説明

多孔質シリコン薬物溶出粒子

本発明は診断薬または治療薬の送達に有用な生分解性薬物溶出粒子を提供するものである。特定の実施形態では、本発明の薬物溶出粒子は生分解性多孔質シリコン本体、リザーバーが治療薬または診断薬を含有し、本体の外部に少なくとも1つの開口部を有する多孔質シリコン本体内に形成されたリザーバー、および少なくとも1つの開口部に配置された薬剤透過性のシールを含む。本発明の徐放薬物送達粒子の投与を含有し、患者が所望の局所または全身での生理的または薬理的効果を得る治療法をさらに提供する。また、本発明は治療薬を放出する薬物溶出粒子の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
徐放製剤合剤の投与様式および放出動態は、治療効率に著明な効果を上げることができる。この点についてポリマー材料を使用することが確立されており、数日から数カ月、もしくは数年にわたる薬物放出の制御および徐放の多くの成功した方法に繋がっている。インビボでの移植用ポリマー薬剤送達デバイスは耐久性と生体適合性を示している。しかしながら、薬剤の徐放を提供する多くの薬剤送達デバイスは生物学的条件下で不活性であり、放出を完全に行った後に外科的切除が必要である。
【0002】
更なる難問は治療剤を有する材料を製造することであり、さらに特に、ミクロン・サブミクロン域の機器の間での均質性の維持が困難であることである。半導体産業により開発された微細加工技術により、Santini
et al. "Microchips as Controlled Drug Delivery Devices" Angew. Chem.
Int. Ed. 39, 2396−2407, 2000などが提示してる時限パルス放出システムの開発が注目され始めた。これらは、この参照により本発明に含まれるものとする。
【0003】
ミクロン・サブミクロン域で一貫した仕様で製造が可能な制御された放出を行う生分解性移植可能薬剤送達デバイスが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一つの態様は診断薬または治療薬の送達に有用な生分解性薬物溶出粒子を提供するものである。特定の実施形態では、本発明の薬物溶出粒子は生分解性多孔質シリコン本体、リザーバーが治療薬または診断薬を包含する薬物コアを含有し、本体の外部に少なくとも1つの開口部を有する多孔質シリコン本体内に形成されたリザーバー、および少なくとも1つの開口部に配置された薬剤透過性のシールを含む。特定の実施形態では、薬剤透過性シールは薬剤の徐放を行う。具体的な実施態様では、粒子はインビトロまたはインビボで設置する。
【0005】
さらに本発明は、例えば患者に治療薬または診断薬を制御して持続的に投与する薬剤送達方法を提供するが、これには所望の場所に本発明の徐放薬物溶出粒子を挿入し、注入し、移植することを含む。本発明の粒子を疾患の治療または予防に使用してもよい。
【0006】
さらに本発明は、シリコンウエハを提供すること、エッチマスクとして使用するウエハ上に材料の蒸着およびパターン形成すること、ウエハ上に複数のリザーバーのエッチングすること、シリコン基材へ空孔を導入すること、治療薬または診断薬を包含するリザーバーを薬物コアで充填すること、および薬剤に対して透過性であるシールでリザーバーを被覆することを含む、薬剤を放出する薬物溶出粒子の製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】薬物溶出粒子の上面図(a)および断面図(b)である。:a.上面図は多孔質シリコン本体3およびリザーバーに配置した薬剤透過性シール5を示す。b.断面図は多孔質シリコン本体3、治療薬または診断薬6を包含するリザーバー4および薬剤浸透性シール5を示す。
【図2】薬剤6を含有するリザーバー4が多孔質シリコン本体3の外部への2つの開口部を有し、各開口部に配置された薬剤透過性シール5が設けられている、薬物溶出粒子の別の実施形態の断面図。
【図3】個別の薬物溶出粒子へ配分される前の薬物溶出粒子アレイの上面図表示。
【図4】粒子が多孔質シリコン本体3、リザーバーが本体の外部へ複数の開口部11を有し、治療薬6を含有するリザーバー4、および a.開口部に配置された多重薬剤透過性シール5、または b.粒子の全表面または粒子の部分に配置された薬剤透過性膜12を含有する薬物溶出粒子の断面図である。(矢印はリザーバーからの薬剤放出の経路を表す。)
【図5】種々の直径のウエルを生産するように微細加工したシリコンのウエハを示す図である。
【図6】フルオシノロン−アセトニド(FA)放出粒子のインビトロ放出プロファイルを示す図である。
【図7】リザーバーの単位表面積当たりの放出速度を示す図である。
【図8】非腐食性(ポリイミド)のチューブか生腐食性(ポリ−L−乳酸)形状のいずれかで作製されるIluvien形式の粒子由来とシリコン粒子の放出速度を比較する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は治療薬または診断薬(「薬剤」)の徐放を行う生分解性薬物溶出粒子を提供する。この粒子は制御しながら薬剤を放出し、その後、体内で生物分解する設計により、粒子を外科的切除する必要がなくなる。特定の実施形態では、本発明の薬物溶出粒子は多孔質化による生物分解で作製されるシリコンから形成する。多孔質シリコンは生体適合性であり著明に有害な影響を及ぼすことはなく患者体内で浸食され再吸収することができる。特定の実施形態では、粒子はリザーバーが治療薬または診断薬を包含する薬物コアを含有し、本体の外部に少なくとも1つの開口部を有する多孔質シリコン本体内に形成されたリザーバー、および少なくとも1つの開口部に配置された薬剤透過性シールを含有する多孔質シリコン本体を含む。特定の実施形態では、粒子が患者に投与された場合にはシールは薬剤の徐放を行う。本明細書において、患者とはヒトか非ヒト動物のいずれか一方をいう。患者に粒子を投与すると薬剤は粒子の透過性シールを通って持続性様式で拡散する。粒子の有効寿命が終了した後に多孔質シリコン本体および薬剤透過性シールが体内に残り正常な生物学的条件下で生体適合性の副産物に入り込む。別の実施形態では、粒子はインビトロ系で使用する。
【0009】
特定の実施形態では、薬物溶出粒子は多孔質シリコン本体3、本体の外部に少なくとも1つの開口部を有する多孔質シリコン本体3内に形成したリザーバー4、治療薬または診断薬6を含有するリザーバー内の薬物コア、および少なくとも1つの開口部に配置された薬剤透過性シール5(図1a.上面図およびb.横断面図)を含む。特定の実施形態では、粒子が患者に投与された場合にはシールは薬剤6の徐放を行う。別の実施形態では、リザーバー4は本体3の外部に少なくとも2つの開口部、および少なくとも2つの開口部に配置された1つ以上の薬剤透過性シール5を有する(図2)。別の実施形態では、リザーバー4は本体3の外部に複数の開口部11、および複数の開口部に配置された薬剤透過性シール5を有する(図4a)。特定の実施形態では、シールは多孔質シリコン本体の表面よりも10%以上大きい、15%以上大きい、20%以上大きい、30%以上大きい、または40%以上大きい表面の部分、または粒子の表面全体に配置された膜である。ある例示的な実施形態では、リザーバー4は本体3の外部に2つ以上の開口部11を有し、透過性膜12を粒子の表面全体に配置する(図4b)。特定の実施形態では、薬剤の放出を調整のために粒子の表面に、少なくとも1つの開口部に透過性シールまたは透過性膜を配置してもよい。特定の実施形態では、透過性シールまたは透過性膜はインビボまたはインビトロで薬剤が粒子から放出される唯一の経路である(例えば、粒子自身が分解する以前の場合)。
【0010】
特定の実施形態では、粒子は2つ、3つ、4つ、または5つのリザーバーなどの1つ以上のリザーバーを含む。特定の実施形態では、本体の外部に少なくとも1つの開口部を有し、各リザーバーは少なくとも1つの開口部に配置された薬剤透過性シールまたは膜が設けられている。特定の実施形態では、各リザーバーは2つ以上の開口部および少なくとも2つの開口部に配置された薬剤透過性シールまたは膜を有する。
【0011】
特定の実施形態では、本発明の薬物溶出粒子を例えば、疾患の治療または予防のために注入することにより患者に投与する。治療する(treating)または治療(treatment)という用語は、症状、ならびに治療(therapy)と治癒(cure)の予防改善を包含することを意図している。予防する(preventiing)という用語は、該技術において認められており、また局所再発(例えば、痛み)の状態、癌などの疾患、心不全または他の医学的状態などの症候群複合体に関連して使用される場合、当技術分野で十分に理解されており、かつ、組成物が投与されない被験対象と比較した被験対象の医学的状態における症状の頻度を減らし、または発症を遅らす組成物の投与を含む。従って例えば、癌の予防は統計的におよび/または臨床的に有意な量により、無処置の投与群と比べた場合の予防的治療がなされた患者集団における検出可能な癌の腫瘍の数の減少、および/または無処置の投与と比べた場合の検出可能な癌の腫瘍の発現の遅延を含む。例えば、感染の予防は無処置の投与群と比べた場合の治療がなされた集団における感染の診断数の減少、および/または無処置の投与と比べた場合の治療がなされた集団における感染の発症の遅延を含む。例えば、痛みの予防は無処置の投与と比べた場合の治療がなされた集団における被験対象が経験する痛覚の程度の減少、または遅延を含む。
【0012】
特定の実施形態では、粒子は持続性様式、例えば、時間単位、日単位、週単位、月単位の期間で薬剤を放出する。特定の実施形態では、粒子は投与後の粒子の有効寿命が終了したときに例えば、日単位、週単位、月単位の期間で生物分解する。
【0013】
本発明の粒子は、チューブ、ディスク、円筒、方形ボックス、ピラミッド形、またはその他のいかなる規則的または不規則的な形などの幾何形状であってもよい。特定の実施形態では、粒子は細分、例えば、電子産業で用いられているようなシリコンウエハの制御下分割により形成する。特定の実施形態では、粒子はシリコンウエハの2つの平面に対応する第1および第2の側面を有する。特定の実施形態では、制御破壊をする前にウエハの1つの平面は粒子の中のリザーバーを形成するようにエッチングする。粒子の2つの側面は、例えば実質的に平行またはスキューなどのいかなる配向に配置してもよく、かつ、いかなる好適な形、例えば、凹面、凸面または平面でもよいことに留意しなければならない。
【0014】
特定の実施形態では、粒子の1つの寸法が20から600ミクロン、100から500ミクロンの寸法などで、少なくとも1mm未満である。特定の実施形態では、粒子は21ゲージ、22ゲージ、23ゲージ、24ゲージ、25ゲージ、26ゲージ、27ゲージ、28ゲージ、または29ゲージの針で注入による投与ができるほど十分に小さくてもよい。特定の実施形態では、粒子は25ゲージの針で投与する。単回投与においては1個または複数個の粒子を患者に投与してもよい。特定の実施形態では、数十個または数百個の粒子を患者に投与する。
【0015】
特定の態様では、本発明は薬物溶出粒子として使用するための生分解性シリコン構造とその製造方法を提供する。結晶性シリコン構造とは異なり、多孔質シリコン構造はインビトロおよびビトロで生物分解することが示され、非侵害性の副生成物であるけい酸モノマー(Si(OH))を産生する。20から50mg/日の摂食により1mg Si/L未満のレベルで血漿に天然に存在するけい酸は、腎臓で容易に除去することができる。生物学的媒体中での溶解速度はシリコン中の孔径により変化する。従来の集積回路およびマイクロマシニング処理を用いて、極小の細孔(例えば、nm−μm直径)を比較的高い一様性と制御で結晶性シリコンに導入することができる。また、液体またはガスの吸着/脱着に関する従来のシリコン処理技術で多孔質シリコンの高表面積の細孔を特定の材料で被覆することができる。加えて、多孔質シリコンを例えば、パイレックス(登録商標)またはガラスなどの別の材料に結合することができる50μm厚の薄い膜として製造することができる。多孔質シリコンを含有するデバイスの一部は米国特許第6,770,480に見られ、その内容が参照により本明細書に援用される。
【0016】
本明細書においては、生分解とは生理学的環境による材料の化学的破壊をいう。生分解が起こる生理学的環境は生物内または試験管またはペトリ皿などの生物の外部であってもよい。本明細書においては、生体適合性は様々なコンテクストでの生体材料の挙動に関連している。用語は材料が使われる場所または方法を特定することなく材料の特定の特性(例えば、所定の生物中の免疫反応を僅かに誘発するか全く誘発しない、あるいは特定の細胞型または組織と一体化できるなど)を言ってもよく、あるいは1つまたは複数の材料を特徴付ける全粒子の経験的な臨床的成功を言ってもよい。本明細書においては、用語の生体適合性は、全ての適用に対して生物学的に許容可能である材料を必ずしも指すものではなく、単に材料が目的とする特定の適用に対して生物学的に許容可能であることを指す。
【0017】
多孔質シリコンは細孔のサイズに基づいて通常は3つのカテゴリー(マクロポーラス、メソポーラスおよびマイクロポーラス)に分割する。マクロポーラスシリコンは50nm以上の大きさの細孔の直径であり、メソポーラスシリコンは2から50nmの間の大きさの細孔の直径であり、マイクロポーラスシリコンは2nm未満の大きさの細孔の直径である。多孔質シリコンの細孔のサイズはシリコンの生分解速度に影響するので、粒子の意図する寿命に基づいて選択してもよい。特定の実施形態では、本発明の粒子はメソポーラスシリコン、マクロポーラスシリコン、マイクロポーラスシリコンまたはこれらの組み合せを含む。特定の実施形態では、粒子はメソポーラスシリコンを含む。
【0018】
特定の実施形態では、本粒子の多孔質シリコンが治療薬または診断薬の経路に対して本質的に非透過性である。本明細書において、用語の非透過性とは所望の局所または全身での生理的または薬理的効果を出そうにも層があるために薬剤の通過が十分な速度にならないという意味である。別の実施形態では、多孔質シリコンを通る薬剤の通過を防ぐために多孔質シリコン本体は薬剤非透過性コーティングで被覆する。そのような薬剤非透過性コーティングは薬物コアをリザーバーに導入する前に多孔質シリコン本体に塗布してもよい。特定の実施形態では、薬剤非透過性コーティングは生分解性である。
【0019】
特定の実施形態では、多孔質シリコン本体は4%から90%の空隙率を有する。特定の実施形態では、本体は約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%または約60%などの30%から60%%の空隙率などで、20%から70%の空隙率を有する。本明細書においては、空隙率は材料の空孔空間の指標であり、0から1までの分数、または0から100%までの百分率で測定する。
【0020】
特定の実施形態では、癌性原発腫瘍(例えば、膠芽腫)などの癌、眼球の新生血管形成を含有する新血管形成、眼球の水腫を含有する水腫、眼炎症を含有する炎症、慢性疼痛、関節炎、リウマチ性の疾患、糖尿病および小人症などのホルモン欠損症、または移植拒絶反応などの免疫反応の治療または予防に関して所望の局所または全身での生理的または薬理的効果を得る場合に、粒子は薬剤を制御して徐放ができる利用可能性を持つ。さらに、本発明の薬物送達粒子を用いて幅広い他の疾患状態をも予防し治療できる。そのような疾患状態は当業者に知られている。Goodman
and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics, 8th Edition, Pergamon
Press, NY, 1990; and Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, Mack
Publishing Co., Easton, PA, 1990を参照し、参照により本明細書に援用される。
【0021】
加えて、粒子はサイトメガロウイルス感染症、トキソプラズマ症、カリニ肺炎およびマイコバクテリウム・アビウムintercellularなどのHIVおよびAIDS関連の日和見感染に感染した哺乳類を治療する場合の使用に適している。
【0022】
粒子は特に、緑内障、増殖硝子体網膜症、糖尿病黄斑浮腫を含有する黄斑浮腫、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、ブドウ膜炎、眼球の新生血管形成、および眼の感染症などの眼症状の治療または予防に特に好適である。また、具体的には粒子を目の硝子体へ挿入または注入するが、粒子はヒトでの臨床使用および獣医学的使用の両方で眼ヒストプラズマ症に罹っている哺乳類の治療に特に好適である。
【0023】
上述したように、特定の実施形態では、薬物コアは所望の局所または全身での生理的または薬理的効果を得る場合に有効な治療薬を含む。リドカインおよび関連化合物ならびにベンゾジアゼパムおよび関連化合物などの麻酔薬および痛み止め薬、5−フルオロウラシル、アドリアマイシンおよび関連化合物などの抗癌剤、6−マンノースリン酸などの炎症薬、フルコナゾールおよび関連化合物などの抗菌薬、三ナトリウムホスホモノホルメート、トリフルオロチミジン、アシクロビル、ガンシクロビル、DDI、DDC、およびAZTなどの抗ウィルス薬、コルヒチン、ビンクリスチン、サイトカラシンBおよび関連化合物などの細胞輸送/運動切迫薬、β−ブロッカー、チモロール、ベタキソロール、アテノロールなどの抗緑内障点眼薬、ムラミルジペプチドおよび関連化合物などの免疫学的応答修正剤、サイクロスポリン、インシュリン、成長ホルモン、インシュリン様成長因子、熱ショックタンパク質および関連化合物などのペプチドおよび蛋白質、デキサメタゾン、プレドニゾロンおよび関連化合物などのステロイド化合物、フルオシノロン−アセトニドおよび関連化合物などのステロイド薬、ならびに炭酸脱水素酵素阻害薬のクラスの薬剤を本発明の粒子の薬物コアに組込んでもよい。本明細書においては、「全身投与」および「全身投与された」の語句は直接の中枢神経にではなく化合物、薬物またはその他の材料が投与され、その結果患者の体内に入り、従って代謝およびその他の類似の過程に付されること、例えば皮下投与することを意味する。局所投与は標的細胞が存在する部位、つまり、特定の組織、臓器、または流体(例えば、血液、脳脊髄液等)への投与をいう。
【0024】
上記の薬剤に加えて、局所または全身の生理的または薬理学的な有効性を生み出すのに他の薬剤は目およびその周囲の組織への投与に好適である。そのような薬剤の例は、ニモジピンおよび関連化合物などの神経保護薬、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシン、グラミシジン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、ゲンタマイシン、およびエリスロマイシンなどの抗生物質、スルホンアミド、スルファセタミド、スルファメチゾールおよびスルフイソキサゾールなどの抗細菌剤、イドクスウリジンを含有する抗ウイルス性剤、およびニトロフラゾンおよびプロピオン酸ナトリウムなどの他の抗菌剤、アンタゾリン、メタピリリン、クロルフェニラミン、ピリラミン、およびプロフェンピリダミンなどのantiallergenics、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、デキサメタソン21−リン酸、フルオシノロン、メドリゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン21−リン酸二ナトリウム、酢酸プレドニゾロン、フルオロメトロン、吉草酸ベタメタゾン、およびトリミノロンなどの抗炎症剤、フェニレフリン、ナファゾリン、およびテトラヒドラゾリンなどの血管収縮薬、ピロカルピン、エセリンサリチル酸、カルバコール、フルオロリン酸ジイソプロピル、フォスフォリンアイオダイド、および臭化デメカリウムなどの縮瞳薬およびコリンエステラーゼ阻害薬、硫酸アトロピン、シクロペントレート、ホマトロピン、スコポラミン、トロピカミド、ユーカトロピン、およびヒドロキシアンフェタミンなどの散瞳薬、エピネフリンなどの交感神経興奮薬、ならびにDesign
of Prodrugs, edited by Hans Bundgaard, Elsevier Scientific Publishing Co.,
Amsterdam, 1985に記載のプロドラッグを含む。以前と同じように、他の薬剤を同定するためにRemington's
Pharmaceutical Sciencesなどの標準的な薬学の教科書を参照する。
【0025】
特定の実施形態では、本発明の粒子は診断薬を含む。
例示的な眼科用診断薬はフルオレセインナトリウム、ローズベンガル、メサコリン、アドレナリン、コカイン、およびアトロピンを含む。特定の実施形態では、本発明の粒子は外科的補助剤を含む。眼科用外科的補助剤の例はα−キモトリプシンおよびヒアルロニダーゼを含む。
【0026】
診断薬または治療薬の薬学的に許容可能である形態、例えば遊離塩基または遊離酸またはこれらの薬学的に許容可能である塩もしくはエステルなどを本発明の実施において用いてもよい。例えば、薬学的に許容可能である塩は硫酸、乳酸、酢酸、ステアリン酸、塩酸、酒石酸、マレイン酸塩等を含む。
【0027】
特定の実施形態では、本発明の薬物溶出粒子の薬物コアは0.01mgから50mgの薬物を含む。例えば、特定の実施形態では、薬物溶出粒子は0.05mgから20mgの薬物などの0.01mgから40mgの薬物を含む。特定の実施形態では、粒子は0.05mgから2mgの薬物、0.1mgから1mgの薬物などの0.01mgから5mgの薬物を含有する1つのリザーバーを含む。特定の実施形態では、粒子はリザーバーのそれぞれが0.5mgから10mgの薬剤を含有する1つ以上のリザーバーを含む。
【0028】
治療薬に加えて、薬物リザーバーは薬学的に許容可能であるキャリアまたは追加の治療薬などの追加の成分を含んでもよい。特定の実施形態では、リザーバーは、治療薬および薬物コアを形成するポリビニルアルコール(PVA)などの生体適合性のポリマーを含む。生物学的適合性のポリマーは当技術分野で公知であり、例示的なポリマーは本明細書に提示する。そのような薬物コアは薬物溶液を固化するのに役立ち、本来なら液状の薬物をリザーバー内で固体または半固体にさせる。また、薬物コアは粒子からの治療薬の放出を遅らすのに役立つ。製造の容易性、治療薬の安定化、粒子に装填する粘度の変更などの理由で薬学的に許容可能であるキャリアを治療薬に添加してもよい。特定の実施形態では、薬物コアは薬剤、ポリマーおよび1つ以上のキャリアを含む。特定の実施形態では、薬物コアは1つ以上の薬剤を含む。特定の実施形態では、薬物コアは架橋ポリマーまたは 架橋ゼラチンなどの1つ以上の高分子剤を含む。
【0029】
用語の薬学的に許容可能であるキャリアとは該技術において認められており、また液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶剤またはこれらの当該組成物または成分を運び、もしくは輸送する封入剤などの薬学的に許容可能である材料、組成物またはビヒクルを言う。キャリアのそれぞれは当該組成物または成分と適合性であり、患者に有害でないという意味で「許容可能」でなければならない。薬学的に許容されるキャリアとして働くことができる材料のいくつかの例は、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖、コーンスターチおよびジャガイモ澱粉などの澱粉、セルロース、およびカルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースの誘導体、粉体化トラガカント、モルト、ゼラチン、タルク、カカオバターおよび坐薬ワックスなどの医薬品添加物、落花生油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油などの油、プロピレングリコールなどのグリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル、寒天、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、アルギン酸、発熱性物質を含まない水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、リン酸緩衝液および医薬調合品中に使用されるその他の無毒性適合物質を含む。
【0030】
粒子の多孔質シリコンに加えて、体液および目の組織と生物学的適合性である追加の天然または合成材料を本発明の粒子を製造する場合に使用してもよい。例えば、粒子が接触する体液と適合性を有する材料は、制限されるものではないが、酢酸エチルビニル、ポリ酢酸ビニル、架橋ポリビニルアルコール、架橋ポリビニル・ブチレート、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリアクリル酸エチルヘキシル、 ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、可塑化エチレン‐酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレン塩化ビニルコポリマー、ポリビニルエステル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸ブチル、可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ソフトナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、架橋ポリビニルピロリドン、三フッ化エチレン樹脂、塩素化メタロセンポリエチレン、ポリ(1、4’−イイソプロピリデン ジフェニレン カーボネート)、ポリ塩化ビニリデン、アクリロニトリルコポリマー、塩化ビニル−フマル酸ジエチルコポリマー、シリコーンゴム、特に、医療用ポリジメチルシロキサン、エチレン−プロピレンゴム、シリコン−カーボネートコポリマー、ポリ塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー、ポリ塩化ビニリデン−アクリロニトリドコポリマー、金、プラチナ、および(外科用)ステンレス鋼が含まれる。
【0031】
特定の実施形態では、薬剤透過性シールまたは薬剤透過性膜の組成物は上述の制御された放出がなされるように選択する。特定の実施形態では、本発明の薬剤透過性膜は多孔質シリコン本体の1つ以上の開口部を、さらに開口部を超えた表面積を被覆するシールである。例えば、膜はリザーバーの開口部を超えて、粒子の全側面または2つの側面を被覆してもよい。特定の実施形態では、膜は第2、第3または第4の開口部などの複数の開口部を被覆する。特定の実施形態では、リザーバーは開口部を含有する粒子の表面積のある割合、表面の少なくとも約10%、表面の少なくとも約20%、表面の少なくとも約30%、表面の少なくとも約40%、表面の少なくとも約50、表面の少なくとも約60、表面の少なくとも約70など、表面の約10%から90%まで、または表面の10%から70%までなどを被覆する。そのような実施形態では、シールと同様に膜は粒子からの薬剤の放出を制御するように働く。薬剤、放出の所望の速度、および投与様式などの因子に依存して薬剤透過性シールまたは膜の好ましい組成物は変わる。また、分子サイズ、溶解度、および極性が薬剤放出速度の決定に役割を果たしており、薬剤の同一性が放出の速度の1つの因子であってもよい。特定の実施形態では、薬剤透過性シールまたは膜はタンパク質、核酸、炭水化物、脂質、細胞または細胞成分などの生物学的環境における成分に不透過である。
【0032】
薬剤は化学ポテンシャルの低い、つまり粒子の外部表面の方向に拡散する。粒子の外部表面では平衡が再び確立する。シールまたは膜の両側面上の状態が一定を維持するとき、Fickの拡散則に従い効果的な薬剤の定常状態の流れが確立される。一般的に、拡散により材料を通る薬物の通過速度はシールまたは膜の厚さと同様に、薬物の溶解度に依存する。このことは、シールまたは膜の製造に適切な材料の選択が使用すべき特定の薬物に依存することを意味する。拡散を利用する持続薬物送達デバイスは米国特許第6,375,972に記載のものを含み、参照により本明細書に援用される。
【0033】
本発明の薬剤透過性シールまたは膜を通る治療薬の拡散速度は沈降条件下で行われた拡散セルによる研究により決定してもよい。沈降条件下で行われた拡散セルによる研究においては、ドナー区画における高濃度と比較して受容体の区画における薬物濃度は実質的にゼロである。この条件下で、薬物放出の速度は、
Q/t = (D K A DC)/h
で表せ、ここで、Qは放出した薬物量、tは時間、Dは拡散係数、Kは分配係数、Aは表面積、DCは膜全体での薬物の濃度差異、およびhは膜の厚さである。
【0034】
薬剤が水で充填された細孔を経由して層を通って拡散する場合、分配現象は現れない。従って、Kをこの式から除くことが可能である。沈降条件下でドナー側面からの放出が極端に遅い場合、DCの値は実質的に一定で、ドナー区画の濃度と等しい。従って、放出速度は膜の表面積(A)、厚さ(h)、および拡散率(D)に依存してくる。本発明の粒子の構築において、サイズ(つまりは、表面積)は効果的な薬剤のサイズに主に依存する。
【0035】
従って、浸透率値はQに対する時間をプロットした勾配から得ることができる。透過率Pは拡散係数Dに関連付けられ、
P = (K D)/h
で表される。
【0036】
シールまたは膜として好適な透過性材料の例は米国特許第4,014,335に記載されており、参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる。これらの材料は、制限されるものではないが、架橋ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、またはポリ塩化ビニルまたは架橋ゼラチン、さらに再生した不溶性で非侵食性であるセルロース、アシル化されたセルロース、エステル化されたセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセタートフタラート、セルロースアセテートジエチル−アミノ酢酸、さらにポリウレタン、ポリカーボネートおよびポリカチオンおよびポリアニオン改変不溶性コラーゲンの共沈殿により形成されたマイクロポーラスポリマーを含む。特定の実施形態では、リザーバーシールは、架橋ポリビニールアルコールなどの1つ以上の架橋ポリマーから形成する。
【0037】
粒子の本体は生体適合性を強め特定の場所に粒子を標的する薬剤で改変してもよい。生体適合性を向上するために、例えばシリコンの表面を生体適合性の薬剤、例えばアパタイトなどで被覆してもよい。本明細書で開示した粒子の使用に適した他の例示的なシリコン改変は米国特許第6,666,214に掲載され、参照によりその全体が本明細書中に組み入れられる。
【0038】
特定の実施形態では、粒子の本体は標的部分を含む。特定の実施形態では、1つ以上の標的部分は共有または非共有力を介して粒子の表面に結合する。モニターする特定の状態または部位をベースにして特定の標的部位への粒子の局所化に役立つ標的部分を選択してもよい。さらに、標的部位は多数の異なる化学物質を含んでもよい。1つの実施形態では、標的部位は低分子である。標的部位として使用に適している本発明の分子は、ハプテン、エピトープ、あるいはdsDNAフラグメントおよびアナログとそれらの誘導体を含む。そのような部位は(ハプテンおよびエピトープに対する)模倣物、および(dsDNAフラグメントに対する)ジンクフィンガータンパク質を含有して、抗体、それらのフラグメントまたはアナログに特異的に結合する。受容体仲介エンドサイトーシスおよび有用な標的部位を開始させる思われている栄養素は、ビオチン、葉酸、リボフラビン、カルニチン、イノシトール、リポ酸、ナイアシン、パントテン酸、チアミン、ピリドキサール、アスコルビン酸、および脂溶性ビタミンA,D,E、およびKを含む。低分子標的部位の別の例示的タイプは、コレステロール、およびエストラジオール、テストステロン等のステロイドホルモンなどのステロイド脂質を含む。
【0039】
別の実施形態では、標的部位はタンパク質を含む。タンパク質の特定の種類は標的部位または標的細胞の周知の特徴に基づいて選択してもよい。例えば、プローブは対応する抗原が標的部位に提示されているモノクローナルかポリクローナルのいずれかの抗体であってよい。特定の受容体が標的細胞により発現している状態では、標的部位はタンパク質またはこの受容体に結合することができる疑似ペプチドリガンドを含んでもよい。公知の細胞表面受容体のタンパク質リガンドは低密度リポタンパク質、トランスフェリン、インシュリン、線溶系酵素、抗HER2、アネキシンなどの血小板結合タンパク質、および生物学的反応修飾薬(インターロイキン、インターフェロン、エリスロポエチンおよびコロニー刺激因子)を含む。ヒトの腫瘍関連抗原に特異的であるモノクローナル抗体を含有して、細胞の特異タイプに結合する多数のモノクローナル抗体が開発されてきた。使用することができる多くのそのようなモノクローナル抗体の中は、抗Tac、または他のインターローキンー2受容体抗体、250キロダルトンのヒトメラノーマ関連プロテオグリカンと反応性がある9.2.27及びNR−ML−05、膵臓癌腫糖タンパク質と反応性があるNR−LU−10がある。本発明で用いられる抗体は無傷の(全)分子、そのフラグメント、またはその機能性等価物であってよい。抗体フラグメントの例は従来の方法によりまたは遺伝子もしくはタンパク質工学を利用して作製できる’’F(ab‘)2、Fab’、FabおよびFvフラグメントである。
【0040】
他の好ましい標的部位は標的特異的受容体により認識される糖(グルコース、フコース、ガラクトース、マンノース)を含む。例えば、薬物溶出粒子はマンノース残基(フリー窒素にC−グリコシドとして付いている)で改変でき、マンノース受容体(例えば膠芽腫および神経節細胞腫)を発現する腫瘍により強い親和性結合を有する標的粒子、およびマンノース受容体を発現すると知られているバクテリア(Bertozzi,
C R and M D Bednarski Carbohydrate Research 223:243 (1992); J. Am. Chem. Soc.
114:2242,5543 (1992))、ならびに潜在的に別である感染因子を得る。悪性細胞および血液細胞(例えば、A、AB、B等)などの特定の細胞は対応するレクチンが標的部位として働く特定の炭水化物を提示する。
【0041】
特定の実施形態では、粒子が患者体内で部分的にあるいは完全に生分解性である。例えば、粒子の有効寿命が終わった後、粒子が非侵害性の副生成物に完全に分解する生分解性ポリマー、多孔質シリコンおよび治療薬を含んでもよい。別の例示的な実施形態では、粒子が生分解性および非生分解性の材料を含んでもよい。そのような実施形態では、非生分解性成分は薬物放出後に本体から除去する必要がある。
【0042】
特定の実施形態では、粒子は時間単位、日単位、週単位、月単位の寿命を有する。本明細書に定義する用語の寿命は生物学的環境に例えば、インビボまたはインビトロで粒子が導入されてから粒子が完全に生物分解されるまでの期間を言う。例示的な実施形態では、粒子は4時間から24時間、約5時間、約10時間、約15時間、約20時間、約1日、または2日から2週間、約2日、約5日、約10日、または2週間以上、約15日以上、または約20日などの時間単位、日単位で完全に分解する。特定の実施形態では、粒子は約3週間、約1カ月、約2カ月、約3カ月、約6カ月、約9カ月、約1年、約2年または約3年なのど数週間または数カ月の期間で分解する。
【0043】
また、シリコンウエハを提供すること、エッチマスクとして使用するウエハ上に蒸着およびパターニングすること、ウエハ上に複数のリザーバーをエッチングすること、シリコン基材に細孔を導入すること、リザーバーを治療薬または診断薬を含有する薬物コアに充填すること、およびリザーバーを薬剤に透過であるシールで被覆することを含む薬剤放出に関する薬物溶出粒子の製造方法を本発明は提示する。特定の実施形態では、さらに本方法は多くの個別の粒子にする。例えば、それぞれが1つのリザーバーを含有しているウエハの制御下分割を含む。
【0044】
本発明の方法は薬剤の徐放のために多孔質シリコン粒子を製造する方法を含む。例示的な実施形態では、そのようなプロセスは微細加工されたシリコンおよび特にマイクロ電気機械システム(MEMS)についての技術分野で公知の標準的な方法により電子産業用シリコンなどのバルクシリコンウエハを改変して開始してもよい。例示的な実施形態では、直径が75から350mmで厚みが0.05から2.0mmのシリコンウエハを粒子のアレイを生産するのに使用してもよい。特定の実施形態では、ウエハの直径は150mm、200mmまたは300mmである。特定の実施形態では、ウエハは抵抗率が高度に0.1から0.001ohm cmの範囲であるp−型ウエハである。
【0045】
特定の実施形態では、上述したようにシリコンウエハはリザーバーを生産するためにウエハの一面側にエッチングを実施する。シリコンをエッチングするための好適な方法、例えば、湿式または乾式エッチングでエッチングした後でリザーバーのアレイを作るためにマスクを使用してウエハをパターニングして実現できる。ウエハにパターニングするのに光を用いて幾何学的文様をウエハ上のフォトマスクから光感受性化学物質(ホトレジスト、または単に「レジスト」))まで移動するフォトリソグラフィーを使用してもよい。フォトリソグラフィーからの露出パターンを化学処理されたフォトレジストの下で材料に刻印する。特定の実施形態では、本プロセスはほぼ円筒の形をしたシリコンウエハにリザーバーを作製し、約320μm、約300μm、約280μm、約260μm、約250μm、約240μm、約220μm、約200μm、約180μm、約160μm、または約140μmなどの約300μmから約120μmまでの直径を有する。特定の実施形態では、リザーバーは約500μm、約525μm、約550μm、約575μm、約600μm、約625μm、約650μm、約675μm、約700μm、約725μm、約750μm、約775μm、約800μm、約825μm、約850μm、約875μm、または約900などの約500μmから約1mmの深さを有する。
【0046】
リザーバーは円筒、方形ボックス、ピラミッド形などの幾何的または非結晶形状のリザーバーの形状であってもよい。非円筒型リザーバーの直径ではリザーバーの最も幅広の部分の計測を言う。
【0047】
特定の実施形態では、多孔化シリコンを作製するための当技術分野で周知の方法でエッチングされたシリコンウエハを多孔化する。特定の実施形態では、シリコンウエハを陽極酸化セルを通して多孔化してもよい。例示的な実施形態では、白金の陰極およびシリコンウエハをフッ化水素(HF)電解質に浸漬する。アノードの腐食をセルに電流を流して生成する。特定の実施形態では、直流で行う。特定の実施形態では、シリコンウエハをフッ化水素、硝酸および水を用いてステインエッチングを通して多孔化してもよい。電流密度の増大、HF濃度の減少、および厚めのシリコン層の採用で処理中にシリコンの空隙率を増大させることができる。特定の実施形態では、細孔をシリコン本体に導入直前または工程の前ステップ、またはさらに前でウエハ上に複数のリザーバーをエッチングを行う。特定の代替的な実施形態では、ウエハ上に複数のリザーバーをエッチング直前または工程の前ステップ、またはさらに前で細孔をシリコンウエハに導入する。
【0048】
エッチングした多孔質シリコンウエハの表面を所望の特徴を出すように改変してもよい。熱酸化または化学的酸化剤などにより表面を制御された酸化処理で酸化してもよい。特定の実施形態では、エッチングした多孔質シリコンウエハを薬剤に非透過性であるコーティングで被覆する。そのような実施形態では、リザーバーの薬物コアでの充填直前または工程の前ステップ、またはさらに前で薬剤に非透過性であるコーティングによるエッチングした多孔質シリコンウエハを被覆する。特定の実施形態では、膜は生分解性ポリマーである。
【0049】
特定の実施形態では、多孔質シリコンウエハをマイクロマシニングの技術分野で公知の方法で治療薬または診断薬を含有する薬物コアで充填してもよい。リザーバーを充填する方法は、制限されるものではないが、溶液法またはインキジェット印刷およびミクロ注入法などの毛細管力を活用する方法を含む。別の実施形態では、リザーバーのアレイに合うように、かつ、各ノズルから大量の並列注入がマイクロマシン化したリザーバーに向くようにマイクロ注入器のアレイを設計し、揃える。
【0050】
次に、例えば、個別のシールが各開口部に配置されている多重個別シール、1つのシールが複数の開口部を被覆している透過性シールなどの薬剤透過性シール、または膜が粒子の表面の一部または全部を被覆している膜で充填したリザーバーを被覆する。特定の実施形態では、多孔質シリコン本体の表面の一部を、つまり多孔質シリコン本体の表面の10%以上、15%以上、20%以上、30%以上、または40%以上などを被覆する薬剤透過性膜でリザーバーの開口部を被覆する。特定の実施形態では、充填されたリザーバーを、例えば高分子材料を蒸着させる標準的技術などの当該技術分野で公知の方法で被覆してもよい。数ナノメートルから約100ナノメートルまでの厚さである材料の蒸着薄膜の方法は、制限されるものではないが、スプレーコーティング、浸漬、電気メッキ、スパッタリング蒸着、物理蒸着(PVD)および化学蒸着(CVD)を含む。特定の実施形態では、薬剤透過性シールは1つ以上のポリマーを含む。
【0051】
例えば制御下分割により、リザーバーのアレイ、例えばウエハを例えば1つのリザーバーを含有する多くの個別の粒子に細分してもよい。この細分化を促進するには、アレイのリザーバーの間に1つ以上の浅溝構造の形成、あるいは本発明の個々の粒子を定義する配列に切り目を入れることを含有させるためにマイクロマシニング処理を改変してもよい。次に、アレイの制御下分割を浅溝構造に沿って誘導してもよい。また、リザーバーのアレイを高精密ダイシングマシンを用いて裁断してもよい。アレイを個々の粒子に細分するには言及した方法かその他の好適の方法を用いて、得られた個々の粒子がそれぞれ1つ以上のリザーバーを有してもよいことが十分に理解されるであろう。特定の実施形態では、リザーバーのアレイを1リザーバー、2リザーバー、3リザーバー、4リザーバー、5リザーバー、6リザーバー、7リザーバー、8リザーバー、9リザーバー、または10リザーバーなどのそれぞれが同じ数のリザーバーを含有する個別の粒子に破砕する。別の実施形態では、アレイを各粒子が1から10リザーバーを含有する個別の粒子に破砕する。1つ以上のリザーバーを含有する粒子では、粒子の異なるリザーバーは異なる治療薬または診断薬を放出する異なる薬物コアを含んでもよく、または、粒子からの拡散について各リザーバーは同じ治療薬または診断薬を含んでもよい。
【0052】
本発明の粒子の製造方法に関する上述は単なる例示であり、種々の組成物が当業者には周知であるので、いずれにせよ本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。特に、治療薬の同定、多孔質シリコンの特徴および選択されたポリマーに対処するために粒子の製造方法は変わってもよい。工程のステップ順番は本発明の粒子を取得して適切に交換してもよい。
【0053】
本発明の方法は本発明の粒子を患者に投与することを含む。特定の実施形態では、本発明は例えば患者に治療薬または診断薬を制御して持続的に投与する薬剤送達方法を提供する。本明細書において、用語の投与するは位置をきめる、挿入する、注入する、移植する、または患者に粒子を露出するその他の方法を意味する。有効量、薬剤の物理的相、薬剤の種類および投与の好ましい部位を含有した種々の因子に基づいて投与経路を選択してもよい。所望の局所または全身での生理的または薬理的効果を得るため、例えば哺乳類などの患者への治療方法は患者への本発明の徐放薬物送達粒子の投与、さらには薬剤を粒子から溶出させて患者の細胞または組織との直接接触を含む。
【0054】
当該技術分野で公知のいかなる投与経路からでも本発明の薬物送達粒子を患者へ投与してもよい。そのような投与経路は脳へは頭蓋内および硬膜内を含有して眼内、経口、皮下、筋肉内、腹腔内、鼻、経皮の経路を含み、関節へは足首、膝、腰、肩、肘、手への経路を含み、直接に腫瘍等への経路を含む。特定の実施形態では、2個以上の粒子、数十の粒子、または数百の粒子などの1つ以上の粒子を1回で投与してもよい。
【0055】
目の硝子体へ直接移植および眼内レンズへの適用に本発明の薬物送達系は特に好適である。
【0056】
局所薬物送達については、注射器または外科的移植などにより作用部位またはその近傍に粒子を挿入してもよい。特定の実施形態では、眼症状、原発性腫瘍、リウマチ性および関節炎症状、ならびに慢性疼痛の治療に本発明の粒子を局所薬物送達のために使用する。
【0057】
全身性の緩和には、頚部皮下、筋肉内、動脈内、髄腔内または腹腔内に粒子を移植してもよい。特定の実施形態では、本発明の粒子を全身濃度を維持して提供し、未熟な代謝を避けるのに使用する。加えて、そのような粒子は経口投与してもよい。
【0058】
特定の実施形態では、治療薬は数時間から数日にわたって本発明の粒子から放出する。特定の実施形態では、治療薬は少なくとも約1時間、約2時間、約3時間、約5時間、約10時間、約15時間、約20時間、約1日、約2日、約5日、約10日、約15日、または少なくとも約20日にわたって本発明の粒子から放出される。特定の実施形態では、薬剤は、約1週間、約2週間、約4週間、約6週間、約8週間、約3カ月、約4カ月、約6カ月、約9カ月または約1年などの数週間、数カ月または数年にわたって本発明の粒子から放出される。
【0059】
本発明の1つの実施形態では、眼球の新生血管形成を減少または予防する治療的有効量で効果的な薬剤としてフルオシノロン−アセトニドを含有する眼球の粒子を調製してもよい。目の硝子体へ手術によって移植した場合には、そのような粒子を望ましくない眼球の新生血管形成、浮腫、または炎症に対して効果的に戦いかつ阻害するために使用してもよい。そのような粒子は治療後に生物分解するまで硝子体に存在することがある。この粒子に使用されるフルオシノロン−アセトニドの好ましい量は約0.01mgから約15mgの範囲である。より好ましくは、そのような粒子は約0.1mgから約6mgまでの量のフルオシノロン−アセトニドを含む。この範囲でのフルオシノロン−アセトニドの徐放が数時間から何日もの期間にわたって行われる。本発明に従って好ましい透過性シールを好ましくは架橋であるポリビニールアルコールで形成する。
【0060】
(実施例)
リザーバーの製造
バルクシリコンウエハのリザーバーを一般的な微細加工されたシリコンおよび特にマイクロ電気機械システム(MEMS)についての技術分野で公知の標準的な方法により製造する。そのような処理技術は VLSI
Technology by S.M. Sze pp 676 2nd Edition (McGraw Hill 1988) and An
Introduction to Microelectromechanical Systems Engineering pp 265 (Artech House
Inc. 2000)などの出版物に記載されている。図5は種々の直径のウエルを産生するように微細加工した電子産業用シリコンのプレートを示す。
【0061】
シリコンウエハは直径が150mm、200mmまたは300mmなどで直径範囲は75から350mmである。それらは抵抗率が高度に0.1から0.001ohm cmの範囲であるp−型ウエハであってもよい。蒸着したあと、電気的絶縁材料をウエハの最も研磨した面のフォトリソグラフィーパターン化で製造を開始する。この材料はエッチマスクとして働き、典型的には窒化シリコン、シリコン酸化物、または特定のポリマーである。
【0062】
円筒型リザーバーのアレイを作るために適切なパターンをUVフォトリソグラフィーでマスク材料(PECVDで蒸着した厚さ0.3から0.5ミクロンの非結晶窒化シリコン)に移し、次に、例えばフッ化水素を主にした溶液中でエッチングする。次に、パターン化されたオーバーレイは露出シリコン面に対して続けて行うエッチング用のエッチマスクとして働く。これを湿式または乾式エッチング技術を用いて実施する。湿式エッチングの一例は80から85℃で濃縮したKOH(30−40重量%)である。乾式エッチングの例は反応性イオンエッチング(RIE)またはイオン ビームエッチング(IBE)である。方向性エッチング技術を使用することで処理ウエハ当たり数百から数千のリザーバーを実現することができる。好ましい実施形態では、厚さが0.725mmで直径が200mmのウエハを加工することで、内径が250ミクロンで長さが725ミクロンの大きさの円筒型リザーバーのアレイを得る。ウエハを単一または複数の粒子状であるリザーバー粒子に続けてダイシングに対して十分な機械的強度を与えるためにウエハ中のリザーバーの立体配置および間隔は変わる。
【0063】
リザーバー壁の多孔質化
電気絶縁およびHF抵抗性材料をリザーバーアレイに含浸させてマクロポーラス膜状のマイクロマシン化したウエハを平坦化する。次に、残存するシリコン(リザーバーウエル)をメソポーラス形状に変換するために、平坦化したウエハは好適な電気化学的細胞中で拡張電気化学的エッチング(「陽極酸化」)を受けさせる。この工程は十分に研究されており、例えばHalimaoui
in Properties of Porous Silicon pp 405 (IEE 1997 Edited by L.T. Canham)に概説されている。シリコンがHFを主とする溶液中で陽極にバイアスしている場合に、メソポーラスシリコンが形成されることが知られている。マイクロマシン化したリザーバー容量への電解質流れを一時的充填で防止する。残存するシリコンを通して、これにより全ての流れがウエハの表面に対して垂直に流れる。
【0064】
典型的には、パターン化されたウエハを直接通して多孔化させるにはフッ化水素およびサーファクタントを含有する電解液中で2時間から5時間の間5から500mA/cmの範囲での電流密度が求められ、最適なエッチング条件はウエハの事前パターニングおよびエッチングしたアレイ設計に依存する。十分に多孔化したら、平坦化薬剤をメソポーラスシリコンを溶解しない溶媒で除去する。
【0065】
リザーバー壁の部分的な安定化
HFエッチングしたメソポーラス膜はシリコンハイドライド界面化学を有する。これは制御された酸化処理でシリコン酸化物表面に変換される。これは700℃で30分間などの10分から5時間にわたって空気中で500℃から800℃で行う熱酸化であってよい。別法では、酸化性ガス状雰囲気の使用または水、過酸化水素、アミン類またはオゾンなどの化学的酸化剤であってもよい。
【0066】
リザーバーに装填される薬物
従来の医薬技術か新規のミクロ法でリザーバーアレイを薬物で充填することができる。前者の例は溶液法またはインキジェット印刷およびミクロ注入法などの毛細管力を活用する方法を含む。後者の場合は、リザーバーの設計に合うように、かつ、マイクロマシン化したリザーバー当たり1つのノズルから大量の並列注入するようにマイクロ注入器のアレイを設計し、揃える。
【0067】
マイクロカプセルの分離
上述のマイクロマシニング処理はウエハのマイクロカプセルが制御破壊で多くの個別の粒子に破砕される場所を定義し促進する浅溝構造エッチングのステップを含むことができる。別法では、例えば、標準的な高精度の自動ダイシングマシンでウエハをマイクロカプセルに切ることができる。
【0068】
放出の研究
分離したアレイを37℃のリン酸緩衝液(pH7.4)中に浸漬する。試料を定期的に取り、新しい緩衝液に取り換え、かつ、薬物放出速度は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定する。放出速度を非分解性(ポリイミド)のチューブか生分解性(ポリ−L−乳酸)形状のいずれかで作製されるIluvien形式の粒子由来と比較する(図6および図8)。拡散細孔の単位表面積当たりの放出速度をプロットしてみると線形を示すことが分かった(図7)。
【0069】
引用による組み込み
本明細書中に挙げられている全ての刊行物および特許を、それぞれの刊行物または特許が参照により本明細書に組み入れられると具体的かつ個別に示されているかのように、全体が参照により本明細書に組み入れるものとする。矛盾する場合には、本出願が定義を含めて、支配するものとする。
【0070】
等価
当該技術分野の当業者は、本明細書に記載する発明の特別な態様の多くの等価を認識し、或いは単にルーチンの実験により等価物を確認できる。このような等価物は、特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
【図1a】

【図1b】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質シリコン本体と、
前記本体の外部に少なくとも1つの開口部を有する前記多孔質シリコン本体内に形成したリザーバーと、
治療薬または診断薬を含有するリザーバー内の薬物コアと、
前記少なくとも1つの開口部に配置された薬剤透過性シールと、を含む生分解性薬物溶出粒子。
【請求項2】
前記薬剤透過性シールは前記薬剤の徐放を行う、請求項1に記載の粒子。
【請求項3】
前記粒子が前記本体の外部に少なくとも2つの開口部および少なくとも2つの開口部に配置された薬剤透過性シールを有する請求項1または請求項2に記載の粒子。
【請求項4】
前記粒子が前記本体の外部に複数の開口部および前記複数の開口部のそれぞれを被覆する1つ以上の薬剤透過性シールを有する請求項3に記載の粒子。
【請求項5】
前記粒子の少なくとも1つの寸法が1mm未満である、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の粒子。
【請求項6】
前記粒子の少なくとも1つの寸法が20から600ミクロンである、請求項5に記載の粒子。
【請求項7】
前記粒子の少なくとも1つの寸法が100から500ミクロンである、請求項6に記載の粒子。
【請求項8】
前記本体の前記多孔質シリコンがマクロポーラスシリコンである、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の粒子。
【請求項9】
前記本体の前記多孔質シリコンがメソポーラスシリコンである、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の粒子。
【請求項10】
前記本体の前記多孔質シリコンがマイクロポーラスシリコンである、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の粒子。
【請求項11】
前記本体の前記多孔質シリコンが前記治療薬または診断薬の経路に対して本質的に非透過性である、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の粒子。
【請求項12】
前記多孔質シリコン本体が20%から70%の空隙率を有する、請求項1ないし請求項11に記載の粒子。
【請求項13】
前記薬物コアが0.01から50mgの前記薬剤を含有する、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の粒子。
【請求項14】
前記薬物コアが0.05から20mgの前記薬剤を含有する、請求項13に記載の粒子。
【請求項15】
前記薬物コアが治療薬を含有する、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の粒子。
【請求項16】
前記治療薬が眼症状の治療用または予防用である、請求項15に記載の粒子。
【請求項17】
前記治療剤がフルオシノロン−アセトニドである、請求項16に記載の粒子。
【請求項18】
前記薬物コアが診断薬を含有する、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の粒子。
【請求項19】
前記診断薬が眼科用である、請求項18に記載の粒子。
【請求項20】
前記薬物コアがポリビニールアルコールを含有する、請求項1ないし請求項19のいずれかに記載の粒子。
【請求項21】
前記薬剤透過性シールがポリビニールアルコールを含有する、請求項1ないし請求項20のいずれかに記載の粒子。
【請求項22】
前記粒子が患者体内で部分的に生分解性である、請求項1ないし請求項21のいずれかに記載の粒子。
【請求項23】
前記粒子が患者体内で完全に生分解性である、請求項1ないし請求項21のいずれかに記載の粒子。
【請求項24】
前記粒子が約1カ月の寿命である、請求項1ないし請求項23のいずれかに記載の粒子。
【請求項25】
前記粒子が約1年の寿命である、請求項1ないし請求項23のいずれかに記載の粒子。
【請求項26】
シリコンウエハを提供することと、エッチマスクとして使用するウエハ上に蒸着およびパターニングすることと、ウエハ上に複数のリザーバーをエッチングすることと、シリコン基材に細孔を導入することと、リザーバーを治療薬または診断薬を含有する薬物コアで充填することと、リザーバーを1つ以上の薬剤透過性シールで被覆することと、を包含する生分解性多孔質シリコン粒子の製造方法。
【請求項27】
前記シリコンウエハに細孔を導入する前にウエハ上に複数のリザーバーをエッチング行う、請求項26に記載の粒子。
【請求項28】
前記ウエハ上に複数のリザーバーをエッチングする前に前記シリコンウエハに細孔を導入する、請求項26に記載の粒子。
【請求項29】
前記薬剤透過性シールがポリマーを含有する、請求項26ないし請求項28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
さらに制御下分割により前記ウエハを多くの個別の粒子に細分する、請求項26ないし請求項29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
患者へ請求項1ないし請求項25のいずれかに記載の徐放薬物送達粒子を投与することを含有し、かつ、前記薬剤を前記粒子から溶出させて前記患者の細胞または組織との直接接触させることと、を含む所望の局所または全身での生理的または薬理的効果を得る患者を治療するための方法。
【請求項32】
複数の粒子を投与工程1回で行う、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
粒子を眼内投与する、請求項31に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−526048(P2012−526048A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508826(P2012−508826)
【出願日】平成22年5月4日(2010.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/033541
【国際公開番号】WO2010/129545
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(511258374)サイヴィーダ ユーエス,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】