説明

多重分析物の検出及び定量化のための方法

本出願は、単一の反応容器を用いて、被験試料中の複数の標的分析物を検出及び定量する方法に言及する。該方法は、(a)各々が所定量の標的分析物を有する検量スポット、及び(b)各々が標的分析物に選択的に結合する作用物質(抗体)を有する捕捉スポットのマイクロアレイを含む、反応容器(マルチウェルプレート)を用いる。捕捉された分析物及び検量スポットを、各異なる標的分析物に特異的な蛍光標識抗体により検出する。検量スポットを用いて検量線を作成し、これにより、異なる標的分析物の濃度を測定することが可能となる。本出願はまた、関節リウマチを診断するのに有用なバイオマーカーを検出及び定量する方法にも言及する。より詳細には、本出願は、捕捉スポットとして、リウマチ因子(RF)及び環状シトルリン化ペプチド(CCP)の使用を開示する。最後に、上記の方法に基づき、関節リウマチを診断又はモニタリングする方法が提示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析物の定量化のための方法に関し、特に、本発明は、単一の試料における多重分析物の検出及び定量化のための改良型マイクロアレイ法に関する。
【背景技術】
【0002】
現行のイムノアッセイ法は、単一の反応ウェル内で検出される標的が、1検出試験サイクルにつき1つだけであるため、限界がある。任意の病理学的又は生理学的障害の検出及び診断には、複数の抗原物質又はバイオマーカーが関連することが一般的である。複数のマーカーの存在を確認するためには、被験試料中の各マーカーは、検出される各標的分子の存在を確認するための個別で異なるイムノアッセイを必要とする。このように膨大な試験及び試料が必要とされると、治療までの時間が長引き、費用及び分析誤差の可能性が増大する。タンパク質/抗体、とりわけ、自己免疫疾患において発現するバイオマーカーの定量を多重化する現在の最新技術は、多重抗原の測定によるものである。
【0003】
ELISA(酵素結合免疫測定)法は、Engvallら、Immunochem.8:871(1971)により開発され、Ljunggrenら、J.Immunol.Meth.88:104(1987)及びKemenyら、Immunol.Today 7:67(1986)によりさらに改良された。ELISA法及びその応用は、当技術分野でよく知られている。
【0004】
単一のELISA法は、酵素標識された抗体及び発色基質を用いて、単一の分析物又は抗体を検出するように機能する。試料中の複数の分析物を検出するには、個別のELISAを実施して、各分析物を個別に検出する。例えば、2つの分析物を検出するには、2つの個別のELISAプレート又は2組のウェルが必要である、すなわち、各分析物につき1つのプレート又は1組のウェルが必要である。先行技術による発色ベースのELISA法では、一度に検出される分析物は1つだけである。このことが主に、複数のマーカー、又は複数のトランスジェニック産物を発現するトランスジェニック生物を用いる疾患の検出を制限する。
【0005】
Macri,J.N.ら、Ann Clin Biochem 29:390〜396(1992)は、まず、抗体(試薬1)を分析物と反応させ、次いで、第2の標識抗抗体(試薬2)を、試薬1の抗体と反応させる、間接的アッセイについて説明している。結果として、2つの個別の洗浄ステップが必要となるが、これは、直接的アッセイの目的にそぐわない。
【0006】
MapesらによるUS2007141656は、自己抗原に特異的なモノクローナル抗体を有するビーズセットと、自己抗原を有するビーズセットとを比較することにより、自己抗原と自己抗体との比率を測定する。この方法は、少なくとも1つの分析物が、対応する反応物質と反応することを可能とし、すなわち、1つの分析物が自己抗原であり、該反応物質が該自己抗原に対する自己抗体である。
【0007】
複数の分析物を検出する別の方法が、ChandlerらによるUS2005118574において開示されているが、これは、フローサイトメトリーによる測定を用いて、費用も削減しながら、複数の生体分子又はDNA配列の同時の自動的な検出及び解釈を、リアルタイムで分類するものである。
【0008】
Chandler及びChandlerによるWO0113120は、単一の試料中の複数の異なる分析物の濃度を決定する。必要とされるのは、フローサイトメーターを用いる各試料/分析物の組合せに固有の微粒子の部分集団が存在することのみである。これらのビーズベースのシステムの能力は、同時に検出される捕捉抗原間の識別に限定される。
【0009】
複数の分析物の同時検出、すなわち、複数のタンパク質を同時に測定するための多重検出は、参照により本明細書に組み込まれる、Haabら、「複合溶液における特定のタンパク質及び抗体の高度な並行検出及び定量化のためのタンパク質マイクロアレイ(Protein microarrays for highly parallel detection and quantization of specific proteins and antibodies in complex solutions)」、Genome Biology 2(2):0004.1〜0004.13(2001)により説明されている。異なる抗体及び抗原の混合物を調製し、これらを赤色蛍光色素により標識し、次いで、同じ抗体及び抗原を含有する、緑色蛍光による基準混合物と混合した。赤色対緑色の比において観察される変化を用いて、混合物中の、対応する結合パートナーの濃度変化を反映させた。
【0010】
Mezzasomaら(Clinical Chemistry 48、1、121〜130(2002))は、2つの個別のアッセイにおける同じ捕捉体に結合した分析物、とりわけ、同じ抗原に反応する異なる自己抗体を検出する、マイクロアレイフォーマットの方法を公表した。結果は、捕捉された分析物を、1つのレポーター(例えば、免疫グロブリンIgGを検出するレポーター)と共にインキュベートすると、対応する分析物が検出されることを明らかにした。捕捉された分析物を、別個のマイクロアレイの固体状態基質を用いるアッセイにおいて、第2のレポーター(例えば、IgMを検出するレポーター)と共にインキュベートすると、第2の分析物(IgM)が検出される。
【0011】
Damaj及びAl−assaadによるWO0250537は、まず、固体基質上の混合物としてコーティングされた必須抗体に結合した、最大3つの固定化併用標的抗原を検出する方法について開示する。第1のマーカーを検出する前に洗浄ステップを行う。第1の特異的基質を添加することにより、第1のマーカーの存在を検出することができる。光学顕微鏡により反応ウェルを読み取ると、色の変化が検出可能となる。第2のマーカーを検出する前に、別の洗浄ステップを行う。第2の酵素に特異的な第2の基質を反応ウェルに添加することにより、第2のマーカーの存在を検出することができる。十分なインキュベーション後、色の変化について反応ウェルをアッセイすることができる。同様に、第3のマーカーを検出する前に、洗浄ステップを行うことができる。
【0012】
第3の酵素に特異的な第3の基質を反応ウェルに添加することにより、第3のマーカーの存在を検出することができる。十分なインキュベーション後、色の変化について反応ウェルをアッセイすることができる。単一の反応ウェル又は試験ウェル内で複数の分析物を検出しうるが、各反応は個別ベースで処理される。
【0013】
GeisterらによるWO2005017485は、そのアッセイ(ELISA)において、少なくとも2つの酵素標識されたコンジュゲートを、酵素に対する2つの異なる発色基質との、2つの異なる酵素反応にかけることにより、単一のアッセイにおいて少なくとも2つの異なる抗原を逐次的に決定する方法であって、(a)固体支持体上に固定化された、第1の分析物に特異的な第1の抗体と、第2の分析物に特異的な第2の抗体とを提供するステップと;(b)固体支持体上に固定化された抗体を、抗体が抗原に結合するのに十分な時間にわたり、抗原の一方又は両方を含有することが疑われる液体試料と接触させるステップと;(c)液体試料から固体支持体を取り出し、固体支持体を洗浄して、結合しなかった物質を除去するステップと;(d)固体支持体を、第1の抗原に特異的な第3の抗体と、第2の抗原に特異的な第4の抗体とを含む溶液と接触させるステップであって、第1及び第2の抗体が結合した分析物に、第3及び第4の抗体が結合するのに十分な時間にわたり、第3の抗体を第1の酵素標識にコンジュゲートさせ、第4の抗体を第2の酵素標識にコンジュゲートさせる上記ステップと;(e)液体試料から固体支持体を取り出し、固体支持体を洗浄して、結合しなかった物質を除去するステップと;(f)第1の酵素標識に対する第1の発色基質を添加するステップであって、第1の発色基質が、第1の酵素標識を介して検出可能な色へと転換されることにより、試料が第1の分析物を含有することが示される上記ステップと;(g)第1の発色基質を除去するステップと;(h)第2の酵素標識に対する第2の発色基質を添加するステップであって、第2の発色基質が、第2の酵素標識を介して検出可能な色へと転換されることにより、試料が第2の分析物を含有することが示される上記ステップとを含む上記方法について説明している。
【0014】
「タンパク質解析のための高感度多重化診断アッセイ(Sensitive,multiplexed diagnostic assays for protein analysis)」と題する、Wagnerによる米国特許第7,022,479号、2006は、試料中の複数の異なる化合物を検出する方法であって、(a)試料を結合試薬の混合物と接触させるステップであって、結合試薬が核酸−タンパク質融合体であり、その各々が、(i)化合物のうちの1つに特異的に結合することが知られるタンパク質部分と、(ii)固有の識別タグを包含し、一実施形態では、該タンパク質をコードする核酸部分とを有する上記ステップと;(b)結合試薬のタンパク質部分と、該化合物とに複合体を形成させるステップと;(c)結合試薬−化合物複合体を捕捉するステップと;(d)複合体結合試薬の核酸部分に固有の識別タグを増幅するステップと;(e)増幅された核酸の各々の固有の識別タグを検出し、これにより、試料中の対応する化合物を検出するステップとを含む上記方法である。
【0015】
複数の分析物を検出及び定量する方法が知られているが、これらの方法は、対象の分析物の各々に対する個別のアッセイステップの使用を必要とし、したがって、とりわけ臨床状況では、時間がかかり費用もかさむ可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、単一の反応容器を用いて、被験試料中の複数の標的分析物を検出及び定量する、迅速且つ費用効果の高い方法を提供する。本明細書で開示される方法により、各標的分析物に個別のアッセイ又は反応ステップを必要とすることなく、複数の標的分析物を同時に検出することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
一態様では、本発明は、被験試料中の2つ以上の標的分析物を検出及び定量する方法であって、
a)その表面上にマイクロアレイがプリントされている反応容器を提供するステップであって、前記マイクロアレイが、
i)各検量スポットが所定量の第1の標的分析物を含む、複数の第1の検量スポットを含む第1の検量マトリックスと、
ii)各検量スポットが所定量の第2の標的分析物を含む、複数の第2の検量スポットを含む第2の検量マトリックスと、
iii)各捕捉スポットが、第1の標的分析物に選択的に結合する所定量の作用物質を含む、複数の第1の捕捉スポットを含む第1の捕捉マトリックスと、
iv)各捕捉スポットが、第2の標的分析物に選択的に結合する所定量の作用物質を含む、複数の第2の捕捉スポットを含む第2の捕捉マトリックスと
を含む上記ステップと;
b)所定分量の被験試料をマイクロアレイに適用するステップと;
c)第1の標的分析物に選択的に結合する第1の蛍光標識抗体と、第2の標的分析物に選択的に結合する第2の蛍光標識抗体とをアッセイデバイスに適用するステップであって、前記第1及び第2の蛍光標識抗体の各々が、互いに重複しない発光スペクトル及び励起スペクトルを有する、異なる蛍光色素を含む上記ステップと;
d)マイクロアレイ内の各スポットについてシグナル強度値を測定するステップと;
e)第1の標的分析物及び第2の標的分析物の既知の濃度に対する、検量スポットの各々について測定されたシグナル強度値に曲線を適合させることにより、検量線を作成するステップと;
f)作成された検量線を用いて、第1の標的分析物及び第2の標的分析物の濃度を決定するステップと
を含む上記方法を提供する。
【0018】
本発明のある実施形態では、標的分析物がタンパク質である。該タンパク質は、抗体であってもよい。
【0019】
本発明のさらなる実施形態では、反応容器がマルチウェルプレートのウェルであり、各ウェルの内部にマイクロアレイがプリントされている。
【0020】
本発明のさらなる実施形態では、被験試料が生体試料である。
【0021】
別の態様では、本発明は、関節リウマチを診断するためのバイオマーカーを検出及び定量する方法であって、
a)その表面上にマイクロアレイがプリントされているアッセイデバイスを提供するステップであって、前記マイクロアレイが、
i)各スポットが所定量のヒトIgA抗体、ヒトIgG抗体、及びヒトIgM抗体のうちの1つを含む、複数のスポットを含む検量マトリックスと、
ii)所定量のリウマチ因子を含む、複数のスポットを含む第1の分析物捕捉マトリックスと、
iii)所定量の環状シトルリン化ペプチドを含む、複数のスポットを含む第2の分析物捕捉マトリックスと
を含む上記ステップと;
b)所定分量の血清試料をアッセイデバイスに適用するステップと;
c)IgA抗体に選択的に結合する第1の蛍光標識抗体と、IgG抗体に選択的に結合する第2の蛍光標識抗体と、IgM抗体に選択的に結合する第3の蛍光標識抗体とをアッセイデバイスに適用するステップであって、前記第1、第2、及び第3の蛍光標識抗体の各々が、互いに重複しない発光スペクトル及び励起スペクトルを有する、異なる蛍光色素を含む上記ステップと;
d)アッセイデバイス内の各スポットについてシグナル強度値を測定するステップと;
e)ヒトIgA抗体、ヒトIgG抗体、及びヒトIgM抗体の既知の濃度に対する、検量スポットの各々について測定されたシグナル強度値に曲線を適合させることにより、検量線を作成するステップと;
f)検量線を用いて、捕捉されたリウマチ因子−IgA、リウマチ因子−IgG、リウマチ因子−IgM、抗環状シトルリン化ペプチド−IgG、抗環状シトルリン化ペプチド−IgA、及び/又は抗環状シトルリン化ペプチド−IgMの各々について濃度を決定するステップと
を含む上記方法を提供する。
【0022】
別の態様では、本発明は、対象における関節リウマチを診断する方法であって、
a)本明細書で開示される方法を用いて、生体試料中のリウマチ因子−IgA、リウマチ因子−IgG、リウマチ因子−IgM、並びに抗環状シトルリン化ペプチド−IgG、抗環状シトルリン化ペプチド−IgA、及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgMのうちの少なくとも1つの濃度レベルを測定するステップと;
b)リウマチ因子−IgA、リウマチ因子−IgG、リウマチ因子−IgM、抗環状シトルリン化ペプチド−IgG、抗環状シトルリン化ペプチド−IgA、及び/又は抗環状シトルリン化ペプチド−IgMの測定された濃度レベルを、リウマチ因子−IgA、リウマチ因子−IgG、リウマチ因子−IgM、並びに抗環状シトルリン化ペプチド−IgG、抗環状シトルリン化ペプチド−IgA、及び/又は抗環状シトルリン化ペプチド−IgMの指標正常レベルと比較するステップであって、指標正常レベルを超える測定された濃度レベルが関節リウマチであると診断される上記ステップと
を含む上記方法を提供する。
【0023】
本発明のある実施形態では、優勢なリウマチ因子−IgM及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgM抗体の検出及び定量化が、関節リウマチの初期段階であると診断される。
【0024】
本発明のさらなる実施形態では、リウマチ因子−IgA及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgA抗体の検出及び定量化が、関節リウマチの移行段階であると診断される。
【0025】
本発明のさらなる実施形態では、リウマチ因子−IgG及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgG抗体の検出及び定量化が、関節リウマチの後期段階であると診断される。
【0026】
別の態様では、本発明は、関節リウマチを患う対象における関節リウマチ治療をモニタリングする方法であって、治療期間中複数回にわたり、本明細書で開示される方法を用いて、リウマチ因子−IgA、リウマチ因子−IgG、リウマチ因子−IgM、並びに抗環状シトルリン化ペプチド−IgG、抗環状シトルリン化ペプチド−IgA、及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgMのうちの少なくとも1つの濃度レベルを測定するステップを含む上記方法を提供する。
【0027】
以下に、添付の図面を参照することにより、例示を目的として、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の多重分析物検出法を概略的に示す図である。
【図2】IgM内部検量物質について測定された平均蛍光強度に対する、NS及びRF#3の2つの試料の捕捉IgAについて測定された平均蛍光強度の比率をプロットする棒グラフである。
【図3】IgM内部検量物質について測定された平均蛍光強度に対する、NS及びRF#3の2つの試料の捕捉IgMについて測定された平均蛍光強度の比率をプロットする棒グラフである。
【図4】本発明の方法を用いて、IgA抗体、IgG抗体、及びIgM抗体の複合蛍光強度を比較するプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、1試験サイクルにつき単一の反応ウェル内で、被験試料中の複数の標的分析物を検出及び定量する方法を提供する。図1に示す通り、本明細書で開示される方法は、同じ検出混合物中の2つ以上の蛍光標識レポーターを有するアッセイデバイスの同時インキュベーションを提供する。本明細書で開示される方法は、各分析物を検出するのに、個別の反応容器ではなく、単一の反応容器を用いて、複数の分析物を検出することができる。例えば、対象の標的分析物が、同じ抗原(すなわち、hIgGのFc領域)に対する異なるクラスのヒト抗体(すなわち、hIgG、hIgA、及びhIgM)である場合、従来の方法を用いると、該標的抗体の各々を検出及び定量するには、個別のアッセイが必要とされる。従来の方法では、1つのアッセイを実施して、被験試料中に存在するhIgGの量を検出及び定量する。hIgMの量を検出及び定量するには第2のアッセイを実施しなければならず、hIgGの量を検出及び定量するには第3のアッセイを実施しなければならない。これに対し、本発明の方法は、複数の検出ステップを必要とせず、これにより、費用を削減し、時間を短縮する。本発明の方法を用いると、被験試料中に含有される標的のhIgG分子、hIgA分子、及びIgM分子を、アッセイデバイス内の単一の捕捉スポットに結合させることができる。開示される方法では、hIgG標的、hIgM標的、及びhIgA標的の各々に対する蛍光標識抗体のカクテルを用いることにより、単一の試験において異なるクラスの抗体を検出することができる。抗体を、光学的に励起されて発光する異なる蛍光プローブにより標識するため、適切な検量物質を用いて、単一の捕捉スポットに結合した標的の各々を検出及び定量することができる。マルチチャネルの検出器を用いることにより、単一のアッセイにおいて、複数の分析物を、実質的に同時に検出することが可能となる。
【0030】
本明細書で開示される方法では、イムノアッセイを実施するのに有用なアッセイデバイスを用いる。該アッセイデバイスは、2又は3次元の平面状アレイフォーマットのマイクロアレイでありうる。
【0031】
一実施形態では、該方法が、各ウェルの内部にマイクロアレイがプリントされているマルチウェルプレートを用いる。各被験試料について所望される複数の標的分析物をアッセイするための反応容器として、単一のウェルを用いる。
【0032】
マイクロアレイは、各標的分析物の検量マトリックスと分析物捕捉マトリックスとを含む。
【0033】
本明細書で用いられる「検量マトリックス」という用語は、各スポットが所定量の検量標準を含む、スポットのサブアレイを指す。本明細書で用いられる「所定量」という用語は、検量標準を含むスポッティングバッファーの既知濃度と、反応容器表面上にプリントされたスポッティングバッファーの既知分量とに基づいて計算される、検量標準の量を指す。
【0034】
検量標準の選択は、標的分析物の性質に依存する。検量標準は、標的分析物自体であってもよい。このような実施形態では、マイクロアレイが、各標的分析物に個別の検量標準を含む。代替として、マイクロアレイは、標的分析物の各々を含有する検量スポットを有する単一の検量マトリックスを含みうる。
【0035】
代替的な実施形態では、検量標準が、サロゲート化合物である。例えば、標的分析物が抗体である場合、サロゲート化合物は、別の異なる抗体であるが、同じクラスの免疫グロブリンでありうる。例えば、図1は、2つの異なる抗原に選択的に結合する6つの異なる抗体を捕捉するのに有用なアッセイデバイスを示す。このような実施形態では、3つの異なるクラスの免疫グロブリンの各々に必要とされうる検量マトリックスは1つだけである。
【0036】
検量マトリックスは、マイクロアレイを読み取るのに用いられる検出システムのダイナミックレンジ内に収まる所定量の検量標準の、直線的に比例する希釈系列の形態で、個々の反応容器の底面上にプリントすることができる。
【0037】
本明細書で用いられる「分析物捕捉マトリックス」という用語は、標的分析物に選択的に結合する作用物質を含むスポットのサブアレイを指す。標的分析物がタンパク質である場合、作用物質は、分析物特異的な抗体又はその断片でありうる。逆に、標的分析物が抗体である場合、作用物質は、抗体が特異的に結合する抗原でありうる。例えば、図1は、2つの異なる抗原に選択的に結合する6つの異なる抗体を捕捉するのに有用なアッセイデバイスを示す。
【0038】
所定分量の被験試料を、アッセイデバイスに適用する。標的分析物の各々は、それらに特異的な捕捉スポットに結合する。したがって、単一の捕捉スポットには、複数の標的分析物が結合しうる。標的分析物の各々を検出するには、標的分析物に特異的に結合する蛍光標識抗体を用いる。各抗体を、特定の励起波長及び発光波長を有する固有の蛍光色素に連結し、所望のストークスシフトと、励起係数及び発光係数とを得る。標識された抗体の各々が、互いに重複しない発光スペクトル及び励起スペクトルを有する、異なる蛍光色素を含むように、それらの各励起スペクトル及び発光スペクトルに基づいて蛍光色素を選択する。蛍光標識抗体は、カクテル形態において、単一のステップでアッセイデバイスに適用することができる。
【0039】
次いで、アッセイデバイス内の各スポットについてシグナル強度値を測定する。光源及びフィルターなど、スキャナーの構成要素の組合せを用いて、蛍光シグナルを読み取ることができる。シグナル検出器を用いて、各波長が標的分析物に特異的な複数の波長により各スポットを画像化するように、一度に1つずつ光学チャネルを読み取ることができる。光学チャネルとは、特定の波長における励起に適合させた、励起光源と励起フィルターとの組合せである。発光フィルター及び発光検出器は、特定の蛍光色素について、単一の波長だけを通す。あるセットの検出器に用いられる光学チャネルは、それらが互いに干渉しないように、すなわち、1つのチャネルによる励起が目的の色素だけを励起し、他の色素は励起しないように選択する。代替として、マルチチャネル検出器を用いて、異なる形で標識された抗体の各々を検出することができる。示差的な蛍光標識を用いることにより、単一の捕捉スポットに結合した複数の標的分析物を実質的に同時に検出することが可能となる。
【0040】
測定されるシグナルの強度は、プリントされた検量スポット内に含有される物質量と、プリントされた分析物捕捉スポットに結合した被験試料に由来する分析物の量とに直接的に比例する。各検量化合物について、検量化合物の既知の濃度に対する、測定されたシグナル強度値に曲線を適合させることにより、検量線を作成する。次いで、適切な検量線を用い、該検量線上の標的分析物について、測定されたシグナル強度をプロットすることにより、被験試料中の各標的分析物の濃度を決定する。
【0041】
診断又は予後診断を目的として、本明細書で開示される方法を用いて、生体試料中の複数の臨床的に意義のあるバイオマーカーを検出及び定量することができる。疾患に関連するバイオマーカーについて測定された濃度を、そのバイオマーカーについて確立された指標正常レベルと比較することができる。測定された濃度レベルが、指標正常レベルを超える場合は、疾患であると診断されると同定することができる。本明細書で開示される方法はまた、疾患の進行をモニタリングし、且つまた、疾患に対する治療効果をモニタリングするのにも用いることができる。治療期間中複数回にわたり、開示される方法を用いて、臨床的に意義のあるバイオマーカーレベルを定量することができる。バイオマーカーレベルの低下傾向は、治療に対して肯定的な患者応答と相関しうる。
【0042】
本明細書で開示される方法を用いて、関節リウマチのための診断用バイオマーカーを検出及び定量することができる。一実施形態では、該方法は、マイクロアレイをプリントしたアッセイデバイスの提供を含む。マイクロアレイは、i)各スポットが所定量のヒトIgA抗体、ヒトIgG抗体、及びヒトIgM抗体のうちの1つを含む、複数のスポットを含む検量マトリックスと;ii)所定量のリウマチ因子を含む、複数のスポットを含む第1の分析物捕捉マトリックスと;iii)所定量の環状シトルリン化ペプチドを含む、複数のスポットを含む第2の分析物捕捉マトリックスとを含みうる。所定分量の生体試料、好ましくは血清試料をアッセイデバイスに適用する。次いで、IgA抗体に選択的に結合する第1の蛍光標識レポーター化合物と、IgG抗体に選択的に結合する第2の蛍光標識レポーター化合物と、IgM抗体に選択的に結合する第3の蛍光標識レポーター化合物とを含むカクテルを、アッセイデバイスに適用する。第1、第2、及び第3の蛍光標識抗体は、該抗体の各々が、互いに重複しない発光スペクトル及び励起スペクトルを有する、異なる蛍光色素を含むように選択する。次いで、上記で論じた単一チャネル検出器又はマルチチャネル検出器を用いて、アッセイデバイス内の各スポットについてシグナル強度値を測定する。次いで、測定されたシグナル強度値を用いて、ヒトIgA抗体、ヒトIgG抗体、及びヒトIgM抗体の既知の濃度に対する、検量スポットの各々について測定されたシグナル強度値に曲線を適合させることにより、検量線を作成する。検量線を用いて、捕捉されたリウマチ因子−IgA、リウマチ因子−IgG、リウマチ因子−IgM、抗環状シトルリン化ペプチド−IgG、抗環状シトルリン化ペプチド−IgA、及び/又は抗環状シトルリン化ペプチド−IgMの各々の濃度を決定する。
【0043】
特定の実施形態では、本明細書で開示される方法を用いて、自己免疫疾患の進行を診断又はモニタリングすることができる。例えば、関節リウマチの場合、優勢なリウマチ因子−IgM及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgM抗体の検出及び定量化が、関節リウマチの初期段階であると診断されるのに対し、リウマチ因子−IgA及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgA抗体の検出及び定量化は、関節リウマチの移行段階であると診断され、リウマチ因子−IgG及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgG抗体の検出及び定量化は、関節リウマチの後期段階であると診断される。他の実施形態では、本明細書で開示される方法を用いて、関節リウマチを患う対象における治療の進行をモニタリングすることができる。例えば、治療期間中複数回にわたり、リウマチ因子−IgA、リウマチ因子−IgG、リウマチ因子−IgM、並びに抗環状シトルリン化ペプチド−IgG、抗環状シトルリン化ペプチド−IgA、及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgMのうちの少なくとも1つの濃度レベルを測定することができる。
【実施例】
【0044】
(例1)
血清試料中の3つの異なる標的抗体の検出及び定量化
エポキシシラン基質表面を創出するように前処理された16ウェルのスライド上の同じ試料ウェル内に、ヒトIgM、ヒトIgG、ヒトIgAの各々4つの濃度をプリントする。タンパク質をプリントしたスライドを、アイシングラスと共に一晩にわたりインキュベートし、ウェル内の反応しなかったエポキシシラン結合部位を保護する。
【0045】
アッセイを実施するため、血清試料を、アイシングラスを含有する緩衝液中1対9〜1対200に希釈した。各試料は、1:9、1:30、1:100、1:300の4つの希釈率まで、2連で希釈した。2つの希釈試料(NS及びRF#3と名付ける;図2及び3を参照されたい)を、45分間にわたりインキュベートした。トリス緩衝生理食塩液中で、スライドを5回にわたり洗浄した。各々約1μg/mlの濃度の、FITCにコンジュゲートさせたヤギ抗ヒト抗体、DY652にコンジュゲートさせた2つのマウス抗ヒトIgA抗体(ドイツ、Dyomics社製)、及びCy3色素にコンジュゲートさせたマウス抗ヒトIgG抗体のカクテルを、スライドのすべてのウェルに添加した。
【0046】
45分間にわたり試薬をインキュベートした後、5回にわたり洗浄した。最後にスライドを遠心脱水して、励起波長及び発光波長の3つの組合せについて蛍光発光強度を読み取るために、蛍光画像スキャナーで読み取った。結果として得られる画像を解析して、各分析物の濃度を求めた。
【0047】
IgA RFの検出を図2に示すが、これは、捕捉されたIgAシグナルについての蛍光シグナルの平均を、IgM検量物質についての検量物質シグナル平均により除して、結果として得られる比率を、試料/希釈率に対してプロットする図である。左側の8つのバーは、スライドの左側の8つのウェルを示し、右側の8つのバーは、16ウェルスライドの右側の8つのウェルを示す。
【0048】
IgM RFの検出を図3に示すが、これは、捕捉されたIgMシグナルについての蛍光シグナルの平均を、IgM検量物質についての検量物質シグナル平均により除して、結果として得られる比率を、試料/希釈率に対してプロットする図である。左側の8つのバーは、スライドの左側の8つのウェルを示し、右側の8つのバーは、16ウェルスライドの右側の8つのウェルを示す。
【0049】
図2及び3にみられる通り、検量物質シグナルと比較した場合の、IgAシグナルの比率(図2)及びIgMシグナルの比率(図3)は、1対9〜1対200の被験試料の希釈率に比例して低下した。これらの結果は、複数の検出ステップを用いることなく、単一のアッセイにおいて示差的な蛍光標識抗体を用いる、IgA及びIgMの検出及び定量化を実証する。加えて、スライドの左側及び右側の列から、対応する2連間の結果の一致が確認された。
【0050】
図4は、IgA捕捉スポット、IgM捕捉スポット、及びIgG捕捉スポットの各々について、それぞれの複合シグナルの強度を示す。これらの結果は、捕捉レベル及び検出レベルの両方において、多重化を実証する。
【0051】
例示を目的として、本発明の各種の実施形態をこのように詳細に説明してきたが、本発明から逸脱することなく、変更及び改変を行いうることは、当業者に明らかであろう。本発明は、添付の特許請求の範囲内に入る、このようなすべての変更形態及び改変形態を包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験試料中の2つ以上の標的分析物を検出及び定量する方法であって、
a)その表面上にマイクロアレイがプリントされている反応容器を提供するステップであって、前記マイクロアレイが、
i)各検量スポットが所定量の第1の標的分析物を含む、複数の第1の検量スポットを含む第1の検量マトリックスと、
ii)各検量スポットが所定量の第2の標的分析物を含む、複数の第2の検量スポットを含む第2の検量マトリックスと、
iii)各捕捉スポットが、第1の標的分析物に選択的に結合する所定量の作用物質を含む、複数の第1の捕捉スポットを含む第1の捕捉マトリックスと、
iv)各捕捉スポットが、第2の標的分析物に選択的に結合する所定量の作用物質を含む、複数の第2の捕捉スポットを含む第2の捕捉マトリックスと
を含む上記ステップと;
b)所定分量の被験試料をマイクロアレイに適用するステップと;
c)第1の標的分析物に選択的に結合する第1の蛍光標識抗体と、第2の標的分析物に選択的に結合する第2の蛍光標識抗体とをアッセイデバイスに適用するステップであって、前記第1及び第2の蛍光標識抗体の各々が、互いに重複しない発光スペクトル及び励起スペクトルを有する、異なる蛍光色素を含む上記ステップと;
d)マイクロアレイ内の各スポットについてシグナル強度値を測定するステップと;
e)第1の標的分析物及び第2の標的分析物の既知の濃度に対する、検量スポットの各々について測定されたシグナル強度値に曲線を適合させることにより、検量線を作成するステップと;
f)作成された検量線を用いて、第1の標的分析物及び第2の標的分析物の濃度を決定するステップと
を含む上記方法。
【請求項2】
標的分析物がタンパク質である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タンパク質が抗体である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
反応容器がマルチウェルプレートのウェルであり、各ウェルの内部にマイクロアレイがプリントされている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
被験試料が生体試料である、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
関節リウマチを診断するためのバイオマーカーを検出及び定量する方法であって、
a)その表面上にマイクロアレイがプリントされているアッセイデバイスを提供するステップであって、前記マイクロアレイが、
i)各スポットが所定量のヒトIgA抗体、ヒトIgG抗体、及びヒトIgM抗体のうちの1つを含む、複数のスポットを含む検量マトリックスと、
ii)所定量のリウマチ因子を含む、複数のスポットを含む第1の分析物捕捉マトリックスと、
iii)所定量の環状シトルリン化ペプチドを含む、複数のスポットを含む第2の分析物捕捉マトリックスと
を含む上記ステップと;
b)所定分量の血清試料をアッセイデバイスに適用するステップと;
c)IgA抗体に選択的に結合する第1の蛍光標識抗体と、IgG抗体に選択的に結合する第2の蛍光標識抗体と、IgM抗体に選択的に結合する第3の蛍光標識抗体とをアッセイデバイスに適用するステップであって、前記第1、第2、及び第3の蛍光標識抗体の各々が、互いに重複しない発光スペクトル及び励起スペクトルを有する、異なる蛍光色素を含む上記ステップと;
d)アッセイデバイス内の各スポットについてシグナル強度値を測定するステップと;
e)ヒトIgA抗体、ヒトIgG抗体、及びヒトIgM抗体の既知の濃度に対する、検量スポットの各々について測定されたシグナル強度値に曲線を適合させることにより、検量線を作成するステップと;
f)検量線を用いて、捕捉されたリウマチ因子−IgA、リウマチ因子−IgG、リウマチ因子−IgM、抗環状シトルリン化ペプチド−IgG、抗環状シトルリン化ペプチド−IgA、及び/又は抗環状シトルリン化ペプチド−IgMの各々について濃度を決定するステップと
を含む上記方法。
【請求項7】
対象における関節リウマチを診断する方法であって、
a)請求項6に記載の方法を用いて、生体試料中のリウマチ因子−IgA、リウマチ因子−IgG、リウマチ因子−IgM、並びに抗環状シトルリン化ペプチド−IgG、抗環状シトルリン化ペプチド−IgA、及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgMのうちの少なくとも1つの濃度レベルを測定するステップと;
b)リウマチ因子−IgA、リウマチ因子−IgG、リウマチ因子−IgM、抗環状シトルリン化ペプチド−IgG、抗環状シトルリン化ペプチド−IgA、及び/又は抗環状シトルリン化ペプチド−IgMの測定された濃度レベルを、リウマチ因子−IgA、リウマチ因子−IgG、リウマチ因子−IgM、並びに抗環状シトルリン化ペプチド−IgG、抗環状シトルリン化ペプチド−IgA、及び/又は抗環状シトルリン化ペプチド−IgMの指標正常レベルと比較するステップであって、指標正常レベルを超える測定された濃度レベルが関節リウマチであると診断される上記ステップと
を含む上記方法。
【請求項8】
優勢なリウマチ因子−IgM及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgM抗体の検出及び定量化が、関節リウマチの初期段階であると診断される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
リウマチ因子−IgA及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgA抗体の検出及び定量化が、関節リウマチの移行段階であると診断される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
リウマチ因子−IgG及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgG抗体の検出及び定量化が、関節リウマチの後期段階であると診断される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
関節リウマチを患う対象における関節リウマチ治療をモニタリングする方法であって、治療期間中複数回にわたり、請求項6に記載の方法を用いて、リウマチ因子−IgA、リウマチ因子−IgG、リウマチ因子−IgM、並びに抗環状シトルリン化ペプチド−IgG、抗環状シトルリン化ペプチド−IgA、及び抗環状シトルリン化ペプチド−IgMのうちの少なくとも1つの濃度レベルを測定するステップを含む上記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−514184(P2012−514184A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542640(P2011−542640)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【国際出願番号】PCT/CA2009/001899
【国際公開番号】WO2010/075632
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(511078875)エスキューアイ ディアグノスティクス システムズ インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】