説明

多数の電池を備えるシステムでの電力管理のための選択回路

【課題】電力管理ユニットからの制御信号を受け取るように構成された選択器回路を提供する。
【解決手段】電子機器に対して、直流電源と複数の電池の間で選択をするように構成された選択器回路である。該選択器回路は、関連する電力管理ユニットからの出力信号に応答する。この選択器回路は、さらに、2つ或いは3つ以上の電池の並列動作を可能とするように構成される。前記選択器回路は、さらに、電源の安全性と電池の寿命を保証するために、高電圧の電池から、並列に結合される低電圧の電池への内部電池の電流の流れを防ぐなどによって、独立して電力状況を検証し、PMUからの命令を無効にしたりする動作を行う。選択器回路を含む電源ブロックと、電源ブロックを含む電子機器も提供される。選択器回路は、1つの集積回路上に充電回路を集積することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択回路に関し、特に、多数の電池のシステムと共に使用するための選択回路に関する。
【背景技術】
【0002】
選択回路は、典型的には様々な電子機器用の電源ブロック内で使用される。そのような選択回路は、一般的に、直流電源たとえば交直流アダプターと再充電可能電池とから選択をするのに設計される。加えて、ラップトップコンピュータのような様々な電子機器の中で、上記の選択回路は、典型的には、特定のプロトコルに従って、システム管理バス(SMBus)を通してやり取りする制御信号によって制御される。加えて、上記の選択回路は、典型的には、電源の危機的状況に対して電源ブロック内の他の部品を、独立して、確認したり修正したり通知したりすることはできない。加えて、上記の選択回路は、関連するホスト電力管理ユニットからの制御信号を受け取るように構成されていない。
なお、従来技術として特許文献1が知られている。
【特許文献1】特開平09−140065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、選択回路のこの分野には、従来における上記の欠点を克服する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による電源システムは、第1電池に結合されるように構成された第1経路と、第2電池に結合されるように構成された第2経路と、前記第1経路に結合され、前記第1電池を放電するために、前記第1電池を負荷に選択的に結合できるように構成された、第1スイッチおよび第2スイッチと、前記第2経路に結合され、前記第2電池を放電するために、前記第2電池を前記負荷に選択的に結合できるように構成された、第3スイッチおよび第4スイッチと、もし、前記第1電池からの第1放電電流レベルが第1放電閾値レベルよりも大きく、かつ前記第2電池からの第2放電電流レベルが第2放電閾値レベルよりも大きく、かつ前記第1放電閾値レベルと前記第2放電閾値レベルの差が予め定められた放電制限より小さければ、前記第1電池と前記第2電池を並列に放電することができるように、前記第1スイッチと前記第2スイッチと前記第3スイッチと前記第4スイッチを閉じるように構成された選択器回路とを備え、前記第1経路と前記第2経路とは、共通ノードに結合され、前記選択器回路への少なくとも1つの出力信号を生成するように構成された電力管理ユニット(PMU)をさらに備え、前記PMUは、さらに、少なくとも1つの電力管理ルーチンを実行するように構成され、前記PMUは、さらに、前記選択器回路と通信し、電池あるいは電池を並列に組み合わせたもののどれが充電あるいは放電のために選択されるべきかを示す複数の信号を生成するように構成され、前記選択器回路は、さらに、少なくとも1つの条件下で前記PMUからの命令を無効にするように構成される。
【0005】
本発明による電子機器は、第1電池に結合されるように構成された第1経路と、第2電池に結合されるように構成された第2経路と、前記第1経路に結合され、前記第1電池を放電するために、前記第1電池を前記電子機器のシステムに選択的に結合できるように構成された、第1スイッチおよび第2スイッチと、前記第2経路に結合され、前記第2電池を放電するために、前記第2電池を前記システムに選択的に結合できるように構成された、第3スイッチおよび第4スイッチと、もし、前記第1電池からの第1放電電流レベルが第1放電閾値レベルよりも大きく、かつ前記第2電池からの第2放電電流レベルが第2放電閾値レベルよりも大きく、かつ前記第1放電閾値レベルと前記第2放電閾値レベルの差が予め定められた放電制限より小さければ、前記第1電池と前記第2電池を並列に放電することができるように、前記第1スイッチと前記第2スイッチと前記第3スイッチと前記第4スイッチを閉じるように構成された選択器回路とを備え、前記第1経路と前記第2経路とは、共通ノードに結合され、前記選択器回路への少なくとも1つの出力信号を生成するように構成された電力管理ユニット(PMU)をさらに備え、前記PMUは、さらに、少なくとも1つの電力管理ルーチンを実行するように構成され、前記PMUは、さらに、前記選択器回路と通信し、電池あるいは電池を並列に組み合わせたもののどれが充電あるいは放電のために選択されるべきかを示す複数の信号を生成するように構成され、前記選択器回路は、さらに、少なくとも1つの条件下で前記PMUからの命令を無効にするように構成される。
【0006】
本発明による並列の電池の安全な動作を保証する方法は、少なくとも第1電池と第2電池を共通ノードへ希望通り並列に結合することを表す、関連する電力管理ユニット(PMU)からの制御信号を選択器回路において受信する段階と、前記第1電池と前記共通ノードとの間で結合される第1経路に沿った第1電流レベルを表す第1電流信号を受信する段階と、前記第2電池と前記共通ノードとの間で結合される第2経路に沿った第2電流レベルを表す第2電流信号を受信する段階と、前記第1電流信号を第1閾値電流レベルと比較し、前記第2電流信号を第2閾値電流レベルと比較する段階と、もし、前記第1電流信号が前記第1閾値電流レベルよりも大きく、かつ前記第2電流信号が前記第2閾値電流レベルよりも大きく、かつ前記第1閾値電流レベルと前記第2閾値電流レベルの差が予め定められた制限より小さければ、前記第1電池と第2電池を並列に前記共通ノードに結合する段階とを備え、前記PMUは、前記選択器回路への少なくとも1つの出力信号を生成するように構成され、前記PMUは、さらに、少なくとも1つの電力管理ルーチンを実行するように構成され、前記PMUは、さらに、前記選択器回路と通信し、電池あるいは電池を並列に組み合わせたもののどれが充電あるいは放電のために選択されるべきかを示す複数の信号を生成するように構成され、前記選択器回路は、さらに、少なくとも1つの条件下で前記PMUからの命令を無効にするように構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の利点は、以下の実施形態の説明から明らかになるし、その説明は、添付の図面と共に考察するべきである。
【0008】
図1を参照すると、任意の数の電源104,105が電力を与えることができる電子機器100の簡略化されたブロック図が示されている。そのような電源には、複数の電池105と直流電源104が含まれる。電池105は、さらに、リチウムイオン、ニッケルカドミウム、ニッケル水素の電池等の様々な種類の再充電可能な電池で良い。電子機器100は、様々な例の電源104,105から電力を与えられる携帯用電子機器(ラップトップコンピュータ、携帯電話、電子手帳、カムコーダー、デジタルカメラ、ラジオカセットプレイヤー等)、電気自動車、電力工具等の、当業者には既知の様々な機器で良い。
【0009】
もし、電子機器100がラップトップコンピュータならば、その中には、図1に示されない、当業者には既知の様々な部品が含まれるだろう。例えば、ラップトップには、データをラップトップに入力するための入力機器と、命令を実行しラップトップの動作を制御するための、例えば、Intel Corporation製のPentium(登録商標)プロセッサなどの中央演算ユニット(CPU)あるいはプロセッサと、ラップトップからデータを出力する、例えば液晶或いはスピーカーの出力機器とが含まれる。
【0010】
電池105を再充電し、かつ/または電力を機器100に供給するために、直流電源104を、機器100に結合することができる。直流電源104は、従来からの120ボルト交流を壁のコンセントから取り出し、それを直流出力電圧に変換するように構成される交直流アダプターで良い。直流電源104は、“タバコライター”のような形のソケットを差し込む、そのような形のアダプターのような直流直流アダプターでも良い。そのような直流電源104が機器100から分離して図1に示されるが、いくつかの機器の中に組み込むこともできる。
【0011】
機器100には、少なくとも本発明による選択回路114を含んだ電源ブロック106がある。電源ブロック106には、図1に示されるようなPMU120も含まれる。代わりに、PMU120は、電子機器100のより複雑なプロセッサ内に埋め込むこともできる。PMU120は、当業者には既知の、様々な電力管理ルーチンを実行するように構成される。概して、電源ブロック106には、各電源から、互いへそして機器100のシステム110へ向かう電力を、様々な条件下で監視し制御し導くための様々な部品が含まれる。有利なことに、本発明による選択回路114は、ここに詳述したように、PMU120からの少なくとも1つの出力信号に応答するように構成される。
【0012】
図2を参照すると、複数の電池のシステムのための電源ブロック206のより詳細なブロック図が示される。電源には、例えば交直流変換器などの直流電源204と、任意の数の複数の電池205−1,205−2,205−kが含まれる。その電池は、再充電可能な電池でも良い。いつの時点でも、これら電源204,205−1,205−2,205−kの各々は、システム内に存在するかも存在しないかもしれない。
【0013】
概して、電源ブロック206には、PMU220と、充電回路222と、電力変換要素226と、電池切り換えネットワーク217と、スイッチ230と、直流電源204からシステム210への電源経路209と、電池205−1,205−2,205−kからシステムへの電源経路240と、直流電源204から再充電可能な電池205−1,205−2,205−kへの再充電のための電源経路207と、本発明による選択回路214と、様々なデータあるいは通信経路とが含まれよう。電池切り換えネットワーク217は、さらに、それぞれ電池205−1,205−2,205−kに関連する、充電スイッチCSW1,CSW2,CSWkと放電スイッチDSW1,DSW2,DSWkを備えることができる。
【0014】
電源ブロック206の様々な部品間のデータ経路あるいは通信経路は、一方向あるいは両方向であろうし、アナログ或いはディジタル信号を運ぶであろう。データ経路は、命令か制御信号かデータのいずれかを運ぶであろう。そのようなデータ経路の数は、電池205−1,205−2,205−kと充電回路222とPMU220とそれらの供給ブロック206の特定の性質に、全体として大きく依存する。例えば、もし関連する機器100がラップトップコンピュータであるとすると、スマート充電回路とスマート電池が、特定のプロトコルに従って、システム管理バス(SMBus)を通って通信することができる。
【0015】
一般的に、選択回路214は、供給ブロック206内のPMU220を含む様々な部品からの様々な入力信号に応答して、スイッチ制御信号を、経路250を通って、電池切り換えネットワーク217と、様々な条件下で各電源からの電力を互いへそしてシステム210へ制御し導くスイッチ230とに供給する。
【0016】
例えば、選択回路214への入力信号の特定の組は、適当な電圧レベルによって、直流電源204が存在することを示すことができる。そのような入力信号に応答して、選択回路214は、制御信号をスイッチ230に供給して、スイッチ230を閉じる(オンする)ことと、電池切り換えネットワーク内の放電スイッチDSW1,DSW2,DSWkを開く(オフする)ことができる。そのようにして、直流電源204からの電力は、システム210に提供される。代わりに、もし選択回路への入力信号が、直流電源204が存在しないこと、あるいは直流電源が適当でない電圧レベルであることを示せば、選択回路214は、適切な制御信号を供給してスイッチ230をオフし、電池切り換えネットワークの放電スイッチDSW1,DSW2,DSWkの1つをオンするだろう。そのようにして、関連する電池205−1,205−2,205−kの内の1つ或いは2つ以上は、他の安全条件も以下に説明するように合致する限り、電力をシステム210に提供する。
【0017】
関連する各再充電可能な電池205−1,205−2,205−kに対する充電スイッチCSW1,CSW2,CSWkは、充電のために充電スイッチがオンである時に、電源ライン207から各関連する電池へ導電経路を提供する。放電スイッチDSW1,DSW2,DSWkは、各関連する電池205−1,205−2,205−kからシステム210へ導電経路を提供して、どの放電スイッチDSW1,DSW2,DSWkがオンしているかに基づいて、1つ或いは2つ以上の電池からシステム210へ電力を与える。
【0018】
有利なことに、選択回路214への少なくとも1つの入力信号が、PMU220からの出力信号を表している。PMU220と選択回路214の間のそのような通信は、データ経路211を通して起こるだろう。当業者ならば理解されるように、PMU220は、ホスト機器の電力管理ルーチンを実行することができる。PMU220は、電池205−1,205−2,205−kあるいは電池を並列に組み合わせたもののどれが充電あるいは放電のために選択されるべきかを示す信号を含んで、ホストの組の信号を選択回路214に提供する。ここにさらに詳述するように、選択回路214は、PMU220に応答する。しかし、選択回路220は、さらに、自身の内部検査をするように構成され、ここにさらに詳述したように様々な条件下でPMUからの好ましい用途の信号を上書きし、追加された安全性と電池の電力の節約に備えることができる。充電回路222は、データ経路252を経由して選択回路214と通信し、データ経路254を経由して例えば充電器制御された直流直流変換器などの電力変換ユニット226と通信するように構成される。充電回路222は、電源経路207と電力変換ユニット226を経由しての電池205−1,205−2,205−kへの充電電流の供給を制御することができる。
【0019】
図3を参照すると、3つの電源と連結されて動作する電源ブロック306の一例が示される。電源には、電源経路309を経由して電源ブロック306に結合する直流電源(図示せず)と、第1再充電可能電池Aと、第2再充電可能電池Bとが含まれる。電源ブロック306には、本発明による選択回路314と、関連するPMU320や充電回路322や直流直流変換器などの電力変換ユニット326のような他の部品が含まれる。最初に記載したように、PMU320は、電源ブロック306の一部として示されているが、PMU320は、電源ブロックの外側にあっても良く、電源ブロックの外部の別の部品内に埋め込まれても良く、あるいはPMUの機能は電子機器の別の部品、例えばCPUによって与えられても良い。
【0020】
明確さと簡略さのために、上で図2に示した直流電源と様々なデータ接続(例えば、電池とPMU320の間の接続と同様の、充電回路322から電力変換ユニット326あるいはPMU320への接続)は、図3には示されない。有利なことに、選択器回路314と充電回路322は、動作と導入の利便性のために、1つの集積回路390上に集積することができる。
【0021】
選択回路314には、ここにさらに詳述するように、制御器315とスイッチ駆動器ネットワーク317が含まれる。選択回路314は、様々な入力端子380を備えて様々な入力データと制御信号を受け取る。そのような入力端子380は、制御器315にも結合される。選択回路314は、様々な出力端子382も備えて、関連するスイッチSW1とSW2とSW3とSW4とSW5とSW6に制御信号を提供し、電源ブロック306の関連する部品にデータを提供する。入力端子380には、端子380−1から380−9までが含まれて、それぞれPSMとUSE_AとUSE_BとICHGとVADとVSYSとBATT_AとBATT_BとAUXINの名前の付けられた制御信号とデータ信号を受け取る。出力端子382には、端子382−1から382−10までが含まれて、それぞれPWR_ACとPWR_BATTとCHGAとACAVとALERTとCHGENとCHGBとDCHBとAUXOUTの名前の付けられた制御信号とデータ信号を提供する。各入力端子380と出力端子382と関連した制御信号及びデータ信号は、広く以下に説明をする。
【0022】
第1入力端子380−1は、PMU320から、節電モードがPMU320によって希望されているかどうかを表す節電モード(PSM)ディジタル入力制御信号を受け取ることができる。第2と第3の入力端子380−2と380−3は、PMU320から、所定の充電あるいは放電モードで使用する、PMUが所望の電池あるいは電池の組み合わせを示すUSE_AとUSE_Bの制御信号を受け取ることができる。例えば、2つの電池AとBを持つ図3の実施形態において、USE_AとUSE_Bの制御信号は、もしUSE_AがローかつUSE_Bがハイならば、電池Aの使用が望まれている、といったディジタル信号であろう。もしUSE_AがハイかつUSE_Bがローならば、電池Bの使用が望まれている。もしUSE_AがローかつUSE_Bがローならば、電池Aと電池Bの並列使用が望まれている。最後に、もしUSE_AがハイかつUSE_Bがハイならば、電池Aも電池Bも使用が望まれていない。USE_AとUSE_Bに対するこれらの代表的なハイとローの信号は、説明のためだけのものであり、当業者ならば、他の組み合わせも選択できることが分かるであろう。
【0023】
第4入力端子380−4は、電池に与えられる充電電流を表す充電電流(ICHG)アナログ信号を、充電回路322から受け取るだろう。第5入力端子380−5は、その特定の時間に直流電源204によって与えられる電圧レベルを表す(VAD)アナログ信号を、交直流アダプターなどの直流電圧源204から受け取るだろう。第6入力端子380−6は、システム供給電圧レベル(VSYS)を表すアナログ信号を受け取るだろう。第7入力端子380−7と第8入力端子380−8は、各々の電池の電圧レベルを表す電池A(BATT_A)と電池B(BATT_B)からのアナログ信号を受け取ることができる。そのようなBATT_AとBATT_Bアナログ信号は、各電池の正の極における電圧を測定することで得ることができる。最後に、第9入力端子380−9は、本発明のここに記したことに対して重要では無い、他のいずれかの入力された制御信号とデータ信号(AUXIN)を受信することのできる一般的な入力端子である。
【0024】
第1出力端子382−1は、切り換え制御信号(PWR_AC)をスイッチSW1に提供することができる。第2出力端子382−2は、スイッチ制御信号(PWR_BATT)をスイッチSW2に提供することができる。第3出力端子382−3は、切り換え制御信号(CHGA)を電池A用の充電スイッチSW3に提供することができる。第4出力端子382−4は、切り換え制御信号(DCHA)を電池A用の放電スイッチSW4に提供することができる。第5出力端子382−5は、直流電源204の存在或いは不在を示し、適当な閾値制限よりも大きな出力電圧を持った、ディジタル直流源イネーブル信号(ACAV)を提供することができる。
【0025】
第6出力端子382−6は、ディジタルデータ信号(ALERT)を提供して、PMU320を含む他の部品に、後に記す電力危機状態を知らせることができる。第7出力端子382−7は、充電可能状態に達したかどうかを示すディジタルデータ信号(CHGEN)を充電器に提供することができる。第8出力端子382−8は、スイッチ制御信号(CHGB)を、電池B用の充電スイッチSW5へ提供することができる。第9出力端子382−9は、スイッチ制御信号(DCHB)を、電池B用の放電スイッチSW6へ提供することができる。最後に、第10出力端子380−10は、ここの本発明の記載には重要でないと考えられる、他の出力制御信号およびデータ信号(AUXOUT)を提供することのできる一般的な出力端子を表している。
【0026】
制御器315は、選択回路314の入力端子380から上記入力データと制御信号を受け取り、スイッチSW1からSW6の内の1つ或いは2つ以上の組み合わせを制御することによって、どの電源或いは電源の組み合わせ(例えば、直流電源或いは電池A或いは電池B)を選ぶか或いは選択から外すかを決定する。制御器315は、電源ブロック306の他の部品と通信するために、データと他の制御信号を直接に他の出力端子、例えば382−5と382−6と382−7と382−10に提供もする。
【0027】
スイッチ駆動器ネットワーク317には、複数のスイッチ駆動器SD1とSD2とSD3とSD4とSD5とSD6が含まれるだろう。スイッチ駆動器SD1とSD2とSD3とSD4とSD5とSD6の各々は、選択回路314の制御器315の指示によって各スイッチをオンとオフするために、さらに関連するSW1とSW2とSW3とSW4とSW5とSW6に結合される。
【0028】
図4を参照すると、選択回路314のより詳細なブロック図と、特に図3の選択回路314の制御器315が示されている。通常、制御器315には、選択器出力回路470と充電イネーブル回路472と並列電池使用イネーブル回路476と入力検証回路478と電力危機回路474と複数の比較器CMP1,CMP2,CMP3,CMP4が含まれるだろう。
【0029】
通常、選択器出力回路470は、充電イネーブル回路472からの充電イネーブル信号(CHGEN)や、電力危機回路474からのダイオードモード信号(DM)や、入力検証回路478からの有効入力信号(VINP1)や、並列電池使用イネーブル回路476からの並列電池使用イネーブル信号(PBUE)や、比較器CMP1からの直流源イネーブル信号(ACAV)などの様々な内部制御信号を受信するだろう。選択器出力回路470は、充電回路322から、充電電流を表すアナログ信号ICHGも受信する。ここにさらに詳述するように、選択器出力回路470は、スイッチ駆動器ネットワーク317をして、様々な入力信号の状態に応じて、スイッチSW1とSW2とSW3とSW4とSW5とSW6をオン及びオフさせる。
【0030】
制御器315は、直流源の電圧レベルを表すアナログ信号を第1閾値レベルVT1と比較するように構成された第1比較器CMP1を含むだろう。第1閾値レベルVT1は、システムの許容範囲にある最少電源電圧VT3よりも高く設定される。もし直流電源が存在し、第1閾値レベルVT1よりも大きい電源電圧を持っていれば、第1比較器CMP1は、ハイのACAV制御信号を選択器出力回路470に提供する。そうでない時は、第1比較器は、ローのACAV信号を提供する。ACAV信号は電力危機回路474にも提供される。
【0031】
もし、選択回路470が、第1比較器CMP1からハイのACAV信号を受信すると、適当な切り換え制御信号を送って、システム210への電力が直流電源によって与えられ、電池は一切再充電されないように、スイッチSW1をオンし、スイッチSW2〜SW6をオフする(以下に詳述するように、直流電源電圧が第2閾値レベルVT2よりも大きいと仮定する)。選択回路314は、PMUからのUSE_AおよびUSE_Bの制御信号にかかわらず、本例では、直流電源を利用する。そのようにして、選択回路314は、電池Aあるいは電池Bを使用するというPMUからの制御信号を無効にして、代わりに、存在し、かつVT1よりも大きな適当な電圧レベルの時はいつでも直流電源によって、システム210に電力が供給されることを要求する。有利なことに、この特徴によって、適切な環境で直流電源を使用することで電池の寿命が延びる。
【0032】
直流源からシステム210への給電と、1つ或いは2つ以上の電池の充電を可能にするためには、充電イネーブル信号(CHGEN)がアクティブでなくてはならない。本実施形態においては、アクティブなCHFEN信号は、ハイのCHGEN信号である。充電イネーブル回路472は、もし適切なCHGP信号を第2比較器CMP2から受信し、適切な検証信号VINP1を入力検証回路478から受信すると、ハイのCHGEN信号を提供する。第2比較器CMP2は、もし直流電源からの供給電圧が第2閾値レベルVT2よりも大きければ、適切なCHGP信号を供給する(ここで、VT2>VT1かつVT1>VT3)。入力検証回路478は、検証信号VINP1を提供する。もしPMUからのUSE_AおよびUSE_B制御信号が、少なくとも1つの電池Aあるいは電池Bを使用することを示すと、適当な検証信号VINP1が供給される。もしUSE_AおよびUSE_B制御信号が、電池Aあるいは電池Bのいずれかが使用されることを示さなければ、適当な検証信号VINP1は送られないだろう。充電イネーブル回路472は、アクティブなCHGEN信号を生成するために、一般的な入力端子380−9から、他の補助的な検証入力信号(AUXIN)も必要とするかも知れない。
【0033】
充電の間、充電回路322は、充電電流レベルを表すICHG信号を選択器回路314に供給する。選択器回路314は、入力端子380−4においてICHG信号を受け取り、そのような信号を選択器出力回路470に供給する。選択器出力回路470は、そのようなICHG信号を充電閾値レベル信号ICHTと比較する。この比較に基づいて、選択器出力回路470は、ここにより詳細に説明するように、充電電流レベルがハイかローかを決定し、様々なスイッチをこの入力データに基づいてオンあるいはオフする。本実施形態においては、図5の表で詳細に示されるように、ローの充電電流は、ローの制御信号によって表され、ハイの充電電流は、ハイの制御信号によって表される。
【0034】
並列電池使用イネーブル回路476は、選択出力回路470へ並列電池使用イネーブル信号(PBUE)を供給する。選択器出力回路470は、ハイのPBUE信号に応答して、並列に電池を使用することを許し、ローのPBUE信号に応答して、例えばUSE_AとUSE_Bがローであるような、USE_AとUSE_B信号によって並列に電池を使用したいことを示すPMU320からの要求に関係なく、並列に電池を使用することを許可しない。このように、選択器回路314は、適切な条件が存在しない限り、電池Aと電池Bを並列に使用することに対するさらなる注意と保護を与える。
【0035】
例えば、例えば電池Aと電池Bのような、いずれかの2つ或いは3つ以上の電池を並列に使用する際の問題は、そのような電池が並列に接続された時に、望ましくない大電流という状態を起こす、比較的大きな電位差があるということである。そのような訳で、制御器315の第4比較器CMP4は、信号BATT_AとBATT_Bを比較するように構成されている。そのBATT_AとBATT_Bの信号は、電池Aと電池Bの正極から取られたアナログ信号であろう。もし、BATT_AとBATT_Bの2つの信号の差が、所定の限界以内ならば、比較器CMP4は、並列電池使用イネーブル回路476へ、アクティブなBATTCOMP信号を供給するだろう。第4比較器CMP4からアクティブなBATTCOMP信号を受信するのに加えて、並列電池使用イネーブル回路476は、また入力検証回路478から適切な入力検証信号VINP2を受信して、アクティブなPBUE信号を発するはずである。もしUSE_AとUSE_Bの制御信号が、例えばUSE_AとUSE_Bがローであるような、電池Aと電池Bを並列に使用することを示せば、適切な検証信号VINP2が提供されるだろう。
【0036】
もしPMUからのUSE_AとUSE_Bの制御信号が、PMUによって並列な電池の使用が要望されていることを示し、一方、電池Aと電池B間の電圧の差が所定の制限以内でないために、PBUE信号がアクティブでないとすると、選択器出力回路474は、他に比べて低い電圧レベルを持つ電池へ充電をさせるだろう。同様の条件下において、有効な直流源が存在しない時には、選択器出力回路は、他に比べて高い電圧レベルを持つ電池に、システムへ電力を放電させる。
【0037】
有利なことに、選択器回路314は、電力危機状態を独立して監視し確認し、電力危機状態を検出した場合には、適切なダイオードモード制御信号(DM)を選択器出力回路に与えるように設計された電力危機回路474も含んでいるだろう。選択器出力回路470は、電力危機回路474からの適切なDM制御信号に応答して、スイッチ駆動器ネットワーク317からスイッチ駆動器にスイッチSW2とSW4とSW6をオン状態に維持させ、一方、スイッチSW1とSW3とSW5をオフ状態に維持させる。こうして、最高の電圧を持った電源(電池A或いは電池B或いは直流電源)は、それぞれこのダイオードモードにあるダイオードD1或いはD3或いはD5の1つを通して、システムに給電するだろう。加えて、選択器回路314は、出力端子382−6において、電力危機状態を示すALERT状態信号も与えるだろう。ALERT信号は、少なくともPMU320を含んだ、多くの部品へ与えることができる。
【0038】
電力危機状態には、無効な出力あるいは無効な入力が含まれることがある。無効な出力は、電源あるいはシステムに供給する供給源が、最小システム閾値電圧レベルVT3でのシステム電圧レベルを維持できないときはいつでも起こり得る。システム電圧レベルは、比較器CMP3によって最小閾値電圧レベルVT3と比較され、システム検査制御信号VSYSOKが、この比較に基づいて電力危機回路474へ送られる。ローのシステム電圧電力危機状態は、もし電源の1つ或いは2つ以上が、自らあるいは事故によって接続が断たれることで起こり得る。
【0039】
無効入力は、電力危機の問題を引き起こすこともある。無効入力によって、USE_AとUSE_B信号を通して、PMUがシステムに電力を失わせるような希望する状態を示すことがある。例えば、USE_A信号とUSE_B信号は、両方の電池が使用されない(VINP1信号がロー)、例えばUSE_AとUSE_Bがハイであるが、直流電源は利用できないか(ACAV信号がロー)あるいはシステムを最小VT3電圧レベルに保持できない(VSYSOK信号がロー)ことを示すことがある。もしPMUからのUSE_AとUSE_B信号が、論理的には正しいが、システムに電力を失わせるならば、他の無効入力の状態が起こり得る。例えば、USE_A信号とUSE_B信号が、存在しないか、偶然に移動された1つの電池から供給することを示すかも知れない。そのような電池を使用することで、システム上の電圧レベルを、VT3閾値未満に下げることになり、この状態を示すVSYSOK信号が電源危機回路374に提供されるだろう。
【0040】
ダイオードD1或いはD3或いはD5上の電力消費のせいで、より長い時間、DM供給モードを維持するのは適当でない。有利なことに、電力危機回路474は、連続的に自らの入力信号を監視して、電力危機状態が解消されるとすぐにDM信号を非アクティブにする。従って、電力危機状態が解消されると(例えば失われた電源がシステムに結合される)電力危機回路からの内部のDM信号は非アクティブになり、正常な電源モードが再開される。
【0041】
図2〜図4と共に図5を参照すると、表500は、選択回路314と選択出力回路470への様々な入力信号による、スイッチSW1〜SW6のそれぞれのスイッチ状態を示している。表500は、システム210への電力が、電池305ではなく、直流電源204によって供給される時の様々なスイッチ状態を示している。そのような訳で、ACAV信号は、ハイであり、選択器出力回路470は、適当なスイッチ制御信号をスイッチ駆動器ネットワーク317に送り、従って表500の各列で示されるように、スイッチSW1はオンであり、SW2はオフである。
【0042】
CHGEN信号は、表500で最後の列522を除いて各列において“ハイ”である。そのような訳で、直流源が存在するだけでなく、他の条件(直流源からの電圧>VT2,かつ正しい入力検証信号VINP1が存在する)が、ハイのCHGEN信号を供給するのに満たされる。そのような訳で、充電が、列表500のレス502〜520で許可される。
【0043】
列502と504において、USE_A信号とUSE_B信号は、PMUが電池Aを使用するのを希望していることを示して、それぞれローとハイである。そのような訳で、電池BへのスイッチSW5とSW6は、両方の例でオフである。列502において、充電電流信号は、電力変換ユニット226からの充電電流が、閾値充電電流レベルICHTよりも小さいこをを示して“ロー”である。そのような訳で、選択器出力回路470は、適切な制御信号をスイッチ駆動ネットワーク317へ送ってSW3をオンしSW4をオフすることによって、充電電流信号に応答する。そのような訳で、電池Aへの充電電流は、閉じたSW3とダイオードD4を通って、開いたSW4と並列に流れる。充電電流はローなので、ダイオードD4を通る流れは、ごくわずかな電力しか消費しない。
【0044】
反対に、列504内の充電電流は、“ハイ”の充電電流信号によって示されるように、ハイである。そのような訳で、スイッチSW3とSW4は共にオンである。従って、この例では、電流が閉じたスイッチSW4を流れるので、ダイオードD4で消費される余剰出力は無い。通常は、同じ電流レベルにおいて、スイッチSW1〜SW6は、オン状態にある時は、対応する並列のダイオードD1〜D6より少ない電力しか消費しない。この違いは、大電流レベルにおいて、特に大事である。
【0045】
列506と508の場合、USE_A信号とUSE_B信号は、PMUが電池Bを使用するのを希望していることを示して、それぞれハイとローである。そのような訳で、電池AへのスイッチSW3とSW4はオフである。列506は、少々、列502と似ているが、ローの充電電流信号によって表されるように、ローの充電電流を持っている。そのような訳で、スイッチSW5はオンであり、SW6はオフである。従って、電池Bへの充電電流は、閉じたスイッチSW5とダイオードD6を通って、開いたSW6と並列に流れる。反対に、列508内の充電電流は、ハイの充電電流信号によって示されるように、ハイである。そのような訳で、本例においてダイオードD6内で電力が消費されないように、スイッチSW5とSW6はオンである。
【0046】
列510と520の場合、USE_A信号とUSE_B信号は、PMUが電池Aと電池Bを並列に使用するのを希望していることを示して、それぞれローとローである。もし平列電池使用イネーブル信号(PBUE)が、列510と520に示されるようにハイならば、電池AとBの並列充電は許可される。スイッチSW3〜SW6は、もし列512に示されるように、充電電流がハイならば(充電電流信号はハイ)、SW3〜SW6は全てオンになるだろう。もし列510に示されるように、充電電流がローならば(充電電流信号はロー)、スイッチSW3とSW5はオンし、スイッチSW4とSW6はオフとなるだろう。
【0047】
もしUSE_A信号とUSE_B信号が、PMUが電池Aと電池Bを並列に使用するのを希望していることを示すが、PBUE信号がローならば、選択器回路314は、並列の電池動作を許可しないので、それによってPMUが希望する並列動作は無効になる。他の許容できる全てによって、選択器回路314は、より低い電圧レベルで電池の充電を許可するだろう。例えば、列514,516は、電池Aがより低い電圧レベルであることを示している。そのような訳で、電池BへのスイッチSW5とSW6は、オフである。電池AへのスイッチSW3は、列514でオンであり、スイッチSW3とSW4は、列516でオンである。同様に、もし電池Bが、より低電圧ならば、電池AへのスイッチSW3とSW4は、列518と520で示されるようにオフのままである。電池BへのスイッチSW5とSW6は、充電流信号のレベルによってオンするだろう。
【0048】
直流電源によって与えられる電力と反対に、電力は、様々な電池給電供給モードで、一つ或いは二つ以上の電池によって供給することができる。電池給電モードにおいて、選択器回路314は、スイッチSW1がオフに、SW2がオンになるようにする。選択器回路314は、もし直流源が存在しないか、直流が存在しても比較器CMP1が定めた第1閾値VT1よりも大きい電圧レベルでなければ、電池給電モードを始めるように仕向ける。そのような訳で、第1比較器CMP1から選択器出力回路470へのACAV信号は、電池給電モードを示してローである。ACAV信号がローの時、選択器出力回路470は、SW1をオフに、SW2をオンに仕向ける。
【0049】
図3の実施形態において、必ず2つの正常電池システム給電モードがある。正常電池システム給電モード1(nbssm1)では、PMUからのUSE_A信号とUSE_B信号は、電池Aあるいは電池Bの内の一つだけを使用するということを示し、使う電池は存在し、システムに、少なくともシステムがVT3閾値レベルより高い電圧レベルとなれるような電圧レベルを供給することができる。正常電池システム給電モード2(nbssm2)では、USE_A信号とUSE_B信号は、電池Aと電池Bを並列に使用するということを示し、両方の電池は存在し、両方の電池は、システムに、少なくともシステムがVT3閾値レベルよりも高い電圧レベルとなれるような電圧レベルを供給することができ、また両方の電池は、互いの所定の電圧範囲内のそれぞれの電圧レベルを持っている。
【0050】
図6には表600が掲げられ、電池システム給電モードnbssm1とnbssm2の両方に対する様々な入力信号を示す。前に示したように、電池システム給電モードが始まるので、スイッチSW1はオフし、スイッチSW2はオンする。表600の列602と604は、電池A(列602)あるいは電池B(列604)を使用することが目指されているか望まれている。入力検証信号VINP1とVINP2は、これらの例では、許容範囲のレベル(VNP1ハイ、VNP2ロー)であるはずである。従って、もし電力が、電池Aによって供給されるなら(列602)、スイッチSW3とSW4はオンし、スイッチSW5とSW6はオフするだろう。反対に、もし電力が電池Bによって供給されるなら、スイッチSW5とSW6はオンし、スイッチSW3とSW4はオフするだろう。
【0051】
第2の正常電池給電モード(nbssm2)において、比較器CMP4からのBATTCOMP信号は、電池Aと電池Bの電圧が、許容範囲内にあることを示して、ハイである。並列電池使用イネーブル(PBUE)信号も、並列電池使用に対する全ての他の条件(ハイのVINP2信号も含めて)が、並列電池使用イネーブル回路476で監視する限り満足できるものであることを示して、ハイである。そのような訳で、電池Aに結合されるスイッチSW3とSW4と、電池Bに結合されるスイッチSW5とSW6は、オンである。
【0052】
充電の状況に幾分近いが、もしUSE_A信号とUSE_B信号が、電池Aと電池Bの両方を並列に使用することを望むが、PBUE信号がイネーブルでない(例えばPBUEがロー)と、他に比べて高い電圧レベルの電池は選ばれて、システムに放電電力を提供するだろう。そのような訳で、スイッチの状態は、もし電池Aが高い電圧ならば、列602におけるのと同様であろうし、もし電池Bが高い電圧ならば、列604におけるのと同様であろう。
【0053】
PMU320は、また、もし直流電源が無く、電池の寿命を長引かせるために低消費電力が望まれる時、節電モード要求を選択器回路314へ送る。もしそのような節電モード要求が、選択回路314によって受け取られると、制御器315は、スイッチSW1をオフに、スイッチSW2をオフに、スイッチSW3をオフに、スイッチSW4をオンし、スイッチSW5をオフに、スイッチSW6をオンに導く。そのような訳で、より高い電圧レベルを持った電池Aあるいは電池Bは、それぞれ関連するダイオードD3あるいはD5を経由して電力を供給するだろう。加えて、選択器回路314自身の供給電流は、通常動作に比べて著しく減少し、この節電モードにおける危機全体の節電に寄与する。
【0054】
図7Aは、本発明による選択器回路714の他の実施形態である。選択器回路714には、制御器715とスイッチ駆動器ネットワーク317が含まれる。一般的に、制御器715は、制御信号をスイッチ駆動器ネットワーク317に送って、スイッチSW1とSW2とSW3とSW4とSW5とSW6をオンあるいはオフに駆動して、ここにより詳しく述べるような様々な電源を選択する。図3の実施形態のように、選択器回路714は、電池の並列な安全動作に対して備えるように構成される。一般的に、選択器回路714は、もしPMU320から並列電池結合要求があっても、好ましからぬ状態があれば、並列に電池を結合することを防ぐ。1つの好ましくない状況は、望ましくない電池間の電流が高い電圧の電池から低い電圧の電池に流れるといったことが起きるような、ある電池の電圧が他の電池の電圧よりも大きくなることである。
【0055】
図7の多くの要素は、図3のものと近いので、同様に符号が付けられる。従って、図3で既に詳細に説明したものと似た要素を繰り返して記載することは簡潔さのためにここでは省略し、むしろ図3と図7の違いを詳しく説明する。一般的に、図3と図7の両方の実施形態は、各電池間の電圧の差に基づいて、並列に結合するかどうかを決定する。図3の実施形態は、各電池からBatt_AとBatt_Bの電圧信号を直接に使用することによって、これを行っている。
【0056】
反対に、図7の選択器回路714は、それぞれ経路797と799に沿って流れる電流を表すI_A信号とI_B信号を受信する。経路797は、電池Aとノード781の間で結合され、経路799は、電池Bと同じノード781の間で結合される。電流は、経路797に沿って流れ、797は、状況によって各電池への充電電流あるいは各電池からの放電電流を表すだろう。
【0057】
そのようなI_A信号とI_B信号は、充電器回路722から入力することができる。代わりに、そのようなI_A信号とI_B信号は、それぞれ経路797,799に沿った電流を検知するように設計されたセンサー791,793から直接に入力することもできる。例えば、そのようなセンサー791,793は、別々の検知抵抗であって良い。選択器回路714は、入力端子780−1と780−2をもって、色々な供給源からI_A信号とI_B信号を受信する。そのようなI_A信号とI_B信号は、その後、選択器回路714の制御器715へ転送される。
【0058】
図8は、図7の選択器回路の制御器715のより詳細なブロック図を示している。図8の多くの要素は、図4の要素と似ており、従って同じように名前を付けてある。よって、似た要素を繰り返し記述することは、簡略化のために割愛し、むしろ図4と図8の違いを細かく説明した。特に、図4の比較器CMP4と並列電池使用回路476が(関連するBATTCOMP信号とPBUE信号と共に)、選択器回路714で除かれた。
【0059】
代わりに、選択器回路714は、前述したように入力端子780−1と780−2においてI_A信号とI_B信号を受信し、それらの信号を制御器715の選択器出力回路870へ与えることができる。選択器出力回路870は、それらI_A信号とI_B信号と、電流閾値レベルI_THと比較して、スイッチSW3とSW4とSW5とSW6に対する切り換えの決定を、ここでさらに詳述するような比較に基づいて行う。電流閾値レベルI_THも、各電池に対して同じである。代わりに、電流閾値レベルI_THは、電池A(I_THA)と電池(I_THB)に対して異なるだろう。当業者ならば、I_A信号とI_B信号、及び電流閾値レベルI_THあるいはI_THAとI_THBの比較を行うのに様々な方法があるのに気付くであろう。例えば、選択器出力回路870は、1つの比較器を備え、電池Aに対してI_A信号とI_THA信号を比較し、他の比較器を備えて、電池Bに対してI_B信号とI_THB信号を比較する。
【0060】
選択器出力回路870によって行われる比較によって、各電池に対して“ロー”あるいは“ハイ”の電池電流信号が供給される。“ロー”の電流信号は、正しい方向で流れる関連する閾値レベル未満の電流レベル、或いは、予想される電流の流れの反対方向に流れる電流レベルを表す。予想される電流の流れの反対方向に流れる電流は、電池が電流を送ると考えられる時に各電池に流れ込む電流か、或いは、電池が電流を受け取る(充電モード)と考えられる時に各電池から流れ出す電流であろう。
【0061】
例えば、もし電池Aが放電モードにあるならば、予想される電流の流れる方向は、電池Aからシステムへである。I_A信号で示され、I_THレベルより小さい、電池Aからの電流は、電池Aに対して“ロー”の電流制御信号を提供するだろう。加えて、電池Aへの電流の流れは、公称レベルに係わらず、電池Aに対して“ロー“の電流制御信号を提供するだろう。充電回路722は、電流の大きさと方向を表すI_A信号とI_B信号を各電池に供給することができるだろう。加えて、当業界で既知の様々なセンサー791,793も、また電流の大きさと方向を直接に選択器回路714に提供するように構成されるだろう。例えば、もしセンサー791,793が検知抵抗ならば、検知抵抗の前後の正の電圧降下が、一方向での電流の流れを明らかにし、一方、負の電圧降下が、反対方向での電流の流れを明らかにする。
【0062】
選択器出力回路870が行う比較によって、もし電流の流れが正方向であり、関連するI_THレベルよりも大きいならば、各電池に対して“ハイ”の電流信号が与えられるだろう。
【0063】
一旦、各電池への/からの電流と、各閾値レベルの間の比較が行われると、選択器出力回路870は、適切な命令信号をスイッチ駆動器ネットワーク417へ送る。スイッチ駆動器ネットワーク417は、その命令信号に応答して、スイッチSW3とSW4とSW5とSW6をオン及びオフに駆動するが、これは、本明細書で図9と図10を参照して詳述するように、電池が共通ノード781に並列に結合される時に、電池間の電流に対して保護を与える。
【0064】
図7と図8と共に図9を参照すると、表900には、システムへの電力が電池でなく直流電源によって与えられる時の、スイッチSW1〜SW6の各スイッチ状態が示されている。従って、比較器CMP1からのACAV信号はハイであり、選択器出力回路870は、スイッチ駆動器ネットワーク417を、スイッチSW1をオンに、スイッチSW2をオフに駆動するように導くが、これは表900の各列に詳細に記載される。
【0065】
CHGEN信号は、表900の各列において、最後の列918以外は“ハイ”である。そのような訳で、直流源が存在するだけでなく、他の条件(直流源からの電圧>VT2、かつ、正しい入力検証信号VINP1が存在する)が満足されて、ハイのCHGEN信号が提供される。従って、充電は、表900の列902〜916で許可される。
【0066】
列902と904において、USE_A信号とUSE_B信号は、PMUが電池Aを使用することを望んでいることを示している。そのような訳で、電池BへのスイッチSW5とスイッチSW6は、両方の場合でオフである。もし、電池A電流信号が、選択器出力回路870によって与えられて、“ロー”ならば、充電電流が、閉じたスイッチSW3とダイオードD4を通り、もし電池A電流信号が“ハイ”ならば、閉じたスイッチSW3とSW4を通って、電池Aに与えられる。
【0067】
列906と908において、USE_A信号とUSE_B信号は、PMUが電池Bを使用することを望んでいることを示している。そのような訳で、電池AへのスイッチSW3とスイッチSW4は、両方の場合でオフである。もし、電池B電流信号が、“ロー”ならば、充電電流が、閉じたスイッチSW5とダイオードD6を通り、もし電池B電流信号が“ハイ”ならば、閉じたスイッチSW5とSW6を通って、電池Bに与えられる。
【0068】
列910〜916において、USE_A信号とUSE_B信号は、PMUが電池Aと電池Bを並列に結合することを望んでいることを示している(この例では並列充電のために)。列910において、電池A電流信号と電池B電流信号は、選択器出力回路870によって与えられて“ロー”である。それに応えて、スイッチ駆動器ネットワーク417は、スイッチSW3をオンに、SW4をオフに、SW5をオンに、SW6をオフに駆動する。そのような訳で、電池Aへの充電電流は、閉じたスイッチSW3と、開いたスイッチSW4と並列なダイオードD4を通って流れるだろう。同様に、電池Bへの充電電流は、閉じたスイッチSW5と、開いたスイッチSW6と並列なダイオードD6を通って流れるだろう。この例では、その電圧レベルが互いの或る近い範囲内にあれば、同程度の電流が電池Aと電池Bへ流れる可能性がある。もし、電圧レベルがこの互いに近い範囲内に無ければ、ごくわずかな電流が、例えば或る例で他よりもおよそ0.1ボルト以上高い電圧の電池に向かって流れるだろう。
【0069】
列912において、電池A電流信号は“ハイ”であり、電池B電流信号は“ロー”である。そのような状況は、電池Bの電圧が電池Aの電圧よりも高いということを、従って、望ましくない内部電流が電池Bから電池Aへ流れていることを示している。電池Bは、電池Aへの内部電流を与えられるので、電池Bへの正味の電流レベルは、閾値電流レベルI_TH未満に減少させられ、結果として“ロー”の電池B電流信号となる。有利なことに、選択器回路714は、この例では、スイッチSW6を開き、スイッチSW5を閉じるように構成される。ダイオードD6は、本例では、電池Bに対して逆バイアスなので、電池Bから電池Aへの望ましくない内部電流を防ぐ。
【0070】
列914において、電池A電流信号は“ロー”であり、電池B電流信号は“ハイ”である。従って、選択器回路は、スイッチSW4を開き、スイッチSW3を閉じる。よって、電池Aは、この例では、電池Aに対して逆バイアスのダイオードD4によって、電池Bへ中間電流を供給することを止められる。
【0071】
列916は、正常な電池充電モードを表し、そこでは、電池A電流信号と電池B電流信号の両方が“ハイ”である。従って、選択器回路は、本例では、スイッチSW3とSW4とSW5とSW6を閉じて、電池の並列充電を可能にしている。“ハイ”の電池AとBの制御信号は、電池AとBの電圧レベルが、互いの許容範囲内の限界内であり、それゆえ内部電池電流を防ぐ必要は無いことを意味している。もちろん、一旦、いずれか1つの電池へ電流がローになると、適切なスイッチが列912と914で開いて、より高い電圧の電池から、より低い電圧の電池への逆伝導(cross conduction)を防ぐ。
【0072】
図7と図8と共に図10を参照すると、表1000は、電池の組み合わせのいくつかが電力をシステムに供給する時の、スイッチSW1〜SW6の各々のスイッチの状態を示している。
【0073】
列1010〜1016において、USE_A信号とUSE_B信号は、PMUの望む電池Aと電池Bの並列結合を示している(本例では、並列放電のために)。列1010において、選択器出力回路870によって与えられる電池A電流信号と電池B電流信号は、共に“ロー”である。それに応じて、スイッチ駆動器ネットワーク417は、スイッチSW3をオフに、SW4をオンに、SW5をオフに、SW6をオンに駆動する。そのような訳で、これは、1種の電池供給ダイオードモードであり、より高い電圧レベルを持った電池AあるいはBは、本例では、ダイオードD3とD5を経由して電力をシステムに供給するだろう。
【0074】
列1012において、電池A電流信号は“ハイ”であり、電池B電流信号は“ロー”である。そのような状況は、電池Aの電圧が電池Bの電圧よりも高いことを示しており、従って、望ましくない内部電流が電池Aから電池Bへ流れる。電池Aは、電池Bへの内部電流を与えられ、この放電モードにおける電池Bからの正味の電流レベルは、“ロー”の電池B電流信号になる閾値電流レベルI_TH未満に下げられるだろう。有利なことに、選択器回路714は、本例では、スイッチSW5を開き、スイッチSW6を閉じるように構成される。ダイオードD5は、電池Aに対して逆バイアスであり、よって本例では、電池Aから電池Bへの望ましくない内部電流を防ぐ。電池Bは、依然として、放電電流をダイオードD5を通ってシステムへ供給することができる。しかし、もし電池Bの出力電圧が、バイアスダイオードD5を導くための最小出力電圧レベル未満に落ちたならば、電池Bは、電池をシステムへ供給することができず、システムへの供給電流全体が電池Aによって供給されるだろう。
【0075】
列1014において、電池A電流信号は“ロー”であり、電池B電流信号は“ハイ”である。従って、選択器回路は、スイッチSW3を開き、スイッチSW4を閉じる。ダイオードD3は、電池Bに対して逆バイアスなので、本例では、電池Bから電池Aへの望ましくない内部電流を防ぐ。依然として電池Aは、ダイオードD3を通って放電電流をシステムへ供給することができる。しかし、もし電池Aの出力電圧が、バイアスダイオードD3を導くための最小出力電圧レベル未満に落ちたならば、電池Aは、電流をシステムへ供給することができず、システムへの供給電流全体が電池Bによって供給されるだろう。
【0076】
列1016は、電池A電流信号と電池B電流信号の両方が“ハイ”である、正常な電池放電モードを表している。従って、選択器出力回路は、本例では、スイッチSW3とSW4とSW5とSW6を閉じて、電池Aと電池Bの正常な並列放電を可能にしている。“ハイ”の電池A制御信号と電池B制御信号は、電池AとBの電圧レベルが互いの許容可能な制限内にあり、内部電流を防ぐ必要は無いことを意味している。勿論、一旦、いずれか1つの電池への電流が低くなり過ぎると、適切なスイッチが列1012と1014におけるように開いて、より高い電圧の電池から、より低い電圧の電池への逆伝導を防ぐだろう。
【0077】
図11A〜11Cを参照すると、選択器出力回路714の上述した詳細な切り換え方法の別の例が示され、そこでは、電池AとBが電池放電モードにある。図11Aは、電池AとBの正常な並列放電動作を示している。電池Aは、電流Iaを経路1197に沿って閉じたスイッチSW3とSW4を経由して供給し、また電池Bは、電流Ibをシステムに閉じたスイッチSW5とSW6を経由して経路1199に沿って供給する。ノード1181におけるIaとIbの電流はノード1181で合算されて、IaとIbの和に等しいシステム電流を供給する。電流IaとIbが上記各々の閾値電流レベルより大きいままである限り、選択器回路714は、スイッチSWとSW4とSW5とSW6をオンに保つが、これは、図10の列1016に上述されている通りである。
【0078】
図11Bは、電池Bが電流Iaを電池Aに供給する、許容できない逆伝導状態を表している。これは、もし電池Aが電池Bよりも非常に速く放電すると、発生する。もし全てのスイッチSW3とSW4とSW5とSW6がオンのままならば、電池Aによって供給される電流は徐々に減少する。加えて、ある時点で、電池Bによって供給される電流の一部は流れを変えて、電池Aの方向へ流れ、結局、最終的な電流は電池Aに向かい、電池Aからの電流と対抗する。
【0079】
図11Cは、選択器回路714の内部論理回路が、図11Bの望ましからぬ場合を排除する様子を表している。選択器回路714の選択器出力回路870は、もし電池Aの放電電流が関連する閾値放電電流レベル未満に落ちると、スイッチSW3をオフにする(図10の列1014を参照)。従って、電池Aは、依然として、閉じたスイッチSW4と、開いたスイッチSW3に並列なダイオードD3とを通って、システムに電流を供給することができる。有利なことに、ダイオードD3は、電池Bに関して逆バイアスであり、電池Bから電池Aへの逆伝導を防ぐ。加えて、もし電池Aの出力電圧が、その後バイアスダイオードD3を駆動する最小出力電圧レベル未満に落ちると、電池Aは、電流をシステムに供給できず、システムへの供給電流全体が電池Bによって供給されるだろう。
【0080】
本明細書で説明した実施形態は、本発明を利用するものの内のいくつかに過ぎず、本明細書では例を挙げて説明したが、これは限定するものではない。当業者によって容易な他の多くの実施形態が、添付の特許請求の範囲で定義した本発明の趣旨と範囲とから実質的に逸脱することなく可能である。
な用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明による、電力管理ユニット(PMU)からの出力信号に応答して選択を行う選択回路を持つ電源ブロックを伴う電子機器の簡略化した高レベルブロック図である。
【図2】直流電源と複数の電池から選択を行うための、本発明による選択回路を持つ図1の電源ブロック部の、より詳細なブロック図である。
【図3】直流電源と複数の電池から選択するための信号を、関連するスイッチ駆動器ネットワークと関連するスイッチとを介して提供するように構成された制御器を持つ、本発明による選択回路の一実施形態のブロック図である。
【図4】制御器の様々な部品をより詳細に描いた、図3の選択回路のより詳細なブロック図である。
【図5】電子機器が直流電源によって電力を与えられる時に、様々な入力信号によって様々なスイッチをオンとオフの状態に駆動する様子を説明する一例としての表である。
【図6】電子機器が様々な組み合わせの電池によって電力を与えられる時に、様々な入力信号によって様々なスイッチをオンとオフの状態に駆動する様子を説明する一例としての表である。
【図7】関連するスイッチ駆動器ネットワークと関連するスイッチとを介して、直流電源と複数の電池から選択する信号を提供するように構成された制御器を持った、本発明による選択回路の他の実施形態のブロック図である。
【図8】制御部の様々な部品をより詳細に図解した、図7の選択回路のより詳細なブロック図である。
【図9】電子機器が直流電源によって電力を与えられる時に、図7の選択回路が様々な入力信号によって様々なスイッチをオンとオフの状態に駆動する様子を説明する一例としての表である。
【図10】電子機器が電池の様々な組み合わせによって電力を与えられる時に、様々な入力信号によって、図7の選択回路が様々なスイッチをオンとオフに駆動する様子を説明する一例としての表である。
【図11A】図7の選択回路が、電池の低電圧状態を検出して、電池内部の電流の流れを防ぐ様子を説明する一例としての回路図である。
【図11B】図7の選択回路が、電池の低電圧状態を検出して、電池内部の電流の流れを防ぐ様子を説明する一例としての回路図である。
【図11C】図7の選択回路が、電池の低電圧状態を検出して、電池内部の電流の流れを防ぐ様子を説明する一例としての回路図である。
【符号の説明】
【0082】
100 電子機器
104 直流電源
105 電源
106 電源ブロック
110 システム
114 選択回路
120 PMU
204 直流電源
205−1 電源1
205−2 電源2
205−k 電源k
206 電源ブロック
207,209 電源経路
210 システム
211 データ経路
214 選択回路
217 電池切り換えネットワーク
220 PMU
222 充電回路
226 電力変換ユニット
230 スイッチ
250 経路
252,254 データ経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源システムにおいて、
第1電池に結合されるように構成された第1経路と、
第2電池に結合されるように構成された第2経路と、
前記第1経路に結合され、前記第1電池を放電するために、前記第1電池を負荷に選択的に結合できるように構成された、第1スイッチおよび第2スイッチと、
前記第2経路に結合され、前記第2電池を放電するために、前記第2電池を前記負荷に選択的に結合できるように構成された、第3スイッチおよび第4スイッチと、
もし、前記第1電池からの第1放電電流レベルが第1放電閾値レベルよりも大きく、かつ前記第2電池からの第2放電電流レベルが第2放電閾値レベルよりも大きく、かつ前記第1放電閾値レベルと前記第2放電閾値レベルの差が予め定められた放電制限より小さければ、前記第1電池と前記第2電池を並列に放電することができるように、前記第1スイッチと前記第2スイッチと前記第3スイッチと前記第4スイッチを閉じるように構成された選択器回路と
を備え、
前記第1経路と前記第2経路とは、共通ノードに結合され、
前記選択器回路への少なくとも1つの出力信号を生成するように構成された電力管理ユニット(PMU)をさらに備え、
前記PMUは、さらに、少なくとも1つの電力管理ルーチンを実行するように構成され、
前記PMUは、さらに、前記選択器回路と通信し、電池あるいは電池を並列に組み合わせたもののどれが充電あるいは放電のために選択されるべきかを示す複数の信号を生成するように構成され、
前記選択器回路は、さらに、少なくとも1つの条件下で前記PMUからの命令を無効にするように構成されることを特徴とする電源システム。
【請求項2】
前記第1放電閾値レベルは、前記第2放電閾値レベルに等しいことを特徴とする請求項1記載の電源システム。
【請求項3】
前記第1スイッチと第2スイッチとは、さらに、前記第1電池を充電するために、前記第1電池を直流電源に選択的に結合することができるように構成され、
前記第3スイッチと第4スイッチとは、さらに、前記第2電池を充電するために、前記第2電池を前記直流電源に選択的に結合することができるように構成され、
前記選択器回路は、さらに、前記直流電源から前記第1電池への第1充電電流レベルが、第1充電閾値レベルよりも大きく、かつ前記直流電源から前記第2電池への第2充電電流レベルが、第2充電閾値レベルよりも大きければ、前記第1電池と前記第2電池とを並列に充電することができるように、前記第1スイッチと前記第2スイッチと前記第3スイッチと前記第4スイッチを閉じるように構成されることを特徴とする請求項1記載の電源システム。
【請求項4】
前記第1充電閾値レベルは、前記第2充電閾値レベルに等しいことを特徴とする請求項3記載の電源システム。
【請求項5】
さらに、前記第1スイッチと並列な第1ダイオードと、前記第2スイッチと並列な第2ダイオードと、前記第3スイッチと並列な第3ダイオードと、前記第4スイッチと並列な第4ダイオードとを備えることを特徴とする請求項1記載の電源システム。
【請求項6】
さらに、前記第1スイッチと並列な第1ダイオードと、前記第2スイッチと並列な第2ダイオードと、前記第3スイッチと並列な第3ダイオードと、前記第4スイッチと並列な第4ダイオードとを備えることを特徴とする請求項3記載の電源システム。
【請求項7】
前記第1ダイオードは、前記第2電池と逆バイアスにあり、前記選択器回路は、さらに、もし前記第1放電電流レベルが前記第1放電閾値レベルよりも小さければ、前記第1スイッチを開いて前記第2スイッチを閉じるように構成されることを特徴とする請求項5記載の電源システム。
【請求項8】
前記第2ダイオードは、前記第1電池と逆バイアスにあり、前記選択器回路は、さらに、もし前記第1充電電流レベルが前記第1充電閾値レベルよりも小さければ、前記第2スイッチを開いて前記第1スイッチを閉じるように構成されることを特徴とする請求項6記載の電源システム。
【請求項9】
前記第3ダイオードは、前記第1電池と逆バイアスにあり、前記選択器回路は、さらに、もし前記第2放電電流レベルが前記第2放電閾値レベルよりも小さければ、前記第3スイッチを開いて前記第4スイッチを閉じるように構成されることを特徴とする請求項7記載の電源システム。
【請求項10】
前記第4ダイオードは、前記第2電池と逆バイアスにあり、前記選択器回路は、さらに、もし前記第2充電電流レベルが前記第2充電閾値レベルよりも小さければ、前記第4スイッチを開いて前記第3スイッチを閉じるように構成されることを特徴とする請求項8記載の電源システム。
【請求項11】
電子機器において、
第1電池に結合されるように構成された第1経路と、
第2電池に結合されるように構成された第2経路と、
前記第1経路に結合され、前記第1電池を放電するために、前記第1電池を前記電子機器のシステムに選択的に結合できるように構成された、第1スイッチおよび第2スイッチと、
前記第2経路に結合され、前記第2電池を放電するために、前記第2電池を前記システムに選択的に結合できるように構成された、第3スイッチおよび第4スイッチと、
もし、前記第1電池からの第1放電電流レベルが第1放電閾値レベルよりも大きく、かつ前記第2電池からの第2放電電流レベルが第2放電閾値レベルよりも大きく、かつ前記第1放電閾値レベルと前記第2放電閾値レベルの差が予め定められた放電制限より小さければ、前記第1電池と前記第2電池を並列に放電することができるように、前記第1スイッチと前記第2スイッチと前記第3スイッチと前記第4スイッチを閉じるように構成された選択器回路と
を備え、
前記第1経路と前記第2経路とは、共通ノードに結合され、
前記選択器回路への少なくとも1つの出力信号を生成するように構成された電力管理ユニット(PMU)をさらに備え、
前記PMUは、さらに、少なくとも1つの電力管理ルーチンを実行するように構成され、
前記PMUは、さらに、前記選択器回路と通信し、電池あるいは電池を並列に組み合わせたもののどれが充電あるいは放電のために選択されるべきかを示す複数の信号を生成するように構成され、
前記選択器回路は、さらに、少なくとも1つの条件下で前記PMUからの命令を無効にするように構成されることを特徴とする電子機器。
【請求項12】
前記第1放電閾値レベルは、前記第2放電閾値レベルに等しいことを特徴とする請求項11記載の電子機器。
【請求項13】
前記第1スイッチと第2スイッチとは、さらに、前記第1電池を充電するために、前記第1電池を直流電源に選択的に結合することができるように構成され、
前記第3スイッチと第4スイッチとは、さらに、前記第2電池を充電するために、前記第2電池を前記直流電源に選択的に結合することができるように構成され、
前記選択器回路は、さらに、前記直流電源から前記第1電池への第1充電電流レベルが、第1充電閾値レベルよりも大きく、かつ前記直流電源から前記第2電池への第2充電電流レベルが、第2充電閾値レベルよりも大きければ、前記第1電池と前記第2電池とを並列に充電することができるように、前記第1スイッチと前記第2スイッチと前記第3スイッチと前記第4スイッチを閉じるように構成されることを特徴とする請求項11記載の電子機器。
【請求項14】
前記第1充電閾値レベルは、前記第2充電閾値レベルに等しいことを特徴とする請求項13記載の電子機器。
【請求項15】
さらに、前記第1スイッチと並列な第1ダイオードと、前記第2スイッチと並列な第2ダイオードと、前記第3スイッチと並列な第3ダイオードと、前記第4スイッチと並列な第4ダイオードとを備えることを特徴とする請求項11記載の電子機器。
【請求項16】
さらに、前記第1スイッチと並列な第1ダイオードと、前記第2スイッチと並列な第2ダイオードと、前記第3スイッチと並列な第3ダイオードと、前記第4スイッチと並列な第4ダイオードとを備えることを特徴とする請求項13記載の電子機器。
【請求項17】
前記第1ダイオードは、前記第2電池と逆バイアスにあり、前記選択器回路は、さらに、もし前記第1放電電流レベルが前記第1放電閾値レベルよりも小さければ、前記第1スイッチを開いて前記第2スイッチを閉じるように構成されることを特徴とする請求項15記載の電子機器。
【請求項18】
前記第2ダイオードは、前記第1電池と逆バイアスにあり、前記選択器回路は、さらに、もし前記第1充電電流レベルが前記第1充電閾値レベルよりも小さければ、前記第2スイッチを開いて前記第1スイッチを閉じるように構成されることを特徴とする請求項16記載の電子機器。
【請求項19】
前記第3ダイオードは、前記第1電池と逆バイアスにあり、前記選択器回路は、さらに、もし前記第2放電電流レベルが前記第2放電閾値レベルよりも小さければ、前記第3スイッチを開いて前記第4スイッチを閉じるように構成されることを特徴とする請求項17記載の電子機器。
【請求項20】
前記第4ダイオードは、前記第2電池と逆バイアスにあり、前記選択器回路は、さらに、もし前記第2充電電流レベルが前記第2充電閾値レベルよりも小さければ、前記第4スイッチを開いて前記第3スイッチを閉じるように構成されることを特徴とする請求項18記載の電子機器。
【請求項21】
並列な電池の安全な動作を保証する方法であって、前記方法は、
少なくとも第1電池と第2電池を共通ノードへ希望通り並列に結合することを表す、関連する電力管理ユニット(PMU)からの制御信号を選択器回路において受信する段階と、
前記第1電池と前記共通ノードとの間で結合される第1経路に沿った第1電流レベルを表す第1電流信号を受信する段階と、
前記第2電池と前記共通ノードとの間で結合される第2経路に沿った第2電流レベルを表す第2電流信号を受信する段階と、
前記第1電流信号を第1閾値電流レベルと比較し、前記第2電流信号を第2閾値電流レベルと比較する段階と、
もし、前記第1電流信号が前記第1閾値電流レベルよりも大きく、かつ前記第2電流信号が前記第2閾値電流レベルよりも大きく、かつ前記第1閾値電流レベルと前記第2閾値電流レベルの差が予め定められた制限より小さければ、前記第1電池と第2電池を並列に前記共通ノードに結合する段階と
を備え、
前記PMUは、前記選択器回路への少なくとも1つの出力信号を生成するように構成され、
前記PMUは、さらに、少なくとも1つの電力管理ルーチンを実行するように構成され、
前記PMUは、さらに、前記選択器回路と通信し、電池あるいは電池を並列に組み合わせたもののどれが充電あるいは放電のために選択されるべきかを示す複数の信号を生成するように構成され、
前記選択器回路は、さらに、少なくとも1つの条件下で前記PMUからの命令を無効にするように構成されることを特徴とする方法。
【請求項22】
さらに、もし、前記第2電流信号が、前記第2閾値電流レベルよりも小さければ、前記第1電池から前記第2電池への放電電流の流れを防ぐ段階を備えることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
さらに、もし、前記第1電流信号が、前記第1閾値電流レベルよりも小さければ、前記第1電池から前記第2電池への充電電流の流れを防ぐ段階を備えることを特徴とする請求項21記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【公開番号】特開2008−35700(P2008−35700A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240920(P2007−240920)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【分割の表示】特願2005−518382(P2005−518382)の分割
【原出願日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】