説明

多重搬送波システムにおけるパワーヘッドルーム情報の送信装置及び方法

【課題】多重搬送波システムにおける端末によるパワーヘッドルーム(power headroom;PH)の送信方法を提供する。
【解決手段】前記方法は、基地局から電力決定情報を受信する段階;前記電力決定情報及び端末特定的パラメータを用いて複数のサービングセルに対する複数の最大送信電力値を決定する段階;前記複数の最大送信電力値に基づいて複数のパワーヘッドルームを決定する段階;及び、前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームを前記基地局に送信する段階;を含む。本発明によると、基地局に正確な最大送信電力及びパワーヘッドルーム情報を提供することによって、信頼性のある搬送波集成スケジューリングを誘導してアップリンク送信性能を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関し、より詳しくは、多重搬送波システムにおけるパワーヘッドルーム情報の送信装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、一般的にデータ送信のために一つの帯域幅を用いる。例えば、2世代無線通信システムは、200KHz〜1.25MHzの帯域幅を使用し、3世帯無線通信システムは、5MHz〜10MHzの帯域幅を使用する。増加する送信容量をサポートするために、最近の3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(Long Term Evolution)またはIEEE802.16mは、20MHzまたはその以上までその帯域幅を拡張し続けている。送信容量を高めるために帯域幅を増やすことは必須的であるが、要求されるサービスの水準が低い場合にも大きい帯域幅をサポートすることは大きな電力消耗を引き起こす恐れがある。
【0003】
従って、一つの帯域幅と中心周波数を有する搬送波を定義し、複数の搬送波を介して広帯域にデータが送信及び/または受信可能にする多重要素搬送波システム(Multiple Component Carrier system;以下、便宜上、多重搬送波システムという)が登場する。一つまたはその以上の搬送波を使用することによって狭帯域と広帯域を同時にサポートするものである。例えば、一つの搬送波が5MHzの帯域幅に対応される場合、4個の搬送波を使用することによって最大20MHzの帯域幅をサポートする。このように複数の搬送波をサポートする多重搬送波システムで各搬送波を要素搬送波(component carrier;CC)という。
【0004】
一方、基地局が端末を効率的にスケジューリングするための一つの方法として、端末のパワーヘッドルーム(Power headroom;PH)情報を用いることがある。パワーヘッドルームとは、端末に設定された最大送信電力と端末が推定した送信電力との差、即ち、端末の電力余裕分を意味する。パワーヘッドルーム情報(power headroom information;PHI)は、無線通信でアップリンクリソースを効率的に割り当て、端末のバッテリ消耗を減らすための必須情報である。端末がパワーヘッドルーム情報を基地局に提供すると、基地局は、端末が支えることができるアップリンク最大送信電力(Maximum Transmission Power)がどのくらいであるかを推定することができる。従って、基地局は、前記推定されたアップリンク最大送信電力の限度を外れない範囲内でアップリンクスケジューリングをすることができる。端末がパワーヘッドルーム情報を基地局に送信することをパワーヘッドルーム報告(power headroom reporting;PHR)という。
【0005】
然しながら、従来のパワーヘッドルーム報告は、多重搬送波システムの場合、各搬送波別パワーヘッドルームのみを提供するため、パワーヘッドルームを算定する基準となる端末の最大送信電力値を基地局が正確に知ることができない。従って、基地局のアップリンクスケジューリングに不明確な部分があり、特に多重要素搬送波システムのように各要素搬送波のパワーヘッドルームが個別的、総合的に考慮されなければならないシステムではパワーヘッドルーム情報によるアップリンク送信電力スケジューリングに問題が発生することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題は、多重搬送波システムにおけるパワーヘッドルーム情報の送信装置及び送信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面による、多重搬送波システムにおける端末によるパワーヘッドルーム(power headroom;PH)の送信方法は、基地局から電力決定情報を受信する段階;前記電力決定情報及び端末特定的パラメータを用いて複数のサービングセル(serving cell)に対する複数の最大送信電力値を決定する段階;前記複数の最大送信電力値に基づいて複数のパワーヘッドルームを決定する段階;及び、前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームを前記基地局に送信する段階;を含む。
【0008】
前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームの各々は、前記複数のサービングセルの各々に対して決定されて送信される。
【0009】
前記電力決定情報は、前記端末に許容された最大出力電力を知らせる情報(PEMAX)を含み、前記複数のサービングセルの各々に対するパワーヘッドルームは、前記複数のサービングセルの各々に対する最大送信電力値(PCMAX,c)に基づいて決定される。
【0010】
前記端末特定的パラメータは、前記端末の最大出力電力に対して許容された最大電力減少値(maximum power reduction;MPR)を含み、前記最大電力減少値は、前記端末の変調方式及び送信帯域設定によって決定される。
【0011】
前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームは、MAC(media access control)PDU(protocol data unit)を介して送信される。
【0012】
前記方法は、前記基地局から前記端末のためのアップリンクスケジューリング割当情報を含むアップリンクグラント(uplink grant)を受信する段階をさらに含み、前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームは、前記アップリンクグラントで指示する無線リソースを介して送信される。
【0013】
前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームは、前記複数のサービングセルのうちいずれのサービングセルに対するものであるかを示す搬送波指示フィールド(carrier indication field;CIF)を含む。
【0014】
前記複数の最大送信電力値は、前記電力決定情報のみで決定された電力値と前記電力決定情報及び前記端末特定的パラメータを用いて決定された電力値との間の差値に送信される。
【0015】
前記複数のサービングセルに複数のアップリンクサービングセルが含まれる場合、前記端末が前記複数のアップリンクサービングセルの各々に対する最大送信電力値及びパワーヘッドルームを決定する段階;及び、前記決定されたパワーヘッドルームのうち最大値または最小値を有するアップリンクサービングセルに対する最大送信電力値及びパワーヘッドルームを送信する段階;をさらに含む。
【0016】
前記最大値または最小値を有するアップリンクサービングセルに対する最大送信電力値及びパワーヘッドルームは、前記複数のアップリンクサービングセルのうちいずれか一つのアップリンクサービングセルに対する最大送信電力値及びパワーヘッドルームが送信される時に多重化されて共に送信される。
【0017】
前記最大値または最小値を有するアップリンクサービングセルに対する最大送信電力値及びパワーヘッドルームは、前記複数のアップリンクサービングセルのうちいずれか一つのアップリンクサービングセルに対する最大送信電力値及びパワーヘッドルームが送信されるサブフレームと異なるサブフレームで送信される。
【0018】
前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームが送信されるサブフレームで、前記複数のサービングセルのうち最も大きいパワーヘッドルームを有するサービングセルを介して前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームが送信される。
【0019】
前記電力決定情報は、RRC信号を介して受信される。
【0020】
前記方法は、周期的PHRタイマを開始する段階;及び、前記周期的PHRタイマが満了される場合、前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームを前記基地局に送信する段階;をさらに含む。
【0021】
前記方法は、PHR禁止タイマを開始する段階;及び、前記PHR禁止タイマが満了され、前記複数のサービングセルのうち少なくとも一つの活性化されたサービングセルで測定したパスロスが、設定されたパスロス変化量より変化する場合、前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームを前記基地局に送信する段階;をさらに含む。
【0022】
本発明の他の側面による端末は、無線信号を送受信するRF部;及び、前記RF部に連結されるプロセッサ;を含み、前記プロセッサは、基地局から電力決定情報を受信し、前記電力決定情報及び端末特定的パラメータを用いて複数のサービングセルに対する複数の最大送信電力値を決定し、前記複数の最大送信電力値に基づいて複数のパワーヘッドルームを決定し、前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームを前記基地局に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、基地局は、端末に割り当てられた各要素搬送波に対して、正確な最大送信電力値及びパワーヘッドルーム情報を獲得することができる。従って、各要素搬送波に対してより効率的な送信電力制御を実行することができる。端末立場では、各要素搬送波に対する最大送信電力値及びパワーヘッドルーム情報を基地局に提供することによって、信頼性のある搬送波集成スケジューリングを誘導してアップリンク送信性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明が実施されることができる無線通信システムの一例を示す。
【図2】3GPP LTEにおける無線フレーム(radio frame)の構造を示す。
【図3】一つのダウンリンクスロットに対するリソースグリッド(resource grid)の一例を示す。
【図4】ダウンリンクサブフレームの構造を示す。
【図5】アップリンクサブフレームの構造を示す。
【図6】単一搬送波システムと多重搬送波システムの比較例である。
【図7】パワーヘッドルームを示す。
【図8】本発明によるパワーヘッドルーム送信方法の例を示す。
【図9】要素搬送波別にシグナリングしてPHRを要素搬送波別に各々設定する方法を示す。
【図10】一つのシグナリングを介して全ての要素搬送波に対してPHRを設定する方法を示す。
【図11】全てのUL CCに交差搬送波PHRを許容する場合を示す。
【図12】特定UL CCにのみ交差搬送波PHRを許容する場合を示す。
【図13】一つのUL CCに対してPHIを送信する時点に複数のUL CCでPUSCHが送信される場合を示す。
【図14】追加的なPHRを含むPHR方法を示す。
【図15】基地局及び端末を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような多様な無線通信システムに使われることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)で具現されることができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM(登録商標) Evolution)のような無線技術で具現されることができる。OFDMAは、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802−20、E−UTRA(EvolvedUTRA)などのような無線技術で具現されることができる。IEEE802.16mは、IEEE802.16eの進化であり、IEEE802.16eに基づくシステムとの後方互換性(backward compatibility)を提供する。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(Long Term Evolution)は、E−UTRA(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access)を使用するE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、ダウンリンクでOFDMAを採用し、アップリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は3GPP LTEの進化である。
【0026】
以下、説明を明確にするために、LTE−Aシステムに適用される状況を仮定して記述するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。
【0027】
図1は、本発明が実施されることができる無線通信システムの一例を示す。
【0028】
無線通信システム10は、少なくとも一つの基地局(Base Station;BS)11を含む。各基地局11は、特定の地理的領域15a、15b、15cに対して通信サービスを提供する。また、特定の地理的領域は複数の領域(セクターという)に分けられる。端末(User Equipment;UE)12は、固定されたり移動性を有することができ、MS(Mobile Station)、MT(Mobile Terminal)、UT(User Terminal)、SS(Subscriber Station)、無線機器(wireless device)、PDA(Personal Digital Assistant)、無線モデム(wireless modem)、携帯機器(handheld device)等、他の用語で呼ばれることができる。基地局11は、一般的に端末12と通信する固定局(fixed station)を意味し、eNB(evolved−NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント(Access Point)等、他の用語で呼ばれることができる。
【0029】
端末は、通常的に一つのセルに属し、端末が属するセルをサービングセル(serving cell)という。ここで、セル(cell)は、ダウンリンク周波数リソースとアップリンク周波数リソースを意味する。サービングセルを介して通信サービスを提供する基地局をサービング基地局(serving BS)という。サービング基地局は一つまたは複数のサービングセルを提供することができる。
【0030】
一般的に、ダウンリンクは基地局11から端末12への通信を意味し、アップリンクは端末12から基地局11への通信を意味する。
【0031】
端末12と基地局11との間の無線インターフェースプロトコル(radio interface protocol)の階層は、通信システムで広く知られた開放型システム間相互接続(Open System Interconnection;OSI)モデルの下位3個階層に基づいてL1(第1の階層)、L2(第2の階層)、L3(第3の階層)に区分されることができる。
【0032】
第1の階層である物理階層(Physical Layer)は、上位にある媒体連結制御(Medium Access Control;MAC)階層とは伝送チャネル(transpor tchannel)を介して連結されており、この伝送チャネルを介してMACと物理階層との間のデータが移動する。また、互いに異なる物理階層間、即ち、送信側と受信側の物理階層間は物理チャネル(Physical Channel)を介してデータが移動する。
【0033】
第2の階層である無線データリンク階層は、MAC階層、RLC階層、PDCP階層で構成される。MAC階層は論理チャネルと伝送チャネルとの間のマッピングを担当する階層であり、RLC階層で伝達されたデータを送信するために適切な伝送チャネルを選択し、必要な制御情報をMAC PDU(Protocol data unit)のヘッダ(header)に追加する。
【0034】
RLC階層は、MACの上位に位置してデータの信頼性のある送信をサポートする。また、RLC階層は無線区間に適した適切な大きさのデータを構成するために上位階層から伝達されたRLC SDU(Service Data Unit)を分割(Segmentation)して連結(Concatenation)する。受信機のRLC階層は、受信したRLC PDUから元RLC SDUを復旧するためにデータの再結合(Reassemble)機能をサポートする。
【0035】
PDCP階層は、パケット交換領域でのみ使われ、無線チャネルでパケットデータの送信効率を高めることができるようにIPパケットのヘッダを圧縮して送信することができる。
【0036】
第3の階層であるRRC階層は、下位階層を制御する役割と共に、端末とネットワークとの間で無線リソース制御情報を交換する。端末の通信状態によって、アイドルモード(Idle Mode)、RRC連結モード(Connected Mode)等、多様なRRC状態が定義され、必要によってRRC状態間転移が可能である。RRC階層では、システム情報放送、RRC接続管理手順、多重要素搬送波設定手順、無線ベアラ(Radio Bearer)制御手順、セキュリティ手順、測定手順、移動性管理手順(ハンドオーバ)等、無線リソース管理と関連した多様な手順が定義される。
【0037】
無線通信システムは、MIMO(Multiple−In Multiple−Out)システム、MISO(Multiple Input Single Output)システム、SISO(single input single output)システム、及びSIMO(single input multiple output)システムのうちいずれか一つである。MIMOシステムは、複数の送信アンテナ(transmit antenna)と複数の受信アンテナ(receive antenna)を使用する。MISOシステムは複数の送信アンテナと一つの受信アンテナを使用する。SISOシステムは一つの送信アンテナと一つの受信アンテナを使用する。SIMOシステムは一つの送信アンテナと複数の受信アンテナを使用する。
【0038】
送信アンテナは、一つの信号またはストリームの送信に使われる物理的または論理的アンテナを意味し、受信アンテナは、一つの信号またはストリームの受信に使われる物理的または論理的アンテナを意味する。図2は、3GPP LTEにおける無線フレーム(radio frame)の構造を示す。
【0039】
図2を参照すると、無線フレームは10個のサブフレーム(subframe)で構成され、一つのサブフレームは2個のスロット(slot)で構成される。無線フレーム内のスロットは#0から#19までのスロット番号が付けられる。一つのサブフレームの送信にかかる時間をTTI(Transmission Time Interval)という。TTIはデータ送信のためのスケジューリング単位を意味する。例えば、一つの無線フレームの長さは10msであり、一つのサブフレームの長さは1msであり、一つのスロットの長さは0.5msである。
【0040】
一つのスロットは、時間領域(time domain)で複数のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルを含み、周波数領域で複数の副搬送波を含む。OFDMシンボルは、一つのシンボル区間(symbol period)を表現するためのものである。OFDMシンボルは、他の名称で呼ばれることができる。例えば、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)シンボル、またはアップリンク多重接続方式にSC−FDMA(single carrier−frequency division multiple access)が使われる場合、SC−FDMAシンボルということができる。3GPP LTEは、ノーマル(normal)サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix;CP)で一つのスロットは7個のOFDMシンボルを含み、拡張(extended)CPで一つのスロットは6個のOFDMシンボルを含むと定義している。
【0041】
前記無線フレームの構造は一例に過ぎない。従って、無線フレームに含まれるサブフレームの個数やサブフレームに含まれるスロットの個数、またはスロットに含まれるOFDMシンボルの個数は多様に変更されることができる。
【0042】
図3は、一つのダウンリンクスロットに対するリソースグリッド(resource grid)の一例を示す。
【0043】
ダウンリンクスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域でNRB個のリソースブロック(RB;Resource Block)を含む。リソースブロックは、リソース割当単位に、時間領域で一つのスロット、周波数領域で複数の連続する副搬送波を含む。
【0044】
ダウンリンクスロットに含まれるリソースブロックの数NRBはセルで設定されるダウンリンク送信帯域幅(bandwidth)に従属する。例えば、LTEシステムにおけるNRBは60乃至110うちいずれか一つである。アップリンクスロットの構造も前記ダウンリンクスロットの構造と同一であってもよい。
【0045】
リソースグリッド上の各要素(element)をリソース要素(resource element;RE)という。リソースグリッド上のリソース要素はスロット内のインデックス対(pair)(k,l)により識別されることができる。ここで、k(k=0,..., NRB×12−1)は周波数領域内の副搬送波インデックスであり、l(l=0,...,6)は時間領域内のOFDMシンボルインデックスである。
【0046】
一つのリソースブロックは、時間領域で7OFDMシンボル、周波数領域で12副搬送波で構成され、7×12リソース要素を含むことを例示的に記述するが、リソースブロック内のOFDMシンボルの数と副搬送波の数はこれに制限されるものではない。OFDMシンボルの数と副搬送波の数は、CPの長さ、周波数間隔(frequency spacing)などによって多様に変更されることができる。例えば、ノーマルCPの場合、OFDMシンボルの数は7であり、拡張されたCPの場合、OFDMシンボルの数は6である。一つのOFDMシンボルで副搬送波の数は、128、256、512、1024、1536、及び2048のうち一つを選定して使用することができる。
【0047】
図4は、ダウンリンクサブフレームの構造を示す。
【0048】
ダウンリンクサブフレームは時間領域で2個のスロットを含み、各スロットはノーマルCPで7個のOFDMシンボルを含む。サブフレーム内の第1のスロットの前方部の最大3OFDMシンボル(1.4Mhz帯域幅に対しては最大4OFDMシンボル)は制御チャネルが割り当てられる制御領域(control region)であり、残りのOFDMシンボルはPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)が割り当てられるデータ領域である。PDSCHは、基地局が端末にデータを送信するチャネルを意味する。
【0049】
制御領域には、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)などが送信されることができる。PCFICHは、端末にPDCCHの形式、即ち、PDCCHを構成するOFDMシンボルの数を指示する形式指示子を送信する物理チャネルであり、サブフレーム毎に含まれる。形式指示子は、制御フォーマット指示子(Control Format Indicator;CFI)と呼ばれることもできる。
【0050】
PHICHは、アップリンク送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を運ぶ。
【0051】
PDCCHは、DL−SCH(Downlink−Shared Channel)のリソース割当(これをダウンリンクグラント(downlink grant;DL grant)とも呼ぶ)及び送信フォーマット、UL−SCH(Uplink Shared Channel)のリソース割当情報(これをアップリンクグラント(uplink grant;UL grant)とも呼ぶ)PCH(paging channel)上のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上に送信されるランダムアクセス応答のような上位階層制御メッセージのリソース割当、任意のUEグループ内の個別UEに対する送信パワー制御(transmission power control;TPC)命令の集合及びVoIP(Voice over Internet Protocol)の活性化などを運ぶことができる。前述のようなPDCCHを介して送信される制御情報をダウンリンク制御情報(downlink control information;DCI)という。
【0052】
図5は、アップリンクサブフレームの構造を示す。
【0053】
図5を参照すると、アップリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域に分けられる。前記制御領域は、アップリンク制御情報が送信されるためのPUCCH(Physical Uplink Control Channel)が割り当てられる。前記データ領域は、データ(場合によって制御情報も共に送信されることができる)が送信されるためのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)が割り当てられる。
【0054】
一つの端末に対するPUCCHはサブフレームでリソースブロック対(RB pair)で割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、第1のスロットと第2のスロットの各々で互いに異なる副搬送波を占める。PUCCHに割り当てられるリソースブロック対に属するリソースブロックが占める周波数は、スロット境界(slot boundary)を基準に変更される。これをPUCCHに割り当てられるRB対がスロット境界で周波数がホッピング(frequency−Hopped)されたという。端末がアップリンク制御情報を時間によって互いに異なる副搬送波を介して送信することによって、周波数ダイバーシティ利得を得ることができる。
【0055】
PUCCH上に送信されるアップリンク制御情報には、HARQ(Hybrid Automatic Repeatre Quest)ACK(Acknowledgement)/NACK(Non−acknowledgement)、ダウンリンクチャネル状態を示すCQI(Channel Quality Indicator)、アップリンク無線リソース割当要求であるSR(Scheduling Request)などがある。
【0056】
PUSCHは、伝送チャネル(transport channel)であるUL−SCH(Uplink Shared Channel)にマッピングされる。PUSCH上に送信されるアップリンクデータは、TTIの間に送信されるUL−SCHのためのデータブロックである伝送ブロック(transport block)である。前記伝送ブロックはユーザデータを含むことができる。または、アップリンクデータは多重化された(multiplexed)データである。多重化されたデータは、UL−SCHのための伝送ブロックと制御情報が多重化されたものである。例えば、データに多重化される制御情報には、CQI、PMI(Precoding Matrix Indicator)、HARQ、RI(Rank Indicator)などがある。または、アップリンクデータは制御情報のみで構成されることができる。
【0057】
一方、3GPP LTE−Aシステムは、多重要素搬送波システム(以下、多重搬送波システムという)をサポートすることができる。多重搬送波システムは、無線通信システムが広帯域をサポートしようとする時、目標にする広帯域より小さい帯域幅を有する1個以上の搬送波を集めて広帯域を構成するシステムを意味する。小さい帯域幅を有する複数の搬送波を集めて広帯域を構成することを搬送波集成(carrier aggregation;CA)という。
【0058】
図6は、単一搬送波システムと多重搬送波システムの比較例である。
【0059】
図6を参照すると、単一搬送波システムではアップリンクとダウンリンクに一つの搬送波のみを端末にサポートする。搬送波の帯域幅は多様であるが、端末に割り当てられる搬送波は一つである。反面、多重搬送波システムでは端末に複数の要素搬送波(DL CC A乃至C、UL CC A乃至C)が割り当てられることができる。例えば、端末に60MHzの帯域幅を割り当てるために3個の20MHzの要素搬送波が割り当てられることができる。
【0060】
多重搬送波システムは、各搬送波が連続した連続(contiguous)搬送波集成システムと各搬送波が互いに離れている不連続(non−contiguous)搬送波集成システムとに区分されることができる。以下、単に多重搬送波システムまたは搬送波集成システムとする時、これは要素搬送波が連続する場合及び不連続する場合の両方ともを含むと分からなければならない。
【0061】
連続搬送波集成システムで各要素搬送波間にガードバンド(guard band)が存在することができる。1個以上の要素搬送波を集める時、対象となる要素搬送波は、既存システムとの後方互換性(backward compatibility)のために既存システムで使用する帯域幅をそのまま使用することができる。例えば、3GPP LTEシステムでは、1.4MHz、3MHz、5MHz、10MHz、15MHz、及び20MHzの帯域幅をサポートし、3GPP LTE−Aシステムでは、前記3GPP LTEシステムの帯域幅のみを用いて20MHz以上の広帯域を構成することができる。または、既存システムの帯域幅をそのまま使用せずに新しい帯域幅を定義して広帯域を構成することもできる。
【0062】
以下、発明を明確にするために用語を定義する。
【0063】
無線通信システムのシステム周波数帯域は、複数の搬送波周波数(Carrier−frequency)に区分される。ここで、搬送波周波数は、セルの中心周波数(Center frequency of a cell)を意味する。以下、セル(cell)は、ダウンリンク周波数リソースとアップリンク周波数リソースを意味する場合もあり、または、ダウンリンク周波数リソースと選択的な(optional)アップリンク周波数リソースとの組合せ(combination)を意味する場合もある。また、一般的に搬送波集成(CA)を考慮しない場合、一つのセル(cell)はアップリンク及びダウンリンク周波数リソースが常に対に存在することができる。
【0064】
特定セルを介してパケットデータの送受信が行われるためには、端末は、まず、特定セルに対して設定(configuration)を完了しなければならない。ここで、設定(configuration)とは、該当セルに対するデータ送受信に必要なシステム情報受信を完了した状態を意味する。例えば、設定(configuration)は、データ送受信に必要な共通物理階層パラメータ、またはMAC階層パラメータ、またはRRC階層で特定動作に必要なパラメータを受信する全般の過程を含むことができる。設定完了したセルは、パケットデータが送信されることができるという情報のみ受信すると、直ちにパケットの送受信が可能になる状態である。
【0065】
設定完了状態のセルは、活性化(Activation)或いは非活性化(Deactivation)状態に存在することができる。ここで、活性化は、データの送信または受信が行なわれたり、準備状態(ready state)にあることを意味する。端末は自体に割り当てられたリソース(周波数、時間など)を確認するために、端末は、活性化されたセルの制御チャネル(PDCCH)及びデータチャネル(PDSCH)をモニタリング或いは受信することができる。
【0066】
非活性化は、トラフィックデータの送信または受信が不可であり、測定や最小情報の送信/受信が可能であることを意味する。端末は、非活性化セルからパケット受信のために必要なシステム情報(SI)を受信することができる。反面、端末は自体に割り当てられたリソース(周波数、時間など)を確認するために、端末は、非活性化されたセルの制御チャネル(PDCCH)及びデータチャネル(PDSCH)をモニタリング或いは受信しない。
【0067】
セルは、プライマリセル(primary cell)とセコンダリセル(secondary cell)、サービングセル(serving cell)などに区分されることができる。
【0068】
プライマリセルは、プライマリ周波数で動作するセルを意味し、端末が基地局との最初連結確立過程(initial connection establishment procedure)または連結再確立過程を実行するセル、またはハンドオーバ過程でプライマリセルと指示されたセルを意味する。
【0069】
セコンダリセルは、セコンダリ周波数で動作するセルを意味し、RRC連結が確立されれば設定され、追加的な無線リソースの提供に使われる。
【0070】
サービングセルは、CAが設定されなかったりCAを提供することができない端末である場合にはプライマリセルで構成される。CAが設定された場合にサービングセルという用語は、プライマリセル及び全てのセコンダリセルのうち一つまたは複数のセルで構成された集合を意味する。
【0071】
即ち、プライマリセルは、RRC連結(establishment)または再連結(re−establishment)状態であり、セキュリティ入力(security input)とNAS移動情報(mobility information)を提供する一つのサービングセルを意味する。端末の性能(capabilities)によって、少なくとも一つのセルがプライマリセルと共にサービングセル集合を形成するように構成されることができ、前記少なくとも一つのセルをセコンダリセルという。
【0072】
従って、一つの端末に対して設定されたサービングセルの集合は、一つのプライマリセルのみで構成されたり、または一つのプライマリセルと少なくとも一つのセコンダリセルで構成されることができる。
【0073】
プライマリセルに対応するダウンリンク要素搬送波をダウンリンク主要所搬送波(DownLink Primary Component Carrier;DL PCC)といい、プライマリセルに対応するアップリンク要素搬送波をアップリンク主要所搬送波(UL PCC)という。また、ダウンリンクで、セコンダリセルに対応する要素搬送波をダウンリンク副要素搬送波(DL Secondary CC;DL SCC)といい、アップリンクで、セコンダリセルに対応する要素搬送波をアップリンク副要素搬送波(UL SCC)という。
【0074】
PCCは、端末が複数のCC中に初期に基地局と接続(Connection或いはRRC Connection)が行われるようになるCCである。PCCは、複数のCCに関するシグナリングのための連結(Connection或いはRRC Connection)を担当し、端末と関連した連結情報である端末コンテクスト情報(UE Context)を管理する特別なCCである。また、PCCは、端末と接続が行われるようになり、RRC連結状態(RRC Connected Mode)の場合には常に活性化状態に存在する。
【0075】
SCCは、PCC以外に端末に割り当てられたCCであり、SCCは、端末がPCC以外に追加的なリソース割当などのために拡張された搬送波(Extended Carrier)であり、活性化或いは非活性化状態に分けられる。
【0076】
プライマリセルとセコンダリセルは次のような特徴を有する。
【0077】
第一、プライマリセルは、PUCCHの送信のために使われる。
【0078】
第二、プライマリセルは、常に活性化されている一方、セコンダリセルは、特定条件によって活性化/非活性化される搬送波である。
【0079】
第三、プライマリセルが無線リンク失敗(Radio Link Failure;以下、RLFという)を経験する時、RRC再連結がトリガリング(triggering)されるが、セコンダリセルがRLFを経験する時はRRC再連結がトリガリングされない。
【0080】
第四、プライマリセルは、セキュリティキー(security key)変更やRACH(Random Access CHannel)手順及びハンドオーバ手順によって変更されることができる。
【0081】
第五、NAS(non−access stratum)情報はプライマリセルを介して受信する。
【0082】
第六、プライマリセルは、常にDL PCCとUL PCCが対(pair)で構成される。
【0083】
第七、各端末毎に異なる要素搬送波(CC)がプライマリセルで設定されることができる。
【0084】
第八、プライマリセルの再設定(reconfiguration)、追加(adding)、及び除去(removal)のような手順はRRC階層により実行されることができる。新規セコンダリセルの追加において、転用(dedicated)セコンダリセルのシステム情報の送信にRRCシグナリングが使われることができる。
【0085】
ダウンリンク要素搬送波が一つのサービングセルを構成することもでき、ダウンリンク要素搬送波とアップリンク要素搬送波が連結設定されて一つのサービングセルを構成することができる。然しながら、一つのアップリンク要素搬送波のみではサービングセルが構成されない。
【0086】
要素搬送波の活性化/非活性化は、サービングセルの活性化/非活性化の概念と同等である。例えば、サービングセル1がDL CC1で構成されていると仮定する時、サービングセル1の活性化はDL CC1の活性化を意味する。もし、サービングセル2がDL CC2とUL CC2が連結設定されて構成されていると仮定する時、サービングセル2の活性化はDL CC2とUL CC2の活性化を意味する。このような意味で、各要素搬送波はセル(cell)に対応されることができる。
【0087】
ダウンリンクとアップリンクとの間に集成される要素搬送波の数は異に設定されることができる。ダウンリンクCC数とアップリンクCC数が同じ場合を対称的(symmetric)集成といい、その数が異なる場合を非対称的(asymmetric)集成という。また、CCの大きさ(即ち、帯域幅)は互いに異なる。例えば、70MHz帯域の構成のために5個のCCが使われるとする時、5MHzCC(carrier#0)+20MHzCC(carrier#1)+20MHzCC(carrier#2)+20MHzCC(carrier#3)+5MHzCC(carrier#4)のように構成されることもできる。
【0088】
以下、パワーヘッドルーム(Power Headroom;PH)に対して説明する。
【0089】
図7は、パワーヘッドルームを示す。
【0090】
図7を参照すると、パワーヘッドルーム720は、現在端末に設定された最大送信電力(Pcmax)と前記端末がアップリンク送信に使用するアップリンク送信電力710との差である電力を意味する。例えば、使用可能な最大送信電力が10Wである端末を仮定する。この時、端末が10MHzの周波数帯域で9Wのアップリンク送信電力を使用する場合、端末は1Wを追加的に使用することができるため、パワーヘッドルームは1Wとなる。より具体的に、パワーヘッドルームは、端末に設定された最大送信電力(Pcmax)とアップリンク送信のために推定されたアップリンク送信電力との差値を意味する。パワーヘッドルームは、時間的にサブフレーム単位またはTTI(transmission time interval)単位に推定される。パワーヘッドルームは、PUSCHが送信されるサブフレームでのみ推定されたり、或いはPUSCH及びPUCCHが同時に送信されるサブフレームで推定されることができる。
【0091】
最大送信電力((Pcmax)は、端末が基地局から電力決定情報を受信し、次の数式のように特定範囲内で設定することができる。
(数式1)
cmax−L≦Pcmax≦Pcmax−H
ここで、Pcmaxは端末に設定される最大送信電力であり、Pcmax−LはPcmaxの最小値であり、PcmaxはPcmaxの最大値である。Pcmax−LとPcmax−Hは、各々、次の数式により計算されることができる。
(数式2)
CMAX_L=MIN{PEMAX−ΔT,PPowerclass−MPR−A_MPR−ΔT
CMAX_H=MIN{PEMAX,PPowerclass
前記数式2で、MIN{a,b}はaとbのうち小さい値であり、PEMAXは基地局のRRCシグナリングにより与えられる情報であり、端末の許容された最大出力電力(maximum allowed UE output power)である。PEMAXは、IE(information element)P−Maxによって与えられる。IE P−Maxは、搬送波周波数で端末のアップリンク送信電力の制限に使われる。ΔTは、帯域特性によって決定されるパラメータであり、帯域のエッジ(edge)でアップリンク送信(PUSCH送信)がある場合に適用される電力量である。ΔTは、帯域幅によって1.5dBまたは0dBを有する。PPowerclassは、システムで多様な端末の仕様(電力増幅器の特性)をサポートするために定義した数個の電力クラス(power class)による電力値である。一般的にLTEシステムでは電力クラス3をサポートし、電力クラス3によるPPowerclassは23dBmである。MPR(Maximum Power Reduction)は、端末により実行される電力調整量であり、変調方式(QPSK、16QAM等)と送信帯域設定によって決定される。A_MPR(Additional Maximum Power Reduction)は、基地局によりシグナリングされる追加的な電力調整量である。数式1及び2で説明した最大送信電力の計算において、PEMAX、ΔT、PPowerclass、A_MPRなどが基地局による電力決定情報の例になる。
【0092】
アップリンク送信電力は、基地局から受信したPUSCH電力オフセット値、送信電力制御(transmission power control;TPC)値、基地局と端末との間のパスロス(path loss;PL)、アップリンクグラントに含まれた変調方式及びリソースブロックの数などを考慮して決定される。即ち、アップリンク送信電力は、基地局と端末との間の環境とスケジューリングパラメータを考慮して推定または決定される。
【0093】
端末は、基地局から受信した電力決定情報を用いて最大送信電力を決定し、推定したアップリンク送信電力との差をパワーヘッドルーム情報に含んで報告する。このような報告をパワーヘッドルーム報告(Power Headroom Report;PHR)という。
【0094】
即ち、パワーヘッドルーム報告は、基地局が互いに異なる端末にアップリンク送信リソースを適切にスケジューリングすることをサポートするために、活性化されたサービングセル別に端末の名目上(nominal)の最大送信電力とUL−SCH(PUSCH)送信のための推定された電力との間の差、プライマリセルのPUCCH及びUL−SCH(PUSCH)のための推定された電力と端末の名目上の最大送信電力との間の差に対する情報をサービング基地局に提供するために使われる。
【0095】
基地局は、RRC信号を介してパワーヘッドルーム報告に関して設定することができる。例えば、基地局は、PHRをトリガリングするためにRRC信号を介して周期的PHRタイマ、PHR禁止タイマ、パスロス変化量(dBで与えられることができる)を端末に設定することができる。
【0096】
端末は、周期的PHRタイマが満了されると、PHRをトリガリング(triggering)し、PHRが実行された後に周期的PHRタイマを再駆動する。
【0097】
または、端末は、少なくとも一つの活性化されたサービングセルに対してPHR禁止タイマが満了されたり、既に満了され、少なくとも一つの活性化されたサービングセルで測定したパスロス(Path Loss;PL)が前記パスロス変化量より変化した時にPHRをトリガリングすることができる。
【0098】
基地局は、パワーヘッドルーム報告を用いて端末にどのくらいのアップリンクリソースを割り当てるかを決定することができる。LTEではアップリンクで割り当てられる無線リソースが直交するため、特定端末に割り当てられた無線リソースは他の端末により用いられることができない。従って、特定端末が使用することができないほど多くの無線リソースを前記特定端末に割り当てることは、全体システムの容量を浪費するようにすることである。
【0099】
パワーヘッドルーム報告(PHR)は、端末がアップリンクグラントを介して割当を受けたサブフレームを介して送信され、この時、前記パワーヘッドルーム報告は前記サブフレームに関する。このような意味でパワーヘッドルーム報告は直接的な測定でなく推定である。端末は、パワーヘッドルーム報告が送信されるサブフレームに対するパワーヘッドルームを直接的に測定することはできず、推定して送信する。
【0100】
パワーヘッドルームは、サブフレームiに対して次の数式のように計算されることができる。
【数3】

【0101】
前記式でPH(i)はサブフレームiに対するパワーヘッドルームである。MPUSCH(i)は、サブフレームiに対するPUSCHリソース割当の帯域幅であり、リソースブロック(RB)の個数で表現される。PO_PUSCH、f(i)は上位階層信号に与えられるパラメータである。αはパスロス(PL)に適用される加重値、ΔTF(i)はMCS(modulation and coding scheme)に関連したパラメータであり、上位階層信号(higher layer signal)に与えられることができる。
【0102】
前述した通り、端末は、最大送信電力(PCMAX)、アップリンク送信電力を決定(または推定)した後、PHI(以下、便宜上、パワーヘッドルーム情報は簡単にパワーヘッドルームで表示する)を基地局に送信する。然しながら、端末が決定する最大送信電力を基地局は正確に知ることができない。例えば、前記数式2におけるMPRは、端末により可変的に決定されることができる端末特定的パラメータであり、端末の最大送信電力(PCMAX)もそれによって可変することができるためである。従って、基地局は、PHIを介して端末の最大送信電力を推定のみすることができる。
【0103】
多重搬送波システムのように端末が複数の要素搬送波を用いてアップリンク送信を実行する場合、基地局は、推定された最大送信電力内で不確実なアップリンクスケジューリングを実行するため、場合によって端末に最大送信電力以上の送信電力を要求する変調/チャネル帯域幅/RBでスケジューリングすることもできる。この場合、端末は自体の最大送信電力内でアップリンク信号を送信するようになり、これは基地局の受信率を低下するようにする問題がある。このような問題を解決するための方法を以下で説明する。
【0104】
図8は、本発明によるパワーヘッドルーム送信方法の例を示す。
【0105】
図8を参照すると、基地局は電力決定情報を端末に送信する(S810)。電力決定情報は端末に各要素搬送波別の最大送信電力の決定に用いられる情報を意味する。言い換えれば、電力決定情報は、端末がサービングセルに対する最大送信電力の決定に用いられる情報である。電力決定情報は、例えば、端末に許容された最大出力電力(PEMAX)を含むことができる。電力決定情報は、RRC(radio resource control)信号のような上位階層信号で送信されることができる。電力決定情報は、各サービングセル(サービングセルに含まれる要素搬送波)に対して与えられることができる。
【0106】
基地局は端末にアップリンクグラントを送信する(S820)。アップリンクグラントは、PDCCHに送信されるダウンリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)のフォーマット0に該当する情報としてリソースブロック、変調、及びコーディング技法(MCS)、TPC等の情報を含む。次の表は、アップリンクグラントの一例である。
【0107】
【表1】

端末は、要素搬送波(サービングセル)別の最大送信電力値を決定する(S830)。例えば、端末は、各サービングセルに対して前述した数式1及び2のように電力決定情報(PEMAX)及び端末特定的パラメータ(例えば、MPR、A_MPR)を用いて決定される範囲内で最大送信電力(PCMAX,c)を決定することができる。
【0108】
端末は、パワーヘッドルームを推定する(S840)。即ち、端末は、要素搬送波(サービングセル)別に最大送信電力値と推定されたアップリンク送信電力との差をパワーヘッドルーム情報として生成する。即ち、端末は、各サービングセル別にパワーヘッドルーム情報を生成することができる。例えば、次の数式4のようにサービングセルcに対してサブフレームiでパワーヘッドルーム情報を計算してリポートすることができる。
【数4】

【0109】
数式3と比較すると、各サービングセル別にパラメータが与えられるという相違点がある。即ち、MPUSCH,c(i)は、サービングセルcのサブフレームiに対するPUSCHリソース割当の帯域幅であり、リソースブロック(RB)の個数で表現される。PO_PUSCH,c、f(i)は上位階層信号に与えられるパラメータである。αはパスロス(PL)に適用される加重値、ΔTF,c(i)はMCSに関連したパラメータであり、上位階層信号に与えられる信号である。PHはタイプ1(type1)とタイプ2に区分されることができ、タイプ1はPUSCH送信がある場合であり、タイプ2はPUSCH及びPUCCH送信がある場合のPHである。端末は、プライマリセルに対してはタイプ1PH及び/またはタイプ2PHを送信することができ、セコンダリセルに対してはタイプ1PHを送信することができる。
【0110】
端末は、最大送信電力値及びパワーヘッドルーム情報を基地局に送信する(S850)。即ち、端末は従来とは違ってパワーヘッドルーム情報のみを送信するものではなく、各サービングセル(要素搬送波)別に最大送信電力値及びパワーヘッドルーム情報を共に送信する。この時、最大送信電力値及びパワーヘッドルーム情報は、活性化されたサービングセルに対してのみ送信されることができる。この時、最大送信電力値は多様な方法に送信されることができる。
【0111】
例えば、直接的に最大送信電力値が送信されることができる。これは最大送信電力値自体を送信することもでき、例えば、インデックスと電力値が規定されたテーブルを予め約束し、前記インデックスを、例えば、6ビットで送信して最大送信電力値を知らせることもできる。
【0112】
または、間接的に最大送信電力値を基地局が知ることができるようにするのも可能である。例えば、前記電力決定情報は基地局と端末の両方とも知ることができる情報である。従って、電力決定情報に含まれた一部パラメータの値を予め約束された値であると仮定し、計算される最大送信電力値は基地局と端末が予め知ることができる。この場合、端末は予め約束された値を仮定し、計算された最大送信電力値と端末が可変的に決定した最大送信電力値との差を送信することができる。この時、テーブルにインデックスと差値(dB)を予め定義した後、インデックス値のみを送信する方法も可能である。
【0113】
または、端末は基地局に最大送信電力値が知ることができるように一部パラメータの値を送信することもできる。例えば、数式2で適用されるMPR値、A_MPR値を基地局に送信し、基地局が端末の最大送信電力値を知ることができるようにするのも可能である。
【0114】
前述した最大送信電力値及びパワーヘッドルーム情報は、L1物理階層信号、L2(MAC)階層信号、またはRRCのような上位階層信号で送信されることができる。MAC階層信号で送信される場合、MAC(media access control)PDU(protocol data unit)の制御要素(control element;CE)で送信されることができる。MAC CEにはセルインデックスiを有するサービングセルの活性化可否を示すフィールド、活性化されたサービングセルに対するパワーヘッドルーム情報、前記パワーヘッドルーム情報の計算に使われたセル別の最大送信電力値などを含むことができる。各セル別のパワーヘッドルーム情報及び最大送信電力値は、MAC CE内で予め決められたフォーマット上の位置で送信されることができる。どのサービングセルに対してパワーヘッドルーム情報及び最大送信電力値が送信されるかは、前記サービングセルの活性化可否を示すフィールドにより区分されることができる。
【0115】
パワーヘッドルームは、次の表のように予め決められたテーブルで決められた値で送信されることができる。
【0116】
【表2】

表2を参照すると、パワーヘッドルームは−23dB〜+40dBの範囲内に属する。例えば、パワーヘッドルームを6ビットで表現すると、2=64のインデックスを示すことができ、パワーヘッドルームは総64個の水準(level)に区分されることができる。パワーヘッドルームを表現するビットが0(即ち、6ビットで表せば‘000000’)の場合、パワーヘッドルームが−23≦PPH≦−22dBであることを示す。
【0117】
前記表2で負数で表現される値は、アップリンクグラントを介して割当を受けた無線リソースが、端末が可用可能な送信電力より多くの送信電力を要求するということを基地局に知らせるものである。端末のパワーヘッドルーム報告値が負数である場合、基地局は、前記端末に対する次のアップリンクグラントでは無線リソースを減らすことができる。例えば、周波数領域で割り当てられるリソースブロックの数を減らしたり、MCSレベルを低くすることができる。
【0118】
基地局は、アップリンクスケジューリングを実行する(S860)。基地局は、端末から要素搬送波別にリポートされる最大送信電力及びパワーヘッドルーム情報を用いて端末に送信電力の余裕があるか否かを正確に知ることができる。即ち、従来技術と違って、基地局は、端末が決定した各要素搬送波別の最大送信電力値を知ることができるため、パワーヘッドルーム情報の基準となる値をより正確に知ることができるという長所がある。基地局は、複数の要素搬送波に対する最大送信電力と、パワーヘッドルーム値に基づいて端末が最終的に送信する送信電力との和が端末の使用可能な最大送信電力に近接するか否かを判断することができる。基地局は、端末に送信電力の余裕がある場合、次のアップリンク送信にはより多いリソースブロックを割り当て、MCSレベルを高めることができる。
【0119】
基地局は、端末にアップリンクグラントを送信する(S870)。この時、基地局は、前記アップリンクスケジューリングによって変更されたMCS、TPC情報などを含んで送信することができる。
【0120】
以下、多重搬送波システムで端末が1.パワーヘッドルーム情報、または、2.パワーヘッドルーム情報及び最大送信電力を送信する方法に対して説明する。以下、PHIはパワーヘッドルーム情報のみを意味する場合もあり、パワーヘッドルーム情報及び最大電力送信値の両方ともを含むことを意味する場合もある。
【0121】
多重搬送波システムでは交差搬送波パワーヘッドルーム報告(PHR)が使われることができる。従来、3GPP Rel−8ではアップリンクに一つの搬送波が使われ、その結果、パワーヘッドルーム情報(PHI)が一つのアップリンク搬送波を介してのみ送信されたが、LTE−Aでは複数のアップリンク要素搬送波が端末に割り当てられることができる。この時、LTE−Aでは特定アップリンク要素搬送波のPHIがRel−8のように該当アップリンク要素搬送波のPUSCHを介して送信されることもできるが、他のアップリンク要素搬送波のPUSCHに送信されることもできる。
【0122】
例えば、端末に割り当てられたUL CCがUL CC#1、UL CC#2、UL CC#3のように3個である。端末は、UL CC#1でPHIを送信するようにした時点にUL CC#1のPUSCH送信がなくても、他のUL CC、即ち、UL CC#2やUL CC#3でPUSCH送信がある場合、UL CC#2またはUL CC#3を介してPHを送信することができる。このように、UL CCのPHIを前記UL CCでない他のUL CCを介して送信することができるPHRを交差搬送波PHRという。交差搬送波PHRを許容する場合、特定UL CCでPHIが送信される時点に該当UL CCのPUSCH送信がない場合にも、他のUL CCではPUSCH送信があるため、PHIのドロップ(drop)確率が減る。従って、基地局は、より正確に端末の送信電力をすることができるようになる。
【0123】
交差搬送波PHRでは、PHIにCI(carrier indicator)情報を共に送信し、PHIがどのUL CCに対するものであるかを基地局が知るようにすることができる。
【0124】
<多重搬送波システムにおけるPHI送信のための設定方法>
基地局は、多重搬送波システムでPHI送信のための設定をする時、1.要素搬送波別にシグナリングして各々設定する方法、2.全ての要素搬送波に対して一つのシグナリングを介して設定する方法、3.前記1と2の方法を混用する方法のように三つのうち少なくとも一つを用いることができる。
【0125】
図9は、要素搬送波別にシグナリングしてPHRを要素搬送波別に各々設定する方法を示す。
【0126】
図9を参照すると、基地局は、端末に割り当てられた各UL CC別にPHRに対する設定情報をシグナリングして独立的に設定することができる。例えば、各UL CCにリンクされたDL CCを介して各々PHRに対する設定情報をシグナリングすることができる。この場合、各UL CC別にPHIの送信周期、適用されるオフセットパラメータなどが独立的に設定されることができる。
【0127】
図10は、一つのシグナリングを介して全ての要素搬送波に対してPHRを設定する方法を示す。
【0128】
図10を参照すると、基地局は、特定DL CCを介して端末に割り当てられた全てのUL CCに対するPHRに対する設定情報を送信することができる。前記特定DL CCはセル別に予め決められたDL CCである。
【0129】
次に、前述した1と2の方法を混用する方法は、端末に割り当てられた複数のUL CCのうち、特定UL CCに対しては1の方法のように要素搬送波別に独立的にPHRを設定し、その他のUL CCは、一つの設定情報シグナリングを介してPHRを設定する方法である。例えば、前記特定UL CCはセル内で予め決められたUL CCである。
【0130】
前述した図9及び図10では各UL CCに対してPHIが送信される時間(即ち、サブフレーム)が互いに重ならず、PHI送信回数も同一に設定される例を説明したが、これは制限でない。即ち、複数のUL CCで同時にPHIが送信されるように設定されることもでき、UL CC別にPHI送信周期を異に設定してPHI送信回数を異に設定することもできる。例えば、特定UL CCのチャネル状態が良い場合、他のUL CCに比べてより高い頻度でアップリンクデータや制御信号が送信されることができる。この時、前記特定UL CCでは、より高い頻度でPHIを送信するように設定することができる。
【0131】
<交差搬送波PHRの適用方法>
交差搬送波PHRを適用する方法は、1.全てのUL CCに交差搬送波PHRを許容する方法と、2.特定UL CCにのみ交差搬送波PHRを許容する方法がある。
【0132】
図11は、全てのUL CCに交差搬送波PHRを許容する場合を示す。
【0133】
図11を参照すると、端末に割り当てられたUL CCは、UL CC#1、UL CC#2、UL CC#3である。この場合、全てのUL CCに交差搬送波PHRが許容される。例えば、UL CC#1のPHI送信時点にUL CC#1のPUSCH送信がなくても、他のUL CCにPUSCH送信がある場合、前記他のUL CCのPUSCHを介してUL CC#1のPHIを送信することができる。同様に、UL CC#2、UL CC#3でもPHIが自体を除いた他のUL CCを介して送信されることができる。従って、PHIのドロップ確率が非常に減るようになる。
【0134】
図12は、特定UL CCにのみ交差搬送波PHRを許容する場合を示す。
【0135】
図12を参照すると、端末に割り当てられたUL CCは、UL CC#1、UL CC#2、UL CC#3である。この時、例えば、UL CC#1がACK/NACK、CQI(channel qualtity indicator)、SR(scheduling request)などのような制御情報の送信が集中するUL CCである場合、UL CC#1には交差搬送波PHRを許容し、残りのUL CC#2、UL CC#3は交差搬送波PHRを許容しない。即ち、UL CC#1は、UL CC#2、UL CC#3のPUSCH送信時点にUL CC#2またはUL CC#3のPUSCHを介してPHIを送信することができるが、UL CC#2またはUL CC#3では、自体を除いた他のUL CCを用いてPHIを送信することができない。
【0136】
前記例で、UL CC#1がアップリンクデータまたは制御情報の送信によく使われる場合、UL CC#1の電力制御の重要性が大きくなる。従って、基地局は、UL CC#1には交差搬送波PHRを許容してPHIドロップ確率を減らすことによって送信電力制御の信頼性を高めることができる。
【0137】
特定UL CCに交差搬送波PHRを許容する場合、もし、PUCCH送信に関するPHIが存在すると、PUCCH送信に関するPHIのみ他のUL CCに交差搬送波PHRを許容し、PUSCH PHIはRel−8のような方式に該当UL CCのPUSCH送信にのみ制限する方式も考慮することができる。
【0138】
<複数PUSCHの同時送信時のPHR>
交差搬送波PHRを許容した場合、特定要素搬送波に対するPHIを送信する時点で複数の要素搬送波でPUSCHが送信されることができる。このような場合、前記特定要素搬送波のPHIを複数のUL CCのうちいずれのUL CCのPUSCHに送信しなければならないかを決定する必要性がある。
【0139】
図13は、一つのUL CCに対してPHIを送信する時点に複数のUL CCでPUSCHが送信される場合を示す。
【0140】
図13を参照すると、UL CC#2のPHIを送信する時点にUL CC#1乃至UL CC#3で同時にPUSCHが送信されることができる。このような場合、交差搬送波PHRが許容されるため、UL CC#2のPHIは、UL CC#1乃至UL CC#3のうちいずれのUL CCによっても送信が可能であるが、基地局の受信率を高めるためにはPHIでパワーヘッドルームの値が正の値を有するUL CCを介して送信するのが好ましい。その理由は、パワーヘッドルームの値が負の値を有するUL CCは、基地局が要求する電力より低い電力で信号を送信することを示すためである。従って、交差搬送波PHRが許容され、PHIの送信時点に複数のUL CCを介してPUSCHが同時に送信される場合、PHIは複数のUL CCのうち最も高いパワーヘッドルームを有するUL CCを介して送信されることができる。図13において、UL CC#2のPHIを送信するサブフレームでUL CC#3のパワーヘッドルームが最も大きい場合、UL CC#3のPUSCHを介してUL CC#2のPHIを送信する。また、UL CC#3のPHIを送信するサブフレームでUL CC#2のパワーヘッドルームが最も大きい場合、UL CC#2のPUSCHを介してUL CC#3のPHIを送信する。UL CC#1のPHIを送信するサブフレームでUL CC#1のパワーヘッドルームが最も大きい場合、UL CC#1のPUSCHを介してPHIを送信することができる。
【0141】
即ち、端末は自体に割り当てられた複数のUL CCのうちいずれか一つのUL CCでPHI送信が要求され、前記PHI送信が要求されるサブフレームで複数のUL CCを介するPUSCH送信が実行されなければならない場合、複数のUL CCに対してパワーヘッドルームを比較した後、パワーヘッドルームが正の値を有するUL CCのうちいずれか一つまたは最も大きいパワーヘッドルームを有するUL CCを介して前記PHIを送信することができる。この時、前記PHIは、CIF(carrier indication field)を含むことができる。
【0142】
<追加的PHR>
PHIを送信する目的は、端末がどのくらいの電力を使用しているかを基地局が把握し、次のPUSCHスケジューリング時に適切にMCS、帯域幅などを調節するためである。もし、端末が負数(マイナス値を有するdB)のパワーヘッドルームを報告すると、基地局がスケジューリングした電力が、端末が最大に送信することができる電力値より大きい状況であるため、基地局は負数のパワーヘッドルームを報告した端末に以後のアップリンクグラントではMCS、帯域幅、TPCなどを再調整してスケジューリングしなければならない。端末が電力制限により電力を減らして送信するようになる場合、基地局の受信率が劣化され、再送信要求確率が高まるようになるため、ネットワークの全体処理量が悪くなる。このような点を考慮する時、端末が電力制限による期間を最小化するのが好ましい。
【0143】
このために、端末は既存のPHR以外に追加的にパワーヘッドルームが最も大きい要素搬送波またはパワーヘッドルームが最も小さい(負の値を含む)要素搬送波のPHIを送信する方法を提案する。
【0144】
図14は、追加的なPHRを含むPHR方法を示す。
【0145】
図14を参照すると、端末にUL CC#1乃至UL CC#3が割り当てられており、UL CC#1乃至UL CC#3で各々PHIの送信が設定されている。この時、基地局は、各UL CC別のPHI送信設定と共に最大パワーヘッドルームを有する要素搬送波に対するPHI送信に対する送信設定を追加することができる。即ち、基地局は、端末に割り当てられた3個のUL CCに対するPHI報告に対する設定に追加的に最大パワーヘッドルーム(または最小パワーヘッドルーム)を有するUL CCに対するPHI報告を設定することができる。従って、端末は3個のUL CCに対して4個のPHRを実行することができる。
【0146】
または、基地局は、端末が既存のPHRを実行するサブフレームで最大パワーヘッドルームを有するUL CCのPHIを多重化して送信するように設定することができる。このような多重化は、次のように二つの選択が可能である。
【0147】
1.全てのUL CCでPHIを送信する時に最も大きい(または最も小さい)パワーヘッドルームを有するUL CCのPHIを多重化して共に送信することができる。または、2.特定UL CCでPHIを送信する時にのみ最も大きい(最も小さい)パワーヘッドルームを有するUL CCのPHIを多重化して共に送信することができる。前記特定UL CCはセル内で予め決められたUL CCである。PHIは、CIF(carrier indication field)を含むことができる。
【0148】
図15は、基地局及び端末を示すブロック図である。
【0149】
基地局100は、プロセッサ(processor)110、メモリ(memory)120、及びRF部(RF(radio frequency) unit)130を含む。プロセッサ110は提案された機能、過程及び/または方法を具現する。例えば、プロセッサ110は、端末にPDCCHを介してアップリンクグラントを送信し、RRC信号のような上位階層信号を介して電力決定情報を送信する。また、端末から受信したサービングセル別の最大送信電力値及びパワーヘッドルーム情報に基づいて端末の電力状況を把握した後、それによるアップリンクスケジューリングを実行する。アップリンクスケジューリング実行後、プロセッサ110は端末にアップリンクグラントを送信する時に変更されたRBの数、MCSなどを適用する。
【0150】
メモリ120は、プロセッサ110と連結され、プロセッサ110を駆動するための多様な情報を格納する。RF部130は、プロセッサ110と連結され、無線信号を送信及び/または受信する。
【0151】
端末200は、プロセッサ210、メモリ220、及びRF部230を含む。プロセッサ210は提案された機能、過程及び/または方法を具現する。例えば、プロセッサ210は、基地局から電力決定情報を受信し、電力決定情報及び端末に特定的なパラメータを用いて端末に割り当てられた要素搬送波(または、サービングセル)に対する最大送信電力値を決定する。また、最大送信電力値と端末のアップリンク送信電力に基づいて各要素搬送波に対するパワーヘッドルームを推定し、最大送信電力値との差であるパワーヘッドルームを計算する。また、プロセッサ210は最大送信電力値及びパワーヘッドルームを基地局に送信する。
【0152】
メモリ220は、プロセッサ210と連結され、プロセッサ210を駆動するための多様な情報を格納する。RF部230は、プロセッサ210と連結され、無線信号を送信及び/または受信する。
【0153】
プロセッサ110、210は、ASIC(application−specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路、データ処理装置及び/またはベースバンド信号、及び無線信号を相互変換する変換器を含むことができる。メモリ120、220は、ROM(read−only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、格納媒体及び/または他の格納装置を含むことができる。RF部130、230は、無線信号を送信及び/または受信する一つ以上のアンテナを含むことができる。実施例がソフトウェアで具現される時、前述した技法は前述した機能を遂行するモジュール(過程、機能など)で具現されることができる。モジュールは、メモリ120、220に格納され、プロセッサ110、210により実行されることができる。メモリ120、220は、プロセッサ110、210内部または外部にあり、よく知られた多様な手段でプロセッサ110、210と連結されることができる。
【0154】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能である。従って、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、請求範囲により解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれると解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重搬送波システムにおける端末によるパワーヘッドルーム(power headroom;PH)の送信方法において、
基地局から電力決定情報を受信する段階;
前記電力決定情報及び端末特定的パラメータを用いて複数のサービングセル(serving cell)に対する複数の最大送信電力値を決定する段階;
前記複数の最大送信電力値に基づいて複数のパワーヘッドルームを決定する段階;及び、
前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームを前記基地局に送信する段階;
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームの各々は、前記複数のサービングセルの各々に対して決定されて送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電力決定情報は、前記端末に許容された最大出力電力を知らせる情報(PEMAX)を含み、前記複数のサービングセルの各々に対する最大送信電力値(PCMAX,c)に基づいて前記複数のサービングセルの各々に対するパワーヘッドルームを決定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記端末特定的パラメータは、前記端末の最大出力電力に対して許容された最大電力減少値(maximum power reduction;MPR)を含み、前記最大電力減少値は、前記端末の変調方式及び送信帯域設定によって決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームは、MAC(media access control)PDU(protocol data unit)を介して送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基地局から前記端末のためのアップリンクスケジューリング割当情報を含むアップリンクグラント(uplink grant)を受信する段階をさらに含み、前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームは、前記アップリンクグラントで指示する無線リソースを介して送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームは、前記複数のサービングセルのうちいずれのサービングセルに対するものであるかを示す搬送波指示フィールド(carrier indication field;CIF)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の最大送信電力値は、前記電力決定情報のみで決定された電力値と前記電力決定情報及び前記端末特定的パラメータを用いて決定された電力値との間の差値に送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のサービングセルに複数のアップリンク搬送波が含まれる場合、
前記端末が前記複数のアップリンク搬送波の各々に対する最大送信電力値及びパワーヘッドルームを決定する段階;及び、
前記決定されたパワーヘッドルームのうち最大値または最小値を有するアップリンク搬送波に対する最大送信電力値及びパワーヘッドルームを送信する段階;
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記最大値または最小値を有するアップリンク搬送波に対する最大送信電力値及びパワーヘッドルームは、前記複数のアップリンク搬送波のうちいずれか一つのアップリンク搬送波に対する最大送信電力値及びパワーヘッドルームが送信される時に多重化されて共に送信されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記最大値または最小値を有するアップリンク搬送波に対する最大送信電力値及びパワーヘッドルームは、前記複数のアップリンク搬送波のうちいずれか一つのアップリンク搬送波に対する最大送信電力値及びパワーヘッドルームが送信されるサブフレームと異なるサブフレームで送信されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームが送信されるサブフレームで、前記複数のサービングセルのうち最も大きいパワーヘッドルームを有するサービングセルを介して前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームが送信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記電力決定情報は、RRC信号を介して受信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
周期的PHRタイマを開始する段階;及び、
前記周期的PHRタイマが満了される場合、前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームを前記基地局に送信する段階;
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
PHR禁止タイマを開始する段階;及び、
前記PHR禁止タイマが満了され、前記複数のサービングセルのうち少なくとも一つの活性化されたサービングセルで測定したパスロスが、設定されたパスロス変化量より変化する場合、前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームを前記基地局に送信する段階;
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
無線信号を送受信するRF部;及び、
前記RF部に連結されるプロセッサ;を含み、
前記プロセッサは、基地局から電力決定情報を受信し、前記電力決定情報及び端末特定的パラメータを用いて複数のサービングセル(serving cell)に対する複数の最大送信電力値を決定し、前記複数の最大送信電力値に基づいて複数のパワーヘッドルームを決定し、前記複数の最大送信電力値及び前記複数のパワーヘッドルームを前記基地局に送信することを特徴とする端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−520917(P2013−520917A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554939(P2012−554939)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/KR2011/001349
【国際公開番号】WO2011/105856
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】