説明

外構支持用基礎部材および外構基礎部の支持構造

【課題】発泡樹脂成形体を基礎として用いる支柱(外構)基礎部の支持構造において、発泡樹脂製基礎が支柱(外構)からの水平荷重によって圧縮破壊するのを大きく低減することができるようにする。
【課題を解決するための手段】外構支持用基礎部材Aは、貫通孔35を有する発泡樹脂製基礎30と、発泡樹脂製基礎30を構成する発泡樹脂よりも硬質の材料からなり発泡樹脂製基礎30の一方の端面36に配置される第1の支持板10と、発泡樹脂製基礎30の他方の端面37に配置される第2の支持板20とを備える。支柱(外構)40の下部は、前記貫通孔35内に挿入された状態で第1の支持板10と第2の支持板20とに固定され、その状態で地盤S中に埋設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塀、フェンス、車止め支柱などの外構資材(住宅外構資材)を地盤に据え付けるための外構支持用基礎部材、および該外構支持用基礎部材を用いた外構基礎部の支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記したような外構資材を地盤に据え付けるためには、基礎として、現場打ちの鉄筋コンクリートが多く使用されている。外構据え付けの現場で、鉄筋コンクリートのための配筋やコンクリートの打設を行うのは手間が掛かることから、予め箱状に作られた鉄筋コンクリート製基礎を地盤に埋設してそこに外構資材を取り付けることが提案されている(特許文献1参照)。しかし、鉄筋コンクリート製基礎自身の重量が重いために、鉄筋コンクリート製基礎の運搬および現場での設置が容易でなく、重機を必要とするという不都合を含んでいる。
【0003】
そこで、軽量である発泡樹脂成形体を支柱基礎とする柱状構造物が提案されている(特許文献2参照)。そこでは、発泡樹脂からなる基礎に設けた支柱挿入孔へ支柱の地盤埋設部分を遊嵌状態に挿入し、支柱挿入孔内面と支柱との間に形成される間隙にモルタル、コンクリートなどの硬化性充填材を充填、硬化させるようにしており、支柱を発泡樹脂製基礎に直接支持させる場合に較べて発泡樹脂製基礎における風荷重などに対する受圧面積が増大し、発泡樹脂製基礎の単位面積あたりに作用する圧縮荷重がその分減少することから、発泡樹脂製基礎が破壊されることを防止することができる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−77336号公報
【特許文献2】特開2000−282714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載される柱状構造物は、発泡樹脂からなる基礎を用いていることから、工期が短く、運搬や施工も容易で、地盤の脆弱な場所にも良好に施工できる利点を有している。しかし、支柱に風圧力(水平荷重)が働いた場合、通常、地盤の圧縮力は発泡樹脂の圧縮力より大きいため、図7に示すように、地盤面に支柱の風圧力が伝わる前に、硬化性充填材が接する発泡樹脂面が圧縮破壊し、支柱および硬化性充填材の支持が不安定になるのを十分には回避できないという不都合を含んでいる。なお、図7において、Lは地表面、1は支柱、2は発泡樹脂からなる基礎、3は硬化充填材であり、黒く塗り潰した部分が、発泡樹脂面の圧縮破壊した部分を示している。
【0006】
本発明は、発泡樹脂成形体を基礎として用いる支柱(外構)基礎部の支持構造において、施工が容易であり低コストで施工できるという従来の利点はそのまま生かしながら、発泡樹脂成形体からなる基礎が支柱(外構)からの水平荷重によって圧縮破壊するのを大きく低減することができ、それにより、長期間にわたって外構を安定した状態で地盤に据え付けておくことができる、外構支持用基礎部材および外構基礎部の支持構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による外構支持用基礎部材は、発泡樹脂製基礎を支持部材の一部として含む外構支持用基礎部材であって、地盤に埋設される外構下部が入り込む貫通孔が一方の端面から他方の端面に亘るようにして形成されている発泡樹脂製基礎と、前記発泡樹脂製基礎を構成する発泡樹脂よりも硬質の材料からなり前記外構下部が通過できる開口と前記外構下部への固定手段を備え前記発泡樹脂製基礎の一方の端面に配置される第1の支持板と、前記発泡樹脂製基礎を構成する発泡樹脂よりも硬質の材料からなり前記外構下部への固定手段を備え前記発泡樹脂製基礎の他方の端面に配置される第2の支持板と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明による外構基礎部の支持構造は、上記の本発明による外構支持用基礎部材が、前記発泡樹脂製基礎の上端面に前記第1の支持板を下端面に前記第2の支持板を密接させた状態で地盤中に埋設されており、外構の下方部分が前記埋設された外構支持用基礎部材の前記発泡樹脂製基礎に形成した前記貫通孔内に入り込んでおり、かつ前記第1の支持板および第2の支持板に形成した固定手段によって外構支持用基礎部材に一体に固定されていることを特徴とする。
【0009】
本発明による外構基礎部の支持構造では、外構の地上部が風圧を受けたときに発生する水平方向の力(モーメント力)は、発泡樹脂製基礎に形成した貫通孔の内周面と該貫通構内に入り込んでいる外構の下部との接触面に加えて、外構に固定された前記第1の支持板と第2の支持板を介して発泡樹脂製基礎の上端面と下端面にも作用する。すなわち、発泡樹脂製基礎は、従来の支持構造の場合と比較して、外構の地上部が風圧を受けたときに発生する水平方向の力を、より広い面積で分散して受けることができる。それにより、発泡樹脂製基礎に局所的な圧縮破壊が生じるのを効果的に回避することができる。また、圧縮破壊が生じる場合でも、そのときの外構の地上部が風圧を受けることで発生する水平方向の力(モーメント力)の限界荷重も高い値となる。そのために、高い安定性を備えた外構基礎部の支持構造が構築される。
【0010】
発泡樹脂製基礎の上下の端面の面積および周囲の側壁の面積をどの程度とするかは、支持構造を構築する施工現場の状況と、当該支持構造の設計時に、支持しようとする外構の地上部が受けると想定する水平方向の力に応じて、施工現場ごとに適宜選定すればよい。
【0011】
本発明による外構基礎部の支持構造において、外構下部は、発泡樹脂製基礎の下端面よりも下方に延出していてもよい。その場合には、前記第2の支持板として、外構下部が通過できる開口を備えた形態のものが用いられる。
【0012】
本発明による外構基礎部の支持構造において、前記発泡樹脂製基礎は、一体成形品であってもよく、貫通孔の軸線方向で分割された2つ以上の分割体で構成されていてもよい。貫通孔の軸線に垂直な方向で分割された2つ以上の分割体で構成されていてもよい。施工のし易さと、外構下部への取り付けやすさを考慮して、適宜選択すればよい。もちろん、分割体で構成する場合には、接着するあるいは締め付けバンドやシートを用いる等の適宜の手段で分離しないように一体に固定することが必要となる。
【0013】
本発明による外構基礎部の支持構造において、前記発泡樹脂製基礎は周囲の側壁が平坦面であってもよく、両端面を除く外側面に凹凸が形成されていてもよい。後者の場合には、地下水位の上昇によって発泡樹脂製基礎に浮力が生じたときに、周囲の地盤との間の摩擦抵抗を大きくすることができ、支持構造が不安定になるのを回避できる。
【0014】
本発明による外構基礎部の支持構造において、発泡樹脂製基礎に形成した貫通孔の内周面と該貫通構内に入り込んでいる外構下部とは、全面で面接触していてもよく、一部で面接触していてもよく、まったく接触していなくてもよい。まったく接触していない形状の場合には、外構の地上部が風圧を受けたときに発生する水平方向の力は、第1と第2の支持板を介して、発泡樹脂製基礎の上下の端面で受けると同時に、第1と第2の支持板に挟まれた発泡樹脂製基礎が地盤内で第1と第2の支持板とともに回転しようとするときに、発泡樹脂製基礎の地盤接触面でも受けることとなる。
【0015】
外構支持用基礎部材を構成する発泡樹脂製基礎を構成する樹脂種や発泡倍率は、各施工現場において発泡樹脂製基礎に作用する最大荷重を考慮して適宜設定すればよい。樹脂種としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が例示される。型内発泡成形品でもよく押出発泡成形品でもよい。
【0016】
外構支持用基礎部材を構成する第1と第2の支持板の材料は、基本的には、前記発泡樹脂製基礎を構成する発泡樹脂よりも硬質の材料であれば任意のものを用いることができる。しかし、地盤中に長日数放置されることから、耐食性の高い材料であることはより好ましく、例として、耐食性の高いステンレス鋼板のような鋼板あるいはFRPのような強化プラスチック板などが挙げられる。
【0017】
本発明において、外構支持用基礎部材が地盤中で支持しようとする外構に制限はない。塀、フェンス、車止めなどの支柱を例示できるが、これに限らない。塀やフェンスの下部を直接外構支持用基礎部材で支持するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、施工が容易であり低コストでの施工が可能でありながら、基礎としての発泡樹脂製基礎が、支持している外構の地上部からの水平荷重によって圧縮破壊するのを大きく回避することができ、長期間にわたって外構を安定した状態で地盤に据え付けておくことのできる外構支持用基礎部材、および外構基礎部の支持構造が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による外構支持用基礎部材の一実施の形態を分解して示す図。
【図2】組み立てた状態の外構支持用基礎部材を示す図。
【図3】本発明による外構基礎部の支持構造の断面と力の分散状態を説明する図。
【図4】外構支持用基礎部材と外構下部の固定状態の2つの態様を説明する図。
【図5】外構支持用基礎部材と外構下部の固定状態のさらに2つの態様を説明する図。
【図6】本発明による外構支持用基礎部材の他の実施の形態を示す図。
【図7】発泡樹脂製基礎を基礎に持つ従来の柱状構造物の一例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施の形態に基づき本発明を説明する。
図1および図2は、本発明による外構支持用基礎部材の一例を示している。この外構支持用基礎部材Aは、第1の支持板10と、第2の支持板20と、発泡樹脂製基礎30とを備える。外構支持用基礎部材Aは、図3に示すように、地盤S中に埋設されて、外構(この例では支柱40)の下部を支持するのに用いられる。この例において、支持しようとする支柱40は鋼板製の角柱である。
【0021】
前記発泡樹脂製基礎30は、例えばポリスチレン系樹脂の発泡体で作られている。該発泡樹脂製基礎30は、同形状である第1の直方体31と第2の直方体32からなっており、対向する面には上端面から下端面に亘るようにして断面コ状の凹溝33,34が形成されている。第1の直方体31と第2の直方体32とを一体に組み合わせることで、その中央部には、断面4角形である貫通孔35(図2参照)が形成される。この例において、該貫通孔35の断面の大きさは、角柱である支柱40の断面の大きさとほぼ等しくされている。
【0022】
前記第1の支持板10は、ステンレス鋼板で作られており、前記第1の直方体31と第2の直方体32とを合体して形成される直方体状の発泡樹脂製基礎30の上端面36と同じ形状と大きさの平板11を有している。そして、該平板11の前記上端面36に形成される貫通孔35に対向する位置には、該貫通孔35と同じ形状と大きさの4角形である開口12が形成されている。該開口12の4辺にはフランジ13が立設されており、該フランジ13の対向する2片には固定用ねじ14,15が螺合されている。
【0023】
前記第2の支持板20も、同様にステンレス鋼板で作られており、前記直方体状の発泡樹脂製基礎30の下端面37と同じ形状と大きさの平板21を有し、該平板21の前記下端面37における貫通孔35に対向する位置には、フランジ23が立設されている。そして、該フランジ23の対向する2片には固定用ねじ24,25が螺合されている。
【0024】
外構支持用基礎部材Aの組み立て、および支柱40の下部への外構支持用基礎部材Aの一体化は任意の方法で行うことができる。一例として、最初に、第1の支持板10を、その開口12内に支柱40を通過させて支柱40に取り付ける。次に、第2の支持板20のフランジ23の部分に支柱40の下端部の貫通孔35内に差し込み、その後、固定用ねじ24,25を締め付けることで、第2の支持板20を支柱40の下端に固定する。
【0025】
先に取り付けた第1の支持板10と固定した第2の支持板20との間に、前記第1の直方体31と第2の直方体32とを、その凹溝33,34内で支柱40を挟み込むようにして取り付けることで、前記発泡樹脂製基礎30とする。その際に、第1の直方体31と第2の直方体32の対向する面に接着剤を塗布しておき、両者の一体化を図る。成形された発泡樹脂製基礎30を第2の支持板20の位置まで押し下げ、発泡樹脂製基礎30の下端面37と第2の支持板20とを密接させる。その後、第1の支持板10を押し下げて発泡樹脂製基礎30の上端面36と密接させ、その状態で固定用ねじ14,15を締め付けて、第1の支持板10を支柱40に固定する。
【0026】
そのようにして組み立てたものを、施工現場に掘削した穴の中に、外構支持用基礎部材Aの部分が地盤S中に埋設するようにして立設し、地表面Lまで穴を埋め戻すことで、本発明による外構基礎部の支持構造の施工が終了する。そのようにして施工された支持構造が図3に示される。
【0027】
図3に示される支柱40(外構)の基礎部の支持構造において、支柱40に風圧力が作用すると、支柱40は仮想線の方向に傾動しようとして、図7に示した場合と同様にモーメント力が生じる。発生したモーメント力の一部は、第1の支持板10を介して、発泡樹脂製基礎30の上端面36のほぼ半分の面積を下方に圧縮する方向に作用し、また、第1の支持板10の反対側の領域では地盤を上方に圧縮するように作用する。同時に、発生したモーメント力の一部は、第2の支持板20を介して、発泡樹脂製基礎30の下端面37における、前記発泡樹脂製基礎30の上端面36において圧縮応力が作用している領域面とは反対側の領域において発泡樹脂製基礎30を上方に圧縮するように作用し、また、第2の支持板20の反対側の領域では地盤を下方に圧縮するように作用する。第1の支持板10が発泡樹脂製基礎30の上端面36に与える圧縮応力と第2の支持板20が発泡樹脂製基礎30の下端面37に与える圧縮応力の大きさは、方向は反対であるがほぼ等しい。また、図3に示す例では、発泡樹脂製基礎30は、支持板10と支持板20に密着し挟み込まれ、外構支持用基礎部材A全体が回転する状態となっているので、発生したモーメント力の一部は、発泡樹脂製基礎30の地盤接触面にも作用する。
【0028】
上記のように、支柱40が傾動しようとすることにより発生するモーメント力は、第1の支持板10と発泡樹脂製基礎30の上端面36との接触面、第2の支持板20と発泡樹脂製基礎30の下端面37との接触面、および発泡樹脂製基礎30の地盤接触面に分散して発泡樹脂製基礎30に作用するので、応力の分散が図られることとなり、第1の支持板10および第2の支持板20を備えない場合と比較して、発泡樹脂製基礎30の周側面が地盤Sから受ける圧縮力は小さくなり、作用する圧縮応力によって発泡樹脂製基礎30が圧縮破壊する可能性を大きく低減することができる。
【0029】
発泡樹脂製基礎30に形成される貫通孔35の内周面と、そこに挿入される支柱40の下部との間に隙間ができるようにして、支柱40の下部に外構支持用基礎部材Aを取り付けるようにしてもよい。図4と図5はそのいくつかの例を上面図と側面図で示している。図4(a)(b)に示す例は、支柱40は角柱であるが、その外形寸法が発泡樹脂製基礎30に形成される貫通孔35の大きさよりも小さくされている。そして、図4(a)に示す例では、支柱40は、フランジ13(23)の4辺に取り付けた固定用ねじ14〜17(24〜27)によって、貫通孔35のほぼ中心位置となるようにして、外構支持用基礎部材Aに固定されている。図4(b)に示す例では、フランジ13(23)から支柱40を横断するようにして十文字状に長ナット51,52が挿入され、該長ナット51,52の他端をフランジ13(23)に取り付けた固定用ねじ14(24)、16(26)により固定することで、支柱40と外構支持用基礎部材Aに相互に固定されている。
【0030】
図5(a)(b)に示す例は、支柱40が円筒であり、その直径は発泡樹脂製基礎30に形成される貫通孔35の一辺の長さよりも小さくされている。そして、図5(a)に示す例では、支柱40は、フランジ13(23)の1辺に取り付けた固定用の長ねじ53を支柱40の円筒内に挿入することで、円筒である支柱40の外周面の一部のみが発泡樹脂製基礎30に形成される貫通孔35の内周面に接した状態で、外構支持用基礎部材Aに固定されている。図5(b)に示す例では、図4(a)に示す例と同様に、支柱40は、フランジ13(23)の4辺に取り付けた固定用ねじ14〜17(24〜27)によって、貫通孔35のほぼ中心位置となるようにして、外構支持用基礎部材Aに固定されている。
【0031】
このように、支柱40を発泡樹脂製基礎30に形成される貫通孔35と接しないか、あるいは一部のみが接するようにして外構支持用基礎部材Aに固定することにより、支持板10と支柱30の接合部に雨水が溜まっても、貫通孔35を通じて排出できるという利点が生じる。
【0032】
図6は、本発明による外構支持用基礎部材の他の形態を示している。この外構支持用基礎部材A1は、発泡樹脂製基礎30がその表面に凹凸38を有する点で前記した外構支持用基礎部材Aと相違する。このように発泡樹脂製基礎30がその表面に凹凸38を形成することにより、図3に示すようにして外構支持用基礎部材A1を地盤S中に埋設して支柱40を立設したときに、地下水位の上昇によって発泡樹脂製基礎30に浮力が生じて浮き上がろうとするのを周囲の地盤との間の摩擦抵抗を大きくすることで、防止することができる。
【0033】
なお、上記の例では、発泡樹脂製基礎30を全体として角柱状のものとして示したが、これは例示であって、外形形状は円筒や三角柱等、任意であってよい。また、全体として上広がりまたは下広がりの円錐台あるいは角錐台のような形状であってもよい。発泡樹脂製基礎30は一体成形品であってもよく、3個以上の分割体の組み合わせであってもよい。上下方向に分割したものの組み合わせであってもよい。その場合に、個々の分割体がバラバラにならないように、相互に接着剤を用いて接合するか、バンドやシートで全体を一体に固定することが必要となる。
【0034】
また、第1の支持板10と第2の支持板20の形状と大きさを、発泡樹脂製基礎30の上端面36と下端面37と同じものとして示したが、異なった形状と大きさのものであってもよい。第1の支持板10と第2の支持板20とを発泡樹脂製基礎30の上端面36および下端面37よりも大きな形状とすることで、一層安定した外構基礎部の支持構造が得られる。
【0035】
また、第2の支持板20として、開口を有しないものを示したが、第1の支持板10と同様に支柱40が通過する開口を形成したものを用いてもよい。
【符号の説明】
【0036】
A…外構支持用基礎部材、
10…第1の支持板、
20…第2の支持板、
11、21…平板、
12、22…開口、
13、23…フランジ、
14,15、24,25…固定用ねじ、
30…発泡樹脂製基礎、
31…第1の直方体、
32…第2の直方体、
33,34…凹溝、
35…貫通孔、
36…発泡樹脂製基礎の上端面、
37…発泡樹脂製基礎の下端面、
40…外構(支柱)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡樹脂製基礎を支持部材の一部として持つ外構支持用基礎部材であって、
地盤に埋設される外構下部が入り込む貫通孔が一方の端面から他方の端面に亘るようにして形成されている発泡樹脂製基礎と、
前記発泡樹脂製基礎を構成する発泡樹脂よりも硬質の材料からなり前記外構下部が通過できる開口と前記外構下部への固定手段を備え前記発泡樹脂製基礎の一方の端面に配置される第1の支持板と、
前記発泡樹脂製基礎を構成する発泡樹脂よりも硬質の材料からなり前記外構下部への固定手段を備え前記発泡樹脂製基礎の他方の端面に配置される第2の支持板と、
を備えることを特徴とする外構支持用基礎部材。
【請求項2】
前記第2の支持板は前記外構下部が通過できる開口を備えることを特徴とする請求項1に記載の外構支持用基礎部材。
【請求項3】
前記発泡樹脂製基礎は前記貫通孔の軸線方向で分割された2つ以上の分割体で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の外構支持用基礎部材。
【請求項4】
前記発泡樹脂製基礎は両端面を除く外側面に凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の外構支持用基礎部材。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の外構支持用基礎部材が、前記発泡樹脂製基礎の上端面に前記第1の支持板を下端面に前記第2の支持板を密接させた状態で地盤中に埋設されており、外構の下方部分が前記埋設された外構支持用基礎部材の前記発泡樹脂製基礎に形成した前記貫通孔内に入り込んでおり、かつ前記第1の支持板および第2の支持板に形成した固定手段によって外構支持用基礎部材に一体に固定されていることを特徴とする外構基礎部の支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−172503(P2012−172503A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38912(P2011−38912)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】