外管を備えた電気ランプ
【課題】真空密で封止され長手方向に延在する内管1を有する外管が設けられており、この内管1は互いに対向する端部で封止部材6;32により封止されており、外管は付加されている管部材とともに内管1全体を覆っており、封止部材6;23のところで形成されている環状の隆起部によって固定されている電気ランプにおいて、外管と内管封止部材との間においていっそう確実かつ負荷に強い接続を保証する
【解決手段】長手方向に延在する内管1によって長手軸Aが規定され、この内管1は互いに対向する端部において封止部材6,32により封止されている。外管は付加された管部材とともに内管全体を覆っており、封止部材のところでそこに設けられた環状の隆起部により固定されている。この場合、管部材の端部は半径方向で隆起部に当接しており、この隆起部の最大内径は隆起部の領域における封止部材の外径よりも大きい。
【解決手段】長手方向に延在する内管1によって長手軸Aが規定され、この内管1は互いに対向する端部において封止部材6,32により封止されている。外管は付加された管部材とともに内管全体を覆っており、封止部材のところでそこに設けられた環状の隆起部により固定されている。この場合、管部材の端部は半径方向で隆起部に当接しており、この隆起部の最大内径は隆起部の領域における封止部材の外径よりも大きい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空密で封止され長手方向に延在する内管を有する外管が設けられており、前記内管により長手軸が規定され、該内管は互いに対向する端部で封止部材により封止されており、前記外管は付加されている管部材とともに前記内管全体を覆っており、前記封止部材のところで形成されている環状の隆起部によって固定されている電気ランプに関する。この場合、たとえばメタルハライドランプ、水銀高圧放電ランプを対象とするが、外管を備えたハロゲン白熱ランプも対象とする。ランプの内管は、封止部材により2つの側で封止されている。外管は、1つまたは両方の封止部材のところで固定されている。
【背景技術】
【0002】
EP-A 465 083およびEP-A 588 602から外管を備えた電気ランプがすでに知られており、このランプは外管により取り囲まれた発光体を有しており、これは封止部材に取り付けられている。その際に良好な接続を形成するため、封止部材にはたとえば放射状の支承部材すなわち隆起部ないしはビードが設けられており、この隆起部の上に外管端部が当接されていて、そこにおいてこの隆起部といっしょに溶融されている。
【0003】
他方、たとえばWO 95/32516から、いかなる隆起部も用いることなく外管を封止部材上にじかに巻くことが知られている。
【0004】
US-B 6 790 115から冒頭で述べた形式のランプが知られており、これによれば一方の側において放電容器封止部材の延長部に「切り欠きが付けられ(scratched)」、これによりソリッドな隆起部が形成され、そこに外管が取り付けられる。
【0005】
このような接続技術の欠点は、外管と封止部材との間の接続に関する所期の強度に関して、いずれのケースでも改善の余地があることである。しかも隆起部を用いないと、そのために時間のかかる熱処理プロセスが必要となる。
【特許文献1】EP-A 465 083
【特許文献2】EP-A 588 602
【特許文献3】WO 95/32516
【特許文献4】US-B 6 790 115
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の課題は、請求項1の上位概念に記載のランプにおいて、外管と内管封止部材との間においていっそう確実かつ負荷に強い接続を保証することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によればこの課題は、隆起部の横断面は中空であり凹凸状に形成されており、前記管部材は該隆起部に半径方向で当接しており、前記管部材は少なくとも隆起部の最大直径のところまで外側に突出しており、前記隆起部は3つの部分に分けられていて、1つの凸状中央部分と2つの外側部分を有しており、前記凸状中央部分の軸線方向の長さは隆起部全長の少なくとも50%を成し、前記外側部分の軸線方向の長さは隆起部全長の最大でそれぞれ25%を成すことにより解決される。従属請求項には殊に有利な実施形態が示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による電気ランプは真空密で封止された内管たとえば放電容器を有しており、これによってランプの長手軸が規定され、この内管は互いに対向するその端部のところで封止部材により封止されている。封止部材はピンチ封止部であるかまたは溶融封止部である。ランプ内部の発光手段は、2つの電極間の放電アークまたは発光体である。発光手段は、そこへ案内される内部電流導入線によって導電接続されている。封止部材にはたとえば外側へ向かって突出する延長部が設けられており、これは中空の管として形成されている。封止部材のところで、たとえばその延長部のところで、支承部材すなわち隆起部ないしはビードによって外管が取り付けられている。さらに外管はこの隆起部の上で外側に配置されており、それゆえ外管は大部分、隆起部の長さを超えて突出している。隆起部の中央部分は凸状に形成されており、したがって頂部を成している。
【0009】
たとえば少なくとも1つの封止部材に有利には環状の隆起部ないしはビードが設けられており、これはランプ軸に対し半径方向に突出しており、その際、外管は外側で隆起部周縁部に当接している。隆起部は中空であり凸状または凹凸状の形状を有しており、凸状部分と凹状部分との間の変曲点は頂部の高さHの約半分の高さHwであり、つまりHw=0.3H〜0.7Hである。この場合、たとえば隆起部の最大内径は、隆起部近傍における封止部材(たとえばその延長部)の外径よりも大きい。外管を直径が等しく維持された連続した1つの管部材としてもよいし、中央に膨らみをもちそれに続いて末端に管部材が設けられた管ないしはバルブとしてもよい。
【0010】
1つの有利な実施形態によれば、封止部材に管状の延長部分が設けられており、そこに隆起部が当接されている。これによって、半径方向に対称ではないピンチ封止部においても半径方向に対称な隆起部を形成することができる。溶融封止部の場合も、この種の延長部分が同様に有利である。なお、内管も外管も石英ガラスまたは硬質ガラスとするのが有利である。
【0011】
殊に隆起部を比較的小さくすることができ、したがって突出する隆起部の外径は封止部材の外径よりも典型的には25〜80%だけ大きくなる。たとえば隆起部の外径は、封止部材(これ自体は典型的には7mmである)の外径よりも少なくとも2mmだけ大きく、典型的には3mm〜4mm大きい。
【0012】
殊に有利であるのは、隆起部を担持する封止部材の外径よりも30〜70%大きい中空の隆起部である。これにより著しくはっきりとした凸状の隆起部が実現され、このような凸状の形状は外管端部の半径方向での密着に殊に適している。その理由は、外管に対する接触領域の幅が著しく広いからである。接触領域の軸線方向の長さを以下ではKZと称する。
【0013】
すでに知られている隆起部の慣用の凹凸形状の場合には、接触領域は著しく短い。
【0014】
このような凸状の隆起部に外管を取り付けることによって移行部の耐性が著しく高まり、しかもこれは50%までに及ぶ。公知の放射状の溶融部材に対しこの接触領域は、軸線方向長さに関して2倍以上の長さである。接触領域の長さは典型的には2〜4mmであるのに対し、公知の凹凸状の隆起部の場合には2mmよりも僅かである。
【0015】
また、凹凸状の公知の隆起部における中央部分の軸線方向長さは、軸線方向長さのせいぜい5分の1であるのに対し、本発明による形状は横断面が実質的に凸状でしかなく、あるいはほとんど明確な凹凸形状は有しておらず、この場合、凸状中央部分は軸線方向長さ全長の少なくとも3分の1を成している。その際、凹部区間と凸部区間との境界点は変曲点によって与えられている。しかも凸状中央部分には、その中央部に平坦な鞍部をもたせることもできる。
【0016】
隆起部ないしはビードを有利には封止部材から形成することができ、その際、最初に封止部材の対応個所が加熱され、ついで変形され、これはたとえば機械的なフィンガ部材または過剰圧力の導入によって拡開され、これにより膨らみが形成される。これに対し慣用の圧縮ないしは押圧はここでは適していない。なぜならばこのようにすると隆起部の横断面が、隆起部中央部分Mの軸線方向長さが短すぎる形状をもつようになってしまうからである。
【0017】
次に、複数の実施例に基づき本発明について詳しく説明する。
【実施例】
【0018】
図1には、2つの側でピンチ封止されたハロゲン白熱ランプの側面図が示されている。このランプは円筒状の管体1から成り、その中央部分4において軸線方向に発光体2が配置されている。この発光体2は管体1内で突起により保持されている。
【0019】
発光体2の端部5は内部電流導入線として機能し、これはピンチ封止部6にじかに埋め込まれており、そこにおいてピンチ薄片7と接続されている。
【0020】
ピンチ封止部6はその外側に、ソケット構成部材としての役割も果たすことのできる延長部材として管状のガラススリーブ11を有しており、このガラススリーブ11はピンチ封止部のところで一体成形されていて、7mmの外径と5mmの内径を有している。このガラススリーブ11の長さは約7mmである。
【0021】
さらにガラススリーブ11のところでランプ軸線と交差して外側に隆起部ないしはビード12が付加されており、これは実質的に凸状に成形されている。さらに隆起部12には、管部材13として構成された外管14の端部が当接しており、したがって外管は両方の隆起部12の間において中央部分4の両方の側で延在することになる。
【0022】
さらに封止部材の一方の端部には口金が取り付けられており、その際、口金は電気的な接触部材を有しており、この接触部材は発光手段へ導かれる電流導入線と導電接続されていて、この場合、接触部材は封止部材の管状延長部に取り付けられている。
【0023】
図2にはメタルハライドランプが示されており、これは溶融部15によって封止されている。ここでは隆起部12のところで管部材13が終端しており、隆起部12は溶融部15のところにじかに形成されている。ただしこれに対する代案として、隆起部12を延長部16のところに形成することもでき、それというのもこの場合には最小の材料を成形すればよいからである。
【0024】
図3には、隆起部12の形状の一例が断面図で描かれている。この場合、形状は実質的に凸状である。頂部Sによって、支持部材すなわち封止部材のレベルより上における隆起部の高さHが規定される。湾曲部は中央では凸状であり、外側では凹状である。変曲点には参照符号WPが付されている。つまり図4に示されているように、隆起部は凸状の中央部分MTと2つの凹状の外側部分ATを有しており、その際、中央部分の長さLmは軸線方向における隆起部全長Lの少なくとも50%を成している。さらに凹状の外側部分ATの長さLaは、軸線方向全長Lのそれぞれ最大で25%である。外側部分ATと中央部分MTとの間の境界は変曲点WPにより規定される。
【0025】
図5aは、隆起部12の延長部分を描いた部分である。隆起部の最大直径DWは本来、外管14における管状端部13の内径IDよりもいくらか大きく、たとえば1〜2mm大きい。ただしこれは管部材13のところでフラットに押圧されるので、結果としてはむしろ図5bの形状が生じることになる。隆起部が明確に鞍部領域をもつことから、軸線方向の接触ゾーンKZの長さは少なくとも2mm、それどころか3〜4mmとなることも多い。図5bにはブリッジアーク状に成形された隆起部が示されており、これによって殊に長い接触ゾーンKZが形成される。実際の使用にあたり判明したのは、隆起部と外管との間で軸線方向にできるかぎり長い接触ゾーンKZによって、接続耐性に決定的な影響が及ぼされることである。
【0026】
接続耐性は最終的には製造方法に基づくところが大きく、そのような製造方法によれば図6に示されているような凹凸状に成形された隆起部が常に生じることになる。この種の凹凸状の隆起部の特徴は、隆起部の内径IDWがそれを取り囲む延長部もしくは封止部材の内径IDAよりも大きいことである。
【0027】
製造方法としては2つの方法が実証されている。第1の方法(図7)の場合、ポーカに似た機械的なフィンガ部材21が用いられ、これは隆起部12を当接させるべき個所22をはじめにまえもって加熱した後、延長部11に挿入される。この加熱はそれ自体周知のように、たとえばバーナ23によって外側または内側から行われる。その際、延長部11が回転する(矢印を参照)。ポーカ状のフィンガ部材端部24は、隆起部の形状が与えられるように形成されている。この場合、延長部11が回転するので、隆起部は回転対称に成形されることになる。この方法によって、隆起部の精確な形状設定が可能となる。ついで遅くともその後で、管部材13がゾーン22の上に適切に置かれるよう外管が位置決めされる。ポーカ状のフィンガ部材21によって隆起部が形成され、その際に外管の間隔は、隆起部における頂部と接触ゾーンが管部材と密に接触するよう選定される。その際に有利であるのは、管部材も外側から加熱することである。
【0028】
有利な第2の方法(図8)によればやはり最初に、隆起部12を当接させるべき個所が有利にはリングバーナによって加熱される。この場合、延長部材の回転は必ずしも行わなくてよい。ついで適切に調量された不活性ガス(アルゴン等)の過剰圧力が密封された導管24を介して延長部11へ導入され、その結果、加熱された環状領域22に膨らみがつけられる。やはり遅くともこの時点で、管部材13がゾーン22の上に適切に置かれるよう外管が位置決めされる。過剰圧力によって隆起部が形成され、その際に外管の間隔は、隆起部の頂部と接触ゾーンが管部材と密に接触するよう選定される。その際に有利であるのは、管部材も外側から加熱することである。
【0029】
封止部には参照符号26が付されており、ガス貯蔵器には参照符号27が付されている。この場合、形状設定は、適切に選定された過剰圧力とともにゾーンZにおける軸線方向の温度分布の選定により行われる。ここで実証されたのは急速な圧力印加であり、その最大圧力は0.8〜7barのオーダであり、たとえば5barのところにある。この方法により得られる利点とは、高度な自動化性能ゆえに工業生産にきわめて適していることである。
【0030】
この製造はソリッドなすなわち中空ではない隆起部の製造とはまったく逆であり、そのようなソリッドな隆起部は圧縮により形成され、この場合、製造済みの隆起部に対し外管が外側からあとで押圧され、その際、常に高い応力が加わり、熱処理ないしは焼き戻しにより手間をかけてこの応力を緩和しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】ハロゲン白熱ランプの側面図
【図2】メタルハライドランプの実施例に関する側面図
【図3】別の実施例の部分図
【図4】隆起部の詳細部分図
【図5】隆起部の別の実施例に関する部分図
【図6】隆起部の別の実施例に関する部分図
【図7】隆起部の製造に関する実施例の詳細部分図
【図8】隆起部の製造に関する実施例の詳細部分図
【符号の説明】
【0032】
1 内管
2 発光体
4 中央部分
5 発光体端部
6 ピンチ封止部
7 ピンチ薄片
11 ガラススリーブ
12 隆起部
13 管部材
15 溶融部
16 延長部
21 フィンガ部材
23 バーナ
27 ガス貯蔵器
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空密で封止され長手方向に延在する内管を有する外管が設けられており、前記内管により長手軸が規定され、該内管は互いに対向する端部で封止部材により封止されており、前記外管は付加されている管部材とともに前記内管全体を覆っており、前記封止部材のところで形成されている環状の隆起部によって固定されている電気ランプに関する。この場合、たとえばメタルハライドランプ、水銀高圧放電ランプを対象とするが、外管を備えたハロゲン白熱ランプも対象とする。ランプの内管は、封止部材により2つの側で封止されている。外管は、1つまたは両方の封止部材のところで固定されている。
【背景技術】
【0002】
EP-A 465 083およびEP-A 588 602から外管を備えた電気ランプがすでに知られており、このランプは外管により取り囲まれた発光体を有しており、これは封止部材に取り付けられている。その際に良好な接続を形成するため、封止部材にはたとえば放射状の支承部材すなわち隆起部ないしはビードが設けられており、この隆起部の上に外管端部が当接されていて、そこにおいてこの隆起部といっしょに溶融されている。
【0003】
他方、たとえばWO 95/32516から、いかなる隆起部も用いることなく外管を封止部材上にじかに巻くことが知られている。
【0004】
US-B 6 790 115から冒頭で述べた形式のランプが知られており、これによれば一方の側において放電容器封止部材の延長部に「切り欠きが付けられ(scratched)」、これによりソリッドな隆起部が形成され、そこに外管が取り付けられる。
【0005】
このような接続技術の欠点は、外管と封止部材との間の接続に関する所期の強度に関して、いずれのケースでも改善の余地があることである。しかも隆起部を用いないと、そのために時間のかかる熱処理プロセスが必要となる。
【特許文献1】EP-A 465 083
【特許文献2】EP-A 588 602
【特許文献3】WO 95/32516
【特許文献4】US-B 6 790 115
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の課題は、請求項1の上位概念に記載のランプにおいて、外管と内管封止部材との間においていっそう確実かつ負荷に強い接続を保証することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によればこの課題は、隆起部の横断面は中空であり凹凸状に形成されており、前記管部材は該隆起部に半径方向で当接しており、前記管部材は少なくとも隆起部の最大直径のところまで外側に突出しており、前記隆起部は3つの部分に分けられていて、1つの凸状中央部分と2つの外側部分を有しており、前記凸状中央部分の軸線方向の長さは隆起部全長の少なくとも50%を成し、前記外側部分の軸線方向の長さは隆起部全長の最大でそれぞれ25%を成すことにより解決される。従属請求項には殊に有利な実施形態が示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による電気ランプは真空密で封止された内管たとえば放電容器を有しており、これによってランプの長手軸が規定され、この内管は互いに対向するその端部のところで封止部材により封止されている。封止部材はピンチ封止部であるかまたは溶融封止部である。ランプ内部の発光手段は、2つの電極間の放電アークまたは発光体である。発光手段は、そこへ案内される内部電流導入線によって導電接続されている。封止部材にはたとえば外側へ向かって突出する延長部が設けられており、これは中空の管として形成されている。封止部材のところで、たとえばその延長部のところで、支承部材すなわち隆起部ないしはビードによって外管が取り付けられている。さらに外管はこの隆起部の上で外側に配置されており、それゆえ外管は大部分、隆起部の長さを超えて突出している。隆起部の中央部分は凸状に形成されており、したがって頂部を成している。
【0009】
たとえば少なくとも1つの封止部材に有利には環状の隆起部ないしはビードが設けられており、これはランプ軸に対し半径方向に突出しており、その際、外管は外側で隆起部周縁部に当接している。隆起部は中空であり凸状または凹凸状の形状を有しており、凸状部分と凹状部分との間の変曲点は頂部の高さHの約半分の高さHwであり、つまりHw=0.3H〜0.7Hである。この場合、たとえば隆起部の最大内径は、隆起部近傍における封止部材(たとえばその延長部)の外径よりも大きい。外管を直径が等しく維持された連続した1つの管部材としてもよいし、中央に膨らみをもちそれに続いて末端に管部材が設けられた管ないしはバルブとしてもよい。
【0010】
1つの有利な実施形態によれば、封止部材に管状の延長部分が設けられており、そこに隆起部が当接されている。これによって、半径方向に対称ではないピンチ封止部においても半径方向に対称な隆起部を形成することができる。溶融封止部の場合も、この種の延長部分が同様に有利である。なお、内管も外管も石英ガラスまたは硬質ガラスとするのが有利である。
【0011】
殊に隆起部を比較的小さくすることができ、したがって突出する隆起部の外径は封止部材の外径よりも典型的には25〜80%だけ大きくなる。たとえば隆起部の外径は、封止部材(これ自体は典型的には7mmである)の外径よりも少なくとも2mmだけ大きく、典型的には3mm〜4mm大きい。
【0012】
殊に有利であるのは、隆起部を担持する封止部材の外径よりも30〜70%大きい中空の隆起部である。これにより著しくはっきりとした凸状の隆起部が実現され、このような凸状の形状は外管端部の半径方向での密着に殊に適している。その理由は、外管に対する接触領域の幅が著しく広いからである。接触領域の軸線方向の長さを以下ではKZと称する。
【0013】
すでに知られている隆起部の慣用の凹凸形状の場合には、接触領域は著しく短い。
【0014】
このような凸状の隆起部に外管を取り付けることによって移行部の耐性が著しく高まり、しかもこれは50%までに及ぶ。公知の放射状の溶融部材に対しこの接触領域は、軸線方向長さに関して2倍以上の長さである。接触領域の長さは典型的には2〜4mmであるのに対し、公知の凹凸状の隆起部の場合には2mmよりも僅かである。
【0015】
また、凹凸状の公知の隆起部における中央部分の軸線方向長さは、軸線方向長さのせいぜい5分の1であるのに対し、本発明による形状は横断面が実質的に凸状でしかなく、あるいはほとんど明確な凹凸形状は有しておらず、この場合、凸状中央部分は軸線方向長さ全長の少なくとも3分の1を成している。その際、凹部区間と凸部区間との境界点は変曲点によって与えられている。しかも凸状中央部分には、その中央部に平坦な鞍部をもたせることもできる。
【0016】
隆起部ないしはビードを有利には封止部材から形成することができ、その際、最初に封止部材の対応個所が加熱され、ついで変形され、これはたとえば機械的なフィンガ部材または過剰圧力の導入によって拡開され、これにより膨らみが形成される。これに対し慣用の圧縮ないしは押圧はここでは適していない。なぜならばこのようにすると隆起部の横断面が、隆起部中央部分Mの軸線方向長さが短すぎる形状をもつようになってしまうからである。
【0017】
次に、複数の実施例に基づき本発明について詳しく説明する。
【実施例】
【0018】
図1には、2つの側でピンチ封止されたハロゲン白熱ランプの側面図が示されている。このランプは円筒状の管体1から成り、その中央部分4において軸線方向に発光体2が配置されている。この発光体2は管体1内で突起により保持されている。
【0019】
発光体2の端部5は内部電流導入線として機能し、これはピンチ封止部6にじかに埋め込まれており、そこにおいてピンチ薄片7と接続されている。
【0020】
ピンチ封止部6はその外側に、ソケット構成部材としての役割も果たすことのできる延長部材として管状のガラススリーブ11を有しており、このガラススリーブ11はピンチ封止部のところで一体成形されていて、7mmの外径と5mmの内径を有している。このガラススリーブ11の長さは約7mmである。
【0021】
さらにガラススリーブ11のところでランプ軸線と交差して外側に隆起部ないしはビード12が付加されており、これは実質的に凸状に成形されている。さらに隆起部12には、管部材13として構成された外管14の端部が当接しており、したがって外管は両方の隆起部12の間において中央部分4の両方の側で延在することになる。
【0022】
さらに封止部材の一方の端部には口金が取り付けられており、その際、口金は電気的な接触部材を有しており、この接触部材は発光手段へ導かれる電流導入線と導電接続されていて、この場合、接触部材は封止部材の管状延長部に取り付けられている。
【0023】
図2にはメタルハライドランプが示されており、これは溶融部15によって封止されている。ここでは隆起部12のところで管部材13が終端しており、隆起部12は溶融部15のところにじかに形成されている。ただしこれに対する代案として、隆起部12を延長部16のところに形成することもでき、それというのもこの場合には最小の材料を成形すればよいからである。
【0024】
図3には、隆起部12の形状の一例が断面図で描かれている。この場合、形状は実質的に凸状である。頂部Sによって、支持部材すなわち封止部材のレベルより上における隆起部の高さHが規定される。湾曲部は中央では凸状であり、外側では凹状である。変曲点には参照符号WPが付されている。つまり図4に示されているように、隆起部は凸状の中央部分MTと2つの凹状の外側部分ATを有しており、その際、中央部分の長さLmは軸線方向における隆起部全長Lの少なくとも50%を成している。さらに凹状の外側部分ATの長さLaは、軸線方向全長Lのそれぞれ最大で25%である。外側部分ATと中央部分MTとの間の境界は変曲点WPにより規定される。
【0025】
図5aは、隆起部12の延長部分を描いた部分である。隆起部の最大直径DWは本来、外管14における管状端部13の内径IDよりもいくらか大きく、たとえば1〜2mm大きい。ただしこれは管部材13のところでフラットに押圧されるので、結果としてはむしろ図5bの形状が生じることになる。隆起部が明確に鞍部領域をもつことから、軸線方向の接触ゾーンKZの長さは少なくとも2mm、それどころか3〜4mmとなることも多い。図5bにはブリッジアーク状に成形された隆起部が示されており、これによって殊に長い接触ゾーンKZが形成される。実際の使用にあたり判明したのは、隆起部と外管との間で軸線方向にできるかぎり長い接触ゾーンKZによって、接続耐性に決定的な影響が及ぼされることである。
【0026】
接続耐性は最終的には製造方法に基づくところが大きく、そのような製造方法によれば図6に示されているような凹凸状に成形された隆起部が常に生じることになる。この種の凹凸状の隆起部の特徴は、隆起部の内径IDWがそれを取り囲む延長部もしくは封止部材の内径IDAよりも大きいことである。
【0027】
製造方法としては2つの方法が実証されている。第1の方法(図7)の場合、ポーカに似た機械的なフィンガ部材21が用いられ、これは隆起部12を当接させるべき個所22をはじめにまえもって加熱した後、延長部11に挿入される。この加熱はそれ自体周知のように、たとえばバーナ23によって外側または内側から行われる。その際、延長部11が回転する(矢印を参照)。ポーカ状のフィンガ部材端部24は、隆起部の形状が与えられるように形成されている。この場合、延長部11が回転するので、隆起部は回転対称に成形されることになる。この方法によって、隆起部の精確な形状設定が可能となる。ついで遅くともその後で、管部材13がゾーン22の上に適切に置かれるよう外管が位置決めされる。ポーカ状のフィンガ部材21によって隆起部が形成され、その際に外管の間隔は、隆起部における頂部と接触ゾーンが管部材と密に接触するよう選定される。その際に有利であるのは、管部材も外側から加熱することである。
【0028】
有利な第2の方法(図8)によればやはり最初に、隆起部12を当接させるべき個所が有利にはリングバーナによって加熱される。この場合、延長部材の回転は必ずしも行わなくてよい。ついで適切に調量された不活性ガス(アルゴン等)の過剰圧力が密封された導管24を介して延長部11へ導入され、その結果、加熱された環状領域22に膨らみがつけられる。やはり遅くともこの時点で、管部材13がゾーン22の上に適切に置かれるよう外管が位置決めされる。過剰圧力によって隆起部が形成され、その際に外管の間隔は、隆起部の頂部と接触ゾーンが管部材と密に接触するよう選定される。その際に有利であるのは、管部材も外側から加熱することである。
【0029】
封止部には参照符号26が付されており、ガス貯蔵器には参照符号27が付されている。この場合、形状設定は、適切に選定された過剰圧力とともにゾーンZにおける軸線方向の温度分布の選定により行われる。ここで実証されたのは急速な圧力印加であり、その最大圧力は0.8〜7barのオーダであり、たとえば5barのところにある。この方法により得られる利点とは、高度な自動化性能ゆえに工業生産にきわめて適していることである。
【0030】
この製造はソリッドなすなわち中空ではない隆起部の製造とはまったく逆であり、そのようなソリッドな隆起部は圧縮により形成され、この場合、製造済みの隆起部に対し外管が外側からあとで押圧され、その際、常に高い応力が加わり、熱処理ないしは焼き戻しにより手間をかけてこの応力を緩和しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】ハロゲン白熱ランプの側面図
【図2】メタルハライドランプの実施例に関する側面図
【図3】別の実施例の部分図
【図4】隆起部の詳細部分図
【図5】隆起部の別の実施例に関する部分図
【図6】隆起部の別の実施例に関する部分図
【図7】隆起部の製造に関する実施例の詳細部分図
【図8】隆起部の製造に関する実施例の詳細部分図
【符号の説明】
【0032】
1 内管
2 発光体
4 中央部分
5 発光体端部
6 ピンチ封止部
7 ピンチ薄片
11 ガラススリーブ
12 隆起部
13 管部材
15 溶融部
16 延長部
21 フィンガ部材
23 バーナ
27 ガス貯蔵器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空密で封止され長手方向に延在する内管(1)を有する外管が設けられており、
前記内管(1)により長手軸(A)が規定され、該内管(1)は互いに対向する端部で封止部材(6;32)により封止されており、
前記外管は付加されている管部材とともに前記内管(1)全体を覆っており、前記封止部材(6;23)のところで形成されている環状の隆起部によって固定されている電気ランプにおいて、
前記隆起部の横断面は中空であり凹凸状に形成されており、
前記管部材は該隆起部に半径方向で当接しており、
前記管部材は少なくとも隆起部の最大直径のところまで外側に突出しており、
前記隆起部は3つの部分に分けられていて、1つの凸状中央部分(MT)と2つの外側部分(AT)を有しており、
前記凸状中央部分(MT)の軸線方向の長さ(Lm)は隆起部全長(L)の少なくとも50%を成し、
前記外側部分(AT)の軸線方向の長さ(La)は隆起部全長(L)の最大でそれぞれ25%を成すことを特徴とする電気ランプ。
【請求項2】
請求項1記載のランプにおいて、
前記隆起部の内径は、該隆起部の領域における封止部材の外径よりも少なくとも2mm大きいことを特徴とするランプ。
【請求項3】
請求項1記載のランプにおいて、
前記隆起部は、前記封止部材における管状の延長部に配置されていることを特徴とするランプ。
【請求項4】
請求項1記載のランプにおいて、
前記封止部材は溶融封止部またはピンチ封止部であることを特徴とするランプ。
【請求項5】
請求項1記載のランプにおいて、
前記管部材の端部は前記隆起部の端部のところで外側に突出していることを特徴とするランプ。
【請求項6】
外管を備えたランプの製造方法において、
a)コンポーネントを装備し管状の延長部をもつ内管と、少なくとも一方の端部に円筒状の管部材をもつ外管を準備するステップと、
b)あとで隆起部が設けられることになる環状の領域で前記延長部を加熱し、外管を取り付けるステップと、
c)管部材に内部から密接に接触するまで前記環状の領域に膨らみをつけるステップ
を有することを特徴とする、外管を備えたランプの製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、
フィンガ部材(21)によって機械的に前記膨らみをつけることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6記載の方法において、
不活性ガスの過剰圧力を導入することにより無接触で前記膨らみをつけることを特徴とする方法。
【請求項1】
真空密で封止され長手方向に延在する内管(1)を有する外管が設けられており、
前記内管(1)により長手軸(A)が規定され、該内管(1)は互いに対向する端部で封止部材(6;32)により封止されており、
前記外管は付加されている管部材とともに前記内管(1)全体を覆っており、前記封止部材(6;23)のところで形成されている環状の隆起部によって固定されている電気ランプにおいて、
前記隆起部の横断面は中空であり凹凸状に形成されており、
前記管部材は該隆起部に半径方向で当接しており、
前記管部材は少なくとも隆起部の最大直径のところまで外側に突出しており、
前記隆起部は3つの部分に分けられていて、1つの凸状中央部分(MT)と2つの外側部分(AT)を有しており、
前記凸状中央部分(MT)の軸線方向の長さ(Lm)は隆起部全長(L)の少なくとも50%を成し、
前記外側部分(AT)の軸線方向の長さ(La)は隆起部全長(L)の最大でそれぞれ25%を成すことを特徴とする電気ランプ。
【請求項2】
請求項1記載のランプにおいて、
前記隆起部の内径は、該隆起部の領域における封止部材の外径よりも少なくとも2mm大きいことを特徴とするランプ。
【請求項3】
請求項1記載のランプにおいて、
前記隆起部は、前記封止部材における管状の延長部に配置されていることを特徴とするランプ。
【請求項4】
請求項1記載のランプにおいて、
前記封止部材は溶融封止部またはピンチ封止部であることを特徴とするランプ。
【請求項5】
請求項1記載のランプにおいて、
前記管部材の端部は前記隆起部の端部のところで外側に突出していることを特徴とするランプ。
【請求項6】
外管を備えたランプの製造方法において、
a)コンポーネントを装備し管状の延長部をもつ内管と、少なくとも一方の端部に円筒状の管部材をもつ外管を準備するステップと、
b)あとで隆起部が設けられることになる環状の領域で前記延長部を加熱し、外管を取り付けるステップと、
c)管部材に内部から密接に接触するまで前記環状の領域に膨らみをつけるステップ
を有することを特徴とする、外管を備えたランプの製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、
フィンガ部材(21)によって機械的に前記膨らみをつけることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6記載の方法において、
不活性ガスの過剰圧力を導入することにより無接触で前記膨らみをつけることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2006−147587(P2006−147587A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339223(P2005−339223)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(390009472)パテント−トロイハント−ゲゼルシヤフト フユール エレクトリツシエ グリユーラムペン ミツト ベシユレンクテル ハフツング (152)
【氏名又は名称原語表記】Patent−Treuhand−Gesellschaft fuer elektrische Gluehlampen mbH
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Strasse 1, Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(390009472)パテント−トロイハント−ゲゼルシヤフト フユール エレクトリツシエ グリユーラムペン ミツト ベシユレンクテル ハフツング (152)
【氏名又は名称原語表記】Patent−Treuhand−Gesellschaft fuer elektrische Gluehlampen mbH
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Strasse 1, Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]