外部に拡散させる活性物質を収容する透過性リザーバの製造方法およびそのための装置
本発明は、活性物質を収容し、生物の天然の中空腔に挿入するのに適しており、その活性物質を透過可能な膜9を備えたリザーバ5を製造する方法に関する。この方法は、a)少なくとも1つの保持手段の中に、両端が開口し上記膜9を構成するための少なくとも1つのチューブを配置するステップと、b)上記チューブの中に残存する空気をすべて追い出しつつ、そのチューブの一端から、ペースト状の活性物質を含む製品8を、そのチューブの内部の自由スペースに略相当する量だけ注入するステップと、c)上記チューブが満たされたとき、注入が行われた端部とは反対側のチューブの端部を閉じるステップと、d)上記自由スペースへのペースト状の製品8の注入を継続し、上記リザーバ5の外径D5が所望の値になるまで上記チューブを径方向に膨張させるステップと、e)上記リザーバ5が上記保持手段の中に保持された状態で所望の外径D5になったとき、上記製品8を重合させるステップとを含んでいる。この方法は、特にホルモン性体内避妊具を製造するためのものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性物質を収容していて、その活性物質が透過できる膜によって包まれており、生物の天然の中空腔に挿入するのに適したリザーバの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなリザーバは、子宮内避妊装置(ホルモン性体内避妊具とも呼ばれる)として利用されている。このタイプのリザーバは、一般に、シリコーンをベースとした材料で製造されたチューブ状の膜を備えている。シリコーンをベースとしたマトリックスと避妊ホルモンとを特に含む製品が、この膜によって包まれる。ホルモンはこの膜を透過するため、リザーバの内部から子宮に向けて規則的に拡散する。このような体内避妊具は、ポリマーをベースとした不活性な支持体も備えていて、その支持体上にリザーバが固定された状態で、子宮内の所定の位置に保持される。
【0003】
この避妊薬投与法によって標的とする臓器に月経前ホルモンが直接送達されるため、その月経前ホルモンの毎日の用量を非常に少なくすることができる。この装置の効果は、ホルモンをベースとした経口摂取避妊薬の効果に匹敵する。この装置は、作用期間が2から5年の範囲であり、しかもリザーバの代わりに銅線を備える体内避妊具とは異なってアレルギー性ではない。このホルモン性体内避妊具は、特に、銅をベースとした体内避妊具で頻繁に起こる月経過多の場合に利用されている。
【0004】
リザーバを取り囲む膜は、直径が小さくて壁部ができるだけ薄いシリコーン製チューブから形成される。しかし技術的制約があるため、壁部の厚さが0.4ミリメートル未満で直径が1.5ミリメートル未満のシリコーン製チューブを製造することはできない。ところで膜を通じたホルモンの拡散は、リザーバ内に存在するホルモンの量に関係なく、ゆっくりと、連続的に、規則正しくなされなければならない。膜拡散に関するフィックの法則を適用すると、これは、非常に薄い膜でなければ不可能であることが分かる。
【0005】
形態に制約があるリザーバの最大サイズを考慮し、ホルモンを含む円筒形製品をシリコーン製チューブの中に挿入することが、例えば特許文献1によって知られている。この挿入により、シリコーンの弾性を利用してシリコーン製チューブを径方向に引き伸ばすことが可能になるため、チューブの壁部が引っ張られて所望の厚さになる。この方法では、シリコーン製チューブが所定の位置に保持され、その中空部に未完成品が収容される。この未完成品は、チューブを膨張させるための加圧空気を注入する手段を備えている。次に、この未完成品を、ホルモンを含む予め製造された円筒形製品で徐々に置き換える。最終ステップでは、チューブ内の空気圧を低下させることにより、膜を円筒部の周囲に一体化することができる。
【0006】
同様に、特許文献2には、避妊物質を収容するチューブ状のリザーバを製造する方法が記載されている。鞘状ケースで囲まれたチューブ状リザーバが、鋳型の中に配置された針状部材を覆う。この針状部材は、リザーバの内径を大きくするために空気を送り込む。直径が大きくなると、支持体を形成するロッドで針状部材を置き換える。
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0652738号明細書
【特許文献2】米国特許第5,400,804号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの方法では、円筒形製品と同じ長さのチューブを取り扱う必要がある。言い換えるならば、円筒形製品は、予め製造して適度な長さに切断しておかねばならない。シリコーン製チューブに関しても同様である。さらに、この加圧空気の注入をうまく制御できない可能性、および/またはこの注入の際にチューブをうまく保持できない可能性がある。したがってチューブの膜の表面に瘤が形成されてその中に空気の泡が留まる可能性がある。最後に、このようなシステムでは、外側の膜を内側の円筒部とうまく一体化できない。
【0009】
本発明が特に解決しようとするのはこれらの欠点であり、活性物質を収容するリザーバを製造し、このリザーバの中で、薄い膜を、この膜に瘤が形成されることなく容易に製造する方法と装置とを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで本発明は、活性物質を収容し、生物の天然の中空腔に挿入するのに適しており、前記活性物質を透過可能な膜を備えたリザーバを製造する方法であって、
a)少なくとも1つの保持手段の中に、両端が開口し前記膜を形成するように構成された少なくとも1つのチューブを配置するステップと、
b)前記チューブの中に残存する空気をすべて追い出しつつ、該チューブの一端から、ペースト状の活性物質を含む製品を、該チューブの内部の自由スペースに略相当する量だけ注入するステップと、
c)前記チューブが満たされたとき、前記注入が行われた端部とは反対側のチューブの端部を閉じるステップと、
d)前記自由スペースへの前記ペースト状の製品の注入を継続し、前記リザーバの外径が所望の値になるまで前記チューブを径方向に膨張させるステップと、
e)前記リザーバが前記保持手段の中に保持された状態で所望の外径になったとき、前記製品を重合させるステップとを含むことを特徴とする方法を提供することを目的とする。
【0011】
このような方法により、リザーバを製造してそのリザーバに活性物質を満たすことが1回の操作だけで可能になる。別に円筒形製品を製造する必要はもはやない。空気の無い状態で製品を加圧注入することで、瘤や空気の泡が存在しないようにしつつ、チューブの中に製品を一様に分布させることができる。
【0012】
本発明の望ましいが必須ではない特徴によれば、この方法には、以下に示す1つまたは複数の特徴を組み込むことができる。
−前記ステップe)の後に、前記リザーバを所望の最終的な長さに切断する。
−前記ステップa)において、ロッドを前記チューブの内部スペースに挿入する。
−前記ステップa)において、前記少なくとも1つの保持手段の中に複数の前記チューブを同時に配置する。
−前記少なくとも1つの保持手段の中に配置された複数の前記チューブに対して前記ステップb)から前記ステップe)を同時に実施する。
【0013】
本発明は、上に説明した方法を実現することのできる装置、より詳細には、活性物質を収容し、生物の天然の中空腔に挿入するのに適しており、前記活性物質を透過可能な膜で包まれたリザーバを製造する装置であって、
−前記膜を形成するように構成された少なくとも1つのチューブを保持する少なくとも1つの保持手段と、
−前記活性物質を含む製品を前記チューブの中に注入するための少なくとも1つの注入手段と、
−前記チューブが前記製品で満たされた後に該チューブの少なくとも1つの端部を閉じるための少なくとも1つの閉鎖手段とを具備する装置にも関する。
【0014】
−前記保持手段が、前記チューブに前記製品を満たすときおよび前記製品を重合するときに前記チューブを収容する空洞部を形成する少なくとも1つの鋳型を備えることが望ましい。
【0015】
−前記閉鎖手段が、前記チューブの一端および前記空洞部の一端を塞ぐロッドおよび丸板を備えている。
【0016】
−前記保持手段の内面に、前記チューブの壁部に引っ掛かる複数の点が設けられていて、前記製品を注入する際、および/または重合の際に前記壁部が長手方向に沿って後退および/または伸長することが避けられる。
【0017】
−前記ロッドが、該ロッドに接着しない材料、特に鞘状ケースで覆われている。
【0018】
−前記空洞部が、前記チューブの端部の位置を決める少なくとも1つの位置決め手段を収容する少なくとも1つの領域を有する。
【0019】
−前記空洞部が2つの前記領域を備えていて、該各領域が前記空洞部の端部近傍に配置されて前記位置決め手段を収容できるようにされている。
【0020】
−前記位置決め手段が、径方向のフランジを有するリングである。
【0021】
−前記リングの外径が、前記リザーバにとって略望ましい外径である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明による方法と、本発明による装置の2つの実施形態とに関して添付の図面を参照して単なる例示としての以下の説明を読めば、本発明をよりよく理解でき、本発明の他の利点もより明確になるであろう。
【0023】
子宮内避妊具1は、非アレルギー性の不活性なポリマーをベースとした材料からなる支持体2を備えている。この支持体2は、全体としてT字形の形状であり、アーム3がそのT字のロッド4の方向に向かって曲がっているため、全体として錨の形状になっている。リザーバ5が、支持体2のロッド4の表面に配置されている。このリザーバは円形の底部を持つ円筒形であり、中心に長手方向の中空部6を備えている。この中空部の直径D6は、リザーバ5の中にロッド4をわずかな遊びがある状態で挿入できる大きさにされている。リザーバ5は、ロッド4の両端にそれぞれ位置する2つの円形突起部70、71により、ロッド4上を並進移動することが阻止される。ロッド4の末端にある円形突起部70には紐を通すことのできる穴72が設けられているため、この体内避妊具を子宮から容易に引き出すことができる。
【0024】
円筒形リザーバ5は、横断面で見ると、中央中空部6に加え、リザーバの外壁と中空部6に挟まれた中間領域を有する。この領域は、厚さが一般に1mmから2mmであり、リザーバ5の全長に亘って延びている。この領域は、固体製品を収容したチューブ8で満たされている。この固体製品は、約20から40%の有効成分(特に月経前期ホルモンである例えばレボノルゲストレル)を含んでいる。ホルモンの量は、この装置が確実に動作し、避妊作用をもたらすことのできる24時間に25μgという割合でホルモンが放出される状態が2から5年の間継続するのに十分な量である。製品8の残りの部分は、主にシリコーンからなる。
【0025】
リザーバ5の外壁は連続膜9で形成されているため、チューブ8の周囲を保護するスリーブとなっている。リザーバ5の末端断面部だけが膜で覆われていない。この膜は、1種類のシリコーン、または複数のシリコーンの混合物をベースとしている。このシリコーンは、特にシリカの含有量に関し、製品8の組成に組み込まれるのとは異なったタイプのものであることが望ましい。
【0026】
図2と図3に示すように、チューブ状の膜は、内径D10が製品8の外径D8の約1/2から1/3であるチューブ10を基にして形成される。壁部の厚さE10は、最終的な膜9の厚さE5よりも厚い。壁部の厚さは、チューブの外径に反比例する。
【0027】
チューブ10を径方向に引き伸ばすことにより、製品8を取り囲むリザーバ5を形成することができる。このリザーバ5は外径がD5であり、壁部の厚さE5は膜を形成するのに十分なくらい薄い。シリコーンの弾性と多孔性により、従来提起されていた技術的制約を解決することができる。以下に示す方法でリザーバ5を製造するのに、弾性があり、引き伸ばすことが可能で、活性物質を透過させる非アレルギー性の不活性な他の材料を利用することもできる。
【0028】
図4に示すように、分離可能な2つの部分からなる第1のタイプの鋳型が、堅固だが空孔のある材料の中に実現され、この鋳型の内部と外部の間を湿った空気が通過できるようになっている。実際、ある種のシリコーンの重合は水分の存在下でなされ、その場合には、鋳型の内部で湿度が大きい状態を維持する必要がある。鋳型は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で製造されていて、鋳型の表面に規則正しく分布した複数の小さな穴(例えば直径が0.2から0.3mm)を有することが望ましい。変形例では、鋳型は、焼結材料または圧縮シリカにすることができる。鋳型の主要部11は、底部が円形である円筒形の中央空洞部12が軸X12のまわりに形成されている。空洞部12の内径D12は、リザーバ5の最終外径D5と略同じである。
【0029】
ロッド13(例えば金属製のロッド)が、空洞部12内に軸X12に沿って長手方向に配置されている。このロッドは、完成したリザーバ5の内径、すなわち中空部6の直径D6に略対応する外径D13を持つ。ロッド13は、一方の端部13Aの位置で、全体が円板の形状になっていて直径D14が直径D12よりも大きい支持体または丸板14と一体化している。ロッド13は、全長に亘って空洞部12の壁部と接触することなく、鋳型11を貫通している。空洞部12の一端は、先細部12Aを介し、内径が直径D12よりも小さい穴15に通じている。
【0030】
丸板14は鋳型11の外部にあり、空洞部12で先細部12Aとは反対側にある開口部12Bの近くに位置している。
【0031】
穴15があるため、図5に概略を示した第1のタイプの注入手段のガイド部を挿入することができる。この注入手段16は全体が注射器の形状であり、主要部17を備えていて、その中をピストン18が気密性を保った状態で移動する。このピストン18は中空であるため、主要部17の挿入用ガイド部19が鋳型11の穴15の中に位置しているとき、ロッド13がピストンの中を通過することができる。場合によってはこの注入手段16を製品のリザーバと接続することで、連続的に機能できるようにする。
【0032】
図6に示すように、リザーバ5の製造方法の第1ステップは、挿入用ガイド部19をシリコーン製のチューブまたはスリーブ10の一端に押し込んだ後、そのチューブ10を図6の矢印F1の方向に動かしてロッド13の上に位置させることからなる。スリーブ10がロッド13を覆うと、注入手段16の挿入用ガイド部19が鋳型内で図7に示した位置に来る。
【0033】
矢印F2に従ってピストン18が鋳型の他端11Aに向かって移動すると、ペースト状の製品8が、ロッド13とチューブ10の内面に挟まれた環状スペース20に向かって移動する。有効成分が含まれたこの製品8は、有効成分の割合によって異なる粘性を有する。シリコーンをベースとした製品の粘性は直接測定されていない。シリコーンに関しては、所定の圧力下でこの製品が流れる速度を測定して粘性を間接的に推定することが知られている。利用される1つの方法がアメリカ合衆国規格ASTM−033によって与えられており、その規格では、流速が1分あたりのグラム数で表わされる。製品8は流速が1分あたり2グラムを超えるが、1分あたり2.8から3グラムであることが好ましい。変形例では、ウォームギアまたは膜を有するシステムを用いて注入を行う。
【0034】
製品8の注入は、例えば力、電気、空気圧、機械の作用によって規則的かつ連続的にゆっくりと行う。注入量は、空洞部12内にこのように保持されているシリコーン製チューブ10内の利用可能な環状スペース20が略満たされるように決定される。この注入は、注入量と注入速度を考慮しつつ、チューブ10が径方向および/または長手方向に顕著に変形することがないようにしてなされる。さらに、鋳型は、チューブ10が所定の位置に保持されることを保証する。
【0035】
図7と図8に示すように、チューブ10で穴15とは反対側にある端部21は、製品8を注入している全期間を通じて開放された状態になる。端部21を開放しておくとチューブ10に製品を満たすことが容易になり、スペース20に残っている空気をすべて追い出すことができる。チューブ10が満たされたとき、最初に注入手段16の中に存在していた製品8の量を考慮すると、ピストン18は、図8に示すように、穴15を有する鋳型の端部から挿入されたガイド部19に相変わらずぶつかっていない。
【0036】
このステップでは、チューブ10が、ロッド13が占めるスペースを除き、製品8によって完全に満たされる。製品は環状スペース20に一様に分布し、特にチューブ10の壁部近傍には泡がない。
【0037】
図9に示した次のステップでは、丸板14がロッド13と共に滑って矢印F3の方向に移動するため、チューブ10の端部21は丸板14によって塞がれる。すると開口部12Bとチューブの端部21が丸板14によって閉じられる。ロッド13の通り道だけが、この閉鎖システムの中に確保される。ロッド13は、例えば締め付け装置またはギロチン式仕切弁を有する装置によって固定される。図示していない変形例では、端部21と開口部12Bは、ギロチン式システムまたはクリップ式システムによって閉じられる。端部21がこのようにして閉じられると、製品8は、チューブ10で注入手段16とは反対側のこの端部から流出することができない。矢印F4に従ってチューブ10への製品8の注入が続けられる。この2回目の注入は、1回目よりも大きな圧力で行う。シリコーン製チューブ10の壁部9が弾性を持つことを考慮すると、この壁部は径方向である矢印F5とF’5の方向に向かって膨張し、最終的に空洞部12を形成する鋳型11の内面11Aと接触する。製品8が壁部9に及ぼす圧力は一定であり、圧力はこの壁部9に一様に分散するため、瘤ができるのを回避すると共に、最終的な厚さがどこでも一定である壁部9を実現しつつ、チューブ10は膨張する。したがって空孔度と拡散係数が最適かつ規則的である膜が形成される。このステップで注入される製品8の量は、特に、リザーバ5の最終直径D5、すなわち実際上は空洞部12の内径D12によって決まる。
【0038】
チューブ10の壁部9の外面と鋳型11の内面11Aがそれぞれ全面的に接触したときに注入を終える。
【0039】
ここで、チューブ10の中で製品が重合するのを待つ必要がある。シリコーンをベースとした製品を、やはりシリコーンでできた部材の表面で重合させると、溶接と同じように構成要素同士を効果的に接続することができる。壁部9と鋳型11の構成材料に存在している空孔により、鋳型内部の湿度を製品8の迅速かつ完全な重合を保証するのに十分な大きさに維持することができる。したがって製品8が膜9の中に効果的かつ規則的に分布した状態が維持されたリザーバ5が製造されるため、ホルモンの拡散が改善される。
【0040】
製品8を注入する際にチューブ10が長手方向に沿ってまったく後退および/または伸長しないようにすることを目的として、内面11Aは、滑らかではなく、チューブ10の壁部9が引っ掛かる複数の点を形成するのに十分な大きさの凹凸(図示せず)を持つようにされている。そのため製品8の注入および/または重合の際にチューブ10が長手方向に沿って後退および/または伸長することが避けられる。必要な場合には、チューブ10の長手方向に沿った長さが元の値に戻るよう、注入をしばらく休止する。
【0041】
したがって1回の操作だけで、製品8を製造することと、リザーバ5の中にその製品を注入することが実現される。
【0042】
図示していない最後のステップでは、ロッド13を鋳型11から図10の矢印F6の方向に引っ張る。こうすることにより、リザーバ5を空洞部12から引き出すことができる。その後、ロッドをリザーバから引き出すことができる。
【0043】
重合の際にロッド13に製品8が接着すると、ロッドを鋳型11から容易に引き出せなくなる可能性がある。
【0044】
この接着を避けるため、ロッド13に接着しない材料でロッド13を覆う。それは鞘状ケース130であることが望ましい。この鞘状ケース130は薄く、体内避妊具1の他の成分に対する生体適合性があって不活性な材料でできている。
【0045】
この鞘状ケース130は、ロッド13を鋳型11の中に配置する前にロッド13の表面に配置する。
【0046】
この鞘状ケース130は、ロッド13を容易に引き出せるようにするだけでなく、両端部の間でロッド13をピストン18および丸板14と気密にすることにも関与する。
【0047】
変形例では、鞘状ケース130の代わりに、製品8に接着しないカバーをロッド13の表面に用いる。別の一実施形態では、ロッド13の構成材料それ自体が製品8に接着しない。
【0048】
図示していない本発明の1つの特徴によれば、鋳型11は互いに相補的な2つの部分で形成することができ、両者が合わさって空洞部12を形成する。この場合には、重合の後、鋳型を開いてリザーバ5を取り出せるようになる。
【0049】
ロッド13を引き出すとき、上記の完成製品を、中空部6に挿入することになるロッド4の長さに合った望みの長さに切断する。実際には、空洞部12の長さの中に、端部同士が接した状態の複数のリザーバ5を収容することができる。
【0050】
図示していない変形例では、鋳型11は、互いに平行に、および/または星状に配置された複数の空洞部12を備えている。そのため複数のリザーバを同時かつ並列に製造することができる。注入装置16はそれに適したものにされている。
【0051】
変形例では、主要部17に製品8を連続的に供給する手段が、注入装置16に取り付けられている。
【0052】
別の一実施形態では、鋳型11はロッド13のようなロッドを持たない。得られるリザーバは充満状態の円筒形である。したがって上に説明したものとは異なる支持体を製造する必要がある。これは、例えば、開いたリングのタイプの引っ掛け手段を備える支持体にすることができる。
【0053】
変形例では、本発明の装置に、空洞部12の長さがここで説明したものよりも短い鋳型11が含まれる。鋳型は、中央のロッド13の代わりに支持体2のロッド4を収容できるようにされている。この場合には、ロッド4を基にしてリザーバ5の鋳型を作ることにより、そのまま使用できるホルモン性体内避妊具を1回の操作で製造できる。この場合には、空洞部12の長さが体内避妊具1の長さに略対応するため、切断ステップはもはや不要である。
【0054】
図11には、本発明による別のタイプの鋳型と別の製品注入手段が示してある。この別の鋳型22は、下部半鋳型23と上部半鋳型24とを備えている。鋳型22は、鋳型11と同様の材料で製造し、鋳型の内部で大きな湿度が維持できるようになっている。
【0055】
下部半鋳型23は、リザーバ5の望ましいサイズと形状に合致した中央空洞部25Aを備えている。ここでは、空洞部25Aは、底部が円形の半円筒形である。この空洞部25Aの両端部の近くには切り込み26が設けられている。
【0056】
下部半鋳型23の両端部の区画には、上部に溝27が1つ設けてある。溝27は、ロッド13を収容できる形状とサイズである。
【0057】
上部半鋳型24は、下部半鋳型23と同様であり、底部が円形の半円筒形をした中央空洞部25Bを有する。この空洞部25Bは空洞部25Aと同様であり、リザーバ5の望ましいサイズと形状に合致している。特に、上部半鋳型24には、下部半鋳型23と同様の形状およびサイズの溝27と切り込み26が設けられている。それぞれの半鋳型23、24の切り込み26と溝27は、鋳型22が閉じられたときに向かい合う位置に来ることが望ましい。この構成では、鋳型22は、下部半鋳型23の空洞部25Aと上部半鋳型24の空洞部25Bによって形成される中央空洞部25を有する。
【0058】
上部半鋳型24の両端に近い位置に2つの穴28、29がある。これらの穴28、29は、鋳型が閉じられたときに空洞部25Bの長軸X25に垂直になる。これらの穴により、鋳型22が閉じられたときに鋳型22の外部と空洞部25を連通させることができる。
【0059】
穴28は貫通していて、切り込み26と空洞部25Bの端にある壁部25Cに挟まれた空洞部25Bに通じている。この穴が外部に通じる出口は、内径が、注入手段16のガイド部19の外径と略同じである。
【0060】
上部半鋳型24の他端に設けられている穴29は、貫通していない井戸の形状である。この穴の閉じた端部の近傍を通路30が横断している。この通路は、鋳型が閉じられたとき、軸X25に対して略平行な方向を向く。通路30は、外部と空洞部25を連通させる。この通路30には閉鎖手段31(例えば堅固なポリマーからなる円筒部材)が収容される。この円筒部材31は通路30の中を移動できるため、この通路を塞ぐと空洞部25と外部が通路30または穴29を通じてつながることが阻止される。
【0061】
穴28を通路32が同様に横断している。円筒形状の閉鎖手段33が通路32の中を移動する。この通路32は貫通しておらず、その閉じられた端部は、半鋳型24の壁部の中に位置している。この通路32は穴28の出口の近くに位置する。この通路32は、鋳型が閉じられたとき、軸X25に対して略平行な方向を向く。
【0062】
閉鎖手段31、33は、対応する通路30、32を気密状態にして閉じるのに十分な長さと直径を有する。
【0063】
体内避妊具1を製造しようとするとき、チューブ10のそれぞれの端部に、例えば開創器タイプのクリップを用いて位置決め手段34を挿入する。この位置決め手段は、堅固で不活性で生体適合性のある材料からなるリング34で構成されている。このリング34には、径方向外側に向かって延びるフランジ35が設けてある。リング34の内径D34は、リザーバ5の望ましい外径D5と略同じである。したがってリング34に被さっているチューブ10の両端部の直径は、リザーバ5を製造したときのその両端部の最終直径に近い。次に、上に説明したものと同様の鞘状ケース130でやはり覆われたロッド13が、チューブ10の中空部に挿入される。次に、この全体を下部半鋳型23の中に配置するが、そのときロッド13の両端部が溝27の中に収まるようにする。チューブ10を下部半鋳型23の中に配置するが、そのとき、両端部のリング34のフランジ35が対応する切り込み26の中にわずかな遊びがある状態で挿入されるようにする。
【0064】
上部半鋳型24を上から載せて鋳型22を閉じる。したがって半鋳型24の溝27と切り込み26は、ロッド13の自由な部分とフランジ35を覆う。このようにしてチューブ10とロッド13が鋳型22の中に正確に保持され、配置される。
【0065】
第1ステップでは、すでに説明した第1ステップと同様、注射器のガイド部19を穴28の開口部に挿入した後、ペースト状の製品8をその穴28から注入する。円筒部材33は、製品が空洞部25A、25Bの中を通過できるよう、引っ込んだ位置にある。製品8をチューブ10の中に侵入させる。チューブ10の中にある空気が鋳型22の外に押し出され、穴29から出ていく。円筒部材31は引っ込んだ位置にあるため、空気は穴29を自由に通過できる。
【0066】
ペースト状の製品8が同心になったチューブ10と鞘状ケース130に挟まれた自由スペースの全体に満たされると、円筒部材31を空洞部25Bの方向に押しやって穴29を塞ぐ。次に、リザーバ5が望ましい直径になるまで製品8を注入する。注入時には、チューブ10がリング34によって所定の位置に維持されるため、チューブ10は長手方向に膨張することができず、径方向への膨張だけが許される。操作が終わると、円筒部材33を通路32の奥に押し込むことによって注入用の穴28を塞ぐ。
【0067】
重合は、湿潤な環境で上に説明したものと同様にして実施する。このプロセスが終了すると鋳型を開けてロッド13を取り出すが、ロッド13は鞘状ケース130の内部を自由に滑るため、容易に取り出すことができる。リザーバを所望の長さに切断する。この切断は、特にリング34の位置で行う。
【0068】
変形例では、複数の鋳型22を並列に配置し、多数のガイド部を有する注射器タイプの装置から製品を供給して複数のリザーバ5を並列に製造する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明によるリザーバを備えるホルモン性体内避妊具の斜視図である。
【図2】図1に示した体内避妊具のリザーバの斜視図である。
【図3】図2のリザーバを取り囲む膜を形成するための中空シリコーン製チューブを図2と同じスケールで示した斜視図である。
【図4】本発明の方法を実施する際にシリコーン製チューブを保持する手段を形成する第1のタイプの鋳型を長手方向に切断した概略断面図を別のスケールで示した図である。
【図5】チューブの中に製品を注入する第1の手段を長手方向に切断した概略断面図を同じスケールで示した図である。
【図6】図4と図5に示した材料を利用する方法の異なる段階を示す、長手方向に切断した概略断面図である。
【図7】図4と図5に示した材料を利用する方法の異なる段階を示す、長手方向に切断した概略断面図である。
【図8】図4と図5に示した材料を利用する方法の異なる段階を示す、長手方向に切断した概略断面図である。
【図9】図4と図5に示した材料を利用する方法の異なる段階を示す、長手方向に切断した概略断面図である。
【図10】図4と図5に示した材料を利用する方法の異なる段階を示す、長手方向に切断した概略断面図である。
【図11】第2のタイプの鋳型と、チューブの中に製品を注入する第2の手段を、長手方向に切断した概略断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性物質を収容していて、その活性物質が透過できる膜によって包まれており、生物の天然の中空腔に挿入するのに適したリザーバの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなリザーバは、子宮内避妊装置(ホルモン性体内避妊具とも呼ばれる)として利用されている。このタイプのリザーバは、一般に、シリコーンをベースとした材料で製造されたチューブ状の膜を備えている。シリコーンをベースとしたマトリックスと避妊ホルモンとを特に含む製品が、この膜によって包まれる。ホルモンはこの膜を透過するため、リザーバの内部から子宮に向けて規則的に拡散する。このような体内避妊具は、ポリマーをベースとした不活性な支持体も備えていて、その支持体上にリザーバが固定された状態で、子宮内の所定の位置に保持される。
【0003】
この避妊薬投与法によって標的とする臓器に月経前ホルモンが直接送達されるため、その月経前ホルモンの毎日の用量を非常に少なくすることができる。この装置の効果は、ホルモンをベースとした経口摂取避妊薬の効果に匹敵する。この装置は、作用期間が2から5年の範囲であり、しかもリザーバの代わりに銅線を備える体内避妊具とは異なってアレルギー性ではない。このホルモン性体内避妊具は、特に、銅をベースとした体内避妊具で頻繁に起こる月経過多の場合に利用されている。
【0004】
リザーバを取り囲む膜は、直径が小さくて壁部ができるだけ薄いシリコーン製チューブから形成される。しかし技術的制約があるため、壁部の厚さが0.4ミリメートル未満で直径が1.5ミリメートル未満のシリコーン製チューブを製造することはできない。ところで膜を通じたホルモンの拡散は、リザーバ内に存在するホルモンの量に関係なく、ゆっくりと、連続的に、規則正しくなされなければならない。膜拡散に関するフィックの法則を適用すると、これは、非常に薄い膜でなければ不可能であることが分かる。
【0005】
形態に制約があるリザーバの最大サイズを考慮し、ホルモンを含む円筒形製品をシリコーン製チューブの中に挿入することが、例えば特許文献1によって知られている。この挿入により、シリコーンの弾性を利用してシリコーン製チューブを径方向に引き伸ばすことが可能になるため、チューブの壁部が引っ張られて所望の厚さになる。この方法では、シリコーン製チューブが所定の位置に保持され、その中空部に未完成品が収容される。この未完成品は、チューブを膨張させるための加圧空気を注入する手段を備えている。次に、この未完成品を、ホルモンを含む予め製造された円筒形製品で徐々に置き換える。最終ステップでは、チューブ内の空気圧を低下させることにより、膜を円筒部の周囲に一体化することができる。
【0006】
同様に、特許文献2には、避妊物質を収容するチューブ状のリザーバを製造する方法が記載されている。鞘状ケースで囲まれたチューブ状リザーバが、鋳型の中に配置された針状部材を覆う。この針状部材は、リザーバの内径を大きくするために空気を送り込む。直径が大きくなると、支持体を形成するロッドで針状部材を置き換える。
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0652738号明細書
【特許文献2】米国特許第5,400,804号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの方法では、円筒形製品と同じ長さのチューブを取り扱う必要がある。言い換えるならば、円筒形製品は、予め製造して適度な長さに切断しておかねばならない。シリコーン製チューブに関しても同様である。さらに、この加圧空気の注入をうまく制御できない可能性、および/またはこの注入の際にチューブをうまく保持できない可能性がある。したがってチューブの膜の表面に瘤が形成されてその中に空気の泡が留まる可能性がある。最後に、このようなシステムでは、外側の膜を内側の円筒部とうまく一体化できない。
【0009】
本発明が特に解決しようとするのはこれらの欠点であり、活性物質を収容するリザーバを製造し、このリザーバの中で、薄い膜を、この膜に瘤が形成されることなく容易に製造する方法と装置とを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで本発明は、活性物質を収容し、生物の天然の中空腔に挿入するのに適しており、前記活性物質を透過可能な膜を備えたリザーバを製造する方法であって、
a)少なくとも1つの保持手段の中に、両端が開口し前記膜を形成するように構成された少なくとも1つのチューブを配置するステップと、
b)前記チューブの中に残存する空気をすべて追い出しつつ、該チューブの一端から、ペースト状の活性物質を含む製品を、該チューブの内部の自由スペースに略相当する量だけ注入するステップと、
c)前記チューブが満たされたとき、前記注入が行われた端部とは反対側のチューブの端部を閉じるステップと、
d)前記自由スペースへの前記ペースト状の製品の注入を継続し、前記リザーバの外径が所望の値になるまで前記チューブを径方向に膨張させるステップと、
e)前記リザーバが前記保持手段の中に保持された状態で所望の外径になったとき、前記製品を重合させるステップとを含むことを特徴とする方法を提供することを目的とする。
【0011】
このような方法により、リザーバを製造してそのリザーバに活性物質を満たすことが1回の操作だけで可能になる。別に円筒形製品を製造する必要はもはやない。空気の無い状態で製品を加圧注入することで、瘤や空気の泡が存在しないようにしつつ、チューブの中に製品を一様に分布させることができる。
【0012】
本発明の望ましいが必須ではない特徴によれば、この方法には、以下に示す1つまたは複数の特徴を組み込むことができる。
−前記ステップe)の後に、前記リザーバを所望の最終的な長さに切断する。
−前記ステップa)において、ロッドを前記チューブの内部スペースに挿入する。
−前記ステップa)において、前記少なくとも1つの保持手段の中に複数の前記チューブを同時に配置する。
−前記少なくとも1つの保持手段の中に配置された複数の前記チューブに対して前記ステップb)から前記ステップe)を同時に実施する。
【0013】
本発明は、上に説明した方法を実現することのできる装置、より詳細には、活性物質を収容し、生物の天然の中空腔に挿入するのに適しており、前記活性物質を透過可能な膜で包まれたリザーバを製造する装置であって、
−前記膜を形成するように構成された少なくとも1つのチューブを保持する少なくとも1つの保持手段と、
−前記活性物質を含む製品を前記チューブの中に注入するための少なくとも1つの注入手段と、
−前記チューブが前記製品で満たされた後に該チューブの少なくとも1つの端部を閉じるための少なくとも1つの閉鎖手段とを具備する装置にも関する。
【0014】
−前記保持手段が、前記チューブに前記製品を満たすときおよび前記製品を重合するときに前記チューブを収容する空洞部を形成する少なくとも1つの鋳型を備えることが望ましい。
【0015】
−前記閉鎖手段が、前記チューブの一端および前記空洞部の一端を塞ぐロッドおよび丸板を備えている。
【0016】
−前記保持手段の内面に、前記チューブの壁部に引っ掛かる複数の点が設けられていて、前記製品を注入する際、および/または重合の際に前記壁部が長手方向に沿って後退および/または伸長することが避けられる。
【0017】
−前記ロッドが、該ロッドに接着しない材料、特に鞘状ケースで覆われている。
【0018】
−前記空洞部が、前記チューブの端部の位置を決める少なくとも1つの位置決め手段を収容する少なくとも1つの領域を有する。
【0019】
−前記空洞部が2つの前記領域を備えていて、該各領域が前記空洞部の端部近傍に配置されて前記位置決め手段を収容できるようにされている。
【0020】
−前記位置決め手段が、径方向のフランジを有するリングである。
【0021】
−前記リングの外径が、前記リザーバにとって略望ましい外径である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明による方法と、本発明による装置の2つの実施形態とに関して添付の図面を参照して単なる例示としての以下の説明を読めば、本発明をよりよく理解でき、本発明の他の利点もより明確になるであろう。
【0023】
子宮内避妊具1は、非アレルギー性の不活性なポリマーをベースとした材料からなる支持体2を備えている。この支持体2は、全体としてT字形の形状であり、アーム3がそのT字のロッド4の方向に向かって曲がっているため、全体として錨の形状になっている。リザーバ5が、支持体2のロッド4の表面に配置されている。このリザーバは円形の底部を持つ円筒形であり、中心に長手方向の中空部6を備えている。この中空部の直径D6は、リザーバ5の中にロッド4をわずかな遊びがある状態で挿入できる大きさにされている。リザーバ5は、ロッド4の両端にそれぞれ位置する2つの円形突起部70、71により、ロッド4上を並進移動することが阻止される。ロッド4の末端にある円形突起部70には紐を通すことのできる穴72が設けられているため、この体内避妊具を子宮から容易に引き出すことができる。
【0024】
円筒形リザーバ5は、横断面で見ると、中央中空部6に加え、リザーバの外壁と中空部6に挟まれた中間領域を有する。この領域は、厚さが一般に1mmから2mmであり、リザーバ5の全長に亘って延びている。この領域は、固体製品を収容したチューブ8で満たされている。この固体製品は、約20から40%の有効成分(特に月経前期ホルモンである例えばレボノルゲストレル)を含んでいる。ホルモンの量は、この装置が確実に動作し、避妊作用をもたらすことのできる24時間に25μgという割合でホルモンが放出される状態が2から5年の間継続するのに十分な量である。製品8の残りの部分は、主にシリコーンからなる。
【0025】
リザーバ5の外壁は連続膜9で形成されているため、チューブ8の周囲を保護するスリーブとなっている。リザーバ5の末端断面部だけが膜で覆われていない。この膜は、1種類のシリコーン、または複数のシリコーンの混合物をベースとしている。このシリコーンは、特にシリカの含有量に関し、製品8の組成に組み込まれるのとは異なったタイプのものであることが望ましい。
【0026】
図2と図3に示すように、チューブ状の膜は、内径D10が製品8の外径D8の約1/2から1/3であるチューブ10を基にして形成される。壁部の厚さE10は、最終的な膜9の厚さE5よりも厚い。壁部の厚さは、チューブの外径に反比例する。
【0027】
チューブ10を径方向に引き伸ばすことにより、製品8を取り囲むリザーバ5を形成することができる。このリザーバ5は外径がD5であり、壁部の厚さE5は膜を形成するのに十分なくらい薄い。シリコーンの弾性と多孔性により、従来提起されていた技術的制約を解決することができる。以下に示す方法でリザーバ5を製造するのに、弾性があり、引き伸ばすことが可能で、活性物質を透過させる非アレルギー性の不活性な他の材料を利用することもできる。
【0028】
図4に示すように、分離可能な2つの部分からなる第1のタイプの鋳型が、堅固だが空孔のある材料の中に実現され、この鋳型の内部と外部の間を湿った空気が通過できるようになっている。実際、ある種のシリコーンの重合は水分の存在下でなされ、その場合には、鋳型の内部で湿度が大きい状態を維持する必要がある。鋳型は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で製造されていて、鋳型の表面に規則正しく分布した複数の小さな穴(例えば直径が0.2から0.3mm)を有することが望ましい。変形例では、鋳型は、焼結材料または圧縮シリカにすることができる。鋳型の主要部11は、底部が円形である円筒形の中央空洞部12が軸X12のまわりに形成されている。空洞部12の内径D12は、リザーバ5の最終外径D5と略同じである。
【0029】
ロッド13(例えば金属製のロッド)が、空洞部12内に軸X12に沿って長手方向に配置されている。このロッドは、完成したリザーバ5の内径、すなわち中空部6の直径D6に略対応する外径D13を持つ。ロッド13は、一方の端部13Aの位置で、全体が円板の形状になっていて直径D14が直径D12よりも大きい支持体または丸板14と一体化している。ロッド13は、全長に亘って空洞部12の壁部と接触することなく、鋳型11を貫通している。空洞部12の一端は、先細部12Aを介し、内径が直径D12よりも小さい穴15に通じている。
【0030】
丸板14は鋳型11の外部にあり、空洞部12で先細部12Aとは反対側にある開口部12Bの近くに位置している。
【0031】
穴15があるため、図5に概略を示した第1のタイプの注入手段のガイド部を挿入することができる。この注入手段16は全体が注射器の形状であり、主要部17を備えていて、その中をピストン18が気密性を保った状態で移動する。このピストン18は中空であるため、主要部17の挿入用ガイド部19が鋳型11の穴15の中に位置しているとき、ロッド13がピストンの中を通過することができる。場合によってはこの注入手段16を製品のリザーバと接続することで、連続的に機能できるようにする。
【0032】
図6に示すように、リザーバ5の製造方法の第1ステップは、挿入用ガイド部19をシリコーン製のチューブまたはスリーブ10の一端に押し込んだ後、そのチューブ10を図6の矢印F1の方向に動かしてロッド13の上に位置させることからなる。スリーブ10がロッド13を覆うと、注入手段16の挿入用ガイド部19が鋳型内で図7に示した位置に来る。
【0033】
矢印F2に従ってピストン18が鋳型の他端11Aに向かって移動すると、ペースト状の製品8が、ロッド13とチューブ10の内面に挟まれた環状スペース20に向かって移動する。有効成分が含まれたこの製品8は、有効成分の割合によって異なる粘性を有する。シリコーンをベースとした製品の粘性は直接測定されていない。シリコーンに関しては、所定の圧力下でこの製品が流れる速度を測定して粘性を間接的に推定することが知られている。利用される1つの方法がアメリカ合衆国規格ASTM−033によって与えられており、その規格では、流速が1分あたりのグラム数で表わされる。製品8は流速が1分あたり2グラムを超えるが、1分あたり2.8から3グラムであることが好ましい。変形例では、ウォームギアまたは膜を有するシステムを用いて注入を行う。
【0034】
製品8の注入は、例えば力、電気、空気圧、機械の作用によって規則的かつ連続的にゆっくりと行う。注入量は、空洞部12内にこのように保持されているシリコーン製チューブ10内の利用可能な環状スペース20が略満たされるように決定される。この注入は、注入量と注入速度を考慮しつつ、チューブ10が径方向および/または長手方向に顕著に変形することがないようにしてなされる。さらに、鋳型は、チューブ10が所定の位置に保持されることを保証する。
【0035】
図7と図8に示すように、チューブ10で穴15とは反対側にある端部21は、製品8を注入している全期間を通じて開放された状態になる。端部21を開放しておくとチューブ10に製品を満たすことが容易になり、スペース20に残っている空気をすべて追い出すことができる。チューブ10が満たされたとき、最初に注入手段16の中に存在していた製品8の量を考慮すると、ピストン18は、図8に示すように、穴15を有する鋳型の端部から挿入されたガイド部19に相変わらずぶつかっていない。
【0036】
このステップでは、チューブ10が、ロッド13が占めるスペースを除き、製品8によって完全に満たされる。製品は環状スペース20に一様に分布し、特にチューブ10の壁部近傍には泡がない。
【0037】
図9に示した次のステップでは、丸板14がロッド13と共に滑って矢印F3の方向に移動するため、チューブ10の端部21は丸板14によって塞がれる。すると開口部12Bとチューブの端部21が丸板14によって閉じられる。ロッド13の通り道だけが、この閉鎖システムの中に確保される。ロッド13は、例えば締め付け装置またはギロチン式仕切弁を有する装置によって固定される。図示していない変形例では、端部21と開口部12Bは、ギロチン式システムまたはクリップ式システムによって閉じられる。端部21がこのようにして閉じられると、製品8は、チューブ10で注入手段16とは反対側のこの端部から流出することができない。矢印F4に従ってチューブ10への製品8の注入が続けられる。この2回目の注入は、1回目よりも大きな圧力で行う。シリコーン製チューブ10の壁部9が弾性を持つことを考慮すると、この壁部は径方向である矢印F5とF’5の方向に向かって膨張し、最終的に空洞部12を形成する鋳型11の内面11Aと接触する。製品8が壁部9に及ぼす圧力は一定であり、圧力はこの壁部9に一様に分散するため、瘤ができるのを回避すると共に、最終的な厚さがどこでも一定である壁部9を実現しつつ、チューブ10は膨張する。したがって空孔度と拡散係数が最適かつ規則的である膜が形成される。このステップで注入される製品8の量は、特に、リザーバ5の最終直径D5、すなわち実際上は空洞部12の内径D12によって決まる。
【0038】
チューブ10の壁部9の外面と鋳型11の内面11Aがそれぞれ全面的に接触したときに注入を終える。
【0039】
ここで、チューブ10の中で製品が重合するのを待つ必要がある。シリコーンをベースとした製品を、やはりシリコーンでできた部材の表面で重合させると、溶接と同じように構成要素同士を効果的に接続することができる。壁部9と鋳型11の構成材料に存在している空孔により、鋳型内部の湿度を製品8の迅速かつ完全な重合を保証するのに十分な大きさに維持することができる。したがって製品8が膜9の中に効果的かつ規則的に分布した状態が維持されたリザーバ5が製造されるため、ホルモンの拡散が改善される。
【0040】
製品8を注入する際にチューブ10が長手方向に沿ってまったく後退および/または伸長しないようにすることを目的として、内面11Aは、滑らかではなく、チューブ10の壁部9が引っ掛かる複数の点を形成するのに十分な大きさの凹凸(図示せず)を持つようにされている。そのため製品8の注入および/または重合の際にチューブ10が長手方向に沿って後退および/または伸長することが避けられる。必要な場合には、チューブ10の長手方向に沿った長さが元の値に戻るよう、注入をしばらく休止する。
【0041】
したがって1回の操作だけで、製品8を製造することと、リザーバ5の中にその製品を注入することが実現される。
【0042】
図示していない最後のステップでは、ロッド13を鋳型11から図10の矢印F6の方向に引っ張る。こうすることにより、リザーバ5を空洞部12から引き出すことができる。その後、ロッドをリザーバから引き出すことができる。
【0043】
重合の際にロッド13に製品8が接着すると、ロッドを鋳型11から容易に引き出せなくなる可能性がある。
【0044】
この接着を避けるため、ロッド13に接着しない材料でロッド13を覆う。それは鞘状ケース130であることが望ましい。この鞘状ケース130は薄く、体内避妊具1の他の成分に対する生体適合性があって不活性な材料でできている。
【0045】
この鞘状ケース130は、ロッド13を鋳型11の中に配置する前にロッド13の表面に配置する。
【0046】
この鞘状ケース130は、ロッド13を容易に引き出せるようにするだけでなく、両端部の間でロッド13をピストン18および丸板14と気密にすることにも関与する。
【0047】
変形例では、鞘状ケース130の代わりに、製品8に接着しないカバーをロッド13の表面に用いる。別の一実施形態では、ロッド13の構成材料それ自体が製品8に接着しない。
【0048】
図示していない本発明の1つの特徴によれば、鋳型11は互いに相補的な2つの部分で形成することができ、両者が合わさって空洞部12を形成する。この場合には、重合の後、鋳型を開いてリザーバ5を取り出せるようになる。
【0049】
ロッド13を引き出すとき、上記の完成製品を、中空部6に挿入することになるロッド4の長さに合った望みの長さに切断する。実際には、空洞部12の長さの中に、端部同士が接した状態の複数のリザーバ5を収容することができる。
【0050】
図示していない変形例では、鋳型11は、互いに平行に、および/または星状に配置された複数の空洞部12を備えている。そのため複数のリザーバを同時かつ並列に製造することができる。注入装置16はそれに適したものにされている。
【0051】
変形例では、主要部17に製品8を連続的に供給する手段が、注入装置16に取り付けられている。
【0052】
別の一実施形態では、鋳型11はロッド13のようなロッドを持たない。得られるリザーバは充満状態の円筒形である。したがって上に説明したものとは異なる支持体を製造する必要がある。これは、例えば、開いたリングのタイプの引っ掛け手段を備える支持体にすることができる。
【0053】
変形例では、本発明の装置に、空洞部12の長さがここで説明したものよりも短い鋳型11が含まれる。鋳型は、中央のロッド13の代わりに支持体2のロッド4を収容できるようにされている。この場合には、ロッド4を基にしてリザーバ5の鋳型を作ることにより、そのまま使用できるホルモン性体内避妊具を1回の操作で製造できる。この場合には、空洞部12の長さが体内避妊具1の長さに略対応するため、切断ステップはもはや不要である。
【0054】
図11には、本発明による別のタイプの鋳型と別の製品注入手段が示してある。この別の鋳型22は、下部半鋳型23と上部半鋳型24とを備えている。鋳型22は、鋳型11と同様の材料で製造し、鋳型の内部で大きな湿度が維持できるようになっている。
【0055】
下部半鋳型23は、リザーバ5の望ましいサイズと形状に合致した中央空洞部25Aを備えている。ここでは、空洞部25Aは、底部が円形の半円筒形である。この空洞部25Aの両端部の近くには切り込み26が設けられている。
【0056】
下部半鋳型23の両端部の区画には、上部に溝27が1つ設けてある。溝27は、ロッド13を収容できる形状とサイズである。
【0057】
上部半鋳型24は、下部半鋳型23と同様であり、底部が円形の半円筒形をした中央空洞部25Bを有する。この空洞部25Bは空洞部25Aと同様であり、リザーバ5の望ましいサイズと形状に合致している。特に、上部半鋳型24には、下部半鋳型23と同様の形状およびサイズの溝27と切り込み26が設けられている。それぞれの半鋳型23、24の切り込み26と溝27は、鋳型22が閉じられたときに向かい合う位置に来ることが望ましい。この構成では、鋳型22は、下部半鋳型23の空洞部25Aと上部半鋳型24の空洞部25Bによって形成される中央空洞部25を有する。
【0058】
上部半鋳型24の両端に近い位置に2つの穴28、29がある。これらの穴28、29は、鋳型が閉じられたときに空洞部25Bの長軸X25に垂直になる。これらの穴により、鋳型22が閉じられたときに鋳型22の外部と空洞部25を連通させることができる。
【0059】
穴28は貫通していて、切り込み26と空洞部25Bの端にある壁部25Cに挟まれた空洞部25Bに通じている。この穴が外部に通じる出口は、内径が、注入手段16のガイド部19の外径と略同じである。
【0060】
上部半鋳型24の他端に設けられている穴29は、貫通していない井戸の形状である。この穴の閉じた端部の近傍を通路30が横断している。この通路は、鋳型が閉じられたとき、軸X25に対して略平行な方向を向く。通路30は、外部と空洞部25を連通させる。この通路30には閉鎖手段31(例えば堅固なポリマーからなる円筒部材)が収容される。この円筒部材31は通路30の中を移動できるため、この通路を塞ぐと空洞部25と外部が通路30または穴29を通じてつながることが阻止される。
【0061】
穴28を通路32が同様に横断している。円筒形状の閉鎖手段33が通路32の中を移動する。この通路32は貫通しておらず、その閉じられた端部は、半鋳型24の壁部の中に位置している。この通路32は穴28の出口の近くに位置する。この通路32は、鋳型が閉じられたとき、軸X25に対して略平行な方向を向く。
【0062】
閉鎖手段31、33は、対応する通路30、32を気密状態にして閉じるのに十分な長さと直径を有する。
【0063】
体内避妊具1を製造しようとするとき、チューブ10のそれぞれの端部に、例えば開創器タイプのクリップを用いて位置決め手段34を挿入する。この位置決め手段は、堅固で不活性で生体適合性のある材料からなるリング34で構成されている。このリング34には、径方向外側に向かって延びるフランジ35が設けてある。リング34の内径D34は、リザーバ5の望ましい外径D5と略同じである。したがってリング34に被さっているチューブ10の両端部の直径は、リザーバ5を製造したときのその両端部の最終直径に近い。次に、上に説明したものと同様の鞘状ケース130でやはり覆われたロッド13が、チューブ10の中空部に挿入される。次に、この全体を下部半鋳型23の中に配置するが、そのときロッド13の両端部が溝27の中に収まるようにする。チューブ10を下部半鋳型23の中に配置するが、そのとき、両端部のリング34のフランジ35が対応する切り込み26の中にわずかな遊びがある状態で挿入されるようにする。
【0064】
上部半鋳型24を上から載せて鋳型22を閉じる。したがって半鋳型24の溝27と切り込み26は、ロッド13の自由な部分とフランジ35を覆う。このようにしてチューブ10とロッド13が鋳型22の中に正確に保持され、配置される。
【0065】
第1ステップでは、すでに説明した第1ステップと同様、注射器のガイド部19を穴28の開口部に挿入した後、ペースト状の製品8をその穴28から注入する。円筒部材33は、製品が空洞部25A、25Bの中を通過できるよう、引っ込んだ位置にある。製品8をチューブ10の中に侵入させる。チューブ10の中にある空気が鋳型22の外に押し出され、穴29から出ていく。円筒部材31は引っ込んだ位置にあるため、空気は穴29を自由に通過できる。
【0066】
ペースト状の製品8が同心になったチューブ10と鞘状ケース130に挟まれた自由スペースの全体に満たされると、円筒部材31を空洞部25Bの方向に押しやって穴29を塞ぐ。次に、リザーバ5が望ましい直径になるまで製品8を注入する。注入時には、チューブ10がリング34によって所定の位置に維持されるため、チューブ10は長手方向に膨張することができず、径方向への膨張だけが許される。操作が終わると、円筒部材33を通路32の奥に押し込むことによって注入用の穴28を塞ぐ。
【0067】
重合は、湿潤な環境で上に説明したものと同様にして実施する。このプロセスが終了すると鋳型を開けてロッド13を取り出すが、ロッド13は鞘状ケース130の内部を自由に滑るため、容易に取り出すことができる。リザーバを所望の長さに切断する。この切断は、特にリング34の位置で行う。
【0068】
変形例では、複数の鋳型22を並列に配置し、多数のガイド部を有する注射器タイプの装置から製品を供給して複数のリザーバ5を並列に製造する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明によるリザーバを備えるホルモン性体内避妊具の斜視図である。
【図2】図1に示した体内避妊具のリザーバの斜視図である。
【図3】図2のリザーバを取り囲む膜を形成するための中空シリコーン製チューブを図2と同じスケールで示した斜視図である。
【図4】本発明の方法を実施する際にシリコーン製チューブを保持する手段を形成する第1のタイプの鋳型を長手方向に切断した概略断面図を別のスケールで示した図である。
【図5】チューブの中に製品を注入する第1の手段を長手方向に切断した概略断面図を同じスケールで示した図である。
【図6】図4と図5に示した材料を利用する方法の異なる段階を示す、長手方向に切断した概略断面図である。
【図7】図4と図5に示した材料を利用する方法の異なる段階を示す、長手方向に切断した概略断面図である。
【図8】図4と図5に示した材料を利用する方法の異なる段階を示す、長手方向に切断した概略断面図である。
【図9】図4と図5に示した材料を利用する方法の異なる段階を示す、長手方向に切断した概略断面図である。
【図10】図4と図5に示した材料を利用する方法の異なる段階を示す、長手方向に切断した概略断面図である。
【図11】第2のタイプの鋳型と、チューブの中に製品を注入する第2の手段を、長手方向に切断した概略断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性物質を収容し、生物の天然の中空腔に挿入するのに適しており、前記活性物質を透過可能な膜(9)を備えたリザーバ(5)を製造する方法であって、
a)少なくとも1つの保持手段(11;22)の中に、両端が開口し前記膜を形成するように構成された少なくとも1つのチューブ(10)を配置するステップと、
b)前記チューブ(10)の中に残存する空気をすべて追い出しつつ、該チューブ(10)の一端から、ペースト状の活性物質を含む製品(8)を、該チューブ(10)の内部の自由スペース(20)に略相当する量だけ注入(16)するステップと、
c)前記チューブ(10)が満たされたとき、前記注入(16)が行われた端部とは反対側のチューブの端部(21)を閉じるステップと、
d)前記自由スペース(20)への前記ペースト状の製品(8)の注入(16)を継続し、前記リザーバ(5)の外径(D5)が所望の値になるまで前記チューブを径方向(F5、F’5)に膨張させるステップと、
e)前記リザーバ(5)が前記保持手段(11;22)の中に保持された状態で所望の外径(D5)になったとき、前記製品(8)を重合させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ステップe)の後に、前記リザーバ(5)を所望の最終的な長さに切断することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップa)において、ロッド(13)を前記チューブ(10)の内部の自由スペース(20)に挿入することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップa)において、前記少なくとも1つの保持手段の中に複数の前記チューブ(10)を同時に配置することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの保持手段の中に配置された複数の前記チューブ(10)に対して前記ステップb)から前記ステップe)を同時に実施することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
活性物質を収容し、生物の天然の中空腔に挿入するのに適しており、前記活性物質を透過可能な膜(9)で包まれたリザーバ(5)を製造する装置であって、
−前記膜(9)を形成するように構成された少なくとも1つのチューブ(10)を保持する少なくとも1つの保持手段(11;22)と、
−前記活性物質を含む製品(8)を前記チューブ(10)の中に注入するための少なくとも1つの注入手段(16、17、18)と、
−前記チューブが前記製品で満たされた後に該チューブの少なくとも1つの端部(21)を閉じるための少なくとも1つの閉鎖手段(14、13;31)とを具備することを特徴とする装置。
【請求項7】
前記保持手段が、前記チューブ(10)に前記製品(8)を満たすときおよび前記製品(8)を重合するときに前記チューブ(10)を収容する空洞部(12;25)を形成する少なくとも1つの鋳型(11;22)を具備することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記閉鎖手段が、前記チューブ(10)の一端(21)および前記空洞部(12)の一端(12B)を塞ぐロッド(13)および丸板(14)を具備することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記保持手段(11)の内面(11A)に、前記チューブ(10)の壁部(9)に引っ掛かる複数の点が設けられていて、前記製品(8)を注入する際、および/または重合の際に前記壁部(9)が長手方向に沿って後退および/または伸長することが避けられることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記ロッド(13)が、該ロッド(13)に接着しない材料、特に鞘状ケース(130)で覆われていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記空洞部(25)が、前記チューブ(10)の端部の位置を決める少なくとも1つの位置決め手段(34、35)を収容する少なくとも1つの領域(26)を有することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記空洞部(25)が2つの前記領域(26)を備えていて、該各領域(26)が前記空洞部(25)の端部近傍に配置されて前記位置決め手段(34、35)を収容できるようにされていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記位置決め手段が、径方向のフランジ(35)を有するリング(34)であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記リング(34)の内径(D34)が、前記リザーバ(5)にとって略望ましい外径(D5)であることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項1】
活性物質を収容し、生物の天然の中空腔に挿入するのに適しており、前記活性物質を透過可能な膜(9)を備えたリザーバ(5)を製造する方法であって、
a)少なくとも1つの保持手段(11;22)の中に、両端が開口し前記膜を形成するように構成された少なくとも1つのチューブ(10)を配置するステップと、
b)前記チューブ(10)の中に残存する空気をすべて追い出しつつ、該チューブ(10)の一端から、ペースト状の活性物質を含む製品(8)を、該チューブ(10)の内部の自由スペース(20)に略相当する量だけ注入(16)するステップと、
c)前記チューブ(10)が満たされたとき、前記注入(16)が行われた端部とは反対側のチューブの端部(21)を閉じるステップと、
d)前記自由スペース(20)への前記ペースト状の製品(8)の注入(16)を継続し、前記リザーバ(5)の外径(D5)が所望の値になるまで前記チューブを径方向(F5、F’5)に膨張させるステップと、
e)前記リザーバ(5)が前記保持手段(11;22)の中に保持された状態で所望の外径(D5)になったとき、前記製品(8)を重合させるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ステップe)の後に、前記リザーバ(5)を所望の最終的な長さに切断することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップa)において、ロッド(13)を前記チューブ(10)の内部の自由スペース(20)に挿入することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップa)において、前記少なくとも1つの保持手段の中に複数の前記チューブ(10)を同時に配置することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの保持手段の中に配置された複数の前記チューブ(10)に対して前記ステップb)から前記ステップe)を同時に実施することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
活性物質を収容し、生物の天然の中空腔に挿入するのに適しており、前記活性物質を透過可能な膜(9)で包まれたリザーバ(5)を製造する装置であって、
−前記膜(9)を形成するように構成された少なくとも1つのチューブ(10)を保持する少なくとも1つの保持手段(11;22)と、
−前記活性物質を含む製品(8)を前記チューブ(10)の中に注入するための少なくとも1つの注入手段(16、17、18)と、
−前記チューブが前記製品で満たされた後に該チューブの少なくとも1つの端部(21)を閉じるための少なくとも1つの閉鎖手段(14、13;31)とを具備することを特徴とする装置。
【請求項7】
前記保持手段が、前記チューブ(10)に前記製品(8)を満たすときおよび前記製品(8)を重合するときに前記チューブ(10)を収容する空洞部(12;25)を形成する少なくとも1つの鋳型(11;22)を具備することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記閉鎖手段が、前記チューブ(10)の一端(21)および前記空洞部(12)の一端(12B)を塞ぐロッド(13)および丸板(14)を具備することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記保持手段(11)の内面(11A)に、前記チューブ(10)の壁部(9)に引っ掛かる複数の点が設けられていて、前記製品(8)を注入する際、および/または重合の際に前記壁部(9)が長手方向に沿って後退および/または伸長することが避けられることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記ロッド(13)が、該ロッド(13)に接着しない材料、特に鞘状ケース(130)で覆われていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記空洞部(25)が、前記チューブ(10)の端部の位置を決める少なくとも1つの位置決め手段(34、35)を収容する少なくとも1つの領域(26)を有することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記空洞部(25)が2つの前記領域(26)を備えていて、該各領域(26)が前記空洞部(25)の端部近傍に配置されて前記位置決め手段(34、35)を収容できるようにされていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記位置決め手段が、径方向のフランジ(35)を有するリング(34)であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記リング(34)の内径(D34)が、前記リザーバ(5)にとって略望ましい外径(D5)であることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−528154(P2008−528154A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552676(P2007−552676)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000159
【国際公開番号】WO2006/079709
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000159
【国際公開番号】WO2006/079709
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】
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