説明

多目的機能を有する縁石代替品

【課題】縁石の中空を、送電線、電話線、送水管等を収納できる構造するため、中空にしても破損しない強度のある縁石を提供する。
【解決手段】従来の縁石の欠点である破損の問題を解決することの他に、縁石そのものの形状及びゴム等の材質に変えることによって、車道に対して車の走行の安全及び快適さを追及する各種手段を収納することができるようにした。さらに歩道側の種々の施設などに対しても前記収納機能が応用できる。前記各種手段とは、配線、配管及びこれらに信号システムを組み合わせる制御手段を収納する意味で、そのために必要に応じ中空の縁石である形状と弾性材質を使用する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【発明の詳細】

【発明に属する事業、分野】
【0001】
道路工事、土木
【従来の方法】
【0002】
車道と歩道を分離する目的で用いるのが縁石で、一つの大きさ約600ミリメートルの長さ、一辺が約150ミリメートルの正四角の角柱のコンクリート製で、(図.1)一般に中空にしない。特別な理由で中空にする場合はU字型コンクリートが代用される場合がある。いずれにせよ縁石は中空でないと言える。前記縁石は、その目的が車が車道から歩道に剰入れることを防止することにあるが、次の課題が存在又は存在しうる。先ず、前記縁石は何らかの衝撃で折れてしまう可能性と、一旦折れてしまうと、その残留形状が簡単に崩れて小粒化し車道において車のすべり又はコンクリート小粒の飛散による事故の危険性がある。(以下破損事故と称す)。さらに、近未来車道と言う空間がその機能性を多様化しかつ高度化して行く場合に、前期縁石の役割が重要になってゆくが、これに対して何ら機能を発揮することができないその具体例的な述べる。
【0003】
車道の沿線附近には、各種店舗などが並び、時には工事などを行う。この場合、送電線からの引込み線などを道路に長く配置する必要がでてくるが、導線を地表に露出させないための手段として縁石を利用する方法が考えられるが、現状ではできない。
【0004】
その他に、前記導線だけでなく、暫定的又は恒久的に送水管又はガス管、電話線などを配備する場合も同じである。
【0005】
近未来、車の無人走行が可能になるときは、走行中の車の制御システムに的確な信号を送らなければならない。そのためには、近距離において道路に関する情報及び中央管制室からの指示信号を中継しこれを送信する手段が必要であるが、有線ケーブルを含む制御システムを収納することとなる。
【課題を解決する手段】
【0006】
プラスチックとかゴムなどの単一材質で本代替品を作る場合は、形状通りの金型を改めて用意して成形すれば良い。中空の境界部分▲2▼を別の材質にする場合は、図.3に示す中空の枠▲2▼を改めて別の工程で作って、表部分▲1▼の内側に挿入して接着するかねじ式で二体を固定すれば良い。この固定方法に関しては従来の技術を引用すれば良いので本発明では特に限定しない。前期中空▲3▼の中に導線をY軸に配線する場合は、どこかでX方向に先端を出さなければならないので、図.4の開口▲4▼を設ける。この開口の作り方は、改めて金型で行う必要はなく、成形が完了した後、ドリルなどで開口する方法がコスト的に有利である。
【0007】
本代替品は車道の地形に沿って曲線的又は高低の差に対応して多数個を並べて地面に固定しなければならない。この時、隣合う二つの代替品をどのように連結するかと言う問題と、地面にどう固定するかの問題がある。代替品同士を連結する最も簡単な方法は図.5に示す連結版▲5▼を各代替品の片方の中空境面に取り付ける。この連結は、完全に固定する必要はなく、前記連結版▲5▼が隣の代替品の中空に挟まれればよい。車道の地形が急曲線である場合は、代替品の長さ、即ちY方向の寸法を短くして多数の代替品を曲線に沿って配置することも可能である。しかし、直角に曲がる車道に対しては前記連結板▲5▼の形状では対応できないのでL字型の連結管が必要になるが、本発明では市販のもの又は、従来のもので解決できるので制限はしない。同様の車道の高低変化に対しても同じ方法で対応が可能である。
【0008】
地面に固定する最も一般的方法は、六方体の代替品の地面に接する面をネジで地面にボルト止めするやり方でネジ止めを行うため、前記地面と接する代替品の反対側の面にドリル差込用の穴を開けてもかまわない。この地面に取り付ける方法も従来の技術を引用して十分達成できる。
【0009】
静的圧縮強度は代替品の寸法が150×150mm、長さ600mmとした場合、車道から10t車の前輪又は後輪の片方が乗り上がったとして、かかる圧力は、
δ=10000kg/60×15 ×1/4 ≒26kg/cm で、
代替品の表面部分がゴム質である場合、圧縮破損強度500kg/cmの20分の1に過ぎない。
【0010】
一方走行中の車が何らかのトラブルで本代替品に乗り上がる場合は、車の速度によって衝撃応力が引張応力としてかかる。代替品と同じ半径の車輪が、直角に衝突する場合の応力は

をR、 tanα、α=l/R分だけ衝撃が少なくなる。また、車が直角に乗り上がることがなくある角度θである場合はさらにcosθ分だけ減少する。
従って(1)式は

Aは代替品が車と衝突するときの断面で15×60cmである。lは15cmで、Eはゴムの弾性定数は一般に30kg/cm程度である。Uは走行する車がもつ運動エネルギーである。10トンの車が50km/hのスピードで走行している間に代替品に衝突して、代替品に弾性変形を起こしてそこで止まったとすると(1)の式δは約200kg/cm程度であるが、tanα、cosθ≒0.1〜0.3が与えられるので実際は、20〜60kg/cmの引張応力がかかることになる。これは代替品が数cmぐらいの変形を起こすが、破損するまでにはいたらない。ただし、上の議論は中空を無視してl=15cmにしたが、中空の場合lの値が変わる。いずれにしても

【発明の効果】
【0011】
コンクリートの従来の縁石が破損される原因は人為的な衝撃であるが、ゴムのような弾性体である場合は破損がなく、その他に、車が衝突するとき、その衝撃エネルギーを吸収するので、車が転倒するなどの危険性も減少する。弾性変形による前記衝撃エネルギーの吸収性に関しては本発明の請求ではないが、半発明のもう一つの重要効果は、本代替品が歩道側の安全だけでなく、車道の車の走行に対して請求項で述べた高レベルの補助的な機能を発揮することが可能である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車の剰入の可能性があるコンクリート製の縁石の代替品で中空構造を有するものであって、無機材料が40vol%以下であること、前記中空が種々の機能手段を収容できるものであることを特徴とする縁石代替品(以下代替品と称す)。
【請求項2】
前記材質が、ゴムチップを固化したもの又はソリッドゴム形成体、又は熱可塑性エラストマー又は、各種樹脂又はこれらの物理的混合材であることを特徴とする請求項1の代替品の材質。
【請求項3】
前記代替品の製作においては、請求項2に示す各種の材質の中で単材質による成形品にするか又は、前記2つ以上の単質材の成形品を組合わせて作ることを特徴とする請求項1の代替品。
【請求項4】
前記中空を作るために、必要ならば表の材質と中空との境界面を形成する材質を異なるものにし、中空は円柱形又は角柱形又はその他の形状で、前記中空は外側に開口を有し、中空の中を、送電線又は電話線又は、送水管又は、特定の信号を発信するための構造を付加できるように目的に応じて設計できることを特徴とする請求項1の代替品。
【請求項5】
前記代替品は、その形状が円柱形又は三角以上の角柱形又は、球形であることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車の剰入の可能性があるコンクリート製の縁石の代替品で中空構造を有するものであって、無機材料が40vol%以下であること、前記中空が種々の機能手段を収容できるものであることを特徴とする縁石代替品(以下代替品と称す)。
【請求項2】
前記材質が、ゴムチップを固化したもの又はソリッドゴム形成体、又は熱可塑性エラストマー又は、各種樹脂又はこれらの物理的混合材であることを特徴とする請求項1の代替品の材質。
【請求項3】
前記代替品の製作においては、請求項2に示す各種の材質の中で単材質による成形品にするか又は、前記2つ以上の単質材の成形品を組合わせて作ることを特徴とする請求項1の代替品。
【請求項4】
前記中空を作るために、必要ならば表の材質と中空との境界面を形成する材質を異なるものにし、中空は円柱形又は角柱形又はその他の形状で、前記中空は外側に開口を有し、中空の中を、送電線又は電話線又は、送水管又は、特定の信号を発信するための構造を付加できるように目的に応じて設計できることを特徴とする請求項1の代替品。
【請求項5】
前記代替品は、その形状が円柱形又は三角以上の角柱形又は、球形であることを特徴とする。

【図1】従来のコンクリート縁石を示す立体図
【図2】本代替品の基本型
【図3】本代替品の中空界面を成す枠組 例えば 強化プラスチックの立体図
【図4】本代替品の破面を示す立体図(Z−Y面の開口強調)
【図5】中空の境界部分の枠に連結板の取付けを示す立体図
【図6】走行中の車が縁石に衝突する角度
【図7】車の一本のタイヤが縁石にのり上がる時の引張応力関係
【符号の説明】
【0013】
δ:圧力を示す記号、デルター
E:弾性定数
u:車の運動エネルギー
A:衝突面積
l:衝突面積に直角方向の厚さ、或いは本代替品の厚さ
R:タイヤの半径
α:本代替品に車のタイヤが衝突するときX−Z面における
水平又はX軸と成す角度
Σ:カfのX−方向成分
f:衝突してくる車による本代替品にかかる力
θ:車が縁石にのり上げる際 X−Y面における任意角度

【公開番号】特開2006−97450(P2006−97450A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−313117(P2004−313117)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(504400377)
【Fターム(参考)】