説明

多相流体流を相分離する装置、このような装置を備える蒸気タービン設備、およびこれに対応する運転方法

中心軸(M)を中心としてほぼ回転対称に構成されて中空スペース(3)を取り囲むハウジング(2)と、ハウジング内面(11)に対してほぼ接線方向に向く流体流の流入のために設計された、流体流のための少なくとも1つの供給配管(6)と、流体流の分離された気体状成分のための少なくとも1つの排出配管(24)とを有する多相流体流を相分離する装置(1)において、たとえば蒸気のような流体流の気体状成分を加熱するとともに、材料と所要スペースを少なくすることが意図される。そのために、中空スペース(3)で気体状成分を加熱するために設計された加熱部材は、中心軸(M)を中心として同心的に位置する環状スペース(14)内に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中心軸を中心としてほぼ回転対称に構成されて中空スペースを取り囲むハウジングと、ハウジング内面に対してほぼ接線方向に向く流体流の流入のために設計された、流体流のための少なくとも1つの供給配管と、流体流の分離された気体状成分のための少なくとも1つの排出配管とを有する、多相流体流を相分離する装置に関する。さらに本発明は、高圧タービンおよび低圧タービンと、このような装置とを有する蒸気タービン設備に関する。さらに本発明は、このような蒸気タービン設備を運転する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー発生ないしエネルギー変換のために蒸気が利用される、特に原子力発電所のような発電所では、通常、さまざまに異なる蒸気圧で作動するさまざまに異なるタービンが用いられる。発電所で生成される生蒸気はその際にたとえば高圧タービンへと送られ、そこで仕事を行い、そのようにして膨張する。そして、低い蒸気圧用として設計された低圧タービンへ蒸気が送り込まれる前に、通常、その液状成分が低減される。これに加えて、通常、低圧タービンへ送り込む前に蒸気の過熱が行なわれる。こうした方策により、一方では低圧タービンの効率が向上し、他方ではタービンの耐用寿命が延びる。たとえば液滴に起因するコンポーネントの浸食ないし腐食によって発生する可能性がある損傷が削減され、ないしは回避されるからである。
【0003】
高圧タービンから発生する減圧された蒸気をこのように前処理するために、通常、流れに関して直列に配置された水分離器および中間過熱器が使用され、これらは設計的に並列の設置または直列の設置のような形式で相互に組み合わされていてよい(複合型の水分離器/中間過熱器、略してWaZue)。このとき通常、水分離器/中間過熱器の第1のコンポーネントでは蒸気中の液状成分が低減され、その後で実質的に気体状成分が第2のコンポーネントへと案内されて、そこで過熱される。このように過熱された蒸気が低圧タービンへ送り込まれ、そこで膨張し、それによって仕事を行う。
【0004】
液状成分を分離するために、さまざまな装置を利用することができる。これに含まれるのは、たとえば蒸気流が伝いながら誘導される薄板である。さらに液状成分を分離するために、ほぼ回転対称のハウジングの中で蒸気流がハウジング内面に対して接線方向に導入される、いわゆるサイクロン分級器またはサイクロンも利用することができる。それにより、より重い液状成分が遠心力によって外方に追いやられ、より軽い実質的に気体状成分は、サイクロンの中で形成される流動状況に基づき、ハウジングで取り囲まれた中空スペースの内部へと流れ、そこに集まる。いずれのケースでも蒸気中の気体状成分は、流れに関して後置され、構造的/空間的に分かれているWaZueの第2のコンポーネントへと導かれ、そこで過熱される。このことは通常、蒸気が加熱管に向かって流れ、これが熱伝導によって蒸気を相応に加熱ないし過熱することによって実現される。
【0005】
水の分離ないし蒸気の中間過熱を満足のいくように行えるようにするには、それぞれのコンポーネントが相応に大きい容積で寸法決めされなくてはならず、その結果、相応の材料コストと空間的な所要スペースが直接的に発生する。その一方で、発電所の設計にあたっては、できる限り少ない所要資材と所要スペースに努めることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明の課題は、たとえば蒸気のような流体流の中の気体状成分を加熱するのに適しており、材料と所要スペースが少なくてすむ、多相流体流を相分離する装置を提供することにある。さらに、このような装置を特別に好ましく適用することができる、高圧タービンと低圧タービンとを備える蒸気タービン設備を提供することが意図される。さらに、このような蒸気タービン設備を運転する方法を提供することが意図される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
多相流体流を相分離する装置に関して、この課題は本発明によると、中空スペースにおいて気体状成分を加熱するために設計された加熱部材が、中心軸を中心として同心的に位置する環状スペースに配置されていることによって解決される。
【0008】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項の対象となっている。
【0009】
本発明が前提とする考察は、従来式の水分離器/中間過熱器の比較的広い所要スペースの主な原因となっているのは、最初に高圧タービンから吐出される蒸気からの水の分離と、これに続く分離された気体状成分の過熱とが時間的に相前後して、流動路における直列接続のような形式で相前後して配置されて互いに空間的に分かれた2つのスペース領域または器具コンポーネントで行われることにあるというものである。そのために、システム条件に基づいて比較的広い取付スペースを必要とする、水分離器/中間過熱器の構造上の設計に関して特別な要求が課せられる。
【0010】
しかしながら、こうした2つのスペース領域を必ずしも構造的に相前後して別々のハウジングに配置しなければならないわけではないことが見出された。つまり好適な流動状況を前提としたうえで、これらのスペース領域をただ1つのハウジングの中で互いに入れ子式に配置することができ、液体分離および流体中の気体状成分の過熱は流体の所与の体積要素に対して時間的にほぼ同時に、ないしはすぐ前後して行われる。
【0011】
このような好適な流動状況は、サイクロン型式の水分離器から供給される。サイクロンのハウジング内面へ接線方向に流入することにより、流れに作用する遠心力によって重たい成分、たとえば水の分離が、ハウジングで取り囲まれる中空スペースの外側領域でハウジング内面と接して行われる。このとき、当初の流体流の中のより軽い気体状成分、たとえば水蒸気は中空スペースの内部に流れ込む。そして中空スペースの内部領域または中間領域に、特に環状スペースに、より軽い相の内部領域への侵入が引き続き可能となるように、気体状成分を加熱ないし過熱するための加熱部材が配置されていると、気体状成分は内部領域への侵入中に直接加熱ないし過熱される。それにより、水分離のために設計された外側スペース領域の内部には、過熱された蒸気を実質的に含む内部スペース領域が生じる。そして、過熱された気体状成分を内部スペース領域から導出し、必要に応じて引き続き使用することができる。このような機能的に相違する2つのスペース領域を入れ子式に配置することによって、複合型の水分離器/中間過熱器を、求められるコンパクトな構造形態で具体化することができる。これに加えて、両方のプロセスについてただ1つのハウジングしか必要ないので、材料コストも削減することができる。
【0012】
このような構造は、水蒸気の処理だけに限定されるものではなく、多成分の流体流から重い粒子ないし重い構成要素の1つまたは複数の相を分離することが意図され、当初の流体流の1つまたは複数の軽い成分を加熱することが意図されるときに、常に適用することができる。
【0013】
1つの好ましい実施形態では、環状スペースは、流体流の中の気体状成分が貫流するための加熱部材を備えるように設計される。このとき環状スペースは中空スペースを、ハウジング内面と環状スペースとの間に位置する流入スペースと、環状スペースの内部に位置する流出スペースとに分割する。両方のスペース領域の明確な分割は、相前後する両方のプロセスの分離を最善の形で可能にする。特に、流入スペースに流れ込む流体流の割合は、その加熱のためのエネルギーを節約するために、できる限り少ない割合の重い成分を有していると好ましい。それにより、蒸気タービン設備に使用する場合、タービンの効率と耐用寿命を高め、ないしは保守整備インターバルを長くすることができる。
【0014】
多成分の流体流の組成に応じて、回転対称のハウジングのさまざまに異なる形態が好ましい。たとえばハウジングは1つの方向に向かって、特に排出配管(流動吐出部)に向かう方向で、断面が先細になっていてよい。水蒸気と水の流れからの水の分離は、ほぼ中空円筒状に構成された1つのハウジングの中で行われるのが好ましい。
【0015】
多相流体流の重い成分を分離する目的で重力を最善の仕方で活用するために、ハウジングの中心軸はほぼ鉛直方向の向きを有しているのが好ましい。その場合、流体流の重い成分はハウジング内面に沿って下方へと動き(流れ)、そこで蓄積ないし排出することができる。一般に、サイクロン分級器の鉛直方向の設置が好ましい。その場合、重力が渦流に不均衡を引き起こさないからである。
【0016】
高圧タービンと低圧タービンを備える蒸気タービン設備で本装置を使用するために、高圧タービンから抽気された蒸気が、低圧タービンに過熱された状態で供給されるのがよい。そのために加熱部材はその加熱能力に関して、流体流の気体状成分、特に水蒸気を過熱するように設計されているのがよい。
【0017】
多相流体流が複数の供給配管によって供給されると、本装置のできるだけ効率的な利用が実現される。複数の供給配管が(少なくともそのハウジング接続部の領域で)ハウジングの中心軸に対してほぼ垂直方向の平面に位置しているとき、これらの供給配管は、中空スペースに流入する流体流の速度ベクトルが、当該平面から出ていく方向を向く成分を有するように設計されるのが好ましい。ここで意味しているのは、流体流の個々の構成要素を通じて平均した平均速度ベクトルである。それにより、異なる供給配管によって流入する流体流が相互にぶつかり合うのを防止することができ、各流体流は中心軸を向いた優先方向を得る。このとき流体流は中心軸に対して垂直方向を向く平面に対して10°から30°の間の角度で、特に約15°の角度で、流入するのが好ましい。すなわち、壁の幾何学形状の結果として生じる渦流が、中心軸の方向の速度成分に重なり合い、それにより全体として渦巻状の流れが形成されるのが好ましい。分離装置が鉛直方向に設置されているとき、中心軸の方向に向く速度成分は下方を向くのが好ましい。
【0018】
ハウジングの円周にわたって均等かつ対称に配分されて配置された4つの供給配管が、流体流の流入のために用いられるのが好ましい。このようにして、ハウジングが適切に寸法決めされていれば、流入する流体流を、ハウジング内面の大きさの等しい4つの領域に分割することができるという利点があり、個々の流れがぶつかり合うことがなく、その際に乱れることがない。
【0019】
本装置のハウジングの中で形成される流動状況は、流体流の中の気体状成分が、ハウジングで取り囲まれている中空スペースの内部へ流れ込むように作用する。そこで気体状成分は加熱部材へ流れ寄せ、その際に加熱ないし過熱される。加熱部材に流れ寄せていく方向は、流入スペースに配置された案内板ないし案内羽根により最適化することができる。たとえば、このようにして加熱管がほぼ前面から流れ寄せをうけることを実現することができ、ないしは、接線方向成分を減らすことができる。その一方で、こうした案内部材は流入スペースを狭めるので、案内部材を使うかどうか、どのような寸法で使うかを用途に応じて決めるのがよい。
【0020】
必要な場合、サイクロン作用によって得られる分離度が低すぎて、内部領域へ侵入する流体流の中の気体状成分が、意図される用途ないし以後の加熱にとって多すぎる量のより重い液状成分を一緒に運んでいる場合には、流入スペースでさらに分離をするために、微細分離器を配置することができる。微細分離器で形成される凝縮物は、凝縮物排出配管によって中空スペースから運び出すことができる。
【0021】
本装置は、一段階だけでなく多段階の過熱(中間過熱)にも適している。2段階ないし多段階の過熱をするために、たとえば環状スペースには中心軸の方向で見て2つないしそれ以上の群の加熱部材を相前後して配置することができる。個々の群に属する加熱部材は、それぞれ異なる加熱出力用ないし加熱温度用として設計することができる。
【0022】
本装置の好ましい実施形態では、複数の加熱部材が管状に構成されている。気体状成分を加熱ないし過熱するために、これらの加熱部材は流体の熱媒体によって、特に水蒸気によって、貫流される。そして多段階の加熱のために、たとえば異なる群の加熱部材において、異なる圧力および/または異なる温度をもつ蒸気を使用することができる。
【0023】
気体状成分のできるだけ効率的な加熱のために、加熱部材として、ハウジングの中心軸と平行に向く直線状の複数のパイプが使用される。そのために環状スペースの中に、用途に応じて別様に構成されていてよい複数のパイプを配置することができる。たとえば平滑管、リブ付き管、またはこれらの型式のパイプの好都合な組み合わせを適用することができる。個々のパイプは、流体流から分離された気体相が、外部に位置する流入スペースから内部に位置する流出スペースへ、残された中間スペースを通じてできるだけ障害のない侵入を行えるように、互いに間隔をおいているのが好都合である。その一方で、求められる加熱効果を実現するためには、当然ながらこれらのパイプのある程度の「密度」が必要である。
【0024】
これらの加熱管はパイプバンドルとしてまとめられているのが好ましい。このとき、これらのパイプがほぼ均等に配分された状態で環状スペースの中に配置されている、いわゆる環状バンドルを適用することができる。その別案または複合型として、いわゆる個別バンドルを適用することができる。その際には、それぞれ互いに隣接する複数の加熱部材が1つのバンドルとしてまとめられる。個別バンドルは前もって組立されていてよく、一体として取り扱うことができ、この個別バンドルは、必要な場合、個別パイプよりも容易に組付け、取外し、ないしは交換をすることができる。
【0025】
好ましい実施形態では、中心軸に対して垂直方向に向く環状の仕切板がハウジングに挿入されており、この仕切板は中空スペースを2つの部分スペースに分割し、その内円は環状スペースの内円とほぼ一致しており、その外円半径はハウジング内面の半径よりも若干小さい。それにより、両方の部分スペースは流れに関して、仕切板の内円の中すなわち環状スペースの内部に位置する1つの貫通部によってのみ、相互に接続される。複数の供給配管と複数の排出配管は、それぞれ異なる部分スペースにあるのが好ましい。このようにして流体流の中の気体状成分を、ハウジングを通るように特別に好都合に案内することができ、気体状成分が環状スペースを2回貫流する、すなわち1回は外から内へ、もう1回は内から外へ貫流することが保証される。この仕切板は半径方向でハウジング内面まで達していないので、凝縮物はそこで妨げられることなく流出することができる。
【0026】
蒸気タービン設備に関する、先に挙げた課題は本発明によると、上に説明した分離装置の1つの供給配管またはすべての供給配管が高圧タービンの蒸気吐出部と接続されており、1つの排出配管またはすべての排出配管が低圧タービンの蒸気取入部と接続されていることによって解決される。このように、蒸気は高圧タービンから分離装置へと導入され、そこで一方では液状成分が蒸気から分離され、また他方では気体状成分が過熱される。過熱された蒸気は引き続いて低圧タービンに導入され、そこで以後のエネルギー取得のために利用される。
【0027】
方法に関する、先に挙げた課題は本発明によると、高圧タービンの蒸気吐出部から流れ出ていく蒸気が、中心軸を中心としてほぼ回転対称のハウジングで取り囲まれた中空スペースの中へ誘導され、それによって蒸気が回転させられて、その気体状成分が液状成分から分離され、ハウジングで取り囲まれた中空スペースの内部領域に集められ、気体状成分は内側領域へ侵入するときに加熱部材によって加熱され、引き続いて低圧タービンの蒸気取入部に供給されることによって解決される。
【0028】
本方法の好ましい態様では、加熱部材のうち少なくともいくつかが管状に構成されており、すなわち加熱管を形成している。蒸気発生器で生成された生蒸気は少なくともいくつかの加熱管の中へ誘導され、それにより、分離装置へ導入された流体流の中の、加熱管の外面と接触した気体状成分が加熱ないし過熱される。その別案または組み合わせとして、高圧タービンから抽気蒸気を取り出すことができ、この抽気蒸気が少なくともいくつかの加熱部材の中へ誘導される。このようにして、流体流の中の気体状成分の特に2段階または多段階の過熱を実現することができる。
【0029】
本発明によって得られる利点は、特に、サイクロン分級器内部での加熱部材の巧みな配置によって、多相流体流の重い成分ないし液体相の分離を、同時に流体流の気体相を加熱ないし過熱しながら、明瞭に省スペースかつ材料と建設コストを節約する仕方で具体化できるという点にある。それにより、本装置は特に狭いスペースに建設せざるを得ない設備での採用に適している。流体流の重い成分または相を一次分離するために、サイクロン原理が利用される。追加の微細分離器の組み込みにより、重い成分のいっそうの低減が可能となる。流体流の軽い相の加熱ないし過熱のために設計された加熱部材への流れ寄せは、案内板、案内羽根、ないし穴付き板の使用によっていっそう改善することができる。
【0030】
このような種類の分離装置が高圧タービンと低圧タービンの間に介在している蒸気タービン設備は、特別にコンパクトかつ材料を節約する構造形態で具体化することができる。このとき本装置は、鉛直に設置されるハウジングの中で高圧タービンのほぼ直下に取り付けることができ、それにより、ガスは高圧タービンの蒸気吐出部からこのハウジングの上側端部のところで本装置に流入することができる。そしてこのハウジングの下側端部にある排出配管により、過熱された蒸気を低圧タービンへ供給することができる。
【0031】
次に、図面を参照しながら本発明のさまざまな実施例について説明する。図面には、著しく模式化された図が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】中心軸を中心としてほぼ回転対称に構成されたハウジングを備える多相流体流の相分離をする装置の考えられる4つの異なる実施形態の部分断面図であり、これらの4つの異なる形態が、互いに接する4分円の形で表されており、それぞれの断面は中心軸に対して垂直に選択されている。
【図2】図1の装置の実施形態の左側半分を示す縦断面図である。
【図3】図1の装置の別の実施形態を示す右側半分の縦断面図である。
【図4】図1から図3の装置の複数の加熱部材および加熱部材に付属する複数の案内羽根を示す、中心軸の方向の視線方向から見た横断面図である。
【図5】図1の装置の別の好ましい実施形態の左側半分を示す縦断面図である。
【図6】高圧タービンと、低圧タービンと、生蒸気発生器と、図1から図5に示す実施形態の多層流体流を相分離する装置とを備える蒸気タービン設備の模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
同じ部分には、どの図面でも同じ符号が付されている。
【0034】
多層流体流を相分離する図1に示す装置1は、中心軸Mを中心としてほぼ回転対称かつ中空円筒状に構成されたハウジング2を含んでおり、ハウジングは中空スペース3を取り囲んでおり、4つの供給配管6がハウジングに挿入されている。ここでは図1の各々の4分円が、それぞれ考えられる1つの本装置の実施形態に相当しており、実際には4つのどの4分円も、それぞれここに示す4通りの仕方のいずれかで具体化される。ハウジング2は、1つの好ましい実施形態では、約6メートルの直径を有している。
【0035】
このとき多層流体流(図示せず)は、ハウジング内面11に対してほぼ接線方向の流入方向10で、ハウジング2により取り囲まれる中空スペース3へ流れ込む。流体流は、たとえば蒸気タービン設備に設置された高圧タービンの蒸気吐出部から供給配管6によって装置1のハウジング2へ誘導される蒸気であってよい。ハウジング2は鋼材ないし特殊鋼で製作されているのが好ましいが、利用分野に応じてこれ以外の材料が好ましい場合もある。
【0036】
流体流は回転させられ、このとき流体流に作用する遠心力が流体流の重い成分を、本例では水を、外方に向かってハウジング内面11へ引き寄せる。流体流の気体状成分は、中空スペース3の中で形成される流動状況に基づき、流入スペース12から環状スペース14へと動いていく。環状の環状スペース14は、ハウジング2の内部に位置する円筒状の流出スペース16を空間的に閉じ込めている。環状スペース14の中には、流体流の気体状成分を過熱させるように加熱出力を設計された複数の加熱部材が配置されている。ここでは、全体としていわゆる環状バンドルを形成する個々の加熱管18を利用することができる。環状バンドルで用いられるパイプの長さが約13m、ハウジング直径が6mの場合、バンドルの外径が約3.5mでパイプ直径がそれぞれ約2.3cmであれば、総数が約5000本のパイプで約16,000m2の加熱面を利用することができる。その別案として、または加熱管18との組み合わせにおいて、複数の個別バンドル20を採用することもできる。これらの加熱管18ないし個別バンドル20には流動方向22で、流体流の中の気体状成分が流れ寄せる。この気体状成分は環状スペース14の中で過熱され、次いで、流出スペース16の中へとさらに流れていく。そこから気体状成分は複数の排出配管24(図1には図示せず)を介して低圧タービンへさらに誘導される。
【0037】
加熱部材に流体流が直接流れ寄せる場合、従来からの経験によれば、最大で約80%の水の分離効率を実現することができる。このことは、加熱管18ないし個別バンドル20に流れ寄せる蒸気がまだ約2.6%の液状成分を有していることを意味している。必要な場合に液状成分をなおいっそう減らすために、流入スペース12に微細分離器28を取り付けることができる。微細分離器28としては、たとえばさまざまに構成された薄板を利用することができる。いわゆるリブ式分離器を適用することもできる。さらに別の案は、波形の薄板のパッケージで構成される。通常、このような分離部材はフレームに取り付けられ、ないしは固定される。微細分離器28を援用すれば、液状成分を約0.5%から1%にまで引き下げることができる。ただし、微細分離器28を流入スペース12へ取り付けることは圧力損失を伴い、流入スペース12も狭くなる。本実施例では、微細分離器28は中心軸Mを中心とする直径約4mの外円に配置されており、約70m2の流れ寄せ面積を提供する。
【0038】
装置1の全体的なエネルギー収支を考慮すると、0.5%から1%(微細分離器28あり)と比べて約2.6%(微細分離器なし)の高い液状成分によってパイプバンドルの取込部で引き起こされる追加的に消費される熱は、微細分離器28により引き起こされる圧力損失がないことによって恐らく無視できると考えられる。このときエネルギー収支は次のように成立する。すなわち液状成分が2.6%のとき、排出配管24における蒸気を、液状成分が0.5から1%のときと同じ吐出圧力と同じ吐出温度にするには、約20%だけ多い生蒸気が生蒸気配管ないし高圧タービンから抽気されて、加熱管に導入されなければならない。一方、加熱管を通る管路の質量流量が等しいままに保たれると、液状成分が約2%だけ高いために、吐出温度は約20Kだけ低下する。1ケルビンあたりの温度損失は、典型的な発電所タービンの発電出力を約0.2MWe(メガワットエレクトリック)だけ引き下げる。それに対して、1バール少ない圧力損失は10MWeの発電出力をもたらす。したがって、過熱蒸気の約20Kの吐出温度損失は、約400mbarの吐出圧力損失の減少によって補うことができる。
【0039】
加熱部材への流れ寄せを改善するため、ないしは流れ寄せ速度の接線方向成分を低減ないし全面的に排除するために、案内板32、穴付き板34、ないし案内羽根36を流入スペース12に取り付けることができる。ただしこのような方向転換により、流入スペース12はそのサイズに関して狭くなる。案内板32、穴付き板34、および案内羽根36は、装置1ではそのつど単独で、またはさまざまな相互の組み合わせとして適用することができる。
【0040】
加熱部材としては、特に熱交換器で用いられるようなパイプバンドルを使用することができる。できるだけ広い加熱表面積を提供するために、リブ付き管ないしスリット入りのリブ付き管を使用することができる。平滑管を(場合によりこれらと組み合わせたうえで)採用することもできる。これらのパイプはたとえば生蒸気により約70バールで貫流され、および/または(多段の加熱の場合には)高圧タービンの抽気蒸気により約30バールで貫流される。加熱管18は、加熱されるべき流体流ができるだけ小さい流動抵抗を受けるようにするために、外面に円形の断面形状を有しているのが好ましい。
【0041】
装置1は、図2では1つの考えられる実施形態で左側の縦断面図として示されている。この実施形態では、装置1のハウジング2はほぼ鉛直方向に設定されている。ハウジング2はほぼ中空円筒状に構成されており、中心軸Mを中心として回転対称である。環状スペース14の中には、加熱管18が環状バンドルの形態で組み付けられている。気体状成分を過熱させるために、生蒸気引込管38を通じて生蒸気が加熱管18に供給される。ハウジング2の中ほどの高さで中空スペース3は、水平方向を向く環状の仕切プレート37により、上側および下側の部分スペースに区分されている。仕切プレート37は半径方向で環状スペース14ないし環状バンドルの内径部から、殆どハウジング内面11まで延びている。このようにして上側および下側の部分スペースは、流れに関して、仕切プレート37の内部に位置している排出スペース16の接続区域を介してのみ接続されている。この実施形態は(少なくとも上側の部分スペースにおいては)、図1に示す4つのどの態様とも組み合わせることができる。
【0042】
加熱管18は仕切プレート37に挿通することができ、両方の部分スペースにわたって延びることができる。その別案として(特に2段の加熱の場合)、2つの群の加熱管18を用いることができ、すなわち、上側の部分スペースにある1つの群と、下側の部分スペースにある1つの群を用いることができる。このとき両方の群の加熱管18は、それぞれ異なる加熱出力用として設計することができる。
【0043】
高圧タービンから吐出される蒸気は、供給配管6によってハウジング2の中へ上側の部分スペースに誘導され、ハウジング内面11へ接線方向に流れ寄せる。このとき蒸気中の液状成分がハウジング内面11に接して分離される。サイクロンの中で形成される流動状況に基づき、および場合により案内板32、案内羽根36、ないし穴付き板34を利用することで、蒸気中の気体状成分は流出スペース16へ流れ込み、仕切プレート37の内部に位置する移行部を横切って下側の部分スペースへ移行する。気体状成分はこの移行部を通過してから方向を変え、環状スペース14を通って再び外方に向かってハウジング内面11の方向に誘導され、環状スペース14に配置された加熱管18によってあらためて加熱が行われる。次いで、加熱された気体状成分は、ハウジング2の側方に取り付けられた排出配管24へ流れ込み、さらに低圧タービンへと流れ込む。
【0044】
仕切プレート37はハウジング内面11まで完全には達しておらず、そこに環状隙間を残しているので、ハウジング内面11に沿って流れ落ちる凝縮物は、本例では水は、下側の部分スペースにある凝縮物排出部42に入る。これに加えて第2の凝縮物排出部43がハウジング2のもっとも低い底面領域に設けられており、これを介して、下側の部分スペースに溜まった凝縮物を凝縮物排出管46によって排出することができる。
【0045】
以上に示した実施形態と組み合わせることができる、装置1のさらに別の構成を図3に見ることができる。ここでもハウジング2の中心軸Mは、ほぼ鉛直方向に向いている。供給配管6は、流体流が約15°の勾配をもってハウジング2の内面に流れ寄せるように、ハウジング2に連通している。それにより、中空スペースの内部の渦流に、(重力の作用を超えて)下方に向かう速度成分が重ね合わされ、それによって、希望されるほぼ螺旋状または渦巻状の流動案内が促進される。
【0046】
これに加えて図3に示す態様では、流入スペース12で水をいっそう強力に分離するために微細分離器28が取り付けられている。微細分離器28に溜まった凝縮物は、微細分離器凝縮物排出管50によって、凝縮物排出部42へと誘導される。本例では水である凝縮物は、凝縮物排出配管46によってハウジングから導出される。
【0047】
オプションとして設けられる案内羽根36の考えられる1つの実施形態が、図4に横断面図として示されている。選択されている横断面の平面は、装置1の中心軸Mに対して垂直に位置している。ここでは案内羽根36は、仮想的な内側の縁枠54と外側の縁枠58との間に組み付けられている。縁枠54および58は実際には円形であるが、あくまでも模式的で縮尺どおりではない図4ではそのことはわからない。ここでは案内羽根36は、加熱管18の方向で先細になる湾曲した断面形状を有している(案内羽根36で取り囲まれる環状バンドルの、外側に位置する加熱管18だけが示されている)。案内羽根36は、流体流の流動方向22に影響を及ぼす。案内羽根36の適切な形状と位置決めにより、加熱管18がほぼ前面から流れ寄せをうけることを実現することができる。接線方向や傾斜した加熱管18への流れ寄せを、それによって大幅に低減し、ないしは回避することができる。
【0048】
中心軸Mがほぼ鉛直方向を向いている図5に示す装置1の実施形態は、流体流の2段階の加熱ないし過熱のために設計されている。そのために環状スペース14の外側領域に位置する群の加熱管18には、抽気蒸気引込管40を介して、たとえば高圧タービンから取り出される約30バールの抽気蒸気が供給される。内側の群の加熱管18には、生蒸気引込管38を介して約70バールの生蒸気が送り込まれる。環状スペース14の中で形成される凝縮物は、凝縮物排出管46を介して、装置1から排出することができる。さまざまな蒸気が供給される加熱管18の各群の取込集合部の間には、それぞれの蒸気を区分するために仕切板82を設けることができる。これは吐出集合部についても同様に当てはまる。
【0049】
供給配管6によってハウジング2の中へ流入する流体流から、ハウジング内面11および場合により追加的に流入スペース12に配置される微細分離器28で液状成分が分離され、それに対して気体状成分は環状スペース14に流れ込む。このとき気体状成分は、まず最初、抽気蒸気が供給される外側の群の加熱管18のそばを流れ、次いで流出スペース16の内部へと向かう経路上で、内側の群の加熱管18のそばを流れる。このように気体状成分は、流出スペース16の内部へと向かう経路上で連続して加熱される。このような方式の2段階の加熱は、追加の蒸気引込管とパイプ群を利用した多段階の加熱へ自明の仕方で一般化することができる。さらに、このような形態の2段階または多段階の加熱は、ハウジング2の中心軸Mの方向で見て異なる加熱出力用として設計された複数の群の加熱管18が相前後ないし相上下して配置されている態様と組み合わせることができる。
【0050】
図5に示す装置1の態様では、排出配管24は鉛直方向で下方に向かって流出スペース16から外に通じている。このような排出配管24の構成、およびこれと接続されて鉛直に下方に向かう加熱蒸気の排出の構成は、1段階の加熱とも組み合わせることができる。
【0051】
蒸気タービン設備62の好ましい実施形態が図6に示されている。この実施形態は、生蒸気発生器66と、高圧タービン70と、低圧タービン74とを含んでいる。装置1は、流れ回路において高圧タービン70と低圧タービン74の間に介在している。生蒸気発生器66で生成された生蒸気は、仕事を行うために高圧タービン70へ送り込まれる。蒸気は高圧タービン70で仕事を行って減圧され、それによって液状成分が高くなる。低圧タービン74でできるだけ効率的に蒸気をエネルギー生成に利用できるようにするには、蒸気が適切な仕方で前処理されなくてはならない。そのために、まず液状成分が低減されなければならず、引き続いて過熱状態へと移される。この理由により、高圧タービン70の蒸気吐出部から吐出される蒸気は分配器を介して供給配管6により装置1のハウジング2へ送り込まれる。そこで蒸気はハウジング内面11に対して接線方向で流入し、それによって回転させられる。蒸気中の気体状成分はハウジング内面に向かって流れ、そこで特に加熱管のような加熱部材によって過熱状態へ移行する。そこから過熱蒸気は排出配管24によって低圧タービン74の蒸気取入部に送られる。そこで、このようにして前処理された蒸気がさらにエネルギー取得のために利用される。装置1の加熱管(ここには図示せず)は、本実施例では、加熱引込管78によって生蒸気発生器66から生蒸気の供給をうける。その代替または追加として、この目的のために高圧タービン70から抽気蒸気を取り出すこともできよう。
【0052】
装置1は、当然ながら、蒸気タービン設備での適用に限定されるものではない。この装置は実質的に、多層流体流からより重い成分または相を分離することが意図され、気体状成分が加熱ないし過熱されることが意図されるところでは常に適用することができる。流体流の中の重い成分は上に説明したように水であってよい。あるいは、重い成分が固体粒子からなっている用途も考えられる。これは、たとえばすすや汚れ粒子であってよい。
【符号の説明】
【0053】
1 装置
2 ハウジング
3 中空スペース
6 供給配管
10 流入方向
11 ハウジング内面
12 流入スペース
14 環状スペース
16 流出スペース
18 加熱管
20 個別バンドル
22 流動方向
24 排出配管
28 微細分離器
32 案内板
34 穴付き板
36 案内羽根
37 仕切プレート
38 生蒸気引込管
40 抽気蒸気引込管
42,43 凝縮物排出部
46 凝縮物排出管
50 微細分離器凝縮物排出管
54 内側の縁枠
58 外側の縁枠
62 蒸気タービン設備
66 生蒸気発生器
70 高圧タービン
74 低圧タービン
78 加熱引込管
82 仕切板
M 中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸(M)を中心としてほぼ回転対称に構成されて中空スペース(3)を取り囲むハウジング(2)と、ハウジング内面(11)に対してほぼ接線方向に向く流体流の流入のために設計された、流体流のための少なくとも1つの供給配管(6)と、この流体流の分離された気体状成分のための少なくとも1つの排出配管(24)とを有する多相流体流を相分離する装置(1)であって、前記中空スペース(3)において、この気体状成分を加熱するために設計された複数の加熱部材が前記中心軸(M)を中心として同心的に位置する環状スペース(14)に配置されている装置。
【請求項2】
前記環状スペース(14)は、前記流体流中の気体状成分がその間を流れるための加熱部材を備えるように設計されており、かつ、この環状スペースが前記ハウジング内面(11)と前記環状スペース(14)との間に位置する流入スペース(12)と、前記環状スペース(14)の内部に位置する流出スペース(16)とに前記中空スペース(3)を分割している、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記ハウジング(2)は、ほぼ中空円筒状に構成されている、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記中心軸(M)が、ほぼ鉛直方向の向きを有している、請求項1から3までのいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記加熱部材はその加熱出力に関して特に水蒸気である流体流中の気体状成分を過熱するために設計されている、請求項1から4までのいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項6】
1つまたは各々の前記供給配管(6)は、前記中空スペース(3)に流入する流体流の速度ベクトルが前記ハウジング(2)の前記中心軸(M)の方向の成分を有するように設計されている、請求項1から5までのいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項7】
それぞれの前記供給配管(6)は、前記中空スペース(3)に流入する流体流の速度ベクトルが前記中心軸(M)に対して垂直な平面に対して10から30度、特に15度傾くように設計されている、請求項6に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記ハウジング(2)の円周にわたって均等に配分された状態で配置された4つの供給配管(6)を有している、請求項1から7までのいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項9】
流体流中の気体状成分を前記環状スペース(14)の中へ誘導する案内板(32)および/または案内羽根(36)が前記流入スペース(12)に配置されている、請求項2から8までのいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記流入スペース(12)には複数の微細分離器(28)が配置されており、前記流入スペース(12)には1つの微細分離器凝縮物排出管(50)が挿入されており、該微細分離器凝縮物排出管によって前記微細分離器(28)の動作状態のときに形成される凝縮物が前記中空スペース(3)から外に運び出される、請求項2から9までのいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記環状スペース(14)には前記中心軸(M)の方向で見て2つまたはそれ以上の群の加熱部材が相前後して配置されており、それらの加熱部材はそれぞれ異なる加熱出力用として設計されている、請求項1から10までのいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記加熱部材は管状に構成されており、流体の熱媒体、特に水蒸気により貫流されるために設計されている、請求項1から11までのいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記加熱部材は、前記中心軸(M)に対し平行な直線状の複数のパイプとしてそれぞれ構成されている、請求項12に記載の装置(1)。
【請求項14】
それぞれ複数の互いに隣接する加熱部材が1つのバンドルにまとめられている、請求項12または13に記載の装置(1)。
【請求項15】
前記ハウジング(2)には前記中心軸(M)に対して垂直方向に向く環状の仕切プレート(37)が挿入されており、該仕切プレートは前記中空スペース(3)を2つの部分スペースに分割するとともに、その内円は前記環状スペース(14)の内円とほぼ一致しており、その外円は前記ハウジング内面(11)の半径よりも小さい、請求項1から14までのいずれか1項に記載の装置(1)。
【請求項16】
高圧タービン(70)と、低圧タービン(74)と、請求項1から15までのいずれか1項に記載の装置(1)とを有する蒸気タービン設備(62)であって、少なくとも前記1つの供給配管(6)が前記高圧タービン(70)の蒸気吐出部と接続されており、少なくとも前記1つの排出配管(24)が前記低圧タービン(74)の蒸気取込部と接続されている蒸気タービン設備(62)。
【請求項17】
高圧タービン(70)と低圧タービン(74)とを有する蒸気タービン設備(62)を運転する方法であって、前記高圧タービン(70)の蒸気吐出部から流れ出ていく蒸気が、中心軸(M)を中心としてほぼ回転対称のハウジング(2)で取り囲まれた中空スペース(3)の中へ誘導され、それによって蒸気が回転させられて、その気体状成分が液状成分から分離され、前記ハウジング(2)の内部領域に集められ、この気体状成分は内側領域へ侵入する際に、複数の加熱部材によって加熱され、引き続いて前記低圧タービン(74)の蒸気取込部に供給される方法。
【請求項18】
前記加熱部材の少なくともいくつかは管状に構成されており、蒸気発生器(66)で生成される生蒸気によって貫流される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記加熱部材の少なくともいくつかは管状に構成されており、前記高圧タービン(70)から抽気蒸気が取り出されて前記加熱部材へと誘導される、請求項17または18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−522956(P2012−522956A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502480(P2012−502480)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001436
【国際公開番号】WO2010/112123
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(501315289)アレヴァ エンペー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (61)