説明

多重セクション式非経口薬物送達装置

本発明は、非経口的な治療薬送達デバイスに関する。本治療薬送達デバイスは、使い捨てセクションと、患者の組織内での長期的埋め込みに適する埋め込みセクションとを備える。必要に応じて、使い捨てセクションは埋め込みセクションから取り外すことができ、新しい使い捨てセクションを取り付けることができる。使い捨てセクションは、治療薬を含むリザーバと、治療薬を計量分配するためのポンプと、治療薬の計量分配を調整するための制御回路と、外部デバイスと無線通信するためのトランシーバ/アンテナとを含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、特許法第119条(e)に基づいて、2003年12月12日に提出された米国仮出願番号第60/529,162号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、2つの主要なセクションを有する薬物送達装置に関する。かかる装置は、調節可能な量またはスケジュールによる治療薬の長期投与に有用である。
【背景技術】
【0003】
インシュリン等の治療薬を非経口的に送達するためのデバイスが、数多く記述されてきた。このようなデバイスには、針および手動注射器の使用、定期的に薬剤を装填し直す必要のある完全な埋め込みシステム、極微針ベースのデバイスまたはカテーテル/ポンプ・システムが含まれる。これらのシステムは各々、特定のアプリケーションには有用であるものの、長期間に渡って簡便かつ調節可能な方法で治療薬を自動的に送達する方法を提供するものではない。
【0004】
例えばFlaherty他(米国特許番号第6,656,158号、第6,656,159号および第6,749,587号)は、流体、例えばインシュリン、を患者に送達するための遠隔プログラム可能な低コストのデバイスを記載している。このようなデバイスは、針を使用する送達システム、または皮膚に貫入するカニューレを有する注入システムへ接続される送達システムに適したものとして記述されている。特に、米国特許番号第6,749,587号は、使い捨ての部分および再使用可能な部分より成るモジュール式注入デバイスを記述している。再使用可能な部分はより高価なコンポーネントを含み、使い捨ての部分は流体リザーバと患者の皮膚に貫入させるカニューレ等の経皮的患者アクセス器具とを含む。コンポーネントをこのように構成することは、モジュール式システムのコストを下げるものの、特には複数の治療薬を送達するなどといった特定のアプリケーションに要求され得るレベルの柔軟性を持つものではない。また、経皮的患者アクセス器具が使い捨ての部分に位置することから、Flahertyは長期的な非経口的埋め込みに適したデバイスを提供していない。
【0005】
従って、長期非経口的注入デバイスと、ポンプ機能と通信機能を有し、取外し、交換、および調節可能リザーバ・デバイスとを有する、低コストで交換可能な薬物送達システムを提供する必要性がある。
【発明の開示】
【0006】
本発明の一実施形態においては、非経口的流体送達ロケーション、内腔空間および第1の接続ポイントを有するアクセス・ポートと、治療薬を収納するように構成されるリザーバ、ポンプ・デバイス、治療薬の送達を調整するための制御回路および前記第1の接続ポイントと係合するように構成される第2の接続ポイントを有する使い捨てのセクションと、を備える非経口的治療薬送達デバイスが存在する。
【0007】
本発明のさらなる実施形態において、使い捨てのセクションは、トランシーバ回路、アンテナおよび電源をさらに有し、前記制御回路は、治療薬の送達を調整する際、アンテナおよびトランシーバ回路を介して受信する信号を利用するように構成される。
【0008】
本発明のさらなる実施形態において、前記制御回路は、治療薬の送達に関する情報をトランシーバ回路およびアンテナを介して送信するように構成される。
【0009】
本発明のさらなる実施形態において、前記デバイスはセンサをさらに備え、前記制御回路は、前記センサから受信する信号を処理し、かつ治療薬の送達を調整する際に、前記処理されたセンサからの信号を利用するように構成される。
【0010】
本発明の別の実施形態においては、アクセス・ポートと使い捨てのセクションとを備える非経口的流体送達デバイスが存在し、前記アクセス・ポートは患者の組織内への長期埋め込みに適し、前記アクセス・ポートは前記使い捨てのセクションへ着脱可能式に結合され、前記アクセス・ポートは接続ポイントと、前記接続ポイントに流体伝達する内腔空間と、生物流体ヘッドとを有し、前記生物流体ヘッドは、細胞の内方生長を促進しかつ前記生物流体ヘッドの少なくとも一部の繊維性被包を抑制する機能を組み込むことにより長期埋め込み用に構成され、前記使い捨てのセクションは流体を収納するように構成されるリザーバと、ポンプ・デバイスと、流体送達を調整するための制御回路と、接続ポイントとを有する。
【0011】
本発明は多くの異なる形態で実施されることが可能であり、上述の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。当業者には、上記複数の実施形態によって記載される本発明の基礎が容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の説明で、本発明の特定の具体的な実施形態を示す。ただし本発明は、請求の範囲により定義され包含される多くの異なる方法で実施することができる。本説明において参照する諸図面では、類似の要素は類似の符号で示す。
【0013】
ここで用いる生物流体という用語は、様々な物質を含む患者の身体中の細胞外環境において発見される例えば間質液または脳脊髄液である流体を指し、この様々な物質には、蛋白質、ホルモン、栄養素、電解質、異化生成物、または導入される異物が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0014】
ここで用いる薬物送達プラットフォーム(DDP)という用語は、使い捨てのセクションと埋め込みアクセス・ポートとを備え、コマンドにより規定量の薬物を送達する構造体を指す。
【0015】
ここで用いる使い捨てのセクションという用語は、DDPの外部からアクセスできる交換可能または取外し可能な構成部分を指す。
【0016】
ここで用いるアクセス・ポートという用語は、臨床医が挿入するDDPの経皮的構成部分を指す。
【0017】
ここで用いる「長期埋め込み」という表現は、約30日以上の期間の埋め込みを指す。
【0018】
ここで用いる治療薬という用語は、小分子量薬物、分子レベルの検出デバイスまたは検出材料、生体活性物質、酵素、ペプチド、蛋白質、遺伝子療法剤、ウィルス性病原体、および/またはミクロもしくはナノ・レベルのデバイスまたは物質を含む様々な成分および物質を指すが、これに限定されるものではない。これらの物質および/またはデバイスは、様々な目的で送達されてよく、この目的は、検出されている症状の緩和、予防処置、および診断、治療または測定のための移動センサ、検出器または他の補助装置を含むが、これに限定されるものではない。
【0019】
ここで用いるローカル・エリア・ネットワーク(LAN)という用語は、2つ以上のトランシーバ間の短距離で双方向または一方向通信を供給する通信システムを指す。効果的なLANは、高周波ベースの通信を使用する。本発明の文脈においては、LANは光通信または音響通信を含んでもよいが、これに限定されない。当業者には容易に理解されるように、LANが無線ネットワークである必要はないが、無線ネットワークは、外来患者に装着されたトランシーバとの間で邪魔な配線のない通信を効果的に可能にする。
【0020】
本発明の実施形態は、薬物または他の治療剤の継続的または定期的な非経口送達を可能にする方法およびデバイスを提供することにより、上述の欠点に対処する。本発明の一実施形態は、薬物送達プラットフォーム(DDP)と呼ばれる装置を使用する。DDPは、皮下部への直接送達を意図し、薬物の皮下、筋肉内、静脈内、腹腔内への送達、および脳脊髄液への送達を含むが、これに限定されるものではない。これは、1つ以上の交換可能/取外し可能な使い捨てセクションと経皮的アクセス・ポートとの、2つ以上の主要セクションを備える。
【0021】
本実施形態においては、使い捨てのセクションは、定期的に、例えば約7〜14日毎に取り外して交換することを意図したユーザ取外し可能又は交換可能ユニットであり、皮膚の外側に取り付けられ、アクセス・ポートに流体が伝わるように配置される。本アクセス・ポートは、皮膚を介して埋め込まれる経皮的デバイスであり、皮下薬物送達のための長期(例えば30日以上)ポートとなる。効果的な実施形態では、埋め込まれるデバイスが90日以上の埋め込みに適するものもある。薬物溶液の減耗につれて、使い捨てセクション全体は、取り外して追加の薬物溶液を含む新しいセクションと交換することができる。このプラットフォームは、1つ以上の体外デバイスに常時または断続的に繋いで作動することができる。上記デバイス自体は、1つ以上の遠隔データ管理システムに繋がれてもよい。
【0022】
本発明は1つ以上の接続ポイントの使用を含むことができ、上記接続ポイントは、1つ以上の使い捨てセクションとアクセスとの間に電気的、機械的、光学的または流体的接続ポイントを含んでもよいが、これに限定されない。上記使い捨てセクション内には、例えばリザーバである1つ以上の治療薬格納エリアと、ポンプ・システムとを含むことができる。ある好適な実施形態では、単一の使い捨てセクションが、単一の治療薬を含む単一のリザーバを有するが、他の実施形態では、単一の使い捨てセクション内に2つ以上のリザーバを包含することができる。このような実施形態は、同一のアクセス・ポートを介する多重薬物送達を容易にする。多重薬物送達は、送達されるべき各薬物につき同じ送達タイミングまたは速度を使用して実行することができる。或いは各薬剤は、その固有の送達スケジュールまたは速度で別々に送達することもできる。本発明のさらに他の実施形態では、1種または複数の治療薬または物質が1つの混合物に組み合わされ、アクセス・ポートを介して同時に投与される。埋め込まれた表面を介する生物流体の移送を許容する埋め込み可能プラットフォームについては、本参照によりその全体が開示に含まれる先の米国特許出願第10/032,765号、現在の米国公開公報第US2003−0004403A1号に記述されている。
【0023】
本発明の一実施形態において、アクセス・ポートと使い捨てセクションとを接続するものは、例えば経皮的取り付けリングのような、アクセス・ポートの皮膚からの出口点に配置される構造体である。代替実施形態では、上記接続構造体はカテーテル状の管の端に配置され、経皮的アクセス・ポートを1つ以上の使い捨てセクションへ接合する。本発明の好適な実施形態では、このような接続部は永久的なものではなく、使い捨てセクションの取外しおよび交換を可能にする。
【0024】
ある実施形態において、この自動システムの一部はフィードバックを供給する1つ以上のセンサの使用を含み、薬物送達の速度、量またはスケジュールを自動的に、または外部からのコマンドによって調整できるようにする。所定の実施形態では、DDPは、患者の身体上または体内に取り付けられたバイオセンサから直接または間接的に命令または情報を受信する。このような情報の使用は閉ループ・システムの生成を許容し、身体のバイオパラメータの変化に応じた治療薬の自動調整を有効化する。
【0025】
本発明は、概して、治療薬を自動投与するためのデバイスと装置に関する。図1に、本発明の一実施形態を示す。この実施形態において、薬物送達プラットフォーム100は2つの主要セクション、即ち皮膚(図示されていない)へ装着される、ポンプ112、薬物リザーバ114、マイクロ制御回路および電源116を含む使い捨てセクション110と、使い捨てセクション110から受け取った成分を非経口送達するためのアクセス・ポート130とから成る。DDPは、治療薬の非経口的投与に使用することができる。
【0026】
本発明の好適な一実施形態は、経皮的なカテーテル状の管132を有するアクセス・ポートを使用して治療薬を自動的に送達するデバイスである。この送達は、継続的、定期的またはコマンドを受けての何れであってもよい。本好適な実施形態をさらに改良したものにおいては、カテーテル状の管132は、その遠位の(または埋め込まれた)終点に生物流体ヘッドと呼ばれる注入構造体134を有する。この実施形態の優位点は、アクセス・ポート130を備える、長期埋め込みに適する非経口アクセス・デバイスの使用にあり、アクセス・ポート130には、使用される治療薬の消費に伴って、または交換が必要とされる場合に、1つ以上の使い捨てセクション110を続いて取り付けることができる。このようなシステムは、このような非経口アクセスを行うために繰り返し皮膚へ貫入する必要を回避し、しかも、上記治療薬の量および投与スケジュールに順応性を与える。
【0027】
さらに、治療薬の治療的投与は、例えばピルのような他の治療的投与方法を凌ぐ幾つかの優位点を提供する。これらの優位点には、処方された治療薬とのコンプライアンスの向上、および投与される治療薬および投与量/処方の調整並びに送達される量に関するデータのロギング/記録の向上が含まれるが、これに限らない。
【0028】
(アクセス・ポート)
幾つかの実施形態において、アクセス・ポートは、効果的には次の主要な3つの構成部分、即ち、a)上記構造体の少なくとも1つの部分上に存在する、例えば少なくとも1つの内腔空間から少なくとも幾つかの身体組織へ至る流体経路である、1つ以上の非経口流体送達ロケーションと、b)上記アクセス・ポート内に流体通路を供給する1つ以上の内腔空間を有する1つ以上の可撓性管またはカテーテル状の構成物と、c)使い捨てセクションと上記アクセス・ポート内の少なくとも1つの内腔空間との間に、例えば流体通路である少なくとも1つの流体伝達路を確立できるように、1つ以上のカテーテル状の構造体が少なくとも1つの使い捨てセクションへ接合することを可能にする、体外の1つ以上の接続ポイントと、を含む。本発明の様々な実施形態では、追加のエレメントが存在する場合もある。
【0029】
本発明の好適な一実施形態では、少なくとも1つの流体送達ロケーションは少なくとも部分的に剛性であり、「生物流体ヘッド」と呼ばれる。図2に示すように、本発明の一実施形態では、生物流体ヘッド234はカテーテル状の管232の遠位の終端に存在し、カテーテル状の管232は、その近位端に、アクセス・ポート230を使い捨てセクション(図示されていない)へ接合するためのコネクタ部分236を有する。生物流体ヘッド234は複数の開口を含み、治療薬はこれらを介して周辺組織へと流れ込むことができる。
【0030】
本発明の一実施形態では、生物流体ヘッドは、外面と、当該生物流体ヘッド内の少なくとも1つの内腔空間を描く少なくとも1つの内面との双方を有する単一のアッセンブリから構成することもできる。周辺組織へ治療薬を送達する流体経路を供給するために、少なくとも1つの内側の内腔空間から外面へ複数の穴が延びている。上記ヘッドの構成は、各部分が1つ以上の材料から成る1つ以上の部分から構成してもよい。図3は、マルチピース・アッセンブリの一実施形態を示す。
【0031】
図3は、アクセス・ポート330の遠位端または埋め込まれる端を示し、本図における生物流体ヘッド334は2つの部分を有する。第1の部分は生物流体ヘッド本体342と呼ばれ、本構造体の本体を含む。生物流体ヘッド本体342には、内側の内腔空間と一つの外面との間には通路が存在しない。上記本体内には、例えば穴である複数の通路を有する生物流体ヘッド・インサート344が配され、これらの通路により流体は、矢印348が示すように、生物流体ヘッド334の内腔346から生物流体ヘッドの外面へ通ることができる。1つ以上の部分を有する実施形態も容易に想到することができ、例えば本発明の他の実施形態では、生物流体ヘッド自体が複数の部分および構造体を有してもよく、よって図3に示す実施形態は本発明の範囲の限定を意図するものではない。
【0032】
本発明の一実施形態では、これらの通路の断面寸法は、周辺の組織および細胞が生物流体ヘッドの内腔空間へと移動する、または侵入する能力を制限し、例えば上記断面寸法は、通路の最も狭いところで概して1ミクロン未満の広さである。さらなる実施形態では、この断面寸法は、最も狭いところで概して250ナノメートル未満である。このような断面寸法を有する通路は、周辺細胞の浸入を制限し、かつ任意の細菌の通過を防止するに足る狭さである。
【0033】
ある実施形態では、例えばインサート344である流体通路を有する生物流体ヘッド334の材料は、全体または部分的に、様々な生体適合性材料のうちの1つ以上から形成されてもよい。この様々な生体適合性材料は、膜、ポリマーメッシュ、多孔質ポリマ、ガラス・フリット、シリコン製または半導体製造に一般的に使用される他の材料製の微細加工構造体または例えばチタンもしくはステンレス鋼である金属を含むが、ただしこれに限定されない。
【0034】
組織の内方生長を促進しかつ生物流体ヘッドの繊維性被包を防止するように構成される様々な微細加工構造体および他の可能な構造体または機能は、本参照によりその全体が開示に含まれる2004年11月8日に提出された米国特許出願第10/984,681号において論じられている。
【0035】
生物流体ヘッドが、流体通路を含むインサートを備える実施形態では、生物流体ヘッドの残りの部分はインサートと同じ材料または異なる材料から構成されてもよい。上記生物流体ヘッドの残りの部分は、ポリフッ化ポリマ等の生体適合性プラスチック、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、シリコン、またはガラス、シリコン、金属もしくはチタンまたはステンレス鋼等の金属合金といった他の剛性または半剛性材料などの材料から構成されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0036】
さらに、他の実施形態では、生物流体ヘッド上への血小板または他の凝固/拒絶因子の付着を防止する抗凝固補助剤(例えば、ヘパリンまたは他の抗凝固薬)が存在してもよい。
【0037】
本発明のさらに他の実施形態では、身体の拒絶機構の一部としての繊維組織によるデバイスの被包を低減するために、生物流体ヘッド334または生物流体ヘッドの一部を周辺組織内へ組み入れることが望ましい場合がある。ある実施形態では、表面は、(埋め込まれるデバイスの被包およびウォールオフを含む拒絶反応の開始に対抗するものとして)周辺細胞の付着を促進する寸法およびトポロジーを有する構造体または微小機能を有してもよい。
【0038】
さらに、このような実施形態は、生物流体ヘッドの外面の少なくとも一部上へ、周辺組織の内方生長を促進する特性を有する1つ以上の柔軟な有孔材料または層を使用することを含んでもよい。このような材料には、ヒドロゲル、またはポリビニルアルコール・ベースのポリマまたは自然界に発生する物質または合成物質から成る繊維ポリマ等のスポンジ類が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0039】
さらに他の実施形態では、生物流体ヘッドの外面は、周辺組織の内方生長を促進しかつ繊維性皮膜の形成を最小限に抑える1つ以上の機能を使用する。これらの機能には、上記表面または上記表面の一部を、プロトロンビン活性剤、ビタミンK、トロンビン、フィブリン、ケラチノサイト増殖因子、アクティビン、プロテオグリカン、サイトカイン、ケモカイン、TGF−ベータ、TNF−アルファ、VEGF、PDGF、FGF、PAF、NGF、IL−4、IL−8、インシュリン様増殖因子、インテグリン、ラミニン、フィブロネクチンおよび周辺組織の内方生長を促進する他の因子等の適切な増殖因子、接着分子および誘引物質で被覆することが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0040】
本発明のさらに他の実施形態では、電流印加等のアクティブな機能を使用して繊維性皮膜による包込みを最小限に抑えてもよい。このような機能は、創傷治癒/繊維芽細胞浸入に関連づけられるこれらのプロセスを加速することにとって有益であることが理解されている。本発明の文脈においては、このような電流は逆の方法で印加され、繊維芽細胞浸入を制限し、よって、このような細胞タイプにより沈積される繊維性皮膜のかなりの部分を含む膠原の量を最低限に抑える。図3から分るように、電流352印加のための1つ以上の電極350は、内腔346内の、アクセス・ポート330の他の部分上に、または上記部分内に、もしくは皮膜形成の最小化が望まれる表面に近接する位置に組み込まれてもよい。図1から分るように、組織を通じる電流回路を完成させる1つ以上の対電極138を、アクセス・ポート130の他の場所へ、または患者の組織(皮膚)の内部/上へ配置してもよい。
【0041】
本発明のさらに他の実施形態では、周辺組織の炎症、感染、皮膜形成を最小限に抑える、或いは周辺組織の内方生長および生物流体ヘッドの生体適合性を促進する目的で、バイオ媒体を生物流体および/または治療薬送達溶液に組み込むことができる。このような媒体は、グルココルチコイド、抗生物質、静菌剤、プロテアーゼまたは増殖因子、サイトカインまたは栄養素を含んでもよいが、これに限らない。
【0042】
他の実施形態は、起動されるまで密閉されたままであるか、そうでなければ「オフ」位置にある、例えばMEMS(微小電気機械システム)またはMOEMS(光微小電気機械システム)微細構造体である微小デバイスの使用を含む。(命令の受信に基づいて)起動されると、微小デバイス内のバイアまたは通路が開き、細胞外液が流入し得る微小通路となることができる。本発明のさらに他の実施形態では、微小デバイス内のミクロン・レベルの「スクレーパ」をフラッシングと共に使用し、破壊屑を除去して周辺組織流体へのアクセスを達成することができる。また、例えば電気的または光子的な力もしくは化学薬品の使用である追加の手法を使用して、通路、生物流体ヘッドから生体分子または他の形態の細胞屑を掃引しかつ/またはアクセス・ポート機能を向上させることができる。
【0043】
上述の実施形態は全て、デバイスの全体的ニーズおよび生物流体ヘッドが埋め込まれる組織に依存して、単独で、または様々な組み合わせで適用され、改良された生物流体ヘッド性能を供給することができる。
【0044】
図3から分るように、生物流体ヘッド342は、治療薬および/または他の物質が通って流れることのできる1つ以上の内腔通路346を有する、本図ではカテーテル状の管として示されている構造体332へ物理的に接続される。ある好適な実施形態では、この構造体332は可撓性であり、例えば挿入の方法および経路に起因してその区間内に曲がりを有するというように、加わる力に依存してその区間沿いに曲がりまたは捻れを許容する。このような構造体は1つ以上の材料で構成されてもよく、1つ以上の層またはセクションから成ってもよい。このようなカテーテル状の構造体は、好適にはカテーテルの当業者には周知の生体適合性材料から構築され、ポリウレタン、シリコン、ポリテトラフルオロエチレンの発泡形態、ステンレス鋼または他の金属合金を含むが、これに限らない。機械的強度を追加するために、ナイロンまたは高強度のファイバ・メッシュから成る、例えばKEVLAR(ナイロン・ラミネート)であるラミネート層を追加してもよく、これにより、力が追加されると同時に必要な柔軟性が維持される。柔軟性および延性は、本埋め込み技術の快適さおよび受容度にとって好適な特性である。
【0045】
カテーテル状の管は、1種または複数の流体を生物流体ヘッドへ導入する目的で、または例えば電極またはバイオセンサの挿入である機械的、電気的または光学的デバイス/構造体を挿入する通路を導入する、または供給するために、1つ以上の通路を有してもよい。本発明の他の実施形態では、1つ以上の通路は、検体のサンプリングを目的として、または他の診断/治療目的で、生物流体が生物流体ヘッドからカテーテル状の管を通って流れることを可能にする通路を供給することができる。
【0046】
本発明の1つ以上の実施形態では、カテーテル状の構造体は、流体通路のコースに沿って1つ以上のバルブ・デバイスを組み込むことができる。このような構造体には、ボール弁、フラップまたは機械的、電気的または他のタイプの制御装置を有するMEMS型の微小構造体が含まれてもよいが、これに限らない。このようなバルブは、通路内での液体の一方向への流れを確実にすること、例えば周辺の生物流体の浸入を制限すること、またはアクセス・ポートを介する空気または他の望ましくない物質の通過を制限することにとって有益である。
【0047】
1つ以上の実施形態では、皮膚表面下のこれらの流体通路構造体(カテーテル状の管)は、周辺組織の内方生長を促進する1つ以上の機能、または周辺組織により管構造体を安定化させる他の形態を有してもよい。このような安定化は、埋め込まれた管の組織内での機械的動作を低減し、これにより、この動作の結果生じる外傷を少なくするために望ましい。さらに、このような安定化は、細菌または他の有害な薬剤が管の外側に沿って患者の体内へ移入することを制限する上で有用である。
【0048】
このような安定化機能の実施形態には、生物流体ヘッドに関連して先に説明した周辺組織の内方生長を促進する、例えば微構造化である機能の使用、または増殖因子、接着分子および誘引物質等の薬剤の存在が含まれる。さらに、ダクロン・カフ等の材料で製造される内方生長カラーのようなデバイスまたは物質をカテーテル状の管の外側へ取り付けて、縫合糸の使用または組織の内方生長の何れかを介する管の周辺組織への固定方法を提供することもできる。このような安定化方法は、カテーテルの当業者には周知である。
【0049】
カテーテル状の構造体上への周辺組織の内方生長を促進するこのような安定化機能の使用に加えて、電流の印加により、カテーテル状の管の近傍、特には内方生長カラー等の安定化構造体の近くでの膠原および他の細胞外基質タンパクの沈着を強化することができる。このような電流は、効果的には、適切な極性を有する電極方向への繊維芽細胞の移行をもたらすことができる。これは、生物流体ヘッドに関連して説明した、繊維芽細胞が電極から離れて案内される電流の使用とは対照的である。生物流体ヘッド用の対電極が、例えば多孔性の内方生長カラーまたは構造体の下である、カテーテル状の管の近傍に配置されれば、電極の起動により繊維芽細胞および/または他の細胞タイプは生物流体ヘッドから離れるよう移動し、繊維芽細胞は内方生長カラーの近傍に配置される対電極へと引きつけられる。従って、1つの電流配向および印加は、二重の目的、即ち生物流体ヘッド周辺の皮膜形成の低減と、内方生長カラーの領域における基質沈着の強化とに寄与することができる。
【0050】
図2から分るように、身体(図示されていない)から出る際、カテーテル状の管232は近位端でコネクタ部分236により終わる。このようなコネクタ部分には、身体表面に取り付けられる取り付けリング、または管の近位端上の、ルアーロック接続部等のエンドフィッティングが含まれてもよいが、これに限らない。
【0051】
図1から分るように、このようなコネクタ部分136は、アクセス・ポート130と使い捨てセクション110との間のインタフェースとして意図され、かつアクセス・ポートの耐用期間の間、埋め込みアクセス・ポートと1つ以上の使い捨てセクションとの間に1つ以上の接続部が作られるように意図されている。このような接続部は、長期間埋め込まれるアクセス・ポートと、より短い耐用期間を有する1つ以上の使い捨てセクションとの使用を可能にする。さらに、このような接続部は、アクセス・ポートと使い捨てセクションとの間に流体の接続部または通路を供給するように意図されている。
【0052】
本発明の他の実施形態では、このようなコネクタ部分は、アクセス・ポートと1つ以上の使い捨てセクションとの間に光学的または機械的接続部をも供給する。アクセス・ポートが1つ以上の電極を備える実施形態では、使い捨てセクションにおける電源と、アクセス・ポートにおける電極との間に接続部を供給してもよい。さらに本発明のさらなる実施形態では、アクセス・ポートは、後に詳述するように、使い捨てセクション内に位置する制御回路に繋がる1つ以上のセンサを備える。接続部はセンサと使い捨てセクションとの間に供給されてもよく、センサは制御回路へ情報を中継することができる。
【0053】
本発明のさらに他の実施形態では、アクセス・ポート内のコネクタ部分または他の要素は、アクセス・ポート特有の識別を供給する情報を含む。この情報は、元来、光学的、機械的または電気的であってもよい。このような情報は、使い捨てセクションにおける制御回路へ自動的または手動の何れかにより中継されてもよい。
【0054】
本発明の所定の実施形態では、コネクタ部分は、高齢者または他のさほど手先が器用でない個人でも容易に扱うことのできる機能をも含む。このような機能には、容易な握りを可能にする拡大されたセクションまたはフランジ、容易な視覚化を可能にする明るい色またはアクセス・ポートと使い捨てセクションとの正しい、または間違った接続を示す可聴式または視覚的フィードバック・システムが含まれてもよいが、これに限らない。
【0055】
本発明の好適な実施形態では、先に論じた先行技術とは対照的に、DDPの使い捨て部分は、多くのより複雑かつ高価なコンポーネント、特にはポンプ・デバイス、電源および少なくとも幾つかの制御回路を含む。その結果、本デバイスの合計コストは上がる可能性があるが、このような装置には幾つかの優位点がある。
【0056】
本発明の実施形態は、長期埋め込み(約30日以上)に適する臨床医が埋め込むアクセス・ポートを含むことから、アクセス・ポートの不必要に複雑な設計が回避される。複数のコンポーネントが存在すれば、これらのコンポーネントのうちの少なくとも1つの故障によりアクセス・ポート全体の故障尤度が上がることから、この回避はデバイスの信頼性および寿命を増加させる。アクセス・ポート内のコンポーネントの故障は必然的に臨床医によるアクセス・ポートの交換を伴なう可能性があり、さらにこれは、臨床医の元へ出かけていくことをも必要とし、患者が負担する全体コストを増やす可能性がある。さらに、このような故障は、臨床医によるアクセス・ポートの交換に要する時間に起因して治療薬の送達の著しい遅延を引き起こす可能性がある。より複雑なデバイスを、所定の実施形態ではユーザが容易に交換することのできる使い捨て部分に配置すれば、正常に機能しないコンポーネントを交換するコストおよび厄介な作業、およびコンポーネントの故障によってもたらされる危険性は大幅に低減される。
【0057】
さらに、このような装置は、送達されるべき治療薬に関して追加的な順応性を与える。後に詳述するように、治療薬の送達には様々なポンプ・デバイスを使用することができる。ポンプ・デバイスの中には、他のものの送達よりも、ある種の治療薬の送達の方に適しているものがある。患者への複数の治療薬の送達が予定される場合、本発明の実施形態は、効果的には、単一のアクセス・ポートを使用して、対応する使い捨てセクションに配置された複数のポンプ・デバイスによる複数の治療薬の送達を可能にする。このような使い捨てセクションは、アクセス・ポートへ同時に、または交互に接続されてもよい。
【0058】
例えば医者は、ある治療薬の1つのコースが投与され、続いて、上記第1の治療薬の上記コースの終了に伴って第2の治療薬のコースが投与されるように、DDPを介して投与されるべき治療薬の幾つかのコースを処方することができる。この場合、各治療薬は異なるポンプ・デバイスを介して送達され得ることから、医者は同じポンプ・デバイスを介して送達可能な2つの薬剤を選択する必要がない。従って、本発明の好適な一実施形態によるデバイスは、投与されるべき治療薬に対する制限を効果的に低減する。
【0059】
これまでに論じたように、ある種の患者はさほど手先が器用でない場合がある。アクセス・ポートの複雑さを減らせば、コネクタ部分の複雑さを減らすことができる。さらに、所定の実施形態では、使い捨てセクションは、使い捨てセクション内に配置される追加コンポーネントに起因して先行技術デバイスの使い捨て部分より僅かに大きい可能性があり、さほど器用でない人が使い捨てセクションを取り外して交換することをより容易にする。さらに、制御回路およびトランシーバ回路を送達されるべき治療薬と同じ使い捨てセクションへ配置することは、各使い捨てセクションまたは上記使い捨てセクション内のコンポーネントまたは試薬の特有の識別を可能にする。
【0060】
本発明の他の実施形態では、コネクタ部分(およびアクセス・ポート内の他の構造体)は他の機能を有してもよく、この機能は、全体装置の機能を手助けすることができる回路、アンテナ、電源またはポンプ・デバイスを含むが、これに限定されない。アクセス・ポート内にこのような機能を包含することにより、各使い捨てセクションの交換に伴ってこのような機能(コンポーネント)を交換する必要がなくなり、装置の全体コストを下げることができる。しかしながら、上述の理由により、アクセス・ポートに追加のコンポーネントを包含すると、上記好適な実施形態の優位点は下がり、もしくはなくなる。アクセス・ポート内にこのようなコンポーネント、特にはポンプ・デバイスまたは制御回路を包含すると、ある範囲の治療薬の送達ポートとしてのアクセス・ポートの柔軟性に悪影響がおよび、埋め込まれるデバイスの寿命および信頼性に悪影響が出る可能性がある。
【0061】
アクセス・ポートの製造、保存、現場校正および挿入を手助けするために、生体適合性ヒドロゲルまたは類似物質の形態を使用して生物流体ヘッドを被覆または封入することができる。カテーテル状の管も同じく、このヒドロゲルで充填または被覆されてもよい。ヒドロゲルには、防腐薬、抗炎症薬、抗凝固剤、静菌剤、増殖因子等の生体活性剤、サイトカインまたは他の生体活性剤および抗生物質または抗微生物剤が含まれてもよい。またヒドロゲルの形態(例えば、アガロース・ゲル、カラゲーナン・ゲル、コラーゲン・ゲルまたは他の生体適合性合成物または天然ゲルから選ぶ)も、本来温度依存性でゲルまたは液体の何れかの特性を呈するものを使用することができる。特に、室温で、または室温近くで、上記物質は高い粘性を有し、本来ゲル状である。体温まで上昇されると、上記物質は流体になり、周辺組織に吸収される。これらのヒドロゲル材料は、単独で使用される場合もあれば、他の形態のヒドロゲルまたは先に記述した組織内方生長の基質を供給する他の材料と結合して使用される場合もある。
【0062】
(使い捨てセクション)
使い捨てセクションを有する本発明の一実施形態を、図1に示す。使い捨てセクション110は、患者に非経口的に投与する1種または複数の治療薬を含む格納エリア114と、このような薬剤を送達するためのポンプ・デバイス112と、このような薬剤の投与を調整するための制御回路116および上記回路およびポンプの電源と、使い捨てセクション110を患者の身体上へ取り付けるための接着部分120とを有する。
【0063】
本発明の様々な実施形態では、使い捨てセクション110は、自発的または完全に抑制されて作動する場合もあれば、使い捨てセクション上に配置され得る入力デバイス(図示されていない)から直接受信される命令、または使い捨てセクションとの無線通信を介して間接的に受信される命令の何れかに応答して治療薬を計量分配する場合もある。この後者の実施形態の場合、使い捨てセクションは、例えばLANネットワークを介する上記間接通信のための、トランシーバ回路(図示されていない)およびアンテナ122等の追加の通信機能を備える。使い捨てセクションは、受信局またはディスプレイへ自動的に、またはコマンドによって情報をダウンロードすることができる。このダウンロードは、バッテリ寿命および情報を継続して監視する必要性等の要素に依存して、連続的に、または周期的に行うことができる。ダウンロードされる情報はDDPに格納された、または他からDDPへ中継された情報であってもよく、この情報は、センサからの処理された信号のように変換または暗号化されてもよい。
【0064】
本発明のさらに他の実施形態では、(使い捨てセクションまたはアクセス・ポート内に完全に包含される、または部分的に包含されるに関わらず)DDPの通信態様は、他のDDPから、または例えば埋め込まれた診断システムからである、他のデバイスまたは計器からの他の無線通信を中継または送信することもできる。
【0065】
ポンプ・デバイスは、移動性のポンプ・システムの当業者には周知である。このようなポンプ・デバイスには、例えば注射器型のポンプ、電気化学的ポンプ、機械的(ばね)ポンプまたはMEMSベースの微小機械加工デバイスである流体ポンプ、機械的(手動)ポンピング、例えば送達を支援するガスまたは圧力の生成である化学反応または例えばイオン泳動式輸送である電気ポンピングが含むことができるが、これに限らない。所定の実施形態では、上記ポンプ・デバイスは、治療薬流体の送達を調整する上で有用なバルブまたは計測デバイスを含んでもよい。本発明のさらに他の実施形態では、電界を使用して、例えば電気泳動または電気浸透活動を介して治療薬の送達を支援することができる。
【0066】
本発明の実施形態では、ポンプおよびリザーバ・デバイスからの流体経路は、細菌または他の望ましくない要素が使い捨てセクションからアクセス・ポートの内腔空間へ通過することを制限する1つ以上の濾過機能を含んでもよい。
【0067】
治療薬には、小分子、ペプチド、蛋白質または変性タンパクが含まれてもよいが、これに限らない。このような薬剤の例としては、心血管作動薬(例えばb型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、トレポスチニル・ナトリウム、ベータ遮断剤、カルシウム・チャネル遮断薬、バソプレシン拮抗薬、cAMP造影剤、エンドセリン受容体拮抗薬、ジゴキシン、変力物質、硝酸塩、Remodulin(登録商標)を含むプロスタサイクリンおよびニトログリセリン)、アンギオテンシンII転換性酵素阻害剤およびアンギオテンシン拮抗薬、ループ利尿薬(例えばフロセミド)、チアシドおよび他の利尿薬(例えばアルドステロン受容体拮抗薬、スピロノラクトン)、ホスホジエステラーゼ阻害薬、カルシウム増感剤、アドレナリン作用薬、高度グリコシル化最終生成物架橋遮断剤(例えばALT−711)、キサンチン酸化酵素阻害薬(例えばアロプリノール)、サイトカインおよびホルモン、化学療法剤、疼痛処理剤、血球増殖剤(例えばエリスロポイエチン)、抗体、抗生物質、抗ウィルス物質、免疫抑制薬、ビタミン、酸化防止剤、抗炎症薬、抗凝固剤(例えばワルファリン)、治療薬(例えばインシュリン、プラムリンチド・アセテート)および抗精神病薬または行動修正剤(例えばメチルフェニデート)が含まれるが、これに限らない。また治療薬には、例えば幹細胞である真核または原核細胞、例えば遺伝的に改変されたウィルスである遺伝子組み換えツールまたはナノスケール物質およびデバイス等の物質の送達が含まれてもよい。
【0068】
送達されるべき治療薬は、作用物質の生成または測定される患者による物質や化合物などの吸収または摂取を容易にするために、例えば水、生理学的適合性のあるバッファおよび成分、ジメチルスルホキシド、または他の溶剤などの、追加の流体または試薬と混合してもよい。追加されると、送達システムは制御回路に化合物、物質またはデバイスの追加を信号で知らせることができ、または上記追加を、測定されるバイオパラメータまたは他の検出方法を介して直接または間接的に薬剤を検出するセンサによって監視することができる。
【0069】
さらに、ユーザによるアクセス・ポートの受入れを促進しかつデバイスの寿命を最大限に延ばすために、1種以上の治療薬に加えて1つ以上の物質または薬剤を送達することができる。これらの物質には、局所麻酔薬、静菌剤、pHまたは他の物理的環境変質剤または局部炎症反応制御剤が含まれてもよいが、これに限らない。
【0070】
投与されるべき治療薬は、リザーバ内に、または使い捨てセクション内の他の格納方法の中に保存することができる。治療薬は、生物学的な活性または不活性状態の何れかで保存することができる。保存形態には、エアロゾル、圧縮ガス、例えば懸濁液、溶液またはゲルである液体保存および/または例えば粉末、粒体または薄膜である乾燥した保存形態が含まれてもよい。リザーバ容器は、治療薬または物質の安定性を高めるために追加の機能を有してもよい。これらの機能には、例えば細菌の成長を制限するための壁からトレース剤のリーチングなどの静菌剤、および温度制御や周辺光シールドなどの物理的環境の調節が含まれてもよいが、これに限らない。
【0071】
本発明の所定の実施形態では、生物流体ヘッドを機械的なフラッシングにより流体通路を洗浄することが望ましい。フラッシングは、ユーザが手動で行うこともできるし、デバイスの意図された性能を減じる可能性のある閉塞、拒絶または他の因子を検出すると生理食塩水または他の生理学的適合性のある溶液を放つチャネルまたはコンパートメントの使用を介して自動的に実行することができる。このような実施形態では、フラッシュ剤用のリザーバが治療薬用に使用されるものとは異なってもよい。さらに、カテーテル状の管内で使用される内腔空間は、治療薬の通過に使用されるものと同じであっても、異なってもよい。
【0072】
様々な実施形態において、制御回路は、ポンプ・デバイスおよび通信機能の作動を制御することができ、かつセンサからの入力/入力評価を制御することができる。これらのセンサには、システム性能を測定するセンサ、および例えばバイオ検体または温度等の物理的測定値である生理学的パラメータの検出に関連づけられるセンサが含まれてもよいが、これに限らない。(DDPの一部としてであれ、DDP外の診断デバイスからであれ)生理学的パラメータからのフィードバックを有する実施形態では、上記センサ入力を基礎とする閉ループの治療的送達が有効化され、使い捨てセクション内に包含される制御回路を全体的または部分的に使用することができる。
【0073】
図4は、本発明の一実施形態における制御回路の機能を示すブロック図である。本図から分るように、制御回路内に包含される機能には、信号調整410と、信号処理および制御420と、入力430と、出力440とが含まれてもよいが、これに限らない。信号調整はセンサのアナログ出力をデジタル信号に変える。さらなる実施形態では、制御回路は、センサを駆動し(センサ電源412)、センサ出力を増幅して処理し(増幅器414およびフィルタ416)かつこれらの「調整された」センサ出力をデジタル信号に変換する(A/D変換器418)電子回路を含んでもよい。信号処理および制御は、デジタル化されたセンサ出力を有効な情報に変換する。これは概して、マイクロプロセッサ422と、メモリ424と、マイクロプロセッサのオペレーション制御に必要なソフトウェア・プログラム(ファームウェア、図示されていない)とを含む。入力および出力(I/O)は、使い捨てセクション自体の上に配されてもよいし、遠隔に位置してもよく、このI/Oは、おそらくスイッチ432、入力キー(図示されていない)、およびディスプレイ442を含むが、これに限定されない。
【0074】
遠隔I/Oを使用する本発明のこれらの実施形態では、無線通信の方法(受信機434および送信機444)を使用して遠隔I/Oデバイスと通信することができる。この通信は、データの機密保護のために暗号化されても、されなくてもよい。本発明の好適な一実施形態では、無線通信は暗号化される。またさらに、無線通信は、送信の成功裡の受信を肯定応答しかつ監視基準(監視対象パラメータ、送達周期、他)を変更する双方向性であってもよい。通信は、遠隔I/Oデバイスを超えて、例えば中央データ管理システムへの二次通信の使用を介して継続することができる。
【0075】
コスト、サイズおよび信頼性を理由として、本発明の所定の実施形態では、上述の回路が可能な限り多く単一の集積回路上へ組み込まれる。これには、信号調整、信号の処理および制御、電力制御、送信機および受信機の全てまたは一部が含まれてもよいが、これに限らない。
【0076】
先に記述したように、本発明の所定の実施形態では、センサはDDP内に、または患者の体内に装着または埋め込まれる、もしくは他に患者から測定値を取得する他のデバイス内に包含されてもよい。センサは、電気的、化学的/生化学的、機械的であっても、生理学的パラメータを電気的または他の形式の読取り可能信号に変換する他の任意のデバイスであってもよい。このような信号は、治療薬の送達を調整するために使用される入力データを供給することができる。表1に、監視され得る例示的な生理学的パラメータおよび関連の好適な検出方法を示す。ただし、本図は本発明の実施形態において測定され得るパラメータの範囲または利用可能な検出方法を限定するものではない。
【0077】
【表1】

【0078】
追加のセンサには、DDPパフォーマンスの圧力、透明度または格納エリア内の治療薬の状態または送達性能を含む他の測定値を検出するためのデバイスが含まれてもよい。
【0079】
本発明の所定の実施形態では、アクセス・ポート内に、またはアクセス・ポート内に部分的に伸長して1つ以上のセンサが位置することができる。所定のアプリケーションでは、先に論じた優位点を提供するためにアクセス・ポート内に位置する複雑な回路の量を最低限に抑えることが望ましいものの、センサのタイプによっては、患者の体内への埋め込みを必要とするものがある。血中酸素に関する情報を供給するように構成されるもの等のセンサがアクセス・ポート内に配置され、かつDDP制御回路が使い捨てセクションに配置される実施形態においては、接続ポイントは、DDPの2つの部分間の流体接続だけでなく、センサ情報がセンサと制御回路との間を進むことを許容する接続をも供給することができる。先に記述したように、この接続は、光学的、電気的、機械的であっても、センサと制御回路との間で情報を変換することに適する他の任意のタイプであってもよい。代替実施形態においては、センサと制御回路との間のこの接続は、無線通信であってもよい。
【0080】
電源は、電気回路、ポンプ・デバイスおよび、本発明の所定の実施形態ではアクセス・ポートへ印加される電流を有効化するために必要である可能性がある。図4から分るように、電源450は、概して、例えばバッテリ452である電気的電源と、バッテリ出力を調整し(電圧および/または電流の調整)かつバッテリ寿命を最大限に延ばす回路(電力制御回路454)とを含む。また電力は、DDPへ誘導的に結合されてもよく、応答機(RF)技術、光通信技術(光電池)、例えば動作である患者固有のエネルギー、ATP分子、グルコースまたは他のエネルギー供給成分を含む内部の化学的性質または浸透圧等の、ただしこれに限定されない直接または間接的方法を介して供給されてもよい。
【0081】
電力を必要とするコンポーネントがアクセス・ポート内に位置する実施形態では、アクセス・ポートと使い捨てセクションとの間の接続ポイントは、使い捨てセクション内に位置する電源から電力を必要とするコンポーネントへ電力を供給する接続部を含むことができる。埋め込まれたバッテリ等の、アクセス・ポート内に位置する独立した電源を用いて電力を必要とするコンポーネントへ電力を供給してもよく、接続ポイントの複雑さも低減することができる。しかし、コンポーネントが相当量の電力を必要とするアプリケーションにおいては、使い捨てセクションが電源を備えることにより、交換が必要となるバッテリがアクセス・ポート内に存在しないことから、アクセス・ポートを埋め込んでおける期間を伸ばすことができる。さらに、アクセス・ポートのサイズも効果的に最小限に維持される。
【0082】
使い捨てセクションを患者の例えば皮膚へ付着する方法には、接着剤(図1参照)、テープまたはストラップの使用が含まれるが、これに限らない。よって、使い捨てセクションの一部を使い捨てセクションの耐用期間を通して身体の所定の位置に固定したままにすることができる。本発明の所定の実施形態では、皮膚表面の同じ場所に別の使い捨てセクションが取り付けられるまでに、その場所が接着剤または他の固着方法の貼付から回復できるように、カテーテル状の管の長さは、皮膚の開口部から、患者の皮膚の異なる場所へ次の2つ以上の使い捨てセクションを置くことができる長さだけ延長する。
【0083】
図1に示すように、使い捨てセクション110の外面118は、恐らくは電子コンポーネント(例えばアンテナ122、可視または可聴ディスプレイ)、センサ(例えば温度、圧力トランスデューサ、図示されていない)または入力デバイス(ボタン、スイッチ、図示されていない)を包含する層を含む1つ以上の層から成ってもよい。本発明の好適な一実施形態では、使い捨てセクションの外面118は実質的に防水性であり、水に当たる可能性のある、例えばシャワーまたは運動である様々な環境でDDPを使用することができる。
【0084】
(薬物送達プラットフォームの動作)
DDPの好適な動作態様においては、アクセス・ポートは、遠位端が患者の体内の皮下ロケーションに存在するように、臨床医により、トロカール状のツールを使用して設置される。第1の使い捨てセクションは、患者へ取り付けられ、アクセス・ポートへ接続される。使い捨てセクションの回路を使用するプラットフォームの起動は、接続時に実行される。このような起動には、アクセス・ポートへの接続が達成されているという検証、包含される命令に従った治療薬送達の開始、およびDDPが起動されていて治療薬の基質が送達スケジュール通りに送達されているという情報の送信が含まれてもよいが、これに限らない。このような情報は、LANを介してローカル・ディスプレイ/データ入力デバイスへ送信され、かつ/またはロギングおよび外部審査のために遠隔のデータ管理システムへさらに送信されてもよい。
【0085】
外部審査が行われた時点で、治療薬送達の例えば速度、スケジュールまたは量を調節する命令を使い捨てセクションへ遠隔入力してもよい。このような命令は、使い捨てセクションに配置されたセンサまたは他の診断デバイスから受信される値またはパラメータに応答するものであってもよい。例えば、リザーバが空になる、定義された使用期間が過ぎる、または治療を変える必要が生じることによって第1の使い捨てセクションを交換することが望ましいときは、第1の使い捨てセクションが取り外され、送達されるべき新しい治療薬を含む第2の使い捨てセクションと交換される。この第2の使い捨てセクションも、第1の使い捨てセクションの場合と同様にして起動する。
【0086】
上述の本発明の実施形態は全て、治療薬の送達に際して単独でも、様々な組合わせによっても適用することができる。当業者には、本発明の多くの入れ替えが考えられ、上述の実施形態は本発明の範囲を限定すべく意図されたものではないことが容易に理解されるであろう。
【0087】
上述の詳細な説明は、様々な実施形態に適用される本発明の基本的な新規特徴を示し、説明し、指摘しているが、当業者であれば、本発明の意図を逸脱することなく、説明したシステムの形態および詳細事項の様々な省略、置換および変更を行い得ることは理解されるであろう。以上の説明は、本発明の所定の実施形態を詳述したものである。しかしながら、その説明が如何に詳細に映るものであっても、本発明がその精神または本質的特性を逸脱することなく他の特定の形態で具体化され得ることは言うまでもない。説明した実施形態は、あらゆる点で限定ではなく単なる例示とされるべきものであり、よって本発明の範囲は上述の明細書本文ではなく添付の請求の範囲によって指示される。請求の範囲に記載されている等価物の意味および範囲に含まれる変更は全て、請求の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】アクセス・ポートおよび使い捨てセクションの一実施形態を示す概略図である。
【図2】アクセス・ポートの機能を示す概略図である。
【図3】生物流体ヘッドの一実施形態を示す図である。
【図4】制御回路の一実施形態を示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非経口治療薬の送達デバイスであって、
非経口流体の送達ロケーション、内腔空間、第1の接続ポイントを有するアクセス・ポートと、
治療薬を収納するように構成されるリザーバ、ポンプ・デバイス、治療薬の送達を調整するための制御回路、前記第1の接続ポイントと係合するよう構成される第2の接続ポイントを有し、患者の身体へ装着されるように構成される使い捨てセクションと、
を備えるデバイス。
【請求項2】
前記使い捨てセクションは、トランシーバ回路と、アンテナと、電源と、をさらに有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記制御回路は、治療薬の送達の調整に際して、前記アンテナおよび前記トランシーバ回路を介して受信される信号を利用するように構成される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記使い捨てセクションは、入力デバイスをさらに有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記制御回路は、治療薬の送達の調整に際して、前記入力デバイスからの信号を利用するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
センサをさらに備える請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記制御回路は、前記センサから受信する信号を処理するように構成される、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記制御回路は、治療薬の送達の調整に際して、前記センサからの処理された信号を利用するように構成される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記使い捨てセクションは、トランシーバ回路とアンテナとをさらに備え、前記制御回路は、処理された信号を前記トランシーバ回路およびアンテナを介して外部デバイスへ中継するように構成される、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記制御回路は、治療薬の送達に関する情報を前記トランシーバ回路およびアンテナを介して送信するように構成される、請求項2に記載のデバイス。
【請求項11】
非経口流体の送達デバイスであって、
第1の接続ポイント、前記第1の接続ポイントと流体伝達する内腔空間、生物流体ヘッドを有し、前記生物流体ヘッドは、細胞の内方生長を促進しかつ前記生物流体ヘッドの少なくとも一部の繊維性被包を抑制する機能を組み込むことにより長期埋め込み用として構成される、アクセス・ポートと、
流体を収納するように構成されるリザーバ、ポンプ・デバイス、流体の送達を調整するための制御回路、第2の接続ポイントを有し、患者の身体へ装着するように構成される使い捨てセクションと、
を備えるデバイス。
【請求項12】
前記生物流体ヘッドは、前記内腔空間から前記生物流体ヘッドの外面へ延びる複数の通路を備える、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記生物流体ヘッドは、前記複数の通路を備えるインサート構造体を含む、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記通路は、周辺組織および細胞が前記内腔空間へ侵入する能力を制限する断面寸法を有する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項15】
前記複数の通路は、その長さ方向に添った1つのポイントにおいて約1ミクロン未満の断面寸法を有する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項16】
前記複数の通路は、その長さ方向に添った1つのポイントにおいて約250ナノメートル未満の断面寸法を有する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項17】
前記生物流体ヘッドの外面の少なくとも一部は、当該生物流体ヘッドの少なくとも前記一部における繊維性被包を低減する機能を有する、請求項12に記載のデバイス。
【請求項18】
前記アクセス・ポートは、前記生物流体ヘッドに近いポイントに配置される第1の電極を有し、前記第1の電極は、前記生物流体ヘッドの当該第1の電極近傍の領域における繊維性被包が最小限に抑えられるように、対電極と共働して電流を発生するように構成される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項19】
前記アクセス・ポートは、対電極をさらに有し、前記第1の電極と前記対電極とは、前記アクセス・ポートの前記対電極近傍の領域へ向かう細胞の移動が増大するように電流を発生させるよう構成される、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記アクセス・ポートは、安定化機能をさらに備え、前記対電極は前記安定化機能近傍へ配置される、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記安定化機能は、内方生長カラーを備える、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記生物流体ヘッドは、30日以上にわたる埋め込み用に構成される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項23】
前記生物流体ヘッドは、90日以上にわたる埋め込み用に構成される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項24】
非経口流体の送達デバイスであって、
非経口流体の送達ロケーション、内腔を画定するカテーテル状の構造体、第1の接続ポイントを有し、長期埋め込みに適する埋め込み部分と、
流体を収納するように構成されるリザーバ、ポンプ・デバイス、流体の放出を調整するための制御回路、前記第1の接続ポイントと着脱可能式に係合するように構成される第2の接続ポイントを有し、患者の身体へ装着するように構成される使い捨て部分と、
を備えるデバイス。
【請求項25】
センサをさらに備え、
前記制御回路は、前記センサから受信する信号を処理し、かつ流体の放出を調整する際に前記処理された信号を利用するように構成される、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記埋め込み部分は、安定化機能をさらに有する、請求項24に記載のデバイス。
【請求項27】
前記安定化機能は、内方生長カラーを備える、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記アクセス・ポートは、対電極と共働して電流を発生させるように構成される第1の電極をさらに備え、前記アクセス・ポートの対電極に近い領域へ向かう細胞の移動を増大させる、請求項24に記載のデバイス。
【請求項29】
前記埋め込み部分は、30日以上にわたる埋め込み用に構成される、請求項24に記載のデバイス。
【請求項30】
前記埋め込み部分は、90日以上にわたる埋め込み用に構成される、請求項24に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−513704(P2007−513704A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543964(P2006−543964)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/041208
【国際公開番号】WO2005/058385
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(504003673)フィロメトロン,インコーポレイティド (3)
【Fターム(参考)】