説明

多年生作物用のゲル製剤又は泡状製剤としてのニコチニル類、ピレスロイド類及びケトエノール類

少なくとも1種類の殺虫剤を含んでいるゲル製剤又は泡状製剤を用いて昆虫を防除する方法が開示されている。前記方法は、保護対象の植物の幹の外表面に当該農薬製剤を施用することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多年生作物を移動性を有する有害動物(migrating animal pests)から効果的に保護するための殺虫剤含有ゲル又は殺虫剤含有泡状物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
大部分の多年生作物、例えば、ブドウの木、柑橘類の木、仁果類の木、核果類の木、堅果類の木及びチャの木などは、土壌から、根域又は別の領域から移動してくる昆虫の攻撃を受ける。幹の基部に沿って、それらは、当該多年生植物の上方の生長領域(ここで、該生長領域には、その植物の葉、果実、堅果又は別の栄養器官(vegetative material)が包含される)へと達する。それらの有害生物の伝統的な防除方法は、顆粒剤若しくは注入可能な溶液剤を用いる土壌施用、又は、作物保護製品の茎葉散布である。これらの施用方法は、多くの場合、所要の効力を達成することができない。それは、施用時に、当該有害生物(例えば、コナカイガラムシ類(mealybugs)、ネアブラムシ属(Phylloxera)、ウッドビートル類(wood beetles)、カイガラムシ類(scale insects)及びキジラミ類(psyllids)など)が、十分に保護される段階にあるか、又は、土中の深いところに存在していることによって土壌中で保護されているか、又は、樹皮下に隠れているか若しくは別の植物部分の下に隠れていることによって保護されているからである。従って、土壌施用は、当該動物が土壌表面に移動する直前に実施すべきであり、茎葉散布は、当該動物が保護されている領域から生長領域(vegetative zone)に移動する直前に実施すべきである。この時間窓は、実際の条件下では、個々の有害生物が異なった生育段階にあり得るか又は当該植物が異なった発育段階にある有害生物の攻撃を受け得るので、規定するのが困難である。経済的に意味があり且つ生態学的に理想的な施用を正確な時点で行うのは、殆ど不可能である。噴霧施用は、最高の結果を確実に得るためには、異なった時点で繰り返し実施しなければならない。このことは、農業従事者に求められる時間を増大させ、また、活性物質の施用量が増大する結果として、環境汚染を増大させる。さらに、上記既知処理方法が、経済学的及び生態学的な欠点を有しているということは、理解することができる。
【0003】
従って、上記で記載した特定の難点を回避しながら有効量の殺虫剤を施用する方法が非常に求められている。建造物及び材料物質の保護において泡状製剤を使用することは、すでに知られている(例えば、US 6 290 992、US 6 036 970、JP-A2 08259402)。しかしながら、これは、建造物又は電子系統(例えば、変圧器ケース)を有害生物(主に、シロアリ類及び齧歯類)による攻撃から保護するという形をとる。植物の表面に施用するということは、上記出願には開示されておらず、また、上記出願から明らかでもない。
【0004】
ベイト剤としてゲル又は泡状物を使用することも知られている(例えば、WO 91/07972、WO 03/94612、JP-A2 2003 284477、US 5 968 540)。しかしながら、上記出願における目的は、有害な昆虫をベイト剤によって捕捉し、そのベイト剤中に含まれている殺虫剤と接触させることである。従って、自然環境中における施用又は昆虫や別の有害な動物(例えば、ラットなど)の予期される通り道における施用は、必ずしも実施されない。ベイト剤は、通常、建造物内で使用される。しかしながら、植物の表面に施用するということは、上記出願には開示されておらず、また、上記出願から明らかでもない。
【0005】
植物の幹の周囲に粘性のバンドを配置することも知られている。そのようなバンドは粘着性物質で覆われており、そのバンドを走って又は這って横切ろうとする昆虫を捕捉し、死に至らしめる。しかしながら、それらバンドは、殺虫活性物質を含んでいない。さらにそれらバンドは、当該幹の直径に合うように適合させなければならず(これは、多大な時間を必要とする)、また、ある一定に時間が経過した後、表面積の過大な部分が捕捉した昆虫で占められた場合には、交換しなければならない。
【発明の開示】
【0006】
驚くべきことに、ゲル製剤又は泡状製剤を植物の幹に施用することによって移動性を有する有害な昆虫からの効果的な保護が提供されるということが見いだされた。これと匹敵する保護は、既知施用形態(注入又は噴霧)では、達成されないか、又は、達成するのには、相当な複雑さを必然的に伴うか若しくは繰り返し施用する結果として施用量が必然的に多くなる。本発明の方法においては、ゲル製剤又は泡状製剤の形態にある殺虫剤を、当該幹に対して外表面的に環の形状に施用する。施用の当該タイプの結果として、この形態にある製品の存在場所及び効力は長期間にわたって安定に維持され、有害動物が移動したときには、当該製品は必然的にその有害動物と接触することとなる。その接触中に、当該殺虫剤は有害動物に作用し、結果として有害動物は死ぬ。当該製剤が高い安定性を有する結果として、有害昆虫の予期される移動の前に実施しなければならない処理は1回のみである。それ故、活性物質の施用量は少ない。さらに、作物保護製品がゲル又は泡としての製剤である結果として、植物の幹への施用は、非常に迅速且つ容易である。
【0007】
ゲルは、分散相が連続相と一緒にゼリー様の生成物を形成しているコロイドであり、以下の特性を有する:20000mPa・sを超える「ブルックフィールド粘度」(25℃で1分間当たり20回転、スピンドル#7)、及び、50を超えるブルックフィールド降伏点。
【0008】
しかしながら、本発明による方法のための適切なゲル製剤又は泡状製剤は、原則として、使用条件(即ち、過度的な温度、日光及び降水)下において充分な寸法安定性及び長寿命を有し且つ幹に付着するために充分な作用持続時間を有し且つ処理の全期間を通して効力を維持する、任意のものである。
【0009】
ゲルは、好ましくは、本発明の方法のための農薬製剤として適している。
【0010】
適切な製剤は、既知方法で調製することができるか、又は、家庭内衛生用組成物であることを前提として、例えば、殺虫活性物質イミダクロプリドを含有する組成物(「Premise(登録商標)」、「Proficid(登録商標)Aktiv」、「PreEmpt(登録商標)」及び「Blattanex(登録商標)Ultra brands」として販売されている; Bayer CropScience AG, Monheim, Germany)、若しくは、d−フェノトリン及びテトラメトリンを含有する組成物(「Blattanex Wespenschaum(登録商標)」; Bayer CropScience AG, Monheim, Germany)が市販されている。
【0011】
原則として、本発明の方法は、全ての植物に適している。
【0012】
該方法は、好ましくは、多年生作物を処理するのに適している。該方法は、好ましくは、ブドウの木、柑橘類の木、仁果類及び核果類の木、堅果類の木及びチャの木を処理するのに適している。
【0013】
本発明の方法は、極めて特に好ましくは、ブドウの木、柑橘類の木、オレンジの木、マンダリンの木、グレープフルーツの木、リンゴの木、セイヨウナシの木、マルメロの木、、セイヨウカリンの木、アンズの木、サクラの木、ミラベルの木、ネクタリンの木、モモの木、プラムの木、グリーンゲージの木若しくは堅果類の木を処理するのに適しているか、又は、チャの低木に処理するのに適している。
【0014】
本発明の方法は、特に好ましくは、プラムの木を処理するのに適している。
【0015】
原則として、本発明の方法は、攻撃しようとする植物の幹に沿って土壌又は土壌表面からその植物の生長領域に移動する全ての有害昆虫を防除するのに適している。
【0016】
本発明の方法は、好ましくは、土壌又は土壌表面からブドウの木、柑橘類の木、仁果類及び核果類の木、堅果類の木及びチャの木の幹に沿ってそれらの木の生長領域に移動する全ての有害昆虫を防除するのに適している。
【0017】
該方法は、好ましくは、コナカイガラムシ類(mealybugs)、ネアブラムシ属(Phylloxera)、ウッドビートル類(wood beetles)、カイガラムシ類(scale insects)及びキジラミ類(psyllids)を防除するのに適している。
【0018】
本発明の方法を実施する場合、該農薬製剤を当該幹に外表面的に施用する。
【0019】
該農薬製剤は、好ましくは、当該幹の地面より上で生長している領域より下の部分に外表面的に施用する。
【0020】
該農薬製剤は、特に好ましくは、当該幹の地面より上で生長している領域より下の外面に完全な環の形状に施用する。
【0021】
本発明の農薬製剤中に含ませる適切な殺虫活性物質の例は、以下の活性物質である:
アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬
カーバメート系
例えば、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、ジメチラン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メタム−ナトリウム、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカーブ、プロメカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ、トリアザメート;
有機リン系
例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホス(−メチル,−エチル)、ブロモホス−エチル、ブロムフェンビンホス(−メチル)、ブタチオホス、カズサホス、カルボフェノチオン、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス(−メチル/−エチル)、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、クロルフェンビンホス、ジメトン−S−メチル、ジメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ダイスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ファムフール、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、O−サリチル酸イソプロピル、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、オメトエート、オキシジメトン−メチル、パラチオン(−メチル/−エチル)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ(phosphocarb)、ホキシム、ピリミホス(−メチル/−エチル)、プロフェノホス、プロパホス、プロペタムホス、プロチオホス、プロトエート、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリダチオン(pyridathion)、キナルホス、セブホス(sebufos)、スルホテップ、スルプロホス、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロロビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン;
ナトリウムチャンネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャンネル遮断薬
ピレスロイド系
例えば、アクリナトリン、アレスリン(d−シス−トランス,d−トランス)、ベータ−シフルトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル異性体、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロバポルトリン(chlovaporthrin)、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン(アルファ−,ベータ−,シータ−,ゼータ−)、シフェノトリン、デルタメトリン、エムペントリン(1R異性体)、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンフルトリン(fenfluthrin)、フェンプロパトリン、フェンピリトリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、フブフェンプロックス(fubfenprox)、ガンマ−シハロトリン、イミプロトリン、カデトリン、ラムダ−シハロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン(シス−,トランス−)、フェノトリン(1R−トランス異性体)、プラレトリン、プロフルトリン、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ピレスメトリン、レスメトリン、RU 15525、シラフルオフェン、タウ−フルバリネート、テフルトリン、テラレトリン、テトラメトリン(1R異性体)、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI 8901、ピレトリン類(除虫菊剤(pyrethrum));
DDT;
オキサジアジン系
例えば、インドキサカルブ;
アセチルコリン受容体作動薬/拮抗薬
クロロニコチニル系
例えば、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアジン、チアクロプリド、チアメトキサム;
ニコチン、ベンスルタップ、カルタップ;
アセチルコリン受容体モジュレーター
スピノシン系
例えば、スピノサド;
GABA制御塩化物チャンネル拮抗薬
有機塩素系
例えば、カンフェクロル、クロルダン、エンドスルファン、ガンマ−HCH、HCH、ヘプタクロル、リンダン、メトキシクロル;
フィプロール系
例えば、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、バニリプロール(vaniliprole);
塩化物チャンネル活性化剤
メクチン系
例えば、アベルメクチン、エマメクチン、エマメクチン安息香酸塩、イベルメクチン、ミルベマイシン;
幼若ホルモンミメティクス
例えば、ジオフェノラン、エポフェノナン(epofenonane)、フェノキシカルブ、ハイドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、トリプレン(triprene);
エクジソン作動薬/ディスラプター
ジアシルヒドラジン系
例えば、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド;
キチン生合成阻害薬
ベンゾイル尿素系
例えば、ビストリフルロン、クロルフルアズロン(chlofluazuron)、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン(penfluron)、テフルベンズロン、トリフルムロン;
ブプロフェジン;
シロマジン;
酸化的リン酸化阻害薬、ATPディスラプター
ジアフェンチウロン;
有機スズ化合物
例えば、アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ;
H−プロトン勾配を遮断することによる酸化的リン酸化デカップラー
ピロール系
例えば、クロルフェナピル;
ジニトロフェノール系
例えば、ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、DNOC;
Site−I 電子伝達阻害薬
METI系
例えば、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド;
ヒドラメチルノン;
ジコホル;
Site−II 電子伝達阻害薬
ロテノン;
Site−III 電子伝達阻害薬
アセキノシル、フルアクリピリム;
昆虫消化管膜の微生物ディスラプター
バシルス・ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)株
脂質生合成阻害薬
テトロン酸系
例えば、スピロジクロフェン、スピロメシフェン(spiromesifen);
テトラミン酸系
例えば、スピロテトラマト(CAS−Reg.No.:203313−25−1)、及び、3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルエチルカルボナート(これは、「炭酸3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルエチルエステル」としても知られている;CAS−Reg.No.:382608−10−8);
カルボキサミド系
例えば、フロニカミド;
オクトパミン作用薬
例えば、アミトラズ;
マグネシウム刺激ATPアーゼの阻害薬
プロパルギット;
安息香酸ジカルボキサミド系
例えば、フルベンジアミド;
ネライストキシン類似体
例えば、チオシクラムシュウ酸水素塩(thiocyclam hydrogen oxalate)、チオスルタップ−ナトリウム(thiosultap-sodium);
生物学的薬剤、ホルモン又はフェロモン
アザジラクチン、バシルス属種(Bacillus spec.)、ベアウベリア属種(Beauveria spec.)、コドレモン(codlemone)、メタリジウム属種(Metarrhizium spec.)、パエシロマイセス属種(Paecilomyces spec.)、チューリンギエンシン(thuringiensin)、ベルチシリウム属種(Verticillium spec.);
作用機序が知られていないか又は特定されていない活性化合物
燻蒸剤
例えば、リン化アルミニウム、臭化メチル、フッ化スルフリル;
摂食阻害薬
例えば、氷晶石(cryolite)、フロニカミド、ピメトロジン;
ダニ成長阻害薬
例えば、クロフェンテジン、エトキサゾール、ヘキシチアゾクス;
アミドフルメト、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、ブプロフェジン、キノメチオネート、クロルジメホルム、クロロベンジレート、クロロピクリン、クロチアゾベン(clothiazoben)、シクロプレン(cycloprene)、シフルメトフェン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル(fentrifanil)、フルベンジミン、フルフェネリム、フルテンジン(flutenzin)、ゴシプルレ(gossyplure)、ヒドラメチルノン、ジャポニルレ(japonilure)、メトキサジアゾン、石油、ピペロニルブトキシド、オレイン酸カリウム、ピリダリル、スルフルラミド、テトラジホン、テトラスル、トリアラセン、ベルブチン(verbutin)。
【0022】
本発明の製剤は、好ましくは、ネオニコチニル系及びピレスロイド系及びケトエノール系の類から選択される少なくとも1種類の殺虫活性物質を含んでいる。
【0023】
特に好ましい殺虫活性物質は、以下のものである:イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、チアクロプリド、アセタミプリド、ジノテフラン、クロチアニジン、AKD−1022、アクリナトリン、アレスリン(d−シス−トランス,d−トランス)、ベータ−シフルトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル異性体、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロバポルトリン、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン(アルファ−,ベータ−,シータ−,ゼータ−)、シフェノトリン、デルタメトリン、エムペントリン(1R−異性体)、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンフルトリン、フェンプロパトリン、フェンピリトリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、フブフェンプロックス、ガンマ−シハロトリン、イミプロトリン、カデトリン、ラムダ−シハロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン(シス−,トランス−)、フェノトリン(1R−トランス異性体)、プラレトリン、プロフルトリン、プロトリフェンブト、ピレスメトリン、レスメトリン、RU 15525、シラフルオフェン、タウ−フルバリネート、テフルトリン、テラレトリン、テトラメトリン(1R−異性体)、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI 8901、ピレトリン類(除虫菊剤)、スピロメシフェン、スピロジクロフェン、スピロテトラマト、及び、3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルエチルカルボネート(これは、「炭酸3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イルエチルエステル」としても知られている;CAS−Reg.No.:382608−10−8)。
【0024】
極めて特に好ましい殺虫活性物質は、以下のものである:イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、チアクロプリド、アセタミプリド、ジノテフラン、クロチアニジン、AKD−1022、アクリナトリン、アルファ−シペルメトリン、ベータ−シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、ラムダ−シハロトリン、ゼータ−シペルメトリン、シフルトリン、ビフェントリン、スピロメシフェン、スピロジクロフェン、又は、スピロテトラマト。
【0025】
本発明による組成物の活性物質含有量は、1から70重量%、好ましくは、1から30重量%、特に好ましくは、1から10重量%、極めて特に好ましくは、1から3重量%である。
【実施例】
【0026】
使用実施例
樹幹への施用後におけるイミダクロプリド含有ゲルのプセウドコックス・シトリ(Pseudococcus citri)に対する活性(プセウドコックス・シトリ(Pseudococcus citri)−試験)
若木の幹の高さ約3cmのところに、規定された幅で、2.15%のイミダクロプリドを含んでいるゲル(「Blattanex Gel」(登録商標)、Bayer CropScience AG製)を施用する。
【0027】
移動性を有する齢にあるミカンヒメコナカイガラムシ(citrus mealybug)(Pseudococcus citri)を当該樹幹の基部に配置し、そこから、ミカンヒメコナカイガラムシを当該植物に生息させる。
【0028】
所望の期間が経過した後、活性(%保護)を求める。100%は、ミカンヒメコナカイガラムシが当該植物に生息できなかったことを意味し、0%は、当該植物上のミカンヒメコナカイガラムシの個体群が対照の個体群と同程度であることを意味する。
【0029】
本試験において、ゲルの施用は顕著な活性を示す。
【0030】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害な昆虫を防除する方法であって、少なくとも1種類の殺虫活性物質を含んでいるゲル製剤又は泡状製剤を植物に外表面的に施用することを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
農薬製剤が、ネオニコチニル系、ピレスロイド系又はケトエノール系の類から選択される少なくとも1種類の活性物質を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
農薬製剤が、イミダクロプリド、d−フェノトリン、テトラメトリン、スピロメシフェン、スピロジクロフェン及びスピロテトラマトからなる群から選択される少なくとも1種類の活性物質を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
農薬製剤が、殺虫活性物質を1から70重量%の濃度で含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
農薬製剤が、イミダクロプリドを1から3重量%の濃度で含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
農薬製剤を、処理対象植物の地面より上で生長領域より下の部分に外表面的に施用することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
農薬製剤を、植物に対して外表面的に完全な環の形状に施用することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
農薬製剤を、ブドウ、柑橘類の木、仁果類及び核果類の木、堅果類の木及びチャの木に外表面的に施用することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
農薬製剤を、ブドウ、柑橘類の木、オレンジの木、マンダリンの木、グレープフルーツの木、リンゴの木、セイヨウナシの木、マルメロの木、セイヨウカリンの木、アンズの木、サクラの木、ミラベルの木、ネクタリンの木、モモの木、プラムの木、グリーンゲージの木若しくは堅果類の木に、又は、チャの低木に外表面的に施用することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
農薬製剤を、プラムの木に外表面的に施用することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
防除される昆虫が、コナカイガラムシ類(mealybugs)、ネアブラムシ属(Phylloxera)、ウッドビートル類(wood beetles)、カイガラムシ類(scale insects)及びキジラミ類(psyllids)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
使用する該農薬製剤が1から3重量%のイミダクロプリドを含んでいるゲルであり且つ該ゲルを完全な環の形状で果樹の幹に施用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2009−509947(P2009−509947A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531574(P2008−531574)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008844
【国際公開番号】WO2007/033779
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】