説明

多機能付偏光フィルター及び多機能付偏光フィルターの製造方法

【課題】デジタルカメラ等用の多機能付偏光フィルターを提供する。
【解決手段】デジタルカメラに使用される多機能付偏光フィルターにおいて、フィルター枠が撮像に写り込んでしまうケラレ現象を防止することを目的として、最新の光学技術によりフィルター本体の厚さを非常に薄く、しかも、一体的に製作する多機能付偏光フィルターを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高度に鮮明な撮影画像を得る必要のある各種検査機器、測定機器、医療機器等に使用されるデジタルカメラに於いてレンズ前面に装着使用される多機能付偏光フィルター及びそのフィルターの製造方法に関するものである。
【0002】
本発明は、特に、偏光フィルターでありながらも、偏光フィルターの機能と紫外線を効率良く反射、吸収できる紫外線カットフィルターの機能とを併せ持つフィルター、また偏光フィルターの機能と近赤外線を反射できる近赤外線カットフィルターの機能とを併せ持つフィルター、並びに偏光フィルターの機能と紫外線及び近赤外線の双方をカットできる紫外線・近赤外線カットフィルターの機能とを併せ持つフィルター、を提供するものである。
【背景技術】
【0003】
近時、高度に鮮明な撮像画像を得る必要のある各種検査機器、測定機器、医療機器等に使用されるデジタルカメラに於いて、レンズ前面に装着される偏光フィルターにはどうしても紫外線カットフィルターや近赤外線カットフィルター、或いは紫外線及び近赤外線カットフィルターの機能を兼ね備える必要が生じてきている。
【0004】
従来、偏光フィルターに紫外線カットフィルターや近赤外線カットフィルター、或いは紫外線及び近赤外線カットフィルターの機能を兼ね備えさせようとするには、直線偏光フィルターまたは円偏光フィルターに、前記紫外線カットフィルターや近赤外線カットフィルター、或いは紫外線及び近赤外線フィルターをデジタルカメラレンズ前に於いて直接重ね合わせて使用することが一般的であった。
【0005】
即ち、偏光フィルターの機能と紫外線を反射、吸収できる紫外線カットフィルターの機能を有するフィルターを得るには、従来公知の偏光フィルターと紫外線カットフィルターとをデジタルカメラのレンズ前面に於いて重ねて装着する方法が採用されてきた。
【0006】
また、偏光フィルターの機能と近赤外線を反射できる近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルターを得るには、同様に従来公知の偏光フィルターと近赤外線カットフィルターをデジタルカメラのレンズ前面にて重ねて装着する方法が知られている。
【0007】
そして、偏光フィルターの機能と紫外線及び近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルターを得るためには、従来公知の偏光フィルター、紫外線カットフィルター、そして、近赤外線カットフィルターの3枚をデジタルカメラのレンズ前面に於いて重ね合わせて装着するという方法も一般に知られている(偏光フィルターと一枚の紫外線及び近赤外線カットフィルターとを重ねる二枚合わせという方法もある)。
【0008】
然しながら、これら従来よく知られている偏光フィルターの機能と紫外線カットフィルターの機能とを有するフィルター、偏光フィルターの機能と近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルター、並びに偏光フィルターと紫外線及び近赤外線をカットできるフィルターの機能を有するフィルターの構成は、上述のようにただ単に夫々の機能を有する二枚以上複数のフィルターをデジタル1眼レフカメラの前面で重ね合わせて装着するに過ぎないものであって、このように複数枚のフィルターをデジタルカメラの前面で重ね合わせて装着使用すると、重ね合わせたフィルター全体はかなりの厚さを有することになり、所謂、フィルター枠が撮像に写り込むケラレ現象という好ましくない結果を、殊に医療用等特に高度に鮮明且つ緻密な撮影画像を必要とする分野では極めて好ましくない結果、を生じせしめてしまう。
【0009】
従って、近時に於いては、従来の直線偏光フィルターや円偏光フィルターと同程度には薄い、或いは望ましくはそれよりも薄い多機能付きの一枚の偏光フィルター(以下、直線偏光フィルターと円偏光フィルターを総称して偏光フィルターと称する)の具現化が強く求められてきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、高度に鮮明な撮影画像を得る必要のある各種検査機器、測定機器、医療機器等に使用されるデジタルカメラに於いて、レンズ前面に装着され使用される多機能付偏光フィルター及びそのフィルターの製造方法に関するものである。
【0011】
本発明の具体的な構成は、偏光フィルターの機能と紫外線を効率良く反射、吸収できる紫外線カットフィルターの機能を有するフィルターの具現化にある。
【0012】
また、本発明は、偏光フィルターの機能と近赤外線を反射できる機能を有する近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルターの具現化にある。
【0013】
更に、本発明は、偏光フィルターと紫外線及び近赤外線をカットできる機能を有する紫外線・近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルターの具現化にある。
【0014】
従来知られている偏光フィルターの機能と紫外線カットフィルターの機能を有するフィルター、偏光フィルターの機能と近赤外線カットフィルターの機能とを有するフィルター、並びに偏光フィルターと紫外線・近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルターの構成は、上述したようにただ単に夫々の機能を有するフィルターをデジタルカメラの前面で単に重ね合わせて装着するものであるに過ぎず、複数枚のフィルターをデジタルカメラの前面で重ね合わせて装着すると、重ね合わせたフィルター自体かなりの厚さを有することになり、その結果フィルター枠が撮像に写り込む所謂ケラレ現象を生じせしめてしまい、撮影画像が全体的に暗くなり好ましくない。
【0015】
本発明が解決しようとする課題は、フィルター枠が撮像に写り込んでしまうケラレ現象を防止することを目的として、最新の光学技術によりフィルター本体の厚さを非常に薄く一体的に製作して多機能付き偏光フィルターを得ようとするものである。
【0016】
然しながら、多機能付偏光フィルターの厚さを非常に薄く一体的に製作するのには、大変難しい技術的課題があった。即ち、偏光フィルターを構成する偏光膜はヨードを含んだ染料で染色された非常に細い平行線状をした有機物(ポリビニールアルコール)からできており、紫外線や赤外線の影響を受けやすく、極めて熱に弱いという物性を有している。
【0017】
一方、上記偏光フィルターと一体化せんとする紫外線カットフィルター及び近赤外線カットフィルターは、ガラス基板に屈折率の異なる数十種類の薄膜を積層して作る誘電体多層膜からなり、該誘電体多層膜の積層工程は、例えば、電子ビーム加熱蒸着、高周波加熱蒸着、レーザービーム加熱蒸着イオン化スパッタリング、イオンビームスパッタリング、プラズマスパッタリングのいずれかを採用して行われるが、上記誘電体多層膜の積層工程は、いずれも真空、高温環境での作業を必要としているので偏光膜への悪影響(熱劣化、また膜の反り返り)が生じ易く、そのため蒸着やスパッタリング工程を低温環境にて行うことも試みられたが、この方法では非常に時間がかかるために量産態勢にのせることはできなかった。
【0018】
即ち、前記偏光フィルターの製作工程と誘電体多層膜の積層を必要とする紫外線カットフィルター、及び近赤外線フィルターの製作工程とは相反するものであったために、多機能付偏光フィルターの工業的製作は実際上不可能であった。
【課題を解決するための手段】
【0019】
而して、本発明は、各種検査、測定、医療用等に用いられるデジタルカメラのレンズ前面に装着して使用する偏光フィルターの機能と紫外線カットフィルターの機能を有するフィルターに於いて、該フィルターの本体はカメラの入射光側に設けられる紫外線カットガラス基板とカメラ本体側に設けられる透過ガラス基板に分離して製作され、前記紫外線カットガラス基板にはカメラの入射光面を研磨して反射防止コートがコーティング加工されており(当該研磨及び反射防止コートは一連の工程中のどの段階ででもなされうるが、実際上は最終の両ガラス基板接着一体化の後になされる、即ち完成品に至る最終段階での工程となる。がしかしそれは製品乃至物自体としては条件ではない。以下に於いて同じ)、また前記紫外線カットガラス基板内面には誘電体多層膜からなる紫外線カット薄膜が積層されており、前記カメラ本体側に設けられる透過ガラス基板の入射光側には偏光フィルターが接着剤を介して透過ガラス基板に接着された構成を有して、該透過ガラス基板のカメラ本体側面は研磨され反射防止コートがコーティング加工された構成となし、前記紫外線カットガラス基板と透過ガラス基板とを接着剤を介して一体化しすることにより紫外線カットフィルターと偏光フィルターの機能を兼ね備えた多機能付偏光フィルターを提供することができた。
【0020】
また、本発明は、各種検査、測定、医療用等に用いられるデジタルカメラのレンズ前面に装着して使用する偏光フィルターの機能と近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルターに於いて、該フィルターの本体はカメラの入射光側に設けられる近赤外線カットガラス基板とカメラ本体側に設けられる透過ガラス基板に分離して製作され、前記近赤外線カットガラス基板にはカメラの入射光面を研磨して反射防止コートがコーティング加工されており、また前記近赤外線カットガラス基板内面には誘電体多層膜からなる近赤外線カット薄膜が積層されており、前記カメラ本体側に設けられる透過ガラス板の入射光側には偏光フィルターが接着剤を介して透過ガラス基板に接着された構成を有して、該透過ガラス基板のカメラ本体側面は研磨され反射防止コートがコーティング加工された構成となし、前記近赤外線カットガラス基板と透過ガラス基板とを接着剤を介して一体化することにより、近赤外線カットフィルターと偏光フィルターの機能を兼ね備えた多機能付偏光フィルターを提供することができた。
【0021】
更に、本発明では、各種検査、測定、医療用等に用いられるデジタルカメラのレンズ前面に装着して使用する偏光フィルターの機能と紫外線・近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルターに於いて、該フィルターの本体はカメラの入射光側に設けられる紫外線・近赤外線カットガラス基板とカメラ本体側に設けられる透過ガラス基板に分離して製作され、前記紫外線・近赤外線カットガラス基板はカメラの入射光面を研磨して反射防止コートがコーティング加工されており、また前記紫外線・近赤外線カットガラス基板内面には誘電体多層膜からなる紫外線及び近赤外線カット薄膜が積層されており、前記カメラ本体側に設けられる透過ガラス板の入射光側には偏光フィルターが接着剤を介して透過ガラス基板に接着された構成を有して、該透過ガラス基板のカメラ本体側面は研磨され反射防止コートがコーティング加工された構成となし、前記近赤外線カットガラス基板と透過ガラス基板とを接着剤を介して一体化することにより、赤外線及び近紫外線カットフィルターと偏光フィルターの機能を兼ね備えた多機能付偏光フィルターを提供することができた。
【0022】
而して、上述した多機能付フィルターの製造工程はカメラの入射光側に設けられるカットガラス基板部材とカメラ本体側に設けられる透過ガラス基板部材とに分離して製作し、前記カットガラス基板部材内面には紫外線や近赤外線、或いは紫外線と近赤外線の両方をカットする各種誘電体多層膜をスパッタリングや真空蒸着等による高温加工にて積層することで紫外線カットフィルターや近赤外線フィルター並びに紫外線・近赤外線フィルターを製作し、また前記カメラ本体側に設けられる透過ガラス基板部材の入射光側には偏光フィルターを接着剤を介して透過ガラス基板部材に接着する工程を経て、前記紫外線や近赤外線カットガラス基板部材と透過ガラス基板部材とを接着剤を介して一体化することで多機能付フィルターを構成して、最後に前記一体化されたフィルターの両面を研磨して反射防止コートをコーティングする(作業のし易さまた量産のためには、この研磨及びコート工程は必然的にこの最終段階で初めてなされる)工程を有するフィルターの製造方法を提供した。
【発明の効果】
【0023】
斯くして、本発明は、上述したフィルター構成、並びに製造方法を採用することにより、従来からのフィルター重ね合わせ使用の方法に比較して、多機能付偏光フィルターの厚さを非常に薄く一体的に製作することが可能になり、大変難しい技術的課題であった下記の点を解決することができた。
【0024】
即ち、偏光フィルターを構成する偏光膜はヨードを含んだ染料で染色された非常に細い平行線状をした有機物(ポリビニールアルコール)からできており、紫外線や赤外線の影響を受けやすく、熱に弱い性質を有している。
【0025】
一方、上記偏光フィルターと一体化する紫外線カットフィルター及び近赤外線カットフィルターは、ガラス基板に屈折率の異なる数十種類の薄膜を積層して作る誘電体多層膜からなり、該誘電体多層膜の積層工程は、例えば、電子ビーム加熱蒸着、高周波加熱蒸着、レーザービーム加熱蒸着イオン化スパッタリング、イオンビームスパッタリング、プラズマスパッタリングのいずれかを採用して行われるが、上記誘電体多層膜の積層工程は、いずれも真空、高温環境での作業を必要としており、蒸着やスパッタリング工程を低温環境にて行うことも試みられたが、この方法では非常に時間がかかるために量産体制にのせることはできなかったという点を改良した。
【0026】
そして、本発明では、カメラの入射光側に設けられるカットガラス基板とカメラ本体側に設けられる透過ガラス基板とに分離して製作し、前記カットガラス基板内面には誘電体多層膜をスパッタリングや真空蒸着からなる高温加工の薄膜が積層される構成を有し、前記カメラ本体側に設けられる透過ガラス板の入射光側には偏光膜を透過ガラス薄板で挟持した偏光フィルターが接着剤を介して透過ガラス基板に接着された構成とすることにより、前記カットガラス基板と透過ガラス基板とを接着剤を介して一体化したフィルターの製造方法を確立することができた。
【0027】
従って、上述したフィルター製造方法にて製作される多機能付偏光フィルターは、フィルター本体の厚さを非常に薄く、且つ、一体的に製作可能であり、フィルターの厚さが薄くフィルターの枠が撮像に写り込んでしまうケラレ現象を完全に防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施例1の説明図で紫外線カットガラス基板と透過ガラス基板が分離している状態を示す断面図である。
【図2】実施例1の説明図で紫外線カットガラス基板と透過ガラス基板が一体化した状態体を示す断面図である。
【図3】実施例2の説明図で近赤外線カットガラス基板と透過ガラス基板が分離している状態を示す断面図である。
【図4】実施例2の説明図で近赤外線カットガラス基板と透過ガラス基板が一体化した状態を示す断面図である。
【図5】実施例3の説明図で紫外線・近赤外線カットガラス基板が分離している状態を示す断面図である。
【図6】実施例3の説明図で紫外線・近赤外線カットガラス基板が一体化した状態を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例3における紫外線・近赤外線フィルターと偏光フィルターを用いて透過率と波長の関係を示した測定図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
斯くして、本発明は、偏光フィルターの機能と紫外線を効率良く反射、吸収できる紫外線カットフィルターの機能を有するフィルター、偏光フィルターの機能と近赤外線を反射できる機能を有する近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルター、並びに偏光フィルターと紫外線及び近赤外線をカットできる機能を有する紫外線・近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルターを提供するものである。
【0030】
本発明の目的は、デジタルカメラ等に使用される多機能付偏光フィルターにおいて、フィルター枠が撮像に写り込んでしまうケラレ現象を防止するものであり、最新の光学技術によりフィルター本体の厚さを非常に薄く一体的に製作するものである。
【0031】
多機能付偏光フィルターの厚さを非常に薄く一体的に製作するには、大変難しい技術的課題があった。即ち、偏光フィルターを構成する偏光膜はヨードを含んだ染料で染色された非常に細い平行線状をした有機物(ポリビニールアルコール)からできており、紫外線や赤外線の影響を受けやすく、熱に弱い性質を有している。
【0032】
一方、上記偏光フィルターと一体化する紫外線カットフィルター及び近赤外線カットフィルターは、ガラス基板に屈折率の異なる数十種類の薄膜を積層して作る誘電体多層膜からなり、該誘電体多層膜の積層工程は、例えば、電子ビーム加熱蒸着、高周波加熱蒸着、レーザービーム加熱蒸着イオン化スパッタリング、イオンビームスパッタリング、プラズマスパッタリングのいずれかを採用して行われるが、上記誘電体多層膜の積層工程は、いずれも真空、高温環境での作業を必要としており、蒸着やスパッタリング工程を低温環境にて行うことも試みられたが、この方法では非常に時間がかかるために量産体制にのせることはできなかった。
【0033】
従って、前記偏光フィルターの製作工程と誘電体多層膜の積層を必要とする紫外線カットフィルター、及び近赤外線フィルターの製作工程は、相反するものであったために、多機能付偏光フィルターの製作は困難であった。
そして、本発明では、カメラの入射光側に設けられるカットガラス基板とカメラ本体側に設けられる透過ガラス基板とに分離して製作し、前記カットガラス基板内面には誘電体多層膜をスパッタリングや真空蒸着からなる高温加工の薄膜が積層される構成を有し、前記カメラ本体側に設けられる透過ガラス板の入射光側には偏光膜を透過ガラス薄板で挟持した偏光フィルターが接着剤を介して透過ガラス基板に接着された構成とすることにより、前記カットガラス基板と透過ガラス基板とを接着剤を介して一体化したフィルターの製造方法を確立することができた。
即ち一言で言えば、工程中の熱による偏光膜の劣化等のおそれのない量産態勢が確立されたと言ってもよい。
【0034】
従って、上述したフィルター製造方法にて製作される多機能付偏光フィルターは、フィルター本体の厚さを非常に薄く、且つ、一体的に製作可能であり、フィルターの厚さが薄くフィルターの枠が撮像に写り込んでしまうケラレ現象を完全に防止することができるものである。
【実施例1】
【0035】
本発明の実施例1を図1及び図2に基づき説明する。図1は紫外線カットガラス基板と偏光フィルターを保持した透過ガラス基板が分離している状態を示しており、図2は図1に示す紫外線カットガラス基板が一体化した状態を示す断面図である。
【0036】
図1及び図2おいて、1は偏光フィルターの機能と紫外線カットフィルターの機能を有するフィルター本体、2は紫外線カットガラス基板、3は透過ガラス基板であり、前記紫外線カットガラス基板2は、カメラへの入射光側4から順に反射防止コート5がコーティング加工された紫外線カットガラス基板2、該紫外線カットガラス基板2のカメラ本体側6に積層された紫外線カット薄膜7、前記紫外線カットガラス基板2と透過ガラス基板3を接着するための接着剤8により構成されている。
【0037】
また、前記透過ガラス基板3の入射光側4には、偏光フィルター9が接着剤10にて接着されている。そして、前記透過ガラス基板3のカメラ本体側6には、反射防止コート11がコーティング加工されている。
【0038】
而して、実施例1は、デジタルカメラのレンズ前面に装着して使用する偏光フィルターの機能と紫外線カットフィルターの機能を有するフィルターに於いて、該フィルターの本体1はカメラの入射光側4に設けられる紫外線カットガラス基板2とカメラ本体側6に設けられる透過ガラス基板3に分離して製作され、前記紫外線カットガラス基板2は後工程でカメラの入射光面4を研磨して反射防止コート5がコーティング加工されている。
【0039】
また、前記紫外線カットガラス基板2の内面には、誘電体多層膜からなる紫外線カット薄膜7が積層された構成を有し、前記カメラ本体側6に設けられる透過ガラス基板3の入射光側4には偏光フィルター9が接着剤10を介して透過ガラス基板3に接着された構成を有して、該透過ガラス基板3のカメラ本体側面6は研磨され反射防止コート11がコーティング加工された構成となし、前記紫外線カットガラス基板2と透過ガラス基板3とを接着剤8を介して一体化したものである。
【0040】
而して、実施例1は、紫外線カット薄膜7による機能と偏光フィルター9による多機能を有し、該多機能付フィルターは、厚さを非常に薄くして一体的に製作するという大変難しい技術的課題があった点を解決することができた。
【0041】
また、偏光フィルター9を構成する偏光膜はヨードを含んだ染料で染色された非常に細い平行線状をした有機物(ポリビニールアルコール)からできており、紫外線や赤外線の影響を受けやすく、熱に弱い性質を有している。
【0042】
一方、上記偏光フィルター9と後工程で一体化する紫外線カット薄膜7は、紫外線カットガラス基板2に屈折率の異なる数十種類の薄膜を積層して作る誘電体多層膜からなり、該誘電体多層膜の積層工程は、例えば、電子ビーム加熱蒸着、高周波加熱蒸着、レーザービーム加熱蒸着イオン化スパッタリング、イオンビームスパッタリング、プラズマスパッタリングのいずれかを採用して行われるが、上記誘電体多層膜の積層工程は、いずれも真空、高温環境での作業を必要としており、この製作と偏光フィルターの同時製作は、不可能であったが、本発明の製造方法にて製作可能とした。
【0043】
そして、本発明では、該フィルター本体1の製造工程はカメラの入射光側4に設けられるカットガラス基板2の部材とカメラ本体側6に設けられる透過ガラス基板3の部材とに分離して製作し、前記カットガラス基板2の部材内面には紫外線をカットする各種誘電体多層膜をスパッタリングや真空蒸着等による高温加工にて積層することで紫外線カットフィルターを製作し、また前記カメラ本体側6に設けられる透過ガラス基板3の部材の入射光側4には偏光フィルター9を接着剤10を介して透過ガラス基板3の部材に接着する工程を経て、前記紫外線カットガラス基板2の部材と透過ガラス基板3の部材とを接着剤8を介して一体化することで多機能付フィルターを構成して、最後に前記一体化されたフィルター本体1の両面を研磨して反射防止コート5、11をコーティングする工程を有する多機能付フィルターの製造方法を確立することができた。
【0044】
従って、上述したフィルター製造方法にて製作される多機能付偏光フィルター板は、フィルター本体の厚さを非常に薄く製作でき、且つ、一体的に製作可能であるために、デジタルカメラのフィルター枠に嵌合してカメラ鏡筒に装着しても、厚さが薄くフィルターの枠が撮像に写り込んでしまうケラレ現象を完全に防止することができるものである。
【実施例2】
【0045】
本発明の実施例2を図3及び図4に基づき説明する。図2は近赤外線カットガラス基板と偏光フィルターを保持した透過ガラス基板が分離している状態を示しており、図3は図2に示す赤外線カットガラス基板が一体化した状態を示す断面図である。
【0046】
図3及び図4おいて、12は偏光フィルターの機能と近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルター本体、13は近赤外線カットガラス基板、3は透過ガラス基板であり、前記近赤外線カットガラス基板13は、カメラへの入射光側4から順に反射防止コート5がコーティング加工された近赤外線カットガラス基板13、該近赤外線カットガラス基板13のカメラ本体側6に積層された近赤外線カット薄膜14、前記近赤外線カットガラス基板13と透過ガラス基板3を接着するための接着剤8により構成されている。
【0047】
また、前記透過ガラス基板3の入射光側4には、偏光フィルター9が接着剤10にて接着されている。そして、前記透過ガラス基板3のカメラ本体側6には、後工程で加工される反射防止コート11がコーティング加工されている。
【0048】
而して、実施例2は、デジタルカメラのレンズ前面に装着して使用する偏光フィルターの機能と近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルターに於いて、該フィルターの本体12はカメラの入射光側4に設けられる近赤外線カットガラス基板13とカメラ本体側6に設けられる透過ガラス基板3に分離して製作され、前記近赤外線カットガラス基板13はカメラの入射光面4を研磨して反射防止コート5が後工程でコーティング加工されている。
【0049】
一方、上記偏光フィルター9と後工程で一体化する近赤外線カット薄膜7は、近赤外線カットガラス基板13に屈折率の異なる数十種類の薄膜を積層して作る誘電体多層膜からなり、該誘電体多層膜の積層工程は、例えば、電子ビーム加熱蒸着、高周波加熱蒸着、レーザービーム加熱蒸着イオン化スパッタリング、イオンビームスパッタリング、プラズマスパッタリングのいずれかを採用して行われるが、上記誘電体多層膜の積層工程は、いずれも真空、高温環境での作業を必要としておりこの製作工程と熱に弱い偏光フィルターの同時製作は不可能であったが、本発明の製造方法にて製作可能とした。
【0051】
即ち、偏光フィルターを構成する偏光膜9はヨードを含んだ染料で染色された非常に細い平行線状をした有機物(ポリビニールアルコール)からできており、紫外線や赤外線の影響を受けやすく、熱に弱い性質を有している。
【0052】
一方、上記偏光フィルター11と一体化する近赤外線カット薄膜16は、近赤外線カットガラス基板15に屈折率の異なる数十種類の薄膜を積層して作る誘電体多層膜からなり、該誘電体多層膜の積層工程は、例えば、電子ビーム加熱蒸着、高周波加熱蒸着、レーザービーム加熱蒸着イオン化スパッタリング、イオンビームスパッタリング、プラズマスパッタリングのいずれかを採用して行われるが、上記誘電体多層膜の積層工程は、いずれも真空、高温環境での作業を必要としており製作することができなかった。
【0053】
そして、本発明では、 該フィルター本体12の製造工程はカメラの入射光側4に設けられる近赤外線カットガラス基板13の部材とカメラ本体側6に設けられる透過ガラス基板3の部材とに分離して製作し、前記カットガラス基板13の部材内面には近赤外線をカットする各種誘電体多層膜をスパッタリングや真空蒸着等による高温加工にて積層することで近赤外線カットフィルターを製作し、また前記カメラ本体側6に設けられる透過ガラス基板3の部材の入射光側4には偏光フィルター9を接着剤10を介して透過ガラス基板3の部材に接着する工程を経て、前記近赤外線カットガラス基板13の部材と透過ガラス基板3の部材とを接着剤8を介して一体化することで多機能付フィルターを構成して、最後に前記一体化されたフィルター本体12の両面を研磨して反射防止コート5、11をコーティングする工程を有する多機能付フィルターの製造方法を確立することができた。
【0054】
従って、上述したフィルター製造方法にて製作される多機能付偏光フィルター板は、フィルター本体13の厚さを非常に薄く製作でき、且つ、一体的に複数のフィルターを製作可能であるために、デジタルカメラのフィルター枠に嵌合してカメラ鏡筒に装着しても、厚さが薄くフィルターの枠が撮像に写り込んでしまうケラレ現象を完全に防止することができるものであるほか、偏光フィルター9の前面に設けられる近赤外線カット膜14は、熱に弱い偏光フィルター9やデジタル1眼レフに内蔵されたCCDやCMOSセンサーを保護可能である。
【実施例3】
【0055】
本発明の実施例3を図5及び図6に基づき説明する。図5は紫外線・近赤外線カットガラス基板と偏光フィルターを保持した透過ガラス基板が分離している状態を示しており、図6は図5に示す赤外線・近紫外線カットガラス基板が一体化した状態を示す断面図である。
【0056】
図5及び図6おいて、17は偏光フィルターの機能と紫外線・近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルター本体、16は紫外線・近赤外線カットガラス基板、3は透過ガラス基板であり、前記紫外線・近赤外線カットガラス基板16は、カメラへの入射光側4から順に反射防止コート5がコーティング加工された紫外線・近赤外線カットガラス基板16、該紫外線・近赤外線カットガラス基板16のカメラ本体側6に積層された紫外線・近赤外線カット薄膜17、前記紫外線・近赤外線カットガラス基板16と透過ガラス基板3を接着するための接着剤8により構成されている。
【0057】
また、前記透過ガラス基板3の入射光側4には、偏光フィルター9が接着剤10にて接着されている。そして、前記透過ガラス基板3のカメラ本体側6には、反射防止コート11が後工程にてコーティング加工されている。
【0058】
而して、実施例3は、デジタルカメラのレンズ前面に装着して使用する偏光フィルターの機能と紫外線・近赤外線カットフィルターの機能を有するフィルターに於いて、該フィルターの本体15はカメラの入射光側4に設けられる紫外線近・赤外線カットガラス基板16とカメラ本体側6に設けられる透過ガラス基板3に分離して製作され、前記紫外線・近赤外線カットガラス基板16はカメラの入射光面4を研磨して反射防止コート5がコーティング加工されている(この状態は図6に示す)。
【0059】
また、前記紫外線・近赤外線カットガラス基板16の内面には、誘電体多層膜からなる紫外線・近赤外線カット薄膜17が積層された構成を有し、前記カメラ本体側6に設けられる透過ガラス基板3の入射光側4には偏光フィルター9が接着剤10を介して透過ガラス基板3に接着された構成を有して、該透過ガラス基板3のカメラ本体側面6は最後の工程で研磨される反射防止コート11がコーティング加工された構成となし、前記紫外線近・赤外線カットガラス基板16と透過ガラス基板3とを接着剤8を介して一体化したものである。
【0060】
而して、実施例3は、紫外線・近赤外線カット薄膜17と偏光フィルター9の多機能を有し、該多機能付フィルターは、厚さを非常に薄くして一体的に製作するという大変難しい技術的課題を解決することができた。
【0061】
即ち、偏光フィルター9を構成する偏光膜はヨードを含んだ染料で染色された非常に細い平行線状をした有機物(ポリビニールアルコール)からできており、紫外線や赤外線の影響を受けやすく、熱に弱い性質を有している。
【0062】
一方、上記偏光フィルター9と一体化する紫外線・近赤外線カット薄膜17は、紫外線・近赤外線カットガラス基板16に屈折率の異なる数十種類の薄膜を積層して作る誘電体多層膜からなり、該誘電体多層膜の積層工程は、例えば、電子ビーム加熱蒸着、高周波加熱蒸着、レーザービーム加熱蒸着イオン化スパッタリング、イオンビームスパッタリング、プラズマスパッタリングのいずれかを採用して行われるが、上記誘電体多層膜の積層工程は、いずれも真空、高温環境での作業を必要としており製作することができなかった。また、蒸着やスパッタリングを低温環境下で行う試みなされたが、低温環境下での蒸着、スパッタリングは大変時間のかかるもので、生産性の良い技術ではなかった。
【0063】
そして、フィルター本体15の製造工程はカメラの入射光側に設けられる赤外線・近紫外線カットガラス基板16の部材とカメラ本体側6に設けられる透過ガラス基板3の部材とに分離して製作し、前記カットガラス基板3の部材内面には紫外線や近赤外線をカットする各種誘電体多層膜をスパッタリングや真空蒸着等による高温加工にて積層することで紫外線・近赤外線フィルターを製作し、また前記カメラ本体側に設けられる透過ガラス基板3の部材の入射光側4には偏光フィルター9を接着剤10を介して透過ガラス基板3の部材に接着する工程を経て、前記紫外線や近赤外線カットガラス基板16の部材と透過ガラス基板3の部材とを接着剤8を介して一体化することで多機能付フィルターを構成して、最後に前記一体化されたフィルターの両面を研磨して反射防止コート5、11をコーティングする工程を有することで多機能付偏光フィルターを製造方法を確立することができた。
【0064】
斯くして、図7は、実施例3の偏光フィルターの機能と紫外線・近赤外線カットフィルターの機能を有する多機能付偏光フィルターの透過率分布を測定したものであり、実施例3のフィルターは、謂わば3種類のフィルターを内蔵しているのにもかかわらず、可視光領域においてリップルが極めて小さく高い透過率を得ていることがわかる。
【0065】
従って、上述したフィルター製造方法にて製作される多機能付偏光フィルター板は、三種類の機能を有したフィルターであるにもかかわらず鮮明な撮像を得ることが可能で、全体のフィルター本体の厚さを非常に薄く製作できることから、該多機能付フィルターは、デジタル1眼レフカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラを用いた医療機器、測定機、検査機器等に使用するためにフィルター枠に嵌合してカメラ鏡筒に装着しても、厚さが薄くフィルターの枠が撮像に写り込んでしまうケラレ現象を完全に防止することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、デジタルカメラに使用される多機能付偏光フィルターにおいて、フィルター枠が撮像に写り込んでしまうケラレ現象を防止することを目的として、最新の光学技術によりフィルター本体の厚さを非常に薄く一体的に製作するものであり、当該多機能付偏光フィルターは、デジタル1眼レフカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラを用いた医療機器、測定機器、検査機器等幅広い分野において利用できるもので、産業上利用価値は頗る大きいものがある。
【符号の説明】
【0067】
1 フィルター本体
2 紫外線カットガラス基板
3 透過ガラス基板
4 カメラの入射光側
5 反射防止コート
6 カメラ本体側
7 紫外線カット薄膜
8 接着剤
9 偏光フィルター
10 接着剤
11 反射防止コート
12 フィルター本体
13 近赤外線カットガラス基板
14 近赤外線カット薄膜
15 フィルター本体
16 紫外線・近赤外線カットガラス基板
17 紫外線・近赤外線カット薄膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種検査、測定、医療用等の機器に用いられるデジタルカメラのレンズ前面に装着して使用する偏光フィルターの機能と紫外線カットフィルターの機能とを有するフィルターであって、
該フィルターの本体はカメラの入射光側に設けられる紫外線カットガラス基板とカメラ本体側に設けられる透過ガラス基板とから成り、
前記紫外線カットガラス基板にはカメラの入射光面を研磨して反射防止コートがコーティング加工されており、また前記紫外線カットガラス基板内面には誘電体多層膜からなる紫外線カット薄膜が積層されており、
前記カメラ本体側に設けられる透過ガラス基板の入射光側には偏光フィルターが接着剤を介して透過ガラス基板に接着一体化された構成を有しており、また該透過ガラス基板のカメラ本体側面は研磨され反射防止コートがコーティング加工されており、
前記紫外線カットガラス基板と透過ガラス基板とは接着剤を介して一体化されていること
を特徴とする多機能付偏光フィルター。
【請求項2】
各種検査、測定、医療用等の機器に用いられるデジタルカメラのレンズ前面に装着して使用する偏光フィルターの機能と近赤外線カットフィルターの機能とを有するフィルターであって、
該フィルターの本体はカメラの入射光側に設けられる近赤外線カットガラス基板とカメラ本体側に設けられる透過ガラス基板とから成り、
前記近赤外線カットガラス基板にはカメラの入射光面を研磨して反射防止コートがコーティング加工されており、また前記近赤外線カットガラス基板内面には誘電体多層膜からなる近赤外線カット薄膜が積層されており、
前記カメラ本体側に設けられる透過ガラス板の入射光側には偏光フィルターが接着剤を介して透過ガラス基板に接着一体化された構成を有しており、また該透過ガラス基板のカメラ本体側面は研磨され反射防止コートがコーティング加工されており、
前記近赤外線カットガラス基板と透過ガラス基板とは接着剤を介して一体化されていること
を特徴とする多機能付偏光フィルター。
【請求項3】
各種検査、測定、医療用等の機器に用いられるデジタルカメラのレンズ前面に装着して使用する偏光フィルターの機能と紫外線・近赤外線カットフィルターの機能とを有するフィルターであって、
該フィルターの本体はカメラの入射光側に設けられる紫外線・近赤外線カットガラス基板とカメラ本体側に設けられる透過ガラス基板とから成り、
前記紫外線・近赤外線カットガラス基板にはカメラの入射光面を研磨して反射防止コートがコーティング加工されており、また前記紫外線・近赤外線カットガラス基板内面には誘電体多層膜からなる紫外線及び近赤外線カット薄膜が積層されており、
前記カメラ本体側に設けられる透過ガラス板の入射光側には偏光フィルターが接着剤を介して透過ガラス基板に接着一体化された構成を有しており、また該透過ガラス基板のカメラ本体側面は研磨され反射防止コートがコーティング加工されており、
前記近赤外線カットガラス基板と透過ガラス基板とは接着剤を介して一体化されていること
を特徴とする多機能付偏光フィルター。
【請求項4】
各種検査、測定、医療用等の機器に用いられるデジタルカメラのレンズ前面に装着して使用する偏光フィルターの機能と紫外線または近赤外線のカットフィルターの機能とを夫々有する多機能付きフィルター、並びに偏光フィルターの機能と紫外線及び近赤外線カットフィルターの機能とを有する多機能付きフィルターであって、
該フィルター本体の製造工程は
予めカメラの入射光側に設けられるカットガラス基板部材とカメラ本体側に設けられる透過ガラス基板部材とに分離して製作し、
前記カットガラス基板部材内面には紫外線又は近赤外線をカットする、或いは紫外線及び近赤外線の双方をカットする各種誘電体多層膜をスパッタリングや真空蒸着等による高温加工にて積層することで紫外線カットフィルターや近赤外線カットフィルター並びに紫外線・近赤外線カットフィルターを製作し、
また前記カメラ本体側に設けられる透過ガラス基板部材の入射光側には偏光フィルターを接着剤を介して透過ガラス基板部材に一体化する工程を経て、
前記紫外線又は/及び近赤外線カットガラス基板部材と透過ガラス基板部材とを接着剤を介して一体化することで多機能付フィルターを構成し、
最後に前記一体化されたフィルターの両外面を研磨し、更に該両研磨面に反射防止コートをコーティングする工程
を有することを特徴とした多機能付偏光フィルターの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−14133(P2012−14133A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162247(P2010−162247)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(502201826)マルミ光機株式会社 (11)
【Fターム(参考)】