説明

外装部材、電子機器及び画像形成装置

【課題】 複数の中空部を備えた電子機器及び画像形成装置の外装部材を良好な強度・外観で製造することができるようにすること。
【解決手段】 画像形成装置20の正面開閉扉10を合成樹脂でコアバック成型し、外装板部材11に形成される溝部16の両側に中空部1,2を備えて補強をする。外装板部材11の溝部16には前記中空部1,2の間を接続するリブ3を形成して構成し成型時の変形を防止した。また、リブ3の高さを前記中空部1,2より低く形成し、コスト削減を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装部材、電子機器及び画像形成装置に係り、特に外装板部に複数個所の中空部を備える外装部材、電子機器及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器である画像形成装置例えば電子写真装置の外装には、一方向に開閉する開閉扉が使用されることがあり、該扉を開放してメンテナンスや消耗品の補給等を行う。このような電子写真装置の開閉扉にあっては、安全上及び操作性から相当の強度が必要で、大型機の開閉扉は合成樹脂を型成形する際、リブを形成したり、コアバック成型、ブロー成型などで中空部を設け強度を確保している。
【0003】
このような画像形成装置の開閉扉に関して特許文献1の図2ないし図4に開示がある。
【特許文献1】特開平02−004284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、近来電子機器のデザインが多様化し、形状が複雑となり、開閉扉などの外装材に溝やくぼみが形作られてきており、コアバック形成などは一体で作ることが困難になってきた。すなわち、コアバック形成における製品の冷却時に、製品にへこみが生じてしまうため、強度・外観上好ましくないことになるからである。
【0005】
本発明は、複数の中空部を備えた外装部材を良好な強度・外観で製造することができる外装部材、電子機器及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、合成樹脂で成型され外装板部に複数個所の中空部を備えるとともに前記外装板に前記中空部を接続するリブを形成したことを特徴とする外装部材である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の外装部材において、前記リブの高さを前記中空部より低く形成したことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2の外装部材において、前記中空部をコアバック方式で形成することを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの外装部材において、外装部材は電子機器の外装に使用することを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4の外装部材において、外装部材は、画像形成装置の開閉蓋であることを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、電子機器において、請求項1ないし5のいずれかの外装部材を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、電子機器において、請求項6の外装部材を開閉扉として使用したことを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明は、画像形成装置において、請求項1ないし5のいずれかの外装部材を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項9の発明は、外装部材を開閉扉として使用したことを特徴とする請求項8の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る中空部間にリブを形成したので、複数の中空部を備えた外装部材を良好な強度・外観で製造することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図面を参照して説明する。
【実施例】
【0017】
図1は本発明の実施例に係る画像形成装置の全体の構成を示す図、図2は本発明の実施例に係る画像形成装置の正面開閉扉の内側を示す斜視図、図3は本発明の実施例に係る画像形成装置の正面扉の内側を示す平面図、図4は本発明の実施例に係る画像形成装置の正面扉の内側を示す拡大図である。
【0018】
本例において、外装部材は、図1に示すように、画像形成装置20の正面開閉扉10に適用される。ここで、画像形成装置20は、自動原稿移送装置21、画像形成装置本体22を備える。正面開閉扉10を開け、画像形成装置20に内蔵された画像形成ユニット、転写ユニット、定着ユニット、用紙搬送装置などが現れる。
【0019】
本例では、正面開閉扉10は合成樹脂で公知のコアバック方式で成型される。また、本例では、正面開閉扉10は、外装板部材11と、左右の立設部12,13と、湾曲形成部14と垂下部15とから構成される。また外装板部材11には上下方向に溝部16が形成されている。
【0020】
また、本例では、溝部16の両側に中空部1及び中空部2が形成され補強が施されている。また、本例では、中空部1と中空部2とは9本のリブ3が形成されている。このリブ3は外装板部材11及び湾曲形成部14から立設形成され両中空部1,2を接続している。
【0021】
さらに、本例では図3に示すように、前記リブ3は、中空部1,2より低くなっている(図4中3aで示した)。
【0022】
従って本例によれば、独立した中空部のままでは、開閉扉全体の歪み、撓みを押さえることができず、コアバックの間に応力が集中してしまい、破損しやすくなったのに対して、リブで補強ができ正面開閉扉の強度を補うことができる。
【0023】
また、本例ではリブを中空部より低く形成し、型の作成費を抑えるえることができる。
【0024】
なお、上記例では、電子機器として画像形成装置を例として説明したが、他の電子機器の外装部材として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例に係る画像形成装置の全体の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例に係る外装部材を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る外装部材を示す平面図である。
【図4】本発明の実施例に係る外装部材を示す拡大図である
【符号の説明】
【0026】
1 中空部
2 中空部
3 リブ
10 正面開閉扉
11 外装板部材
12 立設部
13 立設部
14 湾曲形成部
15 垂下部
16 溝部
20 画像形成装置
21 自動原稿移送装置
22 画像形成装置本体



【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂で成型され外装板部に複数個所の中空部を備えるとともに前記外装板に前記中空部を接続するリブを形成したことを特徴とする外装部材。
【請求項2】
前記リブの高さを前記中空部より低く形成したことを特徴とする請求項1の外装部材。
【請求項3】
前記中空部をコアバック方式で形成することを特徴とする請求項1または2の外装部材。
【請求項4】
外装部材は電子機器の外装に使用することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの外装部材。
【請求項5】
外装部材は、画像形成装置の開閉蓋であることを特徴とする請求項4の外装部材。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかの外装部材を備えた電子機器。
【請求項7】
外装部材を開閉扉として使用したことを特徴とする請求項6の電子機器。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれかの外装部材を備えた画像形成装置。
【請求項9】
外装部材を開閉扉として使用したことを特徴とする請求項8の画像形成装置



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−138877(P2006−138877A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325836(P2004−325836)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】