説明

大環状アミドオリゴマーの酵素的生成

ジエステルとジアミンから環状アミドオリゴマーを生成するために、アミド化反応を触媒することが可能な加水分解酵素を使用することができる。環状アミドオリゴマーは、より高分子量のポリアミドの生成に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状アミドオリゴマーの酵素的合成に関する。特に、様々なジエステルとジアミンから様々な環状アミドオリゴマーを生成するために、加水分解酵素が使用される。
【0002】
本出願は、2004年11月9日に出願された米国仮特許出願第60/626,222号明細書の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
ポリアミドの化学合成は、当分野でよく知られている。しかし、化学合成はしばしば、以下を含めた、多くの望ましくない特性を有する:1)費用がかかる、あるいは毒性がある化学的触媒および反応物の使用、2)特に溶媒での高希釈を必要とするプロセスでの過剰な廃棄物の生成、および3)所望の生成物を高純度で生成するのに選択的に必要なものの欠如。
【0004】
様々な加水分解酵素(すなわちリパーゼ、エステラーゼなど)を使用する、ポリエステルおよびポリアミドの酵素的合成が示されている。酵素およびその典型的な基質は、非毒性であり、酵素的プロセスは通常、従来の化学合成と比較して、より穏和な条件下で、高い選択性、低下された廃棄物生成、およびより速い触媒速度を提供する。特に、リパーゼ(E.C.3.1.1.3)は、有機溶媒の存在または非存在下で、ポリエステルおよび/またはポリエステル(アミド)の合成のために、広範囲に使用されている((非特許文献1);(非特許文献2);(非特許文献3);(非特許文献4);および(特許文献1))。
【0005】
化学的および/または酵素的ポリマー合成は一般的に、線状オリゴマー(これは、成形された産物の形成のための従来の金型内(in−mold)重合(すなわち反応射出成形)に使用することができる)の生成をもたらす。しかし、線状(ポリエステルまたはポリアミド)オリゴマーを使用する金型内重合には、いくつかの限界がある。金型内の重合の際、線状オリゴマー上の末端基は、反応中に、水(すなわち、カルボン酸末端基のヒドロキシルまたはアミン末端基との反応の時)、またはメタノールなどの有機アルコール(すなわち、エステルのヒドロキシルまたはアミン末端基との反応の時)などの望ましくない副産物を生成することとなる。望ましくない副産物は一般的に、除去する必要があり、成型される産物の物理的な特性に悪影響を与える可能性がある。これらの有害作用としては、空隙量の増大および表面仕上げの質の低下が挙げられる。最後に、線状オリゴマーは、高い溶融粘度を有する傾向があり、より高分子量のポリマーを形成する能力が限られる可能性がある、あるいは、より微細に成形可能な産物の形成におけるその使用が限られる可能性がある。
【0006】
環状エステルオリゴマー(CEO)および環状アミドオリゴマー(CAO)は、線状オリゴマーの使用とは異なる加工長所を提供する。第1に、環状オリゴマーは、重合中に末端基を取り込まない。これによって、金型内重合プロセス中に揮発性物質を形成せずに、材料を調製することが可能になる。第2に、モノマーに末端基がなく、これは、多数の末端基を伴わないポリマーに転換する)ので、かなり高分子量のポリマーが調製される可能性がある。第3に、環状オリゴマーは一般的に、より低い溶融粘度を有する。金型内重合(例えば反応射出成形)のための、より低い溶融粘度の環状オリゴマーを使用することによって、線状オリゴマーを使用する場合には通常入手できない分子量を有するポリマーの生成が可能になり、また、より細かく微細に成形可能な部分の形成が可能になる。
【0007】
環状エステルオリゴマー(CEO)は、長い間知られていた(例えば米国特許公報(特許文献2)を参照のこと)。CEOは、多くの線状ポリエステル中に、様々な量、通常小量で存在することが知られており、こうした線状ポリエステルから単離されている。これらは、開環重合によって重合して、より高分子量の線状ポリエステルになることが可能な、しばしば粘性が低い液体である(例えば、参照によって本明細書に引用される米国特許公報(特許文献3)および米国特許公報(特許文献4)を参照のこと)。CEOの酵素的合成は以前に報告されている(米国特許公報(特許文献5)、本明細書に援用するものとする(非特許文献5))。
【0008】
環状アミドオリゴマー(CAO)は通常、化学的重縮合反応で生成される。(非特許文献6)は、ジアミンまたはシリル化されたジアミンの、ジカルボン酸二塩化物との化学反応によって、様々な脂肪族および芳香族線状アミドオリゴマー(LAO)およびCAOを生成した。クリッシェルドルフ(Kricheldorf)らは、環状アミドオリゴマーの生成のための酵素的方法は教示していない。
【0009】
(特許文献1)は、追加の溶媒の非存在下での、酵素触媒反応におけるポリエステルまたはポリエステル(アミド)の生成のためのプロセス(それによって、高い平均分子量および狭い分散度を有する所望のポリエステルまたはポリエステルアミドが生成される)を記載している。ポリエステル(アミド)の生成のための、少なくとも1つの脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体の、少なくとも1つの脂肪族ヒドロキシアミン、ジオール、ポリオール、ジアミン、またはポリアミン、および、任意選択的に、少なくとも1つの脂肪族ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸、または誘導体との反応が記載されている。このプロセスで生成されるポリエステルまたはポリエステル(アミド)は、約1という最も好ましい酸価を有し(18ページ、17行)、これは、生成物が、線状のポリエステルまたはポリエステル(アミド)オリゴマーであり、環状のポリエステルまたはポリエステル(アミド)オリゴマーではないことを示唆している。ポリエステル生成の場合、最高1.5%までの環状ジエステル不純物の生成は、望ましくないものと示され、望ましくない環状不純物の除去のための方法が提供される(19ページ、1〜15行)。
【0010】
近年では、線状アミドオリゴマー(LAO)を、加水分解酵素(例えばリパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼなど)を使用して、ジエステルとジアミンから作製することができることが報告されている。チェン(Cheng)ら(米国特許公報(特許文献6))は、カンジダ属(カンジダアンタルチカ)、シュードモナス種(シュードモナスフルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens))、またはケカビ属種、(ムコールミエヘイ(Mucor miehei))などの種から得られる加水分解酵素の存在下でのポリアミンおよびジエステルの反応によって様々な線状および/または分枝ポリアミドオリゴマーを調製するための酵素触媒プロセスを報告している。チェン(Cheng)らは、環状アミドオリゴマーの形成は報告していない。特に、チェン(Cheng)らは、13列、2〜4行で、「ポリアミドは、線状または分枝である可能性があるが、本発明のポリアミドは、好ましくは線状であり、狭い分子量多分散(Mw/Mn)を有する」と、また、6列、20〜21行で、「本発明のポリアミドは、少なくとも1つのジエステルおよび少なくとも1つのポリアミンの残基を有する可能性がある」と述べている。チェン(Cheng)らの中に記載されるポリアミドは一般に、約4,000から12,000ダルトンの範囲の分子量範囲を有し(6列、29行)、これは、高分子量の線状ポリアミドが形成されたことを示唆している。チェン(Cheng)らのプロセスは、追加の溶媒を含まない、あるいは任意選択的に少なくとも1種のプロトン性溶媒(メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセロール、t−ブタノール、イソプロパノールなど)の存在下で、あるいは水/NaClなどの水/塩混合物中で(4列、26〜31行)実施された;好ましくは、この反応は、溶媒の非存在下で実施された(8列、37〜39行;10列、52〜57行;実施例1、17〜19行;実施例3〜5)。各基質の濃度が約2.75モルを上回る場合、実施例はすべて、本質的に等モル量のジエステルおよびポリアミンで、溶媒の非存在下で実施された。各反応の完了は一般に、固体生成物の形成および特徴付けによって決定された。
【0011】
(非特許文献7)は、ジエステルとジアミンからの大環状ビスラクタムの形成を触媒するブタ膵臓リパーゼの使用を記載しており、この反応は、酵素の非存在下では起こらないこと、また、活性化されたモノクロロエチルジエステルを用いる場合、酵素が存在する場合にのみ反応が進行し、エチルジエステルまたは遊離のジカルボン酸を用いる場合は進行しないことを発見した(3944頁、最終パラグラフ)。ガットマン(Gutman)らは、大環状ビスラクタムの酵素的生成には、ジエステルのアルコキシ脱離基が活性化される(例えば2−クロロエチオキシ(chloroethyoxy))必要があることを教示しているが、本発明では、環状アミドオリゴマー(CAO)の生成に用いられるジエステルは、活性化されていないアルコキシ脱離基(例えば、メトキシ、エトキシ)を有する可能性がある。
【0012】
【特許文献1】国際公開第94/12652号パンフレット
【特許文献2】米国特許第2,020,298号明細書
【特許文献3】米国特許第5,466,744号明細書
【特許文献4】米国特許第5,661,214号明細書
【特許文献5】米国特許出願第10/698275号明細書
【特許文献6】米国特許第6,677,427号明細書
【特許文献7】米国特許第3,309,343号明細書
【特許文献8】米国特許第6,141,103号明細書
【特許文献9】米国特許第6,376,026号明細書
【非特許文献1】ショーダリー(Chaudary)ら、「Biotech Prog.」13:318〜325頁(1997年)
【非特許文献2】ブラッツウェル(Brazwell)ら、「J.Polym.Sci.Part A:Polym Chem.」33:89〜95頁(1995年)
【非特許文献3】ビンズ(Binns)ら、「J.Chem.Soc.Perkin Trans.」1:899〜904頁(1993年)
【非特許文献4】ゲレシュ(Geresh)ら、「Biotech.Bioeng.」、37:883〜888頁(1991年)
【非特許文献5】ラヴァレット(Lavalette)ら、「Biomacromolecules」、3:225〜228頁(2002年)
【非特許文献6】クリッシェルドルフ(Kricheldorf)ら(「Macromolecules」、34:8879〜8885頁(2001年)
【非特許文献7】ガットマン(Gutman)ら(「Tetrahedron Lett.」、33(27):3943〜3946頁(1992年))
【非特許文献8】「Immobilization of Enzymes and Cells」;ゴードンF.ビッカースタッフ(Gordon F.Bickerstaff)編集;ヒューマナ出版(Humana Press)、Totowa、ニュージャージー州、米国;1997年
【非特許文献9】R.J.カズラウカス(R.J.Kazlauskas)らによる章、「Biotransformation with Lipases」、「Biotechnology」、第2版、第8a巻、H.J.レーム(H.J.Rehm)ら編、ワイリー(Wiley)−VCH、Weinheim、ドイツ、40〜191頁(1998年)
【非特許文献10】「J.Biol.Chem」、263:3194〜3201(1988年)
【非特許文献11】「Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.」82:3192〜3196頁(1985年)
【非特許文献12】D.A.カウアン(D.A.Cowan)およびA.R.プラント(A.R.Plant)、「ACS Symposium Series」498:86〜107頁(1992年)
【非特許文献13】ラーネ(Laane)ら、「Biotechnol.Bioeng.」30:81〜87頁(1987年)
【非特許文献14】「J.Biol.Chem」、263:8017〜8021(1988年)
【非特許文献15】「Biotechnol.Bioeng.」78:31〜34頁(2002年)、およびその中の参考文献
【非特許文献16】クラン(Klun)ら、「Polymer」、42:7095〜7099頁(2001年)
【非特許文献17】マコスコ,C.(Macosko,C.)、「Fundamentals of Reaction Injection Molding」、ハンザー出版(Hanser Publishers):ニューヨーク、ニューヨーク州;第7章(1989年)
【非特許文献18】ブリュネル,D.J.(Brunelle,D.J.)、「Synthesis and Polymerization of Cyclic Polyester Oligomers」、「Modern Polyesters」内、シエルス,J.(Schiers,J.)およびロング,T.E.(Long,T.E.)編、ワイリーアンドサンズ(Wiley and Sons)、ニューヨーク、ニューヨーク州(2003年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
解決されるべき問題は、非活性化ジエステルとジアミンから、環状アミドオリゴマーを酵素的に合成するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
所定の問題は、次のステップを含む、非活性化ジエステルとジアミンから環状アミドオリゴマーを酵素的に合成するための方法を提供することによって解決される。
(a)一連の適切な反応条件下で、少なくとも1つの非プロトン性有機溶媒を含む培地中において、環状アミドオリゴマー合成活性を有すると共にジエステルおよびジアミンの総重量を基準にして少なくとも約0.01重量%の量で存在するリパーゼの存在下で:
i)一般式
1OOC−[R3m−[X1−R4y−COOR2
(式中、R1およびR2は独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換された、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、アルコキシアルキル、およびアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC20のヒドロカルビル基であり;mは、0から1であり;R3およびR4は独立して、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、およびアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC10のヒドロカルビル基であり;X1は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、ヘテロ原子は酸素を含み、非ヘテロ原子はNHを含み;yは、0から5であり;ここで、X1がヘテロ原子または非ヘテロ原子である場合、mは1である)の少なくとも1つのジエステル;および
(ii)一般式
2N−R5−[X2−R6z−NH2
(式中、R5およびR6は、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アルカリレン(alkarylene)、アリーレン、およびアルケニルからなる群から選択されるC1からC6のヒドロカルビル基であり;X2は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、ヘテロ原子は酸素またはイオウを含み、非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル、あるいは、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアルキル、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、またはアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC6のヒドロカルビル基を含み;zは、0から20であり;ここで、R5とR6とは、同じであっても異なってもよい)の少なくとも1つのジアミン
を接触させて、それによって、環状アミドオリゴマーを生成するステップと;
(b)ステップ(a)の反応から、ある量の環状アミドオリゴマーを回収するステップ。
【0015】
一実施形態では、R1およびR2は独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換されたC1からC6のヒドロカルビル基であり;mは、0または1であり;R3は、C1からC10のヒドロカルビル基であり;yは、0から5であり;R4は、C1からC3のヒドロカルビル基であり;R5およびR6は独立して、C1からC6のヒドロカルビル基であり;zは、0から5であり;X2は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子であり、ここで、ヘテロ原子は、酸素またはイオウを含み、非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル、またはC1から4のヒドロカルビル基を含む。
【0016】
別の実施形態では、R1およびR2は独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換されたC1からC6のアルキル基であり;mは、1であり;R3は、C1からC10のアルキル基であり;yは、0であり;R5およびR6は独立して、C1からC6のヒドロカルビル基であり;zは、0から4であり;X2は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子であり、ここで、ヘテロ原子は、酸素またはイオウを含み、非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル、またはC1から4のヒドロカルビル基を含む。
【0017】
さらなる実施形態では、R1およびR2は独立して、エーテル結合で任意選択的に置換されたC1からC6のアルキル基であり;mは、1であり;R3は、C1からC10のアルキル基であり;yは、0であり;R5は、C1からC6のヒドロカルビル基であり;zは、0から4であり;R6は、C1からC4アルキル基であり;X2は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子であり、ここで、ヘテロ原子は、酸素であり、非ヘテロ原子は、アミンまたはC1からC4アルキル基である。
【0018】
さらに別の実施形態では、R1およびR2は独立して、C1からC2のアルキル基であり;mは、1であり;R3は、C1からC10のアルキル基であり;yは、0であり;R5は、C1からC6のアルキル基であり;zは、1であり;R6は、C1からC4アルキル基であり;X2は、C1からC2のアルキル基である。
【0019】
酵素触媒は、天然または合成の原料から得られる、固定されていないあるいは固定されたリパーゼである。一実施形態では、リパーゼは、植物、動物、細菌、酵母、または真菌から得られる。別の実施形態では、リパーゼは、シュードモナス属(Pseudomonas)、ブルクホルデリア属(Burkholderia)、ケカビ属(Mucor)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、およびカンジダ属(Candida)からなる群から選択される天然の原料から得られる。さらに別の実施形態では、リパーゼの天然の原料は、アルカリゲネス(Alcaligenes)種、ムコールミエヘイ(Mucor miehei)、シュードモナス(Pseudomonas)種、シュードモナスセパシア(Pseudomonas cepacia)およびブルクホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)、およびカンジダアンタルチカである。さらなる実施形態では、リパーゼは、カンジダアンタルチカリパーゼB、アルカリゲネス(Alcaligenes)種リパーゼ、ムコールミエヘイ(Mucor miehei)リパーゼ、シュードモナス(Pseudomonas)種リパーゼ、シュードモナスセパシア(Pseudomonas cepacia)リパーゼ、およびブルクホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)リパーゼからなる群から選択される。さらなる実施形態では、リパーゼは、カンジダアンタルチカリパーゼB(Novozym(登録商標)435)、アルカリゲネス(Alcaligenes)種リパーゼ(バイオカタリティクス(BioCatalytics)ICR−117)、アルカリゲネス(Alcaligenes)種リパーゼ(ベーリンガーマンハイム(Boehringer Mannheim)#1859366)、ムコールミエヘイ(Mucor miehei)リパーゼ(バイオカタリティクス(BioCatalytics)ICR−116)、シュードモナス(Pseudomonas)種リパーゼ(バイオカタリティクス(BioCatalytics)ICR−113)、シュードモナス(Pseudomonas)種リパーゼ(バイオカタリティクス(BioCatalytics)ICR−129)、シュードモナスセパシア(Pseudomonas cepacia)リパーゼ(ベーリンガーマンハイム(Boehringer Mannheim)#1827642)、ブルクホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)リパーゼ(Amano PS−C Amano I)、およびブルクホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)リパーゼ(Amano PS−C Amano II)からなる群から選択される。好ましい実施形態では、リパーゼは、カンジダアンタルチカリパーゼBである。
【0020】
適切なジエステルとしては、これらに限定されないが、アジピン酸ジアルキル、マロン酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、グルタル酸ジアルキル、フタル酸ジアルキル、イソフタル酸ジアルキル、テレフタル酸ジアルキル、マレイン酸ジアルキル、フマル酸ジアルキル、シュウ酸ジアルキル、フェニルマロン酸ジアルキル、スベリン酸ジアルキル、セバシン酸ジアルキル、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)、2,2’−オキシビス酢酸ジメチル、3,3’−オキシビスプロパン酸ジメチル、3,3’−[1,2−エタンジイルビス(オキシ)]ビスプロパン酸ジメチル、およびβ−アラニン、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)メチルエステル、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0021】
適切なジアミンとしては、これらに限定されないが、1,6−ジアミノヘキサン、1,12−ジアミノドデカン、1,10−ジアミノデカン、ジエチレントリアミン、トリエチレングリコールジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン、スペルミン、ビス−(ヘキサメチレントリアミン)、o−フェニレンジアミン、ポリ(オキシエチレン)ジアミン、ポリ(オキシプロピレン)ジアミン、ポリエーテルジアミン、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0022】
適切な非プロトン溶媒としては、これらに限定されないが、o−ジクロロベンゼン、ジフェニルエーテル、クロロベンゼン、メチル−t−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,1,1−トリクロロエタン、ジクロロエタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ペルクロロエチレン、モル過剰のジアミン、モル過剰のジエステル、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0023】
別の態様では、次のステップを含む、線状アミドオリゴマーから環状アミドオリゴマーを生成するための方法が提供される:
(a)一連の適切な反応条件下で、少なくとも1つの非プロトン性有機溶媒を含む培地中において、環状アミドオリゴマー合成活性を有すると共にジエステルおよびジアミンの総重量を基準にして少なくとも約0.01重量%の量で存在するリパーゼの存在下で、環状アミドオリゴマー合成活性を有するリパーゼの存在下で、一連の適切な反応条件下で、一般式
(A−B)n
[式中、n=1から20であり;Aは、一般式
1OOC−[R3m−[X1−R4y−COOR2
(式中、R1およびR2は独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換されたアルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、アルコキシアルキル、およびアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC20のヒドロカルビル基であり;mは、0または1であり;R3およびR4は独立して、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、およびアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC10のヒドロカルビル基であり;X1は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、ヘテロ原子は、酸素を含み、非ヘテロ原子は、NHを含み;yは、0〜5であり;ここで、X1がヘテロ原子または非ヘテロ原子である場合、mは1である)を有するジエステルから誘導され;および、Bは、一般式
2N−R5−[X2−R6z−NH2
(式中、R5およびR6は、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アルカリレン、アリーレン、およびアルケニルからなる群から選択されるC1からC6のヒドロカルビル基であり;X2は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、ヘテロ原子は、酸素またはイオウを含み、非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル、あるいはアルキル、アルキレン、アリール、ハロアルキル、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、またはアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC6のヒドロカルビル基を含み;zは、0から20であり;ここで、R5およびR6は、同じであっても異なってもよい)を有するジアミンから誘導される]
の少なくとも1つの線状アミドオリゴマーを接触させて、それによって、環状アミドオリゴマーを生成するステップと;
(b)ステップa)の反応から、ある量の環状アミドオリゴマーを回収するステップ。
【0024】
さらなる態様では、本発明は、環状アミドオリゴマーを重合させることによって形成される、成形品を形成する方法であって、
a)少なくとも1種の環状アミドオリゴマーを提供することと;
b)射出成形、回転成形、樹脂膜注入、樹脂トランスファー成形、フィラメントワインディング、プリプレグまたはフィルムを作製するためのパウダーコーティングプロセス、ホットメルト・プリプレグ調製、圧縮成形、ロールラッピング(roll wrapping)、および引抜成形からなる群から選択されるプロセスにおいて、前記環状アミドオリゴマーを重合させ、それによって、成形品を生成させること
を含む方法を含む。
【0025】
別の実施形態では、本発明には、射出成形、回転成形、樹脂膜注入、樹脂トランスファー成形、フィラメントワインディング、プリプレグまたはフィルムを作製するためのパウダーコーティングプロセス、ホットメルト・プリプレグ調製、圧縮成形、ロールラッピング、および引抜成形からなる群から選択されるプロセスを使用して、環状アミドオリゴマーを重合することによって形成される、成形品が含まれる。
【0026】
こうして形成される物品としては、自動車ボディパネル、自動車シャーシ部品、バンパービーム、航空機翼外板、風車の羽根、流体貯蔵タンク、トラクター泥よけ、テニスラケット、ゴルフクラブシャフト、ウィンドサーフィン・マスト、玩具、ロッド、チューブ、棒材、自転車のフォーク、フィルム、コーティング、被包(encapsulated)ワイヤー、および機械ハウジングが挙げられる。
【0027】
本発明を、本出願を共に形成する図および詳細な説明から、より十分に理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
穏和な反応条件下での、非活性化ジエステルとジアミンからの、比較的高い収量での環状アミドオリゴマー(CAO)の合成のための酵素的プロセスが提供される。単離されたCAOは、反応射出成形などの用途において、開環重合反応に使用して、高分子量のポリアミドを作製することができる。
【0029】
本開示では、いくつかの用語および省略形を使用する。以下の定義が提供される。
【0030】
本明細書では、用語「含む」は、特許請求の範囲中に述べる通りの、所定の特徴、整数、ステップ、または構成成分の存在を示すが、1つまたは複数の、他の特徴、整数、ステップ、構成成分、またはそれらの群の存在または追加を除外しない。
【0031】
本明細書では、用語「ジエステル」は、少なくとも2つのエステル基を含有し、式
1OOC−[R3m−[X1−R4y−COOR2
(式中、R1およびR2は独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換された、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、アルコキシアルキル、およびアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC20のヒドロカルビル基であり;mは、0から1であり;R3およびR4は独立して、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、アルケニル、およびそれらの混合物のうちの1つから選択されるC1からC10のヒドロカルビル基であり;X1は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、ヘテロ原子は、酸素を含み、非ヘテロ原子は、NHを含み;yは、0から5であり;ここで、X1がヘテロ原子または非ヘテロ原子である場合、mは1である)
によって表される、脂肪族または芳香族化合物を表すために使用される。
【0032】
適切なジエステルの例としては、これらに限定されないが、アジピン酸ジアルキル、マロン酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、グルタル酸ジアルキル、o−フタル酸ジアルキル、イソフタル酸ジアルキル、テレフタル酸ジアルキル、マレイン酸ジアルキル、フマル酸ジアルキル、シュウ酸ジアルキル、フェニルマロン酸ジアルキル、スベリン酸ジアルキル、セバシン酸ジアルキル、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)、2,2’−オキシビス酢酸ジメチル、3,3’−オキシビスプロパン酸ジメチル、3,3’−[1,2−エタンジイルビス(オキシ)]ビスプロパン酸ジメチル、およびβ−アラニン、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)、メチルエステル、またはそれらの混合物が挙げられる。別の実施形態では、ジエステルには、マロン酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、シュウ酸ジアルキル、スベリン酸ジアルキル、セバシン酸ジアルキル、およびアジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)が含まれる。
【0033】
本明細書では、用語「ジアミン」は、少なくとも2つのアミン基を有し、式
2N−R5−[X2−R6z−NH2
(式中、R5およびR6は、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アルカリレン、アリーレン、およびアルケニルからなる群から選択されるC1からC6のヒドロカルビル基であり;X2は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、ヘテロ原子は、酸素またはイオウを含み、非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル、あるいは、アルカノール、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、またはアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC6のヒドロカルビル基を含み;zは、0から20であり;ここで、R5およびR6は、同じであっても異なってもよい)
によって表される、脂肪族または芳香族化合物を表すために使用される。
【0034】
一実施形態では、適切なジアミンの例としては、これらに限定されないが、1,6−ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン)、1,12−ジアミノドデカン、1,10−ジアミノデカン、ジエチレントリアミン、トリエチレングリコールジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン、スペルミン、ビス−(ヘキサメチレントリアミン)、o−フェニレンジアミン、ポリ(オキシエチレン)ジアミン、ポリ(オキシプロピレン)ジアミン、ポリエーテルジアミン、およびそれらの混合物が挙げられる。別の実施形態では、ジアミンとしては、エチレンジアミン、1,6−ジアミノヘキサン、1,12−ジアミノドデカン、トリエチレングリコールジアミン、およびo−フェニレンジアミンが含まれる。
【0035】
本明細書では、用語「芳香族ジエステル」は、その構造の部分の中に芳香環を含み、かつ少なくとも2つのエステル基を有する有機化合物を意味する。芳香族ジエステルは、エーテル、チオエーテル、およびオキソ(ケト)などの、本明細書のプロセスにおいて述べられる様々な反応を実質的に妨害しない、1つまたは複数の官能基で置換されていてもよい。
【0036】
本明細書では、用語「脂肪族ジエステル」は、その構造の一部として芳香環を有さず、少なくとも2つのエステル基を有する、構造が通常、線状または分枝である有機化合物を意味する。脂肪族ジエステルは、エーテル、チオエステル、およびオキソ(ケト)などの、本明細書の方法において述べられる様々な反応を実質的に妨害しない、1つまたは複数の官能基で置換されていてもよい。
【0037】
本明細書では、用語「芳香族ジアミン」は、その構造の一部として芳香環を含み、少なくとも2つのアミン基を有する有機化合物を意味する。芳香族ジアミンは、ハロゲン、エーテル、チオエーテル、アミン、およびオキソ(ケト)などの、本明細書のプロセスにおいて述べられる様々な反応を実質的に妨害しない、1つまたは複数の官能基で置換されていてもよい。一般的に、芳香族ジアミンは、2つの1級アミン基からなる。
【0038】
本明細書では、用語「脂肪族ジアミン」は、その構造の一部として芳香環を有さず、少なくとも2つのアミン基を有する、構造が通常、線状または分枝である有機化合物を意味する。脂肪族ジアミンは、エーテル、チオエステル、アミン、およびオキソ(ケト)などの、本明細書の方法において述べられる様々な反応を実質的に妨害しない、1つまたは複数の官能基で置換されていてもよい。一般的に、脂肪族ジアミンは、2つの一級アミン基からなる。
【0039】
本明細書では、用語「ヒドロカルビル」は、炭素および水素を含む、脂肪族、脂環式、または芳香族基を指す。ヒドロカルビル基は、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アルカリレン、アリーレン、およびアルケニル基からなる。ヒドロカルビルは、飽和または不飽和の、環状、分枝、または線状であり、酸素など(例えばエーテル結合)のさらなる置換基を有する後で述べる炭化水素部分を有する、置換されたヒドロカルビル基を含むものと理解される。ヒドロカルビル基の例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ベンジル、フェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、キシリル、ビニル、アリル、ブテニル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、およびブチニルが挙げられる。
【0040】
本明細書では、用語「ヘテロ原子」は、これらに限定されないが、SまたはOを含めた炭素以外の原子を指す。本明細書では、用語「非ヘテロ原子」は、これらに限定されないが、アミン、カルボニル、およびヒドロカルビル基を含めた原子を指す。
【0041】
本明細書では、用語「置換された」は、意図される使用または反応に対して、その化合物を不安定または不適当なものにしない1つまたは複数の置換基を含有する、置換された基を意味する。一般に有用である置換基としては、ニトリル、エーテル、エステル、ハロ、(一級、二級および、三級アミノを含めて)アミノ、ヒドロキシ、オキソ、ビニリデンまたは置換されたビニリデン、シリルまたは置換されたシリル、ニトロ、ニトロソ、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸アルカリ金属塩、ボラニルまたは置換されたボラニル、およびチオエーテルが挙げられる。
【0042】
本明細書では、「オリゴマー」は、同一の式の、少なくとも1つの同一とみなし得る構造上繰返し単位を含有する分子を意味する。
【0043】
本明細書では、用語「環状アミドオリゴマー」、「CAO」、「大環状ポリアミド」、および「MPA」は、ジエステルとジアミンから誘導される少なくとも2つのアミド結合を有する環状化合物を記述するために同義的に使用される。本発明の環状アミドオリゴマーは、以下の一般式によって表される。
【0044】
【化1】

【0045】
式中、Aは、ジエステルから誘導され;Bは、ジアミンから誘導され;nは、一般的に約1から約20、好ましくは約1から約15、より好ましくは約1から約5、最も好ましくは約1から約3である。n=1である場合に形成される環状アミドオリゴマーはまた、環状単量体として知られている。n=2(環状二量体)、n=3(環状三量体)、n=4(環状四量体)などの場合も、形成される環状アミドを記述するために、同様の命名規則が使用される。本実施例中で報告される環状アミドオリゴマーは、一般的に単量体、二量体、および三量体であるが、本方法を使用して、より大きな環状アミドオリゴマー構造も生成される可能性がある。一実施形態では、(例えば、使用されるジエステルとジアミンに対して)少なくとも約1モルパーセント(モル%)、より好ましくは、少なくとも約5モルパーセント、さらに好ましくは少なくとも約25モルパーセント、最も好ましくは少なくとも約50モルパーセントの基質が、相当する環状アミドオリゴマーに転換される。
【0046】
本明細書では、用語「酵素触媒」は、環状アミドオリゴマー形成活性によって特徴づけられる触媒を指す。本明細書で述べるリパーゼは、環状アミドオリゴマー形成活性を有することが判明している。本明細書では、「環状アミドオリゴマー形成活性」は、本明細書に記述する反応条件下で、環状アミドオリゴマーの形成を触媒する能力を有する酵素(すなわちリパーゼ)を指す。ジエステルとジアミンの、ある種の組み合わせは、本明細書に記述する反応条件下で、環状アミドオリゴマーを生成するための酵素触媒が存在しなくとも反応する(表10)。しかし、同じ反応条件下で、酵素触媒を追加することによって、形成される全環状アミドオリゴマーのモルパーセントが大いに増大した。一実施形態では、本酵素触媒は、形成される全環状アミドオリゴマーのモルパーセント(CAO%)を、同一の反応条件下で酵素触媒の非存在下で形成される環状アミドオリゴマーの量と比較して、少なくとも約1.5倍増大させる。
【0047】
酵素触媒は、完全な微生物細胞、透過処理された微生物細胞、微生物細胞抽出物の1種または複数の細胞成分、部分的に精製された酵素、または精製された酵素の形であり得る。酵素触媒は、固定されていない形で使用してもよいし、当業者によく知られた方法を使用して、可溶性または不溶性の支持体上に固定してもよい;例えば、(非特許文献8)を参照のこと。固定化酵素の使用によって、その後の反応における触媒の回収および再利用が可能になる。支持体としては、珪藻土、多糖(すなわち、キトサン、アルギナート、またはカラゲナン)、チタニア、シリカ、アルミナ、ポリアクリレートおよびポリメタクリレート、ポリウレタンおよびイオン交換樹脂などを挙げることができ、酵素は、吸着される、共有結合的に付着される、あるいはイオンによって付着される、あるいは、架橋された酵素結晶(CLECS)の形である可能性がある。
【0048】
本明細書では、用語「リパーゼ」は、リパーゼ活性を有するいずれの酵素も指す。本明細書では、「リパーゼ活性」は、エステル結合を加水分解することによる、脂肪のグリセロールと脂肪酸への加水分解に関する酵素活性を指す。リパーゼ活性を有する加水分解酵素には、プロテアーゼ、アミダーゼ、およびエステラーゼも含まれる。リパーゼはまた、それぞれ、エステル(すなわちエステル転移反応)およびアミド(すなわちアミド基転移)結合の形成を介して、ポリエステルおよびポリアミドなどのポリマーの合成を触媒する能力も有する。一実施形態では、本発明において有用なリパーゼは、環状アミドオリゴマーの合成を触媒する能力を有するものである。別の実施形態では、本発明に有用なリパーゼは、形成される全環状アミドオリゴマーのモルパーセント(CAO%)を、同一の反応条件下で、酵素触媒の非存在下で形成される環状アミドオリゴマーの量と比較して少なくとも約1.5倍増大させるものである。
【0049】
多くのリパーゼが報告されている((非特許文献9)を参照のこと)。一実施形態では、本方法で使用するのに適したリパーゼは、動物、植物、細菌、酵母、真菌、またはウイルスなどの天然の原料から、あるいは合成の原料から得ることができる。一実施形態では、適切なリパーゼの天然原料としては、アルカリゲネス(Alcaligenes)種、カンジダ(Candida)種(カンジダアンタルチカリパーゼB)、シュードモナス(Pseudomonas)種、ケカビ(Mucor)種(例えば、ムコールミエヘイ(Mucor miehei))、およびブルクホルデリア(Burkholderia)種(例えば、ブルクホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)(以前シュードモナスセパシア(Pseudomonas cepacia)として知られていた))が挙げられる。さらに別の実施形態では、リパーゼは、アルカリゲネス(Alcaligenes)種リパーゼ、ムコールミエヘイ(Mucor miehei)リパーゼ、シュードモナス(Pseudomonas)種リパーゼ、ブルクホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)リパーゼ、およびカンジダアンタルチカリパーゼBからなる群から選択される。さらなる実施形態では、リパーゼは、市販品として入手できる原料から得られる。さらなる実施形態では、リパーゼは、アルカリゲネス(Alcaligenes)種リパーゼ(バイオカタリティクス(BioCatalytics)社、ICR−117)、ムコールミエヘイ(Mucor miehei)リパーゼ(バイオカタリティクス(BioCatalytics)社、ICR−116)、シュードモナス(Pseudomonas)種リパーゼ(バイオカタリティクス(BioCatalytics)社、ICR−113またはICR−129)、ブルクホルデリアセパシア(Burkholderia cepacia)リパーゼ(天野エンザイム株式会社(Amano Enzymes,Inc.)、PS−C Amano IおよびPS−C Amano II)、およびカンジダアンタルチカリパーゼB(ノボザイムズ(Novozymes)A/S社、アクリル樹脂上に固定;Novozym(登録商標)435)からなる群から選択される。一態様では、特に有用な触媒は、カンジダアンタルチカリパーゼB(Novozym(登録商標)435)およびシュードモナス(Pseudomonas)種リパーゼ(バイオカタリティクス(BioCatalytics)社 ICR−113、ICR−129)である。別の態様では、適切なリパーゼとして、アルカリゲネス(Alcaligenes)種リパーゼ(ベーリンガーマンハイム社(Boehringer Mannheim)# 1859366)およびシュードモナスセパシア(Pseudomonas cepacia)リパーゼ(ベーリンガーマンハイム社(Boehringer Mannheim)#1827642)が含まれる。さらなる態様では、固定された触媒として、カンジダアンタルチカリパーゼB(Novozym(登録商標)435)および固定されたシュードモナス(Pseudomonas)種リパーゼ(ICR−129、バイオカタリティクス(BioCatalytics)社)が含まれる。
【0050】
酵素(固定されていない、あるいは固定されている)の濃度(w/vパーセント)は、反応混合物の総重量を基準にして、好ましくは約0.01重量パーセント(wt%)から約25wt%、より好ましくは約1wt%から約10wt%、最も好ましくは約3wt%から約10wt%の範囲である。固定されていない酵素の具体的な活性は、1mgのタンパク質につき約0.1IUから(1mgのタンパク質につき)約30,000IUの範囲であることが好ましい。ここでは、IUは、酵素活性の国際単位であり、特定の温度での、1分あたり1マイクロモルの基質の転換に相当する。酵素は、反応混合物に可溶性である必要はなく、固体材料に付着させる(支持させる)こともできる。固定化酵素の具体的な活性は、好ましくは固定化酵素1gにつき約0.1IUから約2000IUであり、より好ましくは、固定化酵素1gにつき約10IUから約500IUである。本明細書では、具体的な活性の1単位(IU)は、適切な反応条件(例えば70℃)下での、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸ジメチルからの1マイクロモル/分の環状ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)の生成に対する同等物である。酵素は、これが、所望の反応を触媒するための活性を失わないでいると想定して、(例えば、生成物混合物から酵素をろ過して取り除くことによって)そのプロセス内で再循環および再利用することができる。
【0051】
本明細書では、用語「非プロトン溶媒」は、その分子が、強く負に帯電した元素(すなわち酸素)の原子に付着された水素原子を有さない有機溶媒を意味する。したがって、非プロトン溶媒は、その中に溶解された物質と陽子を交換しない(すなわち、酸性水素原子を欠く)有機溶媒である。一実施形態では、「非プロトン溶媒」には、反応混合物中のモル過剰のジエステルまたはジアミンを任意選択的に含めることができる。
【0052】
本明細書では、用語「回収する」は、本発明のプロセスによって形成される生成物を単離、精製または、移動することを意味する。反応混合物から生成物(すなわち環状アミドオリゴマー)を単離および精製する方法は、当分野でよく知られており、これらに限定されないが、選択的沈殿、濾過、溶媒抽出、結晶化、およびカラムクロマトグラフィが挙げられる。一実施形態では、用語「回収する」はまた、(通常、酵素触媒を濾過した後に)生成物混合物を、別の反応に移動させて、1種または複数のさらなる生成物を作製することも含む。
【0053】
用語「分子ふるい」は、シリカおよびアルミナ四面体の三次元相互連絡(interconnecting)網様構造を有する結晶性の金属アルミノケイ酸塩を指す。この材料は、特定の大きさの分子を選択的に吸着する均一な空隙からなる。分子ふるいは、様々な孔径の市販品として入手できる。分子ふるい3A(3オングストローム孔径を指す)および4A(4オングストローム孔径を指す)は通常、小分子を吸着(除去)するために使用される。3A分子ふるいは通常、水を除去するために使用され、4A分子ふるいは通常、極性および無極性の非水性培地から水および/またはメタノールを除去するために使用される。
【0054】
本明細書では、「繊維」は、細く長い構造を有する任意の材料(例えばポリマーまたは天然の繊維など)を意味する。この材料は、ガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維、または有機ポリマー(例えばポリエステルまたはポリアミド繊維など)であり得る。
【0055】
本明細書では、繊維「トウ」または「ストランド」は、合わせられた一群の繊維または繊維の束であり、これは、通常スプールに巻き付けられ、よじられる可能性がある、あるいはよじられない可能性がある。
【0056】
本明細書では、用語「繊維予備成形」は、所望の形状に合わせられた繊維トウおよび/またはファブリックの構築を意味する。
【0057】
本明細書では、用語「プリプレグ」は、コンポジットの基材の提供に関して、樹脂に対する繊維の比が厳密に制御されるように、十分な体積の樹脂材料で含浸させた繊維材料(例えば炭素繊維、ガラス繊維、または他の繊維)を意味する。その繊維構造は、トウの形、ファブリックに織られたあるいは編まれた形、あるいは、単方向性のテープである可能性がある。
【0058】
本明細書では、本発明の用いられる成分または反応物の量を修飾する用語「約」は、例えば、現実世界において濃縮物または使用溶液を作製するために使用される、典型的な測定および液体取り扱い手順を介して;こうした手順における不慮のエラーを介して;組成物を作製するあるいは方法を実施するために用いられる成分の製造、原料、または純度の違いを介して生じる可能性がある、数値的な量の変動を指す。用語「約」はまた、特定の初期混合物から生じる組成物の様々な平衡条件によって異なる量を包含する。用語「約」によって修飾されていてもいなくても、特許請求の範囲は、これらの量に対する同等物を含む。
【0059】
(適切な反応条件)
本明細書に記述される酵素的方法は、酵素が所望の反応のための触媒として活性である温度で実行される。温度上限は通常、酵素が活性な触媒でなくなる温度である。しばしば、これは、酵素が反応培地中で変性する温度である。この温度上限は、使用される酵素およびプロセス成分、特に予め選択された使用される溶媒に応じて変動することとなる。通常、こうした温度は、約−20℃から約130℃(好熱性微生物から単離される酵素などの特別な酵素に適した温度上限)の範囲である可能性がある。別の実施形態では、温度範囲は、0°から130℃である。反応の速度がより速いことが多く、様々なプロセス成分の可溶性は通常、より高い温度の場合により高いので、より高温(ただし酵素が活性でなくなる温度未満)が、通常好ましい。一実施形態では、有用な温度は、約20℃から約90℃までの範囲である可能性がある。別の実施形態では、好ましい温度は、約40℃から約75℃までの範囲である可能性がある。
【0060】
本明細書に述べる酵素的プロセスは、酵素が、所望の反応のための触媒として活性であり、かつpHが、所望の生成物の形成を著しく冒さないような活性pH範囲を有する酵素触媒を使用して実施される。酵素触媒が、本発明の非水性反応混合物中で使用される場合、反応混合物のpH調整または制御は、問題をはらむ可能性がある。ザックス(Zaks)ら((非特許文献10);(非特許文献11))は、非水性反応混合物におけるその使用の前に、酵素触媒を含有する溶液のpHを、その酵素の最大の活性をもたらすpHに調節し、その後、(例えば、凍結乾燥、沈殿、結晶化によって)この溶液から酵素触媒を回収する技術を以前に述べている。本発明では、酵素触媒は、本発明の反応混合物中での使用の前に、上で述べた通りに前処理してもよい。
【0061】
一実施形態では、pH範囲は、通常、約2から約10、好ましくは約3から約10、最も好ましくは約6から約8である。当業者であれば、本発明の生成物の最適な生成のために、反応物のpHを調節することが可能である。
【0062】
本発明の酵素的プロセスは、非プロトン性有機溶媒の追加の有無にかかわらず行うことができるが非プロトン性有機溶媒の使用が好ましい。リパーゼは、有機溶媒中での((非特許文献12);(非特許文献13))、あるいは、溶剤を含まない系中での(米国特許公報(特許文献6);(特許文献1))機能が示されている。
【0063】
非プロトン溶媒は、極性であっても無極性であってもよい。非プロトン溶媒の適切な例としては、これらに限定されないが、o−ジクロロベンゼン、ジフェニルエーテル、クロロベンゼン、メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,1,1−トリクロロエタン、ジクロロエタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ペルクロロエチレン、ヘキサン、ベンゼン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、塩化メチレン、モル過剰のジエステル、モル過剰のジアミン、およびそれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、反応に使用されるジエステルまたはジアミンは、化学量論的過剰で加えられ、反応のための溶媒として働く可能性がある。別の実施形態では、非プロトン溶媒は、トルエン、ジフェニルエーテル、およびメチル−t−ブチルエーテルからなる群から選択される。
【0064】
より希釈された反応条件下での分子内反応が、一般に好都合である。したがって、反応混合物中に使用される溶媒の量は、環状アミドオリゴマーの生成を最適化するために、変動する可能性がある。一実施形態では、反応中に使用される溶媒の量は、ジエステルおよび/またはジアミン反応物の濃度を、約2.5モル未満、好ましくは約1.5モル未満、より好ましくは、約1モル未満、さらに好ましくは約0.75モル未満、最も好ましくは約0.5モル以下に制限する。別の実施形態では、ジエステルまたはジアミンは、過剰に加えられ、反応における溶媒として働く可能性があり、その結果、相当する制限された基質(すなわち過剰に加えられないジエステルまたはジアミン基質)は、約2.5モル未満、好ましくは1.5モル未満、より好ましくは約1モル未満、さらに好ましくは約0.75モル未満、最も好ましくは約0.5モル以下である。
【0065】
環状アミドオリゴマーを生成する本発明のプロセスは、反応混合物から過剰水および/またはメタノールおよびエタノールなどの低分子アルキルアルコールを除去するための方法を含んでいてもいなくてもよい。しかし、ザックス(Zaks)ら、((非特許文献14))は、酵素活性を最大にする有機溶媒中で実施される酵素触媒反応において、最適な水濃度が存在することを報告している。一実施形態では、水および/または低分子アルキルアルコールの追加が、環状アミドオリゴマー形成に悪影響を与えない限り、最小限の量の水または低分子アルキルアルコールを、酵素触媒反応に任意選択的に加えることができる。
【0066】
ヤン(Yan)ら、((非特許文献15))は、酵素触媒反応混合物から、水、メタノール、およびエタノールなどの反応副産物を除去するための方法としての、活性化された分子ふるい、マイクロ波加熱、無機塩、蒸発、または共沸蒸留の使用を記載している。商業規模では、水濃度の制御は、蒸発または蒸留によって、あるいは、反応容器内のガス雰囲気の湿度を制御することによって、最も容易かつ経済的に実施される。本発明の実施例では、水濃度の制御および反応混合物からのメタノールまたはエタノールの除去は、反応混合物中に分子ふるいを包含させることによって、最も好都合に実施された。特に好ましいのは、3または4オングストローム(A)孔径を有する分子ふるいの使用である。本方法で使用される分子ふるいの量は、反応混合物の総重量を基準にして、約0重量パーセント(wt%)から約50wt%、好ましくは約0.1wt%から約30wt%、最も好ましくは約5wt%から約20wt%の範囲である。
【0067】
本発明の方法が、追加の非プロトン性有機溶媒の存在下で実施される場合、反応物(ジエステルおよびジアミン)は、溶液中に完全に溶解される可能性もあるし、あるいは、溶解された固体または液体と、溶解されていない固体または液体との混合物として、反応混合物中に存在し、その結果、反応が進行するにつれて、溶解していない固体または液体は溶解し、所望の生成物に転換され続ける可能性もある。反応物が溶液中に存在する場合、反応物(ジエステルおよびジアミン)の濃度は、0.001Mから、特定の反応温度での選択された溶媒における各々の溶解度限界までの範囲であり得る。一実施形態では、反応におけるジエステルおよび/またはジアミンの濃度は、約2.5モルを超えない、好ましくは約1.5モル未満、最も好ましくは約0.5モル以下である。好ましくは、基質は、所定の反応温度で、予め選択された溶媒に対して、少なくとも1.0w/vパーセントの溶解度を有する。より好ましくは、
溶解度は、少なくとも約3w/vパーセント、より好ましくは、少なくとも約5w/vパーセントである。プロセス成分(酵素触媒を除く)がすべて、酵素触媒プロセス全体を通して、所定の反応温度で、選択された溶媒に対して完全に可溶性であることが好ましい。しかし、このプロセスの終了後(酵素触媒の分離の後)、線状アミドオリゴマーから選択的に環状アミドオリゴマーを(濾過によって)沈殿および分離させるために、プロセス混合物の温度は、下げられる可能性がある。任意選択的に、環状アミドオリゴマーを、反応プロセス中に、選択された反応溶媒中に沈殿させてもよい。沈殿させた環状オリゴマーは、濾過によって回収することもできるし、様々な溶媒および/または溶媒温度の増大を使用して再溶解させてもよい。好ましくは、環状アミドオリゴマーまたは線状アミドオリゴマーの選択的沈殿を促進する溶媒および/または溶媒温度が選択される。任意選択的に、可溶性の環状アミドオリゴマーは、これらに限定されないが、環状または線状アミドオリゴマーの選択的抽出、またはカラムクロマトグラフィによる分離などの方法を含めた周知の方法によって、可溶性の線状アミドオリゴマーから分離することができる。
【0068】
このプロセスは、回分、半回分、または、連続プロセスで実行することができる。揮発性の副産物が不活性ガス流(すなわちスパージング)を使用して除去される場合、気体内の揮発性物質は、(気体を冷却して揮発性物質を凝縮させることによって)回収することができる、かつ/または、気体を、このプロセスで再利用することができる。
【0069】
(適切なジエステルおよびジアミン)
本発明の大環状アミドオリゴマーの生成のための酵素的プロセスは、以下の式によって一般に表される。
【0070】
【化2】

【0071】
式中、n=1から20であり、好ましくはn=1から10であり、より好ましくは、n=1から5であり、最も好ましくはn=1から3であり;Aはジエステルから誘導され、Bはジアミンから誘導される。
【0072】
環状アミドオリゴマーは、環状の単量体(ここではn=1)、二量体(n=2)、三量体(n=3)、四量体(n=4)、および五量体(n=5)として記述することができる。ここで、同様の命名規則を、重合度がより高い環状アミドオリゴマーにも使用することができる。
【0073】
本発明によって合成される環状アミドオリゴマーは、少なくとも約1モルパーセント、好ましくは少なくとも5モルパーセント、より好ましくは少なくとも25モルパーセント、最も好ましくは少なくとも50モルパーセントの量で生成される。
【0074】
ジエステルとジアミンのモル比は、ほぼ等しい可能性もあるし、化学量論的不均衡の状態の下で、実行することもできる。ジアミンに対するジエステルのモル比(ジエステル/ジアミン)は、約0.10から約10の範囲であり得る。別の実施形態では、ジアミンに対するジエステルのモル比は、約0.25から約4の範囲であり得る。さらなる実施形態では、ジアミンに対するジエステルのモル比は、約0.95から約1.05の範囲であり得る。さらなる実施形態では、溶媒としてジエステルまたはジアミンを使用する場合、化学量論的不均衡は著しく大きい(ジアミンに対するジエステルのモル比が、0.10未満から10超)可能性がある。本明細書では、「モル過剰」は、反応混合物中のジエステルとジアミンの間に化学量論的不均衡が存在するような反応条件を指す。一実施形態では、反応混合物中のジエステルが、ジアミンに対して、モル過剰である可能性がある。別の実施形態では、反応混合物中のジアミンが、ジエステルに対して、モル過剰である可能性がある。さらなる実施形態では、モル過剰のジエステルまたはジアミンが、反応混合物内で溶媒として機能する。さらに別の実施形態では、反応混合物は、モル過剰のジアミンまたはジエステルと、非プロトン性有機溶媒を含む。
【0075】
適切なジエステルは、以下の式によって表される。
1OOC−[R3m−[X1−R4y−COOR2
(式中、R1およびR2は独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換されたアルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、アルコキシアルキル、およびアルケニルのうちの1つから選択される、C1からC20のヒドロカルビル基であり;R3およびR4は独立して、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アリーレンおよびアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC10のヒドロカルビル基であり;X1は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、ヘテロ原子は、酸素を含み、非ヘテロ原子は、NHを含み;yは、0から5であり;m=0または1であり、ここで、X1がヘテロ原子または非ヘテロ原子である場合、mは1である)
【0076】
適切なジアミンは、以下の式によって表される。
2N−R5−[X2−R6z−NH2
(式中、R5およびR6は、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アルカリレン、アリーレン、およびアルケニルからなる群から選択されるC1からC6のヒドロカルビル基であり;X2は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、ヘテロ原子は、酸素またはイオウを含み、非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル;あるいはアルキル、アルキレン、アリール、ハロアルキル、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、またはアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC6のヒドロカルビル基を含み;zは、0から20であり;R5およびR6は、同じであっても異なっていてもよい)
【0077】
一実施形態では、R1およびR2は独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換されたC1からC6のヒドロカルビル基であり;mは、0または1であり;R3は、C1からC10のヒドロカルビル基であり;yは、0から5であり;R4は、C1からC3のヒドロカルビル基であり;R5およびR6は独立して、C1からC6のヒドロカルビル基であり;zは、0から5であり;X2は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、ヘテロ原子は、酸素またはイオウを含み、非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル、またはC1から4のヒドロカルビル基を含む。
【0078】
別の実施形態では、R1およびR2は独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換されたC1からC6のアルキル基であり;mは、1であり;R3は、C1からC10のアルキル基であり;yは、0であり;R5およびR6は独立して、C1からC6のヒドロカルビル基であり;zは、0から4であり;X2は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、ヘテロ原子は、酸素またはイオウを含み、非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル、またはC1から4のヒドロカルビル基を含む。
【0079】
さらなる実施形態では、R1およびR2は独立して、エーテル結合で任意選択的に置換されたC1からC6のアルキル基であり;mは、1であり;R3は、C1からC10のアルキル基であり;yは、0であり;R5は、C1からC6のヒドロカルビル基であり;zは、0から4であり;R6は、C1からC4アルキル基であり;X2は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、ヘテロ原子は、酸素であり、非ヘテロ原子は、アミンまたはC1からC4アルキル基である。
【0080】
さらに別の実施形態では、R1およびR2は独立して、C1からC2のアルキル基であり;mは、1であり;R3は、C1からC10のアルキル基であり;yは、0であり;R5は、C1からC6のアルキル基であり;zは、1であり;R6は、C1からC4アルキル基であり;X2は、C1からC2のアルキル基である。
【0081】
適切なジエステルとしては、これらに限定されないが、アジピン酸ジアルキル、マロン酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、グルタル酸ジアルキル、フタル酸ジアルキル、イソフタル酸ジアルキル、テレフタル酸ジアルキル、マレイン酸ジアルキル、フマル酸ジアルキル、シュウ酸ジアルキル、フェニルマロン酸ジアルキル、スベリン酸ジアルキル、セバシン酸ジアルキル、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)、2,2’−オキシビス酢酸ジメチル、3,3’−オキシビスプロパン酸ジメチル、3,3’−[1,2−エタンジイルビス(オキシ)]ビスプロパン酸ジメチル、およびβ−アラニン、N−(3−メトキシ−3−オキソプロピル)メチルエステル、およびそれらの混合物が挙げられる。ある特定の実施形態では、ジエステルは、アジピン酸ジアルキルである。
【0082】
適切なジアミンとしては、これらに限定されないが、1,6−ジアミノヘキサン(ヘキサメチレンジアミン)、1,12−ジアミノドデカン、1,10−ジアミノデカン、ジエチレントリアミン、トリエチレングリコールジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン、スペルミン、ビス−(ヘキサメチレントリアミン)、o−フェニレンジアミン、ポリ(オキシエチレン)ジアミン、ポリ(オキシプロピレン)ジアミン、ポリエーテルジアミン、およびそれらの混合物が挙げられる。ある特定の実施形態では、ジアミンは、1,6−ジアミノヘキサン、1,10−ジアミノドデカン、または1,12−ジアミノドデカンである。
【0083】
本発明によって生成される環状アミドオリゴマーとしては、これらに限定されないが、環状ポリ(エチレンオキサルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(デカメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(エチレンフマルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンフマルアミド)、環状ポリ(デカメチレンフマルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンフマルアミド)、環状ポリ(プロピレンマロンアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンマロンアミド)、環状ポリ(デカメチレンマロンアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンマロンアミド)、環状ポリ(エチレンマレイアミド(maleiamide))、環状ポリ(ヘキサメチレンマレイアミド)、環状ポリ(デカメチレンマレイアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンマレイアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(デカメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(ドデカメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(ヘキサメチレングルタルアミド)、環状ポリ(デカメチレングルタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレングルタルアミド)、環状ポリ(エチレンアジパミド)、環状ポリ(テトラメチレンアジパミド)、環状ポリ(ペンタメチレンアジパミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、環状ポリ(デカメチレンアジパミド)、環状ポリ(ドデカメチレンアジパミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンアジパミド)、環状ポリ(o−フェニレンアジパミド)、環状ポリ(エチレンピメラミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンピメラミド)、環状ポリ(デカメチレンピメラミド)、環状ポリ(ドデカメチレンピメラミド)、環状ポリ(プロピレンスベルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンスベルアミド)、環状ポリ(デカメチレンスベルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンスベルアミド)、環状ポリ(エチレンアゼラミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)、環状ポリ(デカメチレンアゼラミド)、環状ポリ(ドデカメチレンアゼラミド)、環状ポリ(エチレンセバカミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)、環状ポリ(デカメチレンセバカミド)、環状ポリ(ドデカメチレンセバカミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールセバカミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンセバカミド)、環状ポリ(o−フェニレンセバカミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンセバカミド)、環状ポリ(エチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(デカメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールドデカンジアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンドデカンジアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンドデカンジアミド)、環状ポリ(o−フェニレンドデカンジアミド)、環状ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(p−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(p−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンテレフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールフタルアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールイソフタルアミド)、または環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンイソフタルアミド)が挙げられる。
【0084】
好ましい実施形態では、環状アミドオリゴマーとしては、これらに限定されないが、環状ポリ(エチレンオキサルアミド)、環状ポリ(プロピレンマロンアミド)、環状ポリ(テトラメチレンアジパミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、環状ポリ(デカメチレンアジパミド)、環状ポリ(ドデカメチレンアジパミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンスベルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンスベルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)、環状ポリ(エチレンセバカミド)、環状ポリ(デカメチレンセバカミド)、環状ポリ(ドデカメチレンセバカミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールセバカミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンセバカミド)、環状ポリ(オルトフェニレンセバカミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(デカメチレンドデカンジアミド)、または環状ポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド)が挙げられる。
【0085】
特に好ましい実施形態では、環状アミドオリゴマーは、環状ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)および環状ポリ(ドデカメチレンアジパミド)である。
【0086】
(環状アミドオリゴマーを生成するための非環状オリゴマーの使用)
別の態様では、非環状オリゴマーを、環状アミドオリゴマーの酵素的生成のための基質として使用することができる。非環状オリゴマーとしては、線状オリゴマー、分枝オリゴマー、非環状オリゴマーの混合物、またはジエステルおよび/またはジアミンとの非環状オリゴマーの混合物が挙げられる。例えば、得られた線状オリゴマーが、少なくとも1つのエステルと少なくとも1つのアミン基からなる限り、ジエステル(A)とジアミン(B)との重合から誘導される線状オリゴマー→(A−B)nを使用して、環状アミドオリゴマーを生成することができる。ここで、nは、1つまたは複数であり、好ましくは1から約30であり、より好ましくは1から約20であり、より好ましくは、1から約10であり、さらに好ましくは、1から5である。
【0087】
【化3】

【0088】
希釈反応条件を使用する場合、分子内反応は通常好都合である。線状アミドオリゴマーの環状アミドオリゴマーへの酵素的転換は、好ましくは、非プロトン性有機溶媒中で実施される。線状アミドオリゴマーの平均長に応じて、溶解度限界は変動することとなる。より短い線状アミドオリゴマー(例えばn=5以下)については、線状アミドオリゴマー(LAO)の環状アミドオリゴマー(CAO)への酵素的転換に使用される溶媒の量は、反応物中のLAOの濃度が一般に、約2.5モル未満、好ましくは約1モル未満、より好ましくは約0.75モル未満、さらに好ましくは0.1M未満、最も好ましくは約0.01モル以下であるように調節される可能性がある。より長い線状アミドオリゴマー(例えばn>5)については、使用される溶媒の量は、線状アミドオリゴマーの濃度が、線状アミドオリゴマーの飽和濃度に近い、好ましくは約0.3モル以下、より好ましくは約0.1モル以下になるように調節される可能性がある。
【0089】
線状アミドオリゴマーの環状アミドオリゴマーへの酵素的転換に適した反応条件(pH、使用される非プロトン溶媒、温度、および加水分解酵素触媒)は、上で述べたものである(「適切な反応条件」を参照のこと)。
【0090】
(環状アミドオリゴマーの単離および分析)
所望の環状アミドオリゴマー(CAO)は、当技術分野で知られた精製/単離技術によって回収することができる。例えば、CAOが固体である場合、これは、溶液を冷却するかつ/または溶媒の一部またはすべてを除去し、例えば濾過によって固体のCAOを回収することによって、溶液から回収することができる。このプロセスで残留する(任意の分子量の)いくらかの線状ポリアミドが存在する場合、1つまたは複数の溶媒からの差別的な沈殿または抽出によって、線状ポリアミドからCAOを分離することが可能である。適切な溶媒の例としては、これらに限定されないが、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルアセトアミド、ヘキサフルオロイソプロパノール、アセトン、およびキシレンが挙げられる。線状鎖からの環状オリゴマーの分離のための他の方法としては、これらに限定されないが、クロマトグラフィー、(例えば、ナイロン6,6環状体(cyclics)を分離するための)結晶化、および(例えば、ナイロン12,6環状体を分離するための)昇華が挙げられる。
【0091】
これらに限定されないが、薄層クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、NMR分光法(陽子および炭素)、赤外線(IR)分光法、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー、および質量分析法(MALDI−TOF MSおよびESI−MSを含む)を含めて、ポリマー分析のための利用可能な多くの手段が存在する((非特許文献16))。
【0092】
(環状アミドオリゴマーを使用する、成形された産物の製造)
本発明の一態様では、成形品は、環状アミドオリゴマー材料(フィラーを含むあるいは含まない)を使用して、これらに限定されないが、注入および回転成形、樹脂膜注入、樹脂トランスファー成形、フィラメントワインディング、プリプレグまたはフィルムを作製するためのパウダーコーティング、ホットメルト・プリプレグ調製、圧縮成形、ロールラッピング、および引抜成形(補強材を含む、あるいはある種の場合では含まない)などのプロセスを使用して、物品を形成するプロセスでこれを重合させることによって、生成することができる。唯一の条件は、この状況が、環状アミドオリゴマーが重合して、高分子量のポリアミドを形成するのを可能にするということである;すなわち、環状アミドオリゴマーは、少なくともその融点で加熱されなければならない。一般に、こうしたプロセスのほとんどは、加工される樹脂の溶融粘度が低いことを必要とする;したがって、環状アミドオリゴマー(低い溶融粘度を有する)は、特にこうした加工に適している。
【0093】
例えば、環状アミドオリゴマーから物品を製造するための成形プロセスには、少なくとも1種の環状アミドオリゴマーと、少なくとも1種の重合触媒の混合物または付加物を型に入れることと、型の内容物を、オリゴマーの重合が起こるのに十分高い温度に加熱することが含まれる。これは、オリゴマーの融点より上、通常、約120から約280℃の範囲である。融解したオリゴマーおよび触媒は、融解したオリゴマーの低い粘性のため、射出成形プロセスに典型的な、5,000から20,000psi(34MPaから64MPa)よりもかなり低い圧力で、型に注入することができる。
【0094】
圧縮成形では、オリゴマーおよび触媒は、成形機内の上ダイと下ダイとの間に入れられる。オリゴマーおよび触媒は通常、繊維ベースの材料に装填される。型のダイは、均一に型を満たすのに十分な圧力でプレスされ、型の中身は、重合が起こるのに十分高い温度に加熱される。圧縮成形は、薄く、かつ一般に、穏やかな特徴を有し平らであるプラスチック複合部分、ならびにトラックおよび自動車ボディパネル、バンパービーム、様々なトレイ、および機械ハウジング)などの外形を作製するために使用される。
【0095】
回転成形では、成形プロセスは、中身が、型の内部の意図される領域に広げられるように、同時に2本の軸のまわりに型を回転させ、回転を開始した後中身を加熱し、中身が重合および凝固するまで、型を回転させ続けることをさらに含む。回転成形は、非常に様々な流体貯蔵タンク、トラクター泥よけ、および広範な小児の玩具などの、中空の熱可塑性物品を作製するためのプロセスである。
【0096】
樹脂膜注入では、触媒を含有する環状アミドオリゴマーの層または膜を、繊維性材料の乾燥層に隣接する型に入れ、型の中身を加熱させると、オリゴマーおよび触媒が、繊維材料の乾燥層に浸み込む。樹脂膜注入は、片面がほとんど平坦であり、細密な特徴を有する可能性があるプラスチック複合物を作製するためのプロセスである。こうした物品の例は、通常、炭素繊維とエポキシ樹脂を用いて作製される複合体から構築される航空機翼外板である。
【0097】
反応射出成形(RIM)は、ウレタンベースの化学と共に従来使用されているが、DSMおよび本願特許出願人による取り組みは、カプロラクタムへのRIM技術の適用に集中している((非特許文献17))。RIM技術のカプロラクタムへの適用は、鋳込み技術に焦点を合わせた初期の取り組みから生じた。例えば、ダーネル(Darnell)ら(米国特許公報(特許文献7))は、カプロラクタム鎖成長重合のための活性化されたモノマー手法の有効性を試験した。通常、環状アミドの開環重合(ROP)に対する関心は、環状アミドモノマーの低い溶融粘度、およびRIM様のプロセスにおける高分子量ポリアミドへのその転換に起因するものであった((非特許文献18))。モノマーの本質的に低い溶融粘度状態(<30cps)によって、大環状手法が、小さく複雑な部分、繊維マットの優れた浸潤、および空隙を含まない材料の作成に有用になる。さらに、環状モノマーから末端基をなくすことによって、非常に高分子量のポリマーの調製が容易になる。こうした環状モノマーは、引抜成形、樹脂トランスファー成形、および鋳込みなどの広い範囲のポリマー加工技術に容易に適用可能である。例えば、環状ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)は、繊維、フィルムに、また、成型物(電気および自動車部品など)に有用である。
【0098】
本発明の組成物および方法は、様々な環状アミドオリゴマーから、様々な大きさおよび形の物品を製造するために使用することができる。本発明によって製造することができる例示的な物品としては、これらに限定されるものではないが、自動車ボディパネルおよびシャーシ部品、バンパービーム、航空機翼外板、風車の羽根、流体貯蔵タンク、トラクター泥よけ、テニスラケット、ゴルフシャフト、ウィンドサーフィン・マスト、玩具、ロッド、チューブ、棒材、自転車のフォーク、および機械ハウジングが挙げられる。
【0099】
物品の製造の際、1種または複数の様々なタイプのフィラーを含ませることができる。特定のフィラーは、所望の目的または特性を提供するために、しばしば含まれ、得られるポリアミドポリマー中にも存在する可能性がある。例えば、フィラーの目的は、ポリアミドポリマー生成物の強度を増大することである可能性がある。窒化ホウ素は、高レベルの熱伝導率と低レベルの電気伝導度を必要とする用途においてフィラーとして使用される。フィラーはまた、特定の密度を提供するために、より費用のかかる材料のための代替物となるように、かつ/または、当業者であればわかるような他の望ましい特性を提供するために、重量または嵩を提供する可能性がある、あるいは提供する。フィラーの例は、特に、フュームドシリカ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、チョップドファイバー、フライアッシュ、ガラス微小球、マイクロバルーン、砕石、ナノクレイ、線状ポリマー、およびモノマーである。フィラーは、重合反応の前、間、または後に加えることができる。フィラーは一般に、フィラー、およびフィラーを加える目的に応じて、全体(すなわちオリゴマー+触媒+フィラー+存在する可能性がある他の任意の添加物)の重量を基準にして約0.1%と70%との間で加えられる。例えば、その割合は、炭酸カルシウムの場合、好ましくは25%と50重量%の間、ナノクレイの場合、2%と5重量%との間、ガラス微小球の場合、25%と70重量%との間である。フィラーは、ポリアミドポリマー複合体を調製するために使用することができる。
【0100】
さらに、物品の製造の際、さらなる構成成分(例えば、添加物)を加えることができる。例示的な添加物としては、着色料、顔料、磁気材料、酸化防止剤、UV安定剤、可塑剤、難燃剤、潤滑剤、および離型剤が挙げられる。
【0101】
本発明によって作製される環状アミドオリゴマーは通常、線状アミドオリゴマーを使用する本質的に任意の用途に使用することができる。環状アミドオリゴマーのさらなる使用としては、これらに限定されないが、パウダーコーティング(米国特許公報(特許文献8)および米国特許公報(特許文献9))、クレーピング(creping)接着剤、およびセルロース生成物を作製するための湿潤強化(wet strength)樹脂(米国特許公報(特許文献6))などの用途が挙げられる。
【0102】
一実施形態では、成形品を形成するプロセスに使用される環状アミドオリゴマーの量は、物品を形成するプロセスにおいて使用される出発材料の少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも5wt%、より好ましくは少なくとも25wt%、さらに好ましくは少なくとも50wt%、さらに好ましくは少なくとも90wt%、最も好ましくは少なくとも99wt%である。
【0103】
本出願人らは、この開示に、すべての引用文献の全内容を個々に援用する。さらに、量、濃度、あるいは他の数値またはパラメータが、範囲、好ましい範囲、または上限の好ましい数値と下限の好ましい数値の列挙として与えられる場合、これは、範囲がそれとは別に開示されているか否かに関わらず、任意の上限の範囲限界または好ましい数値と、任意の下限の範囲限界または好ましい数値との任意の対から形成されるすべての範囲を個々に開示するものと理解されよう。別段の記述がない限り、数値の範囲が、本明細書に詳述される場合、その範囲は、それらの終点、および範囲内のすべての整数および端数を含むことが意図される。範囲を定義する場合、本発明の範囲が、詳述される特定の値に限定されることは意図されない。
【実施例】
【0104】
本発明を、以下の実施例でさらに定義する。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示唆する一方、実例としてのみ与えられることを理解すべきである。上記説明およびこれらの実施例から、当業者は、この発明の本質的な特性を確認することができ、その趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な使用および条件にこれを適合させるために、本発明の様々な変形と改変を作製することができる。
【0105】
すべての試薬は、特に明記しない限り、アルドリッチケミカル(Aldrich Chemicals)(ミルウォーキー、ウィスコンシン州)ディフコ研究所(DIFCO Laboratories)(デトロイト、ミシガン州)ギブコ/BRL(GIBCO/BRL)(ゲーサーズバーグ、メリーランド州)またはシグマケミカルカンパニー(Sigma Chemical Company)(セントルイス、ミズーリ州)から入手した。加水分解酵素は、バイオカタリティクス(BioCatalytics)社(パサデナ、カリフォルニア州)、ベーリンガーマンハイム社(Boehringer Mannheim)社(マンハイム、ドイツ)、ロシュ・ダイアグノスティックス社(Roche Diagnostics)(インディアナポリス、インディアナ州)、天野エンザイム株式会社、米国(エルギン、イリノイ州)、またはノボザイムズ(Novozymes)A/S(Bagsvaerd、デンマーク)から入手した。
【0106】
省略形の意味は、以下の通りである:「h」は、時間を意味し、「min」は、分を意味し、「mL」は、ミリリットルを意味し、「μL」は、マイクロリットルを意味し、「L」は、リットルを意味し、「mg」は、ミリグラムを意味し、「MPA」は、大環状ポリアミドを意味し、「CAO」は、環状アミドオリゴマーを意味し、「HMD」は、ヘキサメチレンジアミンを意味し、「DMA」は、アジピン酸ジメチルを意味し、「DADD」は、ジアミノドデカンを意味し、「DPE」は、ジフェニルエーテルを意味し、「MTBE」は、メチル−t−ブチルエーテルを意味し、「o−PD」は、オルト−フェニルジアミンを意味し、「MC%」は、モノマー(ジエステル)転換率を意味し、「cU%」は、形成される環状単量体のモルパーセントを意味し、「cD%」は、形成される環状二量体のモルパーセントを意味し、「cT%」は、形成される環状三量体のモルパーセントを意味し、「CAO%」は、形成される全環状アミドオリゴマーのモルパーセントを意味し、「wt%」は、重量パーセントを意味し、「M」は、モル濃度を意味し、「MALDI−TOF MS」は、マトリクス支援レーザー脱離/イオン化・飛行時間型質量分光法を意味し、「HPLC MS」は、質量分光法を用いる高速液体クロマトグラフィーを意味し、「rpm」は、毎分回転数を意味する。
【0107】
(一般的な方法)
(ジエステル転換のHPLC決定)
2487 UV検出器(210nm)と、Novapak C18カラム(3.9×150mm、60A孔径、4μm粒径)を備え付けたWaters Alliance 2695セパレーションモジュールを使用した。水:アセトニトリル移動相は、以下の勾配を用いて1mL/分で流した。
【0108】
【表1】

【0109】
溶媒を伴わない適切なジエステルまたは反応サンプルを、アセトニトリル/水に溶解させた。以下のジエステルの保持時間が、観察された:シュウ酸ジメチル(C2)2.36min、マロン酸ジメチル(C3)3.05min、コハク酸ジメチル(C4)4.05min、アジピン酸ジメチル(C6)7.7min、スベリン酸ジメチル(C8)12.3min、セバシン酸ジメチル(C10)16.5min、アジピン酸ジエチル 12min、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)19.4min。モノマー転換は、反応混合物におけるジエステルのピーク領域を、既知の濃度のジエステルを用いて作られた較正曲線と比較することによって決定された。
【0110】
(オリゴマー組成(物)のMALDI−TOF分析)
生成物混合物を、トルエン/メタノール混合物(実施例で述べた通り50/50または20/80)に溶解し、約0.2Mの溶液(または、0.025Mの反応物での非常に希釈された反応のための、少なくとも0.01Mの溶液)を作製した。これらのサンプルを、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)で、300:1に(あるいは、非常に希釈された反応混合物サンプルのために15:1に)希釈した。トルエン/メタノールに可溶性であると考えられないサンプルは、その代わりにトリクロロエタノール(TCE)に溶解し、TCEで300:1に(あるいは、非常に希釈された反応混合物サンプルのために15:1に)希釈した。溶液を、以下のように、マトリクス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)ターゲットプレートに乗せた。第一に、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)(0.5mL)をアセトンに入れた飽和溶液を、マトリックスとして作用させるために、ターゲットプレートに加えた。次いで、乾燥させたマトリックス斑点に、HFIPまたはTCE反応混合物溶液0.5mLを加えた。HFIP溶液は、空気中で急速に乾燥させ、TCE溶液は、真空中で乾燥させた。窒素(337nm)レーザーを使用して作動するPerSeptives Biosystems Voyager−DE STR MALDI−TOF質量分析計を使用して、すべてのサンプルに対してMALDI−TOF質量スペクトルを得た。各質量スペクトルは、100から250のレーザー現象の蓄積である。
【0111】
エステル−アミン、エステル−エステル、アミン−アミン、酸性アミン、酸性エステルおよび酸性酸末端を伴う環状種および線状鎖が、H+、Na+、またはK+付加物として質量スペクトル中に観察された。例えば、環状ナイロン12,6単量体([NH(CH212NH−C(O)(CH26C(O)]1)は、水素、ナトリウムおよびカリウムによってカチオン化されたイオンとして、それぞれ、311、333、および/または349Daで検出された。
【0112】
すべてのオリゴマー中の環状種の相対的なモルパーセントを、相当するオリゴマーに対するすべての観察されたイオンの面積から算出した。この定量化の妥当性、すなわち、低分子量のオリゴアミド(2500Daを超えず、1000Da未満が最も豊富である、この反応において観察されたオリゴアミド)に対する同様のイオン化効率を、以下の通りに評価した。三量体が最も豊富な種である低分子量のナイロン6,6オリゴマーを、優勢なオリゴマーが、酸末端を有する直鎖であるような方式で合成した。同様に、優勢なアミン末端を有し、さらに酸−アミン末端を有する同様の線状オリゴマーを合成した。最も豊富な種として三量体を有する環状オリゴマーは、ナイロン6,6のメタノール抽出によって得られた。各々の固体材料を秤量し、HFIPに溶解して、ほぼ等モルの溶液を作成した。マトリックスとしてDHBを使用するMALDI−TOF標的に別々に溶液を沈澱させる際に、また、質量スペクトルを得る際には、同一の条件を使用した。優勢なオリゴマー以外のオリゴマーのコンタミネーションを、各スペクトルについて試験した。その後、この4つの溶液を混合して、酸末端、アミン末端、酸−アミン末端、および環状体を有する低質量ナイロン6,6オリゴマーの等モル混合物を作製した。各成分中のコンタミネーションを考慮に入れると、この等モル混合物のMALDI−TOF質量スペクトルにおいて各オリゴマータイプについて観察される総イオン存在量から、異なる末端または環状体に対して、MALDI−TOF脱離/イオン化プロセスにおいては、いずれの区別も最小限であることが示された。
【0113】
(実施例1 トルエンまたはジフェニルエーテル(DPE)中での、Novozym(登録商標)435(10wt%)を用いる、ヘキサメチレンジアミン(HMD)またはジアミノドデカン(DADD)(0.5M)とアジピン酸ジメチル(DMA)からの大環状アミドの合成)
200mgのNovozym(登録商標)435(ノボザイムズ(Novozymes)A/S)、116mgのHMDまたは200mgのDADD、選択された量のDMA(表1)、それぞれ、0.25、1、または4のDMA/HMDモル比のための1.84mL、1.72mL、または1.23mLのトルエンまたはDPE、あるいはそれぞれ、0.25、1、または4のDMA/DADD比のための1.76mL、1.64mL、または1.14mLのトルエンまたはDPE、および200mgの4A分子ふるいを含有する、撹拌子を備えた8mLの反応バイアルを、絶えず撹拌しながら、高温で保温した。
【0114】
適切な時間の後、反応物から熱を除去し、2mLの暖かい(60℃)トルエン/メタノール(80/20)を使用するポリプロピレン遠心管に入れ、5分間12000rpmで遠心分離し、上清を収集した。暖かいトルエン/メタノール(80/20)の添加、遠心分離、および上清取出しを繰返し、上清分画を合わせた。上清を、環状アミドオリゴマー含有率(CAO、%)についてMALDI−TOF MSによって分析した。
【0115】
環状単量体以外の環状体(cU、%)および環状二量体(cD、%)は検出されなかった。環状化合物は、酵素を含まないHMD反応物中には見つけられず、酵素を含まないDADD反応物中には、1%未満の環状単量体が検出された。
【0116】
【表2】

【0117】
(実施例2 70℃での、トルエン中での、Novozym(登録商標)435(10wt%)を用いる、HMDまたはDADD(0.5M)とDMA(0.5M)からの大環状アミドの合成)
200mgのNovozym(登録商標)435、116mgのHMDまたは200mgのDADD、164μL DMA、1.72mL(HMDに対して)または1.64mL(DADDに対して)のトルエン、および選択された量(表2)の4Aまたは3A分子ふるい(アルドリッチ(Aldrich))を含有する、撹拌子を備えた8mLの反応バイアルを、絶えず撹拌しながら、70℃で保温した。
【0118】
24時間後、反応物から熱を除去し、2mLの暖かい(60℃)トルエン/メタノール(80/20)を使用するプロピレン遠心管に入れ、5分間12000rpmで遠心分離し、上清を収集した。暖かいトルエン/メタノール(1/1)(vol/vol)の添加、遠心分離、および上清取出しを繰返し、2つの上清分画を合わせた。上清およびトリクロロエタノールに溶解した固体生成物を、環状ポリアミド含有率−環状単量体(cU、%)、環状二量体(cD、%)、および全環状アミドオリゴマー(二量体よりも大きな環状体は観察されなかった)(CAO、%)の割合について、MALDI−TOF MSによって分析した。モノマー(ジエステル)転換率(MC、%)は、上清のHPLC分析によって決定された。固体生成物(Solid、wt%)が形成される反応では、生成物混合物全体にわたる環状化合物のモル含有率は、上清中の環状体の含有率、固体生成物中の環状体の含有率、および上清と固体の相対重量から算出された(表2)。通常、上清は、固体と比較して、環状種が豊富であった。固体には、より短い環状種が、比較的小さな量で物理的に取り込まれ、固体は主に、トルエン/メタノールへの溶解性が低い、より長い線状ポリアミド鎖(それでも通常<2500Daの低分子量)からなっていた。
【0119】
【表3】

【0120】
(実施例3 70℃での、トルエン中での、Novozym(登録商標)435(10wt%)を用いる、等モル比の、様々な濃度のHMDまたはDADDおよびDMAからの大環状アミドの合成)
200mgのNovozym(登録商標)435、200mgの4A分子ふるい、適切な量のHMDまたはDADDおよびDMA、および選択されたモル濃度(表3)を有する2mLの反応溶液を生ずるためのトルエンを含有する、撹拌子を備えた8mLの反応バイアルを、絶えず撹拌しながら、70℃で保温した。非酵素的な対照として、固定化酵素を含まずに実施すること以外は厳密に同じ方式で、反応物を調製した。
【0121】
24時間後、反応物から熱を除去し、暖かい(60℃)トルエン/メタノール(1/1)と共に175μmガラスフィルターを介して濾過し、トリクロロエタノール中に溶解した濾液および固体生成物を、環状体含有率(環状単量体(cU、%)、環状二量体(cD、%)、および全環状アミドオリゴマー(二量体よりも大きな環状体は観察されなかった)(CAO、%)の割合)について、MALDI−TOF MSによって分析した。モノマー(ジエステル)転換率(MC、%)は、実施例2に記載される通りに、濾液のHPLC分析によって決定された。固体生成物(Solid、wt%)が形成される反応では、生成物混合物中の環状化合物の含有率は、濾液中の環状体の含有率、固体生成物中の環状体の含有率、および濾液と固体の相対重量から算出された(表3)。
【0122】
【表4】

【0123】
(実施例4 70℃での、Novozym(登録商標)435(10wt%)を用いる、DADD(0.5M)と溶媒としてのDMAからの大環状アミドの合成)
200mgのNovozym(登録商標)435、200mgのDADD、および1.8mLのDMAを含有する、撹拌子を備えた8mLの反応バイアルを、24時間絶えず撹拌しながら、70℃で保温した。非酵素的な対照として、固定化酵素を含まずに実施すること以外は厳密に同じ方式で、反応物を調製した。
【0124】
反応物を、実施例3に述べる通りに分析した。DMA転換は、測定されなかった。反応物は、酵素を含み、4A分子ふるいを含まない場合、13.4%環状単量体を生じ(二量体は形成されなかった)、酵素を含み、10wt%分子ふるい4Aが存在する場合には、3.5%単量体を生じ(二量体は形成されなかった)、酵素を含まない場合は、環状オリゴマーは形成されなかった。
【0125】
(実施例5 追加の水を加える(0.2M)、70℃での、トルエン中での、Novozym(登録商標)435(10重量%)を用いる、DADD(0.25M)とDMA(0.25M)からの大環状アミドの合成)
200mgのNovozym(登録商標)435(使用される場合)、200mgのDADD、164μLのDMA、7.2μL水(任意選択的に加えられる)、および1.64mLのトルエンを含有する、撹拌子を備えた8mLの反応バイアルを、24時間絶えず撹拌しながら、70℃で保温した。非酵素的な対照として、固定化酵素を含まずに実施すること以外は厳密に同じ方式で、反応物を調製した。
【0126】
この反応物を、実施例3に述べる通りに分析した。結果を表4に示す。
【0127】
【表5】

【0128】
(実施例6 70℃での、トルエン中での、異なる酵素濃度のNovozym(登録商標)435を用いる、DADD(0.5M)とDMA(0.5M)からの大環状アミドの合成)
適切な量のNovozym(登録商標)435、200mgのDADD、164μLのDMA、および1.64mLのトルエンを含有する、撹拌子を備えた8mLの反応バイアルを、絶えず撹拌しながら、70℃で保温した。非酵素的な対照として、0.025M反応物での反応物を、固定化酵素を含まずに実施すること以外は厳密に同じ方式で調製した。
【0129】
この反応物を、実施例3に述べる通りに分析した。結果を表5および図1に示す。
【0130】
【表6】

【0131】
(実施例7 異なる温度での、トルエン中での、Novozym(登録商標)435(10wt%)を用いる、DADD(0.1M)とDMA(0.1M)からの大環状アミドの合成)
200mgのNovozym(登録商標)435、40mg DADD、33μL DMA、および1.93mLのトルエンを含有する、撹拌子を備えた8mLの反応バイアルを、絶えず撹拌しながら、45、70、または90℃で保温した。
【0132】
この反応物を、実施例3に述べる通りに分析した。結果は表に示す。
【0133】
【表7】

【0134】
(実施例8 45℃での、トルエンまたはメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)中での、様々な酵素(10wt%)を用いる、DADD(0.1M)とDMA(0.1M)からの大環状アミドの合成)
200mgの酵素、33μL DMA、40mgのDADD、および1.93mLのトルエンまたはMTBEを含有する、撹拌子を備えた8mLの反応バイアルを、絶えず撹拌しながら、45℃で保温した。非酵素的な対照として、酵素を含まずに実施すること以外は厳密に同じ方式で、反応物を調製した。
【0135】
この反応物を、酵素の濾過のために約60μmのガラスフィルターを使用すること以外は、実施例3に述べる通りに分析した。結果を、表7(トルエン中での反応)および表8(MTBE中での反応)に示す。
【0136】
【表8】

【0137】
【表9】

【0138】
(実施例9 70℃での、トルエン中での、Novozym(登録商標)435(10wt%)を用いる様々な脂肪族ジアミン(0.5M)とジエステル(0.5M)からの大環状アミドの合成)
シュウ酸ジメチル(C2ジエステル)、マロン酸ジメチル(C3ジエステル)、コハク酸ジメチル(C4ジエステル)、アジピン酸ジメチル(C6ジエステル)、スベリン酸ジメチル(C8ジエステル)、またはセバシン酸ジメチル(C10ジエステル)と、エチレンジアミン(C2ジアミン)、1,3−ジアミノプロピレン(C3ジアミン)、1,10−ジアミノデカン(C10ジアミン)、または1,12−ジアミノドデカン(C12ジアミン)が、環状アミドオリゴマー形成のために使用された。200mgのNovozym(登録商標)435、選択された量のジアミン、ジエステル、およびトルエン(表9)、および200mgの4A分子ふるいを含有する、撹拌子を備えた8mLの反応バイアルを、絶えず撹拌しながら、70℃で保温した。非酵素的な対照として、固定化酵素を含まずに実施すること以外は非酵素的な対照と厳密に同じ方式で、反応物を調製した。
【0139】
【表10】

【0140】
この反応物を、実施例3に述べる通りに分析した。結果を表10に示す。
【0141】
【表11】

【0142】
(実施例10 70℃での、トルエン中での、選択された酵素(10wt%)を用いるDADD(0.5M)とマロン酸ジメチル(0.5M)からの大環状アミドの合成)
200mgの酵素(表11を参照)、132μLマロン酸ジメチル、201mgのDADD、1.67mLのトルエン、および200mgの4A分子ふるい(使用される場合)を含有する、撹拌子を備えた8mLの反応物バイアルを、絶えず撹拌しながら、70℃で保温した。非酵素的な対照は、酵素を含まないこと以外は厳密に同じ方式で調製した。
【0143】
反応物は、実施例8に述べる通りに分析した。結果を表11に示す。
【0144】
【表12】

【0145】
(実施例11 70℃での、トルエン中での、Novozym(登録商標)435(10wt%)を用いる様々なジアミン(0.5M)とジエステル(0.5M)からの大環状アミドの合成)
200mgのNovozym(登録商標)435、選択された量のジアミン、ジエステル、トルエン(表12)、および200mgの4A分子ふるいを含有する、撹拌子を備えた8mLの反応物バイアルを、絶えず撹拌しながら、70℃で保温した。非酵素的な対照は、固定化酵素を含まないこと以外は厳密に同じ方式で調製した。様々な反応の結果を、表13に示す。
【0146】
【表13】

【0147】
この反応物を、実施例2に述べる通りに分析した。結果を表13に示す。
【0148】
【表14】

【0149】
(実施例12 60℃での、トルエン中での、カンジダアンタルチカリパーゼB(Chirazyme(商標)L−2、c−f)を用いる、2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)とテレフタル酸ジメチルからの大環状アミドの合成)
20gのカンジダアンタルチカリパーゼB(CHIRAZYME(商標)L−2、c−f C2、lyo(ID #2207257 バイオカタリティクス(BioCatalytics)、パサデナ、カリフォルニア州))、7.5gのテレフタル酸ジメチル(0.0386モル)、22.8gの2,2’−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)(別名トリエチレングリコールジアミン;Jeffamine(登録商標)EDR−148;CAS 929−59−9;アルドリッチ(Aldrich)カタログ# 38、550−6)(0.1538モル)、および500mLのトルエンを含有する、撹拌子を備えた600mLのフィルターリアクター(filter reactor)を、油−加熱浴(oil−heating bath)中で、絶えず撹拌しながら、60℃で保温した。7日後、LC−MS(下記参照)に従って、すべてのDMTが消費されたら、反応器は、酵素を反応器に残したまま、底部フィルタフリットを介して排液し、排液された液体中に形成された沈殿物(真空オーブン中で乾燥した後3.96g)を、#1濾紙によって分離し、濾液を、真空オーブンで乾燥させた。
【0150】
乾燥させた濾液に、アセトニトリルを加え、サンプルを、15分間50℃で加熱し、得られた濁りを帯びた溶液を、0.45ミクロンフィルター(アクロディスク(Acrodisc)(登録商標)CR 25 mmシリンジ・フィルター、ゲルマンラボラトリー(Gelman Laboratory))を介して濾過し、液体クロマトグラフサンプルバイアルに入れた。分析(LC/MS)は、HP G1315A UVダイオードアレイ検出器およびHP G1946A質量分析計検出器(アジレント・テクノロジー(Agilent Technologies))を備えたヒューレット・パッカード(Hewlett−Packard)(登録商標)1100液体クロマトグラフ(アジレント・テクノロジー(Agilent Technologies)、パロアルト、カリフォルニア州)を使用して実施された。2本のPLgel50オングストロームカラム(アジレント・テクノロジー(Agilent Technologies))を、1mL/分の速度の溶離剤としてのCHCl3と共に利用した。13.1分の保持時間を有する環状二量体(mw=556Da)が、短い線状オリゴマーと共に、質量クロマトグラフィーを介して特定された。線状オリゴマーを含有する混合物中の環状二量体の濃度は、面積パーセント算出を介して、80mol%と測定された。酵素を含まないこと以外は同様の方法で実施された反応を、対照として実施したが、環状または線状アミドオリゴマーを生じなかった。
【0151】
(実施例13(予測的) リパーゼの存在下での線状オリゴマーの環状オリゴマーへの転換)
この実施例の目的は、環状アミドオリゴマー形成活性を有する酵素触媒の存在下での、線状オリゴマーの混合物からの環状オリゴマーの形成を示すことである。
【0152】
200mgのカンジダアンタルチカリパーゼB(Novozym(登録商標)435)、3A 200mgの分子ふるい、鎖(Mn=3132 Da)中に平均10モノマー単位を有する157mgの線状ナイロン12,6、および20μLのメタノールを含有する、撹拌子を備えた8mLの反応バイアルを、1.843mLのトルエンに懸濁し、60℃で7日間保温する。類似の、ただしメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)での反応を、45℃で実施する。非酵素的な対照として、両方の溶媒において、それぞれの温度で、酵素を含まないこと以外は厳密に同じ方式で反応を実施する。
【0153】
反応物を、実施例8に述べる通りに分析する。酵素反応によって、環状アミドオリゴマーが生ずることが予想されるのに対し、非酵素的な反応では、環状オリゴマーが生成されないことが予想される。
【0154】
(実施例14(予測的) ジアミンの添加を伴う、リパーゼの存在下での、線状オリゴマーの環状オリゴマーへの転換)
この実施例の目的は、トランスアミダーゼおよび環状アミドオリゴマー形成活性を有する加水分解酵素の存在下での線状オリゴマーとジアミンの混合物からの環状オリゴマーの形成を示すことである。
【0155】
200mgのカンジダアンタルチカリパーゼB(Novozym(登録商標)435)、200mgの分子ふるい3A、鎖(Mn=3132 Da)中に平均10のモノマー単位を有する157mgの線状ナイロン12,6、および20μLのメタノールを含有する、撹拌子を備えた8mLの反応バイアルを、1.843mLのトルエンに懸濁し、60℃で保温する。3日後、50mgDADDを加え、この反応を、さらに7日間継続させる。
【0156】
この反応物を、実施例8に述べる通りに分析する。酵素反応によって、環状アミドオリゴマーが生ずることが予想されるのに対して、非酵素的な反応では、環状オリゴマーが生成されないことが予想される。
【0157】
(実施例15(予測的) ジエステルの添加を伴う、リパーゼの存在下での、線状オリゴマーの環状オリゴマーへの転換)
この実施例の目的は、環状アミドオリゴマー形成活性を有する加水分解酵素の存在下での、線状オリゴマーとジエステルの混合物からの環状オリゴマーの形成を示すことである。
【0158】
200mgのカンジダアンタルチカリパーゼB(Novozym(登録商標)435)、200mgの分子ふるい3A、鎖(Mn=3132Da)中に平均10のモノマー単位を有する157mgの線状ナイロン12,6、および20μLのメタノールを含有する、撹拌子を備えた8mLの反応バイアルを、1.843mLのトルエンに懸濁させ、60℃で保温する。3日後、43.5μLのアジピン酸ジメチルを加え、この反応をさらに7日継続する。
【0159】
この反応物を、実施例8に述べる通りに分析する。酵素反応によって、環状アミドオリゴマーが生ずることが予想されるのに対して、非酵素的な反応では、環状オリゴマーは生成されないことが予想される。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】環状アミドオリゴマー合成に対する酵素触媒(重量パーセント)の影響を示す(実施例6および表5も参照のこと)。図1では、cU%は、環状単量体のモルパーセントを意味し、cD%は、環状二量体のモルパーセントを意味し、CAO%は、形成された全環状アミドオリゴマーのモルパーセントを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)一連の適切な反応条件下で、少なくとも1つの非プロトン性有機溶媒を含む培地中において、環状アミドオリゴマー合成活性を有すると共にジエステルおよびジアミンの総重量を基準にして少なくとも約0.01重量%の量で存在するリパーゼの存在下で:
(i)一般式
1OOC−[R3m−[X1−R4y−COOR2
(式中、R1およびR2は独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換された、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、アルコキシアルキル、およびアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC20のヒドロカルビル基であり;R3およびR4は独立して、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、およびアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC10のヒドロカルビル基であり;X1は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、前記ヘテロ原子は酸素を含み、前記非ヘテロ原子はNHを含み;yは、0から5であり;mは、0または1であり、ここで、X1がヘテロ原子または非ヘテロ原子である場合、mは1である)の少なくとも1つのジエステル;および
(ii)一般式
2N−R5−[X2−R6z−NH2
(式中、R5およびR6は、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アルカリレン、アリーレン、およびアルケニルからなる群から選択されるC1からC6のヒドロカルビル基であり;X2は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、前記ヘテロ原子は酸素またはイオウを含み、前記非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル、あるいは、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアルキル、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、またはアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC6のヒドロカルビル基を含み;zは、0から20であり;ここで、R5とR6とは、同じであっても異なってもよい)の少なくとも1つのジアミン
を接触させて、それによって、環状アミドオリゴマーを生成するステップと;
(b)ステップ(a)の反応から、ある量の環状アミドオリゴマーを回収するステップと
を含むことを特徴とする、環状アミドオリゴマーの酵素的生成のための方法。
【請求項2】
1およびR2が独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換されたC1からC6のヒドロカルビル基であり;mが、0または1であり;R3が、C1からC10のヒドロカルビル基であり;yが、0から5であり;R4が、C1からC3のヒドロカルビル基であり;R5およびR6が独立して、C1からC6のヒドロカルビル基であり;zが、0から5であり;X2が、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子であり、ここで、前記ヘテロ原子は、酸素またはイオウを含み、前記非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル、またはC1から4のヒドロカルビル基を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1およびR2が独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換されたC1からC6のアルキル基であり;mが、1であり;R3が、C1からC10のアルキル基であり;yが、0であり;R5およびR6が独立して、C1からC6のヒドロカルビル基であり;zが、0から4であり;X2が、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子であり、ここで、前記ヘテロ原子は、酸素またはイオウを含み、前記非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル、またはC1から4のヒドロカルビル基を含む)ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
1およびR2が独立して、エーテル結合で任意選択的に置換されたC1からC6のアルキル基であり;mが、1であり;R3が、C1からC10のアルキル基であり;yが、0であり;R5が、C1からC6のヒドロカルビル基であり;zが、0から4であり;R6が、C1からC4のアルキル基であり;X2が、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子であり、ここで、前記ヘテロ原子は、酸素であり、前記非ヘテロ原子は、アミンまたはC1からC4のアルキル基であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
1およびR2が独立して、C1からC2のアルキル基であり;mが、1であり;R3が、C1からC10のアルキル基であり;yが、0であり;R5が、C1からC6のアルキル基であり;zが、1であり;R6が、C1からC4のアルキル基であり;X2が、C1からC2のアルキル基であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記非プロトン性有機溶媒が、o−ジクロロベンゼン、ジフェニルエーテル、クロロベンゼン、メチル−t−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,1,1−トリクロロエタン、ジクロロエタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ペルクロロエチレン、モル過剰のジアミン、モル過剰のジエステル、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記非プロトン性有機溶媒が、ジフェニルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、トルエン、モル過剰のジアミン、モル過剰のジエステル、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記非プロトン性有機溶媒が、ジフェニルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、トルエン、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記リパーゼが、ジエステルおよびジアミンの総重量を基準にして約0.01重量%から25重量%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記リパーゼが、固定されていないあるいは固定されていることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記リパーゼが、天然原料または合成原料から得られることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記天然原料が、植物、動物、細菌、酵母、または真菌を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記天然原料が、シュードモナス属、ブルクホルデリア属、ケカビ属、アルカリゲネス属、およびカンジダ属からなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記天然原料が、アルカリゲネス種、ムコールミエヘイ、シュードモナス種、シュードモナスセパシア、ブルクホルデリアセパシア、およびカンジダアンタルチカからなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記天然原料が、カンジダアンタルチカ、シュードモナス種、シュードモナスセパシア、およびブルクホルデリアセパシアからなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記リパーゼが、カンジダアンタルチカリパーゼB、アルカリゲネス種リパーゼ、ムコールミエヘイリパーゼ、シュードモナス種リパーゼ、ブルクホルデリアセパシアリパーゼ、およびシュードモナスセパシアリパーゼからなる群から選択されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記リパーゼが、カンジダアンタルチカリパーゼB(Novozym(登録商標)435)、カンジダアンタルチカリパーゼB(バイオカタリティクスChirazyme(商標)L−2、c−f)、アルカリゲネス種リパーゼ(バイオカタリティクスICR−117)、アルカリゲネス種リパーゼ(ベーリンガーマンハイム#1859366)、ムコールミエヘイリパーゼ(バイオカタリティクスICR−116)、シュードモナス種リパーゼ(バイオカタリティクスICR−113)、シュードモナス種リパーゼ(バイオカタリティクスICR−129)、ブルクホルデリアセパシア(リパーゼ(Amano PS−C Amano I)、ブルクホルデリアセパシアリパーゼ(Amano PS−C Amano II)、シュードモナスセパシアリパーゼ(ベーリンガーマンハイム#1827642)、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ジエステルおよび/またはジアミンの濃度が、約2.5モル未満であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記ジエステルおよび/またはジアミンの濃度が、約1.5モル未満であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ジエステルおよび/またはジアミンの濃度が、約0.5モル以下であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ジエステルが、アジピン酸ジアルキル、マロン酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、グルタル酸ジアルキル、フタル酸ジアルキル、イソフタル酸ジアルキル、テレフタル酸ジアルキル、マレイン酸ジアルキル、フマル酸ジアルキル、シュウ酸ジアルキル、フェニルマロン酸ジアルキル、スベリン酸ジアルキル、セバシン酸ジアルキル、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項22】
前記ジアミンが、1,6−ジアミノヘキサン、1,12−ジアミノドデカン、1,10−ジアミノデカン、ジエチレントリアミン、トリエチレングリコールジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン、スペルミン、ビス−(ヘキサメチレントリアミン)、o−フェニレンジアミン、ポリ(オキシエチレン)ジアミン、ポリ(オキシプロピレン)ジアミン、ポリエーテルジアミン、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項23】
生成される前記環状アミドオリゴマーが、環状ポリ(エチレンオキサルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(デカメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(エチレンフマルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンフマルアミド)、環状ポリ(デカメチレンフマルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンフマルアミド)、環状ポリ(プロピレンマロンアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンマロンアミド)、環状ポリ(デカメチレンマロンアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンマロンアミド)、環状ポリ(エチレンマレイアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンマレイアミド)、環状ポリ(デカメチレンマレイアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンマレイアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(デカメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(ドデカメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(ヘキサメチレングルタルアミド)、環状ポリ(デカメチレングルタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレングルタルアミド)、環状ポリ(エチレンアジパミド)、環状ポリ(テトラメチレンアジパミド)、環状ポリ(ペンタメチレンアジパミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、環状ポリ(デカメチレンアジパミド)、環状ポリ(ドデカメチレンアジパミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンアジパミド)、環状ポリ(o−フェニレンアジパミド)、環状ポリ(エチレンピメラミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンピメラミド)、環状ポリ(デカメチレンピメラミド)、環状ポリ(ドデカメチレンピメラミド)、環状ポリ(プロピレンスベルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンスベルアミド)、環状ポリ(デカメチレンスベルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンスベルアミド)、環状ポリ(エチレンアゼラミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)、環状ポリ(デカメチレンアゼラミド)、環状ポリ(ドデカメチレンアゼラミド)、環状ポリ(エチレンセバカミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)、環状ポリ(デカメチレンセバカミド)、環状ポリ(ドデカメチレンセバカミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールセバカミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンセバカミド)、環状ポリ(o−フェニレンセバカミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンセバカミド)、環状ポリ(エチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(デカメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールドデカンジアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンドデカンジアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンドデカンジアミド)、環状ポリ(o−フェニレンドデカンジアミド)、環状ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(p−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(p−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンテレフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールフタルアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールイソフタルアミド)、および環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンイソフタルアミド)からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
生成される前記環状アミドオリゴマーが、環状ポリ(エチレンオキサルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(デカメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(エチレンフマルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンフマルアミド)、環状ポリ(デカメチレンフマルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンフマルアミド)、環状ポリ(プロピレンマロンアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンマロンアミド)、環状ポリ(デカメチレンマロンアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンマロンアミド)、環状ポリ(エチレンマレイアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンマレイアミド)、環状ポリ(デカメチレンマレイアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンマレイアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(デカメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(ドデカメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(ヘキサメチレングルタルアミド)、環状ポリ(デカメチレングルタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレングルタルアミド)、環状ポリ(エチレンアジパミド)、環状ポリ(テトラメチレンアジパミド)、環状ポリ(ペンタメチレンアジパミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、環状ポリ(デカメチレンアジパミド)、環状ポリ(ドデカメチレンアジパミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンアジパミド)、環状ポリ(o−フェニレンアジパミド)、環状ポリ(エチレンピメラミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンピメラミド)、環状ポリ(デカメチレンピメラミド)、環状ポリ(ドデカメチレンピメラミド)、環状ポリ(プロピレンスベルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンスベルアミド)、環状ポリ(デカメチレンスベルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンスベルアミド)、環状ポリ(エチレンアゼラミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)、環状ポリ(デカメチレンアゼラミド)、環状ポリ(ドデカメチレンアゼラミド)、環状ポリ(エチレンセバカミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)、環状ポリ(デカメチレンセバカミド)、環状ポリ(ドデカメチレンセバカミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールセバカミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンセバカミド)、環状ポリ(o−フェニレンセバカミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンセバカミド)、環状ポリ(エチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(デカメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールドデカンジアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンドデカンジアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンドデカンジアミド)、環状ポリ(o−フェニレンドデカンジアミド)、環状ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(p−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(p−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンテレフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールフタルアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールイソフタルアミド)、および環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンイソフタルアミド)からなる群から選択されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記環状アミドオリゴマーが、環状ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)であることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記環状アミドオリゴマーが、環状ポリ(ドデカメチレンアジパミド)であることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記環状アミドオリゴマーが、少なくとも1モルパーセントの濃度で生成されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、23、24、25、または26に記載の方法。
【請求項28】
前記環状アミドオリゴマーが、少なくとも5モルパーセントの濃度で生成されることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記環状アミドオリゴマーが、少なくとも25モルパーセントの濃度で生成されることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記環状アミドオリゴマーの重合度が、1から約20であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記環状アミドオリゴマーの重合度が、1から約5であることを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記環状アミドオリゴマーの重合度が、1から約3であることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記適切な反応条件が、約0℃から約130℃の反応温度を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記適切な反応条件が、約40℃から約75℃の反応温度を含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記適切な反応条件が、分子ふるいを含むことを特徴とする請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記分子ふるいの平均孔径が、約3または約4オングストロームであることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
(a)一連の適切な反応条件下で、少なくとも1つの非プロトン性有機溶媒を含む培地中において、環状アミドオリゴマー合成活性を有すると共にジエステルおよびジアミンの総重量を基準にして少なくとも約0.01重量%の量で存在するリパーゼの存在下で、環状アミドオリゴマー合成活性を有するリパーゼの存在下で、一連の適切な反応条件下で、一般式
(A−B)n
[式中n=1から20であり;Aは、一般式
1OOC−[R3]m−[X1−R4y−COOR2
(式中、R1およびR2は独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換されたアルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、アルコキシアルキル、およびアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC20のヒドロカルビル基であり;R3およびR4は独立して、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、およびアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC10のヒドロカルビル基であり;X1は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、前記ヘテロ原子は、酸素を含み、前記非ヘテロ原子は、NHを含み;mは、0または1であり;yは、0〜5であり;ここで、X1がヘテロ原子または非ヘテロ原子である場合、mは1である)を有するジエステルから誘導され;および、Bは、一般式
2N−R5−[X2−R6z−NH2
(式中、R5およびR6は、アルキル、アルキレン、アリール、ハロアリール、アラルキル、アラルキレン、アルカリレン、アリーレン、およびアルケニルからなる群から選択されるC1からC6のヒドロカルビル基であり;X2は、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子から選択され、ここで、前記ヘテロ原子は、酸素またはイオウを含み、前記非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル、あるいはアルキル、アルキレン、アリール、ハロアルキル、アラルキル、アラルキレン、アリーレン、またはアルケニルのうちの1つから選択されるC1からC6のヒドロカルビル基を含み;zは、0から20であり;ここで、R5およびR6は、同じであっても異なってもよい)を有するジアミンから誘導される]
の少なくとも1つの線状アミドオリゴマーを接触させて、それによって、環状アミドオリゴマーを生成するステップと;
(b)ステップa)の反応から、ある量の環状アミドオリゴマーを回収するステップと
を含むことを特徴とする、環状アミドオリゴマーの酵素的生成のための方法。
【請求項38】
前記非プロトン性有機溶媒が、o−ジクロロベンゼン、ジフェニルエーテル、クロロベンゼン、メチル−t−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,1,1−トリクロロエタン、ジクロロエタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ペルクロロエチレン、モル過剰のジアミン、モル過剰のジエステル、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記非プロトン性有機溶媒が、ジフェニルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、トルエン、モル過剰のジアミン、モル過剰のジエステル、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記非プロトン性有機溶媒が、ジフェニルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、トルエン、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
1およびR2が独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換されたC1からC6のヒドロカルビル基であり;mが、0または1であり;R3が、C1からC10のヒドロカルビル基であり;yが、0から5であり;R4が、C1からC3のヒドロカルビル基であり;R5およびR6が独立して、C1からC6のヒドロカルビル基であり;zが、0から5であり;X2が、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子であり、ここで、前記ヘテロ原子は、酸素またはイオウを含み、前記非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル、またはC1から4のヒドロカルビル基を含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項42】
1およびR2が独立して、1つまたは複数のエーテル結合で任意選択的に置換されたC1からC6のアルキル基であり;mが、1であり;R3が、C1からC10のアルキル基であり;yが、0であり;R5およびR6が独立して、C1からC6のヒドロカルビル基であり;zが、0から4であり;X2が、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子であり、ここで、前記ヘテロ原子は、酸素またはイオウを含み、前記非ヘテロ原子は、アミン、カルボニル、またはC1から4のヒドロカルビル基を含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
1およびR2が独立して、エーテル結合で任意選択的に置換されたC1からC6のアルキル基であり;mが、1であり;R3が、C1からC10のアルキル基であり;yが、0であり;R5が、C1からC6のヒドロカルビル基であり;zが、0から4であり;R6が、C1からC4のアルキル基であり;X2が、1個または0個のヘテロ原子または非ヘテロ原子であり、ここで、前記ヘテロ原子は、酸素であり、前記非ヘテロ原子は、アミンまたはC1からC4のアルキル基であることを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項44】
1およびR2が独立して、C1からC2のアルキル基であり;mが、1であり;R3が、C1からC10のアルキル基であり;yが、0であり;R5が、C1からC6のアルキル基であり;zが、1であり;R6が、C1からC4のアルキル基であり;X2が、C1からC2のアルキル基であることを特徴とする請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記リパーゼが、固定されていないあるいは固定されていることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項46】
前記リパーゼが、ジエステルおよびジアミンの総重量を基準にして約0.01重量%から25重量%であることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記リパーゼが、天然または合成の原料から得られることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記天然の原料が、植物、動物、細菌、酵母、または真菌を含むことを特徴とする請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記天然の原料が、シュードモナス属、ブルクホルデリア属、ケカビ属、アルカリゲネス属、およびカンジダ属からなる群から選択されることを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記リパーゼの原料生物が、アルカリゲネス種、ムコールミエヘイ、シュードモナス種、シュードモナスセパシア、ブルクホルデリアセパシア、およびカンジダアンタルチカからなる群から選択されることを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記天然の原料が、カンジダアンタルチカ、シュードモナス種、シュードモナスセパシア、およびブルクホルデリアセパシアからなる群から選択されることを特徴とする請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記リパーゼが、カンジダアンタルチカリパーゼB、アルカリゲネス種リパーゼ、ムコールミエヘイリパーゼ、シュードモナス種リパーゼ、ブルクホルデリアセパシアリパーゼ、およびシュードモナスセパシアリパーゼからなる群から選択されることを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記リパーゼが、カンジダアンタルチカリパーゼB(Novozym(登録商標)435)、カンジダアンタルチカリパーゼB(バイオカタリティクスChirazyme(商標)L−2、c−f)、アルカリゲネス種リパーゼ(バイオカタリティクスICR−117)、アルカリゲネス種リパーゼ(ベーリンガーマンハイム#1859366)、ムコールミエヘイリパーゼ(バイオカタリティクスICR−116)、シュードモナス種リパーゼ(バイオカタリティクスICR−113)、シュードモナス種リパーゼ(バイオカタリティクスICR−129)、ブルクホルデリアセパシアリパーゼ(Amano PS−C Amano I)、ブルクホルデリアセパシアリパーゼ(Amano PS−C Amano II)、シュードモナスセパシアリパーゼ(ベーリンガーマンハイム#1827642)、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記線状アミドオリゴマーの濃度が、約1モル未満であることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項55】
前記線状アミドオリゴマーの濃度が、約0.3モル未満であることを特徴とする請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記線状アミドオリゴマーの濃度が、約0.1モル以下であることを特徴とする請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記ジエステルが、アジピン酸ジアルキル、マロン酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、グルタル酸ジアルキル、フタル酸ジアルキル、イソフタル酸ジアルキル、テレフタル酸ジアルキル、マレイン酸ジアルキル、フマル酸ジアルキル、シュウ酸ジアルキル、フェニルマロン酸ジアルキル、スベリン酸ジアルキル、セバシン酸ジアルキル、アジピン酸ビス(2−ブトキシエチル)、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項37または38に記載の方法。
【請求項58】
前記ジアミンが、1,6−ジアミノヘキサン、1,12−ジアミノドデカン、1,10−ジアミノデカン、ジエチレントリアミン、トリエチレングリコールジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン、スペルミン、ビス−(ヘキサメチレントリアミン)、o−フェニレンジアミン、ポリ(オキシエチレン)ジアミン、ポリ(オキシプロピレン)ジアミン、ポリエーテルジアミン、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項37または38に記載の方法。
【請求項59】
生成される前記環状アミドオリゴマーが、環状ポリ(エチレンオキサルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(デカメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(エチレンフマルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンフマルアミド)、環状ポリ(デカメチレンフマルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンフマルアミド)、環状ポリ(プロピレンマロンアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンマロンアミド)、環状ポリ(デカメチレンマロンアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンマロンアミド)、環状ポリ(エチレンマレイアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンマレイアミド)、環状ポリ(デカメチレンマレイアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンマレイアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(デカメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(ドデカメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(ヘキサメチレングルタルアミド)、環状ポリ(デカメチレングルタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレングルタルアミド)、環状ポリ(エチレンアジパミド)、環状ポリ(テトラメチレンアジパミド)、環状ポリ(ペンタメチレンアジパミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、環状ポリ(デカメチレンアジパミド)、環状ポリ(ドデカメチレンアジパミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンアジパミド)、環状ポリ(o−フェニレンアジパミド)、環状ポリ(エチレンピメラミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンピメラミド)、環状ポリ(デカメチレンピメラミド)、環状ポリ(ドデカメチレンピメラミド)、環状ポリ(プロピレンスベルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンスベルアミド)、環状ポリ(デカメチレンスベルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンスベルアミド)、環状ポリ(エチレンアゼラミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)、環状ポリ(デカメチレンアゼラミド)、環状ポリ(ドデカメチレンアゼラミド)、環状ポリ(エチレンセバカミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)、環状ポリ(デカメチレンセバカミド)、環状ポリ(ドデカメチレンセバカミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールセバカミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンセバカミド)、環状ポリ(o−フェニレンセバカミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンセバカミド)、環状ポリ(エチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(デカメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールドデカンジアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンドデカンジアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンドデカンジアミド)、環状ポリ(o−フェニレンドデカンジアミド)、環状ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(p−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(p−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンテレフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールフタルアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールイソフタルアミド)、および環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンイソフタルアミド)からなる群から選択されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項60】
生成される前記環状アミドオリゴマーが、環状ポリ(エチレンオキサルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(デカメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンオキサルアミド)、環状ポリ(エチレンフマルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンフマルアミド)、環状ポリ(デカメチレンフマルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンフマルアミド)、環状ポリ(プロピレンマロンアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンマロンアミド)、環状ポリ(デカメチレンマロンアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンマロンアミド)、環状ポリ(エチレンマレイアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンマレイアミド)、環状ポリ(デカメチレンマレイアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンマレイアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(デカメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(ドデカメチレンコハク酸アミド)、環状ポリ(ヘキサメチレングルタルアミド)、環状ポリ(デカメチレングルタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレングルタルアミド)、環状ポリ(エチレンアジパミド)、環状ポリ(テトラメチレンアジパミド)、環状ポリ(ペンタメチレンアジパミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)、環状ポリ(デカメチレンアジパミド)、環状ポリ(ドデカメチレンアジパミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンアジパミド)、環状ポリ(o−フェニレンアジパミド)、環状ポリ(エチレンピメラミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンピメラミド)、環状ポリ(デカメチレンピメラミド)、環状ポリ(ドデカメチレンピメラミド)、環状ポリ(プロピレンスベルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンスベルアミド)、環状ポリ(デカメチレンスベルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンスベルアミド)、環状ポリ(エチレンアゼラミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)、環状ポリ(デカメチレンアゼラミド)、環状ポリ(ドデカメチレンアゼラミド)、環状ポリ(エチレンセバカミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)、環状ポリ(デカメチレンセバカミド)、環状ポリ(ドデカメチレンセバカミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールセバカミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンセバカミド)、環状ポリ(o−フェニレンセバカミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンセバカミド)、環状ポリ(エチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(デカメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンドデカンジアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールドデカンジアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンドデカンジアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンドデカンジアミド)、環状ポリ(o−フェニレンドデカンジアミド)、環状ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンテレフタルアミド)、環状ポリ(p−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンイソフタルアミド)、環状ポリ(p−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(m−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(o−フェニレンフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(トリメチルヘキサメチレンフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールテレフタルアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンテレフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールフタルアミド)、環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンフタルアミド)、環状ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(デカメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(ドデカメチレンイソフタルアミド)、環状ポリ(トリエチレングリコールイソフタルアミド)、および環状ポリ(ビスヘキサメチレンアミンイソフタルアミド)からなる群から選択されることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記環状アミドオリゴマーが、環状ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)であることを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記環状アミドオリゴマーが、環状ポリ(ドデカメチレンアジパミド)であることを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記環状アミドオリゴマーが、少なくとも1モルパーセントの濃度で生成されることを特徴とする請求項37、41、42、43、61、または62に記載の方法。
【請求項64】
前記環状アミドオリゴマーが、少なくとも5モルパーセントの濃度で生成されることを特徴とする請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記環状アミドオリゴマーが、少なくとも25モルパーセントの濃度で生成されることを特徴とする請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記適切な反応条件が、約0℃から約130℃の反応温度範囲を含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項67】
前記反応温度範囲が、約40℃から約75℃であることを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項68】
環状アミドオリゴマーから、成形品を作製するための方法であって、
c)少なくとも1種の環状アミドオリゴマーを提供するステップと;
d)射出成形、回転成形、樹脂膜注入、樹脂トランスファー成形、フィラメントワインディング、プリプレグまたはフィルムを作製するためのパウダーコーティングプロセス、ホットメルト・プリプレグ調製、圧縮成形、ロールラッピング、および引抜成形からなる群から選択されるプロセスにおいて、前記環状アミドオリゴマーを重合させ、それによって、成形品を生成させるステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項69】
射出成形、回転成形、樹脂膜注入、樹脂トランスファー成形、フィラメントワインディング、プリプレグまたはフィルムを作製するためのパウダーコーティングプロセス、ホットメルト・プリプレグ調製、圧縮成形、ロールラッピング、および引抜成形からなる群から選択されるプロセスにおいて、環状アミドオリゴマーを重合させることによって形成されることを特徴とする成形品。
【請求項70】
自動車ボディパネル、自動車シャーシ部品、バンパービーム、航空機翼外板、風車の羽根、流体貯蔵タンク、トラクター泥よけ、テニスラケット、ゴルフクラブシャフト、ウィンドサーフィン・マスト、玩具、ロッド、チューブ、棒材、自転車のフォーク、フィルム、コーティング、被包ワイヤー、および機械ハウジングからなる群から選択されることを特徴とする請求項69に記載の成形品。

【図1】
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【公表番号】特表2008−519607(P2008−519607A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541401(P2007−541401)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/041180
【国際公開番号】WO2006/053296
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】