説明

多人数参加型の遊技機

【課題】着座および離脱の行いやすさを確保しつつ、シートとサブ表示部との間隔を狭くできる端末装置を備える遊技機を提供すること。
【解決手段】端末装置30は、プレーヤの背を支える背もたれ部312を有し、プレーヤが着座できるシート31と、端末装置30の周囲の4方のうちこの端末装置30の側面の1方に形成された開口部32と、端末装置30の周囲の4方のうち開口部32が設けられた1方を除く3方を囲むシート囲み部33と、シート囲み部33のうち端末装置30の前方側に設けられ、ゲーム画像を表示するサブ表示装置34と、を備える。シート31は、背もたれ部312が開口部32に対向する位置から端末装置30の前方に向かう位置までの角度で回転できるように設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多人数参加型の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、多数のプレーヤが参加する多人数参加型の業務用遊技機、通称マスゲーム機が知られている。このようなマスゲーム機としては、近年では、競馬ゲーム機がある。このようなマスゲーム機は、例えば、大型のメイン表示部が設けられた遊技機本体と、この遊技機本体に取り付けられサブ表示部が設けられた複数の端末装置と、を備える(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
複数の端末装置は、平面視矩形状のプレイエリア上に、メイン表示部に向かって配置され、端末装置同士の間は、通路となっている。各端末装置には、プレーヤが着座できるシートが設けられ、上述のサブ表示部は、プレーヤがシートに着座した状態で視認できるように、シートの前方または左右斜め前方向に配置される。このため、プレーヤは、シートに着座した状態で、シート前方に設けられたメイン表示部を視認しつつ、サブ表示部も視認できる。
【0004】
このようなマスゲーム機では、ゲームに同時に参加できるプレーヤ数が増加すると、プレーヤにとっては、互いに競ったり協力したりできる相手が増えるので遊技の興趣が向上し、遊技場にとっては、1日当りのプレーできる回数が増加するのでマスゲーム機の稼働率が向上する。
【0005】
このため、通路の幅を狭くして、プレイエリア上に配置する端末装置の数を増加させることが考えられる。ところが、通路の幅を狭くすると、プレーヤ同士が端末装置間の通路をすれ違う際に接触するおそれがあった。
【0006】
そこで、例えば、シートとサブ表示部との間隔を狭くして、端末装置を小型化することで、プレイエリア上に配置する端末装置の数を増加させる。
【特許文献1】米国公開2007/0123354号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上述のようにシートとサブ表示部との間隔を狭くすると、シートに着座したりシートから離脱したりする際に、サブ表示部に足が接触したりして、サブ表示部が邪魔になり、着座や離脱を容易に行えないおそれがあった。
【0008】
本発明は、さらなるエンターテインメント性のある遊技機を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、着座および離脱の行いやすさを確保しつつ、シートとサブ表示部との間隔を狭くできる端末装置を備える遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、ゲーム画像を表示するメイン表示部と、所定のプレイエリア上に、前記メイン表示部の前方に通路を挟んで配置される複数の端末装置と、を備え、前記端末装置は、プレーヤの背を支える背もたれ部を有し、プレーヤが着座できるシートと、前記端末装置の周囲の4方のうち当該端末装置の側面の1方に、前記通路と前記シートとの間をプレーヤが移動できるように設けられた開口部と、前記シートの周囲の4方のうち前記開口部が設けられた1方を除く3方を囲むシート囲み部と、前記シート囲み部のうち前記端末装置の前方側に設けられ、ゲーム画像を表示するサブ表示部と、を備え、前記シートは、前記背もたれ部が前記開口部に対向する位置から前記メイン表示部に対向する位置までの角度で回転できるように設けられることを特徴とする遊技機が提供される。
【0011】
上記構成を有する遊技機では、シートは、背もたれ部が開口部に対向する位置からメイン表示部に対向する位置までの角度で回転する。
【0012】
これにより、シートに着座する際には、まず、背もたれ部が開口部に対向する位置までシートを回転させた後、このシートに腰を下ろす。次に、背もたれ部がメイン表示部に対向する位置までシートを回転させる。以上によれば、シートに着座する際にサブ表示部が邪魔になるのを抑制できるので、プレーヤは、シートに容易に着座できる。
【0013】
その結果、プレーヤは、ゲームを速やかに開始でき、さらなるエンターテインメント性のあるゲームを楽しむことができる。
【0014】
また、シートから離脱する際には、まず、シートに着座した状態から、背もたれ部が開口部に対向する位置までシートを回転させる。次に、このシートから腰を上げる。以上によれば、シートから離脱する際にサブ表示部が邪魔になるのを抑制できるので、プレーヤは、シートから容易に離脱できる。
【0015】
さらに、以上によれば、シートが回転しない場合と比べて、シートとサブ表示部との間隔を狭くしても、着座および離脱を容易に行うことができる。したがって、着座および離脱の行いやすさを確保しつつ、シートとサブ表示部との間隔を狭くできる。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、前記シートを回転させる回転駆動部と、プレーヤからの入力を受け付けるインプットデバイスと、前記インプットデバイスによりプレーヤからの入力を受け付けると、前記回転駆動部を制御する回転制御部と、をさらに備えることを特徴とする遊技機が提供される。
【0017】
上記構成を有する遊技機では、インプットデバイスによりプレーヤからの入力を受け付けると、回転駆動部により回転制御部を制御して、シートを回転させる。
【0018】
このため、プレーヤは、インプットデバイスに入力することで、着座や離脱をさらに容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、さらなるエンターテインメント性のある遊技機を提供できる。
【0020】
また、着座および離脱の行いやすさを確保しつつ、シートとサブ表示部との間隔を狭くできる端末装置を備える遊技機を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
端末装置30は、プレーヤの背を支える背もたれ部312を有し、プレーヤが着座できるシート31と、端末装置30の周囲の4方のうちこの端末装置30の側面の1方に形成された開口部32と、端末装置30の周囲の4方のうち開口部32が設けられた1方を除く3方を囲むシート囲み部33と、シート囲み部33のうち端末装置30の前方側に設けられ、ゲーム画像を表示するサブ表示装置34と、を備える。シート31は、背もたれ部312が開口部32に対向する位置から端末装置30の前方に向かう位置までの角度で回転できるように設けられる。
【0023】
図1は、本発明の一実施例に係る端末装置30の外観を示す第1の斜視図である。図2は、端末装置30の外観を示す第2の斜視図である。図3は、端末装置30の外観を示す上面図であり、図4は、端末装置30の外観を示す側面図である。
【0024】
端末装置30は、プレーヤが着座できるシート31と、端末装置30の周囲の4方のうち端末装置30の側面の1方に形成された開口部32と、端末装置30の周囲の4方のうち開口部32が設けられた1方を除く3方を囲むシート囲み部33と、シート囲み部33のうち端末装置30の前方側に設けられたサブ表示装置34と、を備える。
【0025】
シート31は、プレーヤが着座する着座部311と、プレーヤの背を支える背もたれ部312と、背もたれ部312の頂部に設けられたヘッドレスト313と、背もたれ部312の両側に取り付けられたアームレスト314と、基体35に取り付けられた脚部315と、を備える。
【0026】
このシート31は、脚部315に対して回転自在に支承されている。具体的には、脚部315には、シート31の回転を制御するブレーキ機構(図示省略)が設けられ、着座部311の底部のうち開口部32側には、回転レバー316が設けられている。
【0027】
回転レバー316を操作しない状態では、ブレーキ機構により、シート31が脚部315に対して固定され、シート31は回転しない。一方、回転レバー316を上方に引き上げた状態では、ブレーキ機構によるシート31の固定が解除され、シート31が脚部315に対して回転自在となる。このため、プレーヤは、回転レバー316を上方に引き上げた状態で、脚部315を中心とする円周方向に基体35に対して足で力を加えたりすることで、シート31を回転させることができる。なお、ブレーキ機構により、シート31が回転する角度は、図1に示した背もたれ部312が端末装置30の前方を向く位置から、図2に示した背もたれ部312が開口部32に対向する位置までの、略90度に制限されている。
【0028】
また、着座部311の前方側には、着座部311に対する角度を変化させることができるレッグレスト317が設けられ、着座部311の側面のうち開口部32の反対側には、レッグレバー318が設けられている。レッグレバー318を操作しない状態では、レッグレスト317の着座部311に対する角度が維持される。一方、レッグレバー318を上方に引き上げた状態では、プレーヤがレッグレスト317の着座部311に対する角度を変化させることができる。
【0029】
シート囲み部33は、端末装置30の側面のうち開口部32が形成された1方と対向する1方に設けられたサイドユニット331と、端末装置30の前方に設けられたフロントユニット332と、端末装置30の後方に設けられたバックユニット333と、を備える。
【0030】
サイドユニット331は、基体35から鉛直上方向に延出して設けられ、シート31の着座部311よりも高い位置には、基体35と略水平な水平面331A(図3参照)が形成されている。この水平面331Aには、図示しないメダルを投入するメダル投入部や、メダルを払出すメダル払出部などが設けられている。
【0031】
フロントユニット332は、基体35と略水平な平面を有するテーブルであり、サイドユニット331のうち端末装置30の前方側に支承されている。このフロントユニット332は、シート31に着座した状態のプレーヤの胸部に対向する高さに設けられており、下方の空間Xには、シート31に着座した状態のプレーヤが足を収納できるようになっている。
【0032】
バックユニット333は、サイドユニット331と一体に形成されている。
【0033】
以上のように、シート31は、サイドユニット331、フロントユニット332、およびバックユニット333を備えるシート囲み部33により3方を囲まれている。このため、プレーヤは、このシート囲み部33が形成されていない領域、すなわち開口部32のみを通じて、シート31に着座したり、シート31から離脱したりできる。
【0034】
サブ表示装置34は、フロントユニット332に支持された支持アーム341と、この支持アーム341の先端に取り付けられた液晶表示を行う矩形平面状の液晶モニタ342と、を備える。液晶モニタ342は、いわゆるタッチパネルであり、シート31に着座した状態のプレーヤの胸部に対向する位置に設けられる。
【0035】
ここで、図3を参照すると、液晶モニタ342を鉛直上方向から視認した場合に、着座部311の一部Hが液晶モニタ342に隠れている。すなわち、図4に示したように、液晶モニタ342の下方には、着座部311の一部Hが位置しており、液晶モニタ342の水平方向の位置と、着座部311の水平方向の位置と、が一部重複している。
【0036】
なお、本実施例では、液晶モニタ342をタッチパネルで構成した、本発明はこれに限らず、液晶モニタ342をタッチパネルで構成せず、プレーヤが操作できる操作部を別途設けてもよい。
【0037】
以上の端末装置30では、プレーヤや、シート31に着座する際には、まず、回転レバー316を操作して、背もたれ部312が開口部32に対向する位置までシート31を回転させた後、このシート31に腰を下ろす。次に、回転レバー316を操作したままの状態で、背もたれ部312が端末装置30の前方に向くまで、シート31を回転させる。すなわち、シート31に腰を下ろした後、このシート31を回転させるだけで、プレーヤの足がフロントユニット332の下方の空間Xに収納され、シート31に着座した状態となる。したがって、シート31に着座する際に、着座部311の上方に一部が位置する液晶モニタ342と、支持アーム341を介して液晶モニタ342が取り付けられたフロントユニット332と、が邪魔になるのを抑制できるので、プレーヤは、シート31に容易に着座できる。
【0038】
その結果、プレーヤは、ゲームを速やかに開始でき、さらなるエンターテインメント性のあるゲームを楽しむことができる。
【0039】
また、シート31から離脱する際には、まず、シート31に着座した状態から、背もたれ部312が開口部32に対向する位置までシート31を回転させる。次に、このシート31から腰を上げる。すなわち、シート31に着座した状態から、このシート31を回転させるだけで、プレーヤの足がフロントユニット332の下方の空間Xから外部に出る。したがって、シート31から離脱する際に、着座部311の上方に一部が位置する液晶モニタ342と、支持アーム341を介して液晶モニタ342が取り付けられたフロントユニット332と、が邪魔になるのを抑制できるので、プレーヤは、シート31から容易に離脱できる。
【0040】
すなわち、シート31が回転しない場合と比べて、シート31と液晶モニタ342との間隔を狭くしても、着座および離脱を容易に行うことができる。したがって、着座および離脱の行いやすさを確保しつつ、シート31と液晶モニタ342との間隔を狭くできる。
【0041】
図5は、上述の端末装置30を複数備える遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、多数のプレーヤが参加する多人数参加型の競馬ゲームを行うマスゲーム機であり、複数の端末装置30のほかに、大型のメイン表示装置21が設けられた遊技機本体20を備える。
【0042】
遊技機本体20は、メイン表示装置21のほかに、メイン表示装置21の両側に設けられたスピーカ装置22と、これらメイン表示装置21およびスピーカ装置22を制御するメイン制御装置23と、を備える。
【0043】
メイン表示装置21は、大型のプロジェクタ表示装置である。このメイン表示装置21は、メイン制御装置23による制御に応じて、複数の競走馬がレースを行う画像やレース結果の画像などを表示したりする。これに対して、各端末装置30が備えるサブ表示装置は、各競走馬のオッズ情報やプレーヤ自身が行ったベット状況を示す情報などを表示する。なお、本実施例では、大型のプロジェクタ表示装置を用いたが、本発明はこれに限らず、大型のモニタであればよい。
【0044】
複数の端末装置30は、メイン表示装置21の前方に、幅Wの通路41を挟んで配置されている。これら複数の端末装置30の開口部32は、全て端末装置30に対して同一方向に形成されている。このため、互いに隣り合う端末装置30では、それぞれの開口部32が通路41を挟んで対向しないので、互いに隣り合う端末装置30でゲームを行うプレーヤ同士が、シート31から同時に離脱して、同一の通路41で対面することはない。したがって、互いに隣り合う端末装置30の開口部32が通路41を挟んで対向する場合と比べて、通路41の幅Wを狭くすることができる。
【0045】
図6は、遊技機本体20が備える主制御部112の構成を示すブロック図である。主制御部12は、基本的に、CPU141、RAM142、ROM143、これら相互間のデータ転送を行うためのバス144で構成されるマイクロコンピュータ145を核として構成されている。CPU141には、RAM142およびROM143がバス144を介して接続されている。RAM142は、CPU141で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。ROM143は、遊技機1の制御上必要な処理をおこなうための各種のプログラム、データテーブルなどが格納されている。
【0046】
マイクロコンピュータ145には、I/Oインターフェース146を介して、画像処理回路131が接続されている。画像処理回路131は、メイン表示装置21に接続され、メイン表示装置21の駆動を制御する。
【0047】
画像処理回路131は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)およびビデオRAMなどで構成されている。プログラムROMには、メイン表示装置21での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。また、画像ROMには、例えば、メイン表示装置21で画像を形成するためのドットデータなど、画像を形成するためのドットデータが格納されている。また、画像制御CPUは、マイクロコンピュータ145で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中からメイン表示装置21に表示する画像の決定を行うものである。また、ワークRAMは、上記画像制御プログラムを画像制御CPUで実行するときの一時記憶手段として構成される。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像データを生成し、メイン表示装置21に出力するものである。なお、ビデオRAMは、VDPで画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0048】
マイクロコンピュータ145には、I/Oインターフェース146を介して、音声回路132が接続されている。音声回路132には、スピーカ装置22が接続されている。スピーカ装置22は、CPU141からの駆動信号に基づき音声回路132により出力制御されることによって、各種演出を行う際に各種の効果音、BGMなどを発生するものである。
【0049】
マイクロコンピュータ145には、I/Oインターフェース146を介して、外部記憶装置125が接続されている。外部記憶装置125は、例えば、メイン表示装置21で画像を形成するためのドットデータなど、画像を形成するためのドットデータが格納されることによって、画像処理回路131内の画像ROMと同様な機能を有する。従って、画像処理回路131内の画像制御CPUは、メイン表示装置21に表示する画像の決定を行う際には、外部記憶装置125内に予め記憶されたドットデータもその決定の対象とする。
【0050】
マイクロコンピュータ145には、I/Oインターフェース146を介して、通信インターフェース136が接続されている。通信インターフェース136には、各端末装置30の副制御部202が接続されている。これにより、CPU141と各端末装置30間で、双方向通信が行えるようになっている。CPU141は、通信インターフェース136を介して、命令の送受信、要求の送受信、データの送受信などを各端末装置30との間で行える。従って、遊技機1では、遊技機本体20は、各端末装置30と協働して競馬ゲームの進行制御を行う。
【0051】
図7は、端末装置30が備える副制御部202の構成を示すブロック図である。副制御部202は、基本的に、CPU231、RAM232、ROM233、これら相互間のデータ転送を行うためのバス234で構成されるマイクロコンピュータ235を核として構成されている。CPU231には、RAM232およびROM233がバス234を介して接続されている。RAM232は、CPU231で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。ROM233は、遊技機1の制御上必要な処理を行うための各種のプログラム、データテーブルなどが格納されている。
【0052】
マイクロコンピュータ235には、I/Oインターフェース236を介して、サブモニタ駆動回路221が接続されている。サブモニタ駆動回路221には、液晶モニタ342が接続されている。サブモニタ駆動回路221は、遊技機本体20からの駆動信号に基づき液晶モニタ342の駆動を制御する。
【0053】
マイクロコンピュータ235には、I/Oインターフェース236を介して、タッチパネル駆動回路222が接続されている。タッチパネル駆動回路222には、タッチパネルとしての液晶モニタ342が接続されている。遊技者の接触操作による液晶モニタ342表面への指示(接触位置)をタッチパネル駆動回路222からの座標信号に基づきCPU231に入力するものである。
【0054】
マイクロコンピュータ235には、I/Oインターフェース236を介して、紙幣識別駆動回路223が接続されている。紙幣識別駆動回路223には、紙幣識別器215が接続されている。紙幣識別器215は、紙幣やバーコード付チケットの適否を識別する。紙幣識別器215は、正規の紙幣を受け入れたとき、その紙幣の額を紙幣識別駆動回路223からの識別信号に基づきCPU231に入力するものである。また、紙幣識別器215は、正規のバーコード付チケットを受け入れたとき、そのバーコード付チケットに記録されているクレジット数などを紙幣識別駆動回路223からの識別信号に基づきCPU231に入力するものである。
【0055】
マイクロコンピュータ235には、I/Oインターフェース236を介して、チケットプリンタ駆動回路224が接続されている。チケットプリンタ駆動回路224には、チケットプリンタ216が接続されている。チケットプリンタ216は、CPU231から出力される駆動信号に基づきチケットプリンタ駆動回路224により出力制御されることにより、RAM232に記憶された所有クレジット数などのデータをコード化したバーコードをチケットに印刷し、バーコード付チケットとして出力するものである。
【0056】
マイクロコンピュータ235には、I/Oインターフェース236を介して、通信インターフェース225が接続されている。通信インターフェース225には、遊技機本体20の主制御部112が接続されている。これにより、CPU231と主制御部112間で、双方向通信が行えるようになっている。CPU231は、通信インターフェース225を介して、命令の送受信、要求の送受信、データの送受信などを主制御部112との間で行える。従って、遊技機1では、各端末装置30は、遊技機本体20と協働して競馬ゲームの進行制御を行う。
【0057】
図8に示すフローチャートを参照して、遊技機1でのゲーム動作について説明する。なお、各端末装置30は、遊技機本体20とそれぞれ協同して同様なゲーム動作を行うが、図8では、一つの端末装置30のみ図示する。
【0058】
遊技機本体20では、ステップS1〜ステップS6の各動作を行う。初めに、ステップS1では、主制御部112は、初期化処理を行い、ステップS2に移る。この処理では、CPU141により、競馬ゲームに関し、今回のレースに関するコース、出走馬、開始時刻などを決定し、これらに関するデータをROM143から読み出す。
【0059】
ステップS2では、主制御部112は、レース情報を各端末装置30に送信し、ステップS3に移る。この処理では、CPU141により、今回のレースに関するコース、出走馬、開始時刻などに関するデータを各端末装置30に送信する。
【0060】
ステップS3では、主制御部112は、レース開始時刻であるか否かを判別する。この判別がYESであれば、ステップS4に移り、NOであれば、ステップS3を繰り返す。具体的には、CPU141により、レースを開始する時刻に到達するまで、時刻のチェックを繰り返し、レースを開始する時刻に到達すると、ステップS4に移る。
【0061】
ステップS4では、主制御部112は、レース表示処理を行い、ステップS5に移る。この処理では、CPU141により、ステップS1においてROM143から読み出したデータに基づいて、メイン表示装置21にレース画像を表示するとともに、スピーカ装置22から効果音や音声などを出音する。
【0062】
ステップS5では、主制御部112は、レース結果処理を行い、ステップS6に移る。この処理では、CPU141により、レース結果や、各端末装置30から受信したBET情報に関するデータなどに基づいて、各端末装置30での配当を算出する。
【0063】
ステップS6では、主制御部112は、配当情報送信処理を行い、ステップS1に移る。この処理では、CPU141により、ステップS5において算出した配当に関するデータなどを、該当する端末装置30にそれぞれ送信する。
【0064】
一方、各端末装置30では、ステップS11〜S16の各動作を行う。初めに、ステップS11では、副制御部202は、BET画像表示処理を行い、ステップS12に移る。この処理では、CPU231により、ステップS2において遊技機本体20から送信されたデータに基づいて、各競走馬のオッズやこれまでの成績などを液晶モニタ342に表示する。
【0065】
ステップS12では、副制御部202は、BET操作受付処理を行い、ステップS13に移る。この処理では、CPU231により、タッチパネルとしての液晶モニタ342において、遊技者による液晶モニタ342表面のタッチ操作を有効にし、遊技者によるBET操作の受け付けを開始し、BET操作に応じて表示画像を変更する。
【0066】
ステップS13では、副制御部202は、BET時間が終了したか否かを判別する。この判別がYESであれば、ステップS14に移り、NOであれば、ステップS13を繰り返す。具体的には、CPU231により、ステップS12においてBET操作受付処理を開始してから所定時間が経過するまで、時間をチェックし、所定時間が経過すると、遊技者によるBET操作の受け付けを終了し、ステップS14に移る。
【0067】
ステップS14では、副制御部202は、BET操作が行われたか否かを判別する。この判別がYESであれば、ステップS15に移り、NOであれば、ステップS11に移る。この処理では、CPU231により、上述のBET操作の受け付けを行っていた期間に、BET操作が行われたか否かを判別する。
【0068】
ステップS15では、副制御部202は、BET情報送信処理を行い、ステップS16に移る。この処理では、CPU231により、行われたBET操作に関するデータを遊技機本体20に送信する。
【0069】
ステップS16では、副制御部202は、払出処理を行い、ステップS11に移る。この処理では、CPU231により、ステップS6において遊技機本体20から送信された配当に関するデータなどに基づいて、メダル払出部からメダルを払い出す。
【0070】
以上のように、シート31と液晶モニタ342との間隔を狭くして、端末装置30の前後方向の長さを短縮できるとともに、通路41の幅Wを狭くできるので、プレイエリア40上に配置できる端末装置30の数を増加させることができる。
【0071】
なお、上述の実施例の端末装置30において、回転レバー316の代わりに回転ボタンおよびシート31を回転させる回転駆動部を設けてもよい。これによれば、シート31に着座しているプレーヤが回転ボタンを操作すると、上述のブレーキ機構によるシート31の固定が解除されるとともに、回転駆動部により、背もたれ部312が開口部32に対向する位置までシート31を回転させるように構成する。さらに、背もたれ部312が開口部32に対向する位置で停止した状態で所定時間が経過すると、回転駆動部により、背もたれ部312が端末装置30の前方を向く位置までシート31を回転させるように構成する。
【0072】
あるいは、着座部311に重量センサを設け、背もたれ部312が開口部32に対向する位置で停止した状態で、重量センサにより所定値以上の重量を検知すると、回転駆動部により、背もたれ部312が端末装置30の前方を向く位置までシート31を回転させるように構成することもできる。
【0073】
また、上述の重量センサにより、シート31に着座しているプレーヤの体重を検知し、この検知した体重を一時的に記憶するように構成することもできる。そして、端末装置30にメダルが投入されたままの状態、すなわちメダルがクレジットされたままの状態で、プレーヤがシート31から離席した場合には、一時的に記憶させたこのプレーヤの体重と略同一の体重を検知できることを条件に、背もたれ部312が端末装置30の前方を向く位置までシート31が回転するように構成することもできる。これによれば、プレーヤがゲーム中にトイレに行くなど、シート31から一時的に離脱する際に、メダルがクレジットされたままの状態にすることで、離脱している期間に、他のプレーヤにこのシート31が占拠されるのを防止できる。
【0074】
また、上述の実施例では、ゲーム媒体としてメダルを用いたが、本発明はこれに限らず、例えば、コイン、トークン、電子マネー、またはこれらに相当する電子的な有価情報を用いてもよい。
【0075】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは、本発明に含まれるものである。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載された効果に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施例に係る端末装置の外観を示す斜視図である。
【図2】前記端末装置が備えるシートを図1の状態から回転させた場合の斜視図である。
【図3】前記端末装置の外観を示す上面図である。
【図4】前記端末装置の外観を示す側面図である。
【図5】前記端末装置を複数備える遊技機の外観を示す斜視図である。
【図6】遊技機本体が備える主制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】端末装置が備える副制御部の構成を示すブロック図である。
【図8】前記遊技機でのゲーム動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
1 遊技機
20 遊技機本体
21 メイン表示装置
30 端末装置
31 シート
32 開口部
33 シート囲み部
34 サブ表示装置
40 プレイエリア
41 通路
312 背もたれ部
H 着座部のうち液晶モニタの下方にある一部分
W 通路の幅
X フロントユニットの下方の空間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム画像を表示するメイン表示部と、
所定のプレイエリア上に、前記メイン表示部の前方に通路を挟んで配置される複数の端末装置と、を備え、
前記端末装置は、
プレーヤの背を支える背もたれ部を有し、プレーヤが着座できるシートと、
前記端末装置の周囲の4方のうち当該端末装置の側面の1方に、前記通路と前記シートとの間をプレーヤが移動できるように設けられた開口部と、
前記シートの周囲の4方のうち前記開口部が設けられた1方を除く3方を囲むシート囲み部と、
前記シート囲み部のうち前記端末装置の前方側に設けられ、ゲーム画像を表示するサブ表示部と、を備え、
前記シートは、前記背もたれ部が前記開口部に対向する位置から前記メイン表示部に対向する位置までの角度で回転できるように設けられることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機において、
前記シートを回転させる回転駆動部と、
プレーヤからの入力を受け付けるインプットデバイスと、
前記インプットデバイスによりプレーヤからの入力を受け付けると、前記回転駆動部を制御する回転制御部と、をさらに備えることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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