説明

多周波ドップラー装置

【課題】 多周波ドップラー装置の高周波回路モジュールの小型化、低コスト化を図る。
【解決手段】 送受信に共用するアンテナ17のフロントエンド部に非線形特性を持つダイオード21と、ダイオード21の出力端にそれぞれ接続したフィルタ23及びオープンスタブ(Open stub)22よりなる周波数変換部を有し、フィルタ23の出力側をドップラー信号dの出力端子とする。この構成により、ドップラー信号を出力する従来の回路モジュールに設けた分配器を持たず、かつ電力レベルを低下させないために設けた増幅器等の他の高周波回路コンポーネントを必要としない簡素な回路構成で小型化を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動物体の距離等を2以上の多周波数のマイクロ波やミリ波を用いてドップラーレーダ方式で検出する多周波ドップラー装置に関し、送受信アンテナ一体型に適応した回路モジュールを有した多周波ドップラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、マイクロ波、ミリ波を利用して対象物の距離を測定する方法や対象物の存在の有無を検知する方法(以下、「距離測定方法」という場合「存在有無の検知方法」を含む)が知られており、マイクロ波、ミリ波が同じ電磁波である光よりも透過性がよいことや人が視認できない、といった性質を持つことから、この性質を利用し得る分野を中心に実用化が図られている。
距離測定方法は、マイクロ波、ミリ波を対象物に照射し、対象物からの反射波を検出する方法であり、例えば、(1)FM-CW(Frequency Modulation - continuous wave)方式、(2)2周波ドップラー方式、(3)定在波方式などの方式が知られている。本発明は、この中の多周波(2周波)ドップラー方式に係る。
従来の2周波ドップラー方式では、送信アンテナから送信された2つの周波数の信号が移動する検出対象物に照射され、ドップラーシフトされた反射波を受信した後、ミクサでドップラー周波数に変換される。この周波数変換された2つのドップラー信号の位相差から検出対象物までの距離を算出することができる。
【0003】
ところで、従来の2周波ドップラー装置は、上記した原理に従った動作を行うための回路モジュールを備えるが、2周波を用いることから、回路モジュールに搭載する構成要素の数もかなり多くなる。
図4は、2周波ドップラー方式において従来提案された回路モジュールの構成を示す図である。同図には、2つのタイプ(A)、(B)の構成例を示している。構成例(A)は送受信アンテナ18,19をそれぞれ分離したタイプであり、構成例(B)は送受信アンテナ17を一体にしたタイプである。図4に示すように、構成例(B)はアンテナが一本ですむという利点があるが、構成例(A)、(B)いずれも2周波それぞれに対応して2系統の高周波回路部を持ち、各系統においてミクサ37,38や発振器側とアンテナ側に分配器31〜34,39を必要とする。
【0004】
また、送信系では、アンテナ直前の合成器(図4中には分配器33,39として示す)で送信信号の合成時に3db以上の合成損失が生じ、送信電力低下に影響する。受信系では、送信側と同様に、受信アンテナ直後の分配器34,39で受信信号の分配時に3db以上の分配損失が生じ、受信系の雑音指数に影響を与える。これらの損失による影響を低減するために増幅器やフィルタ40〜42を設けると、回路規模が大きくなってしまう。
また、送受信アンテナ一体型では、構成例(B)に示すように、サーキュレータ35,36がよく使用されるが、準ミリ波帯以上のサーキュレータを基板に実装すると、小型化と同時に低コスト化を難しくする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、2周波ドップラー方式の回路モジュールの従来例として示した図4(A)、(B)いずれのタイプのモジュールも大きさやコストに問題があり、広い用途に適用できるモジュールとしての条件を備えたものではない。
本発明は、従来の2周波ドップラー方式の高周波回路モジュールおける上記問題に鑑み、これを解決するためになされたもので、その目的は、当該回路モジュールの小型化、低コスト化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、多数の異なる設定周波数の連続波を送受信に共用するアンテナから同時に送信し、送信後に戻ってくる反射波の受信信号から前記周波数に対応するドップラー信号を抽出するための高周波回路を有した多周波ドップラー装置であって、前記高周波回路は、アンテナに直接つながる端部に受信信号と送信信号を混合する周波数変換部を有したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、多周波ドップラー方式の高周波回路モジュールのフロントエンド部(アンテナにつながる高周波回路部の端部)を1系統にして簡素な回路構成にすることで、回路モジュールの小型化、低消費電力化及び低コスト化を図ることができ、延いてはマイクロ波、ミリ波を用いる対象物の距離測定や対象物の存在有無の検知が必要な各種の用途へと適用分野を拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の多周波ドップラー装置の実施形態に係わる2周波ドップラーモジュールの回路構成を示す図である。
【図2】本実施形態の2周波ドップラーモジュールの動作に係る変量の関係を示す表である。
【図3】本発明の多周波ドップラー装置の他の実施形態に係わる回路構成を示す図である。
【図4】2周波ドップラー装置に採用される回路モジュールの従来例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係わる多周波ドップラー装置の実施形態を説明する。
以下に示す実施形態では、本発明に係わる多周波ドップラー装置を2周波ドップラーに適用した例を示す。なお、2周波ドップラー方式による距離測定の原理とドップラー信号から距離を算出する処理の基本的なプロセスは、従来技術と共通しているので、本実施形態では本発明の特徴部分を構成する2周波ドップラーモジュール、即ち、送受信に共用するアンテナから2周波の連続波を送信し、送信後に戻ってくる反射波の受信信号から該2周波に対応するドップラー信号を抽出するための高周波回路モジュール(以下、単に「回路モジュール」ともいう)を中心に説明する。
【0010】
2周波ドップラーモジュールにおいて、使用するマイクロ波、ミリ波の周波数が高くなってくると、低コストで高い利得や高いPdb(1db利得圧縮時出力電力)を得ること、又低損失で信号を合成、分配することが難しくなる。このため、上記[背景技術]の項において、図4を参照して説明した従来技術の回路モジュールのように、受信アンテナ直後の受信信号の分配器や発振器から出力される送信信号Tx,LO(Local Oscillator)信号を分配する分配器を設けることが必要になって、回路が大型化し、上記信号の電力低下やコストアップを招いていた。
そこで、この実施形態では、フロントエンド部(アンテナにつながる回路の端部)にシングルダイオードミクサを採用し、マイクロ波、ミリ波の透過性を生かすようにすることで、ドップラー信号を出力する回路モジュールにおいて従来必要とした受信信号の分配器や送信信号Tx,LO信号の分配器をなくし、アイソレーション抵抗よりも電力レベルを低下させないことを優先し、かつ従来採用した分配器によって低下する電力レベルを維持するために設けた増幅器等の他の回路要素を廃し簡素な回路構成とする。
【0011】
図1は、本実施形態の2周波ドップラーモジュールの回路構成を示す図である。
図1に示す高周波回路モジュールにおいて、アンテナ17は、送信信号Txを送信し、受信信号Rxを受信する送受信に共用するアンテナである。
また、2周波の連続波を送信する送信側の回路は、発振周波数fの発振器11と、発振周波数fの発振器12と、発振器11と発振器12それぞれが発生する信号を合成する合成器14と、合成器14によって合成された信号を増幅する増幅器15を有する。
また、受信側の回路は、フロントエンド部にシングルダイオードミクサを有する。シングルダイオードミクサは、非線形特性を持つダイオード21と、ダイオード21の出力端にそれぞれ接続したフィルタ23及びオープンスタブ(Open stub)22よりなる。
ここに、ドップラー信号を含む信号出力dの端子は、フィルタ23の出力側である。
【0012】
周波数変換部のフィルタ23は、ドップラー信号周波数帯を通過させるフィルタである。また、周波数変換部のオープンスタブ(Open stub)22は、発振器11,12の設定周波数の近傍でダイオード21の出力端がShort点になる様にした回路である。本実施形態では、オープンスタブ22におけるスタブの長さは、2周波の発振器11,12の発振周波数をそれぞれf,fと設定した場合、λg/4(λg:高周波信号の線路上波長)の長さに設定することにより、ダイオード21の出力端で発振器の設定周波数におけるShort点をつくることができる。(発振器の設定周波数においては、Short,ドップラー周波数においてはOpen。)
上記のように、本実施形態の受信側の回路にシングルダイオードミクサを採用したのは、発振器11,12からの出力信号をLO信号と送信信号Txの2役で使用するため、また出来るだけ低コスト化を図るため、今回は分波回路を有さないミクサを選択した。
なお、図1の実施形態では、周波数変換部の構成要素にフィルタ23を付加する例を示したが後段の信号処理手段が有する機能によっては、フィルタ23を不要にした形態で実施することができる。
【0013】
また、送信側の回路の合成器14は、プリント基板の材料によっては薄膜抵抗が実現できないので、集中定数部品を代わりに使用すると、電力がこの部品を構成するアイソレーション抵抗や50Ω終端部において熱として消費されてしまい、大きな伝送損失になる。
この伝送損失を抑えるためには、この合成器14にT分岐とインピーダンス変成器を採用することが一つの解決方法である。この解決方法による効果と発振器の性能から所望の出力電力が得られれば、送信側の回路に設けた増幅器15は不要となる。
【0014】
次に、上記2周波ドップラーモジュール(図1)の動作条件について説明する。なお、図2は、本実施形態の2周波ドップラーモジュールの動作に係る変量の関係をまとめた(A)〜(C)の3種類の表であり、以下の説明で参照する。なお、各表の数値は、キャリア周波数:24.15GHzで、検知対象物の動く方向と電波の進む方向が一致している場合に得られたものである。
2周波の発振器11,12には、予め定めた発振周波数が設定される。
発振器11に設定された発振周波数をf(対応する角周波数ω)とすると、位相定数βは(2πf)/c(c:光速)と表現される。
【0015】
同様に、発振器12に設定された発振周波数をf(対応する角周波数ω)とすると、位相定数βは(2πf)/cとなる。
2周波の発振器11,12にそれぞれ設定された発振周波数fとfの関係は、図2の表(A)に示すように、検知対象物までの最大検知距離(m)が長くなるにつれて、発振周波数fとfの周波数差(MHz)が小さくなる(キャリア周波数:24.15GHzにおいて、最大検知距離15mに対し周波数差は5MHzとなる)。よって、長い検知距離を得ようとすると周波数差(f−f)が小さくなるので、発振器11,12の周波数安定度(ppm)が低くなり検知精度が保ち難くなる。
【0016】
2周波の連続波を送信するために、発振器11から発信された信号の出力電力をV=Acos(ωt)、又発振器12から発信された信号の出力電力をV=Bcos(ωt)とすると、2周波ドップラーモジュールから距離lに存在する速度±vで動く検知対象物からのドップラーシフトを受けた反射波は、それぞれV=Ccos(ωt+2βL)、V=Dcos(ωt+2βL)となる。ここに、Lは移動する検知対象物までの距離を表す。
検知対象物までの距離Lは、検知対象物が移動するので、L=l±vt(t:時間)であるが、時間tが非常に短い時間であると仮定すると、L≒lと近似できる。
なお、図2の表(B)に示すように、検知対象物との間を電波が往復する時間(ns)は、検知距離(m)が長いほど長くなることから、検知距離が短く、検知対象物の移動速度vが遅い方が近似値が真の値に近くなる。
【0017】
受信信号RxとLO信号をダイオード21(ミクサ)を通すことによって周波数変換され、変換後のミクサ出力端に現れる主な信号は、下記式(1)〜(6)に示す信号である。
Acos(ωt)・Bcos(ωt) 式(1)
Ccos(ωt+2β)・Dcos(ωt+2β) 式(2)
Acos(ωt)・Ccos(ωt+2β) 式(3)
Acos(ωt)・Dcos(ωt+2β) 式(4)
Bcos(ωt)・Ccos(ωt+2β) 式(5)
Bcos(ωt)・Dcos(ωt+2β) 式(6)
【0018】
ダイオード21(ミクサ)の出力端に現れる上記式(1)〜(6)に示した主な信号には、ドップラー周波数成分のほか、2周波の発振器11,12にそれぞれ設定された発振周波数fとfの周波数差|f−f|=Δfの成分が含まれている。ただ、発振周波数fとfの周波数差Δfと比較して、検知対象のドップラー信号の周波数は非常に低い。なお、この点は、図2の表(C)に示すドップラー周波数と表(A)の周波数差を比べると、Δfが5〜75MHzであるのに対し、時速20km以下の低速で動く検知対象であれば、ドップラー周波数が1KHzを超えることがないことからも、明らかである。
よって、ダイオード21の出力端に付加したフィルタ23をLPF(ローパスフィルタ)とすることにより、Δfの成分を持つ式(1)(2)(4)(5)等の比較的高い周波数の信号を除去することができる。
【0019】
LPF(フィルタ23)を通過するドップラー信号を含む信号出力dは、以下に示す処理方法によって距離情報を得るために処理される。
検知対象物までの距離lの情報を含んだ発振周波数fに係る信号を表す式(3)を展開すると、
Acos(ωt)・Ccos(ωt+2β)=(AC/2){cos(2ωt+2β)+cos(2β)} 式(7)
となり、展開した式 (7)の右辺のドップラー周波数成分信号の位相φは、
φ=2β=(4πf)/c 式(8)
と表される。なお、位相定数βは(2πf)/cである。
同様に、発振周波数fに係る信号を表す式 (6) の信号を展開すると、ドップラー周波数成分信号の位相φは、
φ=2β=(4πf)/c 式(9)
と表される。なお、位相定数βは(2πf)/cである。
【0020】
フィルタ23の出力端からは、位相は異なるが同一ドップラー周波数、同一振幅の2つのIF(中間周波)信号の重ね合わさったドップラー周波数成分を含んだ出力信号dが出力されるので、この出力信号を同一周波数、同一振幅の条件の下でディジタル信号処理し、重ね合わされる前の2つのIF信号を割り出し、得られる信号間の位相差Δφを算出する。
このΔφは、発振周波数fとfにそれぞれ対応するドップラー周波数成分信号の上記で説明した位相φと位相φの位相差に当たる。即ち、
Δφ=|φ−φ|=|(4πl)/c||f−f| 式(10)
と表される。
従って、距離lは、周波数変換部の信号出力dに対する信号処理で得た位相差Δφをもとに、
={c/(4π|f−f|)}・Δφ 式(11)
により算出することができる。
【0021】
次に、上記した周波数変換部を設定された発振周波数fとfごとにそれぞれ設ける2周波ドップラーモジュールに係る実施形態を説明する。
上記で図1を参照して説明した2周波ドップラーモジュールは、単一の周波数変換部を発振周波数fとfの2周波に共用する構成を採用した。このため、周波数変換部の信号出力dに対する処理では、発振周波数fとfにそれぞれ対応する信号を重ね合わされた信号から割り出す処理を必要とし、距離等の検知信号を利用する機器の処理能力によっては、利用する際の障害になる場合もある。
そこで、この実施形態では、2周波ドップラーモジュールの回路で発振周波数fとfにそれぞれ対応する信号を分離して出力できるように、周波数変換部を発振周波数fとfごとにそれぞれ設ける構成に改変する。
【0022】
図3は、本実施形態の2周波ドップラーモジュールの回路構成を示す図である。
図3に示す2周波ドップラー装置の高周波回路モジュールにおいて、アンテナ17は、送信信号Txを送信し、受信信号Rxを受信する送受信に共用するアンテナである。
また、受信側の回路は、フロントエンド部に周波数変換部を有する、という点では上記した図1の回路構成と変わらないが、この実施形態では2周波の発振器11,12それぞれの発振周波数fとfごとに対応する周波数変換部を設ける。
発振周波数fとfごとに設けた周波数変換部は、それぞれ非線形特性を持つダイオード21、21と、ダイオード21、21の各出力端にそれぞれ接続したフィルタ23、23及びオープンスタブ(Open stub)22、22よりなる。
ここに、ドップラー信号を含む信号出力dの端子は、フィルタ23、23の出力側である。
【0023】
また、2周波の連続波を送信する送信側の回路は、この実施形態では、受信側で発振周波数fとfにそれぞれ対応する信号を分離して出力するので、単一の周波数変換部を用いた図1の回路構成で採用した合成器と増幅器を不要にした構成としている。
図3に示す回路構成とすることで、図4(B)に例示した従来の回路構成に比べ、サーキュレータや損失の大きい分配器等のマイクロ波、ミリ波コンポーネントを多用せず、送信信号Txと受信信号Rxの伝送損失を最小限に抑え、高周波回路モジュールの小型化を実現できる。
【0024】
本実施形態の周波数変換部を有する2周波ドップラーモジュールにより奏する効果を下記1.〜11.に示す。
1.筐体を含め高周波モジュールの小型化を図ることができる。
2.従来回路(図4、参照)が必要とした高価なサーキュレータや分配器等のマイクロ波、ミリ波コンポーネントを使用しないので、低コスト化を図ることができる。
3.高周波伝送線路の交差部を回避するような構造を考慮する必要がない(図4(A)に示した従来の送受信アンテナ分離タイプは高周波伝送線路の交差部を回避した例である)。
4.アイソレーション抵抗より伝送損失軽減を優先とする思想では、フロントエンド部とアンテナ間に分配器を設ける必要がないので、伝送損失を必要最小限に抑えることができ、送信電力を増すための増幅器を不要にする。
5.上記4.に記した分配器をなくしたことで、受信時に分配器による伝送損失による雑音指数の劣化を抑えることができる。
【0025】
6.複数の増幅器を使用する必要がないので、消費電力を抑えることができ、筐体の熱設計が容易になり、かつ故障率の低減化が図れる。
7.サーキュレータを必要としないので、複雑な実装の手間を省くことができる。
8.2周波ドップラーモジュールの小型化を図ることによって、筐体設計が容易になる。
9.送受信一体型の構造であるから、受信アンテナからの送信漏れ電力を配慮する必要がない。
10.従来のサーキュレータや分配器等のマイクロ波、ミリ波コンポーネントを多用した重装備のモジュールでは、プリント基板の面積が大きくなり、伝送線路の損失が大きかったが、モジュールの小型化により基板の面積が小さくなり、伝送線路の損失を最小限に抑えることができる。
11.比較的近距離を検知範囲(図2(A),(B)、参照)とする場合、反射電力検出タイプの距離検出器と同等以上の性能を得ることができる。
【符号の説明】
【0026】
11・・・発振器(発振周波数f)、12・・・発振器(発振周波数f)、14・・・合成器、15・・・増幅器、17・・・アンテナ、21,21,21・・・ダイオード、22,22,22・・・オープンスタブ、23,23,23・・・フィルタ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の異なる設定周波数の連続波を送受信に共用するアンテナから同時に送信し、送信後に戻ってくる反射波の受信信号から前記周波数に対応するドップラー信号を抽出するための高周波回路を有した多周波ドップラー装置であって、
前記高周波回路は、アンテナに直接つながる端部に受信信号と送信信号を混合する単一の周波数変換部を有したことを特徴とする多周波ドップラー装置。
【請求項2】
請求項1に記載された多周波ドップラー装置において、
前記周波数変換部は、ダイオードと該ダイオードの出力端に接続したオープンスタブよりなることを特徴とする多周波ドップラー装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された多周波ドップラー装置において、
前記周波数変換部は、ダイオードと該ダイオードの出力端に接続したフィルタよりなることを特徴とする多周波ドップラー装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載された多周波ドップラー装置において、
前記周波数変換部は、前記設定周波数ごとにそれぞれ設けたことを特徴とする多周波ドップラー装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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