説明

多孔性構造体の製造方法、光学材料及び断熱材料

【課題】本発明の目的は、断熱性、透明性及び機械的強度に優れた多孔性構造体の製造方法と当該製造方法により製造された多孔性構造体を用いた光学材料及び断熱材料を提供することにある。
【解決手段】水系溶媒中で、平均粒子径が70nm以下のコア粒子及び前記コア粒子の表面に平均厚さが10nm以下のシリカ系材料の外郭を有するコアシェル粒子を形成後、前記水系溶媒中で前記コアシェル粒子の外郭からなる中空粒子が連結した多孔性構造体を形成することを特徴とする多孔性構造体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノレベルの空孔を有する中空粒子が連結した多孔性構造体の製造方法及び当該製造方法により製造された多孔性構造体を用いた光学材料及び断熱材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナノレベルの空孔を有する構造材料は、低屈折率の光学材料、高い断熱性能を有する断熱材料等での利用を目的に開発が行われている。例えば、断熱性、透明性に優れた透明断熱材料として、極めて低密度なシリカの乾燥ゲル体であるシリカエアロゲルが検討されているが、その低密度と脆性に起因して機械的強度が極めて小さく、可撓性もなくシート化が困難である。そのため、ポリマーフォームとの複合化により機械的強度の向上が試みられているが(非特許文献1参照)、透明性、断熱性は不十分なものであった。
【0003】
これに対し、近年、ナノレベルの空孔を有する中空粒子を含有させた樹脂材料を用いて断熱性を高める試みが知られている。中空粒子は個々の粒子がとじており、すぐれた断熱性を示すが、中空粒子を一旦乾燥状態で取り出した後に樹脂バインダーを含む溶液に分散させて塗布製膜する為、粒子同士の凝集が避けられず、透明性が不十分なものであった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−200922号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】依田、外4名「新規シリカエアロゲル複合体の作成と断熱材料への応用」化学工学会第40回秋季大会講演要旨集、H305、社団法人化学工学会、(2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、断熱性、透明性及び機械的強度に優れた多孔性構造体の製造方法と当該製造方法により製造された多孔性構造体を用いた光学材料及び断熱材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
【0008】
1.水系溶媒中で、平均粒子径が70nm以下のコア粒子及び前記コア粒子の表面に平均厚さが10nm以下のシリカ系材料の外郭を有するコアシェル粒子を形成後、前記水系溶媒中で前記コアシェル粒子の外郭からなる中空粒子が連結した多孔性構造体を形成することを特徴とする多孔性構造体の製造方法。
【0009】
2.前記コアシェル粒子を連結させた構造体を形成した後に前記コアシェル粒子内のコア粒子を除去し、前記コアシェル粒子の外郭からなる前記中空粒子が連結した多孔性構造体を得ることを特徴とする前記1に記載の多孔性構造体の製造方法。
【0010】
3.前記中空粒子が、下記一般式(1)で表される一種以上の基で表面修飾されていることを特徴とする前記1又は2に記載の多孔性構造体の製造方法。
【0011】
一般式(1)
−R−X
(式中、nは1〜10の整数であり、Rは、単結合、あるいは二価以上の結合手をもつ炭素数1〜10の炭化水素基を表し、Xは水素原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基、オキセタニル基又はメルカプト基から選ばれる置換基を表す。)
4.前記中空粒子が多官能性化合物で連結されることを特徴とする前記1から3のいずれか一項に記載の多孔性構造体の製造方法。
【0012】
5.前記1から4のいずれか一項に記載の多孔性構造体の製造方法により製造された多孔性構造体を用いたことを特徴とする光学材料。
【0013】
6.前記1から4のいずれか一項に記載の多孔性構造体の製造方法により製造された多孔性構造体を用いたことを特徴とする断熱材料。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、透明性、断熱性及び機械的強度の高いシリカ系の中空粒子を連結させた多孔性構造体の製造方法を提供することができる。さらに、この多孔性構造体は、高透明性や低屈折率性等が求められる光学材料、及び高い断熱性が求められる断熱材料として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を断熱シートとして用いる場合の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上記課題に鑑み、ナノレベルの空孔を有する多孔性構造体の製造において、本発明者らは、透明性、断熱性を確保すると共に、機械的強度を向上できる多孔性構造体の製造方法について鋭意検討を行った。
【0017】
その結果、水系溶媒中で、平均粒子径が70nm以下のコア粒子及び前記コア粒子の表面に平均厚さが10nm以下のシリカ系材料の外郭を有するコアシェル粒子を形成後、前記水系溶媒中で前記コアシェル粒子の外郭からなる中空粒子が連結した多孔性構造体を形成することを特徴とする多孔性構造体を製造することが有効であることを見出した。
【0018】
シリカ系中空粒子の製造において従来用いられていたコアシェル粒子の乾燥処理や、粒子表面の改質処理等における溶剤置換処理等を行うことなく、単一の溶媒系にてコアシェル粒子又は中空粒子の連結処理を行うため、中空粒子自体の機械的強度を保ちつつ粒子間の凝集を抑制して3次元で連結した多孔性構造体が形成でき、透明性を確保できると同時に機械的強度が大きく向上した多孔性構造体が得られる。
【0019】
以下、本発明を実施形態に基づいて説明するが、これらに限定されるものではない。
【0020】
(多孔性構造体の製造方法)
本発明の多孔性構造体は中空粒子が3次元で連結した構造体であって、水系溶媒中で平均粒子径が70nm以下のコア粒子を造粒し、このコア粒子分散溶液に、シリカ系材料を添加して平均厚さが10nm以下のシリカ系材料の外郭を有するコアシェル粒子を形成後、前記コアシェル粒子を乾燥して溶媒液外に取り出すことなく、前記水系溶媒中で前記コアシェル粒子の外郭からなる中空粒子が連結した多孔性構造体を形成するものである。
【0021】
本発明における中空粒子の連結とは、中空粒子の表面間で直接、あるいは連結基を介して結合されるものであって、多孔性構造体の空隙が水銀圧入法で得られる平均空隙径として70nm以下となる形態を指す。平均空隙径は、多孔性構造体の任意の部位を10ヶ所選び、オートポアIII9420(島津製作所製)を用いてそれぞれ5回ずつ測定し、その数平均値より求めることができる。
【0022】
本発明の多孔性構造体を得る方法としては、例えば、
(1)水系溶媒中でコア粒子を造粒し、シリカ系材料を添加してシェル化したコアシェル粒子を形成後、コア粒子を溶出させて得られる中空粒子を乾燥して溶媒液外に取り出すことなく、この中空粒子分散液を用いてキャスト法等により所定の形状に成形し、次に中空粒子同士、あるいは架橋剤を介して粒子表面を反応させて中空粒子が連結した構造体を形成し、これを乾燥させて多孔性構造体を得る方法、
(2)前記コアシェル粒子を含む分散液を製造した後、キャスト法等により所定の形状に成形し、次にコアシェル粒子同士、あるいは架橋剤を介して粒子表面を反応させてコアシェル粒子を連結させる。次に、分散液を含んだ状態から、あるいは連結した構造体を加熱処理するなどして外郭の反応を促進させた後、コア粒子を溶出させて中空粒子が連結した構造体を形成後、乾燥して多孔性構造体を得る方法、が挙げられる。
【0023】
また、構造体の光学特性やハンドリング性等を調整するために、多孔性構造体の形成工程の前後で水溶性樹脂、あるいは樹脂エマルジョン等の樹脂材料を添加してもよい。これらの中で、コアシェル粒子を連結する方法は、支持体(コア粒子)が存在する状態で連結した外郭の形状を保持したまま加熱等により粒子連結反応を促進でき、構造体強度をより強固にできるため、より好ましい。
【0024】
以下、本発明の構成要件について説明する。
【0025】
(コア粒子)
本発明のコア粒子とは、中空粒子を得るためのテンプレートとして用いられるものであり、コア粒子にシェルを形成してコアシェル粒子とした後、該コア粒子を溶出させることによって中空粒子を得ることができるものである。
【0026】
本発明のコア粒子は、水系溶媒中で製造でき、該溶媒中での溶解度が小さいもので、物理的、化学的に容易に除去できる固体粒子であれば良い。各種無機粒子であれば、金属、金属酸化物、水酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ハロゲン化物、カルボン酸塩、その他、各種の化合物が利用可能である。本発明で、光学用途に用いる中空粒子を得るには、コア粒子の粒子径が可視光の波長より十分に小さいことが好ましい。すなわち、透過型電子顕微鏡(TEM)写真の投影面積から得られる円換算平均粒子径(以下、単に平均粒子径ともいう)で70nm以下である。また、実質的な入手容易性から、5nm以上であることが好ましい。
【0027】
ここで円換算平均粒子径の測定方法は、各コア粒子の直径の数平均値により求めることができる。すなわちコア粒子の透過型電子顕微鏡観察から、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できるコア粒子をランダムに200個以上観察し、各コア粒子の粒径を求め、その数平均値を求めることにより得られる。ここで、本発明に係る円換算平均粒子径とは、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できるコア粒子の外縁を2本の平行線で挟んだ距離の内最小の距離を指す。
【0028】
5〜70nm程度の粒子径の入手容易性、シリカ系材料のシェルにダメージを与えずに容易に溶解できる性質を考慮すると、第2族元素や、亜鉛、銅、鉄、スズ等汎用的な金属の化合物が好ましい。更に第2属元素のうち、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの水不溶性の酸化物、水酸化物ないし塩が好ましく、特に好ましくは炭酸カルシウムである。コア粒子の製造において、例えば、炭酸カルシウム粒子を得るには、例えば、水系溶媒中に酸化カルシウムを添加した水酸化カルシウム分散液を調製した後、これに攪拌しながら炭酸ガスを吹き込むことで製造でき、分散液濃度、炭酸ガス吹き込み速度等の条件を調整することによって、所望の粒径の粒子を得ることができる。なお、コア粒子は、水系溶媒100質量部に対して0.01質量部から50質量部含有することが好ましく、0.1質量部から30質量部含有することがより好ましく、0.2質量部から20質量部含むことがより好ましい。
【0029】
(中空粒子を有する多孔性構造体)
本発明に係る中空粒子とは、粒子の内部に空孔を有する粒子をいう。空孔とは、空気等のガス、真空空間等が存在している部分をいう。中空粒子における空孔の外側部分は外郭とも呼ばれる。本発明における中空粒子としては、外郭が閉塞されて面を形成しているものやナノレベルの外径を有する粒子が、網目状に連結して多孔性の面を形成しているもの等が挙げられるが、外郭の平均厚さが10nm以下で、平均粒子空孔径が70nm以下の粒子であればどのような形態の中空粒子を用いても差し支えない。
【0030】
中空粒子の平均粒子空孔径とは、中空粒子の内径の平均値であり、空気の伝導伝熱を抑制する為に70nm以下である。好ましくは、50nm以下、更に好ましくは30nm以下である。下限は製造上の実用的な見地から5nm以上が好ましい。外郭の平均厚さは10nm以下である。1nm以上、7nm以下が好ましく、より好ましくは1nm以上、5nm以下である。外郭の厚さが10nmを超えると構造体の光透過率が低下する。1nm以上であると、粒子の機械的強度が増してシート状とする場合にその形状の維持が容易となる。シートの光透過率は60%以上が好ましく、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上である。
【0031】
平均粒子空孔径は電子顕微鏡観察で、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できる空孔径をランダムに50個以上観察し、各粒子の空孔径を求め、その数平均値を求めることにより得られる。ここで、本発明に係る平均粒子空孔径とは、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できる空孔径の外縁を2本の平行線で挟んだ距離の内最小の距離を指す。
【0032】
中空粒子の外郭の平均厚さは電子顕微鏡写真の画像解析で、シートの光透過率は製造例にて得られたシートについて紫外可視分光光度計(日本分光V−570)を用いて、シート空孔率は断熱材層の体積と質量の実測値を元にして算出することで、及び熱伝導率は熱線プローブ式熱伝導率測定装置を用いてそれぞれ公知の方法で測定できる。
【0033】
また、中空粒子の外郭を構成する材料としては、機械的強度を確保し、ハンドリング性のよいシートを得るために、シリカ系材料、あるいは有機・無機ハイブリッドシリカ材料を含有することが好ましく機械的強度を確保する上で、有機・無機ハイブリッドシリカ材料を用いることがより好ましい。
【0034】
本発明のシリカ系材料は、二酸化ケイ素(SiO)を主体とする化合物であり、一部に他の金属酸化物や有機物を含有していてもよい。二酸化ケイ素(SiO)を主体とするとは、他の金属酸化物や有機物などの合計モル量に比べて二酸化ケイ素の合計モル量が多いことをいう。他の金属酸化物としては、Al、Zr、Ti、その他一般の金属酸化物等が挙げられ、有機物を含むものとしては、ケイ酸メチル、あるいはケイ酸エチル、またはそれらのオリゴマー等のシランカップリング剤等を縮合したもの等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
本発明に係る多孔性構造体は、前記コア粒子の水系溶媒分散液を調製した後、この分散液にシリカ系材料を添加してコア粒子の表面をシェル化してコアシェル粒子を形成し、該コア粒子を除去し、中空粒子単独で取り出すことなく中空粒子が連結した多孔性構造体を形成した形態で得られる。
【0036】
この多孔性構造体を形成する中空粒子は、前記コアシェル粒子のコアを溶出させて中空化する、あるいは前記コアシェル粒子を分散液中で連結させた後、コア粒子を溶出させて中空化して得られるものである。粒子間で連結反応を進めることで、強固なシェル構造を形成することができるが、中空粒子の外廓が、支持体(コア粒子)が存在する状態で連結した外郭の形状を保持したまま反応を促進でき、構造体強度をより強固にできるため、コアシェル粒子を連結してからコア粒子を溶出させる方法が好ましい。
【0037】
本発明に係る水系溶媒は、水、若しくは水と1種、あるいは複数種の有機溶媒を含む混合溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。水は、50質量%以上含まれることが好ましく、60質量%から100質量%含まれることがより好ましく、80質量%から100質量%含むことが特に好ましい。
【0038】
シリカ系材料(以下、単に「シリカ」とも呼ぶ)を添加してシェルを形成するには、(1)シリカ粒子をコア粒子上で直接合成しながらシェルを形成する手法と、(2)別工程で作製したシリカ粒子を、コア粒子に加えてコア粒子上でシェルを形成する2種の手法に大別される。本発明ではどちらの手法も適用可能である。
【0039】
中空粒子、あるいはコアシェル粒子を連結させるには、粒子外郭表面に反応性基を有するか、あるいは反応性基を導入した粒子を含む粒子分散液を化学的に反応させて結合させればよい。水系溶媒中で形成した多孔性構造体は、中空粒子を連結した後、溶媒を乾燥させることによって得られるが、溶媒が乾燥する際の界面応力によって構造体が破壊されるおそれがある為、表面修飾剤による表面修飾により粒子表面に疎水基を導入することで界面応力を抑制することができる。ここで本発明における表面修飾とは、粒子表面に新しい原子団などを導入することを言う。導入する疎水基としては、下記一般式(1)で表わされる基で表面修飾された粒子が好ましく用いられる。
【0040】
一般式(1)
−R−X
式中、nは1〜10の整数であり、Rは、単結合、あるいは二価以上の結合手をもつ炭素数1〜10の炭化水素基を表し、Xは水素原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基、オキセタニル基又はメルカプト基から選ばれる置換基を表す。具体的には、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、iso−ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
【0041】
また、表面修飾で上記疎水基として反応性基を導入することが好ましい。反応性基は中空粒子間を結合する基であり、結合によって多孔性構造体の機械的強度を向上させることができ好ましい。
【0042】
反応性基としては、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基、アルコキシド等が挙げられる。反応性基を導入する場合、例えば反応性基を有するシランカップリング剤が好ましく用いられ、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のビニル基を末端に有するシランカップリング剤、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエポキシ基を末端に有するシランカップリング剤、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基を末端に有するシランカップリング剤等が挙げられる。これらの中で、末端にエポキシ基、(メタ)アクリロキシ基、あるいはビニル基を有するものが好ましく用いられる。
【0043】
中空粒子がシリカ等の金属アルコキシドから形成されたものの場合は、中空粒子表面のアルコキシドを加水分解して縮合反応させる事によって結合すればよい。これらの中で、反応性の制御のし易さから、アルコキシドの縮合反応を利用する方法が好ましい。
【0044】
また、粒子外郭表面の反応性基と反応する多官能性化合物を添加してこれらを反応させて結合させることも好ましい方法である。中空粒子を連結させる際用いられる多官能性化合物としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基等の反応性基を2つ以上有する化合物であって、中空粒子表面の反応性基と反応して粒子を架橋させて構造体を形成するものである。
【0045】
例えば、多官能(メタ)アクリレートとして(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコーリジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等が、多官能エポキシ化合物として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステル及びダイマー酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルエーテルトリフェニルメタン、テトラグリシジルエーテルテトラフェニルエタン、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル等が、多官能オキセタン化合物として、多官能フェノール化合物とオキセタンクロライドの反応生成物、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ビフェニル型、カルド型等の2官能オキセタン化合物、トリスフェノールメタン型、トリスクレゾールメタン型等の3官能オキセタン化合物、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、カリックスアレーン型等の多官能オキセタン化合物等が挙げられる。これら多官能性化合物は樹脂組成物中に1種のみでなく、複数種を併用して用いてもよい。
【0046】
コアシェル粒子からコア粒子を溶出する方法としては、各種液体による溶解、熱分解、オゾン等による酸化分解、昇華、熱溶融等が適用可能である。特に液体による溶解では、酸、アルカリ溶液、可溶性の錯体形成化合物、酸化・還元剤、光による変性、等各種の可溶化手法が適用可能である。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸水溶液、等の無機酸のほか、酢酸、蟻酸等の有機酸ないしその水溶液等が好ましい。
【0047】
アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等が使用可能である。錯体形成化合物としては、カルボン酸化合物、アンモニア、アミン化合物、ジケトン、イオウ化合物、その他の一般的化合物及びその溶液が使用可能である。これらと各種酸化剤、還元剤、光エネルギー等を組み合わせてコア粒子を可溶化し除去することも可能である。
【0048】
本発明の多孔性構造体においては、光学特性やハンドリング性等を調整するために、構造体の形成工程の前後で水溶性樹脂、あるいは樹脂エマルジョン等の樹脂材料を添加してコンポジット化してもよい。用いられる樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース系樹脂、ゼラチン等の水溶性樹脂や、アクリル、スチレン、ポリカーボネート等の疎水性樹脂から得られるエマルジョンが挙げられるが、多孔性構造体への親和性や、水系溶媒中での多孔性構造体へ均一に混合できる点からポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂を用いることが好ましい。
【0049】
中空粒子を連結した多孔性構造体の乾燥方法については特に限定されるものではなく、超臨界乾燥法や凍結乾燥法、加熱乾燥法等、公知の乾燥方法を適用することができる。本発明の多孔性構造体は、中空粒子の外郭を連結した構造体であることから構造体の強度が高く、乾燥における界面応力耐性も高いため、簡易的な加熱乾燥法を適用することが可能である。乾燥後の含水率は、構造体の10質量%以下となるまで行うことが好ましく、より好ましくは1質量%以下である。
【0050】
(安定剤)
本発明の多孔性構造体に有機樹脂がバインダーとして含まれる場合は、製造時にフェノール系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤の中から選ばれた一種以上の安定剤を追加して添加してもよい。これら安定剤を適宜選択し、添加することで、多孔性構造体の劣化、あるいは使用環境における耐熱性、耐光性等の物性変動を高度に抑制することができる。
【0051】
好ましいフェノール系安定剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート等の特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート))メタン[即ち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート))]、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)等のアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン基含有フェノール系化合物;等が挙げられる。
【0052】
また、好ましいヒンダードアミン系安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルデカンジオエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート)、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。
【0053】
また、好ましいリン系安定剤としては、一般の樹脂工業で通常使用されるものであれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデンビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物等が挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が特に好ましい。
【0054】
また、好ましいイオウ系安定剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリルチオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
【0055】
これらの安定剤の配合量は本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、有機材料100質量部に対して通常0.01〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
【0056】
(多孔性構造体の構成)
本発明の製造方法により製造された多孔性構造体は、平均厚さが10nm以下である外郭を有し、平均粒子空孔径が70nm以下の中空粒子同士が化学的に結合し、3次元で連結した形態の構造体を含むものであって、中空粒子のみの連結構造体や、樹脂等のバインダーを含むコンポジットの形態であってもよい。本発明の多孔性構造体を光学材料や断熱材料に用いる場合、この構造体を薄膜状にコートすることでその低屈折率特性を生かして反射防止層や低反射層としたり、シート状にすることで断熱材層として機能する。
【0057】
シート状で用いる場合は、構造体単独のシート、あるいは、ガラスや透明樹脂等の透明基材上に多孔性構造体層を形成させた構成等で用いることができるが、透明基材上に多孔性構造体層を形成した構成が好ましい。ガラスや透明樹脂等の透明基材上に形成することで、機械的強度を確保してハンドリングを容易にできると共に、断熱性能を大きく向上させた透明な断熱シートが得られることから好ましい態様である。図1は断熱シートの構成の例を示す断面図である。例えば、図1(a)に示されるように、透明基材20上に断熱材層10が形成された形態、図1(b)に示されるように、2枚の透明基材20の間に断熱材層10がサンドイッチされた形態、図1(c)に示されるように、断熱材層10が透明基板20両面に形成された形態等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
【0058】
(透明基材)
本発明で好ましく用いられる透明基材としては可撓性のあるガラス基板や樹脂製の基板が好適である。樹脂基材に用いられる樹脂としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体または共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(好ましくはアセチル基置換度1.8〜2.3、プロピオニル基置換度0.1〜1.0)、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート樹脂等のセルロース誘導体、マレイン酸及び/またはアクリル酸の共重合体、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
透明基材の厚みとしては、シートとしてのハンドリングを考慮し、30〜1000μm、好ましくは50〜500μmである。
【実施例】
【0060】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
【0061】
(分散液の製造例)
(製造例A)
−シリカ被覆炭酸カルシウム分散液の製造例−
撹拌装置、ガス吹き込み管付きのフラスコに蒸留水2000部を入れ、該フラスコ内に7.5部の水酸化カルシウムを加えた後、液温を15℃に調整してスラリーを調製した。該スラリーを攪拌しながら炭酸ガスを5L/分の速度で2時間吹き込み、炭酸カルシウム水分散液を得た。生成した炭酸カルシウムを透過型電子顕微鏡で観察したところ、平均一次粒子径は50nmであった。得られた炭酸カルシウム水分散液170部に、28%のアンモニア水8部を加え10分撹拌し、テトラエトキシシラン20部を加え、室温で1時間撹拌を行った。その後60℃に昇温し、3時間撹拌を行い、室温まで冷却しシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを得た。炭酸カルシウムを被覆したシリカ外郭の平均厚さは5nmであった。
【0062】
(製造例B)
−シリカ中空粒子分散液の製造例−
製造例Aにおいて得られたシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aの100部に酢酸水溶液を加え、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた。次に、蒸留水200部を加え、限外ろ過膜を用いて200部の水溶液を排出させた。この操作を3回繰り返してシリカの外郭からなるシリカ中空粒子分散液Aを得た。分散液中の中空粒子の平均粒子空孔径と外郭の平均厚さは、それぞれ50nm、5nmであった。
【0063】
(製造例C)
−シリカ被覆炭酸カルシウム分散液の製造例−
製造例Aにおいて、テトラエトキシシラン20部を加える代わりにテトラエトキシシラン40部を加える他は同様の操作にてシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Bを得た。炭酸カルシウムを被覆したシリカ外郭の平均厚さは12nmであった。
【0064】
(製造例D)
−シリカ被覆炭酸カルシウム分散液の製造例−
製造例Aにおいて、炭酸ガスを5L/分の速度で吹き込む代わりに10L/分の速度で吹き込む他は同様の操作にてシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Cを得た。炭酸カルシウム粒子の平均粒径は75nm、炭酸カルシウムを被覆したシリカ外郭の平均厚さは5nmであった。
【0065】
(製造例E)
−有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム分散液の製造例−
製造例Aにおいて、テトラエトキシシラン20部を用いる代わりにテトラエトキシシラン:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン=1:1(質量比)20部を加えること以外は同様の操作にて有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを得た。炭酸カルシウムを被覆したシリカ外郭の平均厚さは5nmであった。
【0066】
(製造例F)
−有機無機ハイブリッドシリカ中空粒子分散液の製造例−
製造例Bにおいて、シリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aの100部を用いる代わりに製造例Eで得られた有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aの100部を用いること以外は同様の操作にて有機無機ハイブリッドシリカ中空粒子分散液Aを得た。分散液中の中空粒子の平均粒子空孔径と外郭の平均厚さは、それぞれ50nm、5nmであった。
【0067】
(製造例G)
−(修飾)シリカ被覆炭酸カルシウム分散液の製造例−
製造例Aで得られたシリカ被覆炭酸カルシウム分散液A1000部、表面修飾剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.5部、及びメタノール70部とを混合した後、28%アンモニア水溶液3部を加えて室温で15時間撹拌し反応させ、(修飾)シリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを得た。シリカ外郭の平均厚さは5nmであった。
【0068】
(製造例H)
−(修飾)有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム分散液の製造例−
製造例Eで得られた有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム分散液A1000部、表面修飾剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.5部、及びメタノール70部とを混合した後、28%アンモニア水溶液3部を加えて室温で15時間撹拌し反応させ、修飾有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを得た。シリカ外郭の平均厚さは5nmであった。
【0069】
(製造例I)
−(修飾)有機無機ハイブリッドシリカ中空粒子分散液の製造例−
製造例Fにおいて得られた有機無機ハイブリッドシリカ中空粒子分散液Aの1000部、表面修飾剤としてメチルトリエトキシシラン1.5部、及びメタノール70部とを混合した後、28%アンモニア水溶液3部を加えて室温で15時間撹拌し反応させ、修飾有機無機ハイブリッドシリカ中空粒子分散液Aを得た。分散液中の中空粒子の平均粒子空孔径と外郭の平均厚さは、それぞれ50nm、5nmであった。
【0070】
(製造例J)
製造例Bで得られたシリカ中空粒子分散液Aを水洗、濾過した後、真空乾燥してシリカ中空粒子Aを得た。中空粒子の一次粒子の平均粒子空孔径と外郭の平均厚さは、それぞれ50nm、5nmであったが、乾燥後の粒子は直径5μm以内の大きさに凝集していた。
【0071】
(製造例K)
製造例Aで得られたシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを水洗、濾過した後、真空乾燥してシリカ被覆炭酸カルシウム粒子Aを得た。炭酸カルシウム粒子の一次粒子の平均粒子空孔径と外郭の平均厚さは、それぞれ50nm、5nmであったが、乾燥後の粒子は直径5μm以内の大きさに凝集していた。
【0072】
(製造例L)
製造例Eで得られた有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを水洗、濾過した後、真空乾燥して有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム粒子Aを得た。炭酸カルシウム粒子の一次粒子の平均粒子空孔径と外郭の平均厚さは、それぞれ50nm、5nmであったが、乾燥後の粒子は直径5μm以内の大きさに凝集していた。
【0073】
(製造例M)
製造例Hで得られた(修飾)有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを水洗、濾過した後、真空乾燥して(修飾)有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム粒子Aを得た。炭酸カルシウム粒子の一次粒子の平均粒子空孔径と外郭の平均厚さは、それぞれ50nm、5nmであったが、乾燥後の粒子は直径5μm以内の大きさに凝集していた。
【0074】
(断熱シート製造例(本発明))
(製造例101)
製造例Bで得られたシリカ中空粒子分散液Aを加圧濾過により、40体積%に濃縮した分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させ、中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート101を得た。
【0075】
(製造例102)
製造例Aで得られたシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを加圧濾過により、40体積%に濃縮した分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させた。次にこのシートを酢酸水溶液に浸し、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた後、水洗し、これを加熱乾燥して中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート102を得た。
【0076】
(製造例103)
製造例Gで得られた(修飾)シリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを加圧濾過により、40体積%に濃縮した分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させた。次にこのシートを酢酸水溶液に浸し、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた後、水洗し、これを加熱乾燥して中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート103を得た。
【0077】
(製造例104)
製造例Aで得られたシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを加圧濾過により、40体積%に濃縮した分散液を調製した。次に、この分散液100部に対して、多官能性化合物としてトリメチロールプロパントリメタクリレートを3部、重合開始剤VA−060(水溶性アゾ系開始剤;和光純薬社製)を分散液中に0.1部となるように添加し、次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工し、60℃で、1hr反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させた。次にこのシートを酢酸水溶液に浸し、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた後、水洗し、これを加熱乾燥して中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート104を得た。
【0078】
(製造例105)
製造例Gで得られたシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを加圧濾過により、40体積%に濃縮した分散液を調製した。次に、この分散液100部に対して、多官能性化合物としてトリメチロールプロパントリメタクリレートを3部、重合開始剤VA−060(水溶性アゾ系開始剤;和光純薬社製)を分散液中に0.1部となるように添加し、次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工し、60℃で、1hr反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させた。次にこのシートを酢酸水溶液に浸し、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた後、水洗し、これを加熱乾燥して中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート105を得た。
【0079】
(製造例106)
製造例Fで得られた有機無機ハイブリッドシリカ中空粒子分散液Aを加圧濾過により、40体積%に濃縮した分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させ、中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート106を得た。
【0080】
(製造例107)
製造例Eで得られた有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを加圧濾過により、40体積%に濃縮した分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させた。次にこのシートを酢酸水溶液に浸し、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた後、水洗し、これを加熱乾燥して中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート107を得た。
【0081】
(製造例108)
製造例Hで得られた(修飾)有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを加圧濾過により、40体積%に濃縮した分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させた。次にこのシートを酢酸水溶液に浸し、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた後、水洗し、これを加熱乾燥して中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート108を得た。
【0082】
(製造例109)
製造例Eで得られた有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを加圧濾過により、40体積%に濃縮した分散液を調製した。次に、この分散液100部に対して、多官能性化合物としてトリメチロールプロパントリメタクリレートを3部、重合開始剤VA−060(水溶性アゾ系開始剤;和光純薬社製)を分散液中に0.1部となるように添加し、次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工し、60℃で、1hr反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させた。次にこのシートを酢酸水溶液に浸し、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた後、水洗し、これを加熱乾燥して中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート109を得た。
【0083】
(製造例110)
製造例Eで得られた修飾有機無機ハイブリッドシリカ中空粒子分散液Aを加圧濾過により、40体積%に濃縮した分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させ、中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート110を得た。
【0084】
(製造例111)
製造例Hで得られた修飾有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Aを加圧濾過により、40体積%に濃縮した分散液を調製した。次に、この分散液100部に対して、多官能性化合物としてトリメチロールプロパントリメタクリレートを3部、重合開始剤VA−060(水溶性アゾ系開始剤;和光純薬社製)を分散液中に0.1部となるように添加し、次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工し、60℃で、1hr反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させた。次にこのシートを酢酸水溶液に浸し、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた後、水洗し、これを加熱乾燥して中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート111を得た。
【0085】
(製造例112)
製造例Bで得られたシリカ中空粒子分散液Aを加圧濾過により、40体積%に濃縮し、バインダー樹脂として4体積%のポリビニルアルコール(PVA)を添加した分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させ、中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート112を得た。
【0086】
(断熱シート製造例(比較例))
(製造例201)
製造例Jで得られたシリカ中空粒子Aを水に添加し、40体積%分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させ(80℃、30分)、中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート201を得た。
【0087】
(製造例202)
製造例Kで得られたシリカ被覆炭酸カルシウム粒子Aを水に添加し、40体積%分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させた。次にこのシートを酢酸水溶液に浸し、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた後、水洗し、これを加熱乾燥して中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート202を得た。
【0088】
(製造例203)
製造例Cで得られたシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Bを加圧濾過により、40体積%に濃縮した分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させた。次にこのシートを酢酸水溶液に浸し、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた後、水洗し、これを加熱乾燥して中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート203を得た。
【0089】
(製造例204)
製造例Dで得られたシリカ被覆炭酸カルシウム分散液Cを加圧濾過により、40体積%に濃縮した分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させた。次にこのシートを酢酸水溶液に浸し、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた後、水洗し、これを加熱乾燥して中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート204を得た。
【0090】
(製造例205)
製造例Lで得られた有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム粒子Aを水に添加し、40体積%分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させた。次にこのシートを酢酸水溶液に浸し、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた後、水洗し、これを加熱乾燥して中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート205を得た。
【0091】
(製造例206)
製造例Mで得られた(修飾)有機無機ハイブリッドシリカ被覆炭酸カルシウム粒子Aを水に添加し、40体積%分散液を調製した。次に、この分散液100部に対して、多官能性化合物としてトリメチロールプロパントリメタクリレートを3部、重合開始剤VA−060(水溶性アゾ系開始剤;和光純薬社製)を分散液中に0.1部となるように添加し、次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工し、60℃で、1hr反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させた。次にこのシートを酢酸水溶液に浸し、炭酸カルシウムの分解反応による炭酸ガスの泡が出なくなるまで反応させて炭酸カルシウムを溶出させた後、水洗し、これを加熱乾燥して中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート206を得た。
【0092】
(製造例207)
水に、製造例Jで得られたシリカ中空粒子Aを40体積%、バインダー樹脂としてポリビニルアルコール(PVA)を4体積%となるように添加した分散液を調製した。次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に、ワイヤーバーコーターを用いて前記分散液を乾燥膜厚で200μmの厚さとなるように塗工した後、70℃、30min反応させて粒子を連結させた後、加熱乾燥させ、中空粒子を有する断熱材層を形成した断熱シート207を得た。
【0093】
前記製造例14〜32で得られた断熱シート101〜112(本発明)及び断熱シート201〜207(比較例)について以下の評価をおこなった。
【0094】
(断熱シートの物性評価方法)
以下、実施例にて作製した断熱シートの物性評価方法について記す。
【0095】
(1)中空粒子の外郭の平均厚さ
得られた多孔性構造体を形成する中空粒子について、先ず、電子顕微鏡写真から無作為に中空粒子を100個選び、画像処理ソフトにて粒子一個につき10箇所の外郭の厚さを解析して数平均値を求め、更に、選択した全粒子の数平均値を算出して中空粒子外郭の平均厚さを求めた。
【0096】
(2)中空粒子の平均粒子空孔径
得られた多孔性構造体を形成する中空粒子について、先ず、電子顕微鏡写真から無作為に中空粒子を100個選び、選ばれた中空粒子の平均粒子空孔径を解析し、その数平均値を算出して平均粒子空孔径を求めた。
【0097】
(3)光透過率
製造例にて得られたシートについて、紫外可視分光光度計(日本分光V−570)を用いて光透過率を測定した。なお、光透過率の値が高いほど、透明性が良いことを示す。
【0098】
(4)熱伝導率
製造例にて得られたシートについて、熱線プローブ式熱伝導率測定装置(京都電子製QTM−500)を用い測定を行った。なお、熱伝導率の値が低いほど、断熱性が良いことを示す。
【0099】
(5)曲げ特性
製造例にて得られたシートについて、シートの中央を支点に、断熱材層を外側にしてシートの内側が120度の角度をなすように折り曲げ、断熱材層の割れ発生の有無を目視で確認し、下記の基準に基づいて曲げ特性を評価した。
【0100】
○: 折り曲げ部に割れの発生なし
△: 折り曲げ部に一部割れの発生あり
×: 折り曲げ部全体に割れの発生あり。
【0101】
上記の評価結果を表1に示す。なお表中○は、表面修飾剤または、多官能性化合物が使用されたことを示し、×は使用されなかったことを示す。
【0102】
【表1】

【0103】
表1の物性評価結果から明らかなように、本発明に係わる断熱シート101〜112は、機械的強度(曲げ特性)に優れると共に、高い断熱性、透明性を有していることがわかる。
【符号の説明】
【0104】
10 断熱材層
20 透明基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水系溶媒中で、平均粒子径が70nm以下のコア粒子及び前記コア粒子の表面に平均厚さが10nm以下のシリカ系材料の外郭を有するコアシェル粒子を形成後、前記水系溶媒中で前記コアシェル粒子の外郭からなる中空粒子が連結した多孔性構造体を形成することを特徴とする多孔性構造体の製造方法。
【請求項2】
前記コアシェル粒子を連結させた構造体を形成した後に前記コアシェル粒子内のコア粒子を除去し、前記コアシェル粒子の外郭からなる前記中空粒子が連結した多孔性構造体を得ることを特徴とする請求項1に記載の多孔性構造体の製造方法。
【請求項3】
前記中空粒子が、下記一般式(1)で表される一種以上の基で表面修飾されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多孔性構造体の製造方法。
一般式(1)
−R−X
(式中、nは1〜10の整数であり、Rは、単結合、あるいは二価以上の結合手をもつ炭素数1〜10の炭化水素基を表し、Xは水素原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基、オキセタニル基又はメルカプト基から選ばれる置換基を表す。)
【請求項4】
前記中空粒子が多官能性化合物で連結されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の多孔性構造体の製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の多孔性構造体の製造方法により製造された多孔性構造体を用いたことを特徴とする光学材料。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の多孔性構造体の製造方法により製造された多孔性構造体を用いたことを特徴とする断熱材料。

【図1】
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【公開番号】特開2012−188323(P2012−188323A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53939(P2011−53939)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】