説明

外部光と人工照明とを組み合わせるためのシステム

外部光と人工照明とを組み合わせるためのシステムであって、外部光を空間5から遮蔽するための遮光構造2と、遮光構成2の外側に向けられた人工光を発するように構成された少なくとも1つの光源6であって、現在の外部光の条件に応じて制御可能な光源6と、を有するシステム。該システムは更に、光源6に接続され、該遮光構成の現在位置に応じて光源6の発光を制御し、該遮光構成を通して脱出する外部光の効果をエミュレートするように構成されたコントローラ8を有する。人工光は斯くして、十分な外部光の不足を補償するように(手動で又は自動的に)制御されることができ、該コントローラは、人工光が外部光として知覚されるような太陽で発せられることを確実にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部からの光(例えば日光)と人工照明からの光とを組み合わせるためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本分野においては種々の遮光構成が知られており、典型的には室内又は空間に入ることを許容される外部光の量を制限するように機能する。
【0003】
好ましいものであり得る遮光構成の一例は、手動又は自動で制御されたベネチアンブラインド(Venetian blinds)である。例えば窓において垂直に又は水平に配置され得る複数の羽根板の角度が、適当なレベルの日光が空間に入るように制御され得る。これにより、該空間を暖め過ぎてしまうことが回避され、該空間を冷房するためのコストが低減される。更に、羽根板の角度は、不適な光の眩しさを回避するように制御され得る。しかしながら、例えば天候条件又は時刻に依存して、十分な日光がない場合又は日光がない場合には、該ブラインドを通り該空間に入る光は一般に、更なる屋内光をスイッチオンすることにより補償される。しかしながら、人々は窓を通して光が入っている空間に留まることを好むこと、及び光が窓から入っていると病院の患者が早く回復することさえ分かっている。
【0004】
近年、十分な日光がない状況において屋内の照明を改善するため、及び/又は装飾的な効果のために、屋内照明のために日光方向変化システムが利用されている。国際特許出願公開WO2006/123283は、照明装置が日光遮光装置の羽根板を照明し、当該羽根板が光を空間へと導くようにし、該空間の所望の照明を達成する装置を教示している。該照明は、羽根板の位置及び向き及び/又は羽根板の表面の特性に依存して変化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
国際特許出願公開WO2006/123283における日光方向変化システムを用いる有用な屋内照明システムが提供されるが、人工照明により、より自然な照明を提供することができる改善されたシステムに対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述のニーズは、外部照明からの光を人工照明からの光と組み合わせるためのシステムであって、前記システムは、外部光を空間から遮蔽するための遮光構成であって、前記空間の内部を向く内側と前記空間の外を向く外側とを持つ遮光構成と、前記遮光構成の前記外側に向けられた人工光を発するように構成された少なくとも1つの光源であって、現在の外部光の条件に応じて制御可能な光源と、を有するシステムによって満足される。該システムは更に、前記光源に接続され、前記遮光構成の現在位置に応じて前記光源の発光を制御し、前記遮光構成を通して脱出する外部光の効果をエミュレートするように構成されたコントローラを有する。
【0007】
斯くして、人工照明は(手動で又は自動的に)十分な外部光の不足を補償するように制御されることができ、コントローラは人工光が外部光のように知覚されるような態様で発せられることを確実にする。典型的な場合においては、人工光の光源は、外部光(例えば屋外の日光、又は近隣領域の照明の全体)の光出力に比較して、非常に低い光出力しか持たない。遮光構成の位置に応じて光源を自動的に制御することにより、当該限られた光が、遮光構成を通過する外部光をエミュレートするように効果的に利用されることができる。
【0008】
ここで「空間」とは、遮光構成により外部光から遮蔽され得るいずれの空間をも意図している。それ故、遮光構成は、該空間の外部と、外部光が入り得る該空間の内部との間の、いずれの透明な開口にも配置され得る。最も一般的な例は、従来の窓や、建物の部屋に好適に向いた扉に配された窓である。しかしながら、例えばバルコニー又はテラスに関連して配置されるような、窓ガラスのない開口のような他の開口も利用可能である。更に、空間は、別の屋内空間に隣接した空間であっても良く、該開口がこれら2つの屋内空間を分割するものであっても良い。この場合、外部光は人工のものであっても良い。一例は、廊下に隣接したオフィスであり、該廊下とオフィスとの間に、遮光構成を備えた窓又はその他の開口が配置される。
【0009】
典型例においては、外部光は自然の日光であり、遮光構成はカーテン又は複数の羽根板を有するベネチアンブラインドのような日よけである。従って光源は、例えば時刻、天候条件及び季節変化に依存する、現在の日光照明条件に応じて制御されても良い。
【0010】
更に、少なくとも1つの光源が、遮光構成の外部に配置されても良い。代替としては、該光源は、遮光構成の内部のような別のどこかに配置されても良く、該システムはこの場合、窓の外側に向けて光を導くための光方向変化要素を有しても良い。該光方向変化要素は、1つ又は幾つかの反射器、導光部、レンズ、プリズム又はその他の光学手段を有しても良い。該光源はそれ故、窓ガラスのような、遮光構成から或る距離をおいて、光が遮光構成へと向けられる場所であればどこにでも配置されても良く、開口に対して高いレベルであっても低いレベルであっても良い。異なる位置は、発せられる光に異なる影響を与える。例えば、光の幾分かが遮光構成により反射され、空間に入る光の方向は少なくとも1つの光源の位置に依存して異なる。
【0011】
好適には、該少なくとも1つの光源は、指向性の光を発するように構成されても良い。指向性の光は、発せられる光の改善された制御を可能とし、それにより拡散型光源に比べ外部光と同一の性質を得ることを可能とするため、有利である。
【0012】
更に好適には、該少なくとも1つの光源は、色制御のような種々の方法で制御され得る、固体光源であっても良い。例えば、該固体光源は発光ダイオード(LED)であっても良い。
【0013】
該システムは更に、前記遮光構成の現在位置を検出するための検出器を更に有しても良く、前記検出器は、前記コントローラに接続され、前記遮光構成の現在位置に関する情報を前記コントローラに提供するように構成されても良い。斯かる検出器は、遮光構成のタイプに依存して種々の方法で設計されても良く、自動的なシステムを可能とする。
【0014】
更に、該システムは更に、前記現在の外部光の条件を検出するための光センサを更に有しても良く、前記センサは、前記コントローラに接続され、前記外部光の条件に関する情報を前記コントローラに提供するように構成されても良い。現在の外部光条件が斯くして自動的に検出されても良く、同時に光源が自動的に制御されて、曇り空又は朝若しくは夕方におけるような低レベルの日光といった、現在の外部光条件を補償する。外部光から人工照明への遷移、又はその逆の遷移はそれ故、該空間に位置する人物が気付きもせずに実行され得る。
【0015】
光センサは、輝度レベル及び色温度の少なくとも一方を検出するように構成されても良い。輝度レベルを検出することにより、外部光の低い輝度レベルが、光源をスイッチオンすることにより補償されることができ、補償輝度レベルを持つ光を発する。これにより、輝度レベルは、光源が変わっても一定に保たれ得る。ここで輝度とは、所与の方向において進む光の、単に面積当たりの明るさ強度を意図している。色温度を検出することにより、適切な制御によって所望の色温度が得られ得る。例えば、検出された冷白色の色温度は、人工照明からの暖白色の色温度により補償されても良い。代替としては、発せられる光に彩度要因が追加され、白以外の色を実現しても良く、例えば日の出又は日の入りの印象を該空間において演出するために利用されても良い。従って、暖赤色から青みがかった場面まで、日光効果の全ての色調を生成することが可能となり得る。
【0016】
更に、コントローラは、日光と人工照明との組み合わせ又は現在の外部光条件に応じて、複数の羽根板の位置及び向きを制御するように構成されても良い。これにより、例えば入ってくる光が明る過ぎる場合には当該空間における眩しさを防ぎ、光が天井又は床に向けられるように羽根板の角度が制御されても良く、又は光が比較的穏やかである場合には、羽根板間の間隙が大きくされても良い。
【0017】
代替としては、コントローラは、外が暗い場合に唯一の光源である光源出力に応じて、複数の羽根板の位置及び向きを制御するように構成されても良い。
【0018】
一実施例によれば、遮光構成は複数の制御可能な羽根板を有し、これら羽根板は該羽根板間に外部光が入ることを可能とするよう配置可能である。斯かる構成の一例は、ベネチアンブラインドである。
【0019】
この場合、該システムは、これら羽根板の1つに配置された少なくとも1つの太陽電池を有しても良い。代替として、又はそれに加えて、該システムは、これら羽根板から離れて配置された太陽電池を有しても良く、該太陽電池は日光が該羽根板により該太陽電池に向かって反射されることを可能とする位置に配置される。太陽光からのエネルギーを該システムを充電するための電力に変換するように太陽電池を構成することにより、羽根板及び光源の自動機能のような該システムの構成要素を駆動するために、より少ない更なる電力しか必要なくなるか、又は更なる電力が必要なくなる。太陽エネルギーを利用することにより、電力コストは減少し、同時に環境にも有利である。
【0020】
更に、該システムは更に、該空間内に配置された存在検出器を有し、コントローラが、存在が検出されない限り、太陽追尾を実行するように羽根板を制御するように構成される。存在検出を利用することにより、該システムは、羽根板が閉じられる必要がある場合であっても、該空間に誰も居ないときには太陽追尾のために完全に利用されることができる。しかしながら、羽根板が日光を(ことによると人工光と組合わせて)該空間に入れるように最適化される場合には、該システムが太陽追尾のみを意図される場合に比べて少ない日光しか太陽電池に向けられないにもかかわらず、太陽電池は依然として機能し得る。太陽追尾とは、太陽エネルギーを最適に集めるために、羽根板が太陽に向けられることを意図している。しかしながら、該システムが太陽エネルギーを集めることを意図される場合に、羽根板が常に同じ向きを得るように構成されても良い。例えば、羽根板は、太陽電池が該羽根板に配置される場合には、単に太陽エネルギーを集めるときには閉じられても良い。
【0021】
本発明(特定の特徴及び利点を含む)は、以下の詳細な説明及び添付図面から、容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】窓に装着され、遮光構成が水平の羽根板を有する、本発明の一実施例によるシステムを模式的に示す。
【図2(a)】太陽電池を更に備えた、本発明のシステムを備えた窓を模式的に示す。
【図2(b)】太陽電池を更に備えた、本発明のシステムを備えた窓を模式的に示す。
【図3(a)】本発明の別の実施例による別の構成のシステムの模式的な図である。
【図3(b)】本発明の別の実施例による別の構成のシステムの模式的な図である。
【図3(c)】本発明の別の実施例による別の構成のシステムの模式的な図である。
【図3(d)】本発明の別の実施例による別の構成のシステムの模式的な図である。
【図3(e)】本発明の別の実施例による別の構成のシステムの模式的な図である。
【図4】遮光構成がカーテンにより形成された、窓に装着された本発明の一実施例によるシステムを模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の一実施例によるシステムを備えた部屋5の窓1を示す。該システムは遮光構成2を有し、該遮光構成は窓1の全長をカバーし、ここでは部屋5の中に向いて窓1の内側に配置されている。明らかに、該遮光構成は、窓のどちらの側に配置されても良く、窓に対して部屋の内側を向いていても部屋の外側を向いていても良い。又は、該遮光構成は、窓の透明なガラスの間に配置されても良い。
【0024】
本例においては、遮光構成2はベネチアンブラインドのものであり、開いた位置において図示された複数の水平に配置された羽根板3を有し、各羽根板3の間には等しいサイズの水平間隙4が存在する。それ故、羽根板3は、外から該羽根板を通して部屋5に日光が入るように構成されている。遮光構成2は、図4に示されるようにカーテンであっても良い。
【0025】
光源6は更に、窓1の外に配置される。該光源は、固体光源、電球又は蛍光光源のような、いずれの光源であっても良い。ここで、光源6は、窓1の上の窓枠において中心に配置される。光源6又はその他の光源が、窓の底部に配置されても良い。光源の斯かる配置は下からの照明を実現し、窓の上端から下げられる遮光構成を用いる場合に有利となり得る。この場合該光源は、遮光構成が略閉じている(引き下げられている)場合にも、空間5に光を容易に導くことができる。
【0026】
該遮光構成の現在位置を検出するため、検出器9が配置される。該検出器は、単純な接触検出器、光検出器、又はその他の、遮光構成の現在位置を決定するのに適したいずれのタイプの検出器であっても良い。図4に示されるような、窓の横方向に又は上端から底部へと移動可能なカーテンの場合には、検出器9は単にカーテンの広がりを検出しても良い。図1におけるような、水平の羽根板を備えたベネチアンブラインドの場合には、検出器9は、どれだけ羽根板が下げられたかと、羽根板の傾きとを検出するように構成されても良い。全ての羽根板は典型的には同じ角度だけ傾けられるため、1つのセンサで十分となり得る。しかしながら、多数のセンサも可能である。
【0027】
コントローラ8は、該検出器及び該光源に接続され、遮光構成の現在位置に応じて該光源からの発光を制御するようにプログラムされる。該光源の制御は、強度、方向及びビーム角度を含んでも良いが、これに限定されるものではない。該制御は、所定の設定に基づいて実行されても良い。例えば、該コントローラは、遮光構成2の所与の位置について所定の照明を提供するように光源6を制御するようプログラムされても良い。当該所定の照明は、当該位置の遮光構成で空間5に入る外部光に類似するように調節され、外部光が弱い場合又は存在しない場合であっても、強い外部光の印象を与えるようにしても良い。
【0028】
コントローラ8は更に、輝度及び色温度のような、現在の外部光の条件を検出するように構成された光センサ7に接続されても良い。外向きの窓の場合には、該センサは日光を検出することとなる。センサ7からの検出されたパラメータにより、コントローラ8は光源6を制御し、現在の外部光の条件に基づいて調節された光を発するようにする。例えば、曇りの日であること等によって検出された輝度レベルが所定の閾値レベルより低い場合には、光源6は低い輝度レベルを補償する光を発するようスイッチオンされ、それにより所望の輝度レベルを持つ光が常に、日よけ2の羽根板3を通して部屋5に入るようにしても良い。検出器された色温度が比較的冷白色である場合には、光源6はより暖色の白色光を発するよう制御されても良い。
【0029】
外部光の条件に応じて光源を制御することにより、動的な照明が達成され得る。人工光は羽根板を通って該空間に入るため、該人工光は日光として知覚され得、例えば自然な影及び反射が該空間内に形成される。例えば、人工光が窓又は開口を及び押して該空間に入るときにも、羽根板により形成される影の特徴的な縞が存在する。
【0030】
コントローラ8は更に、検出された外部光の条件に応じて、遮光構成を接続するように構成されても良い。例えば、羽根板3は、外部光又は外部光源6が部屋5における光の優位な光源であるか否かに依存して、位置及び向きを変更するように制御されても良い。換言すれば、羽根板3は、現在の照明条件に最適な態様で方向付けられ得、また羽根板3は例えば、眩しさを回避するため天井又は床に向けて光を反射させるように角度付けられても良く、このことは部屋5に居る人に便利であり得る。
【0031】
図2a乃至bにおいて図1におけるものと同様のシステムが示されているが、該システムは更に太陽電池を備える。図2aにおいて、複数の太陽電池11が羽根板3に備えられ、太陽電池11を太陽に向けるように羽根板3が向けられている。これにより、太陽光が太陽電池11に当たると、太陽エネルギーが集められ得る。該システムはそれ故、電力変換された太陽エネルギーにより駆動されることができる。ここで、エネルギーを蓄えるためにバッテリ12が利用される。
【0032】
更に、人間が部屋5に存在するか否かを検出するため、存在検出器13が部屋5内に配置される。誰も存在しない場合には、羽根板3は専ら太陽追尾のために使用されることができ、羽根板3を太陽に向く最適な方向に向ける。又は、羽根板3は単に閉じられ、太陽電池11を外へと向ける。更に他の可能性は、羽根板3の特定の角度が、羽根板の上側が、太陽電池を備えられた羽根板の下側に向けて、又はその逆に、光を反射させることである。更に、該システムの日光と人工光との組み合わせられた制御の間も、太陽電池11の少なくとも幾つかが依然として、羽根板3の向きに依存して、太陽エネルギーを集めるような向きとされていても良い。
【0033】
図2bにおいて、単一の太陽電池15が、窓の内側及び上に配置されている。ここで、該羽根板は、日光が太陽電池に当たり更に太陽電池15に向けて反射させるような向きとされる。太陽電池に光を向けるための羽根板の最適な向きは、存在検出器13が利用され該部屋に誰も居ないことを検出した場合には、一定に保たれても良い。図示された例においては、日光を太陽電池15に向けるための羽根板の最適な向きは、光が依然として部屋に入ることを可能とする。更に、羽根板3の幾つかの異なる向きは、太陽光の少なくとも一部が太陽電池15に向けて反射されることに帰着する。
【0034】
図3において、本発明の種々の態様による異なる態様で構成されたシステムが模式的に示され、光源6がスイッチオンされ、遮光構成2に向けて光を発している。図3a乃至eに示されたシステムのそれぞれは単一の光源6を示しているが、単一の光源の代わりに複数の光源が配置されても良く、又は組み合わせられた効果のため種々の位置に配置されても良い。
【0035】
図3a乃至b及び図3d乃至eにおいては、光源6は、羽根板3が配置された窓の外側に向けて光を向けるため、窓の外側に配置される。
【0036】
図3aにおいては、羽根板3は水平に向けられ、光ビーム31が部屋の天井に向けて羽根板3において反射され、部屋を間接的に照明するようにされている。
【0037】
図3bにおいては、羽根板3は斜めに向けられ、光の一部のみを反射させ、光の一部が羽根板3における反射なく直接に部屋に入り得るようにしており、該直接光32が図3bにおいて示されている。ここで、比較的陽の当たる場面が部屋に実現される。
【0038】
図3cにおいては、光源6は窓の内側の羽根板の上に配置され、窓の外にある光方向付け構成20に光を発する。光方向付け構成はここでは反射器20として示され、部屋への反射のため光を羽根板3に向ける。
【0039】
図3dにおいては、光源6は外側に配置されるが、窓の下に配置され、羽根板3に向けて光を上向きに発する。図示された例においては、羽根板3は天井に向かって上向きに斜めに向けられており、光33の一部が羽根板3における反射なく直接に部屋の天井に入る。
【0040】
図3eにおいては、羽根板が閉じられ、羽根板3に当たる光が外に向かって反射され戻される。この特徴は、本発明のシステムにより実現され得る付加的な特徴であり、特に外が暗いときの効果的な照明のため、窓の外側における装飾的な照明を形成するために使用されることができる。該装飾的な照明は、交番するビーム角及び/又は種々の色を照明に追加することにより、更に拡張され得る。例えば、或る建物の異なる窓が異なる色で又は交番するビーム角及び/又は色により照明され、変化に富んだ装飾照明を形成しても良い。
【0041】
本発明は具体的な実施例を参照しながら説明されたが、当業者には種々の多くの変形、変更等が明らかであろう。例えば遮光システムは、垂直ブラインドのセット又は異なるタイプのカーテンのような、別のタイプのものであっても良い。遮光システムは手動で制御されても良く、例えば光が窓を通って入るように手動で引き上げられても良い。光源は、例えば時刻又は季節変動に応じて異なる態様で制御されても良い。遮光構成は、例えば中庭に関連するもののように、外部光を空間から遮蔽することができるいずれの開口部に配置されても良いし、又は2つの屋内空間を分割する開口部に配置されても良い。コントローラは、ユーザインタフェースを介してプログラムされても良い。
【0042】
更に、図面、説明及び添付される請求項を読むことにより、請求される本発明を実施化する当業者によって、開示された実施例に対する変形が理解され実行され得る。請求項において、「有する(comprising)」なる語は他の要素又はステップを除外するものではなく、「1つの(a又はan)」なる不定冠詞は複数を除外するものではない。単一のプロセッサ又はその他のユニットが、請求項に列記された幾つかのアイテムの機能を実行しても良い。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部照明からの光を人工照明からの光と組み合わせるためのシステムであって、前記システムは、
外部光を空間から遮蔽するための遮光構成であって、前記空間の内部を向く内側と前記空間の外を向く外側とを持つ遮光構成と、
前記遮光構成の前記外側に向けられた人工光を発するように構成された少なくとも1つの光源であって、現在の外部光の条件に応じて制御可能な光源と、
前記光源に接続され、前記遮光構成の現在位置に応じて前記光源の発光を制御し、前記遮光構成を通して脱出する外部光の効果をエミュレートするように構成されたコントローラと、
を有するシステム。
【請求項2】
前記遮光構成の現在位置を検出するための検出器を更に有し、前記検出器は、前記コントローラに接続され、前記現在位置に関する情報を前記コントローラに提供するように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記現在の外部光の条件を検出するための光センサを更に有し、前記センサは、前記コントローラに接続され、前記外部光の条件に関する情報を前記コントローラに提供するように構成された、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光センサは、輝度レベル及び色温度の少なくとも一方を検出するように構成された、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光源は、前記空間の外に配置された、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光源は、前記空間の中に配置され、前記システムは更に、前記遮光構成の前記外側に光を向けるための手段を更に有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの光源は、指向性の光を発するように構成された、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記光源は固体光源である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記現在の外部光の条件に応じて、複数の羽根板の位置及び向きを制御するように構成された、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記遮光構成は、複数の制御可能な羽根板であって、前記羽根板の間に外部光が入ることを可能とするように配置可能な羽根板を有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記羽根板の1つに配置された少なくとも1つの太陽電池を更に有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記羽根板から離れて配置された太陽電池を更に有し、前記太陽電池は、前記羽根板により前記太陽電池に向けて日光が反射されることを可能とする位置に配置された、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記空間における人間の存在を検出するための存在検出器を更に有し、前記コントローラは、存在が検出されない限り、太陽追尾を実行するように前記羽根板を制御するように構成された、請求項11又は12に記載のシステム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−521607(P2013−521607A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555525(P2012−555525)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050811
【国際公開番号】WO2011/107918
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】