説明

多層フィルム

【課題】包装体等を形成した場合に、レトルト処理での層間剥離や破袋がなく、数ヶ月程度の保存を経てもフィルムにしわが発生せず、安定して容易に開封できるフィルムを提供する。
【解決手段】表層A、易剥離層、ガスバリア層、接着層、表層Eの少なくとも5層が順に積層され、以下の条件1〜5を満たす共押出延伸多層フィルム。1.表層Aは、プロピレン単独重合体5〜40wt%とプロピレン系共重合体60〜95wt%からなる。2.易剥離層は、プロピレン系共重合体20〜50wt%とプロピレン系酸変性物50〜80wt%からなる。3.ガスバリア層はポリメタキシリレンアジパミドからなる。4.接着層はプロピレン系酸変性物からなる。5.表層Eは、プロピレン単独重合体20〜50wt%とプロピレン系共重合体50〜80wt%からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共押出延伸多層フィルムに関する。具体的には、レトルト用魚肉ハム・ソーセージ等の加圧熱水殺菌処理を伴なう食品包装体やフィルムケーシングとして使用できる共押出延伸多層フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハム・ソーセージ等の加工品や、チーズ、バター等の乳製品および、ようかん、ゼリー等の菓子類の包装方法として、フィルムを封筒貼りにヒートシールし、筒状に内容物を包装する方法は広く利用されている。ここで、封筒貼りにヒートシールするとは、フィルムで内容物を筒状に一周を少し超えて包んだ際の、その超えた端部を筒状の側面に沿ってもう一方の端部と重ね合わせ、その折り重なる部分の上側のフィルムの下面と下側のフィルムの上面とを熱融着することを指す。ヒートシールされた部分のフィルム端辺のいずれかには、開封性を確保するためにIノッチ、Vノッチや傷痕等の開封手段が設けられていることが多い。また筒状の上底と下底に相当する両端は、金属ワイヤーで結紮されたり、ヒートシールされたりして密封されていることが多い。
【0003】
従来、このような筒状包装体にはポリ塩化ビニリデン系フィルムが使用されてきたが、環境負荷の面から最近は他の材料を求める傾向が見られる。特許文献1には、新たな材料としてポリアミド層の両面にヒートシール性ポリオレフィン層を配した多層フィルムが提案されている。しかし、ポリ塩化ビニリデン系フィルムに比べてフィルムの強度が強いため、包装体の開封性が著しく悪化するという欠点がある。
【0004】
特許文献2には、同様な組成を有するフィルムの開封性を改善すべく、多層フィルムを3層以上の複合フィルムとし、筒状にしたとき外層となる外層フィルムと中間層となる中間層フィルム間の剥離強度を、筒状にしたとき内側となる内層フィルムと中間層フィルム間の剥離強度より小さく設定した複合樹脂フィルムからなる包装体が提案されている。しかし、具体な記載に乏しく、唯一実施例に市販の未延伸ポリプロピレンと市販の延伸ナイロンフィルムをドライラミネーション法で複合樹脂フィルムとした例が記載されているものの、剥離強度の設定が難しく、レトルト処理を行うと層間剥離が生じる問題がある。
【0005】
特許文献3には、少なくともその厚さが5〜50μmであるポリアミド樹脂層(A)および120℃の加熱処理において透明性を保持し、その厚さが5〜100μmであるポリプロピレン系樹脂層(B)からなり、120℃における熱収縮率が5〜30%である熱収縮性多層フィルムが開示され、高温レトルト処理に適したものとして紹介されている。しかし、フィルムの強度が強すぎて、開封性が犠牲となるという問題がある。
【0006】
特許文献4には、同種のポリオレフィン系樹脂からなる両外層、ポリアミド系樹脂からなるガスバリア性中間層の少なくとも3層からなり、50℃における熱収縮応力が縦方向と横方向においてともに2MPa以下、90℃の熱水収縮率が5〜20%である熱収縮性を有する延伸多層フィルムを、両外層でバックシームしてなる延伸多層フィルムケーシングが開示されている。しかし、易開封性を付与するためにシール幅を0.1〜1.5mmと低減する必要があり、これによればシール強度は弱くなるが、開封時に筒状の内側フィルムが残りやすく、内容物が取り出しにくいという問題がある。
【0007】
さらに特許文献5には、ポリオレフィン系樹脂からなる外側層(1)、ポリアミド系樹脂からなる中間層(2)、中間層(2)を介して外側層(1)と対向して配置されたポリオレフィン系樹脂からなるもう一方の外側層(3)の少なくとも3層からなる積層フィルムであって、両外層のいずれかがイージーピール層であり、該積層フィルムを封筒貼り型シールにしたときのシール部のT剥離力(T)が20〜500g/cmの範囲であることを特徴とする熱収縮性積層フィルムが開示されている。しかし、シール強度が弱く、レトルト処理で破袋しやすいという問題がある。
【特許文献1】特開平5−316933号公報
【特許文献2】特開2002−219777号公報
【特許文献3】特開平1−196338号公報
【特許文献4】特開2000−37828公報
【特許文献5】特開2001−009993公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、内容物を包む包装体等を形成した場合に、レトルト処理をしても層間剥離やシール部からの破袋がなく、内容物を保護するという本来の機能を果たしつつ、数ヶ月程度の保存を経てもフィルムにしわが発生せず、しかも安定して容易に包装体等を開封できるフィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明を見出すに至った。すなわち、本発明は下記の通りである。
1.表層(A)、易剥離層(B)、ガスバリア層(C)、接着層(D)、表層(E)の少なくとも5層が前記記載の順で積層されており、さらに以下の条件(1)〜(5)を満たすことを特徴とする共押出延伸多層フィルム。
(1)前記表層(A)は、プロピレン単独重合体が5〜40wt%とプロピレン系共重合体が60〜95wt%とからなる。
(2)前記易剥離層(B)は、プロピレン系共重合体が20〜50wt%とプロピレン系酸変性物が50〜80wt%とからなる。
(3)前記ガスバリア層(C)はポリメタキシリレンアジパミドからなる。
(4)前記接着層(D)はプロピレン系酸変性物からなる。
(5)前記表層(E)は、プロピレン単独重合体が20〜50wt%とプロピレン系共重合体が50〜80wt%からなる。
2.1.記載の共押出延伸多層フィルムからなり加圧熱水殺菌用であることを特徴とするフィルムケーシング。
3.前記の共押出延伸多層フィルムの厚みが30〜50μmであることを特徴とする2.記載のフィルムケーシング。
4.1.記載の共押出延伸多層フィルムからなることを特徴とする包装体。
5.前記包装体がヒートシール部を設けることにより形成されており、前記ヒートシール部の一部に10〜20mmの間隔の少なくとも一対のノッチが設けられていることを特徴とする4.記載の包装体。
【発明の効果】
【0010】
本発明の共押出延伸多層フィルムは、内容物を包む包装体等を形成した場合に、レトルト処理をしても層間剥離やシール部からの破袋がなく、内容物を保護するという本来の機能を果たしつつ、数ヶ月程度の保存を経てもフィルムにしわが発生せず、しかもその包装体等を安定して容易に開封することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態について以下詳細に記述する。本発明のフィルムは、表層(A)、易剥離層(B)、ガスバリア層(C)、接着層(D)、表層(E)の少なくとも5層が、前記記載の順で積層されてなる多層フィルムである。この各層について順番に説明する。
1.表層(A)について
【0012】
表層(A)は、フィルムの最外層に位置し、ヒートシールするためのシール層の役割を果たすものである。また外気からの水分進入によるガスバリア層(C)の性能低下を防ぐ役割も同時に果たしている。これに必要とされる性能を満たすために、表層(A)に用いる樹脂は、プロピレン単独重合体が5〜40wt%とプロピレン系共重合体が60〜95wt%とからなる。
【0013】
ここで、プロピレン単独重合体とは、プロピレンだけからなる重合体である。また、プロピレン系共重合体としては、プロピレンとエチレン、又は炭素数4〜8のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体を挙げることができる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。中でも、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体が好ましく使用できる。また、プロピレン系共重合体としては、重量平均分子量/数平均分子量で表される値が1.5〜3.5のもの、より好ましくは1.5〜3.0のものを用いることができる。
【0014】
表層(A)を、プロピレン系共重合体のみとすると、延伸性は良好だが水バリア性が不足するため、包装体をレトルト処理後、数ヶ月すると外気からの水分進入によりガスバリア層(C)の性能が低下し、内容物が酸化劣化を引き起こしてしまうことがある。
【0015】
一方、プロピレン単独重合体の場合は、ガスバリア層(C)の性能を低下させることなく包装体をレトルト処理後、数ヶ月しても充分な水バリア性を示すが、融点が高くなる影響でシール温度が高くなり、シール時にフィルムが収縮し、十分なシール強度が得られなくなることや、延伸性が悪化して安定製膜ができない問題がある。上記の表層(A)の構成により、これらの問題のいずれも回避して必要な特性を確保することができる。
2.易剥離層(B)について
【0016】
易剥離層(B)は、包装体の開封時に、易剥離層(B)とガスバリア層(C)の層間で剥離することにより開封される役割を果たすものである。また表層(A)及び表層(E)と同様に、ガスバリア層(C)の水分による性能低下を防ぐ役割も同時に果たす。易剥離層(B)に用いる樹脂は、プロピレン系共重合体20〜50wt%とプロピレン系酸変性物50〜80wt%とからなる。
【0017】
プロピレン系共重合体としては、表層(A)に関する説明で示したものと同じ範囲のプロピレン系共重合体から選択することができる。易剥離層(B)のプロピレン系共重合体は、表層(A)のプロピレン系共重合体と同じであっても異なっていても良いが、同じにするのが表層(A)と易剥離層(B)との接着力の観点から好ましい。また、プロピレン系酸変性物としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体等に、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸又は酸無水物をグラフト共重合した変性重合体を挙げることができる。中でもプロピレン−エチレン共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合した酸変性物が好ましい。
【0018】
水バリア性を良好にし、レトルト処理で層間剥離や破袋が発生せず、開封時に易剥離層(B)とガスバリア層(C)の層間で剥離するようにするには、プロピレン系共重合体とプロピレン系酸変性物が混合されて存在することが必要で、プロピレン系共重合体だけでは、易剥離層(B)とガスバリア層(C)間の層間剥離強度(X)が弱く不十分で、プロピレン系酸変性物だけでは水バリア性が不十分になり、かつ層間剥離強度(X)が強くなり、開封に失敗しやすくなる。
【0019】
プロピレン系酸変性物は、酸変性割合を調節することで、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)との接着強度の調整が可能である。酸変性割合を増やすと、接着強度は強くなるが、押出機のスクリューやダイ等の金属表面に対しても接着性が発現し、樹脂が滞留してゲルや焼けによるカーボン等の異物の発生原因になりやすい。酸変性割合を減らすと樹脂の滞留は減少するが、接着強度が弱くなる。
【0020】
酸変性物を単独で使用したり、酸変性物同士による混合物を使用したのでは水バリア性が不足し、包装体の内容物から水分が抜けて数ヶ月程度で包装体にしわが発生しやすくなる。これは、レトルト処理によりフィルムが収縮して、緊張した状態で固定されたものが時間とともに内容物の水分が蒸発することで体積が減少し、フィルムが元の緊張した状態を保持できなくなることによるのではないかと推測される。
3.ガスバリア層(C)について
【0021】
ガスバリア層(C)は、酸素のフィルム透過を阻害し、数ヶ月にわたって内容物の酸化劣化を防ぐための層である。ガスバリア層(C)に用いる樹脂は、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)からなる。メタキシリレンジアミンとアジピン酸とを重縮合して得られるポリメタキシレンアジパミドは、6ナイロン、6/66ナイロン等の脂肪族ナイロンに比べ、ガスバリア性に優れ、吸水度合いが低く、また吸水時のガスバリア性低下も少ない。また耐ピンホール性等の強度、延伸性等も良好であるので好適である。
4.接着層(D)について
【0022】
接着層(D)は、ガスバリア層(C)と表層(E)とを接着するための層であり、層間接着強度(Y)を発現させる。接着層(D)に用いる樹脂は、プロピレン系酸変性物からなる。プロピレン系酸変性物としては、易剥離層(B)に関する説明で示したものと同じ範囲のプロピレン系酸変性物から選択することができる。接着層(D)のプロピレン系酸変性物は、易剥離層(B)のプロピレン系酸変性物と同じであっても異なっていても良いが、同じにするのが剥離強度の調整の観点から好ましい。
【0023】
開封時に易剥離層(B)とガスバリア層(C)の層間で剥離するには、層間剥離強度(X)<層間剥離強度(Y)である必要がある。そのために、ガスバリア層(C)を挟む易剥離層(B)と接着層(D)とでは、いずれにおいてもプロピレン系酸変性物を用いつつ、易剥離層(B)には一定割合のプロピレン系共重合体を併用するようにして、両者の層間剥離強度に差が生じるようにしている。
5.表層(E)について
【0024】
表層(E)は、表層(A)と同様の役割を果たすものであるが、表層(E)は内容物と接触する層でもある。そのため、レトルト処理して数ヶ月後の水分減少によるしわ発生の防止には、内容物と接触する表層(E)の水バリア性が、内容物と接触しない表層(A)の水バリア性と同等かより高くすることが好ましい。内容物の水分蒸発を表層(E)で防ぎ、外気からの水分進入は表層(A)で防ぐ。外気に比べ、内容物の方が水分が多く湿度も高いので、表層(E)の水バリア性は表層(A)のそれより高くすることが好ましく、表層(E)のプロピレン単独重合体の混合割合は表層(A)より高くすることが好ましい。
【0025】
表層(E)に用いる樹脂は、プロピレン単独重合体が20〜50wt%とプロピレン系共重合体が50〜80wt%とからなる。プロピレン単独重合体としては、表層(A)に関する説明で示したものと同じ範囲のプロピレン単独重合体から選択することができる。表層(E)のプロピレン単独重合体は、表層(A)のプロピレン単独重合体と同じであっても異なっていても良いが、同じにするのが、包装袋を形成する場合のヒートシール強度を確保する観点から好ましい。また、プロピレン系共重合体としては、やはり表層(A)に関する説明で示したものと同じ範囲のプロピレン系共重合体から選択することができる。表層(E)のプロピレン系共重合体は、表層(A)のプロピレン系共重合体と同じであっても異なっていても良いが、同じにするのが包装袋を形成する場合のヒートシール強度を確保する観点から好ましい。
【0026】
なお、プロピレン系共重合体のみでは、延伸性は良好だが水バリア性が不足し、加圧熱水殺菌用の数ヶ月程度の保存で、内容物の水分が減少し、包装体にしわが発生する。またガスバリア層(C)への水分進入によるガスバリア層(C)の性能低下も引き起こし、内容物を酸化劣化させて保存性は悪くなる。一方、プロピレン単独重合体のみでは、融点が高くなる影響でシール温度が高くなり、シール時にフィルムが収縮し十分なシール強度が得られないことや、延伸性が悪化して安定製膜できない問題がある。これらの問題を回避して必要な特性を確保するためには、上記の表層(E)の構成が適している。
6.共押出延伸多層フィルムの層構成
【0027】
共押出延伸多層フィルムは、表層(A)/易剥離層(B)/ガスバリア層(C)/接着層(D)/表層(E)の少なくとも5層をこの順で含む(ここで、層構成における記号「/」はその両側の層が互いに積層されることを意味する)。ガスバリア性の信頼性を向上させたり、印刷を施したりするために、2枚以上の共押出延伸多層フィルムを張り合わせたり、ガスバリア層(C)を2層以上積層するようにしてもよい。2枚の共押出延伸多層フィルムを張り合わす場合は、A/B/C/D/E/A/B/C/D/E、またはA/B/C/D/E/印刷層/A/B/C/D/Eの層構成とすることが好ましい。張り合わすことで、耐衝撃性やタフネスがさらに優れたものとなる。張り合わせは、表層樹脂間の自己粘着によってもいいし、公知の接着剤を用いてもよく、また熱処理により張り合わせても良い。また、ガスバリア層(C)を2層以上積層することで、1層のガスバリア層(C)に欠陥があっても、もう1層のガスバリア層(C’)によりガスバリア性を確保することが可能になる。
【0028】
共押出延伸多層フィルムに印刷を施す場合には、例えば、2枚のフィルムをA/B/C/D/E/A/B/C/D/Eとなるように加熱により密着させた状態にし、層A又は層Eの、どちらかの面上に印刷を施した後、同じ面に接着剤を途工し、2枚のまま巻き取る。巻き取ったあと2枚を剥がしながら外側の層Aと層とEが接触するようにして再度巻き返すことにより作製することができる。接着剤としてはウレタン系、アクリル系、エポキシ系接着剤等が挙げられる。
【0029】
各層(A)、(B)、(C)、(D)、(E)には、本来の特性を損なわない範囲で、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、滑剤(ワックス等含む)、無機フィラー、結晶核剤(タルク等)等の各種添加剤を添加することができる。表層(E)は、内容物と接触する層であり、内容物との剥離性を改善するために、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の界面活性剤を添加しても良い。
7.共押出延伸多層フィルムの厚み
【0030】
共押出延伸多層フィルムの厚みは、シール部がレトルト処理中でも剥離せず、また過大な力をかけずに開封可能とする点から、全体の厚みが30〜50μmであることが好ましい。レトルト処理でのシール部の剥離(破袋)と開封する時の力はトレードオフの関係にある。厚みを厚くすればシール強度は強くなり、レトルト処理での破袋は減少傾向になるが、開封時に過大な力がかかる。また厚みを薄くすればシール強度は弱くなり、開封時に適度な力で開封できるが、レトルト処理での破袋は増加する傾向にある。レトルト処理での破袋と開封性の両方を満たすには全体の厚みが30〜50μmであることが好ましい。
【0031】
さらに各層の厚みは、シール強度や数ヶ月程度の保存性の観点から決まるものであり、表層(A)及び表層(E)の厚み割合はそれぞれ全体の30〜35%、ガスバリア層(C)の厚み割合は全体の15〜30%、易剥離層(B)、接着層(D)の厚み割合はそれぞれ全体の5〜15%が好ましい。
8.共押出延伸多層フィルムの製造方法
【0032】
共押出延伸多層フィルムは、生産性の観点から共押出法で作成する。共押出に際しては溶融押出法で作成するのが好ましく、中でもインフレーション法が好ましい。例えば、各層(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の樹脂をそれぞれの押出機で溶融して、多層サーキュラダイで共押出し、水又は温水をかけて固化させ、多層環状押出物(パリソン)を得るのが好ましい。パリソンの安定化のためには、必要に応じてダイの下部にパリソン内径と同じか1〜2mm小さい径の円筒状の冷却筒を設けるのが好ましい。冷却筒を用いる場合は、表面が鏡面、梨地、テフロン又はセラミックコート加工したものが好ましい。
【0033】
続いて共押出延伸多層フィルムとするには、上記で得られたパリソンを加熱して、配向を付与するのに適当な温度条件下で空気を圧入してバブルを形成して延伸を行う。延伸温度としては、バブルの安定性から90〜110℃が好ましい。延伸倍率は、熱収縮率、熱収縮応力等に応じて適宜選択されるが、面積倍率で10〜30倍が好ましく、より好ましくは15〜25倍である。また必要に応じ、延伸前に、延伸性、耐熱性を付与させるために電子線(加速電圧150〜250kV、照射線量50〜120kGy)等による照射により架橋処理を行なったり、延伸中、又は延伸後に熱風吹き付け式、熱ローラー式、カーボンヒーター等による間接加熱式等の処理を単独、又は併用してヒートセット処理をすることができる。さらに延伸後に印刷適性や、内容物にハム、ソーセージ等を封入する場合には、そのフィルムへの肉付き性付与を目的として、ぬれ張力が30〜45dyn程度となるようにコロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を行うことができる。
9.フィルムケーシング、包装体
【0034】
共押出延伸多層フィルムをヒートシールすることにより、ハム・ソーセージ等の食品等、加圧熱水殺菌を要する物を中に詰めるための筒状のフィルムケーシングや、これを用いた包装体を製造できる。その際、表層(E)が内容物に接する内側になるようにして共押出延伸多層フィルムを用いる。
【0035】
ヒートシールされた筒状のフィルムケーシングまたはこれを用いた包装体のシール強度は、シール部がレトルト処理中でも剥離しないために、6〜10N/15mm巾であることが好ましい。また、易剥離層(B)とガスバリア層(C)の層間剥離強度(X)は0.5〜1.0N/15mm巾であることが好ましく、ガスバリア層(C)と接着層(D)の層間剥離強度(Y)は0.7〜1.5N/15mm巾であることが好ましく、さらに、層間剥離強度(X)<層間剥離強度(Y)である。これらにより、開封時に易剥離層(B)とガスバリア層(C)間で剥離が起こりやすく、シール部を超えて確実に内容物が開封できる。
【0036】
共押出延伸多層フィルムから包装体を得るには、例えば自動充填包装機(例えば旭化成ライフ&リビング(株)社製「ADP(登録商標)」)で、表層(A)が外側になるように平坦状のフィルムを筒状に成形した後、フィルムが折り重なる部分を熱風、又はシールバーによりヒートシールし、1〜2mm程度のシール線を1本ないし2本により封筒貼りシールしてフィルムケーシングとし、このフィルムケーシングに加圧熱水殺菌を要する製品を充填し、両端をアルミワイヤー等の金属クリップで結紮して作成することができる。この包装体を作成する時、ヒートシールする前もしくはヒートシールした後に、フィルム端部に間隔が10〜20mmの一対のノッチを入れることでノッチ入りの包装体が作成される。このような一対のノッチがあることで、開封する時の開封場所の目印になる。また、ノッチ巾を10〜20mmの巾とすると、開封時に4〜14Nの適度な力で開封可能であり、またテープを剥ぐように円周状に開封でき、内容物が容易に取り出せるようになり、より好ましい。
【0037】
この包装袋は、ヒートシール部分から、特にヒートシール部のノッチ部分から円周方向にフィルムを引き裂くと、ヒートシール部のところで表層(A)と易剥離層(B)とが破断し、易剥離層(B)がガスバリア層(C)から剥れ、オーバーラップした未ヒートシール部まで剥れることで容易に開封することができる
【実施例】
【0038】
本発明を以下の実施例に基づいて具体的に説明する。まず、以下に各種物性の評価に使用される測定方法と、実施例等で用いた樹脂の略号とをまとめて記す。
(1)レトルト適性
【0039】
200本の包装体について120℃20分のレトルト処理を行い、レトルト処理による層間剥離と破袋状態を下記の基準に従って評価した。
○:層間剥離は発生せず、破袋本数は0本
×:層間剥離発生。又はシール部剥離による破袋本数は1本以上
(2)開封力
【0040】
上記レトルト適性の評価において、層間剥離又は破袋が発生しなかったレトルト処理後の包装体のシール部を、ノッチ間距離の巾で、180°剥離で引張速度500mm/minの条件で、(株)オリエンテック社製、テンシロン万能試験機 RTC−1210<商品名>を用いて測定し、包装体10本(測定1回/1本)の平均値を採用した。
(3)層間剥離強度
【0041】
上記レトルト適性の評価において、層間剥離又は破袋が発生しなかったレトルト処理後の包装体の、シール部以外の部分を、光学顕微鏡を見ながら、易剥離層(B)とガスバリア層(C)間、ガスバリア層(C)と接着層(D)間を剥がし、巾15mm、測定長さ20mm、引張速度500mm/min.の条件で(株)オリエンテック社製 テンシロン万能試験機 RTC−1210<商品名>で測定し、包装体10本((n=1)/1本)の平均値を求めた。
(4)開封性
【0042】
上記レトルト適性の評価において、層間剥離又は破袋が発生しなかったレトルト処理後の包装体を、ノッチ部から開封して、その開封状態を下記基準に従い評価した。
○:上記で求めた開封力が4〜14Nで、(B)層と(C)層間で剥離し、円周状に開封可能。
△:上記で求めた開封力が4〜14Nで、(B)層と(C)層間で剥離するが、最後までノッチ幅を保てず、途中で切れて円周状に開封できない。
×:上記で求めた開封力が14Nを超えるもの、または(D)層と(C)層間で剥離し、中身が取り出せず開封できない。
(5)保存性
【0043】
上記レトルト適性の評価において、層間剥離又は破袋が発生しなかったレトルト処理後の包装体20本を28℃の温度条件で3ケ月保存し、包装体のしわ発生の有無等を、保存開始時を基準として、目視により以下の判断基準に従って評価した。
○:保存開始時と同等
△:保存開始時と比べて包装体の緊張感(はり)がない。
×:保存開始時と比べてしわが発生し、包装体の緊張感(はり)もない。
(6)水バリア性(透湿度)
【0044】
MOCON社製 PERMATRAN W−200<商品名>を用い、測定法はASTM F1249に従って透湿度を測定した。サンプルを装置にセットして3時間後の値を採用した。測定は38℃、90%RHの条件下で行った。透湿度が小さいほど水バリア性が高い。
(7)樹脂の略号
【0045】
実施例及び比較例において使用した樹脂の略号と商品名等を、以下にまとめて記す。
PP1:プロピレン単独重合体(サンアロマー(株)PL500A)
PP2:プロピレン系共重合体(サンアロマー(株)ADSYL5C37F)
PP3:プロピレン系共重合体(サンアロマー(株)PC540R)
ad1:プロピレン系酸変性物(三井化学(株)アドマーQF580)
ad2:プロピレン系酸変性物(三井化学(株)アドマーQF551)
Ny1:MXD6ナイロン(三菱瓦斯化学(株)MXナイロン6007)
Ny2:6ナイロン(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)NOVAMID1030)
[実施例1]
【0046】
外側のA層からE層に至るまで、表1に記載のようにフィルムの層構成が、(PP1が5重量%とPP3が95重量%の混合物)/(ad1が50重量%とPP2が50重量%の混合物)/Ny1/ad1/(PP1が20重量%とPP2が80重量%の混合物)の5層となるように環状5層ダイを用いて溶融共押出した後、約60℃の温水で固化させ、折巾約130mm、厚み約640μm、各層厚み構成比は、外側から30/7/26/7/30となるようにパリソンを作成した。
【0047】
続いてこのパリソンを加熱ゾーンで約105℃に加熱したあと、延伸ゾーンで内部に空気を圧入してバブルを形成させて連続延伸を行い、延伸倍率が縦方向(MD方向)に約4倍、横方向(TD方向)に約5倍に同時二軸延伸し、熱処理後、最終厚み約40μmのシングルプライの共押出延伸多層フィルムを得た。
【0048】
次いで、自動充填包装機(旭化成ライフ&リビング(株)社製「ADP(登録商標)」)を用い、巾90mmとした上記フィルムを、フィルム速度46m/minで、フォルダーを介して筒状に形成した後、フィルムが重なる部分の外側にノッチを入れてから、熱風を吹き付け、封筒貼りにヒートシールした。ここで、熱風の温度はフィルムの厚みにより約300〜400℃で適宜設定した。
【0049】
このようにして得られた折巾38mmのフィルムケーシングに魚肉すり身を充填し、両端を200mmの間隔でアルミワイヤーで結紮し、包装体を得た。得られた包装体について、レトルト適性、開封力、層間剥離強度、開封性、保存性、透湿度をそれぞれ評価し、それらの結果を表1に示した。いずれの評価も良好であった。
[実施例2]
【0050】
外側から層構成が(PP1が40重量%とPP2が60重量%の混合物)/(ad1 が50重量%とPP3が50重量%の混合物)/Ny1/ad1/(PP1が50重量%とPP3が50重量%の混合物)の5層となるようにし、各層厚み構成比は、外側から35/5/20/5/35となるように変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを作成し、最終厚み約40μmのシングルプライの共押出延伸多層フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3]
【0051】
外側から層構成が(PP1が30重量%とPP2が70重量%の混合物)/(ad1が80重量%とPP2が20重量%の混合物)/Ny1/ad1/(PP1が30重量%とPP2が70重量%の混合物)の5層となるようにし、各層厚み構成比は、外側から30/5/30/5/30となるようにした事を変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを作成し、最終厚み約40μmのシングルプライの共押出延伸多層フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表1に示した。
[実施例4]
【0052】
外側から層構成が(PP1が20重量%とPP2が40重量%とPP3が40重量%の混合物)/(ad1が75重量%とPP3が25重量%の混合物)/Ny1/ad1/(PP1が30重量%とPP3が70重量%の混合物)の5層となるようにし、各層厚み構成比は外側から30/10/20/10/30となるように変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成し、最終厚み約40μmのシングルプライの共押出延伸多層フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表1に示した。
[実施例5]
【0053】
外側から層構成が(PP1が30重量%とPP2が70重量%の混合物)/(ad1が80重量%とPP2が20重量%の混合物)/Ny1/ad1/(PP1が30重量%とPP3が70重量%の混合物)の5層となるようにし、パリソン厚みを約560μm、各層厚み構成比を外側から34/6/20/6/34となるように変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成し、最終厚み約35μmのシングルプライの共押出延伸多層フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表1に示した。
[実施例6]
【0054】
外側から層構成が(PP1が30重量%とPP2が70重量%の混合物)/(ad1が80重量%とPP2が20重量%の混合物)/Ny1/ad1/(PP1が30重量%とPP3が70重量%の混合物)の5層となるようにし、パリソン厚みを約720μm、各層厚み構成比は外側から27/13/20/13/27になるように変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成し、最終厚み約45μmのシングルプライの共押出延伸多層フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例1]
【0055】
外側から層構成が(PP1が30重量%とPP3が70重量%の混合物)/(ad1が40重量%とPP2が60重量%の混合物)/Ny1/ad1/(PP1が30重量%とPP3が70重量%の混合物)の5層となるように変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを作成し、最終厚み約40μmのシングルプライの比較フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表2に示した。層間剥離(デラミネーション)が生じてしまい、レトルト適性が不良であった。
[比較例2]
【0056】
外側から層構成が(PP1が30重量%とPP3が70重量%の混合物)/(ad1が90重量%とPP2が10重量%の混合物)/Ny1/ad1/(PP1が15重量%とPP3が85重量%の混合物)の5層となるように変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを作成し、最終厚み約40μmのシングルプライの比較フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表2に示した。開封性、保存性共に劣り、透湿度も高かった。
[比較例3]
【0057】
外側から層構成が(PP1が50重量%とPP3が50重量%の混合物)/(ad1が50重量%とPP2が50重量%の混合物)/Ny1/ad1/(PP1が60重量%とPP3が40重量%の混合物)の5層となるように変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを作成しようとしたが、部分的に未延伸部が生じてしまい安定的に製膜できなかった。
[比較例4]
【0058】
外側から層構成がPP2/(ad1が50重量%とPP2が50重量%の混合物)/Ny1/ad1/PP2の5層となるようにし、パリソンの厚み約400μmとし、各層厚み構成比は、外側から30/8/24/8/30となるように変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成し、最終厚み約25μmのシングルプライの比較フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表2に示した。
[比較例5]
【0059】
外側から層構成がPP2/ad2/Ny1/ad1/PP2の5層となるようにし、パリソンの厚みを約880μmとし、各層厚み構成比は、外側から20/20/20/20/20となるように変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを作成し、最終厚み約55μmのシングルプライの比較フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表2に示した。
[比較例6]
【0060】
外側から層構成が(PP1が30重量%とPP3が70重量%の混合物)/(ad1が50重量%とPP2が50重量%の混合物)/Ny1/ad1/PP2の5層となるようにし、各層厚み構成比は、外側から35/10/10/10/35に変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを作成し、最終厚み約40μmのシングルプライの比較フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表2に示した。
[比較例7]
【0061】
外側から層構成がPP2/(ad1が50重量%とPP2が50重量%の混合物)/Ny1/ad1/(PP1が20重量%とPP3が80重量%の混合物)の5層となるように変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを作成し、最終厚み約40μmのシングルプライの比較フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表2に示した。
[比較例8]
【0062】
外側から層構成が(PP1が30重量%とPP3が70重量%の混合物)/ad1/Ny1/ad1/(PP1が30重量%とPP3が70重量%の混合物)の5層となるように変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを作成し、最終厚み約40μmのシングルプライの比較フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表2に示した。
[実施例7]
【0063】
外側から層構成が(PP1が30重量%とPP2が70重量%の混合物)/(ad1が50重量%とPP2が50重量%の混合物)/Ny1/ad1/(PP1が30重量%とPP2が70重量%の混合物)の5層となるようにし、パリソン厚み約320μm、各層厚み構成比は、外側から35/5/20/5/35となるように変更した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作成して延伸し、シングルプライの共押出延伸多層フィルムを得た。その後、2枚のシングルプライフィルムを外側と内側が接触するように重ね、約130℃の2本の260φの熱ローラーに合計約7秒接触するように通した後、最終厚み約40μmのダブルプライの共押出延伸多層フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表3に示した。
[比較例9]
【0064】
外側から層構成がPP2/(ad1が50重量%とPP2が50重量%の混合物)/Ny2/ad1/PP2の5層となるように変更し、さらに得られたシングルプライの比較フィルム2枚を内側どうしが接触するように重ねて熱処理した以外は、実施例7と同様にしてフィルムを作成し、最終厚み約40μmのダブルプライの比較フィルムを得た。さらに実施例1と同様にして包装体を製造し、各種評価を行った。結果を表4に示した。
【0065】
【表1】

【0066】
【表2】

【0067】
【表3】

【0068】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表層(A)、易剥離層(B)、ガスバリア層(C)、接着層(D)、表層(E)の少なくとも5層が前記記載の順で積層されており、さらに以下の条件(1)〜(5)を満たすことを特徴とする共押出延伸多層フィルム。
(1)前記表層(A)は、プロピレン単独重合体が5〜40wt%とプロピレン系共重合体が60〜95wt%とからなる。
(2)前記易剥離層(B)は、プロピレン系共重合体が20〜50wt%とプロピレン系酸変性物が50〜80wt%とからなる。
(3)前記ガスバリア層(C)はポリメタキシリレンアジパミドからなる。
(4)前記接着層(D)はプロピレン系酸変性物からなる。
(5)前記表層(E)は、プロピレン単独重合体が20〜50wt%とプロピレン系共重合体が50〜80wt%からなる。
【請求項2】
請求項1記載の共押出延伸多層フィルムからなり加圧熱水殺菌用であることを特徴とするフィルムケーシング。
【請求項3】
前記の共押出延伸多層フィルムの厚みが30〜50μmであることを特徴とする請求項2記載のフィルムケーシング。
【請求項4】
請求項1記載の共押出延伸多層フィルムからなることを特徴とする包装体。
【請求項5】
前記包装体がヒートシール部を設けることにより形成されており、前記ヒートシール部の一部に10〜20mmの間隔の少なくとも一対のノッチが設けられていることを特徴とする請求項4記載の包装体。

【公開番号】特開2008−230182(P2008−230182A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76703(P2007−76703)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】