説明

多層チューブ製造用のチューブ製造装置における個々のストリップにパーフォレーション穴を開ける装置

本発明は、複数のストリップ(1)に対して、横方向にパーフォレーション穴を開ける装置に関する。該装置は、周りを複数のブレード(4)が回転する複数の回転シャフト(2)と、複数の嵌合する圧延ロール(7)とを備える。パーフォレーション処理されるストリップ(11)は、それぞれ一つのブレードと、それぞれ一つの嵌合する圧延ロール(7)との間を移動する。これらの嵌合圧延ロール(7)は、支持部材(6、17)の上に配置され、ブレード(4)の回転シャフト(2)を取付けるマシンマウント(1)に対して可動である。この支持部材(6、17)により、嵌合圧延ロール(7)と、ブレード(4)の回転シャフト(2)との間の距離を、全ての嵌合圧延ロール(7)に対して、同一の値で同時に調節することができる。本発明は、嵌合圧延ロール(7)のシャフトと、ブレード(4)が周りを回転する回転シャフト(2)とを結ぶ線と実質的に平行に支持部材(17)がずれても良いことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載されているように、複数のストリップに対して、横方向にパーフォレーション穴を開ける装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ストリップ状の材料から袋を作るためには、ストリップ状の材料からチューブを作ることが必要である。このチューブは、しばしば、エンドレス・チューブを分けて個々のチューブを作るため、チューブができてから横方向にパーフォレーション穴が付けられる。分けられたチューブには、しばしば、次の機械内、例えば、いわゆる底付け装置で、片端あるいは両端に袋の底が作られる。
【0003】
しかし、各種応用のためには、壁が様々な層で構成された袋が必要である。そこで、例えば、しばしば、薄いプラスチック・フィルムで作られ、内側の湿気を通さない層が、輸送材によって生じる力を受け止める紙の層に囲まれることが考えられる。しかし、それによって、底付け装置内では、これらの素材のそれぞれが、互いに溶けて付くか、或いは、互いに貼り付いてしまうおそれがあり、チューブを部分に分けるのに役立つパーフォレーション穴は、個々の材料ストリップに対して、個々の材料ストリップが、それぞれ他の材料ストリップと合同でないように付けられる必要がある。このようなずれたパーフォレーション穴は、階段カット・パーフォレーション穴と呼ばれ、チューブが作られる前にのみ、個々の材料ストリップに設けられることが可能である。
【0004】
階段パーフォレーション穴を設ける装置が知られている。この装置は、パーフォレーション処理される各ストリップ用に、軸の周りを回転する鋸歯形ブレードと、パーフォレーション処理されるストリップが上を移動し、その溝内にブレードの歯が潜れるようになった嵌合圧延ロールとで構成される。長さの異なるチューブを作れるように、ブレードが周りを回転する軸と、ブレードとの間の距離は可変である。したがって、ブレードが周りを回転する軸と嵌合圧延ロールとの距離も変える必要がある。この嵌合圧延ロールは、パーフォレーション工程用の背圧を準備する。通常、嵌合圧延ロールは、パーフォレーション処理時に、ブレードを傷つけずにブレードにストリップを刺し通させる。この目的のために、特に、溝あるいはブラシ・ローラが使われる。全てのストリップで、2つの横方向パーフォレーション穴の間隔を常に同じに保つため、嵌合圧延ロールを一緒に動かせるのが普通である。この目的のために、全ての嵌合圧延ロールは、周りをブレードが回転するシャフトを収めるマシンマウントに対し、相対的に動ける支持部材上に収められる。
【0005】
すでに知られているこの種の装置では、支持部材に接して回転できる形で、リンク(連結棒)の一方の端が収められている。リンク(連結棒)の他方の端は、回転できる形で、マシンマウント内に収められており、したがって、支持部材にとって、平行四辺形リンク機構ができる。支持部材をずらすために、ここに、もうひとつのレバーが付けられており、駆動装置はこのレバーに作用する。この駆動装置はマシンマウント内で回転できるように収められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、欠点と考えられるのは、こうした装置には多数の軸受が必要であり、したがって、機構が複雑になる点である。
【0007】
したがって、本発明の課題は、より単純な機構の装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、請求項1に述べた特徴によって解決される。請求項1に記載されている本発明の特徴によれば、支持部材は、基本的に、或る1つの線に沿って、ずらされるようになっており、前記線は、嵌合圧延ロールの軸と、付属するブレードが周りを回転する軸との間を結ぶ線である。
【0009】
本発明の特によく行われる形態では、支持部材とマシンマウントの間に線形の誘導手段が配置され、誘導方向が基本的に嵌合圧延ロールの軸と、ブレードが周りを回る回転シャフトとを結ぶ線に平行である。この方法で、嵌合圧延ロールを、半径方向にブレードの回転シャフト上へ動かすことが可能である。
【0010】
この場合特に有益なのは、支持部材に固定された軌道が誘導手段に含まれ、この軌道がマシンマウントに固定されたガイド内に、ずらされるように収められている。こうした誘導手段は、それほど力を入れずに支持部材の移動を可能にする。複数の軌道とガイドを導入する場合、さらに、台の傾斜がなくなるので、嵌合圧延ロールが全て、ブレード回転シャフトに対し正確に同じ距離を守る。
【0011】
本発明の別の形態では、線形駆動装置が設けられており、これによって、支持部材はマシンマウントに対し相対的に移動できる。この場合、様々な駆動装置、例えば、リニアモータあるいは手動で使われる牽引機構が考えられる。
【0012】
しかし、好まれる施工形態では、線形駆動はモータによって駆動される、スピンドルとスピンドル・ナットの組み合わせを含み、この組み合わせにより、モータの軸の回転運動は、スピンドルを通じてスピンドル・ナットの線運動に換えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態の一つは、図面参照して述べられる以下の具体的説明から理解することができる。
【0014】
図1及び図2は、個々の材料ストリップ(11)にパーフォレーションを開けることのできる装置を示している。マシンマウント(1)には、複数の回転シャフト(2)が収められており、この回転シャフトがブレードの支持部材(3)をのせている。ブレードの支持部材(3)の外側の端にはブレード(4)が固定されている。ブレード(4)の外端間の距離は、ここでは詳述しない機構によって調整することができる。回転シャフト(2)、ブレードの支持部材(3)及びブレード(4)で構成されるユニットが回転を始めると、ブレード(4)の外側の端はカバー輪(5)を超える。
【0015】
上を材料ストリップ(11)が誘導される嵌合圧延ロール(7)間の距離は、カバー輪(5)の直径に合わせる必要がある。これを可能にするため、嵌合圧延ロール(7)は支持部材(6)の中に、回転できる形に収められる。この支持部材(6)に接して回転できる形で、複数のリンク(連結棒)(10)が固定されている。リンク(連結棒)(10)の他方の端は回転できる形で、マシンマウント(1)に収められている。支持部材(6)及びこれとともに嵌合圧延ロール(7)には、平行四辺形状のガイドができる。材料ストリップ(11)のもうひとつのガイド用には、回転できる形でアイドルローラ(9)が使われ、これは、支持部材(6)とつながっているホルダ(8)内に収められている。
【0016】
嵌合圧延ロール(7)とブレード(4)回転シャフト(2)との距離の調整は、回転できる形でマシンマウント(1)とつながっている駆動装置(12)によって行われる。駆動装置(12)には、モータ(13)が含まれており、このモータは、図には描かれていないスピンドル・ナットを回転させる。それによって、スピンドル(14)は駆動装置(12)に対し相対的に移動させられる。スピンドル(14)とレバー(15)が接続されており、レバーも支持部材(6)の中に回転できる形で収められている。
【0017】
図1は、説明された装置を示しており、製造されるチューブの、カットオフが長い場合用である。この場合、スピンドル(14)は繰り出されている。
【0018】
図2は、図1と同じ装置を示しているが、カットオフが短い場合用である。この例では、スピンドル(14)は中に入っている。
【0019】
図3と図4は、材料ストリップ(11)にパーフォレーション穴を開けるための本発明による装置である。回転シャフト(2)と、ブレードのホルダ(3)と、ブレード(4)とで構成されるユニットは、現状技術による装置内と同様、マシンマウント(1)内に、回転できる形で収められている。材料ストリップ(11)は、嵌合圧延ロール(7)及びアイドルローラ(9)の上を導かれる。嵌合圧延ロール(7)とアイドルローラ(9)は、回転できる形で支持部材(17)内に収められている。この支持部材(17)は図に示した輪郭をとることがあり、但し、支持部材はブレード(4)の回転シャフト(2)をやっとこ状に、はさんでいる。この輪郭なら、場所を節約し、したがって、装置をコンパクトに設計できる。
【0020】
支持部材(17)には軌道(18)が固定され、これはマシンマウント(1)に固定されたガイド(19)内に、移動できる形で収められている。軌道(18)とガイド(19)は、嵌合圧延ロール(7)の回転シャフト及びブレード回転シャフト(2)によって決まる直線に平行に位置合わせされている。そこから決まる支持部材(17)の運動方向は、2方向の矢印Aで示した。
【0021】
嵌合圧延ロール(7)とブレード回転シャフト(2)との距離の調整は、マシンマウント(1)に固定され、スピンドル(14)を回転させるモータ(13)によって行われる。このスピンドル(14)は支持部材(17)に固定されたスピンドル・ナット(16)に作用し、支持部材に線運動をさせる。
【0022】
図3は図1と同じ運転状態を示している。図4は図2と同じ運転状態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】現状技術によるパーフォレーション処理用ブレードの回転シャフトに対して嵌合圧延ロールがとる距離を調整する装置を示す側面図であり、距離は長いチューブに合わせてある。
【図2】図1と同じ装置を示す図であり、但し、短いチューブ用の図である。
【図3】現状技術によるパーフォレーション処理用ブレードの回転シャフトに対して嵌合圧延ロールがとる距離を調整する、本発明による装置を示す側面図であり、距離は長いチューブに合わせてある。
【図4】図3と同じ装置を示す図であり、但し、短いチューブ用の図である。
【符号の説明】
【0024】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のストリップ(11)に横方向のパーフォレーション穴を開けるための装置であって、前記装置は、ブレード(4)が、周りを回る複数の回転シャフト(2)と、複数の嵌合圧延ロール(7)とを有しており、各1つのブレード(4)と嵌合圧延ロール(7)との間を、パーフォレーション処理されるストリップ(11)が通過するようになっており、嵌合圧延ロール(7)は、支持部材(6,17)上に、ブレード(4)の回転シャフトが置かれているマシンマウント(1)に対して、移動できる形で配置されており、この支持部材(6,17)を使って、嵌合圧延ロール(7)のブレード(4)回転シャフト(2)との距離が、全ての嵌合圧延ロール(7)に対して、同時に同じ値に調整できるようになっている装置において、
支持部材(17)が、基本的に1つの線に対し平行に移動可能であり、前記線は、嵌合圧延ロール(7)のシャフトと、ブレード(4)が周りを回る回転シャフト(2)とを結ぶ線であることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
線形の誘導手段(18,19)が、支持部材(17)と、マシンマウント(1)との間に配置され、前記誘導手段(18,19)の誘導方向は、基本的に、嵌合圧延ロール(7)と、ブレードが周りを回る回転シャフト(2)を結ぶ線(A)と平行して伸びることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
誘導手段は、支持部材(17)に接して固定された軌道(18)を有し、前記軌道は、マシンマウント(1)に接して固定されたガイド(19)内に、移動できるように収められることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置であって、
線形駆動装置(13,14,15)を備えており、前記線形駆動装置(13,14,15)を使って、支持部材(17)が、マシンマウント(1)に対し相対的に移動できることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、
線形駆動装置がモータ(13)によって駆動されるスピンドル(14)を有し、前記スピンドルは、支持部材(17)に固定されたスピンドル・ナット(16)上に働くことを特徴とする装置。
【請求項6】
複数のストリップ(11)に横方向のパーフォレーション穴を開けるための方法であって、この方法を実施するための装置は、ブレード(4)が周りを回る複数の回転シャフト(2)と、複数の嵌合圧延ロール(7)とを有しており、各1つのブレード(4)と嵌合圧延ロール(7)との間を、パーフォレーション処理されるストリップ(11)が通過するようになっており、嵌合圧延ロール(7)は、支持部材(6,17)上に、ブレード(4)の回転シャフトが置かれているマシンマウント(1)に対して、移動できる形で配置されており、前記支持部材(6,17)を使って、嵌合圧延ロール(7)のブレード(4)回転シャフト(2)との距離が、全ての嵌合圧延ロール(7)に対して同時に同じ値に調整できるようになっている方法において、
支持部材(17)は、基本的に1つの線に対し平行に移動可能であり、前記線は、嵌合圧延ロール(7)のシャフトと、ブレード(4)が周りを回る回転シャフト(2)とを結ぶ線であることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−524580(P2006−524580A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505012(P2006−505012)
【出願日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003637
【国際公開番号】WO2004/096508
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(590002909)ヴィントメーラー ウント ヘルシャー コマンディトゲゼルシャフト (33)
【Fターム(参考)】