説明

多層干渉顔料

【課題】広い用途に普遍的に使用できる、カラーフロップを示す色効果を発現する干渉顔料、その調整方法および使用方法の提供。
【解決手段】高屈折率材料と低屈折率材料との交互層で被覆された薄片状基材を含み、合計厚さが1μmを超えない多層干渉顔料である。基材は、合成薄片を含み、直径1−250μm、厚さは100−600μmである。これらの顔料を調製する方法は、基材を高屈折率材料の層と低屈折率材料の層とで交互に被覆し、高屈折率材料の層および低屈折率材料の層のそれぞれの厚さを、干渉顔料の合計厚さが1μmを超えないように選択する。化粧剤、塗料、被膜、プラスチック、フィルムにおける、証券印刷における、公文書および身分証明書の保障特徴部、種子の着色、食品の着色、または薬剤被覆、顔料組成物および乾燥製剤の調製のために使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高屈折率材料と低屈折率材料との交互層で被覆された薄片状基材を含んでなる多層干渉顔料であって、干渉顔料の合計厚さが1μmを超えない多層干渉顔料に関する。本発明は、同様に、これらの顔料を調製する方法であって、基材を高屈折率材料の層と低屈折率材料の層とで交互に被覆し、高屈折率材料の層および低屈折率材料の層のそれぞれの厚さを、干渉顔料の合計厚さが1μmを超えないように選択する方法、および、化粧剤、塗料、被膜、プラスチック、フィルム、書類や身分証明書の安全対策としてのセキュリティー印刷、種子の着色、食品の着色、または薬剤被覆、顔料組成物および乾燥製剤の調製のためのこれらの顔料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
干渉現象を有する光沢またはエフェクト顔料の使用が広まっている。このタイプの顔料は、全てのタイプの装飾被覆における自動車塗料、プラスチックの着色、塗料および印刷インク、セキュリティー印刷における特殊インクおよび装飾化粧剤の適用において欠くことができない。これらを取り巻くマトリクスにおいて、これらの顔料は理想的には被膜の表面に平行に配列され、入射光の干渉、反射および吸収の複合的相互作用を通して光学的作用を発現する。鮮やかな発色、カラーフロップと呼ばれる、視角に応じて異なる色の変化、または変化する明るさの印象が、種々の用途において関心が注がれている。
【0003】
このタイプの顔料は、通常、薄片状の金属または非金属製の基材に金属酸化物のまたは金属の層を被覆することにより調製される。最近では、薄片状基材上に多層構造を有する顔料がますます開発されている。これにより、特に、ヒトの目が視角に依り異なる色相を知覚するカラーフロップが、特異的に設定されるようになる。これらの顔料の大部分が、金属または、合成もしくは天然のフィロケイ酸塩、例えば、雲母、滑石またはガラスを含んでなる薄片状基材に基づく。
【0004】
フィロケイ酸塩は、特に、基材の厚さが広範囲に変化し特異的に設定することができず、それにより、透明基材の場合でも、基材における光の透過および反射が、実質的に制御不可能に生じ、したがって、目的のように利用することができないという不利益を有する。
【0005】
EP 0,608,388は、特に、金属酸化物または金属の薄い透明または半透明反射性層の一または二以上で被覆された二酸化珪素マトリクスからなり得る薄片状顔料を開示している。ここで、このマトリクスは、種々の着色剤の添加により着色されていることが好ましい。色純度が高く着色力の高い顔料は、マトリクスの着色の程度により決められる隠蔽力によって得られる。ここで、このマトリクスの厚さは、広範囲に設定することができる。基材上に2以上の光学的活性層を有する顔料はそこに記載されていない。従って、これらの顔料は、合計で3つの光学的活性層を有する顔料の作用を有する。
【0006】
EP 1,025,168は、屈折率nが2.0以上の被膜、屈折率nが1.8以下の無色被膜および非吸収性高屈折率被膜を含む少なくとも一つの層配列を有する多層基材に基づく干渉顔料を記載している。この基材の厚さは好ましくは0.2〜4.5μmであり、個々の層の厚さは、好ましくは、高屈折率層については20〜350nmであり、低屈折率層については30〜600nmであり、非吸収性高屈折率被膜については20〜350nmである。特に、低屈折率層の大きな厚さにより、比較的大きな合計厚さの顔料が得られることが確保される。しかしながら、このことは、例えばP.Hoffmann,W.Duschek著、Neue Effffektpigmente (New Effect Pigments),BerichtsbandDFG 41,1999年版,第50巻,123〜132頁に記載されている顔料の適用特性が損なわれるという現象故に、多くの用途には好ましくない。厚い顔料は、例えば、被覆用途において目的の平行配列の問題を示す。比較的厚い顔料粒子の好ましくない形状は、バインダー系中の表面に平行な所望の配列を、より困難にする。比較的厚い顔料粒子は、互いに所定の角度でそれら自体が配列する傾向があり、それにより、光は、もはや、最適の鏡面反射を示さず、散乱効果が鏡面光沢を低下させる。これにより、例えば、増加したくもり効果(反射くもり)、および顔料含有被膜の像の明瞭さ(DOI:distinctness of image)が劣っていることのような適用上の不利益が生じる。さらに、単に、同じサンプル重量に対して個々の粒子の質量が高いことにより、被覆用途において顔料粒子の数が著しく少なくなるという事実により、着色上の不利益が生じる。これは、隠蔽力、光沢および全体的な色の印象に不利な効果を有する。従って、厚い顔料粒子の場合は、望ましい特性が僅かにしか達成できない。
【0007】
特開平07−246366号公報は、基材、例えばガラス、および、高屈折率層および低屈折率層を含む多層構造を含んでなる干渉顔料を開示しており、その主な目的は、干渉材料の最大の反射性により達成される。例えば、反射率が99%である基材上に合計9つの層を有する顔料が述べられている。個々の層および基材の層厚は、ここでも、前述の理由により、多くの用途にとって不適当な比較的厚い顔料が得られることを意味している。理論的に達成可能な反射率は、顔料の形状が次第に立方体になると、すなわち、直径と厚さとの比が1に近づくと、かなり低下する。薄片状顔料の配列はもはや理想的でなく、鏡面光沢がかなり低下する。
【特許文献1】EP 0,608,388
【特許文献2】EP 1,025,168
【特許文献3】特開平07−246366号公報
【非特許文献1】P.Hoffmann,W.Duschek著、Neue Effffektpigmente(New Effect Pigments),BerichtsbandDFG 41,1999年版,第50巻,123〜132頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、適用上の不利益を呈することなく、非常に広い用途において普遍的に用いることができる干渉顔料を見つけることが目的であった。同時に、顔料は、好ましくは異なる視角で見たときにカラーフロップを示す、興味深い色効果を発現すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的は、本発明による顔料により達成される。すなわち、本発明は、高屈折率材料と低屈折率材料との交互層で被覆された薄片状基材を含んでなる多層干渉顔料であって、合計厚さが1μmを超えない多層干渉顔料に関する。
【0010】
本発明は、同様に、これらの顔料を調製する方法であって、基材を高屈折率材料の層と低屈折率材料の層とで交互に被覆し、高屈折率材料の層および低屈折率材料の層のそれぞれの厚さを、干渉顔料の合計厚さが1μmを超えないように選択する方法に関する。
【0011】
本発明の顔料は、非常に広い範囲の用途において用いることができ、向上した適用特性、例えば、被覆用途において低下したくもり効果および優れた像の明瞭さ(DOI)、または化粧製剤において優れた皮膚感触を示すという利点を有する。
【0012】
同時に、本発明の干渉顔料は、異なる角度から見たときにカラーフロップをしばしば伴うことによって、広い色範囲を提供することを可能にする。多くの場合、このカラーフロップは、従来技術からの顔料におけるよりも、より著しく明確である。すなわち、本発明の顔料は、向上した隠蔽力、優れた鏡面光沢、および適用媒体中における顔料粒子の向上した配列を示す。顔料の最大合計厚さを考慮した、定義された層配列が、重要な適用のアドバンテージと達成し得る光学的効果の向上とを兼ね備えた干渉顔料を提供する。
【0013】
有利な特性故に、本発明の干渉顔料は、多数のかなり異なる用途に普遍的に適している。本発明は、化粧剤、塗料、被膜、プラスチック、フィルム、書類や身分証明書の安全対策としてのセキュリティー印刷、種子の着色、食品の着色、または薬剤被覆、顔料組成物および乾燥製剤の調製のためのこれらの顔料の使用に関する。
【0014】
本発明の顔料は、薄片状基材、例えば、雲母またはフィロケイ酸塩に基づく。薄片状基材は、好ましくは、合成薄片である。合成薄片は、特に、二酸化珪素、二酸化錫、二酸化ジルコニウム、ガラス、酸化アルミニウム、二酸化チタン、フッ化マグネシウムおよび/または酸化鉄からなることができる。本発明の干渉顔料の基材は、好ましくは、均一な層厚を有する薄片状二酸化珪素粒子からなり、好ましくは、WO93/08237に基づいて連続ベルト上で水−ガラス溶液の固化および加水分解により製造される。ここで「均一な層厚」は、粒子の合計乾燥層厚の3〜10%、好ましくは3〜5%の層厚許容範囲を意味すると解される。薄片状二酸化珪素粒子は、通常、非晶質である。このタイプの合成薄片は、層厚を望ましい効果に関して設定することができ、層厚許容範囲が制限されるという、例えば雲母のような天然材料を超える利点を有する。このように、その合計厚さが1μmを超えない本発明による干渉顔料を、単純な状態で調製することができる。
【0015】
基材の直径は、通常、1〜250μm、好ましくは2〜100μmである。これらの厚さは、100〜600nm、好ましくは200〜500nm、特に好ましくは200〜375nmである。薄片状基材の平均アスペクト比、すなわち、平均厚さ測定値に対する、ここでの平均直径に相当する平均長さ測定値の比は、通常、5〜200、好ましくは20〜150、特に好ましくは30〜120である。
【0016】
本発明による顔料において、前記基材が、高屈折率材料と低屈折率材料との交互層で被覆される。高屈折率材料は、屈折率nが1.8を超える材料を意味し、低屈折率材料は、屈折率nが1.8以下である材料を意味する。高屈折率材料および低屈折率材料は、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物、金属オキシ窒化物、BiOClおよび/またはそれらの混合物からなる群より選択することができる。高屈折率材料および低屈折率材料は、好ましくは、金属酸化物、金属酸化物水和物および/またはそれらの混合物である。適当な金属酸化物および金属酸化物水和物は、層として適用される全ての金属酸化物または金属酸化物水和物、例えば、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化鉄、酸化錫、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化チタン、特に、二酸化チタン、酸化チタン水和物、およびそれらの混合物、例えば、チタン鉄鉱または偽板チタン石である。用いることができる金属亜酸化物は、例えば、亜酸化チタンである。適当な金属の例は、クロム、アルミニウム、ニッケル、銀、金、チタン、銅または合金であり、適当な金属フッ化物は、例えば、フッ化マグネシウムである。用いることができる金属窒化物または金属オキシ窒化物は、例えば、金属チタン、ジルコニウムおよび/またはタンタルの窒化物またはオキシ窒化物である。用いられる高屈折率材料および低屈折率材料は、好ましくは、金属酸化物、金属、金属フッ化物および/または金属酸化物水和物であり、特に好ましくは、金属酸化物および/または金属酸化物水和物である。
【0017】
低屈折率の特に適した材料は、例えば、TiO2、ZrO2、ZnO、SnO2、BiOClおよび/またはそれらの混合物である。特に好ましくはTiO2である。これらの層の厚さは、各場合に、約100〜300nm、好ましくは30〜200nmである。
【0018】
高屈折率の特に適した材料は、例えば、SiO2、SiO(OH)2、Al23、AlO(OH)、B23、MgF2および/またはそれらの混合物である。特に好ましくはSiO2である。これらの材料の個々の層の厚さは、20〜100nm、好ましくは20〜80nmである。
【0019】
本発明による干渉顔料の外側層は、好ましくは、高屈折率材料、特に、TiO2からなる。この条件から出発して、本発明の顔料の好ましい構造にある特定の規則が生じる。基材が、高屈折率材料、例えば、TiO2または酸化鉄からなる場合、これを、低屈折率材料の層および高屈折率材料の層で被覆する。このように、基材を含む合計で5つの層を有する顔料が得られる。本発明の目的のために、ここで、被覆は、好ましくは、包まれるように行われる、すなわち、基材と全てのそれに続く被覆中間ステージの両方が、各被覆工程において、薄片の各側面に被覆されることが推測される。5つの層を有する顔料以外に、合計で9つの層を有する顔料も、顔料の合計厚さが1μmを超えないという条件を満たす限り、本発明の範囲内であると考えられる。
【0020】
基材材料は、好ましくは、低屈折率の材料、すなわち、SiO2である。この場合、3つおよび7つの層を有する顔料が、外側層が高屈折率材料を含むという条件を満たす。本発明の干渉顔料は、好ましくは、基材を含んで合計7つの層を含む。特に、7つの層を有する顔料の場合、顔料の合計厚さが1μmを超えないという基本的条件を維持するために、個々の層の厚さが重要である。この場合、低屈折率材料の層の厚さが特に重要である。本発明の経過において、本発明の顔料の合計厚さが従来技術の厚さより小さくなるように、着色特性を維持または最適化しつつ低屈折率材料の層の厚さを設定することが達成された。本発明によれば、向上した光学的特性を有するより薄い顔料を提供することが可能である。これは、適用特定と、顔料の調製費用との両方に有利な効果を有する。後者は、より低い材料費用および調製中のより少ない時間消費により下げることができる。
【0021】
合計で7つの層を有する本発明の前記顔料の場合、合計で2つの高屈折率材料の包皮層が存在する。これらの層は、同一または異なる材料からなることができ、同一または異なる層厚を有する。これらは、好ましくは、同じ材料、特にTiO2からなる。本発明において特に好ましい顔料は、従って、下記構造を有する。
TiO2/SiO2/TiO2/基材(SiO2)/TiO2/SiO2/TiO2
本発明のさらなる態様において、本発明のエフェクト顔料に、さらに、外側層としてさらなる有機被膜を設けてよい。そのような被膜の例が、例えば、EP 0,632,109、USP5,759,255、DE 43 17 019、DE 39 29 423、DE 32 35 017、EP 0,492,223、EP 0,342,533、EP 0,268,918、EP 0,141,174、EP 0,764,191、WO 98/13426またはEP 0,465,805に与えられており、その開示内容をここで参照として取り込む。この有機被膜を含む、例えば、オルガノシラン、オルガノチタネートまたはオルガノジルコネートを含むエフェクト顔料は、さらに、前記向上した光学的特性に加えて、例えば湿分および光のような気候の影響への増加した安定性を示し、このことは、産業被覆および自動車分野において特に興味深い。
【0022】
本発明は、同様に、本発明の干渉顔料を調製する方法であって、基材を高屈折率材料の層と低屈折率材料の層とで交互に被覆し、高屈折率材料の層および低屈折率材料の層のそれぞれの厚さを、干渉顔料の合計厚さが1μmを超えないように選択する方法に関する。
【0023】
低屈折率材料の層での被覆は、好ましくは、層の厚さが20〜100nmであるように行われる。このようにして、本発明の方法において、合計厚さが必要な値を超えないことが確保される。
【0024】
高屈折率材料の層および低屈折率材料の層での被覆は、湿式化学的法、ゾル−ゲルプロセスおよび/またはCVDもしくはPVDプロセスにより行うことができる。
【0025】
干渉顔料を調製するための本発明の方法は、好ましくは湿式化学的法であり、真珠光沢顔料の調製のために開発された既知の湿式化学的被覆技術を用いることができ、これらは、例えば、以下の公報に記載されている。
【0026】
DE 14 67 468、DE 19 59 988、DE 20 09 566、DE 22 14 545、DE 22 15 191、DE 22 44 298、DE 23 13 331、DE 25 22 572、DE 31 37 808、DE 31 37 809、DE 31 51 343、DE 31 51 354、DE 31 51 355、DE 32 11 602、DE 32 35 017。
【0027】
被覆のために、薄片状基材を水中に懸濁させ、対応する無機金属化合物の添加または沈降により、高屈折率の金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物、金属オキシ窒化物および/またはそれらの混合物で、および低屈折率の金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物、金属オキシ窒化物および/またはそれらの混合物で交互に、好ましくは、何度も被覆し、それぞれの金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物、金属オキシ窒化物の沈降のために必要なpHを、酸または塩基を同時に添加することにより設定し一定に維持し、被覆された基材を、続いて、水性懸濁液から分離除去し、乾燥し、任意に焼成し、個々の層の層厚を、乾燥および任意の焼成後に、顔料の厚さが1μmを超えないように設定する。
【0028】
ここで、焼成温度を、各場合に存在する被膜に関して最適化することができる。しかしながら、通常、焼成温度は250〜1000℃、特に350〜900℃である。顔料を、各個々の層の適用後に分離除去し、乾燥し、任意に焼成してから、次の層の適用のために再分散してもよい。
【0029】
高屈折率材料がTiO2の場合、USP3,553,001に記載の方法が、これらの層の適用のために好ましく用いられる。この方法において、無機チタン塩の水溶液を、薄片状の任意に既に予備被覆した基材の約50〜100℃、特に70〜80℃に加熱された懸濁液にゆっくり加え、塩基を同時に計量添加することによりpHを0.5〜5、特に約1.5〜2.5において実質的に一定に維持する。TiO2酸化物水和物の所望の層厚が達成されると直ぐに、チタン塩溶液および塩基の添加を停止する。このプロセスは滴定プロセスとしても知られており、チタン塩が過剰ではなく、その代わりに、水和TiO2での均一被覆に必要であり被覆すべき基材の表面に吸着することもできる量のみが、常に単位時間当たりに提供されるという特別の特徴を有する。従って、溶液は、被覆すべき表面上に付着しない水和二酸化チタン粒子を含まない。
【0030】
低屈折率材料が二酸化珪素である場合、対応する層の適用のために、以下のプロセスを好ましく用いる。ナトリウム水ガラス溶液を、既に単被覆または多被覆した基材の約50〜100℃、特に70〜80℃に加熱された懸濁液に添加する。同時に、10%塩酸を添加することによりpHを4〜10、好ましくは6.5〜8.5で一定に維持する。水ガラス溶液の添加が完了すると、混合物を、さらに約30分間攪拌する。あるいは、対応する前駆体、例えば、テトラエトキシシランを用いるゾル−ゲルプロセスによりSiO2の層を製造することもできる。
【0031】
原理的には、粒子、特に金属での被覆のためのCVDまたはPVDプロセスも、本発明の顔料の調製のために適している。この場合、全ての粒子表面の均質被覆が確保されるように蒸着プロセス中に基材が均一動作に維持されることが必要である。
【0032】
さらに、同様に本発明の方法において外側層として有機被膜をさらに適用することができる。このタイプの被覆プロセスの例が、特に、EP 0,632,109、USP 5,759,255、DE 43 17 019、DE 39 29 423、DE 32 35 017、EP 0,492,223、EP 0,342,533、EP 0,268,918、EP 0,141,174、EP 0,764,191、WO 98/13426またはEP 0,465,805に与えられている。有機被膜の例およびそれに関する利点は、本発明による顔料の合成について既に前述している。有機被膜の適用の工程は、本発明の方法の他の工程の後に直接行うことができる。この工程において適用される基材は、顔料全体の0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%の重量割合を占めるにすぎない。
【0033】
本発明の干渉顔料は多目的であり、多くの領域において用いることができる。従って、本発明は、同様に、化粧剤、塗料、被膜、プラスチック、フィルムにおける、証券印刷における、公文書および身分証明書の保障特徴部における、種子の着色のため、食品の着色のため、または薬剤被覆における、並びに顔料組成物および乾燥製剤の調製のための本発明の顔料の使用に関する。
【0034】
化粧剤の場合、本発明の干渉顔料は、装飾用化粧剤の産物および組成物に、例えば、ネイルワニス、カラーリングパウダー、リップスティックまたはアイシャドウ、石鹸、歯磨き等に特に適している。本発明の干渉顔料は、もちろん、組成物中において、全てのタイプの化粧原料および助剤と組み合わせることもできる。これらは、特に、油、脂肪、ワックス、フィルム形成剤、防腐剤および適用特性を通常決める助剤、例えば、増粘剤およびレオロジー添加剤、例えば、ベントナイト、ヘクトライト、二酸化珪素、珪酸Ca、ゼラチン、高分子量炭水化物および/または界面活性助剤等を含む。本発明の干渉顔料を含む組成物は、親油性、親水性および疎水性型に属し得る。不連続の水性または非水性相を有する異質組成物の場合、本発明の粒子は、各場合に、2つの層の一方のみに存在する、または両方の層に渡って分布してよい。
【0035】
水性組成物のpH値は1〜14、好ましくは2〜11、特に好ましくは5〜8である得る。組成物中における、本発明の干渉顔料の濃度は制限されない。これらは、用途に応じて、0.001%(濯ぎ製品、例えば、シャワーゲル)から99%(例えば、特定の用途のための光沢効果製品)であり得る。本発明の干渉顔料は、さらに、化粧活性成分と組み合わせることもできる。適当な活性成分は、例えば、防虫剤、UV A/BC防護フィルター(例えば、OMC、B3、MBC)、老化防止活性成分、ビタミンおよびそれらの誘導体(例えば、ビタミンA、C、E等)、セルフ・タンニング剤(例えば、特に、DHA、エリトルロース)、およびさらなる化粧活性成分、例えば、ビサボロール、LPO、エクトイン、エンブリカ、アラントイン、ビオフラボノイドおよびそれらの誘導体である。
【0036】
塗料および被膜における干渉顔料の使用の場合、当業者に知られている全ての領域の用途、例えば、粉末被膜、自動車塗料:グラビア、オフセット、スクリーンまたはフレキソ印刷用の印刷インク、および屋外用途における被覆が可能である。ここで、塗料および被膜は、例えば、放射線硬化、物理的乾燥または化学的硬化であり得る。例えば、アクリレート、メタクリレート、ポリエステル、ポリウレタン、ニトロセルロース、エチルセルロース、ポリアミド、ポリ酪酸ビニル、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、澱粉またはポリビニルアルコール、アミノ樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニルまたはそれらの混合物、特に、水溶性級の物質に基づく印刷インクまたは液状表面被膜の調製に複数のバインダーが適している。表面被膜は粉末被膜または水性もしくは溶媒系被膜であり得、被膜成分の選択は、当業者の一般的知識に属する。粉末被膜用の一般的ポリマーバインダーは、例えば、ポリエステル、エポキシド、ポリウレタン、アクリレートまたはそれらの混合物である。
【0037】
さらに、本発明の干渉顔料を、フィルムおよびプラスチックにおいて、特に、農業用シート、赤外線反射性箔およびシート、ギフト箔、プラスチック容器および、当業者に知られている全ての用途のために型に用いることができる。本発明による干渉顔料の混入に適したプラスチックは、全ての一般的プラスチック、例えば、熱硬化性または熱可塑性材料である。可能な用途および、用いることができるプラスチック、加工法および添加剤が、例えば、RD 472005またはR. Glausch, M. Kieser, T. Maisch, G. Phaff, J. Weitzel著Perlglanzpigmente (Pearlescent Pigments), Curt R. Vincentz Verlag, 1996年, 83頁以降に記載されており、その開示内容もここで取り込む。
【0038】
さらに、本発明の干渉顔料は、セキュリティー印刷および安全対策関連の、例えば、偽造防止カードおよび身分証明書、例えば、入場券、個人身分証明書、銀行券、小切手および小切手カード、および他の偽造防止文書における使用にも適している。農業の領域においては、干渉顔料を、種子および他の出発材料の着色において用いることができ、食品分野において食品の着色に用いることができる。本発明の干渉顔料は、同様に、例えば、錠剤または糖衣錠のような薬剤において被膜を着色するために用いることができる。
【0039】
本発明の干渉顔料は、同様に、有機染料および/または顔料、例えば、透明および不透明の白色、着色および黒色顔料と、および、薄片状の酸化鉄、有機顔料、ホログラフ顔料、LCP(液晶ポリマー)および、雲母、ガラス、Al23、Fe23、SiO2等に基づく金属酸化物被覆薄片に基づく従来の透明、着色および黒色光沢顔料とブレンドして用いるための前記領域の用途に適している。本発明の干渉顔料は、任意の割合で、市販の顔料および充填剤と混合することができる。
【0040】
列挙し得る充填剤は、例えば、天然および合成雲母、ナイロン粉末、純または充填メラミン樹脂、滑石、ガラス、カオリン:アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛の酸化物または水酸化物、BiOCl、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素、およびこれらの物質の物理的または化学的組み合わせである。充填剤の粒子形状について制限は無い。これは、例えば、要求に応じて薄片状、球状または針状であり得る。
【0041】
本発明の干渉顔料は、一または二以上の本発明の粒子、バインダーおよび任意に一または二以上の添加剤を含む流動性顔料組成物および乾燥製剤の調製にさらに適している。乾燥製剤は、0〜8重量%、好ましくは2〜8重量%、特に3〜6重量%の水および/または溶媒もしくは溶媒混合物を含む製剤を意味するとも解される。乾燥製剤は、好ましくは、ペレット、顆粒、チップ、ソーセージまたはブリケットの状態であり、0.2〜80nmの粒径を有する。乾燥製剤は、特に、印刷インクの調製および化粧組成物において用いられる。
【0042】
全ての特許出願、特許および前述の公報の全ての開示内容を、参考のために本出願に取り込む。
【0043】
以下の実施例は、本発明をより詳しく説明することを意図しているが、限定するものではない。
【0044】
(実施例1)
平均層厚が350nmであるSiO2薄片100gを、攪拌下に脱イオン水1.9L中に懸濁させ、75℃に加熱する。懸濁液のpHを、18%塩酸を用いて2.2に調節する。30%四塩化チタン溶液(脱イオン水262g中に四塩化チタン溶液(w=60重量%)262gを溶解することにより調製)524gを計量添加し、その間に、32%水酸化ナトリウム溶液を同時に滴下することによりpHを一定に維持する。添加が完了すると、混合物をさらに15分間攪拌する。懸濁液のpHを、続いて、32%水酸化ナトリウム溶液を用いて7.5に調節し、混合物をさらに15分間攪拌する。次に、ナトリウム水ガラス溶液(脱イオン水116gに溶解された27重量%のSiO2を含むナトリウム水ガラス溶液116g)を滴下し、その間、18%塩酸を同時に計量添加することによりpHを一定に維持する。添加が完了すると、混合物をさらに30分間攪拌する。次に、懸濁液のpHを、18%塩酸を用いて2.2に調節し、混合物をさらに30分間攪拌し、30%四塩化チタン溶液641gを滴下する。32%水酸化ナトリウム溶液の添加によりpHを2.2で一定に維持する。混合物を、再び、さらに15分間攪拌する。生成物を濾過除去し、洗い、乾燥し、800℃で焼成し、100μm篩を通して篩い分ける。
【0045】
以下の構造を有する干渉顔料が得られる。
【0046】
TiO2(98nm)/SiO2(60nm)/TiO2(80nm)/基材(SiO2)(350nm)/TiO2(80nm)/SiO2(60nm)/TiO2(98nm)
この顔料の合計厚さは0.826μmである。
【0047】
塗料カードが、ニトロセルロースラッカーに混入することにより調製され、色が測定される。対応するHunter L、a、bカラー図を図1に示す。これは、平射角から傾斜角における赤色から金色へのカラーフロップを示す。
【0048】
(実施例2)
平均層厚が450nmであるSiO2薄片100gを、攪拌下に脱イオン水1.9L中に懸濁させ、75℃に加熱する。懸濁液のpHを、18%塩酸を用いて2.2に調節する。30%四塩化チタン溶液(脱イオン水229g中に四塩化チタン溶液(w=60重量%)229gを溶解することにより調製)458gを計量添加し、その間に、32%水酸化ナトリウム溶液を同時に滴下することによりpHを一定に維持する。添加が完了すると、混合物をさらに15分間攪拌する。懸濁液のpHを、続いて、32%水酸化ナトリウム溶液を用いて7.5に調節し、混合物をさらに15分間攪拌する。次に、ナトリウム水ガラス溶液(脱イオン水97gに溶解された27重量%のSiO2を含むナトリウム水ガラス溶液97g)を滴下し、その間、18%塩酸を同時に計量添加することによりpHを一定に維持する。添加が完了すると、混合物をさらに30分間攪拌する。次に、懸濁液のpHを、18%塩酸を用いて2.2に調節し、混合物をさらに30分間攪拌し、30%四塩化チタン溶液608gを滴下する。32%水酸化ナトリウム溶液の添加によりpHを2.2で一定に維持する。混合物を、再び、さらに15分間攪拌する。
【0049】
生成物を濾過除去し、洗い、乾燥し、800℃で焼成し、100μm篩を通して篩い分ける。
【0050】
以下の構造を有する干渉顔料が得られる。
【0051】
TiO2(93nm)/SiO2(50nm)/TiO2(70nm)/基材(SiO2)(450nm)/TiO2(70nm)/SiO2(50nm)/TiO2(93nm)
この顔料の合計厚さは0.876μmである。
【0052】
塗料カードが、ニトロセルロースラッカーに混入することにより調製され、色が測定される。対応するHunter L、a、bカラー図を図2に示す。これは、平射角から傾斜角における緑−金色からオレンジ色へのカラーフロップを示す。
【0053】
(実施例3)
平均層厚が320nmであるSiO2薄片100gを、攪拌下に脱イオン水1.9L中に懸濁させ、75℃に加熱する。懸濁液のpHを、18%塩酸を用いて2.2に調節する。30%四塩化チタン溶液(脱イオン水425g中に四塩化チタン溶液(w=60重量%)425gを溶解することにより調製)850gを計量添加し、その間に、32%水酸化ナトリウム溶液を同時に滴下することによりpHを一定に維持する。添加が完了すると、混合物をさらに15分間攪拌する。懸濁液のpHを、続いて、32%水酸化ナトリウム溶液を用いて7.5に調節し、混合物をさらに15分間攪拌する。次に、ナトリウム水ガラス溶液(脱イオン水77gに溶解された27重量%のSiO2を含むナトリウム水ガラス溶液77g)を滴下し、その間、18%塩酸を同時に計量添加することによりpHを一定に維持する。添加が完了すると、混合物をさらに30分間攪拌する。次に、懸濁液のpHを、18%塩酸を用いて2.2に調節し、混合物をさらに30分間攪拌し、30%四塩化チタン溶液687gを滴下する。32%水酸化ナトリウム溶液の添加によりpHを2.2で一定に維持する。混合物を、再び、さらに15分間攪拌する。
【0054】
生成物を濾過除去し、洗い、乾燥し、800℃で焼成し、100μm篩を通して篩い分ける。
【0055】
以下の構造を有する干渉顔料が得られる。
【0056】
TiO2(105nm)/SiO2(40nm)/TiO2(130nm)/基材(SiO2)(320nm)/TiO2(40nm)/SiO2(130nm)/TiO2(105nm)
この顔料の合計厚さは0.87μmである。
【0057】
塗料カードが、ニトロセルロースラッカーに混入することにより調製され、色が測定される。対応するHunter L、a、bカラー図を図3に示す。これは、平射角から傾斜角における緑色から紫色へのカラーフロップを示す。
【0058】
(実施例4)
平均層厚が220nmであるSiO2薄片100gを、攪拌下に脱イオン水1.9L中に懸濁させ、75℃に加熱する。懸濁液のpHを、18%塩酸を用いて2.2に調節する。30%四塩化チタン溶液(脱イオン水131g中に四塩化チタン溶液(w=60重量%)131gを溶解することにより調製)262gを計量添加し、その間に、32%水酸化ナトリウム溶液を同時に滴下することによりpHを一定に維持する。添加が完了すると、混合物をさらに15分間攪拌する。懸濁液のpHを、続いて、32%水酸化ナトリウム溶液を用いて7.5に調節し、混合物をさらに15分間攪拌する。次に、ナトリウム水ガラス溶液(脱イオン水135gに溶解された27重量%のSiO2を含むナトリウム水ガラス溶液135g)を滴下し、その間、18%塩酸を同時に計量添加することによりpHを一定に維持する。添加が完了すると、混合物をさらに30分間攪拌する。次に、懸濁液のpHを、18%塩酸を用いて2.2に調節し、混合物をさらに30分間攪拌し、30%四塩化チタン溶液654gを滴下する。32%水酸化ナトリウム溶液の添加によりpHを2.2で一定に維持する。混合物を、再び、さらに15分間攪拌する。
【0059】
生成物を濾過除去し、洗い、乾燥し、800℃で焼成し、100μm篩を通して篩い分ける。
【0060】
以下の構造を有する干渉顔料が得られる。
【0061】
TiO2(100nm)/SiO2(70nm)/TiO2(40nm)/基材(SiO2)(220nm)/TiO2(40nm)/SiO2(70nm)/TiO2(100nm)
この顔料の合計厚さは0.64μmである。
【0062】
塗料カードが、ニトロセルロースラッカーに混入することにより調製され、色が測定される。対応するHunter L、a、bカラー図を図4に示す。これは、平射角から傾斜角における紫色から金色へのカラーフロップを示す。
【0063】
(比較例)
平均層厚が500nmであるSiO2薄片100gを、攪拌下に脱イオン水1.9L中に懸濁させ、75℃に加熱する。懸濁液のpHを、18%塩酸を用いて2.2に調節する。30%四塩化チタン溶液(脱イオン水206g中に四塩化チタン溶液(w=60重量%)206gを溶解することにより調製)412gを計量添加し、その間に、32%水酸化ナトリウム溶液を同時に滴下することによりpHを一定に維持する。添加が完了すると、混合物をさらに15分間攪拌する。懸濁液のpHを、続いて、32%水酸化ナトリウム溶液を用いて7.5に調節し、混合物をさらに15分間攪拌する。次に、ナトリウム水ガラス溶液(脱イオン水270gに溶解された27重量%のSiO2を含むナトリウム水ガラス溶液270g)を滴下し、その間、18%塩酸を同時に計量添加することによりpHを一定に維持する。添加が完了すると、混合物をさらに30分間攪拌する。次に、懸濁液のpHを、18%塩酸を用いて2.2に調節し、混合物をさらに30分間攪拌し、30%四塩化チタン溶液968gを滴下する。32%水酸化ナトリウム溶液の添加によりpHを2.2で一定に維持する。混合物を、再び、さらに15分間攪拌する。
【0064】
生成物を濾過除去し、洗い、乾燥し、800℃で焼成し、100μm篩を通して篩い分ける。
【0065】
以下の構造を有する干渉顔料が得られる。
【0066】
TiO2(148nm)/SiO2(140nm)/TiO2(63nm)/基材(SiO2)(500nm)/TiO2(63nm)/SiO2(140nm)/TiO2(148nm)
この顔料の合計厚さは1.2μmである。
【0067】
塗料カードが、ニトロセルロースラッカーに混入することにより調製され、色が測定される。対応するHunter L、a、bカラー図を図5に示す。これは、平射角から傾斜角において目に殆ど感知されない、金色から緑−金黒色を介して金色への最小限の色変化しか示さない。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施例1のHunter L、a、bカラー図。
【図2】実施例2のHunter L、a、bカラー図。
【図3】実施例3のHunter L、a、bカラー図。
【図4】実施例4のHunter L、a、bカラー図。
【図5】比較例のHunter L、a、bカラー図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高屈折率材料と低屈折率材料との交互層で被覆された薄片状基材を含んでなる多層干渉顔料であって、合計厚さが1μmを超えないことを特徴とする多層干渉顔料。
【請求項2】
基材が合成薄片を含む請求項1に記載の干渉顔料。
【請求項3】
合成薄片が二酸化珪素、ガラス、酸化アルミニウム、二酸化錫、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、フッ化マグネシウムおよび/または酸化鉄からなる請求項2に記載の干渉顔料。
【請求項4】
基材の直径が1〜250μmであり基材の厚さが100〜600nmである請求項1〜3のいずれかに記載の干渉顔料。
【請求項5】
高屈折率材料と低屈折率材料が、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物、金属オキシ窒化物および/またはそれらの混合物からなる群より選択される請求項1〜4のいずれかに記載の干渉顔料。
【請求項6】
高屈折率材料が、TiO2、ZrO2、ZnO、SnO2、BiOClおよび/またはそれらの混合物から選択される請求項5に記載の干渉顔料。
【請求項7】
低屈折率材料が、SiO2、SiO(OH)2、Al23、AlO(OH)、B23、MgF2および/またはそれらの混合物から選択される請求項5に記載の干渉顔料。
【請求項8】
低屈折率層の厚さが20〜100nmである請求項1〜7のいずれかに記載の干渉顔料。
【請求項9】
干渉顔料が基材を含む合計七つの層を含む請求項1〜8のいずれかに記載の干渉顔料。
【請求項10】
干渉顔料に有機被膜がさらに適用されている請求項1〜9のいずれかに記載の干渉顔料。
【請求項11】
請求項1に記載の干渉顔料を調製する方法であって、基材を高屈折率材料の層と低屈折率材料の層とで交互に被覆し、高屈折率材料の層および低屈折率材料の層のそれぞれの厚さを、干渉顔料の合計厚さが1μmを超えないように選択することを特徴とする方法。
【請求項12】
低屈折率材料の層での被覆を、層の厚さが20〜100nmであるように行う請求項11に記載の方法。
【請求項13】
高屈折率材料の層および低屈折率材料の層での被覆を、湿式化学的法、ゾル−ゲルプロセスおよび/またはCVDもしくはPVDプロセスにより行う請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
化粧剤、塗料、被膜、プラスチック、フィルムにおける、証券印刷における、公文書および身分証明書の保障特徴部における、種子の着色のため、食品の着色のため、または薬剤被覆における、並びに顔料組成物および乾燥製剤の調製のための請求項1に記載の干渉顔料の使用。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−45562(P2006−45562A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−214305(P2005−214305)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】