天井改修方法および膜天井構造
【課題】天井に膜天井シートを敷設する際の作業性を向上させるとともに、アスベストの飛散を確実に防止して、天井の封じ込めとしての信頼性を向上させる。
【解決手段】天井2周囲の壁面3に天井2の周縁に沿って接着材7を固定し、この接着材7にフィルムシート5を固着しながら該フィルムシート5によって天井2表面を覆った状態とし、その後、前記接着材7よりも下方位置の壁面3に膜天井廻り縁11を固定し、この膜天井廻り縁11に周縁を係止させながら膜天井シート6を天井2に沿って敷設する。
【解決手段】天井2周囲の壁面3に天井2の周縁に沿って接着材7を固定し、この接着材7にフィルムシート5を固着しながら該フィルムシート5によって天井2表面を覆った状態とし、その後、前記接着材7よりも下方位置の壁面3に膜天井廻り縁11を固定し、この膜天井廻り縁11に周縁を係止させながら膜天井シート6を天井2に沿って敷設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜天井シートを用いて建築物における天井を改修する方法および膜天井構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅などの天井や壁の建築資材には、保温性、耐火性の効果が高いといった理由からアスベスト(石綿)が多く使用されていた。しかしながら、周知のとおり、アスベストは、非常に微細な繊維形状をなしており、とくにアスベストが室内空間に露出している部分が剥がれ落ちると空気中にアスベストが飛散し、それを人が吸引したときに人体に与える影響が大きく社会的問題となっている。このような背景から、近年では、アスベストが使用されている建築物の改装(リフォーム)が行われている。
【0003】
その改装方法として、アスベスト部分を除去する方法が一般的に多く実施されている。
この方法の場合、解体作業が発生するため、住人の引越しが必要になるうえ、解体範囲をフィルム材等で密封状態に取り囲み、さらにその中で解体作業を行う作業員は防塵マスク等を使用した大掛かりな装備が必要であった。
これに対し、アスベストを除去せずに残置した状態で改装する方法として、アスベストを囲い込む方法や封じ込める方法がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1は、吹き付けによってアスベスト層に飛散防止処理剤をコーティング処理し、アスベスト層の所定箇所にボルトを貫通させて基盤に固定させたアスベスト層の封じ込め方法である。
特許文献2は、既存の天井面に沿って新たに膜天井シートを敷設する方法である。膜天井シートは、天井面の周囲に沿って配置されている既設の木廻り縁に垂直材および水平材からなる断面略L字形の膜天井廻り縁をステープルで固定し、膜天井シートの周縁に設けられた断面U字形の係止部材を膜天井廻り縁の水平材の先端に形成された断面鉤形の係止部に引っ掛けることで既存の天井面に沿って敷設される。
【特許文献1】特許第2612908号公報
【特許文献2】特開2004−197448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、コーティング処理した吹き付け面が室内空間に面しており、この吹き付け面が劣化により亀裂が入ったり剥がれ落ちるなどすると、コーティング処理した裏面のアスベスト層が露出してアスベスト片が室内空間に飛散するという問題があった。
特許文献2は、天井を膜天井シートで覆ってしまうので、膜天井シートを敷設した後は、アスベスト層が露出せず封じ込むことができるが、この膜天井シートを敷設する際には、アスベストが露出している状態であるから、不用意にアスベスト面に触れてしまうおそれがあり、作業環境の改善が求められていた。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、天井に膜天井シートを敷設する際の作業性を向上させるとともに、アスベスト等の飛散を確実に防止して、天井の封じ込めとしての信頼性を向上させた天井改修方法および膜天井構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る膜天井シートを用いた天井改修方法は、天井周囲の壁面に天井の周縁に沿って接着材を固定し、この接着材にフィルムシートを固着しながら該フィルムシートによって天井表面を覆った状態とし、その後、前記接着材よりも下方位置の壁面に膜天井廻り縁を固定し、この膜天井廻り縁に周縁を係止させながら膜天井シートを天井に沿って敷設することを特徴とする。
【0008】
本発明では、膜天井シートを敷設する前に、フィルムシートによって天井を覆った状態にしておくことにより、膜天井シートの敷設作業時にはアスベスト等を含んだ天井に触れることなく作業することができ、一方、フィルムシートは薄膜で取扱い容易なものを使用することができるから、その敷設作業を容易にして、一連の作業性が向上する。
【0009】
この改修方法において、天井から撤去すべき既設部品がある場合は、膜天井シートを敷設する前に、撤去すべき既設部品を覆った状態の前記フィルムシートの上から袋状フィルムを被せるようにしてフィルムシートに袋状フィルムの開口部を固着するとともに、その袋状フィルムの中に工具を入れておき、袋状フィルムの一部を介して外部から工具を操作しながら袋状フィルム内でフィルムシートの一部を切り抜いて既設部品を取り外した後、取り外した既設部品を袋状フィルムの下部に収容した状態として上部を窄めて結束し、その結束部分から袋状フィルムを切り離すことにより、既設部品を天井から撤去する。
この方法では、既設部品の撤去作業を袋状フィルムによって囲った状態で行うことができるとともに、取り外した既設部品を袋状フィルム内に収納したまま撤去することができる。
【0010】
本発明の膜天井構造は、天井周囲の壁面に天井の周縁に沿って接着材が固定されるとともに、天井表面を覆うフィルムシートの周縁部が前記接着材に固着され、この接着材よりも下方位置の壁面に膜天井廻り縁が固定され、この膜天井廻り縁に周縁を係止させて膜天井シートが前記天井に沿って敷設されていることを特徴とする。
天井がフィルムシートで覆われた上に膜天井シートによって二重に覆われるから、例えばアスベストが天井に使用される場合においてアスベスト片が飛散することを防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の膜天井シートを用いた天井改修方法および膜天井構造によれば、天井表面をフィルムシートにより覆った状態であるので、例えばアスベストが天井に使用される場合においてアスベスト片が飛散することを防止できる。このため、アスベストの封じ込め(囲い込み)における信頼性を向上させることができる。
また、フィルムシートによって予め天井表面を覆った状態として膜天井シートを敷設するから、膜天井シートの施工中にアスベストを含んだ天井に触れることなく施工でき、安全性を向上させることができる。このため、施工中における住人の引越しも不要となる。この場合、フィルムシートはさらに膜天井シートによって覆われるから、フィルムシート自体は薄膜によって構成することができ、その取扱いを容易にして、全体の施工性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の膜天井シートを用いた天井改修方法および膜天井構造の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本実施の形態による膜天井の設置状態を示す図であり、この図1に示すように、この膜天井1は、住宅などの建築物の室内においてアスベストが使用された天井2を改装(リフォーム)する際に、天井2に沿うようにして敷設したものである。室内の四方の各壁面3の上端部には、天井2の周縁部全周にわたって既設の木廻り縁4が取り付けられており、膜天井1は、この木廻り縁4を利用して固定されている。
ここで、アスベストが使用された天井2は、例えば従来多く使用されていたアスベストを含んだ天井材料や吹付け材仕上げの材料による天井を対象とする。
【0013】
この膜天井1は、天井2の表面を覆うフィルムシート5と、このフィルムシート5よりも下方位置に敷設された膜天井シート6との二重構造とされている。
フィルムシート5は、例えばポリエチレン等の透明な軟質樹脂を薄膜に形成してなるものであり、天井2の表面に密接させられ、その全面を覆った状態として、その四辺が木廻り縁4の高さ方向の上部位置に天井3の周縁に沿って接着材としての両面テープ7によって固定されている。この両面テープ7は、例えば弾性樹脂(ブチルゴムを含む)の両面に接着剤(粘着剤)を塗付加工してなるものであり、接着面は剥離紙によって覆われている。
【0014】
膜天井シート6は、木廻り縁4の高さ方向の下部に重ねるように固定された膜天井廻り縁11によって固定されている。この膜天井廻り縁11は、垂直材11Aおよび水平材11Bを一体に成形してなる断面略L字形をなしており、その垂直材11Aの背面が木廻り縁4にシーリング材12を介して固定されている。
このシーリング材12としては、例えば弾性樹脂(ブチルゴムを含む)の両面に接着剤(粘着剤)を塗付加工してなる両面テープなどを使用することが好ましい。そして、この膜天井廻り縁11の垂直材11Aは、この垂直材11Aからシーリング材12、木廻り縁4を貫通させてビス13が壁面3に打ち込まれて固定されている。
また、膜天井廻り縁11の水平材11Bの先端部には、上方に延びさらに垂直材11Aに向けて折り返すように屈曲した断面略鉤形の係止部13が長さ方向に沿って形成されており、この係止部13によって長さ方向に沿う溝部14が形成される。
【0015】
膜天井シート6は、例えば塩化ビニル樹脂製の材質(例えば、リフォジュールシート(登録商標)、フクビ化学工業株式会社製)で弾力性を有するシート材15が使用され、その周縁に断面略U字形の係止部材16が全周に連続して設けられている。この係止部材16は、図2に示すように、そのU字形の両側壁部16A・16Bの間に溝部17が形成され、一方の側壁部16Aにシート材15が固着された構成とされている。そして、他方の側壁部16Bを膜天井廻り縁11の溝部14に入れるようにして、この係止部材16の溝部17を膜天井廻り縁11の係止部13に引っ掛けることによって、膜天井シート6は天井2に沿って敷設されている。
なお、膜天井シート6の表面は、室内天井として好みのデザインのシートを使用することができる。
【0016】
また、天井2の四隅には、図3に示すように、互いに略直角に接合される二辺をなす膜天井廻り縁11、11に、一端21aを一方の膜天井廻り縁11にビス22で固定させ、他端21bを他方の膜天井廻り縁11にビス22で固定させた補強斜材21が斜めに設けられており、膜天井シート6は、この補強部材21の下方に敷設されている。この補強斜材21は、敷設時に張力が付与されることにより常に収縮しようとする膜天井シート6によって、木廻り縁4および膜天井廻り縁5が引っ張られて木廻り縁4が壁面3から外れたり、膜天井廻り縁5を固定するビス13が木廻り縁4から抜けたりすることを防ぐものである。
【0017】
次に、このような構成をなす膜天井1の施工方法について説明する。
先ず、両面テープ7をその一方の接着面に剥離紙を付着したまま既存の木廻り縁4の上部に貼り付けておく。
【0018】
一方、フィルムシート5はロール状にしておき、図4に示すように、そのロール31を回転自在に支持するロール台32A・32Bを用意する。このロール台32A・32Bは、ロール31の両端部を支持するもので、ロール31を床面33から少し浮かせた状態に支持する。また、フィルムシート5は、例えば0.03mm厚さで幅が3600mmのものを二つ折り(1800mm幅)にして長さ100m分、ロール31に巻き取られている。
このロール台32A・32Bを床面33上に置いておき、ロール31からフィルムシート5を引き出しながら使用する。改修しようとする天井2の寸法よりも5000mm程度長めに引き出す。これは、天井高さは概ね2500mmであることから、天井2から壁面3にフィルムシート5を垂らして養生として利用するためである。他の辺についてはフィルムシート5に養生シート(図示略)を継ぎ足せばよい。
【0019】
引き出したフィルムシート5は二つ折になっており、これを広げた状態として、天井2の一辺の片側から木廻り縁4に貼り付けておいた両面テープ7の剥離紙を剥がしながらフィルムシート5に若干の張力をかけて貼り付けていく。この貼り付け作業において、作業員は図5に示すように垂れ下がるフィルムシート5の下に矢印で示すように潜り込むようにして作業することになる。
【0020】
一辺の貼り付けが終わったら、天井2の反対側の辺について、その中央部から左右に向けてフィルムシート5を貼り付けていく。このときフィルムシート5を天井2に密接させるように張力をかける。残りの二辺は片側から貼り付ける。このようにして天井2の周囲の両面テープ7にフィルムシート5を貼り付けると、図6に示すように、天井2の表面がフィルムシート5により覆われ、余ったフィルムシート5が壁面3に垂れ下がった状態となっている。
【0021】
ところで、天井2に設置されている照明器具等のうち、撤去すべき部品がある場合については、図6に示すようにフィルムシート5で天井2を覆った後、次のような手順で撤去作業が行われる。
まず、図8に示すようにフィルムシート5の材料から作った袋状フィルム41をフィルムシート5の下面に貼り付ける。この袋状フィルム41は、内部にグローブ42が一体に形成され、外側からグローブ42に手を差し込んで袋状フィルム41内の作業を行うことができるようになっている。この袋状フィルム41の中にドライバー43やカッター44等の必要な工具を入れた状態として、既設部品45を囲む大きさのリング枠46に通すとともに、このリング枠46上に配置される袋状フィルム41の開口部付近に両面テープ47を固着しておく。そして、図8の矢印で示すように、リング枠46毎、袋状フィルム41を既設部品45に被せて天井2に敷設されているフィルムシート5に固着する。
【0022】
この貼り付け状態でリング枠46を下方に抜き取ると、図9に示すように天井2のフィルムシート5に袋状フィルム41がぶら下がった状態となる。この状態で図10に示すように、グローブ42に手Hを差し込んで、カッター44で既設部品45回りにフィルムシート5を切り取ることにより、フィルムシート5に穴48を開けて既設部品5を露出させ、ドライバー43を操作して既設部品45を天井2から外して袋状フィルム41内に収納する。図10は、既設部品5をドライバー43で外している状態を示している。
【0023】
次いで、天井2近くの部分で袋状フィルム41を窄めてテープ等で結んだ後、その結束部分49を図11の矢印で示すように切断すると、天井2の表面はフィルムシート5の穴48が袋状フィルム41の上半分によって塞がれた状態となり、袋状フィルム41の下半分には天井2から撤去した部品45と工具43・44が収納された状態となり、これらを袋状フィルム41に収納したまま廃棄することが可能になる。
【0024】
このようにしてフィルムシート5によって天井2表面を覆った状態とした後、図7に示すように、木廻り縁4の上に垂れ下がっているフィルムシート5の上からシーリング材12を介して膜天井廻り縁11を重ね合わせ、水平方向に所定間隔(例えば120mmピッチ)ごとにビス13を膜天井廻り縁11の上から打ち込ませて木廻り縁4に膜天井廻り縁11を固定する。
また、天井2の四隅にでは、膜天井廻り縁11の上から図3に示す補強部材21を接合する。
【0025】
次いで、図2に示すように、膜天井シート5の周縁に設けた係止部材16を、例えばコテ状の治具(図示省略)を使用して係止部材16の溝部17に差し込みながら膜天井廻り縁11の係止部13にはめ込んで係止させる。これにより、膜天井廻り縁11の内側に膜天井シート6が敷設される。
【0026】
なお、通常の膜天井シート6は、天井2への敷設面積に対して略8割の面積比率に加工されたものを、設置する際に引き伸ばすようにテンションをかけながら膜天井廻り縁11に固定されるのであるが、この膜天井シート6を敷設する際には、床面に温風器(図示略)を設置して天井2に向けて温風を吹き付けておき、その温風によって膜天井シート6を加温して、伸び易いようにすることが行われる。
また、図7に示すように膜天井回り縁11から垂れ下がっている部分のフィルムシート5は、最後に膜天井シート5を敷設した後、膜天井回り縁11の下縁に沿って切断する。
このようにして膜天井シート6を敷設すると、膜天井シート6と天井2との間には、室内空間Rと遮断された密封空間Tが形成されて天井2が囲い込まれた状態となる。しかも、天井2の表面はフィルムシート5が密接に覆った状態とされている。
【0027】
上述した本実施の形態による膜天井シートを用いた天井改修方法および膜天井構造は、フィルムシート5を天井2に(隙間無く)密着させることで、天井2の全面を封じ込めることができる。そして、膜天井シート6を施工する際に天井2に直接触れることなく施工できることから、安全性を向上させることができ、アスベストの封じ込め(囲い込み)における信頼性を向上させることができる。
【0028】
以上、本発明による膜天井シートを用いた天井改修方法および膜天井構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また、本実施の形態ではアスベストが使用された天井2を対象としているが、アスベストを含まない吹き付け天井やコンクリートが露出した天井などで剥がれ落ちを防止するための改装に適用してもかまわない。
【0029】
また、フィルムシート5を敷設する前に、天井2の表面に接着剤を吹き付けて、フィルムシート5を天井2に密着させるようにしてもよい。逆にフィルムシート5に接着剤を塗布しておいてもよい。
また、フィルムシート5は透明なもので目視点検を可能としたものであるが、とくに点検などの必要がない場合などでは透明性を有するシートであることに限定はされない。
【0030】
さらに、本実施の形態では膜天井廻り縁11をビス13によって木廻り縁4に取り付けたものであるが、膜天井廻り縁11の固定方法はこれに限定されることはなく、テンションをかけて敷設した膜天井シートの引張力によって木廻り縁4や膜天井廻り縁11が外れないようにしておけばよいのであって、例えば各壁面3同士の膜天井廻り縁11に突っ張り用の補強材を設けておくようにしてもよい。
木廻り縁4が設けられていない場合に適用することもでき、その場合は膜天井廻り縁11を壁面3に直接固定すればよい。
さらにまた、膜天井廻り縁11の係止部13と膜天井シート6の係止部材16との係止構造も、両者が係止状態となる他の構造を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態による膜天井の設置状態を示す縦断面図である。
【図2】図1における膜天井回り縁部分の膜天井シートの取付け構造を示す拡大拡大図である。
【図3】膜天井回り縁の四隅に設けられる補強部材の取り付け構造を示す平面図である。
【図4】フィルムシートのロールを支持している状態を示す正面図である。
【図5】天井にフィルムシートを敷設し始めた状態を示す縦断面図である。
【図6】天井にフィルムシートを敷設した状態を示す縦断面図である。
【図7】フィルムシートの上から膜天井回り縁を固定した状態を示す縦断面図である。
【図8】天井の既設部品を撤去するために袋状フィルムを取り付ける状態を示している縦断面図である。
【図9】図8に示す状態から袋状フィルムを天井のフィルムシートに取り付けた状態を示す縦断面図である。
【図10】図9に示す状態から既設部品を取り外している状態を示す縦断面図である。
【図11】図10に示す状態から既設部品を取り外して袋状フィルムに閉じ込めた状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1…膜天井 2…天井 3…壁面 4…木廻り縁 5…フィルムシート 6…膜天井シート 7…両面テープ(接着材) 11…膜天井廻り縁 12…シーリング材 13…係止部 14…溝 15…シート材 16…係止部材 17…溝 21…補強部材 41…袋状フィルム 42…グローブ 43・44…工具 45…既設部品 46…リング枠 47…両面テープ R…室内空間 T…密封空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜天井シートを用いて建築物における天井を改修する方法および膜天井構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅などの天井や壁の建築資材には、保温性、耐火性の効果が高いといった理由からアスベスト(石綿)が多く使用されていた。しかしながら、周知のとおり、アスベストは、非常に微細な繊維形状をなしており、とくにアスベストが室内空間に露出している部分が剥がれ落ちると空気中にアスベストが飛散し、それを人が吸引したときに人体に与える影響が大きく社会的問題となっている。このような背景から、近年では、アスベストが使用されている建築物の改装(リフォーム)が行われている。
【0003】
その改装方法として、アスベスト部分を除去する方法が一般的に多く実施されている。
この方法の場合、解体作業が発生するため、住人の引越しが必要になるうえ、解体範囲をフィルム材等で密封状態に取り囲み、さらにその中で解体作業を行う作業員は防塵マスク等を使用した大掛かりな装備が必要であった。
これに対し、アスベストを除去せずに残置した状態で改装する方法として、アスベストを囲い込む方法や封じ込める方法がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1は、吹き付けによってアスベスト層に飛散防止処理剤をコーティング処理し、アスベスト層の所定箇所にボルトを貫通させて基盤に固定させたアスベスト層の封じ込め方法である。
特許文献2は、既存の天井面に沿って新たに膜天井シートを敷設する方法である。膜天井シートは、天井面の周囲に沿って配置されている既設の木廻り縁に垂直材および水平材からなる断面略L字形の膜天井廻り縁をステープルで固定し、膜天井シートの周縁に設けられた断面U字形の係止部材を膜天井廻り縁の水平材の先端に形成された断面鉤形の係止部に引っ掛けることで既存の天井面に沿って敷設される。
【特許文献1】特許第2612908号公報
【特許文献2】特開2004−197448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、コーティング処理した吹き付け面が室内空間に面しており、この吹き付け面が劣化により亀裂が入ったり剥がれ落ちるなどすると、コーティング処理した裏面のアスベスト層が露出してアスベスト片が室内空間に飛散するという問題があった。
特許文献2は、天井を膜天井シートで覆ってしまうので、膜天井シートを敷設した後は、アスベスト層が露出せず封じ込むことができるが、この膜天井シートを敷設する際には、アスベストが露出している状態であるから、不用意にアスベスト面に触れてしまうおそれがあり、作業環境の改善が求められていた。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、天井に膜天井シートを敷設する際の作業性を向上させるとともに、アスベスト等の飛散を確実に防止して、天井の封じ込めとしての信頼性を向上させた天井改修方法および膜天井構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る膜天井シートを用いた天井改修方法は、天井周囲の壁面に天井の周縁に沿って接着材を固定し、この接着材にフィルムシートを固着しながら該フィルムシートによって天井表面を覆った状態とし、その後、前記接着材よりも下方位置の壁面に膜天井廻り縁を固定し、この膜天井廻り縁に周縁を係止させながら膜天井シートを天井に沿って敷設することを特徴とする。
【0008】
本発明では、膜天井シートを敷設する前に、フィルムシートによって天井を覆った状態にしておくことにより、膜天井シートの敷設作業時にはアスベスト等を含んだ天井に触れることなく作業することができ、一方、フィルムシートは薄膜で取扱い容易なものを使用することができるから、その敷設作業を容易にして、一連の作業性が向上する。
【0009】
この改修方法において、天井から撤去すべき既設部品がある場合は、膜天井シートを敷設する前に、撤去すべき既設部品を覆った状態の前記フィルムシートの上から袋状フィルムを被せるようにしてフィルムシートに袋状フィルムの開口部を固着するとともに、その袋状フィルムの中に工具を入れておき、袋状フィルムの一部を介して外部から工具を操作しながら袋状フィルム内でフィルムシートの一部を切り抜いて既設部品を取り外した後、取り外した既設部品を袋状フィルムの下部に収容した状態として上部を窄めて結束し、その結束部分から袋状フィルムを切り離すことにより、既設部品を天井から撤去する。
この方法では、既設部品の撤去作業を袋状フィルムによって囲った状態で行うことができるとともに、取り外した既設部品を袋状フィルム内に収納したまま撤去することができる。
【0010】
本発明の膜天井構造は、天井周囲の壁面に天井の周縁に沿って接着材が固定されるとともに、天井表面を覆うフィルムシートの周縁部が前記接着材に固着され、この接着材よりも下方位置の壁面に膜天井廻り縁が固定され、この膜天井廻り縁に周縁を係止させて膜天井シートが前記天井に沿って敷設されていることを特徴とする。
天井がフィルムシートで覆われた上に膜天井シートによって二重に覆われるから、例えばアスベストが天井に使用される場合においてアスベスト片が飛散することを防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の膜天井シートを用いた天井改修方法および膜天井構造によれば、天井表面をフィルムシートにより覆った状態であるので、例えばアスベストが天井に使用される場合においてアスベスト片が飛散することを防止できる。このため、アスベストの封じ込め(囲い込み)における信頼性を向上させることができる。
また、フィルムシートによって予め天井表面を覆った状態として膜天井シートを敷設するから、膜天井シートの施工中にアスベストを含んだ天井に触れることなく施工でき、安全性を向上させることができる。このため、施工中における住人の引越しも不要となる。この場合、フィルムシートはさらに膜天井シートによって覆われるから、フィルムシート自体は薄膜によって構成することができ、その取扱いを容易にして、全体の施工性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の膜天井シートを用いた天井改修方法および膜天井構造の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本実施の形態による膜天井の設置状態を示す図であり、この図1に示すように、この膜天井1は、住宅などの建築物の室内においてアスベストが使用された天井2を改装(リフォーム)する際に、天井2に沿うようにして敷設したものである。室内の四方の各壁面3の上端部には、天井2の周縁部全周にわたって既設の木廻り縁4が取り付けられており、膜天井1は、この木廻り縁4を利用して固定されている。
ここで、アスベストが使用された天井2は、例えば従来多く使用されていたアスベストを含んだ天井材料や吹付け材仕上げの材料による天井を対象とする。
【0013】
この膜天井1は、天井2の表面を覆うフィルムシート5と、このフィルムシート5よりも下方位置に敷設された膜天井シート6との二重構造とされている。
フィルムシート5は、例えばポリエチレン等の透明な軟質樹脂を薄膜に形成してなるものであり、天井2の表面に密接させられ、その全面を覆った状態として、その四辺が木廻り縁4の高さ方向の上部位置に天井3の周縁に沿って接着材としての両面テープ7によって固定されている。この両面テープ7は、例えば弾性樹脂(ブチルゴムを含む)の両面に接着剤(粘着剤)を塗付加工してなるものであり、接着面は剥離紙によって覆われている。
【0014】
膜天井シート6は、木廻り縁4の高さ方向の下部に重ねるように固定された膜天井廻り縁11によって固定されている。この膜天井廻り縁11は、垂直材11Aおよび水平材11Bを一体に成形してなる断面略L字形をなしており、その垂直材11Aの背面が木廻り縁4にシーリング材12を介して固定されている。
このシーリング材12としては、例えば弾性樹脂(ブチルゴムを含む)の両面に接着剤(粘着剤)を塗付加工してなる両面テープなどを使用することが好ましい。そして、この膜天井廻り縁11の垂直材11Aは、この垂直材11Aからシーリング材12、木廻り縁4を貫通させてビス13が壁面3に打ち込まれて固定されている。
また、膜天井廻り縁11の水平材11Bの先端部には、上方に延びさらに垂直材11Aに向けて折り返すように屈曲した断面略鉤形の係止部13が長さ方向に沿って形成されており、この係止部13によって長さ方向に沿う溝部14が形成される。
【0015】
膜天井シート6は、例えば塩化ビニル樹脂製の材質(例えば、リフォジュールシート(登録商標)、フクビ化学工業株式会社製)で弾力性を有するシート材15が使用され、その周縁に断面略U字形の係止部材16が全周に連続して設けられている。この係止部材16は、図2に示すように、そのU字形の両側壁部16A・16Bの間に溝部17が形成され、一方の側壁部16Aにシート材15が固着された構成とされている。そして、他方の側壁部16Bを膜天井廻り縁11の溝部14に入れるようにして、この係止部材16の溝部17を膜天井廻り縁11の係止部13に引っ掛けることによって、膜天井シート6は天井2に沿って敷設されている。
なお、膜天井シート6の表面は、室内天井として好みのデザインのシートを使用することができる。
【0016】
また、天井2の四隅には、図3に示すように、互いに略直角に接合される二辺をなす膜天井廻り縁11、11に、一端21aを一方の膜天井廻り縁11にビス22で固定させ、他端21bを他方の膜天井廻り縁11にビス22で固定させた補強斜材21が斜めに設けられており、膜天井シート6は、この補強部材21の下方に敷設されている。この補強斜材21は、敷設時に張力が付与されることにより常に収縮しようとする膜天井シート6によって、木廻り縁4および膜天井廻り縁5が引っ張られて木廻り縁4が壁面3から外れたり、膜天井廻り縁5を固定するビス13が木廻り縁4から抜けたりすることを防ぐものである。
【0017】
次に、このような構成をなす膜天井1の施工方法について説明する。
先ず、両面テープ7をその一方の接着面に剥離紙を付着したまま既存の木廻り縁4の上部に貼り付けておく。
【0018】
一方、フィルムシート5はロール状にしておき、図4に示すように、そのロール31を回転自在に支持するロール台32A・32Bを用意する。このロール台32A・32Bは、ロール31の両端部を支持するもので、ロール31を床面33から少し浮かせた状態に支持する。また、フィルムシート5は、例えば0.03mm厚さで幅が3600mmのものを二つ折り(1800mm幅)にして長さ100m分、ロール31に巻き取られている。
このロール台32A・32Bを床面33上に置いておき、ロール31からフィルムシート5を引き出しながら使用する。改修しようとする天井2の寸法よりも5000mm程度長めに引き出す。これは、天井高さは概ね2500mmであることから、天井2から壁面3にフィルムシート5を垂らして養生として利用するためである。他の辺についてはフィルムシート5に養生シート(図示略)を継ぎ足せばよい。
【0019】
引き出したフィルムシート5は二つ折になっており、これを広げた状態として、天井2の一辺の片側から木廻り縁4に貼り付けておいた両面テープ7の剥離紙を剥がしながらフィルムシート5に若干の張力をかけて貼り付けていく。この貼り付け作業において、作業員は図5に示すように垂れ下がるフィルムシート5の下に矢印で示すように潜り込むようにして作業することになる。
【0020】
一辺の貼り付けが終わったら、天井2の反対側の辺について、その中央部から左右に向けてフィルムシート5を貼り付けていく。このときフィルムシート5を天井2に密接させるように張力をかける。残りの二辺は片側から貼り付ける。このようにして天井2の周囲の両面テープ7にフィルムシート5を貼り付けると、図6に示すように、天井2の表面がフィルムシート5により覆われ、余ったフィルムシート5が壁面3に垂れ下がった状態となっている。
【0021】
ところで、天井2に設置されている照明器具等のうち、撤去すべき部品がある場合については、図6に示すようにフィルムシート5で天井2を覆った後、次のような手順で撤去作業が行われる。
まず、図8に示すようにフィルムシート5の材料から作った袋状フィルム41をフィルムシート5の下面に貼り付ける。この袋状フィルム41は、内部にグローブ42が一体に形成され、外側からグローブ42に手を差し込んで袋状フィルム41内の作業を行うことができるようになっている。この袋状フィルム41の中にドライバー43やカッター44等の必要な工具を入れた状態として、既設部品45を囲む大きさのリング枠46に通すとともに、このリング枠46上に配置される袋状フィルム41の開口部付近に両面テープ47を固着しておく。そして、図8の矢印で示すように、リング枠46毎、袋状フィルム41を既設部品45に被せて天井2に敷設されているフィルムシート5に固着する。
【0022】
この貼り付け状態でリング枠46を下方に抜き取ると、図9に示すように天井2のフィルムシート5に袋状フィルム41がぶら下がった状態となる。この状態で図10に示すように、グローブ42に手Hを差し込んで、カッター44で既設部品45回りにフィルムシート5を切り取ることにより、フィルムシート5に穴48を開けて既設部品5を露出させ、ドライバー43を操作して既設部品45を天井2から外して袋状フィルム41内に収納する。図10は、既設部品5をドライバー43で外している状態を示している。
【0023】
次いで、天井2近くの部分で袋状フィルム41を窄めてテープ等で結んだ後、その結束部分49を図11の矢印で示すように切断すると、天井2の表面はフィルムシート5の穴48が袋状フィルム41の上半分によって塞がれた状態となり、袋状フィルム41の下半分には天井2から撤去した部品45と工具43・44が収納された状態となり、これらを袋状フィルム41に収納したまま廃棄することが可能になる。
【0024】
このようにしてフィルムシート5によって天井2表面を覆った状態とした後、図7に示すように、木廻り縁4の上に垂れ下がっているフィルムシート5の上からシーリング材12を介して膜天井廻り縁11を重ね合わせ、水平方向に所定間隔(例えば120mmピッチ)ごとにビス13を膜天井廻り縁11の上から打ち込ませて木廻り縁4に膜天井廻り縁11を固定する。
また、天井2の四隅にでは、膜天井廻り縁11の上から図3に示す補強部材21を接合する。
【0025】
次いで、図2に示すように、膜天井シート5の周縁に設けた係止部材16を、例えばコテ状の治具(図示省略)を使用して係止部材16の溝部17に差し込みながら膜天井廻り縁11の係止部13にはめ込んで係止させる。これにより、膜天井廻り縁11の内側に膜天井シート6が敷設される。
【0026】
なお、通常の膜天井シート6は、天井2への敷設面積に対して略8割の面積比率に加工されたものを、設置する際に引き伸ばすようにテンションをかけながら膜天井廻り縁11に固定されるのであるが、この膜天井シート6を敷設する際には、床面に温風器(図示略)を設置して天井2に向けて温風を吹き付けておき、その温風によって膜天井シート6を加温して、伸び易いようにすることが行われる。
また、図7に示すように膜天井回り縁11から垂れ下がっている部分のフィルムシート5は、最後に膜天井シート5を敷設した後、膜天井回り縁11の下縁に沿って切断する。
このようにして膜天井シート6を敷設すると、膜天井シート6と天井2との間には、室内空間Rと遮断された密封空間Tが形成されて天井2が囲い込まれた状態となる。しかも、天井2の表面はフィルムシート5が密接に覆った状態とされている。
【0027】
上述した本実施の形態による膜天井シートを用いた天井改修方法および膜天井構造は、フィルムシート5を天井2に(隙間無く)密着させることで、天井2の全面を封じ込めることができる。そして、膜天井シート6を施工する際に天井2に直接触れることなく施工できることから、安全性を向上させることができ、アスベストの封じ込め(囲い込み)における信頼性を向上させることができる。
【0028】
以上、本発明による膜天井シートを用いた天井改修方法および膜天井構造の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また、本実施の形態ではアスベストが使用された天井2を対象としているが、アスベストを含まない吹き付け天井やコンクリートが露出した天井などで剥がれ落ちを防止するための改装に適用してもかまわない。
【0029】
また、フィルムシート5を敷設する前に、天井2の表面に接着剤を吹き付けて、フィルムシート5を天井2に密着させるようにしてもよい。逆にフィルムシート5に接着剤を塗布しておいてもよい。
また、フィルムシート5は透明なもので目視点検を可能としたものであるが、とくに点検などの必要がない場合などでは透明性を有するシートであることに限定はされない。
【0030】
さらに、本実施の形態では膜天井廻り縁11をビス13によって木廻り縁4に取り付けたものであるが、膜天井廻り縁11の固定方法はこれに限定されることはなく、テンションをかけて敷設した膜天井シートの引張力によって木廻り縁4や膜天井廻り縁11が外れないようにしておけばよいのであって、例えば各壁面3同士の膜天井廻り縁11に突っ張り用の補強材を設けておくようにしてもよい。
木廻り縁4が設けられていない場合に適用することもでき、その場合は膜天井廻り縁11を壁面3に直接固定すればよい。
さらにまた、膜天井廻り縁11の係止部13と膜天井シート6の係止部材16との係止構造も、両者が係止状態となる他の構造を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態による膜天井の設置状態を示す縦断面図である。
【図2】図1における膜天井回り縁部分の膜天井シートの取付け構造を示す拡大拡大図である。
【図3】膜天井回り縁の四隅に設けられる補強部材の取り付け構造を示す平面図である。
【図4】フィルムシートのロールを支持している状態を示す正面図である。
【図5】天井にフィルムシートを敷設し始めた状態を示す縦断面図である。
【図6】天井にフィルムシートを敷設した状態を示す縦断面図である。
【図7】フィルムシートの上から膜天井回り縁を固定した状態を示す縦断面図である。
【図8】天井の既設部品を撤去するために袋状フィルムを取り付ける状態を示している縦断面図である。
【図9】図8に示す状態から袋状フィルムを天井のフィルムシートに取り付けた状態を示す縦断面図である。
【図10】図9に示す状態から既設部品を取り外している状態を示す縦断面図である。
【図11】図10に示す状態から既設部品を取り外して袋状フィルムに閉じ込めた状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1…膜天井 2…天井 3…壁面 4…木廻り縁 5…フィルムシート 6…膜天井シート 7…両面テープ(接着材) 11…膜天井廻り縁 12…シーリング材 13…係止部 14…溝 15…シート材 16…係止部材 17…溝 21…補強部材 41…袋状フィルム 42…グローブ 43・44…工具 45…既設部品 46…リング枠 47…両面テープ R…室内空間 T…密封空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井周囲の壁面に天井の周縁に沿って接着材を固定し、この接着材にフィルムシートを固着しながら該フィルムシートによって天井表面を覆った状態とし、その後、前記接着材よりも下方位置の壁面に膜天井廻り縁を固定し、この膜天井廻り縁に周縁を係止させながら膜天井シートを天井に沿って敷設することを特徴とする天井改修方法。
【請求項2】
前記膜天井シートを敷設する前に、天井から撤去すべき既設部品を覆った状態の前記フィルムシートの上から袋状フィルムを被せるようにしてフィルムシートに袋状フィルムの開口部を固着するとともに、その袋状フィルムの中に工具を入れておき、袋状フィルムの一部を介して外部から工具を操作しながら袋状フィルム内でフィルムシートの一部を切り抜いて既設部品を取り外した後、取り外した既設部品を袋状フィルムの下部に収容した状態として上部を窄めて結束し、その結束部分から袋状フィルムを切り離すことにより、既設部品を天井から撤去することを特徴とする請求項1記載の天井改修方法。
【請求項3】
天井周囲の壁面に天井の周縁に沿って接着材が固定されるとともに、天井表面を覆うフィルムシートの周縁部が前記接着材に固着され、この接着材よりも下方位置の壁面に膜天井廻り縁が固定され、この膜天井廻り縁に周縁を係止させて膜天井シートが前記天井に沿って敷設されていることを特徴とする膜天井構造。
【請求項1】
天井周囲の壁面に天井の周縁に沿って接着材を固定し、この接着材にフィルムシートを固着しながら該フィルムシートによって天井表面を覆った状態とし、その後、前記接着材よりも下方位置の壁面に膜天井廻り縁を固定し、この膜天井廻り縁に周縁を係止させながら膜天井シートを天井に沿って敷設することを特徴とする天井改修方法。
【請求項2】
前記膜天井シートを敷設する前に、天井から撤去すべき既設部品を覆った状態の前記フィルムシートの上から袋状フィルムを被せるようにしてフィルムシートに袋状フィルムの開口部を固着するとともに、その袋状フィルムの中に工具を入れておき、袋状フィルムの一部を介して外部から工具を操作しながら袋状フィルム内でフィルムシートの一部を切り抜いて既設部品を取り外した後、取り外した既設部品を袋状フィルムの下部に収容した状態として上部を窄めて結束し、その結束部分から袋状フィルムを切り離すことにより、既設部品を天井から撤去することを特徴とする請求項1記載の天井改修方法。
【請求項3】
天井周囲の壁面に天井の周縁に沿って接着材が固定されるとともに、天井表面を覆うフィルムシートの周縁部が前記接着材に固着され、この接着材よりも下方位置の壁面に膜天井廻り縁が固定され、この膜天井廻り縁に周縁を係止させて膜天井シートが前記天井に沿って敷設されていることを特徴とする膜天井構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−327260(P2007−327260A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159671(P2006−159671)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(597053522)リフォジュール株式会社 (8)
【出願人】(000010065)フクビ化学工業株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(597053522)リフォジュール株式会社 (8)
【出願人】(000010065)フクビ化学工業株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
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