説明

多孔性材料内の気流の数値的シミュレーション

【課題】多孔性材料内の気流を数値的にシミュレートするシステムおよび方法を開示する。
【解決手段】本発明の一の面では、工業製品を、透過率を有する多孔性材料を部分的に有する有限要素解析法モデルによって表わす。時間進行シミュレーションのそれぞれのソリューションサイクルにおいて、多孔性材料のエレメントのそれぞれを、気流を通常の機械的応答と組み合わせて用いて評価する。それぞれのエレメントの体積変化によって、細孔空気の圧力が変わり、そのため、圧力勾配が生じる。そして、圧力勾配を、多孔性材料の透過率に依存する流体浸透則に則って計算される気流に用いる。したがって、多孔性材料の構造挙動のより現実的なシミュレーションを達成することができる。多孔性材料の、それぞれのエレメントの体積変化および圧力を、理想気体の法則を用いて評価する。ダーシーの法則の一般的な形式は、圧力勾配および透過率に基づいて気流を評価するために用いられるユーザ制御パラメータを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、コンピュータ支援工学解析に関し、特に、有限要素解析における多孔性材料内の気流の数値的シミュレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
有限要素解析法(FEA)は、技術者や科学者が三次元非線形構造設計および解析など複雑なシステムを表す偏微分方程式の近似解を見つけるための数値計算の手法であって、コンピュータによって実現される方法である。FEAは、土木工学および航空工学において複雑な弾性および構造分析問題を解く必要性から作り出された。コンピュータ技術の進歩により、FEAは、技術者と科学者が構造設計(例えば自動車、飛行機など)を改良する際に決定を行うことを支援する不可欠なツールとなった。時間領域における物理的な問題あるいはイベントを解く際にFEAを適用する場合、それを時間進行シミュレーションとしていう。一般に、時間進行シミュレーションは、多くのソリューションサイクルからなる。FEAの結果すなわち解(ソリューション)は、それぞれのソリューションサイクルにおいて、ある特定の時間におけるトータルシミュレーションのスナップショットとして、得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最も興味深いFEAのタスクの1つが、車の衝突などの衝突イベントをシミュレートすることである。車の衝突シミュレーションの目標は、車両乗員のより高い安全性を保証することである。この目標を達成するには、シミュレーションは、車両の挙動だけでなく、乗員の応答(例えばダミーモデル)および他の安全装置(例えばシートベルト、エアバッグ等)を含まなければならない。現代のコンピュータシステムの進歩により、シミュレーションでは上述の安全特徴のすべてを含むことができる。車両乗員のシートクッションおよびドア装備は、一般に、特定のタイプの機械的な挙動(例えば応力−歪み関係に対応する構造方程式)でモデル化することができるフォーム材料を含んでいる。しかしながら、フォーム材料は、一般に、細孔空気を内部に含んでいる。衝突イベントの際に、細孔空気は圧迫され、したがって、追加的な空気圧力が生じる。追加的な空気の圧力は、側面衝突の安全性に対する重要なコンポーネントと考えられるシートおよびドア装備の構造的な応答あるいは挙動を変える。乗員の現実的なモデル化が必要な場合、この挙動は重要となる。従来技術アプローチはどれも、この要求に取り組んでいない。
【0004】
したがって、部分的に多孔性材料で形成される工業製品の現実的な時間進行シミュレーションを達成できる、気流を数値的にシミュレートし多孔性材料内の細孔空気の圧力を計算する方法が求められている。そのような方法により、技術者は、構造応答に対する細孔空気の効果を調査し、そして多孔性材料の設計を最適化することができよう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
多孔性材料内の気流を数値的にシミュレートし多孔性材料内の細孔空気の圧力を計算するシステムおよび方法を開示する。本発明の一の面では、工業製品を、透過率を有する多孔性材料を部分的に有する有限要素解析法モデルによって表わす。時間進行シミュレーションのそれぞれのソリューションサイクルにおいて、多孔性材料のエレメントのそれぞれを、気流を通常の機械的応答と組み合わせて用いて評価する。それぞれのエレメントの体積変化によって、細孔空気の圧力が変わり、そのため、圧力勾配が生じる。そして、圧力勾配を、多孔性材料の透過率に依存する流体浸透則に則って計算される気流に用いる。したがって、多孔性材料の構造挙動のより現実的なシミュレーションを達成することができる。
【0006】
他の態様では、多孔性材料の、それぞれのエレメントの体積変化および圧力を、理想気体の法則を用いて評価する。ダーシーの法則の一般的な形式は、圧力勾配および透過率に基づいて気流を評価するために用いられるユーザ制御パラメータを含んでいる。
【0007】
本発明の他の目的、特徴および利点は、添付の図面を参照した以下の実施形態の詳細な説明を考察することで明らかになるであろう。
【0008】
本発明のこれらおよび他の特徴、面および利点は、以下の説明、添付した特許請求の範囲および以下の添付図面との関連から一層よく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態にかかる、多孔性材料内の気流を数値的にシミュレートする例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【図2】本発明の一の実施形態にかかる、異なるタイプの多孔性材料を示す図である。
【図3】初期条件と変形した条件における多孔性材料を表わす例示的な有限要素を示す図である。
【図4】本発明の実施形態にかかる、多孔性材料内の圧力および気流を評価するために用いることができる例示的な方程式を示す図である。
【図5】本発明の実施形態が構築された演算デバイスの主要なコンポーネントを示す機能図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず図1を参照して、フローチャートに、本発明の一の実施形態にかかる、ユーザ(例えば技術者や科学者)が工業製品(例えばそのコンポーネントの一つ等)の改良において判断を行うことを支援するために用いられる有限要素解析法(FEA)において多孔性材料内の気流を数値的にシミュレートする例示的なプロセス100を例示する。プロセス100は、ソフトウェアで好ましくは実行される。
【0011】
プロセス100は、ステップ102においてコンピュータシステム(例えば図5のコンピュータ500)にFEAモデルの態様の工業製品の定義を受け取ることによってスタートする。FEAモデルは、複数の多孔性材料エレメントを有する多数のエレメントを有している。例えば、自動車を、車体に対する多数のシェルエレメントと、多孔性材料エレメントのグループと、他のエレメントと、を有するFEAモデルによって表わすことができる。一般に、多孔性材料を、特定のタイプのエレメント、例えば発泡体(フォーム(foam))として定義することができる。さらに、多孔性材料は、内部の気流挙動を規定する透過率と関連する。例えば、図2は2つの異なる多孔性材料202〜204を示す。これらの2つの材料は、異なる機械的性質(つまり応力−ひずみ関係)および透過率を備えることができる。
【0012】
次に、ステップ104においては、プロセス100は、FEAアプリケーションモジュールがインストールされたコンピュータシステムにおいて、FEAモデルを用いて工業製品の時間進行シミュレーションをスタートする。時間進行シミュレーションは、多数のソリューションサイクルからなる。ある荷重条件下での1つの時間周期の間の構造挙動が、ソリューションサイクルのそれぞれにおいて演算される。プロセス100は、ステップ106において、FEAモデルにおけるそれぞれのエレメントのノードの速度および座標を更新する。シミュレーションの始まりにおいては、ノードの速度および座標はユーザによって指定された初期値である。次に、ステップ108において、それぞれのエレメントの体積および密度はノードの座標を用いて更新される。
【0013】
図3は、初期条件および変形した条件における2つの多孔性材料要素(エレメント)をそれぞれ示す。第1および第2エレメント302a〜bは、力301(例えば、初期荷重、初期速度等)の下にある。第1エレメント302aは、圧迫され変形され、その後(つまり次のソリューションサイクルで)図3において変形したエレメント304aとして示されている。非常に短い時間では、第2エレメント302bは変形していない状態にある。変形した第1エレメント304aは、それぞれのソリューションサイクルにおいて、そのノードの速度および座標および体積が更新される。第1エレメント302aの内部の空気パケットは、変形したエレメント304aにおいて示す異なる形状へと圧迫される。
【0014】
ステップ110において、それぞれの多孔性材料エレメントにおける体積変化により、細孔空気の圧力を決定することができる。例えば、理想気体の法則を、体積変化から圧力を決定するために用いることができる。図4に示す方程式402は理想気体の法則である。「p」は圧力であり、「V」は体積であり、「T」は絶対温度であり、「n」はモル数であり、「R」は細孔空気の気体定数である。2つの連続ソリューションサイクル間など非常に短い時間では、絶対温度「T」は同じであると仮定することができる。したがって、圧力「p」および体積「V」を決定することができる。
【0015】
ステップ112において、それぞれのペアの隣接する多孔性材料エレメント間の圧力勾配が、それぞれのエレメントにおける更新された圧力から計算される。その後、ステップ114において、多孔性材料エレメント間の気流を、多孔性材料の透過率および圧力勾配に依存する流体浸透則に則って決定することができる。
【0016】
方程式404は、3つのユーザ定義のパラメータ(α、βおよびτ)が多孔性材料における気流の挙動を制御することを可能にする流体浸透則の一般形式である。方程式404において、「Q」は多孔性材料における流体排出の流れであり、「p」は圧力であり、「∇p」は圧力勾配であり、「k」は多孔性材料の透過率である。ユーザ定義のパラメータのそれぞれは0と1の間の値であり、例えば、αが1にそしてβおよびτが0に設定された場合、方程式404はダーシーの法則となる。
【0017】
プロセス100は、ステップ116において、それぞれの多孔性材料エレメントの空気質量を更新し、これにより、エレメント間の気流を反映する。次に、判断118において、時間進行シミュレーションが終了したか否か決定される。「no」であれば、プロセス100は、ステップ106に戻って、他のソリューションサイクルに対してステップ106〜116を繰り返す。そうでなければ、プロセス100が終了する。
【0018】
一の側面において、本発明は、ここで説明した機能性を実行可能な1つ以上のコンピュータシステムに対してなされたものである。コンピュータシステム500の一例を図5に示す。コンピュータシステム500は、プロセッサ504などの1つ以上のプロセッサを有する。プロセッサ504はコンピュータシステム内部通信バス502に接続されている。種々のソフトウェアの実施形態を、この例示的なコンピュータシステムで説明する。この説明を読むと、いかにして、他のコンピュータシステムおよび/またはコンピューターアーキテクチャーを用いて、本発明を実行するかが、関連している技術分野に習熟している者には明らかになるであろう。
【0019】
コンピュータシステム500は、また、メインメモリ508好ましくはランダムアクセスメモリ(RAM)を有しており、また二次メモリ510を有していてもよい。二次メモリ510は、例えば、1つ以上のハードディスクドライブ512、および/またはフレキシブルディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリカードリーダなどに代表される1つ以上のリムーバブルストレージドライブ514を有することができる。リムーバブルストレージドライブ514は、よく知られている方法でリムーバブルストレージユニット518から情報を読み取り、および/またはリムーバブルストレージユニット518に情報を書き込む。リムーバブルストレージユニット518は、リムーバブルストレージドライブ514によって読み取り・書き込みされるフレキシブルディスク、磁気テープ、光ディスク、フラッシュメモリなどを表わす。以下にわかるように、リムーバブルストレージユニット518は、コンピューターソフトウェアおよび/またはデータを内部に記憶しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含む。
【0020】
別の実施形態において、二次メモリ510は、コンピュータプログラムあるいは他の命令をコンピュータシステム500にロードすることを可能にする他の同様な手段を有することもできる。そのような手段は、例えば、リムーバブルストレージユニット522およびインターフェース520を有することができる。そのようなものの例は、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース(ビデオゲーム機に見られるようなものなど)、リムーバブルメモリチップ(消去可能プログラマブルROM(EPROM)、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュメモリあるいはPROMなど)およびそれらに対応するソケットと、ならびにソフトウェアおよびデータをリムーバブルストレージユニット522からコンピュータシステム500に転送させることを可能にする他のリムーバブルストレージユニット522およびインターフェース520と、が含まれうる。一般的に、コンピュータシステム500は、プロセススケジューリング、メモリ管理、ネットワーク管理およびI/Oサービスなどのタスクを行なうオペレーティングシステム(OS)ソフトウェアによって制御され連係される。
【0021】
通信インターフェース524も、また、バス502に接続することができる。通信インターフェース524は、ソフトウェアおよびデータがコンピュータシステム500と外部デバイスとの間で転送されることを可能にする。通信インターフェース524の例には、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネット(登録商標)・カードなど)、コミュニケーションポート、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)、スロットおよびカードなど、が含まれうる。
【0022】
コンピュータシステム500は、特定の通信手段(つまりプロトコル)を実行してデータを送受信する。一般的なプロトコルの1つは、インターネットにおいて一般的に用いられているTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)である。一般的に、通信インターフェース524は、データファイルをデータネットワーク上で伝達される小さいパケットへ分割し、あるいは受信したパケットを元のデータファイルへ組立てる(再構築する)、いわゆるパケットのアセンブル・リアセンブル管理を行う。さらに、通信用インターフェース524は、正しい宛先に届くようそれぞれのパケットのアドレス部分に対処し、あるいは、コンピュータ500が宛先となっているパケットを他に向かわせることなく確実に受信する。
【0023】
この書類において、「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータが記憶可能な媒体」という用語は、リムーバブルストレージドライブ514および/またはハードディスクドライブ512に組み込まれたハードディスクなどの媒体を通常意味して用いられる。これらのコンピュータプログラム製品は、ソフトウェアをコンピュータシステム500に提供する手段である。本発明は、このようなコンピュータプログラム製品に対してなされたものである。
【0024】
コンピュータシステム500は、また、コンピュータシステム500にモニタ、キーボード、マウス、プリンタ、スキャナ、プロッターなどにアクセスさせる入出力(I/O)インターフェース530を有していてもよい。
【0025】
コンピュータプログラム(コンピュータ制御ロジックともいう)は、メインメモリ508および/または二次メモリ510にアプリケーションモジュール506として記憶される。コンピュータプログラムを、また、通信インターフェース524を介して受け取ることもできる。このようなコンピュータプログラムが実行された時、コンピュータプログラムによって、コンピュータシステム500がここに説明した本発明の特徴を実現することが可能になる。詳細には、コンピュータプログラムが実行された時、コンピュータプログラムによって、プロセッサ504がここに説明した本発明の特徴を実現させることが可能になる。したがって、このようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム500のコントローラを表わしている。
【0026】
ソフトウェアを用いて発明が実行されるある実施形態においては、当該ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品に記憶され、リムーバブルストレージドライブ514、ハードドライブ512あるいは通信インターフェース524を用いて、コンピュータシステム500へとロードされる。アプリケーションモジュール506は、プロセッサ504によって実行された時、アプリケーションモジュール506によって、プロセッサ504がここに説明した本発明の機能を実現する。
【0027】
所望のタスクを実現するために、I/Oインターフェース530を介したユーザ入力によって、あるいは、よることなしに、1つ以上のプロセッサ504によって実行することができる1つ以上のアプリケーションモジュール506(たとえば、有限要素解析アプリケーションモジュール)を、メインメモリ508に、ロードすることもできる。動作においては、少なくとも1つのプロセッサ504がアプリケーションモジュール506のうち1つが実行されると、結果が演算され二次メモリ510(つまりハードディスクドライブ512)に記憶される。有限要素解析法の結果および/またはステータス(例えばそれぞれのソリューションサイクルにおける結果あるいは構造的応答)が、テキストあるいはグラフィックス表現でI/Oインターフェース530を介して、コンピュータに接続されたモニタへと、ユーザに報告される。
【0028】
本発明を具体的な実施形態を参照して説明したが、これらの実施形態は単に例示的なものであって、本発明を限定するものではない。具体的に開示した例示的な実施形態に対する種々の変形あるいは変更が当業者よって提案されよう。例えば、多孔性材料をフォームとして示し、説明した。他のタイプの多孔性材料、例えばスポンジを用いることもできる。さらに、流体浸透則をダーシーの法則として説明した。他のタイプの実験式を、例えば物理的な実験すなわちテストの結果を代わりに用いることもできる。最後に、理想気体の法則を空気に対して説明したが、他の規定式および関係を他のタイプの流体(例えば水)に用いることもできる。つまり、本発明の範囲は、ここに開示した具体的な例示的実施形態に限定されるのではなく、当業者が容易に思いつくあらゆる変形は、本願の精神および認識範囲内および添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
202 多孔性材料
204 多孔性材料
301 力
302a 第1エレメント
302b 第2エレメント
304a 第1エレメント
304b 第2エレメント
500 コンピュータシステム
502 バス
504 プロセッサ
506 アプリケーションモジュール
508 メインメモリ
510 二次メモリ
512 ハードディスクドライブ
514 リムーバブルストレージドライブ
518 リムーバブルストレージユニット
520 インターフェース
522 リムーバブルストレージユニット
524 通信インターフェース
530 I/Oインターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが工業製品の改良において判断を行うことを支援するために用いられる有限要素解析法(FEA)において多孔性材料内の気流を数値的にシミュレートする方法であって、
(a)コンピュータシステムにおいて、多孔性材料で形成される複数のエレメントを有するFEAモデル態様の工業製品の定義を受け取るステップと、
(b)FEAアプリケーションモジュールがインストールされたコンピュータシステムにおいてFEAモデルを用いて時間進行シミュレーションをスタートするステップであって、時間進行シミュレーションは複数のソリューションサイクルを有しているステップと、
(c)それぞれのソリューションサイクルにおいて1セットの構造的応答を計算するステップであって、該1セットの構造的応答は多孔性材料で形成されるエレメントのそれぞれの更新された空気細孔圧力を有しているステップと、
(d)前記それぞれのエレメントの更新された空気質量を更新するステップであって、エレメントのうちの隣接する2つの圧力勾配と多孔性材料の透過率とに依存する流体浸透則に則った、隣接する2つのエレメント間の気流からの効果を含む空気質量を更新するステップと、
(e)時間進行シミュレーションが終了するまでステップ(c)および(d)を繰り返すステップと、
(f)所望に応じて、コンピュータシステムに連結された出力装置に、ソリューションサイクルのいずれかあるいはすべての時間進行シミュレーションの結果を表示するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、FEAモデルは、工業製品の設計のために用いられる荷重条件を有している方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、更新された空気細孔圧力は、前記それぞれのエレメントの密度および体積に基づいている方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、体積は、前記それぞれのエレメントの質量から計算される方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法であって、さらに、前記それぞれのエレメントのノードの速度および座標を更新するステップを備える方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、流体浸透則はダーシーの法則を備える方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、流体浸透則は、気流の種々の挙動を制御するよう少なくとも1つのユーザ定義のパラメータを有するように構成される方法。
【請求項8】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、コンピュータシステムを制御して、ユーザが工業製品の改良において判断を行うことを支援するために用いられる有限要素解析法(FEA)において多孔性材料内の気流を数値的にシミュレートする命令を有する、方法により実行され、前記方法は、
(a)コンピュータシステムにおいて、多孔性材料で形成される複数のエレメントを有するFEAモデルの態様の工業製品の定義を受け取るステップと、
(b)FEAアプリケーションモジュールがインストールされたコンピュータシステムにおいてFEAモデルを用いて時間進行シミュレーションをスタートするステップであって、時間進行シミュレーションは複数のソリューションサイクルを有しているステップと、
(c)それぞれのソリューションサイクルにおいて1セットの構造的応答を計算するステップであって、該1セットの構造的応答は多孔性材料で形成されるエレメントのそれぞれの更新された空気細孔圧力を有しているステップと、
(d)前記それぞれのエレメントの更新された空気質量を更新するステップであって、隣接する2つのエレメントの圧力勾配と多孔性材料の透過率とに依存する流体浸透則に則った、隣接する2つのエレメント間の気流からの効果を含む空気質量を更新するステップと
(e)時間進行シミュレーションが終了するまでステップ(c)および(d)を繰り返すステップと、
(f)所望に応じて、コンピュータシステムに連結された出力装置に、ソリューションサイクルのいずれかあるいはすべての時間進行シミュレーションの結果を表示するステップと、
を備えているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
請求項8に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、FEAモデルは、工業製品の設計のために用いられる荷重条件を有しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
請求項8に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、更新された空気細孔圧力は、前記それぞれのエレメントの密度および体積に基づいているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、体積は、前記それぞれのエレメントの質量から計算されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
請求項10に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、さらに、前記それぞれのエレメントのノードの速度および座標を更新するステップを備えているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
請求項8に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、流体浸透則は、気流の種々の挙動を制御するよう少なくとも1つのユーザ定義のパラメータを有するように構成されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
ユーザが工業製品の改良において判断を行うことを支援するために用いられる有限要素解析法(FEA)において多孔性材料内の気流を数値的にシミュレートするシステムであって、
FEAアプリケーションモジュールに対するコンピュータが読取り可能なコードを記憶するメインメモリと、
メインメモリに連結される少なくとも1つのプロセッサと、
を備えており、
前記少なくとも1つのプロセッサがメインメモリにおけるコンピュータ可読コードを実行しFEAアプリケーションモジュールに、
(a)コンピュータシステムにおいて、多孔性材料で形成される複数のエレメントを有するFEAモデルの態様の工業製品の定義を受け取るオペレーションと、
(b)FEAアプリケーションモジュールがインストールされたコンピュータシステムにおいてFEAモデルを用いて時間進行シミュレーションをスタートするオペレーションであって、時間進行シミュレーションは複数のソリューションサイクルを有しているオペレーションと、
(c)それぞれのソリューションサイクルにおいて1セットの構造的応答を計算するオペレーションであって、該1セットの構造的応答は多孔性材料で形成されるエレメントのそれぞれの更新された空気細孔圧力を有しているオペレーションと、
(d)前記それぞれのエレメントの更新された空気質量を更新するステップであって、隣接する2つのエレメントの圧力勾配と多孔性材料の透過率とに依存する流体浸透則に則った、隣接する2つのエレメント間の気流からの効果を含む空気質量を更新するオペレーションと、
(e)時間進行シミュレーションが終了するまでオペレーション(c)および(d)を繰り返すオペレーションと、
(f)所望に応じて、コンピュータシステムに連結された出力装置に、ソリューションサイクルのいずれかあるいはすべての時間進行シミュレーションの結果を表示するオペレーションと、
を行わせるシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、更新された空気細孔圧力は、前記それぞれのエレメントの密度および体積に基づいているシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−18323(P2011−18323A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151675(P2010−151675)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(509059893)リバーモア ソフトウェア テクノロジー コーポレーション (29)
【Fターム(参考)】