説明

大型表示装置の光漏れを低減する方法および表示装置

【解決手段】差渡し長さ19インチ以上のTNモード大型表示装置に貼着された延伸偏光板フィルムの熱収縮によって該大型表示装置の縁部に円弧状に生ずる光漏れを低減する方法であり、前記縁部に発生する光漏れ円弧の最大値(W)が、長辺の長さ(L)に対する比(W/L)が0.1以下になるように該延伸偏光板フィルムを貼着する粘着剤に、該延伸偏光フィルムの熱収縮に抗し得る強度を付与すると共に、前記縁部に円弧状に形成される光漏れ部分の暗転したときの輝度(X)が4cd/m2以下であり、さらに、光漏れを生じていない部分の暗転したときの輝度(Y)との比率(X/Y)が20以下になるように、該接着剤の炭化水素主鎖に側鎖を導入する。
【効果】大型の表示装置の縁部に円弧状に発生する光漏れ部を小さくすることができると共に、暗転時においても光漏れ部の輝度と偏光フィルムが配置されている部分の輝度との差が小さくなり光漏れ部が目立たなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は差し渡し長さが19インチ以上のTNモード大型表示装置に貼着する偏光フィルムが収縮することによって表示装置の縁部に生ずる光漏れを低減する方法および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置、特に液晶表示装置は、液晶セルを形成する二枚のガラス基板の表面に、偏光板をクロスニコル位に配置し、液晶セル中に充填された液晶成分に電圧を印加して液晶成分の配向状態を変えて液晶表示装置の裏面側に配置された光源からの光の透過性を制御することにより、電気的信号を顕在化する装置である。
【0003】
このような表示装置、特に液晶装置には上述のように偏光フィルムが貼着されており、この表示装置においては、一般に無延伸の保護フィルム(TAC)を表裏面に配置された延
伸フィルム(PVA)が貼着された構成を有することから、貼りあわせ時の熱や液晶装置を
長時間駆動させたときに発生する熱によって延伸加工された偏光フィルムが熱収縮して貼着された偏光フィルムの縁部に高い内部応力が生ずるとの特性を有している。
【0004】
他方、このような偏光フィルムを粘着している粘着剤が延伸加工されることはなく、従って、粘着剤に熱がかかっても熱収縮するといったことは発生しない。
この液晶装置に熱がかかると、液晶装置のガラス基板は特に変動することはないが、延伸加工された偏光フィルムは液晶装置表面の中心方向に向かって熱収縮を起こすように、図2(B)に矢印で示すように中心方向に向かって大きな内部応力が内在する。
【0005】
このとき液晶装置のガラス基板の表面に貼着している粘着剤は、熱によって変動しないガラス基板表面に貼着したままの状態であるが、偏光フィルムの表面に貼着している粘着剤は、偏光フィルムの熱収縮に引っ張られる。そして、この熱収縮により中心方向に引っ張られて偏光フィルム内に発生した内部応力によって偏光フィルムの機能は滅失あるいは低減し、全面黒表示にしても、この部分が液晶装置の縁部から円弧状に白色部が形成される。この偏光フィルムにかかった熱収縮によって円弧状に光が透過することを光漏れといい、この円弧状に形成される光透過率の高い部分を光漏れ部という。
【0006】
液晶装置のサイズ(差し渡し長さ)が小さい場合には、偏光フィルムの熱収縮も小さく、それぞれの縁に生ずる光漏れ円弧も小さく、液晶装置の表示部の周囲に配置されて液晶表示部を支持する支持枠によりこの光漏れ円弧の存在は認識されにくかった。
【0007】
ところが、昨今の液晶表示装置では差し渡し長さが19インチを超えるような大型の液晶表示装置を使用することも多くなり、支持枠によって光漏れ円弧を覆い隠すことは難しくなってきている。さらに大型の液晶表示装置においては、貼着する偏光フィルムの面積も非常に大きくなり、液晶表示装置の縁部に発生する光漏れ円弧の大きさも次第に大きくなり、こうした光漏れに対する抜本的な対策が必要になってきている。
【0008】
液晶表示装置の差し渡し長さが19インチ未満の場合、偏光フィルムの熱収縮による光漏れを防止するためには、低分子量体を比較的多量に含む粘着剤やゲル分率の低い粘着剤のような、偏光フィルムの熱収縮に追従できるような応力緩和性の高い粘着剤が用いられている。19インチ未満の大きさでは偏光フィルムの収縮が比較的小さいため、上述のような応力緩和性の高い粘着剤を用いても光漏れは小さく実用上問題のないものであった。
【0009】
しかしながら、TNモード液晶表示装置においては差し渡し長さが19インチを超えるようなような大型の液晶表示装置が既に多数市販されており、現時点ではTNモードでは32インチの液晶表示装置も存在している。
【0010】
こうした大型の液晶表示装置においては、当然に貼着される偏光フィルムも液晶表示装置の大きさに対応して広面積を有している。前述のように液晶表示装置に貼着される偏光フィルムは延伸されており、こうした大面積の延伸偏光フィルムが熱収縮するときに発生する内部応力は非常に大きくなり、19インチ未満の液晶表示装置に使用していたような応力緩和性の高い粘着剤を用いたのでは、各縁部に発生する円弧状の光漏れ部の最大幅は大きくなる傾向がある。
【0011】
このような大型の液晶表示装置における光漏れを低減するために、特開2006-259664号
公報(特許文献1)には、「粘着剤層を有する偏光板であって、該粘着剤層の光弾性係数の絶対値が500×10-12(1/Pa)以上であることを特徴とする偏光板。」の発明が
開示されている。さらに、この特許文献1には、粘着剤がアクリル系粘着剤で、このアク
リル系粘着剤がベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートを共重合させることが記載されている。
【0012】
しかしながら、特許文献1に具体的に開示されているような粘着剤を用いても、光漏れを完全に防止することはできなかった。
【特許文献1】特開2006-259664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、差し渡し長さが19インチ以上のTNモード液晶表示装置の各縁に円弧状に発生する光漏れ部の発生を低減し、しかもこのように光漏れ部が形成されたとしても、この光漏れ部の存在を認知しにくくする方法を提供することを目的としている。
【0014】
さらに、本発明は、差し渡し長さが19インチ以上のTNモード液晶表示装置の各縁に円弧状に発生する光漏れ部の発生を低減し、しかもこのように光漏れ部が形成されたとしても、この光漏れ部の存在を認知しにくくする方法を利用した表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、差し渡し長さ19インチ以上のTNモード大型表示装置に貼着された延伸偏光フィルムの熱収縮によって、該大型表示装置の縁部に円弧状に生ずる光漏れを低減する方法であって、
該大型表示装置の各縁に発生する光漏れ円弧の各縁からの最大値(W)が、大型表示装置の長辺の長さ(L)に対する比(W/L)が0.1以下になるように該延伸偏光板フィルムを貼着する粘着剤に、該延伸偏光フィルムの熱収縮に抗し得る強度を付与すると共に、該大型表示装置の縁部に円弧状に形成される光漏れ部分の暗転したときの輝度(X)が、4cd/m2以下であり、さらに光漏れを生じていない部分の暗転したときの輝度(Y)と
の比率(X/Y)が20以下になるように、該粘着剤の炭化水素主鎖に側鎖を導入することを特徴とする大型表示装置の縁部に円弧状に形成される光漏れを低減する方法にある。
【0016】
さらに本発明は、差し渡し長さ19インチ以上のTNモード大型表示装置に貼着された延伸偏光板フィルムの熱収縮によって、該大型表示装置の縁部に円弧状に生ずる光漏れを低減する方法を利用した表示装置であって、
該大型表示装置の各縁に発生する光漏れ円弧の各縁からの最大値(W)が、大型表示装置の長辺の長さ(L)に対する比(W/L)が0.1以下になるように該延伸偏光板フィ
ルムを貼着する粘着剤に、該延伸偏光フィルムの熱収縮に抗し得る強度を付与すると共に、該大型表示装置の縁部に円弧状に形成される光漏れ部分の暗転したときの輝度(X)が4cd/m2以下であり、さらに光漏れを生じていない部分の暗転したときの輝度(Y)との
比率(X/Y)が20以下になるように、該粘着剤の炭化水素主鎖に側鎖を導入することを特徴とする大型表示装置の縁部に円弧状に形成される光漏れを低減する方法を利用した表示装置にある。
【0017】
本発明では、大型の液晶表示装置に偏光フィルムを貼着するにも拘わらず、比較的強度の高い堅牢な粘着剤を使用して、延伸されている偏光フィルムの収縮により各縁部に生ずる光漏れ部を小さく形成する。このような粘着剤の粘着強度は、粘着剤を形成する鎖状の分子を相互に拘束する架橋構造によることが多く、本発明では、四官能の架橋剤を使用してそのうちの三個以上の官能基で鎖状構造を有する粘着剤分子を相互に拘束して粘着剤自体に堅牢性を付与している。
【0018】
このように堅牢な架橋剤を用いたとしても、液晶装置を形成するガラス基板の各縁部に円弧状の光漏れ部が形成される。しかしながら、本発明によれば、ガラス基板の長辺長さ(L)に対する円弧状の光漏れ部の最大幅(W)を上述のように非常に狭くすることができる。
【0019】
このようにして堅牢な粘着剤で偏光フィルムを貼着しても、大型画面の液晶表示装置においては、上述のように各縁に沿って円弧状の光漏れ部が形成されるが、こうして形成された円弧状の光漏れ部の暗転時の輝度(X)が4cd/m2以下であり、正常に偏光フィルムが貼着された部分の暗転時における輝度(Y)との比((X)/(Y))をとったときにこの
輝度の比が小さければ、光漏れ部が実質上光漏れ部として認識されにくくなる。すなわち光漏れ部は形成されてしまっているけれども、この光漏れ部が光漏れ部として認識されにくくなる。
【0020】
本発明では、凝集力の高い粘着剤を使用して偏光フィルムの内部応力をできるだけ端部に集中させることにより、光漏れ部の面積を非常に小さくし、さらに粘着剤ポリマー側鎖に感温性が高く、高温時に粘着剤ポリマーの弾性率を下げるような官能基を導入することで、光漏れ部分の輝度を下げ、現実には光漏れ部が存在するにも拘わらず、この光漏れ部を光漏れ部として認識しにくくしているのである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、差し渡し長さ19インチ以上のTNモード大型液晶表示装置において、表示装置の各縁部に発生する円弧状の光漏れ部分を小さくできるとともに、この光漏れ部分が目立たなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に本発明の大型表示装置の縁部に円弧状に形成される光漏れを低減する方法および表示装置について具体的に説明する。
本発明の光漏れの低減方法では、図1に表示装置の差し渡し長さ(S)が19インチ以上の大型のTNモード表示装置に好適に適用することができる。本発明の光漏れの低減方法では、液晶装置の差し渡し長さSが長いほど有用性が高いが、液晶表示装置自体の駆動限界があり、その上限値はTNモード表示装置の駆動限界に相当する大きさである。
【0023】
図1(A)において、付番10は液晶表示装置の前面を示すものであり、この液晶表示装置は液晶物質を充填する多数のセルが形成されており、この多数のセルの表面には配向膜、ITO電極などを介してガラス基板15が配置されている。
【0024】
このガラス基板15の表面に粘着剤層17により偏光フィルム19が貼着されている。
偏光フィルム19は、延伸された合成樹脂フィルムから形成されており、この偏光フィルムの表裏面には通常は無延伸の保護フィルム(TAC)が配置されている。このような構
成を有する偏光フィルム19は、通常は液晶装置を構成する表裏面のガラス基板15に、45°と135°のクロスニコル位になるように二枚が配置されている。
【0025】
この偏光フィルム19は、ガラス基板15に対して粘着剤層17により貼着されて固定されている。
この偏光フィルム19は、上述のように延伸フィルムであるので、この偏光フィルム19に熱がかかると、図2に示すように液晶表示装置10の中心方向に向かって熱収縮が生ずる、しかしながらTACフィルムは無延伸フィルムであるため熱収縮は起こらず内部応力が発生する。
【0026】
特に熱収縮の方向(内部応力がかかる方向)と偏光軸の方向が異なる部分(表示装置の各辺の中心部分)では、複屈折により直線偏光が楕円偏光となり、光が透過してしまうが、角部では偏光軸と収縮方向とが近似しているために複屈折が起こりにくく光が漏れにくいので、表示装置の各辺に円弧状の光漏れ部が発生する。
【0027】
このTACフィルムに強い内部応力が内在する円弧状の部分20では、偏光フィルムの機
能が損なわれ、円弧状に光漏れが発生する。図2(B)において、内部応力によって偏光
機能が損なわれた部分は、付番19aで示されており、熱収縮の方向および強さは矢印で示されている。
【0028】
このような光漏れは、図2(B)に示すように延伸されている偏光フィルム19が熱による影響を受けて熱収縮することにより発生する内部応力が高い部分である。
こうして大きな応力が内在する円弧状の部分では、その応力によって偏光フィルムの特性が変化してこの部分では偏光フィルムが偏光フィルムとして作用せずに偏光フィルム19によって遮蔽されるべき光が液晶表示装置を透過してしてしまうのである。
【0029】
本発明の表示装置の光漏れを低減する方法では、まず光漏れ面積を小さくするために、堅牢な粘着剤を使用して円弧状に形成される光漏れ部20を端部(角部)に集中させる。この円弧状の光漏れ部20の大きさは、液晶表示装置の長辺(L)の中央部において縁部21からの距離(W)が最も大きくなる。
【0030】
本発明では液晶表示装置の長辺Lに対する光漏れ円弧の各辺からの最大値Wの比率(W/L)の最大値が、通常は0.1以下、好ましくは0.06以下になるように、堅牢な粘着剤を使用してガラス基板に偏光フィルムを貼着する。
【0031】
ここで使用する粘着剤は、エチレン性二重結合を有する単量体が(共)重合することにより形成される炭化水素鎖を主鎖とするポリマーである。中でもアクリロイル基由来の二重結合を有する単量体を(共)重合して得られるポリマーが透明性に優れている。
【0032】
このような粘着剤の主成分となる(共)重合体の主鎖には、たとえば水酸基、カルボキシル基(その塩)、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシル基、アミド基などの極性基含有側鎖;例えば直鎖状または分岐を有することもあるアルキル基、置換機を有することもあるシクロアルキル基のような飽和環状炭化水素基、置換機を有することもあるフェニル基のような環状化合物由来の基、ベンジル基のような環状化合物由来の基のような非極性基含有側鎖などの側鎖が導入されている。
【0033】
このような側鎖を有する粘着剤の主成分となる(共)重合体は、通常は100万〜25
0万、好ましくは120万〜200万の重量平均分子量を有している。また、このような(共)重合体の分子量分布が狭いほうがより粘着剤層の構造がより堅牢になりやすく、また、粘着剤層における粘着力のばらつきも生じにくくなる。また、このような粘着剤の主成分となる(共)重合体の分子量分布(Mn/Mw)は、通常は2〜20、好ましくは4〜10の範囲内にあり、こうした分子量分布の粘着剤の主成分(共)重合体を用いることにより、堅牢な粘着剤層構造を形成しやすい。
【0034】
また、この粘着剤の主成分となる(共)重合体は、通常偏光フィルムを貼着する環境下において、良好な粘着性を保持する必要があり、この(共)重合体のガラス転移温度(Tg)は、通常は−70〜−10℃、好ましくは−50〜−30℃の範囲内にある。このような(共)重合体のガラス転移温度(Tg)は、(共)重合体を製造して、製造した(共)重合体から実測することもできるし、また、(共)重合に用いた単量体からFoxの式を
用いて導き出すこともできる。
【0035】
このような(共)重合体の主鎖に植設されている極性側鎖あるいは非極性側鎖は、粘着剤を構成する(共)重合体の炭化水素主鎖に直接結合していてもよいが、−O-CO−基
、−CO−O−基などのエステル結合に類似した二価の基、あるいは−O−、−S−などのエーテル結合に類似した二価の基、−O−PO2−O−,−OSO2−O−のようなリン酸、あるいはスルホン酸に由来する基を介して結合していてもよい。
【0036】
このような側鎖を有する(共)重合体は、エチレン性二重結合を有する化合物を(共)重合させた後、所望の基を主鎖に導入することもできるし、また、予め所望の基が導入されたエチレン性二重結合を有する単量体を(共)重合させることにより製造することができる。また、上記のようにして製造された(共)重合体に所望の基を植設して所望の基を有する(共)重合体を製造することもできる。
【0037】
上記のように粘着剤を形成する粘着剤の主成分となる(共)重合体に植設されている水酸基、カルボキシル基等の極性側鎖は、ガラス基板と偏光フィルムとの接着に寄与することは勿論、この粘着剤の主成分となる(共)重合体に架橋剤を配合した際にこの架橋剤との反応の活性点となり、粘着剤の主成分となる(共)重合体間に架橋構造を形成して、粘着剤の主成分となる(共)重合体を複合して堅牢な三次元構造体を形成する。このような極性基を有する繰り返し単位は、この粘着剤の主成分となる(共)重合体を製造するために用いた単量体100重量%中に、通常は0.5〜10重量%、好ましくは1〜6重量%の範囲内の量で含有する。
【0038】
上記のような極性基と反応して架橋構造を形成する架橋剤は、上記の極性基と反応可能な基を複数有する化合物であり、このような反応可能な基の例としては、エポキシ基、イソシアネート基、金属キレート基などを挙げることができる。本発明で使用する架橋剤には、上記のような反応可能な基を複数有しているが、本発明においてはこの架橋剤一分子内に架橋反応に寄与する活性な極性基を四個以上有している架橋剤を使用することが好ましい。
【0039】
特に本発明では、この架橋剤となる化合物が有する架橋反応に寄与する活性な極性基がエポキシ基であり、一分子内にエポキシ基を4個以上含有する化合物を架橋剤として使用することが好ましい。このような架橋剤の有するエポキシ基は、たとえば粘着剤の主鎖に植設された水酸基あるいはカルボキシル基と反応して、分子間架橋構造を形成して堅牢な粘着剤構造を形成するが、架橋剤に導入されている架橋構造に寄与可能な基が全て結合することは極めて稀である。本発明において、四個以上のエポキシ基を含有する架橋剤を使用するのは、こうしたエポキシ基の反応効率を考慮したものであり、たとえば四個のエポキシ基を有する架橋剤を使用したとしても、多くてもこのエポキシ基の反応率は通常は6
9〜77%程度が反応し、導入されているエポキシ基全部が反応することはない。四個のエポキシ基を有する架橋剤を用いた場合、四個のエポキシ基の内、平均三個のエポキシ基が粘着剤の主鎖に植設された極性基と結合する。この結合点によって一平面が決定される。こうして三点で結合した粘着剤には、結合した三点により決定されるリジッドな多数の面が仮想され、粘着剤の主鎖の自由運動が著しく制限を受けて堅牢な粘着剤層が形成される。そして、本発明の延伸偏光フィルムの熱収縮に抗しうる強度を得るためには、上述のように架橋密度の高い堅牢な粘着剤層を形成する架橋剤を粘着剤ポリマー100重量部に対して0.05〜0.20重量部用いて、ゲル分率を85〜95%にすることが好ましい。
【0040】
なお、粘着剤層に配合する架橋剤として、三官能のポリイソシアネート化合物を使用する例があるが、このような三官能のポリイソシアネート化合物の場合、二個のイソシアネート基は比較的反応しやすいが、残余の一つのイソシアネート基の反応性は低くなり、その結果三官能のポリイソシアネート化合物の反応率は65%に至らないのが一般的である。このため三官能のポリイソシアネート化合物を、用いた場合には、粘着剤を形成する(共)重合体の二本の主鎖を三官能のポリイソシアネート化合物中の2個のイソシアネート
基で連結するにとどまり、粘着剤層中における粘着性を有する(共)重合体の接着剤層内での移動を抑制することができず、粘着剤層が軟質になり偏光フィルムの熱収縮に伴って液晶の中心部分に引き寄せられやすくなり、このために図2に示す光漏れ部の大きさであるW/Lの値が大きくなる。
【0041】
本発明の光漏れを低減する方法においても、延伸加工した偏光フィルムを用いることから、粘着剤層を相当に堅牢にしたとしても、偏光フィルムの熱収縮により表示装置の縁部に円弧状の光漏れ部20が形成されるのを阻止することはできない。しかしながら、本発明に従って堅牢な粘着剤層を形成することにより、表示装置の長さLに対する光漏れ部2
0の最大幅Wとの比(W/L)は、0.1以下、好ましくは0.06以下にもなり、この光漏れ部20の面積自体が、たとえば三官能のポリイソシアネート化合物を使用したときと比較すると格段に小さくなる。
【0042】
さらに本発明の光漏れを低減する方法においては、粘着剤を構成する(共)重合体の主鎖に、芳香族環を有する基が植設されている。この芳香族環を有する基を粘着剤を構成する主鎖に導入することにより、偏光フィルム19が熱収縮によって引き伸ばされてかかる応力によって、粘着剤を構成する成分の環状構造を有する側鎖が配向して光漏れ部20における光の透過率を低減することがわかった。
【0043】
また、芳香族環を側鎖に導入するような単量体は、感温性が高く高温時に粘着ポリマーの弾性率を下げるため、偏光板の熱収縮による応力を緩和することができる。このように高温時には粘着剤の弾性率を下げ、さらに常温あるいは通常使用温度範囲においては硬質で凝集力の高い粘着剤になるようにするためには、芳香族環を側鎖に導入するような単量体は、そのホモポリマーのガラス転移温度が−25℃〜10℃であることが好ましく、また芳香族環を有する側鎖は、主鎖を除く粘着剤ポリマー100重量%中に通常は20〜60重量%、好ましくは30〜40重量%の範囲内であると、より光漏れを目立たなくすることができる。
【0044】
さらに、こうして方向付けされた粘着剤層中には、四官能の架橋剤中の内の約一つの官能基が反応せずに残留しており、偏光フィルム19の熱収縮によって粘着剤層が引き伸ばされているうちに残余の官能基の一部が接着剤層を形成する粘着性樹脂に植設された官能基のうちの未反応の官能基の一部と結合して、応力がかかる粘着剤層17(a)をより剛直
にしてこの応力がかかる粘着剤層17(a)中で一定の方向付けがなされた芳香族環を有す
る基を固定すると考えられる。
【0045】
従って図2(a)において、光漏れ部20の中の任意の点(X)と偏光フィルム19が配置された部分の任意の点(Y)とを定めて、この表示装置を暗転したときの光漏れ部分の暗転したときの輝度(X)と、光漏れを生じていない部分の暗転したときの輝度(Y)との比率(X/Y)が、20以下、好ましくは10以下になる。これは、応力がかかる粘着剤層17(a)に存在する芳香族環を有する基が、偏光フィルムの熱収縮による応力を緩
和するとともに、徐々に配向して透過する光の少なくとも一部を遮蔽するために、輝度Xと輝度Yとの差がきわめて少なくなり、偏光フィルム19の熱収縮したことによって生ずる光漏れ部の存在が目視できにくくなるのである。
【0046】
このように本発明の光漏れの低減方法は、堅牢な粘着剤層を形成して光漏れ部の面積を小さくするとともに、暗転時における光漏れ部における輝度と偏光フィルムが配置された部分における輝度との差を、小さくすることにより、構造上は偏光フィルムの熱収縮による応力によって光漏れ部が形成されても、この光漏れ部の面積を著しく小さくすることができ、しかも暗転時の光漏れ部の輝度と、偏光フィルムが貼着されている部分の輝度との差がきわめて小さいために、実質的に円弧状の光漏れ部を認識することがほとんどできないとの特異的な効果を奏する。
【実施例】
【0047】
次に本発明の光漏れの低減方法について、実施例を示して説明するが、本発明の方法はこの実施例により限定されるものではない。
なお、本発明におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定条件は次の通りである。
装置
東ソー(株)製、HLC-8120
カラム
G7000HXL ×1本
GMHXL ×2本
G2500HXL ×1本
サンプル濃度; 1.5mg/ml(テトラヒドロフランで希釈)
移動相溶媒; THF
流速; 1.0ml/min
温度; 40℃
〔実施例1〕
常法に従って、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が140万の共重合体(A)を酢酸エチルを反応溶媒とした溶液重合により製造した。この共重合体の分子量分布(Mn/Mw)は5であった。
【0048】
この共重合体(A)の炭化水素からなる主鎖には−CO−O−を介して−CH2CH2CH2CH3を有する単量体が67.5重量%および−CH2-CH2-OHを有する単量体が2重量%結合しており、また、−COOH基を有する単量体、0.5重量%、−CO−O−を介して−CH2-C65を有する単量体が30重量%の量で共重合している。
【0049】
この共重合体(A)について測定したガラス転移温度(Tg)は、−34℃であった。
得られた共重合体(A)の酢酸エチル溶媒中における濃度を15重量%に調整したのち、この溶液の固形分100重量部に、エポキシ系四官能架橋剤である(化合物名:N,N,N,N−テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、商品名:テトラドX;三菱ガス化学
(株)製)0.1重量部を加えて均一に混合して粘着剤塗布液を調製した。
【0050】
得られた粘着剤塗布液を、易剥離性PETフィルムに乾燥厚さが25μmになるように塗布
し、溶剤を除去したのち、偏光フィルムに転写して23℃で7日間養生して粘着剤層付き偏光フィルムを製造した。
【0051】
390mm×315mm×1.1mmtのガラス基板を用意して、上記のようにして調製した
粘着剤層付き偏光フィルムを、ガラス基板の両面にクロスニコル位(45°、135°)になるように易剥離性PETを剥離しながら貼り付け、さらにガラス基板に温度50℃、線
圧5kg/cmの条件で熱圧着したのち、1時間室温で放置した。
【0052】
こうして得られた偏光板を、ディスプレイモニターBENQ PF91Gの偏光板と交換して装着した。ディスプレイモニターをパソコンに接続し、全画面黒表示にして暗室でディスプレイモニターの輝度を、輝度計RISA-COLOOR-PF91G((有)ハイランド製)を用いて測定し
たところ、ガラス基板の縁部には円弧状の光漏れ部は形成されていなかった。
【0053】
このようにして製造された偏光フィルム付きガラス基板から粘着剤層をこそぎ取り、この粘着剤層のゲル分率を測定したところ、91%であった。
また、エポキシ基の反応率が69〜77%であることから、確率論的にみて、架橋剤内に存在する架橋構造を形成可能な活性なエポキシ基四個のうち、三個は共重合体(A)の側鎖にある官能基と結合して強靭な粘着剤層を形成しているが、四個のエポキシ基のうちの約一つのエポキシ基は、反応せずに、エポキシ基の状態で架橋剤中に残存していることになる。
【0054】
次いで、ディスプレイモニターを60℃、湿度95%の環境下で72時間放置して、偏光フィルムの熱変形の促進試験を行った。その後、室温で1時間放冷したのち、暗室でパソコンに接続し全画面黒表示にした。全画面黒表示のディスプレイモニターを輝度計RISE-COLOR-CD8((有)ハイランド製)を用いて測定したところ、図2に示すように、ガラス基板の各縁部分から円弧状の光漏れ部が形成されており、最も幅の広い光漏れ部は、ガラス基板の長辺(L)380mmに対して、目視でわずかに光漏れが認識できる輝度である2cd/m2までを光漏れ部分とした場合、この光漏れ部の幅(W)は20.5mmであった。
【0055】
従って、このガラス基板のW/Lは、0.054であり、一般の液晶基板における円弧状の光漏れ部と比較すると、このW/Lが非常に小さいことがわかる。
光漏れ生じている部分の輝度(X)を測定するとともに、また光漏れを生じていない部分の暗転したときの輝度(Y)を測定したところ、光漏れ部の最も明るい部分で4cd/mm2、うっすら明るい部分で2cd/mm2であり、光漏れ生じてない部分の輝度(X)は0.2cd/mm2であることから、(X/Y)の値は20〜10の範囲内になる。最も明るい部分は、表示装置の枠体によってほとんどがカバーされるので、この表示装置の実質の(X/Y)の値は10である。この値が1に近いほど光漏れ部の存在が見極めにくいことを表しており、(X/Y)の値10は、従来の表示装置と比較すると格段に光漏れが少ないことを表している。
【0056】
このように光漏れ部が形成されているにも拘わらず、暗転時における光漏れ部における輝度が低いのは、堅牢な接着剤層を形成することにより、内部応力をできるだけ端部に集中させたことに加えて、上述のように恒温槽で加熱して偏光フィルムに熱収縮を生じさせる際に、図2(B)に付番17aで示す部分の粘着剤が偏光フィルムの熱収縮に伴って液晶表示装置の中心方向に引っ張られながら、粘着剤を構成する共重合体(A)中に−CO−O−を介して−CH2-C65が配向し、この状態で架橋剤中に残存していたエポキシ基の少なくとも一部が反応して共重合体(A)に残存する極性基との間で新たに架橋構造が形成され、付番19aで示す部分を貼着する粘着剤中で配向した−CH2-C65が固定される。
【0057】
この配向した−CH2-C65は、配向性を示すことから、この光漏れ部を透過しようとする光の一部はこの粘着剤で固定された−CH2-C65基によって、光の透過が阻止されるので、本発明の方法によれば光漏れ部における輝度が低くなるのである。
【0058】
この点を比較するために次のようにして偏光フィルムを調製して光漏れ部の状態を対比検討した。
ガス導入管、攪拌装置、加熱冷却装置を備えた容量1000ccの反応器に、n-ブチ
ルアクリレート(BA)68.5重量部、アクリル酸(AA)1重量部。2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)0.5重量部、ベンジルメタクリレート(BZMA)
30重量部および反応溶媒として酢酸エチル(EA)100重量部を投入して、この反応器内に窒素ガスを導入して反応器内の空気を窒素ガスで置換し、反応液の温度を65℃に維持した。
【0059】
次いで反応開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1重量部を酢酸エチルに溶解して重合開始剤の50重量%溶液を製造した。
上記のようにして調製した重合開始剤の50重量%溶液を、原料成分を導入して65℃に加熱した反応液中に滴下して添加して、10時間反応を続けた。
【0060】
10時間経過後、得られた粘着剤溶液の固形分濃度を15重量%に調整し、この溶液の固形分100重量部に対して三官能性であるトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物を1.2重量部を50重量部の酢酸エチルに希釈した希釈液を調整して上記反応液に加えて塗布液を調製した。
【0061】
この塗布液を上記と同様に、易剥離性PETフィルムに乾燥厚さが25μmとなるように
塗布し、溶剤を除去したのち、偏光フィルムを転写して塗布面に易剥離性PETを配置して23℃で7日間養生してた。
【0062】
390mm×315mm×1.1mmtのガラス基板を用意して、上記のようにして調製した
粘着剤層付き偏光フィルムを、ガラス基板の両面へクロスニコル位(45°、135°)になるように易剥離性PETを剥離しながら貼り付け、さらにガラス基板に温度50℃、線
圧5kg/cmの条件で熱圧着したのち、1時間室温で放置した。
【0063】
こうして得られた偏光板をディスプレイモニターBENQ PF91Gの偏光板と交換して装着した。ディスプレイモニターをパソコンに接続し、全画面黒表示にして暗室でディスプレイモニターの輝度を、輝度計RISA-COLOR-CD((有)ハイランド製)を用いて測定したところ、
ガラス基板の縁部に円弧状の光漏れ部は形成されていなかった。
【0064】
この粘着剤層のゲル分率を測定したところ、83%であり、この粘着剤層が軟質であることがわかる。
また、イソシアネートの反応率は通常63%に至らないので、確率論的にみて、架橋剤内に存在する架橋構造を形成可能な活性なイソシアネート基三個のうち、二個は共重合体の側鎖にある官能基と結合して粘着剤層を形成しているが、三個のイソシアネート基のうちの約一つのイソシアネート基は、反応せずに、架橋剤中に残存していることになる。従って、この架橋剤であるポリイソシアネート化合物によって共重合体の二点が結合された状態であり、このような共重合体は、架橋剤による拘束力が低くこの粘着剤は軟質である。
【0065】
次いで、ディスプレイモニターを60℃、湿度95%の環境下に72時間放置して偏光フィルムの熱変形の促進試験を行った。その後、室温で1時間放冷したのち、暗室でパソコンに接続し、全画面黒表示にした、全画面黒表示のディスプレイモニターを輝度計RIS-
COLOR-CD8((有)ハイランド製)を用いて測定したところ、図2に示すように、ガラス
基板の各縁部分から面積が大きく、輝度が高い円弧状の光漏れ部が確認された。ガラス基板の長辺L380mmに対してもっとも幅の広い光漏れ部は、輝度が2cd/m2より明るい部分を光漏れ部とした場合、光漏れ部の幅Wは56.5mmであった。
【0066】
従って、このガラス基板のW/Lは、0.149であり、上述のようにして調製した液晶基板における円弧状の光漏れ部と比較すると、このW/Lがが著しく大きくなっていることがわかる。
【0067】
また実施例で判定した光漏れ位置と同様の位置(端部から20.5mm)の輝度(X)を測定するとともに、光漏れを生じていない部分の暗転したときの輝度(Y)を測定して、両者の比率(X/Y)を測定したところ、15であった。この値が1に近いほど光漏れ部の存在が見極めにくいことを表しており、実施例よりも強い光漏れが発生していることがわかる。
【0068】
このように光漏れ部の暗転時の輝度が高いのは、図2(B)に付番17aで示す部分の粘着剤中におけるベンジルアクリレートに由来する基が固定されておらず、ベンジルアクリレートに由来する基がこの図2(B)に付番17aを透過する光に対してなんらの障害にもなっていないからである。
【0069】
このように特許文献2に具体的に記載されている偏光板には本願発明における光漏れの防止方法の技術には、全く採用されていない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、大型の表示装置の縁部に円弧状に発生する光漏れ部を小さくすることができるとともに、暗転時においてさえもこの光漏れ部の輝度と偏光フィルムに大きな内部応力がかかっている部分の輝度との差が小さくなり光漏れ部がほとんど目立たなくなる。大型の表示装置において、偏光フィルムを貼着してその画面の縁部に円弧状の光漏れ部分を形成しないようにするためには、極めて堅牢な粘着剤を使用する必要があり、このような堅牢な粘着剤を使用したとしても、長期間の使用によって円弧状の光漏れ部の発生を完全に防止することは極めて困難であり、表示装置の画面が大型になるほど、その傾向は大きくなる。
【0071】
本発明では、こうした光漏れ部をできるだけ発生しないようにしながら、形成されてしまった光漏れ部の輝度を粘着剤を調整して光漏れ部が目立たないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、表示装置における平面図および端部断面図である。
【図2】図2は、円弧状の光抜け部が形成された表示装置の平面図および端部断面図である。
【符号の説明】
【0073】
10・・・液晶表示装置の前面
11・・・液晶表示装置の四つの角
15・・・ガラス基板
17・・・粘着剤層
17(a)・・・応力がかかる粘着剤層
19・・・偏光フィルム
19a・・・(光漏れ部の)偏光フィルム
20・・・光漏れ部
21・・・縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
差し渡し長さ19インチ以上のTNモード大型表示装置に貼着された延伸偏光フィルムの熱収縮によって、該大型表示装置の縁部に円弧状に生ずる光漏れを低減する方法であって、
該大型表示装置の各縁に発生する光漏れ円弧の各縁からの最大値(W)が、大型表示装置の長辺の長さ(L)に対する比(W/L)が0.1以下になるように該延伸偏光板フィルムを貼着する粘着剤に、該延伸偏光フィルムの熱収縮に抗し得る強度を付与すると共に、該大型表示装置の縁部に円弧状に形成される光漏れ部分の暗転したときの輝度(X)が4cd/m2以下であり、さらに光漏れを生じていない部分の暗転したときの輝度(Y)との
比率(X/Y)が20以下になるように、該粘着剤の炭化水素主鎖に側鎖を導入することを特徴とする大型表示装置の縁部に円弧状に形成される光漏れを低減する方法。
【請求項2】
差し渡し長さ19インチ以上のTNモード大型表示装置に貼着された延伸偏光フィルムの熱収縮によって、該大型表示装置の縁部に円弧状に生ずる光漏れを低減する方法を利用した表示装置であって、
該大型表示装置の各縁に発生する光漏れ円弧の各縁からの最大値(W)が、大型表示装置の長辺の長さ(L)に対する比(W/L)が0.1以下になるように該延伸偏光板フィルムを貼着する粘着剤に、該延伸偏光フィルムの熱収縮に抗し得る強度を付与すると共に、該大型表示装置の縁部に円弧状に形成される光漏れ部分の暗転したときの輝度(X)が4cd/m2以下であり、さらに、光漏れを生じていない部分の暗転したときの輝度(Y)と
の比率(X/Y)が20以下になるように、該粘着剤の炭化水素主鎖に側鎖を導入することを特徴とする大型表示装置の縁部に円弧状に形成される光漏れを低減する方法を利用した表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−292674(P2008−292674A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136905(P2007−136905)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000202350)綜研化学株式会社 (135)
【Fターム(参考)】