説明

多糖類誘導体を乾式粉砕するための方法

湿潤多糖類誘導体を乾式粉砕することによって粒子状多糖類誘導体を製造する方法において、乾式粉砕の前の多糖類誘導体の含水率を制御することによって、乾式粉砕後の粒子長の中央値が制御される。有利には、乾式粉砕の前の多糖類誘導体の第1の含水率によって、乾式粉砕後の粒子長の中央値が第1の値に調節され、第2の含水率によって第2の値に調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多糖類誘導体、特にはセルロース誘導体を乾式粉砕するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多糖類誘導体は、典型的には反応器生成物として、砕け易く若しくはでこぼこした状態で、または場合によっては原綿に似た形態で製造される。前記の反応器生成物は、典型的には洗浄によって精製される。この形態では、湿潤多糖類誘導体は、原材料によって決まる残余構造を保持したままである。したがって、例えばセルロースエーテルは、最初のセルロースの繊維質の構造を保持したままであり得る。これらの多糖類誘導体は、例えば有機及び/又は水性媒体に可溶な製品としての使用には、一般には不向きである。このため実質上すべての多糖類誘導体は、使用に適するようにするために原則として粉砕され乾燥される。
【0003】
セルロース誘導体類は、工業的に重要な多糖類誘導体のひとつである。その調製、性質及び応用については、例えばウルマン工業化学百科事典(Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry)、第5版、1986年、A5巻、461〜488頁、VCH出版社、ヴァインハイム(Weinheim)、又は、「有機化学の方法(Methoden der organischen Chemie)」、第4版(1987年)、E20巻、高分子物質(Makromolekulare Stoff)、第3部、2048〜2076頁、Georg Thieme出版、シュツットガルトに記載されている。
【0004】
欧州特許第0370447号明細書(米国特許第4979681号に対応)には、湿潤セルロースエーテルに非破壊的な粉砕と乾燥を同時に行う方法が記載されており、ここで、初期含水率20〜70重量%のセルローステーテルが搬送気体によって搬送され、同時に衝撃と摩擦力によって粉末状にされ、そして粉砕のエネルギーによって残留含水率1〜10重量%に乾燥される。
【0005】
国際公開第96/00748号には、水和セルロースエーテルを断面積0.0075 mm〜1mm(7.5×10−9〜1×10−6)のオリフィスを通して押出す工程と、この押出物を裁断して所望の長さの生成物にする工程とを含む、セルロースエーテルを粉末状にする方法が開示されている。
【0006】
これら先行技術の方法は、大抵は、予備乾燥、予備的な脆化又は予備的な圧縮を伴う多段のものである。さらに、すべての方法において、高分子の化学的及び/又は熱的挙動は、特に高粘度、高置換生成物の処理中は、常に激しく、その結果、粉砕工程中に、その分子鎖の長さが減少するという意味で高分子は破壊され、このことは、特に粘度が当初使用された物に比べて程度の差はあれかなり低下するということで顕在化する。さらに、予備的な脆化手段又は予備的な乾燥工程によって処理された生成物の表面は、角質化されてしまう。
【0007】
欧州特許出願公開第0954536号明細書(米国特許第6320043号に対応)には、a)多糖類誘導体を、適当量の、好ましくは総重量を基準にして35〜99重量%の、特に好ましくは60〜80重量%の、水などの溶媒に浸漬又は溶解し、これにより多糖類誘導体出発物質に由来する繊維構造などの一次構造を大部分除去し、続いて、b)浸漬又は溶解された多糖類誘導体中に含まれる溶媒を過熱蒸気によって気相へと転化させる乾燥微粉砕機中で、前記多糖類誘導体を固体状態へと転化させ、次いで、c)必要に応じて、後続する乾燥工程において先行技術単位で求められる水分率まで乾燥する、方法が開示されている。この方法で調製された多糖類誘導体は、高いかさ密度と良好な流動性を有する。このようにして生成した粒子は、形状係数(shape factor)が5未満かつ1以上であり、その多数(>50重量%)は形状係数が2以下であって、生成物中の微細分の比率は低い。形状因子は、ある物体(理想的には楕円体)における最大直径の最小直径に対する比である。
【0008】
欧州特許出願公開第1127895号明細書(米国特許第6509461号に対応)には、a)セルロース誘導体を20重量%〜50重量%及び水を50重量%〜80重量%含んでなる供給組成物を生成し、ここにおいて前記セルロース誘導体は前記供給組成物中で膨潤又は溶解しており、b)前記供給組成物を高回転速度衝撃式粉砕機内で熱交換ガスおよびキャリアガスに接触させる、ことによる粒子状の水溶性セルロース誘導体を製造する方法が開示されている。欧州特許出願公開第1127895号明細書は、前記粒子状セルロース誘導体生成物のかさ密度が、供給組成物中に存在する水分量によって調節できることを教示している。
【0009】
しかしながら、セルロース誘導体を製造し洗浄した後に得られる湿潤セルロース誘導体の含水率は、一般的には一定ではない。連続的プロセスにおいて、含水率をオンラインで測定することは、特に含水率が60パーセントを超える場合には、一般的に困難である。したがって、乾式粉砕機への供給組成物中の含水率を測定することにより、粒子状セルロース誘導体のかさ密度を調節することは、不便なことである。粒子状湿潤材料について、マイクロ波又は近赤外線(NIR)によって含水率を測定することは知られている。しかしながら、これらの手段は主に粒状物質に有用であるが、高含水率の湿潤多糖類誘導体は、しばしばペースト又は大きな塊の形状を有している。さらに、NIR測定は大幅な補正が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の1つの目的は、乾式粉砕後の多糖類誘導体の1つ以上の重要な寸法(dimension)を制御することができることである。最適な粒子の寸法は、多糖類誘導体の最終用途に依存する。さらに、本発明の好適な目的は、乾式粉砕後の多糖類粒子のかさ密度に影響を与えることができることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの態様は、湿潤多糖類誘導体を乾式粉砕することによって粒子状多糖類誘導体を製造する方法であって、乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を制御することによって、乾式粉砕後の粒子長の中央値が制御される、粒子状多糖類誘導体を製造する方法である。
【0012】
本発明の別の態様は、湿潤多糖類誘導体を乾式粉砕することによって粒子状多糖類誘導体を製造する方法であって、乾式粉砕後の粒子長の中央値を測定することによって、乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率が決定される、粒子状多糖類誘導体を製造する方法である。
【0013】
驚くべきことに、乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率と乾式粉砕後の多糖類誘導体の粒子長の中央値との間に、相関関係、典型的には線形の相関関係があることが見いだされた。驚くべきことに、乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率が高いほど、乾式粉砕後の多糖類誘導体の粒子長の中央値は小さくなり、逆もまた同様であることが見いだされた。この発見は、特定の用途に最適な粒子長を有する多糖類誘導体の生成を可能とするだけでなく、乾式粉砕工程に必要なエネルギーを最適化するものでもある。欧州特許出願公開第0954536号明細書に開示されるように、多糖類誘導体における繊維構造などの一次構造は、多糖類誘導体を適切な量の溶媒、好適には水に浸漬又は溶解することによって、大部分除去することができる。しかしながら、多量の水を加えることは、その後の水の蒸発のために多量のエネルギーを必要とする。本発明は、所望の長さの中央値を有する多糖類誘導体粒子を得るために必要な、最小限の乾式粉砕前の含水率を決定することができるようにする。さらに、乾式粉砕後の多糖類誘導体の粒子長の中央値を測定することを、乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を間接的に決定し、所望であれば調節するために、効果的に使用できることが見いだされた。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、湿潤多糖類誘導体を乾式粉砕することによって粒子状多糖類誘導体を製造する方法に関する。乾式粉砕は、当該技術分野において、一般に、乾燥と粉砕を1つの処理工程で1つの単位操作、典型的には衝撃式粉砕機又はエアー・スエプト型(air swept)衝撃式粉砕機、によって同時に行うこととされている。乾燥は典型的には加熱したガスと機械的エネルギーの組合せによって達成される。加熱した空気が最も一般的に使用されるが、加熱した窒素ガスも用いられる。加熱したガスと湿潤生成物の流れは、一般的に、別々の注入口から粉砕器内に供給され、典型的には、加熱したガスは下部から、そして湿潤生成物は、粉砕機に接続されたフィード・スクリューシステムを経由して側面の入口から、供給される。
【0015】
本方法で使用される多糖類誘導体、好適にはセルロース誘導体は、一般に溶媒、好適には水に対して溶解性であるか少なくとも湿潤性のものである。好適な多糖類誘導体は、多糖類エーテル及び多糖類エステルであり、より好適にはセルロースエーテル及びエステルであり、最も好適には水溶性セルロースエーテルである。これらは1以上の置換基を有していてもよく、その好適な種類としては、キドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、キドロキシブチル、メチル、エチル、プロピル、ジヒドロキシプロピル、カルボキシメチル、スルホエチル、疎水性で長鎖の分枝及び非分枝アルキル基、疎水性で長鎖の分枝及び非分枝アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基、カチオン基、アセテート、プロピオネート、ブチレート、ラクテート、ナイトレート又はスルフェートがあり、そのうちのいくつかの基、例えば、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ジヒドロキシプロピル及びラクテートは、グラフトを形成することができる。本発明に従う多糖類の置換基は、これらの基に限定されるものではない。典型的な多糖類誘導体は、グアー誘導体、デンプン誘導体、キチン若しくはキトサン誘導体、及び好適にはセルロース誘導体であるが、本発明に従う多糖類誘導体は、これらに限定されるものではない。
【0016】
セルロース誘導体の例には、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース(CMHEC)、ヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース(HPHEC)、メチルセルロース(MC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−AS)、疎水性に変性されたヒドロキシエチルセルロース(hmHEC)、疎水性に変性されたヒドロキシプロピルセルロース(hmHPC)、疎水性に変性されたエチルヒドロキシエチルセルロース(hmEHEC)、疎水性に変性されたカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース(hmCMHEC)、疎水性に変性されたヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース(hmHPHEC)、疎水性に変性されたメチルセルロース(hmMC)、疎水性に変性されたメチルヒドロキシプロピルセルロース(hmMHPC)、疎水性に変性されたメチルヒドロキシエチルセルロース(hmMHEC)、疎水性に変性されたカルボキシメチルメチルセルロース(hmCMMC)、スルホエチルセルロース(SEC)、ヒドロキシエチルスルホエチルセルロース(HESEC)、ヒドロキシプロピルスルホエチルセルロース(HPSEC)、メチルヒドロキシエチルスルホエチルセルロース(MHESEC)、メチルヒドロキシプロピルスルホエチルセルロース(MHPSEC)、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルスルホエチルセルロース(HEHPSEC)、カルボキシメチルスルホエチルセルロース(CMSEC)、疎水性に変性されたスルホエチルセルロース(hmSEC)、疎水性に変性されたヒドロキシエチルスルホエチルセルロース(hmHESEC)、疎水性に変性されたヒドロキシプロピルスルホエチルセルロース(hmHPSEC)又は疎水性に変性されたヒドロキシエチルヒドロキシプロピルスルホエチルセルロース(hmHEHPSEC)がある。 特に好適なセルロース誘導体は、水中で熱フロキュレーション点(thermal flocculation point)を有するセルロースエーテルであって、例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースなどである。
【0017】
多糖類誘導体、好適には多糖類エーテル及び多糖類エステルの製造は、当該分野において知られている。典型的には、その製造方法は、セルロースなどの多糖類を例えばアルカリ金属水酸化物による処理などによって活性化すること、こうして処理された多糖類を、次にエーテル化剤又はエステル化剤などの誘導体化剤と反応させること、そしてこの多糖類誘導体を洗浄して副生成物を除去すること、を含む。洗浄後には、多糖類誘導体は一般に、湿潤多糖類誘導体の総重量を基準にして30〜60パーセント、典型的には45〜55パーセントの含水率を有する。好適な洗浄液は、具体的な多糖類誘導体の種類によるけれども、好適な洗浄液は一般的には、水、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、又は塩水である。より好適な洗浄液は一般的には水又は塩水である。所望により、多糖類誘導体は、水分制御のために多糖類誘導体に溶媒を加える前に乾燥されるが、この工程はあまり好ましくない。好適には、生成、洗浄、及び任意的な冷却の後に直接得られた多糖類誘導体が、本発明の出発材料として用いられる。セルロース誘導体は、一般に20〜120℃、好適には65℃〜95℃の温度で洗浄される。洗浄及び多糖類誘導体の洗浄液からの分離の後に、溶媒で湿潤した、好適には水で湿潤したろ過ケーキが得られる。湿潤多糖類誘導体は、通常、湿潤粒状物、湿潤塊状物及び/又は湿潤ペーストの形態で得られる。
【0018】
本発明の1つの態様によると、多糖類誘導体の懸濁液から多糖類誘導体を分離することによって多糖類誘導体が得られ、続いて乾式粉砕機内で乾式粉砕される。液中の粒子の懸濁物は、上述のような多糖類誘導体の生成及び洗浄から生じたものでもよい。懸濁液からの多糖類誘導体の分離は、遠心分離などの既知の方法で実施することができる。
【0019】
本発明の別の態様によると、乾燥多糖類誘導体と水などの液体とは、配合機内で混合することができ、こうして得られた湿潤多糖類誘導体は、続いて本発明の方法にしたがって乾式粉砕機中で乾式粉砕される。配合機は好適に、徹底的な強い混合を起こすことができる。有用な配合機は、例えば、造粒機、ニーダー、押出機、圧搾機又はロールミルであり、これにより多糖類誘導体と液体との混合物が、二軸スクリュー配合機などのせん断力を受け混ぜ合わされて均一化される。共回転、逆回転のいずれの装置でも適する。いわゆる分割トラフニーダー(divided trough kneaders)であって、2つの水平に配置された攪拌ブレードを備え、二軸スクリュー配合機の場合のように、これらが互いに深くかみ合っており、互いにはぎ取り合うような動きをするものが特に適している。一軸型連続式ニーダーとして適するものには、いわゆるReflector(登録商標)配合機、これはモジュール構造の高性能混合機で、複数パート(multi-part)の加熱と冷却が可能なシリンダーと、一方に備えられたブレード形ミキサーとからなっている(製造者:Berstorff社、ドイツ)。また、いわゆるピン型シリンダー押出機(pinned cylinder extruder)又はStiftconvert(登録商標)押出機(製造者:Berstorff社、ドイツ)も適する。ハウジングに組み込まれたピンは、混練される材料が軸と一緒に回転するのを防ぐための支台として作用する。いわゆる二重ブレードのシグマ攪拌機(製造者:Fima社、ドイツ)を水平に組み付けたニーダーミキサーが特に適している。これらのブレードは異なった速度で作動し、それらの回転方向は反対であってもよい。垂直に配置された混合軸を備えた攪拌槽も、混練された塊が攪拌軸と一緒に回転することを防ぐために槽壁面に適当な流れの邪魔板を取り付ければ、使用に適し、この方法により、混練された材料に強い混合作用が加えられる(製造者:バイエル社)。遊星式攪拌機とインラインホモジナイザーを備えた二重壁の混合槽もまた使用に適する。
【0020】
乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を制御することは重要である。乾式粉砕前の含水率は、湿潤多糖類誘導体の総重量を基準にして、好適には30パーセント以上、より好適には50パーセント以上、そして最も好適には55パーセント以上である。乾式粉砕前の含水率は、湿潤多糖類誘導体の総重量を基準にして、好適には98パーセント以下、より好適には80パーセント以下、そして最も好適には70パーセント以下である。乾式粉砕前の最適な含水率は、乾式粉砕後の所望の粒子長の中央値に適合するようにされる。含水率は、ASTM D−2363−79法(1989年に再承認)によって測定できるが、好適には、乾式粉砕後の粒子状多糖類誘導体の長さの中央値を測定し、乾式粉砕後の粒子長の中央値と乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率の相関関係を後述のようにして決定することにより、間接的に測定する。
【0021】
本発明の好適な実施形態によれば、乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を、a)制御し、そして、b)変化させ又は調節することによって、乾式粉砕後の粒子長の中央値が、a)制御され、そして、b)変化させられ又は調節される。
【0022】
本発明の別の好適な実施形態によれば、乾式粉砕前の多糖類誘導体の第1の含水率によって、乾式粉砕後の粒子長の中央値が第1の値に調節され、第2の含水率によって第2の値に調節される、
【0023】
本発明の1つの態様では、乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を制御することによって、乾式粉砕後の粒子長の中央値が制御される。
【0024】
本発明の別の態様では、乾式粉砕後の粒子長の中央値を測定することにより、乾式粉砕前の湿潤多糖類誘導体の含水率を決定する。
【0025】
特定の多糖類誘導体の乾式粉砕前の含水率を決定及び/又は制御する好適な方法、特に、特定の多糖類誘導体の乾式粉砕後の所望の長さの中央値を達成するために最適な含水率を決定し管理する方法は、以下の工程を含む。
a)乾式粉砕前の含水率が異なる少なくとも3種類、好適には少なくとも4種類、より好適には少なくとも8種類の湿潤多糖類誘導体の試料を乾式粉砕し、各試料の乾式粉砕後の粒子長の中央値を測定する工程と、
b)乾式粉砕後の粒子長の中央値と乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率との相関関係を決定する工程と、
c1)乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を、乾式粉砕後の所望の粒子長の中央値に適合するようにする工程、又は
c2)乾式粉砕後の粒子長の中央値を測定することによって乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を決定するために、前記工程b)で得られた相関関係を湿潤多糖類誘導体に適用する工程。
【0026】
乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を決定し又は制御することは、乾式粉砕後の粒子のかさ密度を制御するのに有利に利用することができる。
【0027】
乾式粉砕後の粒子長の中央値と乾式粉砕前の含水率との決定された相関関係は、好適には、連続式乾式粉砕工程における工程内管理(in-process control)として用いられ、ここにおいて、乾式粉砕された粒子の長さの中央値が決定され、そして乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を設定し必要に応じて適合させるために、使用される。最も好適には、工程内管理はオンラインで行われる。
【0028】
乾式粉砕前の多糖類誘導体の最適の含水率を、乾式粉砕後の所望の粒子長の中央値に適合させることは、乾式粉砕後の粒子の大きさの制御を改善するだけでなく、乾式粉砕工程で必要となるエネルギーを最適化することにもなる。水を過剰に投入して後続する乾式粉砕工程で蒸発させなければならない不経済さや、水の投入量が少なすぎて望ましくない性能の生成物ができてしまうことは、本発明の方法によって回避することができる。さらに、乾式粉砕装置やプロセスのパラメーター、例えば周速度、粉砕機を通過する空気又は気体の流量(m/h)などを変更することなく、粒子長の中央値を制御し、さらに任意追加的に調節し変更することができる。粒子長の中央値を変更することが望まれる場合や、粒子長の中央値が所望の生成物の仕様に適合しない場合であって、調節が必要な場合に、そのような変更を、乾式粉砕工程を中断することなく、乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を制御することにより達成することができる。このことは本発明の方法を非常に効率的なものとする。
【0029】
特定の工程において所望であれば、乾式粉砕が回転式乾式粉砕機内で行われる場合、乾式粉砕後の粒子長の中央値は、乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を制御することに加えて、乾式粉砕器の周速度を制御し必要に応じて変更又は調節することによっても、制御し必要に応じて変更又は調節することが可能である。乾式粉砕器の周速度は、好適には35〜140m/s、より好適には45〜120m/s、最も好適には55〜115m/sの範囲内で、制御され必要に応じて変更され若しくは調節される。
【0030】
乾式粉砕後の多糖類誘導体の粒子長の中央値は、好適には少なくとも50マイクロメートル、より好適には少なくとも60マイクロメートル、そして最も好適には少なくとも70マイクロメートルである。多糖類誘導体の粒子長の中央値は、最大で2000マイクロメートルまでであり、より好適には600マイクロメートルまでであり、そして最も好適には350マイクロメートルまでである。粒子長は、粒子の輪郭の内側における対向する端部間の直線距離のうち最長のものと定義され、LOP(粒子長(Length of Particle))として示される。「直線の」とは、ループや枝分かれがないことを意味する。LOPは好適には粒子の大きさと形状の解析を組み合わせた高速画像解析システムにより測定される。この具体的な画像解析法は、W.Witt,U.Kohler,J. List、高速画像解析による粒子の大きさ及び形状解析の現在の限度(Current Limits of Particle Size and Shape Analysis with High Speed Image Analysis)、PARTEC 2007、に記述されている。
【0031】
LOP(50,3)は長さの中央値であり、次のように定義される。
すべての粒子サイズ分布、例えばLOPは、個数(0)、長さ(1)、面積(2)又は体積(3)分布として表示し使用できる。好適には、LOPの体積分布は累積分布Qとして計算される。体積分布であることは、粒子長の値LOP50,3におけるカンマの後の数字3で表記される。表記50は、中央値を反映するものであるが、粒子長分布の50%が与えられたμm値よりも小さく、50%が大きいことを表す。50%LOP値は画像解析ソフトウェアのより計算される。高速画像解析システムは、動的画像解析(DIA)システムQICPIC(登録商標)として、Sympatec社、Clausthal Zellerfeld、ドイツ、から商業的に入手可能である。このシステムは粒子の形状を解析し、粒子の潜在的なカールの傾向(curliness)を考慮に入れる。これにより他の方法よりもより正確な真の粒子サイズの測定が行われる。この動的画像処理(DIA)システムQICPIC(登録商標)については、Witt,W.,Kohler,D.,List,J.:「極めて高速の粒子の直接画像化が、大きさ及び形状のキャラクタライゼーションのために、強力な(乾式)分散を使用する道を開く(Direct Imaging of very fast Particles Opens the Application of Powerful (dry) Dispersion for Size and Shape Characterization)」、PARTEC 2004、ニュルンベルグ、ドイツ、においてより詳細に記述されている。
【0032】
所望する乾式粉砕後の粒子長(LOP)の中央値にとって適切な含水率を決定した後に、前記適切な含水率を多糖類誘導体の実際の含水率と比較する。その結果に応じて、多糖類誘導体はそのままにしておくか又は溶媒と接触させて多糖類の含水率を所望の値にする。典型的には、多糖類誘導体は、当該多糖類誘導体を溶解するか若しくは部分的に溶解するか又は十分湿潤化する溶媒と接触させる。多糖類誘導体は、一般に、0〜75℃で、好適には8〜75℃で、より好適には8〜60℃で、最も好適には15〜40℃で、溶媒と接触させる。
【0033】
湿潤化又は溶解のために適切な溶媒は、極性基、好適には窒素、硫黄又は酸素のヘテロ原子を含むもの、を有する分子の溶媒である。しかしながら、炭化水素及びハロゲン化された炭化水素もまた、用いることができる。好適な溶媒は、水、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール、例えば酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステルである。特に好適な溶媒は水である。本明細書において「溶媒」という用語は、溶媒の混合物も含むものとして使用する。
【0034】
通常は湿潤粒状物、湿潤塊状物及び/又は湿潤ペーストの形態である湿潤多糖類誘導体の乾式粉砕は、既知の乾式粉砕機、例えば、ガス・スエプト(gas-swept)型衝撃式粉砕機、好適にはエアー・スエプト型衝撃式粉砕機、により行うことができ、その中で多糖類誘導体には衝撃及び/又はせん断応力を加えられる。適切な粉砕機は、例えば、ハンマーミル、スクリーンタイプミル、ピンミル、ディスクミル、ジェットミル、又は好適には分級粉砕機である。欧州特許出願のEP0954536A1及びEP1127910A1に詳細に記載されているように、過熱水蒸気などの溶媒の過熱蒸気、又は蒸気/不活性ガス混合物若しくは蒸気/空気混合物を、伝熱ガス及び輸送ガスとして用いることができる。本発明の乾式粉砕工程において、多糖類誘導体の乾式粉砕後の含水率は、典型的には、湿潤多糖類誘導体の総重量を基準にして1〜20パーセント、好適には1〜10パーセント、より好適には1〜5パーセントまで低減される。
【0035】
本発明は、以下の例によりさらに具体的に説明されるが、これらの例によって本発明の範囲が制限されると解釈されるものではない。他に指示のない限り、すべての部及び百分率は重量によるものである。
【実施例】
【0036】
例1
メトキシル基の置換度が27.0〜30%でありヒドロキシプロポキシル基の置換度が4.0〜7.5%であって、2パーセント水溶液として20℃で測定した粘度が75000mPa.sであるMETHOCEL(登録商標)F75Mセルロースエーテルを、機械的洗浄装置からろ過ケーキとして取り出した。METHOCEL(登録商標)F75Mセルロースエーテルは、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーから商業的に入手可能である。洗浄装置からろ過ケーキをサンプリングする前に、ろ過ケーキを湯で洗い、次いでふるい螺旋式遠心分離機(sieve-worm-centrifuge)中で脱水した。湿潤ろ過ケーキの残留含水率は50%で、これは温度21℃で乾燥製品1kg当たり1.0kgの水の量に対応する。120kg/hのろ過ケーキが、粉砕機の供給装置(Altenburger Maschinen Jaeckering社、ハム(Hamm)、ドイツ)を経由してエアー・スエプト型衝撃式粉砕機(UltrarotorIII、Altenburger Maschinen Jaeckering社、ハム、ドイツ)に供給された。槽攪拌機の下部のブレードが、ろ過ケーキを、槽の下部に取り付けられた単軸オーガスクリュー(single augur screw)へと圧入した。湿潤生成物は、有孔板を通して直接衝撃式粉砕機の側部の第1と第2粉砕ステージの間に、送り込まれた。粉砕機は7つの粉砕ステージを備えており、周速度105m/sで操作された。下部の3つの粉砕ステージは、標準的な粉砕バーを備えていた。上部の4つの粉砕ステージにはターボバー(Turbo-bar)が備えられていた。12個のブレードを持つ共回転するフィンガーシフターホイール(finger sifter wheel)が、第7粉砕ステージの上部に設置された。粉砕機のジャケットの内部は、標準的なAltenburger波状静止粉砕プレートを有していた。
【0037】
温度が約170℃の加熱した空気流を、4000m/hで粉砕機の下部空気入口に供給した。これにより最終生成物の水分レベル5%未満が達成できた。粉砕され乾燥された生成物は空気から分離された。乾燥した材料の粒子のうち大きすぎるものは、メッシュサイズが160μmの回転式ふるいを用いて、生成物から除去された。粒子長の平均値LOP50,3が267μm、これは粒子長の50%は267μmよりも小さく50%が267μmよりも大きいことを意味する、である易流動性の生成物が生産された。画像解析装置(高速画像解析装置センサーQICPIC、Sympatec社、ドイツ、内径4mmの乾式分散器RODOS/LとドライフィーダーVIBRI/LとソフトウェアWINDOX5、バージョン5.3.0とM7レンズを一緒に用いた)によって、粒子長、LOPと呼ばれる、及び粒子長の中央値、体積分布に基いて計算されLOP50,3と呼ばれる、が測定された。粒子長(LOP)は、粒子の輪郭の内側における対向する端部間の直線距離のうち最長のものと定義される。
【0038】
例2−4
例1と同じMETHOCEL(登録商標)F75Mセルロースエーテルを、機械的洗浄装置からろ過ケーキとして取り出した。洗浄装置からろ過ケーキをサンプリングする前に、ろ過ケーキを湯で洗い、次いで例1と同様にふるい螺旋式遠心分離機(sieve-worm-centrifuge)中で脱水した。湿潤ろ過ケーキの残留含水率は50%で、これは温度21℃で乾燥製品1kg当たり1.0kgの水の量に対応する。次いで湿潤ろ過ケーキは、市販の連続式ジャケット型チョッパー付プラウシェア造粒機内に移した。温度約4℃の水を、造粒機内のろ過ケーキ上に噴霧した。含水率が上昇し、温度は表1に示すレベルまで低下した。得られた湿潤粒質物は、次いで例1で用いられたものと同じエアー・スエプト型衝撃式粉砕機内に供給した。加熱空気流の温度は、最終生成物を乾燥させて水分レベルが5重量%未満になるように調節した。乾燥した材料の粒子のうち大きすぎるものは、例1と同様にして、生成物から除去された。粒子長の平均値LOP50,3が、例1と同様にして測定された。
【0039】
【表1】

【0040】
表1によれば、粒子長の中央値LOP50,3が、水分レベルと、次式:
LOP50.3=599.94−6.7022×[水分%]
に従う相関関係であって、Rが0.9694であり、水分に対して負の傾き、すなわち、水分レベルが上昇すると粒子長が減少する、となる相関関係を有することが示される。
【0041】
例5−10
乾燥したMETHOCEL(登録商標)K100Mセルロースエーテル、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーから商業的に入手可能、に水を添加するために、市販の連続式配合機が使用された。配合機のジャケットには−8〜13℃の流体が供給された。
【0042】
メトキシル基の置換度が19〜24%でありヒドロキシプロポキシル基の置換度が7〜12%であり、2パーセント水溶液として20℃で測定した粘度が100000mPa.sであり、水分レベルが4.6%であるMETHOCEL(登録商標)K100Mセルロースエーテルを、前記配合機内に供給速度30kg/hで連続的に供給した。温度約25℃の水を、36〜118kg/hの速度で連続的に配合機に加えて、表2に示すように、水分レベルを55〜81%、温度を25℃とした。
【0043】
湿潤生成物は、搬送ベルトにより連続的に粉砕機の供給装置(Altenburger Maschinen Jaeckering社、ハム、ドイツ)へと搬送された。槽攪拌機の下部のブレードが、ペーストを、層の下部に取り付けられた単軸オーガスクリュー(single augur screw)へと圧入した。湿潤生成物は、有孔板を通して直接UltrarotorII″S″衝撃式粉砕機(Altenburger Maschinen Jaeckering社、ハム、ドイツ)の側部の第1と第2粉砕ステージの間に、送り込まれた。粉砕機は7つの粉砕ステージを備えていた。下部の3つの粉砕ステージは、標準的な粉砕バーを備えていた。上部の4つの粉砕ステージにはターボバーが備えられていた。12個のブレードを持つ共回転するフィンガーシフターホイール(finger sifter wheel)が、第7粉砕ステージの上部に設置された。粉砕機のジャケットの内部は、標準的なAltenburger波状静止粉砕プレートを有していた。
【0044】
衝撃式粉砕機のローターは周速114m/sで動作させた。加熱した気体流、すなわち窒素を1000m/hで粉砕機の下部気体入口に供給した。乾燥した生成物を窒素から分離するためにサイクロンを使用した。最終生成物の水分は3重量%よりも少なかった。粒子長の中央値、LOP50,3と呼ばれる、を例1−4と同様に測定した。
【0045】
粒子長の中央値LOP50,3は、水分レベルと、次式:
LOP50.3=+732.05−7.3891×[%水分]
に従う相関関係であって、Rが0.9792であり、負の傾き、すなわち、水分が増加するとLOP50.3が減少する、となる相関関係を示す。
【0046】
本明細書において、かさ密度とは、取り上げた材料の質量に対する見掛け体積の比、非タップかさ密度と呼ばれる、と定義され、そしてまた、取り上げた材料の質量に対するタップされた体積の比、タップかさ密度と呼ばれる、とも定義される。これらのかさ密度を測定するために役立つ手順は、米国薬局方24、試験616 「かさ密度及びタップ密度」、米国薬局方協会、ロックビル、メリーランド州、1999、に記載されている。生成したセルロースエーテル粒子のかさ密度は、オフラインで測定された。
【0047】
【表2】

【0048】
表2の結果は、乾式粉砕前の粒子状多糖類誘導体の含水率と、乾式粉砕後のLOP50,3と、粒子状多糖類誘導体のかさ密度との、相関関係を示している。LOP50,3の測定は、オンラインで行うことができ、乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率及び乾式粉砕後のかさ密度を間接的に決定するための迅速なインプロセス制御手段である。このことは、乾式粉砕後の粒子の所望の長さ中央値に、そして所望のかさ密度に、含水率を適合させることを可能とする。
【0049】
非タップかさ密度は、LOP50,3に対して、次式:
非タップかさ密度=+569.09−1.351×[LOP50,3],
に従う相関関係であって、Rが0.952であり、負の傾き、すなわち、LOP50.3が増加すると非タップかさ密度が減少する、となる相関関係を示す。
【0050】
タップかさ密度は、LOP50,3に対して、次式:
タップかさ密度=+746.07−1.623×[LOP50,3],
に従う相関関係であって、Rが0.944であり、負の傾きとなる相関関係を示す。
【0051】
非タップかさ密度は、含水率に対して、次式:
非タップかさ密度=10.286×[%水分]−440.33
に従う相関関係であって、Rが0.9898となる相関関係を示す。
【0052】
タップかさ密度は、含水率に対して、次式:
タップかさ密度=12.369×[水分%]−467.39
に従う相関関係であって、Rが0.9829となる相関関係を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湿潤多糖類誘導体を乾式粉砕することによって粒子状多糖類誘導体を製造する方法であって、乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を制御することによって、乾式粉砕後の粒子長の中央値が制御される、粒子状多糖類誘導体を製造する方法。
【請求項2】
乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を制御及び調節することによって、乾式粉砕後の粒子長の中央値が制御及び調節される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
乾式粉砕前の多糖類誘導体の第1の含水率によって、乾式粉砕後の粒子長の中央値が第1の値に調節され、第2の含水率によって第2の値に調節される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
乾式粉砕が回転乾式粉砕機中で行われ、乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を制御することに加えて、乾式粉砕機の周速を制御することによって、乾式粉砕後の粒子長の中央値が制御される、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
a)乾式粉砕前の含水率が異なる少なくとも3種類の湿潤多糖類誘導体の試料を乾式粉砕し、各試料の乾式粉砕後の粒子長の中央値を測定する工程と、
b)乾式粉砕後の粒子長の中央値と乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率との相関関係を決定する工程と、
c1)乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を、乾式粉砕後の所望の粒子長の中央値に適合するようにする工程と、
を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
湿潤多糖類誘導体を乾式粉砕することによって粒子状多糖類誘導体を製造する方法であって、乾式粉砕後の粒子長の中央値を測定することによって乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率が決定される、粒子状多糖類誘導体を製造する方法。
【請求項7】
a)乾式粉砕前の含水率が異なる少なくとも3種類の湿潤多糖類誘導体の試料を乾式粉砕し、各試料の乾式粉砕後の粒子長の中央値を測定する工程と、
b)乾式粉砕後の粒子長の中央値と乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率との相関関係を決定する工程と、
c2)乾式粉砕後の粒子長の中央値を測定することによって乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を決定するために、前記工程b)で得られた相関関係を湿潤多糖類誘導体に適用する工程と、
を含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
乾式粉砕後の粒子長の中央値と乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率との間の決定された相関関係が、連続的乾式粉砕工程における工程内制御に用いられ、前記工程において、乾式粉砕された粒子の長さの中央値が決定され、乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率を設定し必要に応じて適合させるために使用される、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記の工程内制御がオンラインで行われる、請求項8記載の方法。
【請求項10】
乾式粉砕前の多糖類誘導体の含水率の決定又は制御を、乾式粉砕後の粒子のかさ密度の制御に用いる、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
多糖類誘導体の懸濁液から分離することによって多糖類誘導体を得て、続いて乾式粉砕機内において前記多糖類誘導体に乾式粉砕処理を行う、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
乾燥多糖類誘導体と液体とを配合機内で混合し、それによって得られた湿潤多糖類誘導体に、続いて乾式粉砕機内において乾式粉砕処理を行う、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
湿潤多糖類誘導体の総重量に基く多糖類誘導体の含水率が、乾式粉砕前には30〜98パーセントであり、乾式粉砕後に1〜20パーセントに低減される、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
粒子長の中央値が高速画像解析によって決定される、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2013−508473(P2013−508473A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534194(P2012−534194)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2010/047199
【国際公開番号】WO2011/046679
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】