説明

多孔膜材及び散気装置

【課題】 多数の小孔を有する弾性体製矩形シート状の気泡発生部の全面から均一に微細気泡を発生させることができる多孔膜材を提供することを目的とする。
【解決手段】 散気用多孔膜材であって、多数の小孔2が貫設された弾性体製矩形シート状の気泡発生部3を有している。かつ、気泡発生部3のコーナー部7の厚さ寸法を中央部8の厚さ寸法より小さく設定したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曝気槽に設けられる多孔膜材とその多孔膜材を用いた散気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下水処理施設等に於て、微生物を利用して下水・汚水を浄化する下水処理装置がある。このような下水処理装置の曝気槽の底部等には、多孔膜材(多孔板材)が取り付けられた給気用ホルダーが設けられており、ホルダーに供給される空気は、多孔膜材(多孔板材)の小孔を通って微細気泡となり曝気槽内に送り出される。そして、この微細気泡が曝気槽内の微生物を活性化して下水・汚水を処理している。
下水処理装置に使用される従来の多孔膜材(多孔板材)としては、例えば、ゴム(弾性体)製又は樹脂製のシートに多数の小孔を貫設したもの(特許文献1参照)や、樹脂又はセラミックの粒子を板状に焼結したもの(特許文献2参照)があった。
【特許文献1】特開2003−320388号公報
【特許文献2】特開平8−155484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般的に、樹脂製又はセラミック製の多孔膜材(多孔板材)は、散気していない状態(ホルダーから曝気槽内に空気が送られていない状態)では、小孔に下水中のごみ・汚物等が詰まるといった問題がある。これに対し、ゴム(弾性体)製の多孔膜材は、ホルダーに空気を供給すると、空気圧によって膜材が膨張し、この時小孔も膨張開口して散気する。そして、散気していない状態では、膜材は膨張せず小孔は閉じているので目詰まりを起こすことはない。
小孔の目詰まりを防止するためには、ゴム(弾性体)製の多孔膜材が好ましいが、ゴム(弾性体)製の多孔膜材は、その形状によって以下のような利点と欠点を有している。
【0004】
多孔膜材が円形の場合は、膜材の全ての小孔がほぼ同じ面積に膨張開口できるので、膜材全面に於て均一に微小気泡を発生させることができるが、膜材が四角形の場合は、4箇所のコーナー部に於て弾性変形して膨張しにくく、コーナー部に於て小孔も膨張開口できないため、膜材全面から均等に微小気泡を発生させることができない。
また、図10(a)に示すように、円形の膜材1を複数個配設する場合は、それぞれの膜材1間に生じる隙間(スペース)Sが大きくなるので、図10(b)に示す四角形の膜材1に比べて、微細気泡を発生可能な範囲(面積)を広く確保できない欠点がある。
そこで、本発明は、多数の小孔を有す弾性体製矩形シート状の気泡発生部の全面から均一に微細気泡を発生させることができる多孔膜材と、その多孔膜材を用いた散気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る多孔膜材は、散気用多孔膜材であって、多数の小孔が貫設された弾性体製矩形シート状の気泡発生部を有し、該気泡発生部のコーナー部の厚さ寸法を中央部の厚さ寸法より小さく設定したものである。また、上記気泡発生部の厚さ寸法が、中央部からコーナー部へ向かって徐々に小さくなるものであってもよい。
【0006】
また、散気用多孔膜材であって、多数の小孔が貫設された弾性体製矩形シート状の気泡発生部を有し、該気泡発生部のコーナー部に配設される上記小孔の貫通寸法を、中央部に配設される小孔の貫通寸法より大きく設定したものである。また、上記小孔の貫通寸法が、中央部からコーナー部へ向かって徐々に大きくなるものであってもよい。
【0007】
また、散気用多孔膜材であって、多数の小孔が貫設された弾性体製矩形シート状の気泡発生部を有し、該気泡発生部のコーナー部の一定面積当たりに貫設される上記小孔の個数を、中央部の一定面積当たりに貫設される小孔の個数より多くなるように設定したものである。また、上記小孔の一定面積当たりの個数が、中央部からコーナー部へ向かって徐々に増加するものであってもよい。
【0008】
本発明に係る散気装置は、曝気槽内に空気を供給するホルダーと、該ホルダーに設けられる弾性体製の膜材と、を備え、該膜材は、多数の小孔が貫設された矩形シート状の気泡発生部を有し、該気泡発生部のコーナー部の厚さ寸法を、中央部の厚さ寸法より小さく設定したものである。また、上記気泡発生部の厚さ寸法が、中央部からコーナー部へ向かって徐々に小さくなるものであってもよい。
【0009】
また、曝気槽内に空気を供給するホルダーと、該ホルダーに設けられる弾性体製の膜材と、を備え、該膜材は、多数の小孔が貫設された矩形シート状の気泡発生部を有し、該気泡発生部のコーナー部に配設される上記小孔の貫通寸法を、中央部に配設される小孔の貫通寸法より大きく設定したものである。また、上記小孔の貫通寸法が、中央部からコーナー部へ向かって徐々に大きくなるものであってもよい。
【0010】
また、曝気槽内に空気を供給するホルダーと、該ホルダーに設けられる弾性体製の膜材と、を備え、該膜材は、多数の小孔が貫設された矩形シート状の気泡発生部を有し、該気泡発生部のコーナー部の一定面積当たりに貫設される上記小孔の個数を、中央部の一定面積当たりに貫設される小孔の個数より多くなるように設定したものである。また、上記小孔の一定面積当たりの個数が、中央部からコーナー部へ向かって徐々に増加するものであってもよい。
また、上記ホルダーには、平板状のもの以外に、空気供給用の配管に直接支持部材を取り付けた形状のものを含む。
膜材の材質は、弾性体であればよく、生産性、加工性の点でゴム製が好ましい。具体的なゴム材料としては、公知のものが適用され、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、シリコーンゴム、ポリウレタン、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴム、パーフロロエラストマ等が適用される。中でも、耐薬品性の点で、フッ素ゴム、パーフロロエラストマが好ましい。また、強度および耐熱性の点で、EPDMが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係る多孔膜材及び散気装置によれば、通常使用加圧状態(散気状態)にて、多孔膜材が面的に弾性膨張し、全部の小孔の各開口面積が略同一となって、気泡発生部全面の小孔から均一に微細気泡を発生させることができる。
気泡発生部は矩形に形成されているので、本発明の多孔膜材又は散気装置を多数個配設する場合に、それぞれの気泡発生部の間に生じる不要なスペースを小さくでき、効率良く敷設できる。従って、微細気泡を発生可能な範囲を広く確保できる。
また、散気していない状態では、ゴム(弾性体)の伸縮性により小孔は閉じているので目詰まりを起こすことはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1〜図4は本発明の第1の実施の形態を示す図であり、図2は図1に於けるA−A断面図、図3は図1に於けるB−B断面図である。
図1〜図3に於て、4は、曝気槽6の底部等に配設されて、曝気槽6内に空気を供給するホルダーであり、ホルダー4にはゴム等の弾性体製の(多孔)膜材1が設けられている。膜材1は、矩形シート状の気泡発生部3を有し、気泡発生部3の全面には多数の小孔2が貫設されている。また、多数の小孔2は気泡発生部3の中央を中心とする同心円状に等ピッチで配設されている。
また、気泡発生部3が空気の圧力によって膨張していない状態───未加圧状態(未散気状態)───では、多数の小孔2は、図7に示すように、開口しておらず、平面視線状に閉じている。そして、空気の圧力で膨張すると、開口し散気が行われる。
【0013】
図2に示すように、気泡発生部3の4つのコーナー部7の厚さ寸法は、中央部8の厚さ寸法より小さく設定されている(図2参照)。このことにより、膜材1(気泡発生部3)がホルダー4に供給される空気の圧力で膨張した状態───通常使用加圧状態(散気状態)───に於て、コーナー部7の小孔2の膨張開口横断面積と、中央部8の小孔2の膨張開口横断面積とが、略同一になるように設定されている。さらに、気泡発生部3厚さ寸法は、中央部8とコーナー部7の間の途中部位から、コーナー部7へ向かって漸減するように形成されている。言い換えれば、気泡発生部3の下面は、その途中部位からコーナー部7に向かって、上傾状に形成されている。
【0014】
図2又は図3に示すように、ホルダー4は、その周縁部に上方突出状の段部11を有し、平面視矩形のホルダー4の底部12の中央には給気口5が貫設されている。また、ホルダー4の下方には、給気管13が給気口5へ繋がるように配設され、給気口5は、気泡発生部3の中央の下方に配置されている(図1参照)。
ホルダー4の段部11の上方には、支持部材10が設置され、その支持部材10に膜材1が被装されている。さらに、膜材1の上方から額縁部材16が取り付けられている。
また支持部材10は、支持部材10の周縁部を形成する平面視矩形環状の枠部10bと、枠部10bの上部内周面に一体状に設けられる板面部10aとを、有している。さらに、板面部10aの中央には、ホルダー4からの空気を膜材1側へ送るための空気噴出孔33が貫設されている。未加圧状態(未散気状態)では、膜材1(気泡発生部3)が板面部10aの上面に接触支持されており、通常使用加圧状態(散気状態)では、噴出孔33から膜材1側へ送られる空気が、板面部10aの上面と膜材1(気泡発生部3)の下面との間に広がり小孔2から曝気槽6内へ送り出されるように構成されている。
また、額縁部材16は平面視矩形環状に形成され(図1参照)、額縁部材16には、膜材1の小孔2から曝気槽6内に微小気泡を送ることができるように、孔部25が貫設されている。
【0015】
膜材1の気泡発生部3の周縁には、小孔2以外からの空気漏れを防ぐシール部9が一体状に設けられており、図2又は図3に示すように、シール部9は支持部材10の上面・外周面・下面に接触するように取り付けられている。このシール部9は、上部17と周壁部18と下部19とから成る断面略コの字状に形成されている。
さらに、ホルダー4の段部11には、額縁部材16の上面をホルダー4側(下方)へ押圧する倒立L字状の押え金具23が、締め付けボルトとナットによって取り付けられている(図4参照)。そして、シール部9の上部17は、額縁部材16と支持部材10との間に押圧保持され、下部19は、支持部材10と段部11との間に押圧保持されている。
なお、押え金具23は、額縁部材16の対向する辺にそれぞれ2個ずつ配設されている(図1参照)。
また、ホルダー4は、図4に示すような段部11を有するもの以外に、図5に示すように、ホルダー4の上面が段部11を有さない平板状に形成されたものがある。
【0016】
支持部材10の噴出孔33から膜材1側に空気が送られ膜材1が上方に膨張した場合に、その膜材1が額縁部材16の内周縁と接触して破損しないように、額縁部材16の内周縁の角部は面取り加工されている(図4、図5参照)。さらに、膨張した膜材1が、押え金具23の内端縁と接触して破損しないように、押え金具23の内端縁は額縁部材16の内端縁より内側へ突出しないように(外側に)配設されている。
【0017】
次に、本発明の第2の実施の形態に於て、図1に示すように、曝気槽6内に空気を供給するホルダー4を備え、ホルダー4に弾性体製の膜材1が設けられている。
この弾性体製の膜材1は、多数の小孔2が貫設された矩形シート状の気泡発生部3を有し、気泡発生部3のコーナー部7に配設される小孔2の貫通寸法は、中央部8に配設される小孔2の貫通寸法より大きく設定されている(図示省略)。ここで、貫通寸法とは、弾性体(ゴム)製のシートに穿孔具を貫通させて小孔2を形成する際(貫通時)の小孔2の横断面積である。つまり、コーナー部7の小孔2は中央部8の小孔2より横断面積の大きい穿孔具にて貫通形成されている。
このことにより、膜材1(気泡発生部3)がホルダー4に供給される空気の圧力で膨張した状態───通常使用加圧状態(散気状態)───に於て、コーナー部7の小孔2の膨張開口横断面積と、中央部8の小孔2の膨張開口横断面積とが、略同一になるように設定されている。
また、気泡発生部3は全面に於て同じ厚さに形成されている。
なお、第2の実施の形態に於て、上述した第1の実施の形態と異なる構成以外は第1の実施形態と同様の構成であるので、説明を省略する。
【0018】
また、本発明の第3の実施の形態に於て、図1に示すように、曝気槽6内に空気を供給するホルダー4を備え、ホルダー4に弾性体製の膜材1が設けられている。
この弾性体製の膜材1は、多数の小孔2が貫設された矩形シート状の気泡発生部3を有し、気泡発生部3のコーナー部7の一定面積当たりに貫設される小孔2の個数を、中央部8の一定面積当たりに貫設される小孔2の個数より多くなるように設定している(図示省略)。言い換えれば、通常使用加圧状態(散気状態)に於て、コーナー部7の一定面積当たりの小孔2の膨張開口横断面積の合計値と、中央部8の一定面積当たりの小孔2の膨張開口横断面積の合計値とが、略同一になるように設定されている。
また、気泡発生部3は全面に於て同じ厚さに形成されている。
なお、第3の実施の形態に於て、上述した第1の実施の形態と異なる構成以外は第1の実施の形態と同様の構成であるので、説明を省略する。
【0019】
図6に於て、膜材1の気泡発生部3の成型方法について説明する。
図6(a)に示すように、載置台26の上にゴムシート(弾性体シート)27を置き、ゴムシート27の上方には、穿孔具28が配置され、穿孔具28の一面には多数の先鋭突起29を等間隔に有している。このゴムシート27は、予め矩形に形成され、その4つのコーナー部の厚さ寸法は、中央部の厚さ寸法より小さく設定されているものである。
そして、図6(b)に示すように、穿孔具28を下方に移動させ、先鋭突起29をゴムシート27に押圧し、先鋭突起29がゴムシート27を貫通する。この時、ゴムシート27を貫通した先鋭突起29の先端は、載置台26の上面に形成されている凹窪部30内に挿入されるため、先鋭突起29が載置台26の上面に当接して破損することはない。
次に、図6(c)に示すように、穿孔具28を上方へ移動させ、ゴムシート27から先鋭突起29を引き抜くと、ゴムシート27には多数の小孔2が形成されており、気泡発生部3が完成する。
【0020】
なお、図2〜図5及び図6(c)に於て、気泡発生部3が空気の圧力によって膨張していない状態───未加圧状態(未散気状態)───では、気泡発生部3に形成される小孔2は、ゴムの伸縮性により実際は閉じているが、判り易くするために僅かに開口しているように記載している。
【0021】
上記説明したように、気泡発生部3は、気泡発生部3の全面に於て小孔2から均一に気泡が発生するように、(i)第1の実施の形態に於て、コーナー部7の厚さ寸法は中央部8の厚さ寸法より小さく設定され、(ii)第2の実施の形態に於て、コーナー部7に配設される小孔2の貫通寸法を、中央部8に配設される小孔2の貫通寸法より大きく設定されている。また、(iii)上記第3の実施の形態に於て、コーナー部7の一定面積当たりに貫設される小孔2の個数は、中央部8の一定面積当たりに貫設される小孔2の個数より多くなるように設定されている。
本発明の多孔膜材及び散気装置は設計変更自由であり、上記(i)(ii)(iii)の構成を2個ずつ又は全て組み合わせて気泡発生部3を形成してもよい。
また、曝気槽6に本発明の散気装置を複数個配設してもよい。
【0022】
上述した本発明である散気装置の使用方法(作用)について説明する。
まず、給気管13から(圧縮)空気が送られる前は、図2に示すように、膜材1は支持部材10の板面部10aに接触して支持されている。そして、(圧縮)空気が給気管13内を通過して、給気口5からホルダー4内に供給されると、ホルダー4内に溜まった空気は支持部材10の噴出孔33から膜材1を(上方へ)押圧する。さらに、空気は膜材1と支持部材10の板面部10aとの間に圧入されて(放射状に)広がり、その空気の押圧力により膜材1の気泡発生部3は弾性変形して上方へ膨張する(図示省略)。この気泡発生部3の膨張に伴って、多数の小孔2は膨張開口し始め、気泡発生部3の全面に於て小孔2はほぼ同じ断面積になるように開口する。そして、気泡発生部3と板面部10aの間の空気は、気泡発生部3の全面の小孔2から微細気泡となって均一に曝気槽6内に散気される。
【0023】
また、図8は、本発明の上記第1実施の形態の散気装置を使用した場合に、気泡発生部3から微細気泡が発生している状態を示す平面模式図である。図8では、気泡発生部3のほぼ全面に当たる領域Xから無数の微細気泡32が均一に発生している状態が示されている。
これに対し、図9は、比較例の気泡発生部3から微細気泡が発生している状態を示す平面模式図である。図9に示す気泡発生部3に形成される小孔2は、図8と同様に形成されているが、図9の気泡発生部3はその全面において同じ厚さに設定されているものである。つまり、図9に示す気泡発生部3のコーナー部7の厚さ寸法は、中央部8の厚さ寸法より小さく設定されていない。そして、図9に於て、気泡発生部3の中央部8を含む十字形の領域Yからは、均一な微細気泡32が発生しているが、領域Yと隣接する略三角形状の4つの領域Zからは、領域Yよりも少ない量の気泡32が発生していることを示す。従って、図9の気泡発生部3のコーナー部7からは、気泡32が発生しておらず、図9に示す比較例の気泡発生領域(気泡発生量)は、図8に示す本発明の気泡発生領域(気泡発生量)よりも著しく小さい(少ない)ことがわかる。
【0024】
以上のように、本発明の多孔膜材は、散気用多孔膜材であって、多数の小孔2が貫設された弾性体製矩形シート状の気泡発生部3を有し、気泡発生部3のコーナー部7の厚さ寸法を中央部8の厚さ寸法より小さく設定したので、コーナー部7は中央部8より弾性変形(面的膨張)し易くなり、通常使用加圧状態(散気状態)にて、全部の小孔2の各開口面積が略同一となって、気泡発生部3全面の小孔2から均一に微細気泡を発生させることができる。
気泡発生部3は矩形に形成されているので、本発明の多孔膜材を多数個配設する場合に、それぞれの気泡発生部3の間に生じる不要なスペースを小さくでき、効率良く敷設できる。従って、微細気泡を発生可能な範囲を広く確保できる。
また、散気していない状態では、弾性体(ゴム)の伸縮性により小孔2は閉じているので目詰まりを起こすことはない。
【0025】
また、散気用多孔膜材であって、多数の小孔2が貫設された弾性体製矩形シート状の気泡発生部3を有し、気泡発生部3のコーナー部7に配設される小孔2の貫通寸法を、中央部8に配設される小孔2の貫通寸法より大きく設定したので、コーナー部7は中央部8より小孔2の開口変形がし易くなり、通常使用加圧状態(散気状態)にて、全部の小孔2の各開口面積が略同一となって、気泡発生部3全面の小孔2から均一に微細気泡を発生させることができる。
気泡発生部3は矩形に形成されているので、本発明の多孔膜材を多数個配設する場合に、それぞれの気泡発生部3の間に生じる不要なスペースを小さくでき、効率良く敷設できる。従って、微細気泡を発生可能な範囲を広く確保できる。
また、散気していない状態では、弾性体(ゴム)の伸縮性により小孔2は閉じているので目詰まりを起こすことはない。
【0026】
また、散気用多孔膜材であって、多数の小孔2が貫設された弾性体製矩形シート状の気泡発生部3を有し、気泡発生部3のコーナー部7の一定面積当たりに貫設される小孔2の個数を、中央部8の一定面積当たりに貫設される小孔2の個数より多くなるように設定したので、通常使用加圧状態(散気状態)に於て、コーナー部7の一定面積当たりの小孔2の膨張開口横断面積の合計値と、中央部8の一定面積当たりの小孔2の膨張開口横断面積の合計値とが、略同一となって、気泡発生部3全面の小孔2から均一に微細気泡を発生させることができる。
気泡発生部3は矩形に形成されているので、本発明の多孔膜材を多数個配設する場合に、それぞれの気泡発生部3の間に生じる不要なスペースを小さくでき、効率良く敷設できる。従って、微細気泡を発生可能な範囲を広く確保できる。
また、散気していない状態では、弾性体(ゴム)の伸縮性により小孔2は閉じているので目詰まりを起こすことはない。
【0027】
また、本発明の散気装置は、曝気槽6内に空気を供給するホルダー4と、ホルダー4に設けられる弾性体製の膜材1と、を備え、膜材1は、多数の小孔2が貫設された矩形シート状の気泡発生部3を有し、気泡発生部3のコーナー部7の厚さ寸法を、中央部8の厚さ寸法より小さく設定したので、コーナー部7は中央部8より弾性変形(面的膨張)し易くなり、通常使用加圧状態(散気状態)にて、全部の小孔2の各開口面積が略同一となって、気泡発生部3全面の小孔2から均一に微細気泡を発生させることができる。
気泡発生部3は矩形に形成されているので、本発明の散気装置を多数個配設する場合に、それぞれの気泡発生部3の間に生じる不要なスペースを小さくでき、効率良く敷設できる。従って、微細気泡を発生可能な範囲を広く確保できる。
また、散気していない状態では、弾性体(ゴム)の伸縮性により小孔2は閉じているので目詰まりを起こすことはない。
【0028】
また、曝気槽6内に空気を供給するホルダー4と、ホルダー4に設けられる弾性体製の膜材1と、を備え、膜材1は、多数の小孔2が貫設された矩形シート状の気泡発生部3を有し、気泡発生部3のコーナー部7に配設される小孔2の貫通寸法を、中央部8に配設される小孔2の貫通寸法より大きく設定したので、コーナー部7は中央部8より小孔2の開口変形がし易くなり、通常使用加圧状態(散気状態)にて、全部の小孔2の各開口面積が略同一となって、気泡発生部3全面の小孔2から均一に微細気泡を発生させることができる。
気泡発生部3は矩形に形成されているので、本発明の散気装置を多数個配設する場合に、それぞれの気泡発生部3の間に生じる不要なスペースを小さくでき、効率良く敷設できる。従って、微細気泡を発生可能な範囲を広く確保できる。
また、散気していない状態では、弾性体(ゴム)の伸縮性により小孔2は閉じているので目詰まりを起こすことはない。
【0029】
また、曝気槽6内に空気を供給するホルダー4と、ホルダー4に設けられる弾性体製の膜材1と、を備え、膜材1は、多数の小孔2が貫設された矩形シート状の気泡発生部3を有し、気泡発生部3のコーナー部7の一定面積当たりに貫設される小孔2の個数を、中央部8の一定面積当たりに貫設される小孔2の個数より多くなるように設定したので、通常使用加圧状態(散気状態)に於て、コーナー部7の一定面積当たりの小孔2の膨張開口横断面積の合計値と、中央部8の一定面積当たりの小孔2の膨張開口横断面積の合計値とが、略同一となって、気泡発生部3全面の小孔2から均一に微細気泡を発生させることができる。
気泡発生部3は矩形に形成されているので、本発明の散気装置を多数個配設する場合に、それぞれの気泡発生部3の間に生じる不要なスペースを小さくでき、効率良く敷設できる。従って、微細気泡を発生可能な範囲を広く確保できる。
また、散気していない状態では、弾性体(ゴム)の伸縮性により小孔2は閉じているので目詰まりを起こすことはない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す平面図である。
【図2】図1に於けるA−A断面側面図である。
【図3】図1に於けるB−B断面側面図である。
【図4】要部断面側面図である。
【図5】膜材を他のホルダーに取り付けた状態を示す要部断面側面図である。
【図6】気泡発生部の成形方法を説明する断面図である。
【図7】膜材の平面拡大図である。
【図8】気泡発生部から気泡が発生している状態を示す平面模式図である。
【図9】比較例の気泡発生部から気泡が発生している状態を示す平面模式図である。
【図10】説明用平面図であり、(a)は円形の膜材を複数個配設した平面図、(b)は四角形の膜材を複数個配設した平面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 膜材
2 小孔
3 気泡発生部
4 ホルダー
6 曝気槽
7 コーナー部
8 中央部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
散気用多孔膜材であって、
多数の小孔(2)が貫設された弾性体製矩形シート状の気泡発生部(3)を有し、該気泡発生部(3)のコーナー部(7)の厚さ寸法を中央部(8)の厚さ寸法より小さく設定したことを特徴とする多孔膜材。
【請求項2】
散気用多孔膜材であって、
多数の小孔(2)が貫設された弾性体製矩形シート状の気泡発生部(3)を有し、該気泡発生部(3)のコーナー部(7)に配設される上記小孔(2)の貫通寸法を、中央部(8)に配設される小孔(2)の貫通寸法より大きく設定したことを特徴とする多孔膜材。
【請求項3】
散気用多孔膜材であって、
多数の小孔(2)が貫設された弾性体製矩形シート状の気泡発生部(3)を有し、該気泡発生部(3)のコーナー部(7)の一定面積当たりに貫設される上記小孔(2)の個数を、中央部(8)の一定面積当たりに貫設される小孔(2)の個数より多くなるように設定したことを特徴とする多孔膜材。
【請求項4】
曝気槽(6)内に空気を供給するホルダー(4)と、該ホルダー(4)に設けられる弾性体製の膜材(1)と、を備え、該膜材(1)は、多数の小孔(2)が貫設された矩形シート状の気泡発生部(3)を有し、該気泡発生部(3)のコーナー部(7)の厚さ寸法を、中央部(8)の厚さ寸法より小さく設定したことを特徴とする散気装置。
【請求項5】
曝気槽(6)内に空気を供給するホルダー(4)と、該ホルダー(4)に設けられる弾性体製の膜材(1)と、を備え、該膜材(1)は、多数の小孔(2)が貫設された矩形シート状の気泡発生部(3)を有し、該気泡発生部(3)のコーナー部(7)に配設される上記小孔(2)の貫通寸法を、中央部(8)に配設される小孔(2)の貫通寸法より大きく設定したことを特徴とする散気装置。
【請求項6】
曝気槽(6)内に空気を供給するホルダー(4)と、該ホルダー(4)に設けられる弾性体製の膜材(1)と、を備え、該膜材(1)は、多数の小孔(2)が貫設された矩形シート状の気泡発生部(3)を有し、該気泡発生部(3)のコーナー部(7)の一定面積当たりに貫設される上記小孔(2)の個数を、中央部(8)の一定面積当たりに貫設される小孔(2)の個数より多くなるように設定したことを特徴とする散気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−777(P2007−777A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−183945(P2005−183945)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【出願人】(594152620)ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社 (104)
【Fターム(参考)】