル上にタイルを貼着一体化させることによって得ることができる。そして、隣接するタイル間に形成された目地から接着剤やモルタルを露出させている。
【0013】
このようにして構築された外壁は経時的に雨風や太陽光に照射され、有機材料からなるシーリング材や有機系接着剤が劣化し、外壁の強度や意匠性が低下する。本発明では、このように経時的に劣化したシーリング材やタイルの目地から露出した有機系接着剤上に、特定の粘度を有する有機重合体を塗布することによって、シーリング材や目地を補修して外壁の強度や意匠性を向上させて長期間に亘って使用可能にすることを目的としている。
【0014】
有機重合体は、液体状であって粘度が10000mPa・s以下であり、空気中の水分や二液混合による化学反応によって硬化して塗膜を形成するものであり、加水分解性シリル基を含有する重合体、ウレタンプレポリマーが好ましい。なお、本発明において、「液体状」とは、一定の形状と体積とを有する、所謂「固体」の状態と、一定の形と体積とを持たず自由に流動し圧力の増減で体積が容易に変化する、所謂「気体」の状態とを除いた状態をいい、一定の体積を有するが一定の形状を持たない状態の他、一定の体積及び形状を有するが押圧力によって容易に変形できる状態も含まれる。
【0015】
有機重合体の粘度は、高いと、シーリング材や、タイル間に形成された目地から露出した接着剤への染み込みが少なくなり、シーリング材やタイル間の目地から露出した接着剤の強度や意匠性の向上を図ることができないので、10000mPa・s以下に限定されるが、低すぎると、シーリング材や、タイル間に形成された目地から露出した接着剤への染み込みが多くなり過ぎて、シーリング材や接着剤の表面に残存する有機重合体が少なくなり、シーリング材及びタイル間の目地から露出した接着剤の強度や意匠性の向上を図ることができず、或いは、シーリング材や接着剤表面に塗布する際に垂れを生じて周囲を汚染することがあるので、23℃において10〜5000mPa・sが好ましい。なお、有機重合体の粘度は、JIS K7117に準拠して測定されたものをいう。後述するが、有機重合体が溶剤を含有している場合には、有機重合体の粘度とは、溶剤を含有した状態での有機重合体の粘度をいう。
【0016】
加水分解性シリル基を有する重合体としては、分子内に加水分解性シリル基を有していれば、特に限定されず、ビニル系重合体やポリエーテル系重合体などの鎖状重合体に側鎖として加水分解性シリル基が結合した重合体が挙げられ、ビニル系重合体に側鎖として加水分解性シリル基が結合してなる重合体が好ましく、ビニル系重合体に側鎖として加水分解性シリル基が結合してなる重合体を5重量%以上含有していることがより好ましく、ビニル系重合体に側鎖として加水分解性シリル基が結合してなる重合体を15〜100重量%含有していることが特に好ましい。なお、加水分解性シリル基を有する重合体は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0017】
加水分解性シリル基とは、珪素原子に1〜3個のアルコキシ基が結合した官能基であり、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などが挙げられる。
【0018】
加水分解性シリル基としては、例えば、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基などのジメトキシシリル基、メトキシジメトキシシリル基、エトキシジメチルシリル基などの単官能の加水分解性シリル基などが挙げられる。なお、加水分解性シリル基を有する重合体は、一種の加水分解性シリル基のみを含有していても二種以上の加水分解性シリル基を含有していてもよい。
【0019】
ビニル系重合体とはビニルモノマーを重合して得られる重合体であり、ビニル系重合体としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテルなどを挙げることができる。なお、(メタ)アクリレートは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
【0020】
又、ポリエーテル系重合体とは、主鎖が一般式−(R−O)n−(式中、Rは炭素数が1〜4のアルキレン基を示す。)で表される繰り返し単位を含有する重合体をいい、例えば、主鎖が上記一般式−(R−O)n−で表される繰返し単位を含有する重合体、主鎖が上記一般式−(R−O)n−で表される繰返し単位と、(メタ)アクリレートを重合してなるブロック部とを有する重合体などが挙げられる。
【0021】
なお、鎖状重合体への加水分解性シリル基の導入方法としては、公知の方法が適宜用いられ、具体的には、加水分解性シリル基を持つ重合開始剤を用いて重合する方法、加水分解性シリル基を持つ連鎖移動剤を用いて重合する方法、加水分解性シリル基を持つ共重合性モノマーを用いる方法による重合と同時にシリル基を導入する方法などが挙げられる。
【0022】
又、上記ウレタンプレポリマーとは、有機ポリオール化合物と有機イソシアネート化合物とを反応させて得られ且つ少なくとも分子両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーをいう。
【0023】
有機ポリオール化合物としては、分子中に水酸基を2個以上有するものであれば、特に限定されず、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアルキレンポリオール及びポリカーボネートなどが挙げられる。より具体的には、上記ポリエステルポリオールとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタル酸 2,6−ナフタル酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等のジカルボン酸などの多価カルボン酸と、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオールなどのポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールや、これ以外にε−カプロラクタムを開環重合して得られるポリ−ε−カプロラクトンポリオールが挙げられる。
【0024】
上記ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールの他に、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなどのランダム共重合体、ブロック共重合体や、ビスフェノールAのポリオキシアルキレン変性体などが挙げられる。
【0025】
上記ポリアルキレンポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオールなどが挙げられ、上記ポリカーボネートポリオールとしては、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール、ポリシクロヘキサンジメチレンカーボネートポリオールなどが挙げられる。上述したこれらのポリオールは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。これらのポリオールの中でも、作業性、コストなどを考慮するとポリエーテルポリオールが好ましく、ポリプロピレングリコールがより好ましい。
【0026】
そして、有機イソシアネート化合物としては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げられ、具体的には例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステルなどの脂肪族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートなどの有機ジイソシアネートが挙げられる。
【0027】
又、有機イソシアネート化合物としては、上記有機ジイソシアネートのアダクト変性体、ビュレット変性体、イソシアヌレート変性体、ウレトンイミン変性体、ウレトジオン変性体、カルボジイミド変性体などのいわゆる変性イソシアネートを用いることができ、更に、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、クルードトルエンポリイソシアネートなどのような、所謂、ポリメリック体といわれるポリイソシアネートも用いることができる。又、有機重合体の粘度や物性を調整するために、分子中に1個のイソシアネート基を有するモノイソシアネート化合物を用いても良い。
【0028】
そして、有機ポリオール化合物と有機イソシアネート化合物とをイソシアネート基の総量と水酸基の総量とのモル比(イソシアネート基の総量/水酸基の総量)が好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2〜2.5となるように反応させてウレタンプレポリマーを得ることができる。
【0029】
有機ポリオール化合物と有機イソシアネート化合物とを反応させるにあたって、イソシアネート基の総量と水酸基の総量とのモル比(イソシアネート基の総量/水酸基の総量)が小さいと、有機重合体から得られる塗膜の架橋密度が低いために、シーリング材やタイル間に形成された目地から露出した接着剤の強度を向上させることができないことがあり、大きいと、湿気硬化反応過程で発生する炭酸ガスが原因となって意匠性の問題が発生しやすくなることがある。
【0030】
そして、有機重合体に溶剤を含有させていてもよい。有機重合体中における溶剤の含有量は、多いと、目地又はシーリング材を充分に被覆することができず、シーリング材及びタイル間の目地から露出した接着剤の強度や意匠性の向上を図ることができないことがあるので、85重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ましく、9〜80重量%が特に好ましい。
【0031】
溶剤としては、特に限定されず、例えば、n−ヘキサン、n−ペンタン、パラフィン、ミネラルスピリットなどの脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、これらのハロゲン置換化合物などが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0032】
なお、有機重合体には、その物性を損なわない範囲内において、引っ張り物性などを改善する物性調整剤、湿気硬化反応促進触媒、脱水剤、充填剤、可塑剤、タレ防止剤、着色剤、難燃剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、HALS、香料、シランカップリング剤、艶消し剤などの各種添加剤を含有させていてもよい。
【0033】
又、有機重合体は、貯蔵安定性を高めるため二液混合型でもよい。加水分解性シリル基を含有する重合体の場合、加水分解性シリル基を含有する重合体と、この重合体の加水分解性シリル基と反応し得る硬化剤とからなり、使用前に、加水分解性シリル基を含有する重合体と硬化剤とを混合させて用いるものが挙げられる。ウレタンプレポリマーの場合、有機ポリオール化合物と有機イソシアネート化合物とからなり、有機ポリオール化合物と有機イソシアネート化合物とを使用前に混合させて用いるものが挙げられる。
【0034】
そして、タイル貼りした外壁のタイル間に形成された目地、又は、外壁のシーリング材に上記有機重合体を塗布し硬化させることによって、シーリング材や、目地から露出した接着剤などの有機材料の表面に塗膜を形成し被覆することによって、劣化したシーリング材や有機材料を補修して外壁の強度及び意匠性を向上させて将来に亘って使用を継続することができる。
【0035】
タイル貼りした外壁のタイル間に形成された目地、又は、外壁のシーリング材に有機重合体を塗布する要領としては、特に限定されないが、図1に示した塗布具を用いることによって、外壁の所望箇所に有機重合体を円滑に且つ美麗に塗布することができる。
【0036】
図1の塗布具Aは、内部に有機重合体を収納可能な収納空間部を有する円柱状の軟質な収納部1と、この収納部1に着脱自在に取り付けられ且つ収納部1内に連通した一定長さを有する円筒状の筒部2とから構成されている。なお、収納部1内にはL字状の供給管11が配設されており、供給管11の下端開口部を収納部1内の内底面から僅かに上方に位置させ且つ供給管11の上端を収納部1の上端部に貫通させて上端開口部を収納部1の上端部外周面から突出、開口させており、この供給管11の突出端部に筒部2を着脱自在に取り付け可能に構成している。
【0037】
そして、塗布具Aの収納部1の収納空間部内に有機重合体を収納した後、塗布具Aの筒部2の先端開口部を有機重合体を塗布しようとする所望部分上に臨ませた状態とした上で、収納部1を押圧することによって収納部1内の有機重合体を収納部1の収納空間部内から押出し、筒部2内を通じて筒部2の先端開口部から有機重合体を吐出させて外壁の所望部分に有機重合体を円滑に塗布することができる。
【0038】
又、図2及び図3に示したように、塗布具Aの筒部2の先端開口部に刷毛3を一体的に設けたものであってもよい。このように塗布具Aの筒部2の先端開口部に刷毛3を設けることによって、外壁上に塗布した有機重合体をならして外壁の所望部分に均一に塗布することができる。なお、刷毛3の材質は、特に限定されず、例えば、馬毛、人毛、市販されている工業繊維、天然繊維などが挙げられる。
【0039】
更に、図4及び図5に示したように、筒部2としては、一定の長さを有する外筒21と、この外筒21内に一体的に配設された内筒22とを備え、外筒21及び内筒22の先端開口部間に刷毛3の基端部を挟持、固定させることによって、内外筒21、22の先端開口部に刷毛3を一体的に設け、更に、内筒22の先端部を外筒21の先端開口部から突出させているものであってもよい。
【0040】
なお、外筒21及び内筒22の先端開口部間に刷毛3の基端部を挟持、固定させるにあたっては、図4及び図5に示したように、外筒21を偏平な状態に変形させて外筒21と内筒22との対向面間に刷毛3の基端部を挟持させ、必要に応じて、接着剤を用いて刷毛3の基端部を内筒22の先端外周面及び外筒21の先端内周面に固着させる方法が挙げられる。
【0041】
塗布具Aの筒部2を上述のように構成することによって、タイル貼りした外壁のタイル間に形成された目地、又は、外壁のシーリング材に内筒22を接触させた状態で有機重合体を供給することができ、有機重合体を所望量だけ所望箇所に供給することができ好ましい。
【0042】
タイル貼りした外壁のタイル間に形成された目地、又は、外壁のシーリング材に塗布する有機重合体の量は、少ないと、シーリング材や、目地から露出した接着剤などの有機材料の表面に塗膜を形成し充分に被覆することができないことがあるので、10g/m2以上が好ましく、15〜500g/m2がより好ましい。なお、有機重合体に溶剤が含有されている場合、上記有機重合体の量とは溶剤を蒸発、除去させた後の重量をいう。
【発明の効果】
【0043】
本発明の外壁の補修方法は、タイル貼りした外壁のタイル間に形成された目地、又は、外壁のシーリング材に、粘度が10000mPa・s以下の液状の有機重合体を塗布することを特徴とするので、目地やシーリング材上に有機重合体を塗布するといった作業だけで、シーリング材や目地から露出した接着剤などの有機材料の表面に有機重合体による塗膜を形成し有機材料を被覆することによって外壁の強度及び意匠性を向上させて外壁を将来の長期間に亘って継続的に使用することができる。
【0044】
又、上記外壁の補修方法において、有機重合体が加水分解性シリル基を含有する重合体又はウレタンプレポリマーを含む場合には、これら重合体やプレポリマーが空気中の水分によって円滑に硬化して強固な塗膜を形成し、シーリング材や目地から露出した接着剤などの有機材料の表面を塗膜によって被覆して外壁の強度及び意匠性を更に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0046】
(実施例1)
加熱、冷却装置及び減圧ライン、窒素ライン付きミキサーに、加水分解性シリル基を含有する重合体(東亞合成社製 商品名「アルフォンUS−6110」)100重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名「チヌビン327」)2重量部及びヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名「チヌビン765」)2重量部からなる混合物を供給して減圧下にて混合しながら110℃まで昇温し、110℃で2時間に亘って加熱脱水処理を行った。
【0047】
次に、混合物を減圧下で混合しながら30℃まで冷却し、窒素で減圧開放した後に脱水剤(チッソ社製 商品名「S−210」)2重量部、シランカップリング剤(チッソ社製 商品名「S−320」)2重量部及び硬化触媒(三共有機合成社製 商品名「CS−1」)2重量部を混合物中に添加した。しかる後、混合物を窒素雰囲気下で60分間に亘って混合した後に減圧脱泡して、液状の有機重合体を得た。
【0048】
(実施例2)
加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部の代わりに、加水分解性シリル基を含有する重合体(東亞合成社製 商品名「アルフォンUS−6110」)50重量部、及び、加水分解性シリル基を含有する重合体(カネカ社製 商品名「S−303」)50重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして液状の有機重合体を得た。
【0049】
(実施例3)
加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部の代わりに、加水分解性シリル基を含有する重合体(東亞合成社製 商品名「アルフォンUS−6110」)75重量部、及び、加水分解性シリル基を含有する重合体(カネカ社製 商品名「S−303」)25重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして液状の有機重合体を得た。
【0050】
(実施例4)
加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部の代わりに、加水分解性シリル基を含有する重合体(東亞合成社製 商品名「アルフォンUS−6110」)90重量部、及び、加水分解性シリル基を含有する重合体(カネカ社製 商品名「S−303」)10重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして液状の有機重合体を得た。
【0051】
(実施例5)
加水分解性シリル基を含有する重合体100重量部の代わりに、加水分解性シリル基を含有する重合体(東亞合成社製 商品名「アルフォンUS−6110」)90重量部、及び、加水分解性シリル基を含有する重合体(カネカ社製 商品名「MA440」)10重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして液状の有機重合体を得た。
【0052】
(実施例6)
加熱、冷却装置及び減圧ライン、窒素ライン付きミキサーに、ポリプロピレングリコール(AGC旭硝子社製 商品名「エクセノール3020」)100重量部及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名「チヌビン327」)2重量部からなる混合物を供給して減圧下で混合しながら120℃まで昇温し、120℃で2時間に亘って加熱脱水処理を行った。
【0053】
次に、混合物を減圧下で混合しながら80℃まで冷却し窒素で減圧開放した後に、混合物に4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(住化バイエルウレタン社製 商品名「スミジュール44S」)16.1重量部を添加し、混合物を窒素雰囲気下で3時間に亘って混合した後に減圧脱泡して、液状の有機重合体を得た。
【0054】
(実施例7)
加熱、冷却装置及び減圧ライン、窒素ライン付きミキサーに、加水分解性シリル基を含有する重合体(東亞合成社製 商品名「アルフォンUS−6110」)75重量部、加水分解性シリル基を含有する重合体(カネカ社製 商品名「S−303」)25重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ)社製 商品名「チヌビン327」)2重量部及びヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名「チヌビン765」)2重量部からなる混合物を供給し、混合物を減圧下で混合しながら110℃まで昇温し、110℃で2時間に亘って加熱脱水処理を行った。
【0055】
次に、混合物を減圧下で混合しながら30℃まで冷却し窒素で減圧開放した後に、混合物に脱水剤(チッソ社製 商品名「S−210」)2重量部、シランカップリング剤(チッソ社製 商品名「S−320」)2重量部、硬化触媒(三共有機合成社製 商品名「CS−1」)2重量部及び溶剤として脱水エタノール(和光純薬工業社製、水分50ppm以下)10重量部を供給した。しかる後、混合物を窒素雰囲気下で60分間に亘って混合し減圧脱泡して、液状の有機重合体を得た。
【0056】
(実施例8)
脱水エタノールを10重量部の代わりに30重量としたこと以外は実施例7と同様にして、液状の有機重合体を得た。
【0057】
(実施例9)
脱水エタノールを10重量部の代わりに50重量としたこと以外は実施例7と同様にして、液状の有機重合体を得た。
【0058】
(実施例10)
脱水エタノールを10重量部の代わりに100重量としたこと以外は実施例7と同様にして、液状の有機重合体を得た。
【0059】
(実施例11)
脱水エタノールを10重量部の代わりに400重量としたこと以外は実施例7と同様にして、液状の有機重合体を得た。
【0060】
(比較例1)
加水分解性シリル基を含有する重合体として、加水分解性シリル基を含有する重合体(カネカ社製 商品名「S−303」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして液状の有機重合体を得た。
【0061】
(比較例2)
加水分解性シリル基を含有する重合体として、加水分解性シリル基を含有する重合体(カネカ社製 商品名「MA440」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして液状の有機重合体を得た。
【0062】
〔シーリング材の試作〕
加熱、冷却装置及び減圧ライン、窒素ライン付きミキサーに、加水分解性シリル基を有する重合体(カネカ社製 商品名「S−203」)100重量部、炭酸カルシウム(白石カルシウム社製 商品名「ホワイトンP30」)110重量部、炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製 商品名「カルファイン200M」)70重量部、酸化チタン(石原産業社製 商品名「CR−90」)20重量部、カーボンブラック(三菱化学社製 商品名「#45」)2重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名「チヌビン327」)2重量部及びヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名「チヌビン765」)2重量部からなる混合物を供給して減圧下で均一になるまで混練した。
【0063】
次に、混合物に可塑剤としてフタル酸ジイソノニル(ジェイ・プラス社製 商品名「DINP」)50重量部を供給して減圧下で均一になるまで混練した後、混合物を110℃まで昇温して、110℃で2時間に亘って加熱脱水処理を行った。
【0064】
しかる後、混合物を減圧下で混合しながら30℃まで冷却し窒素で減圧開放した後に、混合物に脱水剤(チッソ社製 商品名「S−210」)2重量部、シランカップリング剤(チッソ(チッソ社製 商品名「S−320」)2重量部及び硬化触媒(三共有機合成社製 商品名「SCAT−31A」)2重量部を供給し、しかる後、混合物を窒素雰囲気下で60分間に亘って混合し減圧脱泡して灰色のシーリング材を得た。
【0065】
〔有機系接着剤の試作〕
加熱、冷却装置及び減圧ライン、窒素ライン付きミキサーに、加水分解性シリル基を有する重合体(カネカ社製 商品名「S−203」)100重量部、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製 商品名「エピコート828」)10重量部、炭酸カルシウム(白石カルシウム社製 商品名「ホワイトンP30」)110重量部、炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製 商品名「カルファイン200M」)70重量部、酸化チタン(石原産業社製 商品名「CR−90」)20重量部、カーボンブラック(三菱化学社製 商品名「#45」)2重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名「チヌビン327」)2重量部及びヒンダードアミン系光安定剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名「チヌビン765」)2重量部からなる混合物を供給して減圧下で均一になるまで混練した。
【0066】
次に、混合物に、可塑剤としてフタル酸ジイソノニル(ジェイ・プラス社製)50重量部を添加して減圧下で均一になるまで混練した後に110℃まで昇温し、110℃で2時間に亘って加熱脱水処理を行った。
【0067】
しかる後、混合物を減圧下で混合しながら30℃まで冷却し窒素で減圧開放した後に、混合物に脱水剤(チッソ社製 商品名「S−210」)2重量部、シランカップリング剤(チッソ社製 商品名「S−510」)2重量部、硬化触媒(三共有機合成社製 商品名「SCAT−31A」)2重量部及び硬化触媒(チッソ社製 商品名「S−340」)5重量部を供給した後に窒素雰囲気下で60分間に亘って混合し減圧脱泡して灰色の有機系接着剤を得た。
【0068】
得られた液状の有機重合体の粘度、垂れ性、作業性及び耐候性を下記の要領で測定し、その結果を表1〜4に示した。
【0069】
(粘度)
液状の有機重合体の粘度をBM型粘度計を用いて23℃における粘度を測定した。なお、液状有機重合体の粘度が10mPa・s以下になった場合は、「10mPa・s以下」と表記した。
【0070】
(垂れ性)
正面矩形状の窯業系サイディング材から構成された外壁を用意した。この外壁のサイディング材間に形成された隙間(幅10mm、長さ1m)には上述の要領で作製したシーリング材が充填されていた。
【0071】
液状の有機重合体をシーリング材上に塗布量20g/m2でもって塗布し、有機重合体の垂れの有無を下記基準に基づいて判断した。
○・・・垂れはなかった。
△・・・垂れは若干発生したが簡単に除去できた。
×・・・垂れが多量に発生した。
【0072】
(作業性)
タイル貼りされた外壁を用意した。この外壁は、厚みが12mmの窯業系サイディング材の屋外側表面に上述の有機系接着剤を全面に塗布し、この有機系接着剤上に、一辺が45mmの正方形状で且つ厚みが2mmのタイルが複数枚、上下左右方向にそれぞれ10mmの隙間を存して貼着されていた。
【0073】
タイル間に形成された目地に塗布量20g/m2でもって塗布した際に、塗布に要した時間を測定した。なお、塗布具として下記に示した三種類の塗布具を用いた。
(塗布具A)
筒部として、内径が0.5mm、外径が1.5mm、長さが100mmの円筒状のステンレス製筒部2を用いた図1に示した塗布具を用いた。
(塗布具B)
図2に示したような、内径が0.5mm、外径が11mm、長さが100mmの円筒状のステンレス製筒部2の先端開口部に馬毛を固着させた筒部を図1に示した収納部1に着脱自在に装着してなる塗布具を用いた。
(塗布具C)
図3に示したような、内径が0.5mm、外径が11mm、長さが100mmの円筒状のステンレス製外筒21内に、内径が0.5mm、外径が1.5mm、長さが110mmの円筒状のステンレス製内筒22が配設一体化されており、内外筒部21、22の先端開口部間に馬毛が固着され且つ内筒22の先端部を外筒21の先端開口部から10mmだけ突出させた筒部を図1に示した収納部1に着脱自在に装着してなる塗布具を用いた。
【0074】
(耐候性1)
スレート板(縦35mm×横20mm×厚み3mm)上に上記シーリング材を厚み1.0mmで塗布し、23℃、湿度50%RHの雰囲気下で336時間養生した。
【0075】
しかる後、シーリング材上に液状の有機重合体を塗布量20g/m2で塗布した後、23℃、湿度50%RHの雰囲気下で168時間養生した。そして、200時間、500時間、1000時間の促進劣化を行い、シーリング材表面の色調変化をΔEで算出すると共にシーリング材表面のクラック発生の有無を目視観察し、その結果を表2に示した。なお促進劣化には、アイスーパーUVテスター(岩崎電気社製 商品名「SUV−W13型」)を用い、照射強度100mW/cm2、限定波長290〜450nm、ブラックパネル温度63℃、照射距離235mm(光源と試料間)の条件下で行い、ΔEの算出には色彩色差計(コニカミノルタ社製 商品名「CR−300」)を使用した。
【0076】
比較のために、シーリング材上に液状の有機重合体を塗布しなかった場合についても同様の要領で促進劣化を行い、シーリング材の色調変化をΔEで算出すると共にシーリング材表面のクラック発生の有無を目視観察し、その結果を表2の「有機重合体塗布なし」の欄に示した。
【0077】
又、シーリング材の代わりに有機系接着剤を用いたこと以外は上記と同様の要領で有機系接着剤の色調変化をΔEで算出すると共に有機系接着剤表面のクラック発生の有無を目視観察し、その結果を表3に示した。
【0078】
比較のために、有機系接着剤上に液状の有機重合体を塗布しなかった場合についても同様の要領で促進劣化を行い、有機系接着剤の色調変化をΔEで算出すると共に有機系接着剤表面のクラック発生の有無を目視観察し、その結果を表3の「有機重合体塗布なし」の欄に示した。
【0079】
(耐候性2)
スレート板(縦35mm×横20mm×厚み3mm)上に上記有機系接着剤を0.5mmの厚みで塗布した後、23℃、湿度50%RH雰囲気下で336時間養生したものについて200時間の促進劣化を行った。
【0080】
しかる後、有機系接着剤上に、実施例1、2、10及び比較例1〜3で得られた液状の有機重合体を塗布量20g/m2でもって塗布した後、23℃、湿度50%RHの雰囲気下で168時間養生した。促進劣化前、促進劣化後及び有機重合体塗布・養生後のそれぞれについて色調変化をΔEで算出し、その結果を表4に示した。なお、有機重合体塗布・養生後は、「養生後」と略して表記した。
【0081】
又、有機重合体塗布・養生後のスレート板について、200時間、500時間、1000時間の促進劣化を行い、有機系接着剤の色調変化をΔEで算出すると共に有機系接着剤表面のクラック発生の有無を目視観察した。なお促進劣化の条件及びΔEの算出は耐候性1の場合と同様の要領で行った。
【0082】
【表1】


【表2】


【表3】


【表4】

【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】塗布具の一例を示した断面図である。
【図2】筒部の他の一例を示した斜視図である。
【図3】図2の筒部の断面図である。
【図4】筒部の他の一例を示した斜視図である。
【図5】図4の筒部の断面図である。
【符号の説明】
【0084】
1 収納部
2 筒部
21 外筒
22 内筒
A 塗布具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイル貼りした外壁のタイル間に形成された目地、又は、外壁のシーリング材に、粘度が10000mPa・s以下の液状の有機重合体を塗布することを特徴とする外壁の補修方法。
【請求項2】
有機重合体が加水分解性シリル基を含有する重合体を含むことを特徴とする請求項1に記載の外壁の補修方法。
【請求項3】
有機重合体がウレタンプレポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の外壁の補修方法。
【請求項4】
有機重合体が85重量%以下の溶剤を含有していることを特徴とする請求項1に記載の外壁の補修方法。
【請求項5】
有機重合体を収納する収納部とこの収納部内に連通した状態に接続された筒部とを備えた塗布具を用い、上記収納部内に収納した上記有機重合体を上記筒部の先端開口部から吐出させて目地又はシーリング材に塗布することを特徴とする請求項1に記載の外壁の補修方法。
【請求項6】
塗布具の筒部が、外筒とこの外筒内に配設一体化された内筒とを備え、上記内外筒の先端開口部間に刷毛を挟持させてなることを特徴とする請求項5に記載の外壁の補修方法。
【請求項7】
内筒の先端部が外筒の先端開口部から突出していることを特徴とする請求項6に記載の外壁の補修方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−31542(P2010−31542A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194464(P2008−194464)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(305044143)積水フーラー株式会社 (27)
【Fターム(参考)】