説明

太陽光追従型イチゴ高設栽培装置

【課題】限られた面積でイチゴ栽培の栽培管理通路を確保し、より多くのイチゴを定植して栽培密度を高め、日照不足による障害果実の減少、着色不良、奇形果の発生を抑制し、日照効果により栽培するイチゴの葉茎繁茂が図れ、イチゴの病害を減少させ、イチゴの収穫量が大幅に向上できるイチゴの高設栽培装置を提供する。
【解決手段】温室内の粱部2に駆動モーター17を介して回転する複数列の回転軸12を配置し、回転軸に軸着した昇降輪23に掛け渡した懸垂索25両端の連結部27に長尺のイチゴ栽培容器34を連結し、温室1の外に配置した太陽方位検出器5の受光素子7で太陽の方位を検出し演算装置で演算して制御装置により駆動モーター17を始動させ、イチゴ栽培容器34を上下に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イチゴの高設栽培プラントに適用されるイチゴ高設栽培装置で、太陽光線の入射方向に合わせてイチゴ栽培容器を上下に移動させる移動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
転換期にある日本の農業は、農業従事者の高齢化と後継者不足のため、作業姿勢の改善や軽作業化と省力化のため、高設栽培の本格的な普及が始まって7〜8年が経過し、例えばイチゴ栽培では栽培面積の10%を越えるまでになってきたが、軽作業化と省力化が実現する一方、高設栽培の問題点も明らかになり、日照不足による障害果実を減少し果実の肥大と着色を良くし、イチゴ高設栽培の維持管理の軽作業化や省力化を実現して人件費が削減され、安定して増収が図れるイチゴ高設栽培装置が要望されてきた。
【0003】
イチゴ高設栽培方法として、栽培ベットを架台に上下2段に固定して、作業通路を隔て複数平行に配置して栽培する方法であるが、下段の栽培ベットはイチゴへの日当たりが悪く上段のイチゴ収穫量の約55%前後の収量を得ることが困難であり、限られた栽培用地により多くのイチゴ苗を作業空間を確保し如何に多く植えつけられ、高設栽培施設が安価で高収入が得られるイチゴの高設栽培技術の確立が急務であった。
【0004】
又、従来の公知技術として、下支柱と上支柱を平行に配置して斜材で連結し、斜材部の中間位置に回転するアームを直交して設け、その両端にイチゴ栽培容器を吊り下げて栽培する架設方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)然し乍ら、この吊り下げ方式ではイチゴの栽培密度は改善されているが、イチゴ栽培容器を支持する架設方法は複雑で架設資材も高額となり、回転方向も片側のみでありその改善が望まれていた。
【0005】
更に、温室の梁から固定支持柱を下ろし、天秤棒の中間位置で支持し、その天秤棒の両端に栽培容器を吊り下げ作業時に片側の栽培容器を引き下ろして作業空間を確保するものが知られている(例えば、特許文献2参照。)然し乍らこの吊り下げ方式でもイチゴの栽培密度は多少は改善されているが、イチゴ栽培容器の支持方法が複雑で高額となり、天秤棒と栽培容器との干渉のため無駄な空間が発生するためその改善が求められていた。
【0006】
【特許文献1】 特許第3157090号公報
【特許文献2】 特開2000−14250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上述べた如く、従来のイチゴ高設栽培の問題点である、限られた面積でイチゴ栽培の維持管理作業スペースを確保し、多くのイチゴ苗を定植して栽培密度を高め、日照不足による障害果実の減少、着色不良果や奇形果の発生を抑制して、日照効果によるイチゴ栽培の促進と草勢増進効果が図れ、イチゴの病害を減少させ栽培維持管理費が大幅に削減できるイチゴ高設栽培方法を確立する。
【0008】
イチゴ高設栽培の設備が低価格で施工でき、そのため設備償却費も低金額で償却でき、イチゴ高設栽培の維持管理の軽作業化や省力化を実現して人件費が削減されトータル栽培コストが低く、農薬使用量を大幅に削減した安全なイチゴで、しかも、イチゴの果実着色を良くし、イチゴ果実が肥大し、イチゴの収穫量を大幅に向上させる太陽光追従型のイチゴ高設栽培装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らはこれらの問題点を解決するため、太陽光追従型のイチゴ高設栽培装置について鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったものである。
【0010】
本発明の第1の目的を達成するために、太陽方位検出器の内部に、太陽の直射光を25度から35度の範囲で受光する受光素子を内装した5個の測定室を東西方向で扇型に配置し、5個の受光素子の検出照度の比較値を演算装置で算出した太陽方位と、回転軸位置検出装置で検出したイチコ栽培容器の位置とを制御装置に入力し、前記制御装置から出力し駆動モーターを起動してイチゴ栽培容器を上下方向に移動させて、栽培するイチゴの光合成を促進させて、栽培するイチゴの光合成を促進させて増収を図った。
【0011】
本発明の第2の目的を達成するために、温室梁に直交する方向で駆動モーターの回転力を駆動チェーンを介して連動して回転させる複数列の回転軸を平行に配置し、前記回転軸に軸着した昇降輪に掛け渡した懸垂索の両端に長尺のイチゴ栽培容器を回転軸に平行に吊り下げ支持し、隣り合うイチゴ栽培容器を上下方向に移動させた。
【0012】
本発明の第3の目的を達成するために、昇降輪に掛け渡した懸垂索両端の連結部に間隔保持具をヒンジピンを挿通して装着し、長尺のイチゴ栽培容器の水平間隔を均等に保持させ、懸垂索を上下に移動してイチゴ栽培容器を上下二段の状態に保持し隣り合うイチゴ栽培容器との間に栽培管理通路を確保してイチゴの栽培密度を高めた。
【0013】
本発明の第4の目的を達成するために、駆動モーターの駆動スプロケットと、回転軸に軸着した過負荷保護器を内装した被動スプロケットとに駆動チェーンを掛け渡した自動移動機構と、回転軸に軸着した減速機を内装した手動輪に手動索を掛け渡して手動でイチゴ栽培容器を上下方向の任意位置に移動する手動移動機構とし安全性と操作性を確立した。
【発明の効果】
【0014】
以上述べた如く、長尺のイチゴ栽培容器が太陽照射方向に合わせて、斜め上下に移動することにより、東西方向の水平横並び位置からの縦方向の垂直位置に75度反転させることにより、特に日射量の少ない日本海側や中山間地域でも栽培するイチゴに均一な光合成が行えイチゴの果実色素含有量が増大して着色を良くしてイチゴ果実が肥大した。更に、糖度が大幅に向上したため食味がよくなり高価格で販売できた。
【0015】
水平位置では長尺のイチゴ栽培容器のイチゴは、電照による照射が均一にできる他に上部からの薬剤の散布や温室内降温のため行う霧の噴霧も栽培するイチゴに均一にでき、長尺のイチゴ栽培容器の下部の温度の制御も容易であり、薬剤散布や霧噴霧と温度制御の自動化が行えて大幅な省エネが図れるためイチゴの栽培維持管理コストが削減できた。
【0016】
斜め上下方向の2段に長尺のイチゴ栽培容器を移動させることで、隣接する長尺のイチゴ栽培容器との間に広い維持管理通路が確保でき、上下2段にイチゴ栽培容器を移動することで午前中は西側のイチゴを収穫し、午後は東側のイチゴを収穫することでイチゴの果実温度が低くでき収穫したイチゴの高品質な維持と収穫作業による疲労が削減できた。
【0017】
前記と同様に、長尺の水平なイチゴ栽培容器を斜め上下二段に移動させることで、イチゴの栽培管理時の下葉取りやジベリン処理など夕方に集中する作業が上下2段同時にできるため栽培管理労力の大幅な低減が図れ生産コストが削減した。そのため、高密度で栽培することが可能となるため単位面積当たりのイチゴの収穫量が大幅に増大した。
【発明の実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて具体的に説明する。
【0019】
温室1内部のイチゴ高設栽培装置の移動する構造は図1で示し、温室1内の梁2(点線で示す)に直角方向で支持ベアリング19を介して複数列配設した回転軸12に軸着した昇降輪23に懸垂索25を掛け渡し、前記懸垂索25の両端の連結部27に長尺のイチゴ栽培容器34が連結して懸垂されている。複数の回転軸12には過負荷保護器16を内装した被動スプロケット22が軸着されており、駆動モーター17から駆動チェーン18を介して夫々の被動スプロケット22が駆動され回転軸12が動かされている。
【0020】
イチゴ栽培容器34を均等な間隔で水平に配列しイチゴ35の栽培密度を高める他、梁部2の下側に設けた噴霧装置39によりイチゴ35への薬剤散布が温室1の外部で操作でき、作業者の農薬散布による農薬暴露から回避され安全に作業が行える他、温室内の温度を降温するための水霧作業や、電照装置41による照射が効率良く均一にできる。
【0021】
イチゴ栽培容器34を水平に配列した下側には、地盤面4とに約1メートル前後の作業空間と、イチゴ栽培容器34に栽培したイチゴ35のランナー36及びイチゴ果実37などにより温室1内を植物層により上下に分断できるためイチゴ栽培容器34より下側の空間は、熱交換器による加温や冷却などの空調区域が確保され効率良く温調できる。更に、液肥料注入装置40や炭酸ガス発生装置などの付帯設備の設置空間として利用する。
【0022】
屋根部3に設置した太陽方位検出器5は図2で示し、太陽の照射方向を検出するため東西方向に扇型の測定室8が約30度前後の角度を設けて5室に分割されている。太陽の入射光による各室の干渉や風雨や防塵のため設けた半円形状の外装カバー42で保護され、各室の外装カバー42の中間位置には太陽光を効率良く集光するために透明なレンズ効果を有する受光窓6が設けられており、測定室8の室内には太陽の入射方向をより正確に検出するため内面は黒色の無反射塗料が塗布されている。
【0023】
電気的構成は図3で示した如く、上記5室の測定室8内底部には太陽光を電気に変換させるための受光素子7(例えば、CdSセル、フォトダイオードなど。)が設置されており、太陽の照射により五個の受光素子7が受光面で電気エネルギーに変換した信号は下部に隣接して設けたAD変換器9に入力される。AD変換器9では、アナログ値で出力される受光素子7の出力信号をデジタル値に変換して演算装置10に出力させる。
【0024】
演算装置10では、五個のAD変換器9の出力信号を一定時間毎に取り込んで所定数のデーターを取り込みラッチする。そして五個のAD変換器9毎の所定数の取り込みデーターの平均値を算出しその差を比例数値として演算装置10で演算した制御装置11への入力と、回転軸12に軸着した回転軸位置検出装置13(例えば、ロータリーエンコーダー、角度センサーなど)でイチゴ栽培容器34の現在位置を検出して入力し、制御装置11により出力して駆動モーター17を起動しイチゴ栽培容器34を移動させる。
【0025】
制御装置11では、演算装置10の出力値が所定値以上である場合、即ち五個の受光素子7の検出照度の差が所定数値以上であるときに、太陽の照射方向を検出してイチゴ栽培容器34を光合成に最適な東西方向の位置に駆動モーター17を制御して移動させる。又、演算装置10の出力値が所定値以下である日没から日の出迄の夜間や曇天時及び降雨時の場合は、それぞれのイチゴ栽培容器34を水平な位置で並列させる。
【0026】
イチゴ栽培容器34に定植したイチゴ35の光合成が促進するあらかじめ設定した図4に示すような照度値(例えば3万ルクス)を越えると演算装置10の信号で制御装置11に入力して指示された東西方向にイチゴ栽培容器34を移動させる。直射日光が弱くなり(例えば3万ルクス)以下になると演算装置10の信号で制御装置11に入力しイチゴ栽培容器34を水平な位置で保持させる。更に、イチゴ35の栽培や維持管理のためにイチゴ栽培容器34を手動の外部スイッチ14操作で任意な位置に移動できる。
【0027】
制御装置11で演算した制御信号で駆動モーター17を起動させ、駆動スプロケット21から駆動チェーン18を介して回転軸12を回転させ回転軸位置検出装置13の位置検出信号を制御装置11にフィードバックし修正する。回転軸12に軸着した昇降輪23に掛け渡した懸垂索25により太陽の照射方向に合わせてイチゴ栽培容器34を上下に移動しイチゴ35の光合成を促進してイチゴ果実37の色素含有量を増大させる。
【0028】
長尺のイチゴ栽培容器34を移動した夫々の静止状態は図5で示し、日の出から9時前後までは、間隔保持具28が東向きの(図A)80度で保持される。9時から11時前後までは、間隔保持具28が東向きの(図B)40度で保持される。11時から午後1時までは、間隔保持具28が(図C)水平な状態で保持される。1時から3時までは、間隔保持具28が西向きの(図D)40度で保持される。3時から日没までは、間隔保持具28が西向きの(図E)80度の状態で保持される。日没から日の出までの夜間は、間隔保持具28が水平な(図C)状態で保持され、イチゴ栽培容器34が係止されている。
【0029】
イチゴ35の栽培密度を増すためには図6の如く、トラス構造の梁部2(点線で示す)に直交する方向で120cm前後の間隔で複数の回転軸12を平行に配置する。回転軸12に軸着した外径15cm前後の昇降輪23に掛け渡した懸垂索25の両端は昇降輪23から垂直に懸垂されるため、イチゴ35の栽培に必要な最小距離60cm前後の間隔を均等に保持させるため、懸垂索25両端の連結部27に着脱部30を設けた全長60cm前後の間隔保持具28を装着して、並列するイチゴ栽培容器34の間隔を均等に保持させる。
【0030】
日没から日の出までの夜間や正午前後の太陽が真上にある場合、曇天時および降雨時などの日照の弱い時、更に、必要に応じてイチゴ35栽培の維持管理のためにイチゴ栽培容器34を水平にする場合は(図A)の状態で保持される。梁2の下部位置に設けた噴霧装置39からの薬剤散布を温室1の外部より操作し無人で行うため作業者の農薬による暴露が皆無となり日没時に短時間で薬剤散布が終了する。その外、温室1内部の温度を降温させるため水を噴霧させる場合にはこのような水平状態で並列されている。
【0031】
イチゴ栽培の栽培管理通路38を確保する方法は(図B)状態の如く、昇降輪23により懸垂索25の片側を巻き上げると間隔保持具28は斜め上下方向75度に保持され左右一対の長尺のイチゴ栽培容器34は、間隔保持具28の内側に折り曲げられたその先端部から下方向位置で垂直状態に懸垂され、隣り合う垂直状態に懸垂されたイチゴ栽培容器34との間に約90cm前後のイチゴの栽培管理通路38としての広い空間が確保される。
【0032】
間隔保持具28を移動して片側のイチゴ栽培容器34を(図C)状態の梁2下部まで巻き上げると、温室1内の温度が高い梁部2に保持されイチゴ栽培容器34は太陽熱により加熱されて栽培土の温度が60度前後まで昇温するため太陽熱により栽培土の殺菌消毒が効率良くできる。又、反対側のイチゴ栽培容器34は地盤面4まで降下されるためイチゴ栽培容器34内での栽培土の耕耘作業及び栽培土の入れ替え作業が容易に行える。
【0033】
間隔保持具28の詳細な形状は図7に示した如く、例えば、60cm前後のC形軽量溝型鋼の両端を約120度の角度で内側に折り曲げた凹形状であり、折り曲げた両端の連結部27に懸垂索25(例えば、ワイヤーロープ、チェーンなど。)が自由に取り外しができる着脱部30を設けたことで、昇降輪23から懸垂された2組のイチゴ栽培容器34の連結部27に間隔保持具28を装着して2組のイチゴ栽培容器34の間隔を保持させる。尚、二枚の鋼板を凹形状に切断し間隔を設けて向かい合わせて用いることも可能である。
【0034】
懸垂索25の両端部にはヒンジピンプレート31が係止されており、イチゴ栽培容器34を懸垂させる逆Y形状の容器保持具29の上端部にもヒンジピンプレート31が設けてあり、間隔保持具28の両側に設けた着脱部30にはヒンジピンプレート31を挿入するため凹型に加工されており、側面にはヒンジピン32の挿入孔が設けられている、前記間隔保持具28の凹型加工した間に容器保持具29と懸垂索25のヒンジピンプレート31を嵌入させてヒンジピン32を挿入して連結させている。
【0035】
イチゴ高設栽培装置の安全装置は図8の如く、梁部2に直角な方向で支持ベアリング19を介して複数列平行に配置された回転軸12に軸着した過負荷保護器16(例えば、機械式トルクガード、摩擦式トルクリミッターなど。)を内装した被動スプロケット22を設ける。前記過負荷保護器16に設定トルク以上の過負荷が加わった場合(例えば、懸垂索が絡む、イチゴ栽培容器が障害物に接触した場合など)には、回転軸12は駆動モーター17から駆動チェーン18による被動スプロケット22の回転運動から遮断されて空転することで、イチゴ栽培容器34の上下への移動が自動的に停止する保護機構とした。
【0036】
回転軸12に軸着した回転軸位置検出装置13(例えば、角度センサー、ロータリーエンコーダーなど)によりイチゴ栽培容器34の現在の位置を検出して制御装置11に入力し、前記制御装置11により駆動モーター17による回転軸12の回転させる角度を制御してイチゴ栽培容器34を指示された位置に移動させて停止させる。
【0037】
停電時など駆動モーター17での移動が困難な場合、又は、イチゴ35の維持管理のため必要に応じイチゴ栽培容器34を上下に移動させる場合は、回転軸12に軸着した手動輪24に掛け渡した手動索26により回転軸12を駆動させるため、回転軸12に軸着した過負荷保護器16により駆動モーター17の駆動から自動的に遮断され、手動索26の手動昇降操作により上下の任意位置にイチゴ栽培容器34を移動できる。尚、手動時の負担を軽減させるために減速機20を介して回転軸12の駆動することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例を示す太陽光追従型イチゴ高設栽培装置の構造断面図
【図2】太陽方位検出器の内部構造を示す断面詳細図
【図3】太陽光追による電気的構成を示すブロック図
【図4】太陽方位検出器の検出照度を示す説明図
【図5】温室内で長尺のイチゴ栽培容器を移動させた作動説明図
【図6】長尺のイチゴ栽培容器を夫々の角度で保持した説明図
【図7】長尺のイチゴ栽培容器に間隔保持具を係止した詳細図
【図8】過負荷保護器を設けた構造詳細図
【符号の説明】
【0039】
5 太陽方位検出器
7 受光素子
12 回転軸、
17 駆動モーター
25 懸垂索、
28 間隔保持具
34 長尺のイチゴ栽培容器
38 栽培管理通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽方位検出器の内部に、太陽の直射光を25度から35度の範囲で受光する受光素子を内装した5個の測定室を東西方向で扇型に配置し、5個の受光素子の検出照度の比較値を演算装置で算出した太陽方位と、回転軸位置検出装置で検出したイチゴ栽培容器の位置とを制御装置に入力し、前記制御装置から出力し駆動モーターを起動してイチゴ栽培容器を上下方向に移動させて、栽培するイチゴの光合成を促進させたことを特徴とした太陽光追従型イチゴ高設栽培装置。
【請求項2】
温室梁に直交する方向で駆動モーターの回転力を駆動チェーンを介して連動して回転させる複数列の回転軸を平行に配置し、前記回転軸に軸着した昇降輪に掛け渡した懸垂索の両端に長尺のイチゴ栽培容器を回転軸に平行に吊り下げ支持し、隣り合うイチゴ栽培容器を上下方向に移動させたことを特徴とする請求項1記載の太陽光追従型イチゴ高設栽培装置。
【請求項3】
昇降輪に掛け渡した懸垂索両端の連結部に間隔保持具をヒンジピンを挿通して装着し、長尺のイチゴ栽培容器の水平間隔を均等に保持させ、懸垂索を上下に移動してイチゴ栽培容器を上下二段の状態に保持し隣り合うイチゴ栽培容器との間に栽培管理通路を確保してイチゴの栽培密度を高めたことを特徴とした請求項1乃至2記載の太陽光追従型のイチゴ高設栽培装置。
【請求項4】
駆動モーターの駆動スプロケットと、回転軸に軸着した過負荷保護器を内装した被動スプロケットとに駆動チェーンを掛け渡した自動移動機構と、回転軸に軸着した減速機を内装した手動輪に手動索を掛け渡して手動でイチゴ栽培容器を上下方向の任意位置に移動させた手動移動機構とからなる請求項1乃至3記載の太陽光追従型イチゴ高設栽培装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−254890(P2006−254890A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−118878(P2005−118878)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000183680)
【出願人】(304001040)株式会社環境技術総合研究所 (7)
【Fターム(参考)】