説明

外科手術に使用する装置

【課題】患者の切開部を通して密閉された環境での体内へのアクセス可能な外科手術用装置の提供。
【解決手段】患者の切開部を通して密閉された環境での体内へのアクセスを提供する外科手術用装置であって、外側リングと、当該外側リングから内側に延在し、かつ当該外側リングと共に患者への取り付け手段を構成する円筒形のダイヤフラムと、当該円筒形のダイヤフラムに取り付けられ、かつ前記取り付け手段に近接せしめて設けられた入口部シール手段とを有する外科手術用装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科手術に使用する装置、特に、患者の体に最小数の切開を設けて手術を行う最小観血外科手術において使用する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
外科医が両手を体腔内に入れられるような非常に大きな切開を行う腹部外科手術が一般的に行われている。このような手術は患者にとっては外傷となり、治癒に時間がかかる。ヘルニアの手術のような腹腔鏡による外科手術においては、外科医はトロカール(套管針)組立体を用いた最小観血技術を用いる。しかし、この技法は一般的に複雑でかつ困難であり、あまり広く使用されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
WO−A−93/05740(リトル・ラピッズ・コーポレーション)は、種々の外科手術手続きでの使用に適した外科手術用隔離装置を開示している。この装置は、患者の血、体液および汚染された洗浄液から手術者を完全に隔離して保護するとともに、手術領域へ手で接近できるようにし、内視鏡のような光学器具の使用を可能にする。この隔離装置は、流体の封じ込めの目的だけに使用でき、患者の体腔内に気体を送り込んで制御された加圧環境を作りだす最小観血外科手術では使用できない。
【0004】
また本発明は、弁、特にトロカール組立体とともに使用する弁に関する。
トロカールは、体腔に穿刺するのに使用する短い尖った器具である。体から液体を排出するために、トロカールによって形成された開口にカニューレが挿入されるであろう。トロカールは内視鏡検査にも使用することができる。トロカール組立体は米国特許第4,601,710号および4,654,030に開示されている。
【0005】
種々の器具をトロカールチューブまたはトロカール組立体に通すため、異なった直径を有する多種類のチューブと組立体が必要となる。寸法が異なる器具を単一のトロカールチューブに通すことができる弁を提供するために種々の試みがなされてきた。しかし、現在までに行われた努力には完全に成功したものはなかった。
【0006】
したがって、上記の問題を解決できる、特にトロカールチューブまたはカニューレのための改善された弁に対するニーズがある。本発明は直接的にはそのような弁に関してなされたものである。
【0007】
また、本発明は本発明による弁を組み込んだトロカールチューブまたはカニューレを提供する。
【0008】
さらに、本発明は、本発明にかかるトロカールチューブまたはカニューレ、および/または本発明にかかる弁を組み込んだトロカール組立体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は外科手術に使用するための装置を提供する。この装置は、外端部に入口開口を有するとともに内端部に患者の体に接近するための出口開口を有するスリーブを含むものであって、その特徴は、このスリーブが可撓性の気体不透過性材料を有し、出口開口に取付けられ、この出口開口を患者の体にシールして、患者の体に気体圧力密閉シールを提供する出口気体シール手段を有し、また外側入口をシールしてこの入口を通る腕の回りに圧力密閉シールを提供し、スリーブ内に制御された加圧気体環境を作りだす入口気体シール手段を設け、これにより出口開口を患者の体の切開部に隣接させて装置を患者の体に取付けることができ、外科医または医師の腕を入口開口が腕の回りで実質的に気体シールされた状態でスリーブ内に位置決めでき、装置が患者の体の内部へ通じる通路を提供して、気体によって加圧された体腔内において外科手術を行うために外科医が体の内部に到達できるようにした点にある。
【0010】
本発明の特に好ましい態様としては、スリーブは、全体として円筒形でその一端が閉じられた本体を有し、閉止された端部に隣接してスリーブの側壁に出口開口が設けられている。
【0011】
ある構成例においては、出口シール手段は、患者の体に対してシールを行うための出口回りのフランジを含むもので、体に接着するための接着剤がフランジに設けられていることが好ましい。典型的には,出口とフランジは剥がし式(ピールオフタイプ)のカバーによって覆われている。
別の構成例では、フランジは、患者の体の切開部を取り囲む取付けリングと係合している。
【0012】
入口シール手段は、外科医が腕を通す弁手段を含んでいてもよい。この弁手段は、腕を通すことができ、腕を通した時に腕をシールするのに十分な可撓性を有する材料から成ることが好ましい。
或いは、当該入口シール手段は、スリーブ入口内の第1取付具と、第2の取付具と、これらの取付具の間に延在する可撓性材料からなるシール本体とを有し、取付具の一方を他方に対して捩じり、捩じられたシール本体を通過する腕と係合させる。
【0013】
ある構成例では、シール位置において一方の取付具を他方の取付具に対して固定するための固定手段が設けられている。典型的には、この固定手段は取付具に設けられた相互係合構造を有する。
他の構成例では、第1取付具がスリーブ内においてスリーブの入口に取付けられたリングを有する。
【0014】
特に好適な構成例では、第2取付具はシール材料を取り付けるリングを有する。
本発明の一実施例では、入口シール手段は、入口に設けられた第1シール要素と、外科手術用手袋に設けられた第2シール要素とを有し、これらのシール要素が相互に係合して、入口を通して手袋が通過するときにスリーブをシールする。
【0015】
本発明の他の態様によれば、外側リングとこのリングに取り付けられた可撓性の材料から成るシールスリーブとを含む弁が提供される。シールスリーブは、リングによって形成された開口に延び、トロカールチューブまたは外科手術用器具のような部材が通る実質的に中央に配置された入口開口内で終わり、シール体は上記部材が通る時に部材とシール係合した状態を維持する。
【0016】
本発明の特に好適な態様では、シール体が実質的に砂時計形状に捩じられ、部材を通過させる中央開口を形成する。
好ましくは、リングは軸方向に対向する一対のリング部品を含み、可撓性のシールスリーブの対向する自由端が各リング部品に取付けられており、捩じりシール形状にするためにリング部品の一方が他方のリング部品に対して回転され、シール形状が作られた状態でリング部品の一方が他方のリング部品に対して固定される。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる弁には多くの利点がある。上記した特定の外科手術的応用においては、単一のトロカールを体腔に挿入し、種々の形式と寸法を有する器具をチューブを通して挿入することができる。特定の手術のために必要とされるトロカール組立体の数を減少できるであろう。また、構造と操作が簡単なため、弁およびトロカールチューブまたはカニューレを容易に消毒でき、従って再使用できる。
【0018】
本発明をトロカール組立体について使用する場合について特に記載したが、多くの異なった用途があり、従って本発明は弁をトロカールチューブ、カニューレ、またはトロカール組立体へ適用することに限定されるものでないことは理解されるであろう。
【0019】
上に述べた鍔に替えて、またはそれに加えて追加の挿入補助手段を設けてもよいことは理解されるであろう。弁の入口側において内側に延在する複数の可撓性セグメントによって追加のシールを提供してもよい。器具を挿入すると、このセグメントは前方に押され、弁と係合してこれを開き、弁を通しての通過を容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
添付図面において、図1〜図7には、本発明にかかる外科手術に使用する装置が示されている。装置1は、可撓性で気体非透過性の材料から成るスリーブ2を有している。この場合、スリーブ2は、全体として円筒形の本体を有し、一端3では閉じられており、他端4では開いていて、器具または外科医の腕を通すために外端に入口開口を形成している。特に図2に示すように、スリーブ2の側壁には出口開口5が設けられ、患者の体に形成された切開部を通して患者の体に入るための接近点(アクセスポイント)を提供している。
【0021】
この例の場合、患者の体に対して出口開口5をシールするための出口シール手段10が、出口開口5の回りのフランジ11によって形成されており、その外面には、患者の体に接着するための感圧性接着剤が塗布されている。使用する前はフランジ11の接着側が、剥がし式カバー12によって覆われている。
【0022】
図を明瞭にするために入口シール手段は図1と図2には描かれていないが、この入口シール手段は、本例の場合、特に図3〜図7に描かれている弁手段20によって提供される。この弁手段20は、スリーブ2の本体の入口4に取り付けられたリング21によって提供される第1取付具と、もう一つのリング22によって提供される第2取付具とを含み、リング22はリングの間に延在する可撓性材料から成るシール部材23によって第1のリング21に取り付けられている。
【0023】
可撓性部材23が取り付けられた外側のリング22は、挿通される外科医の腕30に係合してこれをシールするためにシール体23を図6における矢印X方向に捩じるべく回転される。シール部材23がシール係合しているとき、外側リング22が内側リング21に向けて矢印Yの方向に前方に押され、両リングが互いに係合してシール係合を維持する。
【0024】
リングが図7に示すシール位置に位置するときにリング21、22間の相対回転を阻止するための固定手段は、本例では一方のリング22に設けられた複数の突起27によって提供される。この突起27は他方のリング21に設けられた相補形の凹部28と係合し、シール位置におけるリング21、22の回転を阻止する。
【0025】
使用においては、先ず患者31に切開部を設ける。そして、カバー11を取り除き、特に図4に示すように切開部を取り囲むようにフランジ12を患者に接着剤で取り付ける。出口開口5が患者31の切開部と対応するようにスリーブを配置する。図3と図5に示すように、入口シール手段20は開いた非シール形態にあるため、外科医は手と腕30を入口4と出口開口5とを通過させ、切開部を介して患者の体に入る。外科医の腕30が所定の距離だけシール手段20を通過した時、比較的十分なシールが得られるまでシール体23を取り付けた外側リング22を回転させてシール本体23を捩じり外科医の腕30に係合させる。そして、リング22をリング21に向かって前方に押し、突起を凹部28に係合させて、リング21、22のシール形態における回転を阻止する。腸切除手術の場合には、患者の体腔内の外科手術を行う箇所に気体を送るが、この気体は患者の切開部と開口5を介してスリーブ2内へ流出し、スリーブ2が膨張してスリーブ2内に制御された加圧環境が作られる。外科医は、所望の手術を行い、手術が完了すると、リング22をリング21から開放し、可撓性部材23が非シール位置に達するまで逆転させる。これにより、外科医は手をスリーブ2から抜くことができるようになる。
【0026】
本発明には多くの利点がある。外科医は比較的小さい切開部を作るだけでよいため、患者に対する外傷を最小限にでき、免疫系に損傷を与える危険性が少なく、治癒に要する時間が短縮され、この結果、必要な入院期間を短縮できる。本技術は従来の腹腔鏡による外科手術技術に比べかなり簡単であり、外科医は最小限の追加訓練を受けるだけで実施できる。本発明の装置を使用して広範な手術を実施できる。
【0027】
図8には、本発明にかかる外科手術に使用する他の装置50が示されている。この装置50は、図1〜図4を参照して上に述べた装置に類似しており、同じ部品には同じ参照番号が付けられている。本例の場合、入口シール手段はスリーブ2の入口4に取付けられた第1リング51と、外科手術用手袋53の自由端に設けられた第2の分離したリング52とを含む。手袋53をつけた外科医の腕が入口5に通されると、リング51、52は、シール的に係合して手術の間スリーブ2内に制御された環境を作るように配置されている。
【0028】
図9には、本発明にかかる外科手術に使用する更なる装置60が示されている。この例では、出口シール手段は、スリーブ2に取付けられた第1リング61を有するシールダイヤフラムと、リング61から延在し、図示のように体の組織30と係合するために切開部を通して挿入される内側リング63の中で終わる可撓性ダイヤフラム62とを含む。シールダイヤフラムはスリーブ2の出口5を患者の体の切開部に対してシールし、スリーブ2内に制御された加圧環境を作りだす。
【0029】
図10と10aを参照すると、スリーブ70は、非透過性で可撓性のスリーブであり、その一端は外科医の前腕に対して気密シールを提供する形状となっており、他端は患者の肌と共に気密シールを提供する形状となっている。スリーブ70と一体の逆止弁74はシールカフ(シール用袖口カバー)の形をしており、患者の腹部内の圧力を維持しながら外科医が手と前腕を抜くことができる。
【0030】
スリーブ70の全体的な形状と製造方法は、既知の人工肛門形成用バッグと実質的に同じであるが、全長がより長いこと、一体成形の逆止弁74が設けられていること、および開口端を外科医の前腕へ取付けられることが相違する。当該スリーブは、医用品質のポリエチレンから成る2つの層を含んでおり、オリフィス71を有するものは高周波溶接技術を用いて縁部溶接されている。医用品質のポリエチレンから成り一方の表面が医用品質の接着剤によって被覆された環状のフランジ72が、図示のようにスリーブに溶接されている。逆止弁74は、医用品質のポリエチレンから成る2つの層を含んでおり、この2つの層がスリーブに溶接されて図示の弁を形成する。腕取付け装置は、2個の強固な医用品質のポリエチレン円形部材76、77を含み、これらの部材は、図示のようにエラストマー(医用品質のラテックスまたはこれに類似のもの)から成る薄壁の円筒チューブ78によって結合されている。部材77に対する部材76の回転により、ラテックスチューブは腕挿入開口の大きさを効果的に減少させるアイリス絞りを形成する。部材77のスリーブへの取付けは医用品質の接着剤を用いて行われる。
【0031】
本装置を患者に取り付ける技術は、人工肛門形成用バッグの取付け技術に類似している。環状で接着剤で被覆したフランジを、フランジが接近用切開部を取り囲むように患者の肌に付ける。切開部を形成する前に接着性の外科手術用ドレープ(掛け布)を貼ることによって接着を補助するようにしてもよい。外科医の前腕への取付けは、部材76を通して手と前腕をスリーブ内に挿入することによって行う。部材77に対して部材76を回転させることにより、アイリス絞りがエラストマースリーブの作用によって前腕を効果的に把持する。開口71に向けて手を更に移動させることにより、逆止弁74が開き、接近用切開部を通しての腹腔内への接近が可能となる。外科医の手の抜き出しは上記と反対の順序で行い、その結果、逆止弁74が閉じて腹腔内の圧力が維持される。
【0032】
場合によっては、スリーブのシールリングを取り付けるべき患者の切開部領域の回りに手術準備中に接着剤が塗布されることが理解されるであろう。あるいは、さらに、切開部の領域の回りに取り付けられるリングに対して接着剤を塗布してもよい。一方または両方の接着剤層を無菌包装材料によって被覆し、この包装材料を介して切開部を形成してもよい。一方または両方の接着剤層に剥がし式のカバーを設けてもよい。
【0033】
さらに、スリーブにエアーロックを設け、スリーブ内の無菌環境を破壊することなく、手術中における器具および/または癌細胞のようなデブリ(破片)の交換を容易にすることは理解されるであろう。
外科医の腕および/または器具のための二以上の入口開口をスリーブに設けてもよい。
また、例えば、スリーブに沿って離間された2個の入口シールカフを設けることにより、中間加圧環境を作り出してもよい。カフの内側は外側カフによって提供されるシールが開かれる前はシールされている。
【0034】
図11〜16において、先ず図11と図12には、本発明による弁101が示されている。この例では、トロカールチューブまたはカニューレ102とトロカール103とを含むトロカール組立体とともに弁が使用される。
弁101は、本例では一対の軸方向に対向するリング部品105、106と、可撓性材料から成るシールスリーブ107とを含む外側リングを備えており、シールスリーブ107の自由端107a、107bは各リング部品105、106に取り付けられている。
【0035】
本発明による弁101を形成するためには、典型的には一方のリング105を他方のリングに対して回転させて可撓性スリーブ106を実質的に円筒形の非シール形態から、特に図12に示すような砂時計状のシール形態に捩じる。シール形態では、中央開口108が形成され、トロカールのような部材がこの中央開口を通して挿入される。一対のリング105、106は、接着剤結合等の任意の好適な手段によって図12に示すシール形態に保持される。
【0036】
典型的には弁101はトロカールチューブまたはカニューレ102の座部109内に収納される。トロカール103、手術器具110などの部材をトロカールチューブまたはカニューレ102内の弁101を通過させるために、トロカール103を最初にシールスリーブ107の開口108まで差し出し、トロカール103を回転させながらスリーブ107を通して押す。これにより、シール捩じりに抗してシールスリーブ107が逆転されて開口108が拡大され、スリーブにトロカールを通すことが容易になる。トロカール103がスリーブ108を通過する間シール係合が保持される。
【0037】
トロカールまたは手術器具等の寸法と形式が異なる種々の部材を単一の弁101に簡単に通すことができる。図15と図16に示す器具110のような狭い部材の場合、器具110の回りに鍔115を設けてもよい。この鍔115は弁101のシールスリーブ107に対して係合し、開口108(図5参照)を拡大して、鍔115と器具110が開口を通り易くする(図16)。挿入された位置では、鍔115の肩部116がチューブ102上のストッパー117に係合する。器具10をトロカールチューブ102から引き抜く時は、器具を鍔115まで後退させ、摩擦係合している器具110を有する鍔115を可撓性のシールスリーブ107を通して引き抜く。
【0038】
本発明は上記の実施例に限定されるものでなく、本記載の一部を構成する添付のクレーム1〜4に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、構成および細部を変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】スリーブの平面図。
【図2】図1のスリーブの断面図。
【図3】入口シール手段を所定位置に有するスリーブの平面図。
【図4】図3のスリーブの使用時における斜視図。
【図5】図3と図4のスリーブに使用されている入口シール手段の開いた形態での斜視図。
【図6】図5のシール手段が中間位置にある場合の側立面図。
【図7】図5のシール手段のシール形態での斜視図。
【図8】本発明による他のスリーブの斜視図。
【図9】本発明による更なるスリーブの側断面図。
【図10】本発明による更に他のスリーブの側断面図。
【図10a】図10に示すスリーブの後端から見た図。
【図11】本発明による弁を組み込んだトロカール組立体の概略分解斜視図。
【図12】図1の組立体に使用される弁の断面図。
【図13】弁を組み込んだトロカールチューブの斜視図。
【図14】トロカールと弁の使用状態での斜視図。
【図15】本発明による変形した配置の使用時における一つの位置での断面図。
【図16】図15に示す配置の使用時における別の位置での断面図
【符号の説明】
【0040】
2:スリーブ
3:スリーブの一端
4:スリーブの入口
5:スリーブの出口
30:体の組織
61:第1リング
62:可撓性ダイヤフラム
63:内側リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の切開部を通して密閉された環境での体内へのアクセスを提供する外科手術用装置であって、外側リングと、当該外側リングから内側に延在し、かつ当該外側リングと共に患者への取り付け手段を構成する円筒形のダイヤフラムと、当該円筒形のダイヤフラムに取り付けられ、かつ前記取り付け手段に近接せしめて設けられた入口部シール手段とを有することを特徴とする外科手術用装置。
【請求項2】
入口部シール手段が、少なくとも人間の腕の一部分を受け入れ、密着するものである請求項1に記載の外科手術用装置。
【請求項3】
入口部シール手段が、少なくとも器具の一部分を受け入れ、密着するものである請求項1に記載の外科手術用装置。
【請求項4】
入口部シール手段が、非密着構造部と密着構造部間において動かすことが可能であり、また入口部シール手段が密着構造部に固定できるようにロックする部材を備えたものである請求項1〜3の何れか1項に記載の外科手術用装置。
【請求項5】
入口部シール手段が、第一の構成部品と第二の構成部品を含むものであり、第一の構成部品が第二の構成部品から完全に分離することができる請求項1〜4の何れか1項に記載の外科手術用装置。
【請求項6】
第一の構成部品が手術用手袋を含むものである請求項5に記載の外科手術用装置。
【請求項7】
入口部シール手段が、スリーブ部材によってつながれている第一の部材と第二の部材を含むものであり、第一の部材と第二の部材は対象物に密着するために互いに対して回転することができる請求項1〜4の何れか1項に記載の外科手術用装置。
【請求項8】
第一の部材が第一のリングを、また第二の部材が第二のリングを含むものである請求項7に記載の外科手術用装置。
【請求項9】
第一のリングが円形の形状を、また第二のリングが円形の形状をしているものである請求項8に記載の外科手術用装置。
【請求項10】
入口部シール手段が、第一のリングと第二のリングを固定できるようにロックする部材を備えたものである請求項8又は9に記載の外科手術用装置。
【請求項11】
入口部シール手段が、密着構造部分と内側リング間に延在するスリーブを有するものである請求項1〜10の何れか1項に記載の外科手術用装置。
【請求項12】
内側リングが円形の形状を、また外側リングが円形の形状をしているものである請求項11に記載の外科手術用装置。
【請求項13】
内側リング、外側リングおよびスリーブがほぼ同じ内径を持つものである請求項12に記載の外科手術用装置。
【請求項14】
入口部シール手段が、外科出術用装置の最も近接した部分を構成するものである請求項1〜13の何れか1項に記載の外科手術用装置。
【請求項15】
外側リングが、切開部より大きいものである請求項1〜14の何れか1項に記載の外科手術用装置。
【請求項16】
円筒形のダイヤフラムと入口部シール手段との間に設けられた内側リングを更に含むものである請求項1〜15の何れか1項に記載の外科手術用装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図10a】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−117767(P2007−117767A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−29877(P2007−29877)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【分割の表示】特願2004−19154(P2004−19154)の分割
【原出願日】平成6年9月6日(1994.9.6)
【出願人】(501221142)アトロポス・リミテッド (12)
【Fターム(参考)】