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多層フィルムおよび包装体
説明

多層フィルムおよび包装体

【課題】 本発明の目的は、良好な耐ピンホール性を有する多層フィルムおよび包装体を提供することである。
【解決手段】 本発明に係る多層フィルムは、第1樹脂層と、コア層と、第2樹脂層とが、この順に積層されてなる多層フィルムであって、前記第1樹脂層は、第1ベース樹脂層および第1接着層で構成される第1繰り返し積層部が複数以上積層されてなり、前記第2樹脂層は、第2ベース樹脂層および第2接着層で構成される第2繰り返し積層部が複数以上積層されてなることを特徴とする。また、本発明の包装体は、上記に記載の多層フィルムで構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層フィルムおよび包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
食品や医薬品などを包装する包装袋および包装容器において、要求される様々な性能を満足させるために、複合化された多層フィルムが多く用いられる。なお、ここにいう包装袋とは、折り曲げたり重ねたりした多層フィルムの側面をヒートシールした袋状のものである。また、ここにいう包装容器とは、多層フィルムを真空成形または圧空成形により内容物に適した形に成形した底材と、未成形フィルムである蓋材とをヒートシールした容器状のものである。
【0003】
包装袋や包装容器である包装体に用いられる多層フィルムには、耐衝撃性および耐ピンホール性が要求される。耐ピンホール性は、流通過程において振動または落下などで包装体に与えられる外部応力によって、包装体にピンホールが発生することを防ぐために必要である。さらに、液体のような流動性の高いものが充填されることの多いバックインボックスの内袋として包装体が使用される場合、または不定形もしくは鋭利な部分を持つ内容物を包装体で包装する場合、その包装体には、通常よりも高い耐ピンホール性が要求されることが多い。耐ピンホール性を有する多層フィルムとして、各種延伸フィルムまたはポリアミド系樹脂を含む多層フィルムが好適に用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、包装体において、包装する内容物に応じて要求される耐衝撃性および耐ピンホール性は異なる。そのため、重量物などを包装するための包装体に用いられる多層フィルムの中には、JISの分類でシートの区分に属する厚さの範囲のものがある。
【0005】
近年では環境負荷の低減のため、包装体に用いられる多層フィルムの厚さを従来の多層フィルムの厚さよりも薄くすることが望まれている。そのため、多層フィルムの構成を変更することで、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くする試みが多数提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−289399号公報
【特許文献2】特開2008−80509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の厚さの多層フィルムで得られていた性能と同等の性能を維持したまま、多層フィルムの厚さを薄くするには限界があった。
【0008】
本発明の目的は、良好な耐ピンホール性を有する多層フィルムおよび包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的は、下記(1)〜(11)に記載の本発明により達成される。
(1)第1樹脂層と、コア層と、第2樹脂層とが、この順に積層されてなる多層フィルムであって、前記第1樹脂層は、第1ベース樹脂層および第1接着層で構成される第1繰り返し積層部が複数以上積層されてなり、前記第2樹脂層は、第2ベース樹脂層および第2接着層で構成される第2繰り返し積層部が複数以上積層されてなることを特徴とする多層フィルム。
(2)前記第1繰り返し積層部の積層数と、前記第2繰り返し積層部の積層数とが、同じ積層数である上記(1)に記載の多層フィルム。
(3)前記第1繰り返し積層部の積層数は、2部以上、20部以下である上記(1)または(2)に記載の多層フィルム。
(4)前記第2繰り返し積層部の積層数は、2部以上、20部以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の多層フィルム。
(5)前記第1繰り返し積層部の各部の厚さが、それぞれ0.5μm以上、40μm以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の多層フィルム。
(6)前記第2繰り返し積層部の各部の厚さが、それぞれ0.5μm以上、40μm以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の多層フィルム。
(7)前記第1ベース樹脂と、前記第2ベース樹脂とが、同じ樹脂である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の多層フィルム。
(8)前記第1ベース樹脂は、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂およびポリエステル系樹脂の中から選ばれる1つ以上の樹脂である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の多層フィルム。
(9)前記第1樹脂層のコア層の反対側の面には、外層が設けられるものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の多層フィルム。
(10)前記第2樹脂層のコア層と反対側の面には、シール層が設けられるものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の多層フィルム。
(11)上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の多層フィルムで構成されることを特徴とする包装体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、良好な耐ピンホール性を有する多層フィルムおよび包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る多層フィルムの断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る多層フィルムの断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る多層フィルムの断面図である。
【図4】本発明の多層フィルムを備える包装体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を以下に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の多層フィルム100の一例を示す断面図である。
図1に示されるように、本発明の第1実施形態に係る多層フィルム100は、外層1、接着層2、第1樹脂層3、コア層4、第2樹脂層5、接着層6およびシール層7がこの順で配置されている。
第1樹脂層3は、第1繰り返し積層部31が4部積層されている。第1繰り返し積層部31は、第1ベース樹脂層311および第1接着層312で構成されている。
また、第2樹脂層5は、第2繰り返し積層部51が4部積層されている。第2繰り返し積層部51は、第2ベース樹脂層511および第2接着層512で構成されている。
以下、多層フィルム100の各構成について、それぞれ詳しく説明する。
【0013】
<外層>
外層1の材料としては、例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂およびエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH樹脂」という。)が挙げられる。具体的に、食品、飲料または工業用部品などの内容物を包装した後の包装体に、加熱滅菌処理を行う場合、外層1は熱水および高温の蒸気に曝される。そのため、外層1の材料として、耐熱性の高いポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、または融点の高いポリエステル系樹脂、例えば、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂などを用いることが好ましい。
【0014】
外層1の材料のポリプロピレン系樹脂としては、例えば結晶性ポリプロピレン系樹脂などが用いられる。具体的に、結晶性ポリプロピレン系樹脂として、結晶性プロピレン単独重合体、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体、結晶性プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、エチレンおよびα−オレフィンの少なくとも一方とプロピレンとの結晶性ブロック共重合体などが用いられる。上記のα−オレフィンとして、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数4〜10のα−オレフィンが用いられる。なお、これらα−オレフィンは、任意の比率で共重合されてもよい。
【0015】
外層1の材料のポリエステル系樹脂としては、例えば酸成分としてテレフタル酸などの2価の酸、またはエステル形成能を持つそれらの誘導体を用い、グリコール成分として炭素数2〜10のグリコール、その他の2価のアルコールまたはエステル形成能を有するそれらの誘導体などを用いて得られる飽和ポリエステル樹脂などが使用される。具体的に、この飽和ポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラメチレンテレフタレート樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂などのポリアルキレンテレフタレート樹脂などが用いられる。これらポリエステル系樹脂を用いることにより、包装体の見栄えおよび質感の少なくとも一方を向上させることができる。
【0016】
また、ポリエステル系樹脂には、他の成分を共重合させてもよい。共重合させる成分として、公知の酸成分、アルコール成分、フェノール成分、またはエステル形成能を持つこれらの誘導体、ポリアルキレングリコール成分などが用いられる。
【0017】
共重合させる酸成分として、例えば、2価以上の炭素数8〜22の芳香族カルボン酸、2価以上の炭素数4〜12の脂肪族カルボン酸、2価以上の炭素数8〜15の脂環式カルボン酸、およびエステル形成能を有するこれらの誘導体などが用いられる。具体的に、共重合させる酸成分として、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボジフェニル)メタンアントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マレイン酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸およびエステル形成能を有するこれらの誘導体などが用いられる。これらの酸成分は、単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
【0018】
共重合させるアルコール成分およびフェノール成分として、例えば、2価以上の炭素数2〜15の脂肪族アルコール、2価以上の炭素数6〜20の脂環式アルコール、炭素数6〜40の2価以上の芳香族アルコール、2価以上のフェノール、またはエステル形成能を有するこれらの誘導体などが用いられる。具体的に、共重合させるアルコール成分およびフェノール成分として、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ハイドロキノン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の化合物、およびエステル形成能を有するこれらの誘導体などが用いられる。
【0019】
共重合させるポリアルキレングリコール成分として、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらのランダムまたはブロック共重合体、ビスフェノール化合物のアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらのランダムまたはブロック共重合体など)付加物などの変性ポリオキシアルキレングリコール等が用いられる。
【0020】
外層1の材料のポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリカプラミド(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン−6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン−8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン−10,8)、共重合樹脂であるカプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6,6)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−12/6,6)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−2,6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,12)、エチレンアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,10)等といった結晶性ポリアミド、その主骨格がテレフタル酸およびイソフタル酸のうちの少なくとも一方とヘキサメチレンジアミンとが重合したもの、具体的には、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸の重合体、ヘキサメチレンジアミン−テレフタル酸の重合体、ヘキサメチレンジアミン−テレフタル酸−ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸の共重合体などといった非晶性のポリアミド系樹脂が用いられる。これらの樹脂は、単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
【0021】
外層1に用いるEVOH樹脂のエチレン共重合比率は、特に限定されないが、24モル%以上、44モル%以下であることが好ましい。エチレン共重合比率が24モル%以上のEVOH樹脂は、多層フィルム100の容器形状への加工性が良好であり、加熱水または蒸気の影響によって酸素バリア性が低下することを抑制できる。エチレン共重合比率が44モル%以下であるEVOH樹脂は、乾燥状況下における酸素バリア性が良好であり、内容物の変質が起こりにくくなる。
【0022】
外層1の厚さは、特に限定されないが、3μm以上、100μm以下であることが好ましく、5μm以上、85μm以下であることがより好ましく、7μm以上、70μm以下であることがさらに好ましい。外層1の厚さが、前記範囲内であるとき、良好な外観の多層フィルム100を比較的安価で得ることができる。
【0023】
さらに、内容物を包装した後の包装体に低温ボイル処理、例えば60℃以上、95℃以下程度の加熱滅菌処理を行う場合、外層1の材料として、上記と同様に、耐熱性の高いポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、融点の高いポリエステル系樹脂などが用いることが好ましい。
【0024】
また、内容物を包装した後の包装体に加熱滅菌処理を行わない場合、包装体の見栄えおよび手にしたときの質感の少なくとも一方を向上させるために、光沢性や剛性が良好なポリエステル系樹脂、ラベル適性や剛性が良好なEVOH樹脂などが用いることが好ましい。ラベル適性とは、底材の底部に製品名の記載されたラベルが貼られるとき、このラベルが曲面に追従して貼り付け可能であり、かつ、貼り付け時から長時間経過しても剥がれ落ちにくい特性を指す。
【0025】
<接着層2>
接着層2は、外層1と第1樹脂層3(複数の第1繰り返し積層部31)との間の接着強度、多層フィルム100の腰の強さ、耐ピンホール性、柔軟性または成形性などを向上させる。
接着層2の材料としては、公知の接着性樹脂、例えば、接着性ポリオレフィン系樹脂などが用いられる。具体的に、接着層2の材料として、例えば、エチレン−メタクリレート−グリシジルアクリレート三元共重合体、または、各種ポリオレフィンに一塩基性不飽和脂肪酸、二塩基性不飽和脂肪酸、もしくはこれらの無水物をグラフトさせたもの(マレイン酸グラフト化エチレン−酢酸ビニル共重合体、マレイン酸グラフト化エチレン−α−オレフィン共重合体など)などが用いられる。一塩基性不飽和脂肪酸として、アクリル酸、メタクリル酸などが用いられる。二塩基性不飽和脂肪酸として、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが用いられる。
【0026】
接着層2の厚さは、特に限定されないが、2μm以上、50μm以下であることが好ましく、3μm以上、40μm以下であることがより好ましい。接着層2の厚さが、前記範囲内であるとき、良好な接着強度を付与した多層フィルム100を、比較的安価で得ることができる。
【0027】
<第1樹脂層3>
第1実施形態の多層フィルム100で第1樹脂層3は、第1繰り返し積層部31が4部積層されてなり、それぞれの第1繰り返し積層部31は、第1ベース樹脂層311および第1接着層312で構成されている。これにより、耐ピンホール性を向上することができる。
【0028】
第1繰り返し積層部31の積層数は、複数以上であれば、特に限定されないが、2部以上、20部以下であることが好ましく、特に3部以上、15部以下であることがより好ましく、4部以上、10部以下であることが最も好ましい。これにより、多層フィルムの薄膜化と、耐ピンホール性とのバランスを図ることができる。さらに、多層フィルム100の外観にも優れる。
【0029】
第1ベース樹脂層311の各層の厚さは、特に限定されないが、0.05μm以上、20μm以下であることが好ましく、0.1μm以上、19μm以下であることがより好ましく、0.2μm以上、18μm以下であることがさらに好ましい。第1ベース樹脂層311の各層の厚さが、前記範囲内である場合、多層フィルム100は、良好な外観および良好な耐ピンホール性を有し、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くすることができる。
【0030】
第1ベース層311の材料としては、例えばポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。これらの中でも、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂およびポリエステル系樹脂の中から選ばれる1つ以上の樹脂が好ましい。これにより、耐ピンホール性を向上することができる。
【0031】
前記ポリアミド系樹脂としては、例えばナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸とからなるナイロン−6T、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸とからなるナイロン−6I、ノナンジアミンとテレフタル酸とからなるナイロン−9T、メチルペンタジアミンとテレフタル酸とからなるナイロン−M5T、カプロラクタムとラウリルラクタムとからなるナイロン−6,12等が挙げられる。さらに、上記の樹脂と、ナイロン−6、ナイロン−11、およびナイロン−12のうちの少なくとも1種との共重合体が用いられてもよい。これらの樹脂は、単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。また、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンと、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸またはその誘導体との重縮合反応で得られる非晶性芳香族ポリアミド(アモルファスナイロン)を用いても良い。なお、外層1の材料にポリアミド系樹脂が用いられる場合、第1ベース樹脂層311の材料は、外層1と同じポリアミド系樹脂が用いられてもよい。
【0032】
第1接着層312は、第1ベース樹脂層311と他の層とを接着する機能を有する。
第1接着層312の材料としては、例えばエチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体、プロピレンとビニル基含有モノマーとの共重合体、1−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体、2−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。これらの中でもエチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体が好ましい。これにより、良好な外観および耐ピンホール性を有し、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くすることができる。
【0033】
前記エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体としては、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が用いられ、特にランダム共重合体が好ましい。これにより、接着性を向上することができる。
エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体として、具体的には無水マレイン酸グラフト変性直鎖状低密度ポリエチレン(以下、「LLDPE−g−MAH」という。)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA樹脂」という。)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(以下、「EMMA樹脂」という。)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(以下、「EEA樹脂」という。)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(以下、「EMA樹脂」という。)、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(以下、「E−EA−MAH樹脂」という。)、エチレン−アクリル酸共重合体(以下、「EAA樹脂」という。)、エチレン−メタクリル酸共重合体(以下、「EMAA樹脂」という。)、アイオノマー(以下、「ION樹脂」という。)等が挙げられる。EMAA樹脂のメタクリル酸共重合比率は、特に限定されないが、5重量%以上、20重量%以下であることが好ましく、5重量%以上、10重量%以下であることがより好ましく、8重量%以上、10重量%以下であることがさらに好ましく、9重量%であることが最も好ましい。これにより、良好な外観および耐ピンホール性を向上することができる。特に、エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体は、LLDPE−g−MAH、EMAA樹脂およびION樹脂のうちの少なくとも1つであることが好ましい。これにより、良好な耐衝撃性および耐ピンホール性を有することができ、それによって多層フィルム100は、従来の多層フィルムと同等の性能を維持しつつ、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くすることができる。
さらに、第1接着層312がエチレン−ビニルアルコール共重合体である場合、良好な耐衝撃性、耐ピンホール性および酸素バリア性を有し、それによって、多層フィルム100が、従来の多層フィルムと同等の耐衝撃性および耐ピンホール性を維持しつつ、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くすることができることに加えて、酸素バリア性も示すことができる。
なお、ION樹脂は、エチレンと少量のアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体を、酸部分と金属イオンとの塩形成によってイオン橋かけ構造にしたものを指す。
【0034】
第1接着層312の各層の厚さは、特に限定されないが、0.4μm以上、20μm以下であることが好ましく、0.5μm以上、19μm以下であることがより好ましく、0.6μm以上、18μm以下であることがさらに好ましい。第1接着層312の各層の厚さが前記範囲内である場合、多層フィルム100は、良好な外観および良好な耐ピンホール性を有し、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くすることができる。
【0035】
このような第1ベース樹脂層311および第1接着層312で構成される第1繰り返し積層部31の厚さは、それぞれ0.5μm以上、40μm以下であることが好ましく、1μm以上、35μm以下であることが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に耐ピンホール性に優れる。
【0036】
<コア層4>
コア層4は、多層フィルム100の要求される用途に応じて決定される。例えば、多層フィルム100にバリア性が求められる場合には、コア層4としてはバリア層が設けられる。また、120℃を超えるようなレトルト処理が求められる場合には、コア層4としては耐熱バリア層が求められる。
以下、コア層4として、バリア層を用いた場合について具体的に説明する。
【0037】
バリア層としてのコア層4は、例えば酸素バリア性を有する酸素バリア層となる。
このような酸素バリア性を有するコア層4を構成する材料としては、例えばポリビニルアルコール樹脂、EVOH樹脂、塩化ビニリデン樹脂、または、ジアミン成分に芳香環を有するポリアミド系樹脂などが用いられる。これらの中でも、EVOH樹脂が好ましい。これにより、酸素バリア性をより向上することができる。
前記EVOH樹脂のエチレン共重合比率は、特に限定されないが、20モル%以上、50モル%以下であることが好ましく、30モル%以上、40モル%以下であることがより好ましく、30モル%以上、35モル%以下であることがさらに好ましい。エチレン共重合比率が前記範囲内であると、特にバリア性に優れる。
【0038】
コア層4の厚さは、特に限定されないが、1μm以上、30μm以下であることが好ましく、2μm以上、25μm以下であることがより好ましい。コア層4の厚さが、前記範囲内である場合、多層フィルム100は、良好な酸素バリア性を付与することができる。
【0039】
コア層4として、例えばエチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体、プロピレンとビニル基含有モノマーとの共重合体、1−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体、2−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体等を用いても良い。これらの中でもエチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体が好ましい。これにより、良好な柔軟性、耐屈曲性を有し、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くすることができる。
また、コア層4が複数の樹脂の層で形成されているものでも構わない。
【0040】
<第2樹脂層5>
第1実施形態の多層フィルム100で第2樹脂層5は、第2繰り返し積層部51が4層積層されてなり、それぞれの第2繰り返し積層部51は、第2ベース樹脂層511および第2接着層512で構成されている。これにより、耐ピンホール性を向上することができる。
【0041】
第2繰り返し積層部51の積層数は、複数以上であれば、特に限定されないが、2部以上、20部以下であることが好ましく、特に3部以上、15部以下であることがより好ましく、4部以上、10部以下であることが最も好ましい。これにより、多層フィルム100の薄膜化と、耐ピンホール性とのバランスを図ることができる。さらに、多層フィルム100の外観にも優れる。
なお、第1繰り返し積層部31の積層数と第2繰り返し積層部52の積層数は、同じであっても異なっていても構わないが、同じであることが好ましい。これにより、良好な外観および耐ピンホール性を有し、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くすることができる。
【0042】
第2ベース樹脂層511の各層の厚さは、特に限定されないが、0.05μm以上、20μm以下であることが好ましく、0.1μm以上、19μm以下であることがより好ましく、0.2μm以上、18μm以下であることがさらに好ましい。第2ベース樹脂層511の各層の厚さが、前記範囲内である場合、多層フィルム100は、良好な外観および良好な耐ピンホール性を有し、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くすることができる。
【0043】
第2ベース層511の材料としては、上述した第1ベース樹脂層311と同じものであっても異なっていても良いが、同じものを用いることが好ましい。これにより、多層フィルム100の裏表面での耐ピンホール性に優れる。
具体的には、第1ベース樹脂311の材料と同じく、例えばポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。これらの中でも、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂およびポリエステル系樹脂の中から選ばれる1つ以上の樹脂が好ましい。これにより、耐ピンホール性を向上することができる。
【0044】
第2接着層512は、第2ベース樹脂層511と他の層とを接着する機能を有する。
第2接着層512の材料としては、第1接着層312と同じものであっても異なっていても良いが、同じものを用いることが好ましい。これにより、多層フィルム100の耐ピンホール性を向上することができる。
具体的には、エチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体、プロピレンとビニル基含有モノマーとの共重合体、1−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体、2−ブテンとビニル基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。これらの中でもエチレンとビニル基含有モノマーとの共重合体が好ましい。これにより、良好な外観および耐ピンホール性を有し、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くすることができる。
【0045】
第2接着層512の各層の厚さは、特に限定されないが、特に限定されないが、0.4μm以上、20μm以下であることが好ましく、0.5μm以上、19μm以下であることがより好ましく、0.6μm以上、18μm以下であることがさらに好ましい。第2接着層512の各層の厚さが前記範囲内である場合、多層フィルム100は、良好な外観および良好な耐ピンホール性を有し、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くすることができる。
【0046】
このような第2ベース樹脂層511および第2接着層512で構成される第2繰り返し積層部51の厚さは、それぞれ0.5μm以上、40μm以下であることが好ましく、1μm以上、35μm以下であることが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に耐ピンホール性に優れる。
【0047】
第1繰り返し部31の各層の平均厚さと第2繰り返し部51の各層の平均厚さは、同じであっても異なっていても良いが、同じであることが好ましい。これにより、コア層4を挟んで対称的な構造となり、両面の耐ピンホール性を同等にすることができる。
【0048】
また、第1樹脂層3と第2樹脂層5とは、コア層4を挟んで、実質的に対称な構造となることが好ましい。これにより、第1樹脂層3側および第2樹脂層5側のいずれにおいても耐ピンホール性を向上することができ、それによって多層フィルム100の耐ピンホール性をより向上することができる。
【0049】
<接着層6>
接着層6は、後述シール層7と第2樹脂層5との間の接着強度を向上させる。また、多層フィルム100の腰の強さ、耐ピンホール性、柔軟性または成形性などを向上させることもできる。
接着層6の材料としては、上述した接着層2と同じものであっても異なっていても良い。
具体的には、接着性ポリオレフィン系樹脂などが用いられ、エチレン−メタクリレート−グリシジルアクリレート三元共重合体、または、各種ポリオレフィンに一塩基性不飽和脂肪酸、二塩基性不飽和脂肪酸、もしくはこれらの無水物をグラフトさせたもの(マレイン酸グラフト化エチレン−酢酸ビニル共重合体、マレイン酸グラフト化エチレン−α−オレフィン共重合体など)などが用いられる。一塩基性不飽和脂肪酸として、アクリル酸、メタクリル酸などが用いられる。二塩基性不飽和脂肪酸として、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが用いられる。
【0050】
接着層6の厚さは、接着層2の厚さと同じであっても異なっていても構わない。
具体的に、接着層6の厚さは、特に限定されないが、2μm以上、70μm以下であることが好ましく、3μm以上、60μm以下であることがより好ましい。接着層6の厚さが、前記範囲内であるとき、良好な接着強度を付与した多層フィルム100を、比較的安価で得ることができる。
【0051】
<シール層7>
シール層7は、耐内容物性の機能と、シールする相手材とのシール適性の機能とを有している。耐内容物性とは、内容物が薬品や油分を多く含む食品などの場合、この薬品や油分によってシール層7が相手材とのシール適性に係る機能を失わない性質のことを指す。
シール層7の材料としては、例えば低密度ポリエチレン樹脂(以下、「LDPE樹脂」という。)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以下、「LLDPE樹脂」という。)、中密度ポリエチレン樹脂(以下、「MDPE樹脂」という。)、高密度ポリエチレン樹脂(以下、「HDPE樹脂」という。)、ポリプロピレン樹脂(以下、「PP樹脂」という。)、EVA樹脂、EMMA樹脂、EEA樹脂、EMA樹脂、E−EA−MAH樹脂、EAA樹脂、EMAA樹脂、ION樹脂などの樹脂が用いられる。これら樹脂は、単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。特に、シール層7の材料として、透明性およびシール強度などに優れる点で、LLDPE樹脂、およびEVA樹脂が好ましい。
【0052】
シール層7は、イージーピール機能を有することが好ましい。これにより、多層フィルム100を包装体に用いた際に、簡便に開封することができる。イージーピール機能を付与するために、シール層7の材料として、例えば、EMAA樹脂またはEMMA樹脂などのエチレン共重合体10重量部以上、90重量部以下に、PP樹脂10重量部以上、90重量部以下を含有させたものが用いられる。エチレン共重合体を10重量部以上とすることで、シール層7は良好なイージーピール性を有する。エチレン共重合体を90重量部以下とすることで、シール層7のピール強度のばらつきが小さくなる。なお、シール層7は、イージーピール機能を有していなくてもよい。
【0053】
シール層7の厚さは、特に限定されないが、2μm以上、80μm以下であることが好ましく、3μm以上、70μm以下であることがより好ましい。シール層7の厚さが、前記範囲内であるとき、良好な外観の多層フィルム100を比較的安価で得ることができる。
【0054】
このような実施形態とすることにより、第1実施形態における多層フィルム100は、良好な耐ピンホール性を有することが明らかとなった。これにより、この多層フィルム100は、従来の多層フィルムと同等の性能を維持しつつ、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くすることができる。さらには、良好な耐衝撃性を示すこともできる。
このように、従来の多層フィルムと比較して、第1実施形態における多層フィルム100が従来の多層フィルムより厚さを薄くして、かつ良好な耐ピンホール性を有することができる理由は、次のように考えられる。
まず、多層フィルム100の耐ピンホール性を良好にするには、多層フィルム100の耐衝撃性と、耐屈曲性とを向上させることが有効と思われる。多層フィルム100では、例えば外層1側からの衝撃に対しては、第1樹脂層31を構成する複数の第1繰り返し部31の内の最も外層1側にある第1繰り返し部31の衝撃に対する抵抗力、さらにその内側にある第1繰り返し部31の衝撃に対する抵抗力、コア層4の反対側に存在する第2繰り返し部51の衝撃に対する抵抗力および第1繰り返し部31の繰り返し界面での応力分散によって、耐衝撃性の程度が決定される。これらの中でも、特に繰り返し部分の界面での応力分散が、耐衝撃性を向上させるのに有効であると考えられる。したがって、本発明の多層フィルム100は、第1繰り返し積層部31および第2繰り返し積層部51と多くの層を有しているので、耐衝撃性が向上すると考えられる。
また、耐屈曲性に関しては、フィルムの柔軟性が向上するにつれて耐屈曲性は良好になる。したがって、厚い樹脂層を有している多層フィルムよりも、薄い繰り返し部を複数有する本発明の多層フィルム100は、耐屈曲性にも優れると考えられる。
これらの耐衝撃性および耐屈曲性が優れるために、本発明の多層フィルム100は、耐衝撃性および耐ピンホール性を向上することができると考えられる。
【0055】
<第2実施形態>
次に、本発明の多層フィルムの第2実施形態について説明する。
図2は、第2実施形態の多層フィルム100を示す断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、本実施形態において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明した構成部分と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態の多層フィルム100では、コア層4を挟んで第1樹脂層3と第2樹脂層5とが非対称な構造となっている。
第1樹脂層3は、第1実施形態と同様に4層の第1繰り返し積層部31で構成されている。これに対して、第2樹脂層5は、2層の第2繰り返し部51で構成されている。これにより、第1樹脂層3側に耐ピンホール性がより要求される場合には、第1樹脂層3側の耐ピンホール性を維持した状態で、第2樹脂層5の厚さを薄くすることで、全体の厚さを薄くすることができる。
このように、第1樹脂層3および第2樹脂層5の少なくともいずれか一方の繰り返し積層部の積層数を制御することで、要求される耐ピンホール性と多層フィルム100の厚さのバランスを図ることができる。
【0056】
<第3実施形態>
次に、本発明の多層フィルムの第3実施形態について説明する。
図3は、第3実施形態の多層フィルム100を示す断面図である。
以下、第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。なお、本実施形態において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明した構成部分と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第3実施形態の多層フィルム100では、接着層2と第1樹脂層3との間に、厚さの異なる第1繰り返し積層部31’が設けられている。これにより、第1樹脂層3側の耐ピンホール性をより向上させることもできる。
このように、本発明の多層フィルム100は、第1樹脂層3、コア層4および第2樹脂層5以外に、任意の層を設けることができる。
【0057】
本発明の多層フィルム100を構成する各層は、本発明の主旨を損ねない範囲において、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、樹脂改質剤、染料および顔料等着色剤、安定剤などの添加剤、フッ素樹脂、シリコンゴム等の耐衝撃性付与剤、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤を含有しても良い。
【0058】
このように、本が発明の多層フィルムを第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、第1繰り返し積層部31および第2繰り返し積層部の厚さが、それぞれ異なる厚さで、第1樹脂層3および第2樹脂層5が形成されていても良い。
また、第1繰り返し積層部31を構成する第1ベース樹脂層311および第1接着層312の厚さが、それぞれ異なっていても良い。
また、同様に第2繰り返し積層部を構成する第2ベース樹脂層511および第2接着層512の厚さが、それぞれ異なっていても良い。
また、外層1およびシール層7を有さないものであっても良い。
また、コア層4が、第1樹脂層3および第2樹脂層5との間に複数設けられるものであっても良い。
【0059】
<多層フィルムの製造方法>
上述したような多層フィルム100は、例えば接着層2を有する外層1と、第1樹脂層3と、コア層4と、第2樹脂層5と、接着層6を有するシール層7とを別々に製造してから、これらをラミネーター等により接合することで得られる。なお、多層フィルム100は、接着層2を有する外層1と、第1樹脂層3、コア層4、第2樹脂層5と、接着層6を有するシール層7とを空冷式もしくは水冷式共押出インフレーション法、または共押出Tダイ法で製膜することでも得られる。特に、共押出Tダイ法で製膜する方法は、多層フィルム100の厚さの制御および透明性の点から好ましく、適切なフィードブロックとダイを使用することによって製膜することが可能である。
【0060】
<包装体>
次に、包装体について説明する。
図4は、本発明の包装体の一例を示す断面図である。
図4に示される包装体200は、蓋材201と、底材202とで構成される。底材202は、多層フィルム100に凹部(ポケット)203が成形されることにより得られる。凹部203には、食品、飲料または工業用部品などの内容物が収容される。凹部203に内容物が収容された後、蓋材201が底材202にシールされ、底材202の凹部203が密封される。
上述したような多層フィルム100は、包装体200の底材202に用いられる。なお、底材202は、多層フィルム100を外層1が外側、シール層7が内側となるようにして形成される。
【0061】
蓋材201の材料として、例えば2軸延伸したポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)、金属酸化物を蒸着した2軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルム(VM−PETフィルム)およびポリエチレン樹脂を積層したフィルム等が用いられる。
【0062】
また、包装体200の底材202には、上述したように多層フィルム100を用いるので、包装体200は、良好な耐衝撃性および耐ピンホール性を有し、従来の多層フィルムよりも厚さを薄くすることができる。これにより、この包装体200は、使用時においては、良好な耐衝撃性および耐ピンホール性を示し、使用後においては、廃棄物となる多層フィルムの量を削減することができる。さらに、この包装体200は、良好な耐衝撃性および耐ピンホール性により、ピンホール形成による製品(内容物が収容された包装体)の廃棄のおそれを低減することができる。
【0063】
本実施形態では、包装体200の底材202に多層フィルム100を用いたが、これに限定されず、蓋材に用いても、蓋材および底材の両方に多層フィルム100を用いても良い。
【実施例】
【0064】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0065】
(実施例1)
<多層フィルムの製造>
多層フィルム100を得るために、外層1を構成する樹脂としてポリアミド系樹脂(宇部興産株式会社製、商品名:1030B)を準備した。接着層2を構成する樹脂として接着性樹脂(三井化学株式会社製、商品名:NF536)を準備した。第1繰り返し積層部31の第1ベース樹脂層311を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製、商品名:1030B)を、第1接着層312を構成する樹脂として接着性樹脂(三井化学社製、商品名:NF536)を準備した。コア層4を構成する樹脂として、ポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製、商品名:1030B)およびEVOH樹脂(株式会社クラレ製、商品名:J171B)を準備した(コア層4は、ポリアミド樹脂層/EVOH樹脂層/ポリアミド樹脂層で構成)。第2繰り返し積層部51の第2ベース樹脂層511を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製、商品名:1030B)を、第2接着層512を構成する樹脂として接着性樹脂(三井化学社製、商品名:NF536)を準備した。接着層6を構成する樹脂として接着性樹脂(三井化学株式会社製、商品名:NF536)を準備した。シール層7を構成する樹脂としてLLDPE樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、商品名:1520F)を準備した。
【0066】
外層1として前記ポリアミド系樹脂と、第1接着層2として前記接着性樹脂と、第1樹脂層3として第1ベース樹脂層311の前記ポリアミド樹脂および第1接着層312の前記接着性樹脂で構成される第1繰り返し積層部31を4部と、コア層4として前記ポリアミド樹脂、EVOH樹脂およびポリアミド樹脂と、第2樹脂層5として第2ベース樹脂層511の前記ポリアミド樹脂および第2接着層512の前記接着性樹脂で構成される第2繰り返し積層部51を4部と、接着層6として前記接着性樹脂と、シール層7として前記LLDPE樹脂とを、フィードブロックおよびダイを用いて共押出しして、多層フィルム100を作製した。
【0067】
実施例1の多層フィルム100では、第1樹脂層3の第1繰り返し積層部31の総数を4部とし、第2樹脂層5の第2繰り返し積層部51の総数を4部と、コア層4を軸に対称となるように配置した。多層フィルム100の全体の厚さは150μmであり、外層1の厚さは19.5μm、接着層2の厚さは15μm、接着層6の厚さは10.5μm、シール層7の厚さは、16.5μmであった。コア層4の厚さは18.9μm(EVOH層の厚さ9μm、両面のポリアミド層の厚さそれぞれ4.95μm)、第1樹脂層3の合計の厚さは34.8μm、第2樹脂層5の合計の厚さは34.8μmであった。なお、第1繰り返し積層部31の平均の厚さは8.7μm、第2繰り返し積層部51の平均の厚さは8.7μmであった。
【0068】
<包装体の製造>
得られた得た多層フィルムに、深絞り型全自動真空包装機(ムルチバック社製、型番:R530)を用いて、成形温度95℃の条件で、長辺155mm、短辺112mm、絞り深さ65mmの凹部(ポケット)を成形することで、底材を得た。
そして、蓋材201としてOPPフィルム(サン・トックス社製、商品名:PA20、厚さ30μm)と、アルミ蒸着を施した2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(VM−PETフィルム、厚さ12μm)及びLLDPEフィルム(品番ウルトゼックス2022L、(株)プライムポリマー製、厚さ30μm)をドライラミネート法により貼り合せ、上述の凹部を形成した底材とシール温度140℃の条件でシールし、包装体200を得た。
【0069】
(実施例2)
第1繰り返し積層部31および第2繰り返し積層部51の積層数を8部とした以外は、実施例1と同様にした。
多層フィルム100を得るために、外層1を構成する樹脂としてポリアミド系樹脂(宇部興産株式会社製、商品名:1030B)を準備した。接着層2を構成する樹脂として接着性樹脂(三井化学株式会社製、商品名:NF536)を準備した。第1繰り返し積層部31の第1ベース樹脂層311を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製、商品名:1030B)を、第1接着層312を構成する樹脂として接着性樹脂(三井化学社製、商品名:NF536)を準備した。コア層4を構成する樹脂として、ポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製、商品名:1030B)およびEVOH樹脂(株式会社クラレ製、商品名:J171B)を準備した(コア層4は、ポリアミド樹脂層/EVOH樹脂層/ポリアミド樹脂層で構成)。第2繰り返し積層部51の第2ベース樹脂層511を構成する樹脂としてポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製、商品名:1030B)を、第2接着層512を構成する樹脂として接着性樹脂(三井化学社製、商品名:NF536)を準備した。接着層6を構成する樹脂として接着性樹脂(三井化学株式会社製、商品名:NF536)を準備した。シール層7を構成する樹脂としてLLDPE樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、商品名:1520F)を準備した。
【0070】
外層1として前記ポリアミド系樹脂と、第1接着層2として前記接着性樹脂と、第1樹脂層3として第1ベース樹脂層311の前記ポリアミド樹脂および第1接着層312の前記接着性樹脂で構成される第1繰り返し積層部31を8部と、コア層4として前記ポリアミド樹脂、EVOH樹脂およびポリアミド樹脂と、第2樹脂層5として第2ベース樹脂層511の前記ポリアミド樹脂および第2接着層512の前記接着性樹脂で構成される第2繰り返し積層部51を8部と、接着層6として前記接着性樹脂と、シール層7として前記LLDPE樹脂とを、フィードブロックおよびダイを用いて共押出しして、多層フィルム100を作製した。
【0071】
実施例2の多層フィルム100では、第1樹脂層3の第1繰り返し積層部31の総数を8部とし、第2樹脂層5の第2繰り返し積層部51の総数を8部と、コア層4を軸に対称となるように配置した。多層フィルム100の全体の厚さは150μmであり、外層1の厚さは19.5μm、接着層2の厚さは15μm、接着層6の厚さは10.5μm、シール層7の厚さは、16.5μmであった。コア層4の厚さは14.5μm(EVOH層の厚さ9μm、両面のポリアミド層の厚さそれぞれ2.75μm)、第1樹脂層3の合計の厚さは37μm、第2樹脂層5の合計の厚さは37μmであった。なお、第1繰り返し積層部31の平均の厚さは4.625μm、第2繰り返し積層部51の平均の厚さは4.625μmであった。
そして、実施例1と同様の方法で包装体を得た。
【0072】
(比較例1)
繰り返し積層部を有していない多層フィルム(外層/接着層A/中間層A/コア層/中間層B/接着層B/シール層で構成)を用い、各層を以下のようにした。
外層を構成する樹脂としてポリアミド系樹脂(宇部興産株式会社製、商品名:1030B)を準備した。接着層Aを構成する樹脂として接着性樹脂(三井化学株式会社製、商品名:NF536)を準備した。コア層を構成する樹脂として、EVOH樹脂(株式会社クラレ製、商品名:J171B)を準備し、コア層を挟み込む形で、中間層Aおよび中間層Bにおいてポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製、商品名:1030B)を準備した。接着層Bを構成する樹脂として接着性樹脂(三井化学株式会社製、商品名:NF536)を準備した。シール層7を構成する樹脂としてLLDPE樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製、商品名:1520F)を準備した。
【0073】
外層として前記ポリアミド系樹脂と、接着層Aとして前記接着性樹脂と、中間層Aとして前記ポリアミド系樹脂と、コア層4として前記EVOH樹脂と、中間層Bとして前記ポリアミド系樹脂と、接着層Bとして前記接着性樹脂と、シール層として前記LLDPE樹脂とを、フィードブロックおよびダイを用いて共押出しして、多層フィルムを作製した。
【0074】
比較例1の多層フィルム100の全体の厚さは150μmであり、外層の厚さは19.5μm、接着層Aの厚さは45μm、中間層Aの厚さは24.75μm、コア層の厚さは9μm、中間層Bの厚さは24.75μm、接着層Bの厚さは10.5μm、シール層の厚さは16.5μmであった。
そして、実施例1と同様の方法で包装体を得た。
【0075】
各実施例および比較例で得られた多層フィルムおよび包装体について、以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を、表1に示す。
【0076】
<耐衝撃性の評価>
作製した多層フィルムを、幅100mm、長さ100mmにカットしたサンプルを作製した。この作製したサンプルを落錘衝撃試験機(インストロン製)にセットした。そして、φ10mmのストライカーを落下速度2.7m/秒で多層フィルムの外層側およびシーラント側に衝突させた。この試験を20個のサンプルについてそれぞれ行い、フィルム貫通に必要なエネルギー量を算出した。算出には、JISK7124−2に準ずる方法で実施した。以下に貫通エネルギーを算出する式を示す。
まず、破壊時間までに与えられる力積Pを、以下の式で求めた。
【0077】
【数1】

【0078】
次に、破壊までに与えられる貫通エネルギーWを、以下の式で求めた。
【0079】
【数2】

【0080】
<耐屈曲性の評価>
ASTMF392に準拠して、ゲルボフレックステスター(理学工業株式会社製)により、作成した多層フィルムの耐屈曲性に関わる測定を行った。多層フィルムのサンプルを、ゲルボフレックステスターの対向する直径8.8cmの2つの円板に巻き付けて固定した。そして、円筒状になった多層フィルムにひねりを加えることで、屈曲処理を行った。この屈曲処理を温度20℃の条件で2000回、温度5℃の条件で1000回行った。この試験を10枚のサンプルについて行い、各サンプルの発生したピンホールの個数を数えた。そして、サンプル1枚あたりのピンホールの平均発生数を算出した。
【0081】
<バリア性>
JISK7126−2に準拠して、等圧法でオキシトラン(モコン社)にて、作成した多層フィルムの耐酸素透過量に関わる測定を行った。25℃65%RHの条件で、作成した多層フィルムのサンプル10枚について、酸素透過量を測定し、サンプル1枚あたりの平均酸素透過量を算出した。
【0082】
<耐ピンホール性の評価>
包装体のサンプルを、24時間冷凍した後、段ボール箱に詰めた。20℃の条件で、この段ボール箱1mの高さから、段ボールの各面についてそれぞれ5回ずつ、合計30回落下させた。段ボール箱を落下させた後、段ボール箱から包装体を取り出し、底材の目視、および水中において底材から気泡が発生するか否かの観察によって、底材にピンホールが発生したか否かを確認した。この試験を30個のサンプルについて行い、ピンホールが発生したサンプルの個数を調べた。
【0083】
【表1】

【0084】
表1から明らかなように、実施例1および2の多層フィルムは、貫通エネルギーが外層側およびシーラント側のいずれにおいても高かった。
また、実施例1および実施例2の多層フィルムは、耐屈曲性においても優れていた。
また、実施例1および実施例2の包装体は、耐ピンホール性にも優れていた。
さらに、実施例1および実施例2の多層フィルムは、ガスバリア性にも優れていていた。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の多層フィルムは、耐衝撃性および耐ピンホール性が要求される食品、医薬品、工業用部品および電子材料の包装用途などに用いることができる。また、この多層フィルムは、例えば、液体のような流動性の高いものが充填されることの多いバックインボックスの内袋用の包装フィルム、または加工食肉、水産加工品および電子材料の包装として用いられるピロー包装、真空成形包装などの包装フィルムに適用することができる。特に、この多層フィルムは、硬い角を持つコンデンサのような電子部品の包装用フィルム、または骨付き肉、香辛料を多く含む食品および貝殻などの不定形で硬い部分を持つ食品の包装用フィルムとして、好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0086】
1 外層
2 接着層
3 第1樹脂層
31 第1繰り返し部
311 第1ベース樹脂層
312 第1接着層
4 コア層
5 第2樹脂層
51 第2繰り返し部
511 第2ベース樹脂層
512 第2接着層
6 接着層
7 シール層
100 多層フィルム
200 包装体
201 蓋材
202 底材
203 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1樹脂層と、コア層と、第2樹脂層とが、この順に積層されてなる多層フィルムであって、
前記第1樹脂層は、第1ベース樹脂層および第1接着層で構成される第1繰り返し積層部が複数以上積層されてなり、
前記第2樹脂層は、第2ベース樹脂層および第2接着層で構成される第2繰り返し積層部が複数以上積層されてなることを特徴とする多層フィルム。
【請求項2】
前記第1繰り返し積層部の積層数と、前記第2繰り返し積層部の積層数とが、同じ積層数である請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項3】
前記第1繰り返し積層部の積層数は、2部以上、20部以下である請求項1または2に記載の多層フィルム。
【請求項4】
前記第2繰り返し積層部の積層数は、2部以上、20部以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の多層フィルム。
【請求項5】
前記第1繰り返し積層部の各部の厚さが、それぞれ0.5μm以上、40μm以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の多層フィルム。
【請求項6】
前記第2繰り返し積層部の各部の厚さが、それぞれ0.5μm以上、40μm以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の多層フィルム。
【請求項7】
前記第1ベース樹脂と、前記第2ベース樹脂とが、同じ樹脂である請求項1ないし6のいずれかに記載の多層フィルム。
【請求項8】
前記第1ベース樹脂は、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂およびポリエステル系樹脂の中から選ばれる1つ以上の樹脂である請求項1ないし7のいずれかに記載の多層フィルム。
【請求項9】
前記第1樹脂層のコア層の反対側の面には、外層が設けられるものである請求項1ないし8のいずれかに記載の多層フィルム。
【請求項10】
前記第2樹脂層のコア層と反対側の面には、シール層が設けられるものである請求項1ないし9のいずれかに記載の多層フィルム。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の多層フィルムで構成されることを特徴とする包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−111822(P2013−111822A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259268(P2011−259268)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】