説明

多孔質シリカ膜の形成方法及び表示装置用窓部材

【課題】膜表面が平坦で、かつ、薄い膜厚でも十分な強度を有する多孔質シリカ膜の形成方法、及びこの多孔質シリカ膜を用いた表示装置用窓部材を提供する。
【解決手段】本発明の多孔質シリカ膜の形成方法は、多孔質シリカ材料の前駆体溶液と有機溶媒とを用い、粘度が9.3×10-4〜14.0×10-4Pa・sの多孔質シリカ膜形成用塗布液を調製する調製工程(S1)と、塗布対象物を所定の周速で回転させつつ、この塗布対象物に対して所定のエア圧で塗布液を噴霧し、塗布対象物上に塗布液の塗布膜を形成する塗布工程(S2)と、この塗布膜を焼成する工程(S3)とを含むものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば表示装置の窓部材用の光学膜として利用可能な多孔質シリカ膜の形成方法、及び多孔質シリカ膜で被覆された表示用基板を有する表示装置用窓部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば装置内部の発光領域からの発光をガラス等の透明基板を通して外部に取り出す窓部材を用いる表示装置等においては、ガラス界面での反射や屈折のため発光の取り出しを効率良く行えないという問題や、光導波特性により発光の一部がガラス端面から散逸して表示装置としての発光輝度や視野角が減少したり、このような輝度減少を補償するために表示装置の消費電力を増大させる必要があるという問題がある。
【0003】
この種の問題の対策として、従来、ガラス基板上に多孔質シリカの塗布液を用いて低屈折率(1.003〜1.300)の膜を形成し、その上に透明導電膜を形成したディスプレイ用窓材が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
しかし、このような従来技術においては、種々の課題がある。
すなわち、このような低屈折率薄膜を表示装置の窓部材として実用化するには、表示装置内部の発光領域からの発光が輝度むらを生じないようにするために、その薄膜表面の膜厚の散布度(ばらつき)を数十nm以下とする必要があるが、上述した多孔質シリカ薄膜は、膜表面の散布度が数μm(±10%以上)にもなってしまう。
【0005】
また、発光輝度を高くしつつ膜の内部応力を小さくして耐クラック性を向上させるためには膜厚を300nm〜2μm程度にする必要があるが、上記従来技術の膜は、これを超える約10μm程度の膜厚を有している。
【0006】
このような多孔質シリカの薄膜は膜厚を薄くすると強度が低下することから、膜の強度を確保するため更に表面層を設ける必要があり膜構造が複雑化するという課題もある。
【特許文献1】特開2001−202827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するもので、膜表面が平坦で、かつ、薄い膜厚でも十分な強度を有する多孔質シリカ膜の形成方法、及びこの多孔質シリカ膜を用いた表示装置用窓部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、多孔質シリカ材料の前駆体溶液と有機溶媒を用い、粘度が9.3×10-4〜14.0×10-4Pa・sの多孔質シリカ膜形成用塗布液を調製する調製工程と、塗布対象物を所定の周速で回転させつつ、前記塗布対象物に対して所定のエア圧で前記塗布液を噴霧し、前記塗布対象物上に前記塗布液の塗布膜を形成する塗布工程と、前記塗布膜を焼成する焼成工程とを有する多孔質シリカ膜の形成方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記調製工程において前記多孔質シリカ膜形成用塗布液の粘度が10.3×10-4〜12.0×10-4Pa・sとなるように調整するものである。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2のいずれか1項記載の発明において、前記塗布工程において前記エア圧を0.2×106〜0.5×106Paとなるように調整するものである。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の発明において、前記塗布対象物として直径200mmの基板を用い、前記塗布工程において当該基板を0.32〜0.96m/sの周速で回転させるものである。
請求項5記載の発明は、表示用基板と、前記表示用基板上の表示部に請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法によって形成された多孔質シリカ膜とを有する表示装置用窓部材である。
【0009】
本発明方法の場合、粘度を9.3×10-4〜14.0×10-4Pa・sに調整した多孔質シリカ膜形成用塗布液を、所定の周速で回転する塗布対象物に対して所定のエア圧で噴霧して塗布対象物上に塗布膜を形成することから、表示装置の窓部材として実用可能な程度に平坦な多孔質シリカ膜を塗布対象物の全面に形成することができる。
【0010】
また、本発明によれば、焼成後の内部応力が小さく膜にクラックが発生しない程度の薄さで、しかも必要な強度を有する膜を形成することができ、表示装置の窓部材として実用可能な多孔質シリカ膜を形成することができる。
【0011】
また、本発明の場合、所定の周速で回転する塗布対象物に対して塗布液を噴霧することから、溝、ホール等の凹凸のある塗布対象物の上に塗布膜を形成する場合においても、その塗布対象物上の全面に亘って塗布液を十分に行き渡せることができ、塗布対象物の表面状態によらず膜表面が平坦な多孔質シリカ膜を形成することができる。
【0012】
そして、本発明の表示装置用窓部材は、表示用基板上の表示部に上記本発明によって形成された多孔質シリカ膜を有しており、この多孔質シリカ膜は、低屈折率である上、表示装置内部における発光を効率よく取り出すことができる程度の薄さで、かつ、輝度むらを生じない程度に平坦な膜となっている。
そして、このような本発明の表示装置用窓部材を用いれば、視野角が広く、かつ、発光輝度が高く輝度むらを生じない表示装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、膜表面が平坦で、かつ、薄い膜厚でも十分な強度を有する多孔質シリカ膜の形成方法を提供することができる。
また、本発明によれば、視野角が広く、かつ、発光輝度が高く輝度むらを生じない表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施に用いる多孔質シリカ膜形成用塗布液の塗布膜形成装置を示す概略構成図、図2は、本発明の多孔質シリカ膜の形成方法の実施の形態の手順を説明する工程図である。
【0015】
図1に示すように、この塗布膜形成装置1は、排気系2に接続された筐体3を有し、この筐体3の内部には、回転手段4が設けられている。
回転手段4上には、円形平板状の塗布対象物5が水平に保持されている。そして、回転手段4によって回転駆動される塗布対象物5の塗布面6の中心部に対し、塗布対象物5の上方に設けられたスプレー7から、塗布液を噴霧するようになっている。
【0016】
なお、回転手段4の周囲には、スプレー7から噴霧された塗布液が筐体3の内壁に付着するのを防止するための防着カバー8が設けられている。また、排気系2には、噴霧された塗布液が筐体3の外部へ放出されるのを防止するフィルタ9が設けられている。
【0017】
以下、上記塗布膜形成装置1を用いて塗布対象物5の上に多孔質シリカ膜を形成する方法について説明する。
図2に示すように、工程S1では、多孔質シリカ材料の前駆体溶液と有機溶媒を用いて所定の粘度の多孔質シリカ膜形成用塗布液を調製する。
具体的には、まず、多孔質シリカ材料の前駆体と水と界面活性剤の混合溶液に、疎水基を有するシリコン含有有機物を添加する。
【0018】
本発明の場合、多孔質シリカ材料の前駆体としては、テトラエトキシシラン(TEOS)等のシリコンアルコキシドを好適に用いることができる。
界面活性剤としては、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物等のアンモニア塩化物を用いることができる。
疎水基を有するシリコン含有有機物については、疎水基として炭素数6以下のアルキル基を1個以上有するシラン化合物、シラザン化合物又はシロキサン化合物のいずれかを用いることができる。
【0019】
具体的には、例えば、ヘキサメチルジシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、トリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシランのようなメチル基を有するシラン化合物や、ヘキサメチルジシラザンのようなメチル基を有するジシラザン化合物、または、ヘキサメチルジシロキサンのようなメチル基を有するシロキサン化合物を用いることができる。
【0020】
次に、この混合溶液を所定の触媒を用いて酸加水分解又はアルカリ加水分解する。
ここで、加水分解時に用いる触媒としては、酸によるものでもアルカリによるものであってもよく、酸加水分解による場合には、硝酸や塩酸などの無機酸、ギ酸などの有機酸を用いることができ、また、アルカリ加水分解による場合には、アンモニア等を用いることができる。
その後、加水分解して得られた溶液を加熱処理して多孔質シリカ材料の前駆体溶液とする。
【0021】
本発明の場合、加熱処理時の温度は、特に限定されるものではないが、シラノールを適度に縮重合させる観点からは、40〜60℃とすることが好ましい。
そして、この前駆体溶液に有機溶媒を加えて、粘度が9.3×10-4〜14.0×10-4Pa・sの多孔質シリカ膜形成用塗布液を調製する。
この場合、有機溶媒としては、エチルアルコール、2−プロパノール等を用いることができる。
【0022】
ここで、多孔質シリカ膜形成用塗布液の粘度は、より薄くかつ平坦な多孔質シリカ膜を確実に形成する観点からは、10.3×10-4〜12.0×10-4Pa・sとすることがより好ましい。
【0023】
工程S2では、スプレー7から塗布対象物5の塗布面6の中心部に向って塗布液を噴霧する。
この場合、塗布対象物5を回転させながら、所定の角度で塗布対象物5の塗布面6の中心部に向って所定のエア圧で塗布液を噴霧する。
【0024】
本発明の場合、塗布対象物5の回転速度は特に限定されるものではないが、直径200mmの塗布対象物5を用いた場合にその外周部の周速が0.32〜0.96m/sとなるように回転させることが好ましい。
【0025】
塗布対象物5の回転速度が0.32m/sより小さい場合には、形成される多孔質シリカ膜の膜厚が過剰に厚くなり耐クラック性が劣り、他方、0.96m/sより大きい場合には、形成される多孔質シリカ膜の膜厚が過剰に薄くなり膜自体の強度が低下するおそれがある。
また、噴霧時のエア圧は、特に限定されるものではないが、0.2×106〜0.5×106Paとすることが好ましい。
【0026】
噴霧時のエア圧が0.2×106Paより小さいと、スプレー7から噴霧される塗布液の液滴の粒径が過剰に大きくなって(例えば、100μm以上)形成される多孔質シリカ膜の散布度が過剰に大きくなり、他方、0.5×106Paより大きいと、塗布対象物5上に塗布液が均一に塗布されず回転速度を調節しても膜厚のばらつきを補正することができないおそれがある。
なお、塗布液の噴霧時間は、特に限定されるものではないが、膜厚の均一性の観点からは、20〜60sとすることが好ましい。
【0027】
工程3では、塗布膜が形成された塗布対象物5を、焼成炉内に搬入し、例えば乾燥空気雰囲気中において昇温時間15分、焼成温度400℃、保持時間15分で焼成して、塗布対象物5の上に多孔質シリカ膜を形成する。
【0028】
以上述べた本実施の形態においては、粘度を9.3×10-4〜14.0×10-4Pa・sに調整した多孔質シリカ膜形成用塗布液を、所定の周速で回転する塗布対象物5に対して所定のエア圧で噴霧して塗布対象物5上に塗布膜を形成することから、表示装置の窓部材として実用可能な程度に平坦な多孔質シリカ膜を塗布対象物5の全面に形成することができる。
【0029】
また、本実施の形態によれば、焼成後の内部応力が小さく膜にクラックが発生しない程度の薄さで、しかも必要な強度を有する膜を形成することができ、表示装置の窓部材として実用可能な多孔質シリカ膜を形成することができる。
【0030】
また、本実施の形態の場合、所定の周速で回転する塗布対象物5に対して塗布液を噴霧することから、溝、ホール等の凹凸のある塗布対象物5の上に塗布膜を形成する場合においても、その塗布対象物5上の全面に亘って塗布液を十分に行き渡せることができ、塗布対象物5の表面状態によらず膜表面が平坦な多孔質シリカ膜を形成することができる。
【実施例】
【0031】
(実施例1)
多孔質シリカ材料の前駆体としてテトラエトキシシラン(TEOS)1モルと、水(H2O)11モルと、界面活性剤としてヘキサメチルアンモニウム塩化物(C16TAC)0.25モルの混合溶液に対して、疎水基を有するシリコン含有有機物としてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)0.15モルを添加した。
【0032】
次に、この混合溶液を酸性(pH1〜3、硝酸)の触媒を用いて加水分解した。
その後、加水分解して得られた溶液を55℃で4時間反応させて、均一な多孔質シリカ材料の前駆体溶液を得た。
そして、この前駆体溶液にエチルアルコールを加えて3倍に希釈し、粘度が14.0×10-4Pa・sの多孔質シリカ膜形成用塗布液を調製した。
【0033】
(実施例2)
実施例1と同一の方法により調製した前駆体溶液にエチルアルコールを加えて5倍に希釈し、粘度が12.0×10-4Pa・sの多孔質シリカ膜形成用塗布液を調製した。
【0034】
(実施例3)
実施例1と同一の方法により調製した前駆体溶液にエチルアルコールを加えて8倍に希釈し、粘度が10.6×10-4Pa・sの多孔質シリカ膜形成用塗布液を調製した。
【0035】
(実施例4)
実施例1と同一の方法により調製した前駆体溶液にエチルアルコールを加えて10倍に希釈し、粘度が10.3×10-4Pa・sの多孔質シリカ膜形成用塗布液を調製した。
【0036】
(実施例5)
実施例1と同一の方法により調製した前駆体溶液にエチルアルコールを加えて30倍に希釈し、粘度が9.3×10-4Pa・sの多孔質シリカ膜形成用塗布液を調製した。
【0037】
(比較例1)
実施例1と同一の方法により調製した前駆体溶液にエチルアルコールを加えて2倍に希釈し、粘度が17.5×10-4Pa・sの多孔質シリカ膜形成用塗布液を調製した。
【0038】
(比較例2)
実施例1と同一の方法により調製した前駆体溶液にエチルアルコールを加えて50倍に希釈し、粘度が9.1×10-4Pa・sの多孔質シリカ膜形成用塗布液を調製した。
【0039】
〈多孔質シリカ膜の形成〉
図1に示すような塗布膜形成装置を用い、塗布対象物5として直径200mmのシリコン基板上の中心部に、実施例1〜5及び比較例1、2において調製した多孔質シリカ膜形成用塗布液をエア圧0.3MPaで噴霧した。
この場合、シリコン基板10を、その外周部の周速が0.63m/s(60rpm)となるように回転させた。
【0040】
また、図3に示すように、シリコン基板10に対する塗布液の噴霧角度θについては、スプレー7の噴出口とシリコン基板10の塗布面11の距離Hと、スプレー7の噴出口とシリコン基板10の回転中心との水平方向の距離Lの関係が、L:H=1:2となるように設定した。
【0041】
この場合、具体的には、スプレー7の噴出口とシリコン基板10の塗布面11の距離Hを50cm、60cm、70cmとし、塗布液の噴霧時間を30s、40s、50s、60sとして噴霧を行った。
その後、シリコン基板10を焼成炉に搬入し、乾燥空気雰囲気中において昇温時間15分、焼成温度400℃、保持時間15分の条件で焼成して多孔質シリカ膜を得た。
【0042】
〈評価〉
上述のようにしてシリコン基板10上に形成された多孔質シリカ膜の膜厚を、図4に示すように、シリコン基板10上の9個の点a〜iにおいて測定した。
これらの結果を、表1〜7に示す。表1〜7において、数値のみ記載した値は多孔質シリカ膜の膜厚を示し単位はnmである。
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

【0045】
【表3】

【0046】
【表4】

【0047】
【表5】

【0048】
【表6】

【0049】
【表7】

【0050】
〈評価結果〉
表1〜5の太線で囲んだ部分の測定結果が示すように、実施例1〜5の多孔質シリカ膜形成用塗布液を用いてシリコン基板10上に形成した多孔質シリカ膜は、ばらつきが±10%以内の膜厚分布で成膜できることがわかった。
ばらつきが±10%以内((最大値−最小値)/平均値)の膜厚分布で成膜できる条件を挙げると次にようになる。
【0051】
実施例1においては(H;噴霧時間)=(60cm;40s)、実施例2においては(H;噴霧時間)=(60cm;40s)、(50cm;50s)、実施例3においては(H;噴霧時間)=(50cm;40s)、(60cm;30s)、(60cm;40s)、(60cm;50s)、(70cm;50s)、実施例4においては(H;噴霧時間)=(50cm;40s)、(60cm;30s)、(60cm;40s)、(60cm;50s)、(70cm;50s)、実施例5においては(H;噴霧時間)=(50cm;50s)である。
【0052】
一方、表6、7から明らかなように、比較例1、2の多孔質シリカ膜形成用塗布液を用いてシリコン基板10上に形成した多孔質シリカ膜は、ばらつきが±10%以内の膜厚分布で成膜することはできなかった。
【0053】
なお、表1〜7に示すように、シリコン基板10上に形成される多孔質シリカ膜の膜厚は、噴霧時間に比例し、多孔質シリカ材料の前駆体溶液の希釈倍数の逆数に比例することがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施に用いる多孔質シリカ膜形成用塗布液の塗布膜形成装置を示す概略構成図
【図2】本発明の多孔質シリカ膜の形成方法の実施の形態の手順を説明する工程図
【図3】本発明の実施に用いる塗布膜形成装置におけるスプレーと塗布対象物の位置関係を示す概略図
【図4】シリコン基板上に形成した多孔質シリカ膜の膜厚の測定位置を示す概略図
【符号の説明】
【0055】
1…塗布膜形成装置
2…排気系
3…筐体
4…回転手段
5…塗布対象物
6…塗布面
7…スプレー
8…防着カバー
9…フィルタ
10…シリコン基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質シリカ材料の前駆体溶液と有機溶媒を用い、粘度が9.3×10-4〜14.0×10-4Pa・sの多孔質シリカ膜形成用塗布液を調製する調製工程と、
塗布対象物を所定の周速で回転させつつ、前記塗布対象物に対して所定のエア圧で前記塗布液を噴霧し、前記塗布対象物上に前記塗布液の塗布膜を形成する塗布工程と、
前記塗布膜を焼成する焼成工程とを有する多孔質シリカ膜の形成方法。
【請求項2】
前記調製工程において前記多孔質シリカ膜形成用塗布液の粘度が10.3×10-4〜12.0×10-4Pa・sとなるように調整する請求項1記載の多孔質シリカ膜の形成方法。
【請求項3】
前記塗布工程において前記エア圧を0.2×106〜0.5×106Paとなるように調整する請求項1又は2のいずれか1項記載の多孔質シリカ膜の形成方法。
【請求項4】
前記塗布対象物として直径200mmの基板を用い、前記塗布工程において当該基板を0.32〜0.96m/sの周速で回転させる請求項1乃至3のいずれか1項記載の多孔質シリカ膜の形成方法。
【請求項5】
表示用基板と、
前記表示用基板上の表示部に請求項1乃至4のいずれか1項記載の方法によって形成された多孔質シリカ膜とを有する表示装置用窓部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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