説明

外科用深さ測定器

骨または他の組織の穴の深さを電子的に測定し、深さに関連する便利な情報ディスプレイ(150)を構成する測定器(100)。外科手術用深さゲージは、プローブ遠位端を骨遠位面に対して位置決めするためのへこみ付き引掛部(165)を備えた、穴に挿入可能なプローブと、プローブにスライド可能に連結され、骨近位面に対して位置決め可能な往復動部材とを備える。プローブは、往復動部材に接続され、第1の表面と第2の表面の間の距離にしたがって変化する電子信号を生成する、電子回路内のセンサと協働する。電子回路は電源およびディスプレイを備える。測定器は汚染および滅菌に耐えることができ、左利きの外科医および右利きの外科医の両方が使えるように設計されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年3月16日に出願された同時係属中の米国特許出願第11/081147号の一部継続出願であり、その内容全体を文献参照によって本願に組み込んだものとする。
【0002】
本発明は、穴の深さを測定するための測定器に関し、特に、骨の穴の深さをデジタル測定する深さゲージに関する。
【背景技術】
【0003】
外科的処置では外科医が患者の骨に装置を固定する必要があることが多い。ある処置では、外科医は骨接合板およびスクリュなどの固定具を用いて1つまたはそれより多い骨または骨片をつないで固定し、また、別の処置では、外科医は、例えば移植腱を固定するために、他のデバイスを使わずにスクリュまたは別の固定具を用いる。多くの処置で、外科医は骨に固定具を取り付ける前に骨を穿孔する。所定の位置に穴があると、外科医は適切な長さの固定具をより簡単に選択できる。適切な長さの固定具を選択することは極めて重要であり得る。固定具が長すぎると固定具が骨から突き出すことがある。一般に骨は軟組織と接しており、固定具が長すぎると軟組織が傷つくことがある。中手骨を穿孔しすぎた場合は指内の脂肪層を幾分か傷つけるだけであるが、穿孔後に使われる固定具が長すぎると、患者はより重篤な合併症を起こす可能性がある。例えば、突出する固定具は、患者が触知できる場合もあるし、軟組織(腱、靱帯、または筋肉など)が骨表面の上を動くのを妨げる場合もあるし、皮膚を突き破る場合さえもある。別の例として、固定具と脊髄とが接する箇所に突出する、ヒトの脊椎の椎弓根部に取り付けられた固定具は、麻痺などの合併症を招く場合もある。
【0004】
穿孔中、一般に外科医は、骨に対するドリルの抵抗が急に少なくなることでドリルが骨を貫通したことを感じることができる。穿孔という単純動作では骨の深さの正確な寸法が得られないため、外科医は穴の深さを測定するためのアナログ式の深さゲージを使うこともある。
【0005】
アナログ式深さゲージは、一般に、遠位端に返し部(barb)を備える中央プローブ部材と、この中央プローブ部材の近位端を囲む往復動スリーブとを備えている。骨の穴の深さを測定するには、外科医はスリーブを穴の近位側に接触させ、プローブ部材を穴に貫入させる。プローブ部材が穴の遠位側を越えた後、外科医はプローブ部材を後退させ、返し部を穴の遠位側に掛けようとする。一般に、中央プローブ部材にマーカーが装着され、往復動スリーブはその長さ部分に沿って目盛り付きスケール(インチまたはミリメートル単位)を有する。外科医は、中央プローブ部材に装着されたマーカーが示す目盛り付きスケールに沿った位置を確認することによって深さの測定値を読む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アナログ式の深さゲージには多くの問題がある。アナログ式の深さゲージの各部品は一般にサージカルグレードステンレススチールから製造され、往復動部材の長さ部分に沿って目盛り付きスケールが型押しされた状態で、高反射面を形成する。手術室の明るい光の下では、外科医がミリメートル幅で長さ単位の目盛り付きスケールを見るのは難しい。アナログ式の深さゲージを使って正確な長さ測定をするために、外科医は、アナログ式の深さゲージをしっかりと保持しながら目盛り付きスケールを厳密に確認する必要がある。返し部が穴の遠位側から外れると、測定精度が悪くなるか、または返し部を再セットするために手術所要時間を延ばさなくてはならない。深さ測定を多数回要する外科的処置では上記困難が倍増する。
【0007】
アナログ式の深さゲージには他の問題もある。目盛り付きスケールを正確に読み取るには、外科医の眼が目盛り付きスケールと正確に位置合わせされる必要がある。ある角度から見ると、目盛り付きスケールに対するマーカーの位置が歪む場合がある。外科医が直立していると、外科医の眼が目盛り付きスケールと適切に位置合わせされない場合がある。読み取るために深さゲージが傾けられると、スリーブがプローブに対して移動し、測定精度が落ち、返し部が穴の遠位端から外れ、上記と同じ欠点を生じるので、正確に読み取るために、外科医はアナログ式深さゲージを使っているあいだ腰を曲げていなくてはならない。
【0008】
したがって、改良型の外科的処置用深さゲージが必要とされてきた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、手術中に深さをより早くより正確に測定するシステムと方法を提供する。一実施形態において、本発明のシステムは、プローブの遠位端を骨の第1の表面に対して位置決めするへこみ付き引掛部を備えた、骨の穴に挿入可能なプローブと、プローブにスライド可能に連結され、骨の第2の表面に対して位置決め可能な往復動部材とを有する。センサは、第1の表面と第2の表面のあいだの距離に対応して変化する電子信号を発生する。種々の実施形態において、センサはコンデンサおよびインダクタの一方または両方を備えている。
【0010】
本発明は、手術環境で使用されるように考案された第1の深さ測定用電子測定器を提供する。外科手術用具は感染防止のために、一般に過酸化水素ガスに曝すことによって滅菌される。また、外科手術用具は、水、血液、または硬組織および軟組織などの汚染物質へ曝露した後であっても、常に変わることなく機能する必要がある。このように、手術環境の要件が電子的深さ測定用具のデザインの支障となっていた。本発明の種々の実施形態は、滅菌状態に対して丈夫で汚染に強い外科手術用電子深さゲージを提供する。また、本発明の種々の実施形態は、取扱いやすく読みやすく、いつも変わらずに正確な深さ測定値を出せる外科手術用深さ測定器も提供する。
【0011】
本発明の実施に際しては種々の電子センサまたはトランスデューサを採用できる。いくつかの実施形態において、固体もしくは液体汚染物質または滅菌液が存在する環境における耐性を高めるために、本発明は誘導性素子を採用する。誘導性素子は、送信ループと受信ループから構成される読取ヘッドアセンブリと組み合わせて用いられる導電性構造ループの形態で用いられる。当業者に分かるように、既存またはこれから開発されるであろう他のセンサ装置が、プローブ端部に配置される引掛部の遠位端と測定器の組織保護部の端部などの基準面との間の距離を正確に表す信号を出力するものであれば、そのようなセンサ装置は本発明と組み合わせて使用できる。
【0012】
本発明は、深さを測定するための電子式深さ測定器を使用する方法も含む。特に、本発明は、骨内の通路の深さを測定し、その測定結果をデジタル式に表示する第1の方法を提供する。本発明の方法は、外科的な深さ測定の精度を実質的に向上させるものであり、ひいては外科手術患者に対する問題を減少させることを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の、前述または他の目的、利点および特徴は、以下の詳細な説明および添付図面から明らかになるであろう。
【0014】
外科医は、外科手術中に骨を穿孔した後、固定具を選択する前に穴の深さを測定するために測定器を使うことが多い。外科手術中に深さを測定するための、より容易で、より早く、より正確な手段を提供する本発明のシステムおよび方法は、電子センサおよびデジタルディスプレイを備える外科手術用深さゲージを用いて実施される。本発明の種々の実施形態が添付図面に示されているが、当業者には、本発明にしたがって外科的な深さ測定をデジタル式に実施する他の機械的および電気的構成もあることが分かるであろう。したがって、本明細書には、他の種々の実施形態、特徴、および変更例も記載されている。
【0015】
外科的処置に使用される測定器は、外科手術中に発生する固体または液体汚染物質(組織および血液など)ならびに、滅菌中に受ける温度、圧力および流体(過酸化水素ガスなど)に対して耐性を有しなければならない。添付図面に示されている本発明の2つの実施形態は、本発明にしたがう、滅菌に耐えられ且つ汚染に耐えられる外科手術用深さゲージの2つの選択的フォームファクタを示す。図1〜図5に示される第1の実施形態100において、外科手術用深さゲージは、組織保護部120と、密閉式ハウジング130と、汚染に耐えられる本体140とを備えている。また、第1の実施形態100は、滅菌のために速やかに分解および組立ができる。図7に示される第2の実施形態200において、外科手術用深さゲージは、内部に電子センサおよびディスプレイが密封された完全一体型の本体235を備える。第2の実施形態は、たび重なる汚染および分解しない滅菌に耐えられる。
【0016】
既に穿孔されていれば、外科医は、図1の測定器100に示されるような本発明の外科手術用深さゲージを手に取るであろう。測定器100は、へこみ付き引掛部165を備えたプローブ160と、本体140に固定された組織保護部120とを備える。測定器100の本体140の側面溝144に密閉式ハウジング130がスライド可能に係合している。図1に示されるように、密閉式ハウジング130は、表示窓150と、人間工学的な表面突条170と、人間工学的な突条付き側面溝180とを備える。本発明は左利きの外科医が使用するのにも、右利きの外科医が使用するのにも適している。突条付き側面溝180は、密閉式ハウジング130の側面に対してくぼんでおり、密閉式ハウジング130の両側に対称に設けられている。
【0017】
本発明のフォームファクタの別実施形態が第2の実施形態200として図7に示されている。この別実施形態において、本発明は、ほぼ円筒状のフォームファクタを備える。上述のように、第2の実施形態200は、汚染および分解しない滅菌に耐えられる一体型の本体235を備えている。図7を参照すると、第2の実施形態200はスライド溝239および表示窓250が形成された一体型の本体235を備えている。一実施形態によれば、右利きの外科医と左利きの外科医の両方が同じ測定器を使用できるように、表示窓250(および付属ディスプレイ)は測定器の右側と左側に形成される。すなわち、図7については、もう1つの表示窓250(およびディスプレイ)が測定器の反対側に同様に設けられる。一体型の本体235の遠位端は組織保護部220を備える。一実施形態において、本発明の方法は、(以下に説明される図2Aおよび図2Bに関して示されるように)組織保護部220の遠位端を骨の近位面に対して位置決めすることによって実施される。一実施形態にしたがえば、測定器200の一体型本体235は、滅菌を容易にするために分解および組立ができる、ほぼ対称な2つのピースで構成することもできる。図7に示されるように、2つのピースは、一体型本体235の中央を通る線に沿って嵌め合わされる。種々の実施形態において、2つのピースは螺合される場合もあるし、汚染および滅菌に耐えられる接着剤によって密封される場合もある。また、図7に示されるように、第2の実施形態のフォームファクタ200は、その底側に向かって配設された指用の溝も備える。
【0018】
図1の測定器100によって示されるフォームファクタの第1の実施形態を再び参照すると、測定器100は、密閉式ハウジング130の底部ピース139に形成された側面溝180を備える(図3参照)。しかし、別実施形態では、密閉式ハウジング130の側面に沿って対称に上から下に延在するように、上部ピース138と底部ピース139の両方に側面溝180が形成されてもよい。当業者に察知されるように、さらに別の実施形態において、側面溝180は、密閉式ハウジング130の側面に対して隆起していてもよいし、突条ではない隆起部の表面で形成されていてもよいし、固体もしくは液体汚染物質への曝露後であっても触知できる摩擦のある表面を提供する他の表面によって形成されてもよい。なお、添付図面に示される全ての実施形態において、表示窓150は測定器の遠位端側に配置される。当業者に察知されるように、表示窓150は、例えば近位端側など、測定器のどこに配置してもよい。また、複数の表示窓を測定器の様々な位置に配設することも可能である。そのような全ての特徴および変更例は本発明の範囲内で考えられる。
【0019】
本発明にしたがって深さ測定を行なう方法の一実施形態は、外科医が測定器100を右手または左手で保持することから始まる。図2Aは、プローブ160が引っ込められた位置にある測定器100の縦断面図と、やはり断面で示されている骨部10を示す。本発明の方法の一実施形態にしたがえば、外科医は骨部10の穴の位置を探すことによって深さ測定を開始する。図2A’に拡大されて詳細に示されているように、へこみ付き引掛部165の先端は組織保護部120の遠位端122からわずかに突出しているので、このへこみ付き引掛部154が穴の中に入るときに外科医は穴の位置を感じられる。この位置では、組織保護部120の遠位端122が骨部10の近位面30に接している。一実施形態において、測定器100は、引掛部165の掛け部(すなわち近位端)が組織保護部120の遠位端122と同一平面になったときに深さゼロを示すように校正される。
【0020】
一実施形態において、本発明の方法は、外科医がプローブ160を骨部10の穴に貫入させるステップも含む。図2Bは、伸長位置にある測定器100の断面を示す。図2B’は図2Bの拡大詳細図であり、図中、へこみ付き引掛部165は穴20の遠位面に引掛かっている。図2Bおよび図2B’に示される断面において、組織保護部120の遠位端122は、穴20を有する骨部10の近位面30と接触状態にある。外科医は、図2B’に示される位置から、密閉式ハウジング130の隔室134内の表示窓150の後ろにある電子ディスプレイの深さ測定値を読む。
【0021】
図2A’および図2B’に示されるように、骨部10は両側皮質性である。すなわち骨部10は、第1の近位皮質層12(図2A’参照)と、海面質層14と、第2の遠位皮質層16(図2B’参照)を有する。しかし、本発明は、固体状の皮質骨、単皮質骨、海面質骨をはじめとする他の構造を含む骨と組み合わせて用いるのに適していることに注目されたい。本発明は、他タイプの組織の穴または空洞の外科的深さ測定に用いることさえ可能である。
【0022】
上述のように、穴20は骨部10に形成された穴であってもよい。近位皮質層12上に形成された近位面30から遠位皮質層16上に形成された遠位面40までの距離を測定するための測定器100の使用時、測定器100は、(近位面12に接する)組織保護部120の遠位端122と(遠位面16に引っ掛かる)へこみ付き引掛部165の近位端の間の距離が、近位面30と遠位面40の間の距離を精密に測定する電子センサによって求められるように作動する。電子センサは、本体140の隔室146の中に、プリント回路板上の読取アセンブリ内の誘導性または容量性素子と、プリント回路板上の増分アセンブリ内の誘導性または容量性素子とを含むこともできる。具体的には、測定器100のプローブ160が穴20の近位縁22に挿入され、穴20に通され、穴20の遠位縁26から出されるので、プローブ160のへこみ付き引掛部165が骨部10の遠位面の向こうに突出する。へこみ付き引掛部165の伸長は、親指または人指し指を密閉式ハウジング130の上部突条170に押しつけることにより、測定器100によって実施される。当業者に明らかであるように、穴20が円筒対称型のドリルビットで形成された穴であるとき、近位縁22および遠位縁26は略円形となる。
【0023】
図1、図2、図4および図7に示される測定器100では、プローブ160の遠位端にへこみ付き引掛部165が設けられている。しかし、他の実施形態では、へこみ付き引掛部165が、遠位端40を検出するための別の手段と置き換えられる場合がある。特に図6Aおよび図6Bは、プローブ160の遠位端の別の機械的実施形態を横から示したものである。図6Aはプローブ160の遠位端の返し部167を示す。図6Bはプローブ160の遠位端の引掛部169を示す。
【0024】
プローブ160は、遠位端のへこみ付き引掛部165により、骨部10の遠位面に引っ掛かることができる。図2Bおよび図2B’には、この位置の測定器100が示されている。へこみ付き引掛部165が遠位縁26を完全に通過すると、プローブ160のシャフトがわずかに横方向に移動され、それにより、へこみ付き引掛部165のへこみが遠位縁26に接する。その後、プローブ160をわずかに引っ込めることにより、へこみ付き引掛部165が遠位皮質層16の遠位面に係合する(すなわち、引っ掛かる)ことが可能となる。へこみ付き引掛部165は、測定器100で親指と人指し指を用いて側面溝180を押さえて軽く引っ張ることによって、引っ込ませることができる。このように、へこみ付き引掛部165の近位面と組織保護部120の遠位端は、それぞれ、骨部10の遠位面40と骨部10の近位面30に対して位置決めされ、わずかな張力を使って遠位面40および近位面30上に存置される。本発明がこの物理的構成に維持されているときに電子ディスプレイを読めば、外科医は骨部10の穴20の深さの正確な測定値を得られる。
【0025】
図1に示される実施形態では、プローブ160が(へこみ付き引掛部165の形態の)機械的固定部を備えているが、本発明の他の実施形態では、プローブ160の遠位端を骨部10の遠位面に対して位置決めするための他の機械的または非機械的手段が使用される場合がある。詳細には、他の実施形態では、どこで遠位面40が終端しているかを検出するために電子センサが使用される場合がある。例えば、超音波トランスデューサ、光学センサまたは他のセンサを用いて、プローブ160が穴20を通り抜けるときの差分音響/光反射率または差分音響/光透過率または他の特性を測定することによって、どこで遠位面40が終端するかを検出することもできる。そのような実施形態では、プローブの長さに対して垂直となる配置で電子センサがプローブ160の遠位端に取り付けられる場合がある。あるいは、プローブ160の遠位端は、プローブ160の長さに対して垂直に配設された貫通穴と、密閉式ハウジング130に含まれるセンサに音響的、光学的または電気的に接続するコンジットだけしか備えていない場合がある。当業者に認識されるように、このようなコンジットは、中空のプローブ、光ファイバ、または絶縁線でそれぞれ形成できる。また、いくつかの実施形態では、プローブ160の遠位端付近の抵抗率および導電率の変化を検出するために、電流検出デバイスとセンサの遠位端とが電気接続(例えば、絶縁線を使って)される場合もある。
【0026】
測定器100は、近位面30と接する基準部をさらに備えている。添付図面に示される本発明の実施形態において、基準部は組織保護部120によって与えられる。図1、図2、図4および図7に例として示されるように、組織保護部120は先細の円錐状である。組織保護部120は芯部に円筒状の中空部を含み、プローブ160はこの中空部を通って伸縮できる。他の実施形態において、外科医と骨部10の近位面30の間にある組織を通過しやすくするために、組織保護部の形状を、さらに細くしたり、さらに長くしたり、またはさらに細長くすることもできる。例えば、別の一実施形態において、組織保護部120は、測定器本体の遠位端にある円錐状ピースに嵌め込まれる簡素な円筒状スリーブと置き換えることができる。ただし、組織保護部120と本体140の間の接合部の機械的応力を最小限にするには、図1、図2、図4および図7に示される組織保護部120の先細の円錐形状が望ましいかもしれない。
【0027】
一実施形態において、組織保護部120に直近の本体140の端部は、プローブ160の直径より大きな直径を有するねじ切りニップル(図1には不図示)を有する。測定器100において、このねじ切りニップルは本体140の端部と一体式に形成される。別の一実施形態において、ねじ切りニップルを機械的デバイスまたは接着剤によって本体の遠位端に固定してもよい。そのようなすべての実施形態において、組織保護部120を本体140のねじ込みニップルに螺嵌することによって組織保護部120および本体140が固定されるように、組織保護部120の表面に相補的にねじ切りがなされている。そのような実施形態では、射出成形されたプラスチックまたは機械加工された金属から組織保護部120を形成することもできる他の実施形態において、組織保護部120を本体140とともに単一のシームレスピースとして形成することもできる。
【0028】
組織保護部120およびプローブ160は、骨接合板または固定具頭部の遠位端と同様に、組織保護部の遠位端122が骨部10の近位面30に接するように同軸に構成されている。したがって、穴20に収まる長さのスクリュすなわち固定具を選択可能できるよう、組織保護部120およびへこみ付き引掛部165は、その相対位置(したがって、距離)から穴20の深さの正確な測定値が得られるように協働する。
【0029】
測定器100によって提供される本発明の実施形態において、プローブ160と密閉式ハウジング130は図3に示されるように装着されているので、密閉式ハウジング130を動かすことによってプローブ160の位置が移動する。密閉式ハウジング130の底側の一部は合わせ面132を形成している。プローブ160は、密閉式ハウジング130の底側の、合わせ面132を形成する部分に囲まれて、その内部に固定される。一実施形態において、プローブ160は、密閉式ハウジング130の底部ピース139に締り嵌めされる。図3には、密閉式ハウジング130の、上部ピース138、底部ピース139、シール136などの機械部品も示されている。一実施形態において、シール136は、繰り返される汚染および滅菌に耐えられるOリングシールである。また、図3は、本発明の一実施形態においてポリカーボネイトレンズによって形成された表示窓150を示す。密閉式ハウジング130内の隔室134は、電子センサおよびディスプレイ(図3では不図示)を機械的に支持する。以下に記載されるように、密閉式ハウジング130内の隔室134に固定される電子部品は、誘導性センサ、容量性センサまたは他のセンサで構成される読取ヘッドアセンブリと、ディスプレイと、電源(電池など)とを含む。
【0030】
図3に示される密閉式ハウジング130の実施形態では、電子部品(電子センサ、ディスプレイ、電源など)はOリングシール136によって隔室134内部に密封される。また、密閉式ハウジング130は、エポキシ、グルー、または他の接着剤によって密閉してもよい。他の実施形態において、密閉式ハウジング130は、隔室134内のスクリュまたはスナップなどの金具によって機械的に密閉することもできる。図3に示される密閉式ハウジング130の実施形態は、外科手術中も滅菌中も密閉状態が維持されるように作られているが、当業者には、別の一実施形態において、滅菌のために部分分解または完全分解できるように密閉式ハウジング130を作ることもできることが察知されるであろう。これら全ての特徴および変更例は本発明の範囲内で考えられる。
【0031】
図3に示される密閉式ハウジング130の実施形態は、密閉時、数気圧までの防水性がある。また、密閉式ハウジング130を製造するために使用される材料は、室温およびオートクレーブ内での滅菌に要する温度の両方で、化学的汚染物質すなわち滅菌液に対して化学的に不活性であるように選択される。例えば、密閉式ハウジング130は、アクリル、ポリエステル、PVCまたは化学的に不活性な他のプラスチック材料から成形できる。他の実施形態において、密閉式ハウジングは、アルミニウム、真鍮またはステンレススチールなどの金属から作ることもできる。また、密閉式ハウジング130は、手術環境で使用するのに安全な、丸みのある軟らかい縁部だけを備えるように作られる。例えば、図1〜図5に示される密閉式ハウジング130は、アメリカ保険業者安全試験所による鋭利度試験UL1349にほぼ準拠している。
【0032】
添付図面に示される測定器100はディスプレイを備えているが、電子技術の当業者には、無線デバイスと通信中の外部ディスプレイを用いて本発明を実施できることが分かるであろう。測定器100では、無線送信機を密閉式ハウジング130内の読取ヘッドアセンブリに接続することもできる。そのような無線式の実施形態では、無線受信機が外科手術用深さゲージから短距離(例えば、手術台の近くのプラットフォーム上など)に配置され、この無線受信機に電子ディスプレイが接続されるであろう。また、視覚的なディスプレイを補うものとして、測定器は、例えばプローブの動きが止まり、測定に適した時間の存在を測定器が感知すると、ブザーを鳴らしたら別の可聴信号を出力したりする音声発生機能を備えていてもよい。また、測定器は、離れた位置から表示される場合に、測定器内に保持されたスピーカーから合成音声によって音声伝達も行なう機能を備えることもできる。このように、近くにいない外科医の判断を遠くからの可聴明瞭度によってサポートすることができ、測定精度の信頼性が向上する。
【0033】
測定器100の下からの斜視図が図4に示されている。図4に示されるように、本発明は、上部突条170(図1と図3に図示)をはじめとするいくつかの人間工学的特徴を備えている。詳細には、測定器100は対称に形成された突条付き側面溝180および指用の溝190を備える。図5の断面端面図に示されるように、指用の溝190は本体140の中高の底面192に形成されている。本発明の方法の実施形態によれば、外科医は第1の側面溝180に人指し指を、反対側の側面溝180に親指を、そして本体140と一体形成された指用の溝190に他の指を合わせるであろう。本発明の人間工学的設計により、外科医は右または左の片手だけで本発明のシステムを使って本発明の方法を実施できる。また、本発明は底面192が全く遮られていないので、外科医は本体140を好きなように掴むことができる。
【0034】
図5に示される発明のいくつかの構造的特徴は、滅菌のために測定器100を分解・組立可能とするという利点を備える。詳細には、密閉式ハウジング130および本体140は、密閉式ハウジング130の合わせ面132および本体140の側面溝144内に形成された往復動合わせ面142に沿ってスライド可能に連結されている。密閉式ハウジング130に係合させられたプローブ160は、本体140の側面溝144を通ってスライドして、組織保護部120に形成された漏斗状の円筒通路に入る。別の一実施形態において、組織保護部120は、円筒対称性を有しないプローブ(すなわち、図6Aおよび図6Bに示される返し部167および引掛部169のような先端部)が測定器100の分解および組立時に通過できる(円筒形ではなく)鍵穴形の通路を備えていてもよい。また、そのような他の実施形態では、プローブ160の遠位端が組織保護部120内に引っ込まないように、組立後に組織保護部120を回転させてもよい。そのような回転は、上述のように、組織保護部120を本体140に螺着するときに可能となる。鍵穴形の通路を有しない場合、非円筒対称のプローブ先端部の最大幅は、組織保護部120の円筒状通路の総直径より小さくなければならない。
【0035】
測定器100に図示のようにスライド可能に連結される場合、本発明は油性潤滑剤が不要であり、したがって手術環境に完全対応する。図3を参照すると、測定器100が、端面に向かって見た(図3に示される密閉式ハウジング130を通る平面4−4に沿った)断面で示されている。隔室134(繰り返すが、内部電子部品なしで示されている)および上部突条170を備えた密閉式ハウジング130が図3に示されている。密閉式ハウジング130の上部ピース138および底部ピース139の間に配置されたシール136も示されている。また、往復動合わせ面142と係合された底部ピース139の合わせ面132が示されている。往復動合わせ面は、本体140の側面溝144によって側面溝144内に形成されている。また、底部ピース139の合わせ面の端部と同軸のプローブ160が示されている。密閉式ハウジング130と本体140の間のスライド可能な連結を可能とすることによって、ハウジング130の合わせ面132と本体の相補的合わせ面により、滅菌のための測定器100の分解および組立がやりやすくなる。また、これらの表面は図5の線5−5に沿って左右非対称であるので、ディスプレイが遠位端に面した状態でしかシステムを組み立てることができない。このように、相補的な合わせ面を非対称なデザインにすることにより、本発明の誤組立が防止される。
【0036】
本発明のシステムおよび方法に使用される電子センサは、容量性センサと、誘導性センサと、センサアセンブリとを備える。センサおよびセンサアセンブリは、シルバック社およびミツトヨ社などのメーカーから市販されており、容易に入手できる。例えば、容量性および誘導性の読取ヘッドおよび書込ヘッドアセンブリは、Mitutoyo America Corporation, 965 Corporate Blvd., Aurora, ILおよびGuilin Measuring and Cutting Works, 106 Chongxin Road, Guangxi, Guilin 541002, Peoples Republic of Chinaなどによって製造されるデジタルキャリパに用いられている。一般に、密閉式ハウジング130の隔室134内に取り付けられる電子センサは、誘導性、容量性、または他タイプの素子を利用する長さ測定デバイスで用いられる従来のアセンブリ(電子センサ、ディスプレイおよび電源から成る)の形態をしている。いくつかの実施形態では、より多様な環境条件下でより均一で安定した測定をインダクタが行なえる程度の利点が誘導性素子によって提供される場合がある。例えば、測定器100は、本体140のセンサパターン隔室146に沿って敷設される導電ループパターンと、密閉式ハウジング130の隔室134内に取り付けられる正面読取ヘッドアセンブリと一緒に組み立てることもできる。
【0037】
本発明の種々の実施形態において、液晶ディスプレイまたは発光ダイオードディスプレイなどの電子ディスプレイ用の出力を生成するために、電子センサをマイクロプロセッサまたは他のデジタル電子デバイスと接続してもよい。他の実施形態において、マイクロプロセッサまたは他のデジタル電子デバイスは、上述のように、無線送信機に接続してもよい。いくつかの実施形態において、信号処理回路が電子センサの誘導性または容量性素子およびディスプレイ駆動用のマイクロプロセッサまたは他のデジタル電子デバイスに介入してもよく、それにより種々の部品に確実に正しい入力電流および電圧レベルが与えられる。当業者に認識されるように、一次また二次電池などの電源を信号処理回路またはマイクロプロセッサに直接接続することもできる。
【0038】
ディスプレイを駆動するために使われるマイクロプロセッサまたは他のデジタル電子デバイスは、インチ単位、ミリメートル単位、または他の測定単位で深さ測定を行なえるように構成できる。種々の実施形態において、密閉式ハウジング130は、好ましい測定単位をどのように表示させるか外科医が選択できるようにするボタンを備えていてもよい。一実施形態において、マイクロプロセッサまたは他のデジタル電子デバイスは、プローブ160が骨部10の近位面30から遠位面40に向かって伸長するとプラスの深さ測定値が示され、引掛部の掛け部が組織保護部の遠位端と同一平面になるように引っ込められたときに測定値ゼロが示されるように構成される。別の一実施形態において、本発明は、校正ボタンを備えることによってデバイスをゼロにリセットできるように構成することもできる。さらに他の実施形態において、本発明はオンボタンとオフボタン(またはオン/オフ切換ボタン)、または、ディスプレイに表示されている測定値を、プローブ160移動後に確認するために記憶および保持するためのボタンを備えることもできる。そのような実施形態では、ボタンを密閉式ハウジング130内に形成してもよい。
【0039】
本発明の電子ディスプレイは、外科手術中に迅速簡単に目視検査するのに適したものが選択される。なお、電子ディスプレイが深さ測定値以外の情報を提供してもよい。例えば、本発明は、スクリュに形成された頭部および軸部と合う骨接合板を含むキット(不図示)の一部として提供されてもよい。電子センサは、スクリュの頭部および軸部の、骨接合板内に受け入れられる部分に対応したオフセットを補償または提供するように校正することもできる。したがって、本発明は、長さの測定ではなく、骨接合板と組み合わせて使用されるキットから選択される特定スクリュを提案するように構成できる。例えば組織保護部120とプローブ160が互いにほぼ静止しているという状態ではないから、測定は安定してはいない、という表示を電子ディスプレイが行なってもよい。圧縮性の軟組織がへこみ付き引掛部165または組織保護部120と近位面30との間に引っ掛かった場合、または一般にプローブ160の遠位端が確実に位置決めされていない場合に、このような状況になりやすい。この点において、プローブ160の遠位端に機械的固定部を設けないこと可能である。例として、プローブ160の遠位端を、この遠位端が穴20の遠位縁26から概して突き出さずに一致するような深さまで挿入してもよい。そのような実施形態を用いる場合、外科医は、プローブ160が遠位縁26に達したときに止まるように骨部10の遠位面40上に止め具または指をセットしてもよい。
【0040】
一実施形態において、例えば金属の微小球を含む導電性の塗料を密閉式ハウジング130の内側にコーティングすることによって、電子センサおよび付属の電子部品を電磁干渉から保護することができる。そのような保護は、低周波磁場または他の漂遊電磁界からの干渉を低減させるのに有効となりうる。少なくとも、外科手術器具を保持する磁気パッド(図1〜図3には不図示)の使用と組み合わせて本発明の方法が実施される可能性があるので、保護することが望ましい。
【0041】
本願明細書に引用される、出版物、特許明細書、特許をはじめとするすべての参考文献は、各参考文献が文献引用によって個別に具体的に組み込むことが示され、その内容全体が本願明細書に記載されたのと同程度に、文献引用によって組み込まれるものとする。
【0042】
また、発明を説明する状況の中(特に請求項という状況の中)では、本願明細書中に特に明記されていないかまたは前後関係と明らかに矛盾しなければ、”a”、”an”および”the”という用語の使用は単数および複数の両方を含むものと解釈されるべきである。本願明細書における数値範囲記載は、特に明記されていなければ、範囲内の個別の各数値を個々に引用することに代わる省略法として使用されているだけであり、別個の各数値が個別に本願明細書に記載されているかのように本願明細書に個々の数値が組み込まれているものとする。本願明細書に特に明記されていないか、または明らかに前後と矛盾していなければ、本願明細書に記載のすべての方法は適宜実施できる。いずれかまたは全ての実施例、または本願明細書中に記載された例示的表現(例えば、「など」)の使用は、本願発明をより十分に説明しようと意図されたものにすぎず、特に明記されてなければ本発明の範囲を限定するものではない。明細書中の表現は、本発明を実施する上で不可欠な非記載の構成要素を示すものと解釈されるべきである。
【0043】
以上、本発明の種々の実施形態を記載および説明した。上記説明を読んだ当業者には、これらの実施形態の変更例が明らかになるであろう。そのような変更例を当業者が必要に応じて採用することを発明者らは予想する。本発明の発明者らは、本願明細書に明記されている以外のやり方で本発明を実施することを考えている。したがって、本発明は、添付請求項に記載された主題のすべての変更物および同等物を、適用法で許されるように含む。また、本願明細書に特に明記されていないかまたは前後関係と明らかに矛盾しなければ、すべての可能変更例における上記構成要素のすべての組み合わせが本発明に含まれる。本願明細書に記載の主題に対するいずれか有効な請求項を大衆に引き渡したり捧げたりすることは、本発明の発明者らの本意ではない。また、記載請求項は本願明細書に記載される発明の全範囲を取り込むものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施態様にしたがう外科手術用深さ測定器を上から見た斜視図である。
【図2A】本発明の一実施態様による、引っ込められた位置にある外科手術用深さ測定器の断面図である。
【図2A1】(図2A’)図2Aに示される断面図の丸で囲まれた部分の拡大詳細図である。
【図2B】伸長位置にあり、骨部の遠位面に係合されている、本発明の一実施形態にしたがう外科手術用深さ測定器の断面図である。
【図2B1】(図2B’)図2Bに示される断面図の丸で囲まれた部分の拡大詳細図である。
【図3】本発明の外科手術用深さ測定器の一実施態様にしたがう密閉式ハウジングの分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施態様にしたがう外科手術用深さ測定器を下から見た斜視図である。
【図5】図4の切断線5−5に沿って切った、本発明の一実施形態にしたがう外科手術用深さ測定器の密閉式ハウジングおよび本体の断面図である。
【図6A】本発明の一実施形態にしたがう返し部付きプローブの図である。
【図6B】本発明の一実施形態にしたがう引掛部付きプローブの図である。
【図7】本発明の第2の実施形態にしたがう外科手術用深さ測定器の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の縁および第2の縁を備えた穴の深さを測定するための測定器であって、
前記穴の前記第1の縁が形成されている第1の表面に対して位置決め可能な部分を備え、前記穴に挿入可能な第1の部材と、
前記第1の部材にスライド可能に連結される第2の部材であって、前記穴の前記第2の縁が形成されている第2の表面に対して位置決め可能な部分と、前記第1の部材と前記第2の部材のあいだの距離に対応して変化する電子信号を発生するセンサとを備える、第2の部材と、
を備える測定器。
【請求項2】
前記第1の部材の、前記第1の表面に対して位置決め可能な前記部分は、返し部、引掛部、へこみ付き引掛部、光学センサ、および超音波トランスデューサからなる群から選択される、請求項1に記載の測定器。
【請求項3】
前記第2の部材の前記センサがコンデンサを備える、請求項1に記載の測定器。
【請求項4】
前記第2の部材の前記センサがインダクタを備える、請求項1に記載の測定器。
【請求項5】
前記センサによって測定された距離を表す情報を表示する電子ディスプレイをさらに備える、請求項1に記載の測定器。
【請求項6】
前記電子ディスプレイが、液晶ディスプレイおよびLEDディスプレイからなる群から選択される、請求項5に記載の測定器。
【請求項7】
前記第2の部材の前記センサが密閉式ハウジングの中に収容される、請求項1に記載の測定器。
【請求項8】
前記密閉式ハウジングは、左利き用および右利き用の両方に対応するためにほぼ対称に形成された少なくとも2つの側面を備える、請求項7に記載の測定器。
【請求項9】
前記第1の部材が合わせ面をさらに備え、前記第2の部材が、前記第1の部材の合わせ面とスライド可能に係合される相補的な合わせ面をさらに備える、請求項1に記載の測定器。
【請求項10】
滅菌しやすくするために前記第1の部材および前記第2の部材がスライド可能に着脱できる、請求項1に記載の測定器。
【請求項11】
前記第2の部材の、前記第2の表面に対して位置決め可能な前記部分が、組織保護部を備える、請求項1に記載の測定器。
【請求項12】
ほぼ円筒状のフォームファクタを備える、請求項1に記載の測定器。
【請求項13】
前記センサが無線送信機に接続される、請求項1に記載の測定器。
【請求項14】
第1の縁および第2の縁を備えた穴の深さを測定するための測定器であって、
前記穴の前記第1の縁が形成されている第1の表面に対して位置決め可能な部分を備え、前記穴に挿入可能な第1の部材と、
前記第1の部材に動けるように連結される第2の部材であって、前記穴の前記第2の縁が形成されている第2の表面に対して位置決め可能な部分と、前記第1の部材と前記第2の部材のあいだの距離に対応して変化する電子信号を発生するセンサと、前記センサと通信し、前記センサによって測定された前記距離に関係する情報を表示する電子ディスプレイとを備える、第2の部材と、
を備え、
前記第1の部材の第1の表面および前記第2の部材の第2の表面に沿って動けるように前記第1の部材および前記第2の部材が連結されている、測定器。
【請求項15】
前記第1の部材の、前記第1の表面に対して位置決め可能な前記部分は、返し部、へこみ付き引掛部、光学センサ、および超音波トランスデューサからなる群から選択される、請求項14に記載の測定器。
【請求項16】
前記第2の部材のセンサがコンデンサを備える、請求項14に記載の測定器。
【請求項17】
前記第2の部材の前記センサがインダクタを備える、請求項14に記載の測定器。
【請求項18】
前記電子ディスプレイが、液晶ディスプレイおよびLEDディスプレイからなる群から選択されるディスプレイである、請求項14に記載の測定器。
【請求項19】
前記第2の部材の前記センサが密閉式ハウジングの中に収容される、請求項14に記載の測定器。
【請求項20】
前記密閉式ハウジングは、左利き用および右利き用の両方に対応するためにほぼ対称に形成された少なくとも2つの側面を備える、請求項19に記載の測定器。
【請求項21】
滅菌しやすくするために前記第1の部材および前記第2の部材が着脱できる、請求項14に記載の測定器。
【請求項22】
前記第2の部材の、前記第2の表面に対して位置決め可能な前記部分が、組織保護部を備える、請求項14に記載の測定器。
【請求項23】
前記電子ディスプレイが、無線送信機および無線受信機を用いて前記センサと通信する、請求項14に記載の測定器。
【請求項24】
ほぼ円筒状のフォームファクタを備える、請求項14に記載の測定器。
【請求項25】
第1の縁および第2の縁を備えた穴の深さを測定するための測定器であって、
前記穴の前記第1の縁が形成されている第1の表面に対して位置決めするための挿入可能な手段と、
前記穴の前記第2の縁が形成されている第2の表面に対して位置決めするための往復動手段と、を備え、
前記挿入可能な手段と前記往復動手段が動けるように連結されており、
前記第1の表面と前記第2の表面のあいだの距離を電子的に求めるための測定手段を備える、
測定器。
【請求項26】
前記挿入可能な手段が、返し部、引掛部、へこみ付き引掛部、光学センサ、および超音波トランスデューサからなる群から選択される部分を備える、請求項25に記載の測定器。
【請求項27】
前記第1の表面と前記第2の表面のあいだの距離に関する情報を表示する表示手段をさらに備える、請求項25に記載の測定器。
【請求項28】
前記表示手段が、液晶ディスプレイおよびLEDディスプレイからなる群から選択されるディスプレイである、請求項27に記載の測定器。
【請求項29】
前記測定手段が無線送信機を備える、請求項25に記載の測定器。
【請求項30】
前記測定手段がコンデンサを備える、請求項25に記載の測定器。
【請求項31】
前記測定手段がインダクタを備える、請求項25に記載の測定器。
【請求項32】
前記往復動手段がセンサおよび密閉式ハウジングを備え、前記センサが前記密閉式ハウジングの中に収容される、請求項23に記載の測定器。
【請求項33】
前記密閉式ハウジングは、左利き用および右利き用の両方に対応するためにほぼ対称に形成された少なくとも2つの側面を有する、請求項32に記載の測定器。
【請求項34】
前記挿入可能な手段が合わせ面を備え、前記往復動手段が相補的な合わせ面を備え、前記挿入可能な手段および前記相補的な合わせ面が前記合わせ面および前記往復動合わせ面に沿ってスライド可能に連結される、請求項25に記載の測定器。
【請求項35】
滅菌しやすくするために前記挿入可能な手段および前記往復動手段が着脱できる、請求項25に記載の測定器。
【請求項36】
前記往復動手段が、前記第2の表面に対して位置決め可能な組織保護部を備える、請求項25に記載の測定器。
【請求項37】
ほぼ円筒状のフォームファクタを備える、請求項25に記載の測定器。
【請求項38】
第1の縁および第2の縁を備えた穴の深さを測定する方法であって、
第1の部材の遠位端を前記第1の縁が形成されている第1の表面に対して位置決めするステップと、
第2の部材の遠位端を前記第2の縁が形成されている第2の表面に対して位置決めするステップであって、前記第1の部材と前記第2の部材が動けるように連結されている、ステップと、
前記第1の部材と前記第2の部材のあいだの距離を表す電子信号を測定するステップと、
を含む方法。
【請求項39】
前記電子信号を距離の数値計測結果として表示するステップをさらに含む、をさらに特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
第1の部材の遠位端を位置決めする前記ステップにおいて、前記第1の部材の前記遠位端が、返し部、へこみ付き引掛部、光学センサ、および超音波トランスデューサからなる群から選択される部分を備える、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
測定する前記ステップにおいて、前記電子信号が前記第2の部材に装着されたコンデンサの動きに応えて変化する、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
測定する前記ステップにおいて、前記電子信号が前記第2の部材に装着されたインダクタの動きに応えて変化する、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記第2の部材がセンサおよび密閉式ハウジングを備え、前記センサが前記密閉式ハウジングの中に収容される、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前記密閉式ハウジングは、左利き用および右利き用の両方に対応するためにほぼ対称に形成された少なくとも2つの側面を備える、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の部材を前記第2の部材から取り外すステップと、
前記第1の部材および前記第2の部材を滅菌するステップと、
をさらに含む、
請求項38に記載の方法。
【請求項46】
前記電子信号を無線で送信するステップと、
前記電子信号を無線で受信するステップと、
をさらに含む、請求項38に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2A1】
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【図2B】
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【図2B1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−537690(P2008−537690A)
【公表日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502005(P2008−502005)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/009337
【国際公開番号】WO2006/101900
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(507310134)エイドスメド エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】