説明

太陽電池モジュールの分離回収方法

【課題】太陽電池モジュールから、受光面保護層、封止材層、および裏面保護層を容易に分離・回収する方法を提供する。
【解決手段】受光面保護層、太陽電池セル若しくは太陽電池セルを直接受光保護材に蒸着した層、不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物を含有する封止材層、および裏面保護層を有する太陽電池モジュールに、アルコール溶液を付与するアルコール溶液処理工程と、前記受光面保護層、前記太陽電池セル若しくは太陽電池セルを直接受光保護材に蒸着した層、前記不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物を含有する封止材層、および前記裏面保護層を分離・回収する部材分離回収工程と、を有する太陽電池モジュールの分離回収方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールの分離回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無尽蔵な自然エネルギーを利用し、二酸化炭素の削減やその他の環境問題の改善が図れる水力発電、風力発電並びに太陽光発電などが脚光を浴びている。このうち太陽光発電は、太陽電池モジュールの発電効率等の性能向上が著しい一方、価格の低下が進んだこと、国や自治体が住宅用太陽光発電システム導入促進事業を進めてきたことから、近年その普及が著しく進んでいる。
【0003】
しかしながら、太陽光発電システムの大量導入が実現した場合、それと同等量の大量の廃棄太陽電池モジュールの廃棄が行われることが危惧される。また、製造過程で発生した不良太陽電池モジュールや流通過程で発生した破損太陽電池モジュールなどの適切な再生方法の確立が望まれる。資源循環型社会構築の必要性が叫ばれている中、将来のクリーンエネルギー源の担い手として期待されている太陽光発電システムが、現状の産業廃棄物としての処理方法を続け、資源の大量消費を行うわけにはいかない。そのため、太陽電池モジュール部材の効率的な利用やリサイクル、リユースにより資源の消費を抑制し環境への負荷を低減するリサイクルシステムの構築が必要であり、さらにそのリサイクルシステムの実現を可能とする太陽電池モジュールの開発が望まれている。
【0004】
太陽電池モジュールは、一般に、受光面保護層(又は保護基板とも言う)と太陽電池セルが封止された封止材層(又は封止材シートとも言う)と裏面保護層(又は保護シートとも言う)を順次積層して構成され、これらをアルミニウム等の外枠で固定してモジュールとなる。このモジュールを複数個並べてユニット化して太陽光発電システムとなる。
【0005】
これらの構成部材のうちガラスなどの透明受光面保護層や太陽電池セルを構成する太陽電池素子は、長期間太陽光にさらされても周辺部材と比べて損傷が少なく再利用可能な資源である。
【0006】
しかし、現在市販されている多くの太陽電池モジュールには充填材シートとしてEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)シートが使われており、熱硬化性であるEVAシートはエチレン・酢酸ビニル共重合体のシートを作成する工程と、得られたシートを用いて太陽電池セルを封止するという2段階の工程を採用する必要があり、また、このシートの製造段階では、有機過酸化物が分解しないような低温度での成形が必要であるため、押出成形速度を大きくすることができない。また太陽電池セルの封止段階では、ラミネーターにおいて数分乃至十数分かけて仮接着する工程と、オーブン内において有機過酸化物が分解する高温度で数十分ないし1時間かけて本接着する工程とからなる2段階の時間をかけての接着工程を経る必要があった。そのため太陽電池モジュールの製造には手間と時間がかかり、その製造コストを上昇させる要因の一つとなっている。
更に、EVAシートは他のモジュール構成部材と強固に結合しており、モジュールから受光面保護層や太陽電池セル、封止材層、裏面保護層を分離し、受光面保護層や太陽電池セルを回収することは困難である。
【0007】
従来、太陽電池モジュールから、通常は強化ガラスからなる透明受光面保護層や太陽電池セルを回収するには、まず、フレームおよび端子箱を取り外し、ついでガラス面とセルに貼りついている封止材層のEVAを何らかの方法で除去しなければならない。
【0008】
EVAを除去する方法としては、従来、大気雰囲気中でEVAを焼成して除去する燃焼法、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中で温度をあげてEVAを分解除去する熱分解法、有機溶剤でEVAを膨潤あるいは剥離させる有機溶媒法、硝酸に浸漬してEVAを分解除去する硝酸浸漬法などの処理方法が既に知られている。或いは、硝酸浸漬法の改良方法として、界面活性剤を添加した加温硝酸に浸漬してEVAを分解除去する方法(例えば、特許文献1参照)が開示されている。
【0009】
また、封止材樹脂としてシラン化合物グラフト変性ポリエチレン非架橋樹脂組成物を剥離層とした多層シートを用い、太陽電池モジュールを剥離層である熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度に加熱する加熱工程と、加熱により可塑化した剥離層を剥離して透明前面基板を分離する分離工程と、透明前面基板に付着した充填材層を除去する除去工程を経て分離する方法(例えば、特許文献2参照)も開示されている。
【特許文献1】特開2004−42033号公報
【特許文献2】特開2006−13413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の方法は、いずれも透明受光面保護層や太陽電池素子の再生作業における劣化、或いは再生作業における作業環境や、工程の煩雑さ等において問題があり、太陽電池モジュールの環境への負荷を低減するリサイクルシステムの構築が望まれている。
【0011】
本発明は、太陽電池モジュールから、受光面保護層、封止材層、および裏面保護層を容易に分離・回収する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の非架橋組成物を封止材として用い、このような封止材を封止材層とする太陽電池モジュールを特定の処理液及び処理条件で処理することにより、使用時には受光面保護層と封止材層と裏面保護層とが強固に接着しており、前記処理により容易にこれら部材が分離回収することができることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
すなわち、本発明は下記のとおりである。
<1> 受光面保護層、太陽電池セル若しくは太陽電池セルを直接受光保護材に蒸着した層、不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物を含有する封止材層、および裏面保護層を有する太陽電池モジュールに、アルコール溶液を付与するアルコール溶液処理工程と、前記受光面保護層、前記太陽電池セル若しくは太陽電池セルを直接受光保護材に蒸着した層、前記不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物を含有する封止材層、および前記裏面保護層を分離・回収する部材分離回収工程と、を有する太陽電池モジュールの分離回収方法である。
【0014】
<2> 前記エチレン系亜鉛アイオノマー組成物が、エチレン系亜鉛アイオノマー100質量部に対し、アミノ基を有するジアルコキシシラン3質量部以下を含有する前記<1>に記載の太陽電池モジュールの分離回収方法である。
【0015】
<3> 前記封止材層が、前記エチレン系亜鉛アイオノマー組成物を2以上積層した層である前記<1>又は前記<2>に記載に記載の太陽電池モジュールの分離回収方法である。
【0016】
<4> 前記アルコール溶液処理工程は、前記太陽電池モジュールを温度40℃以上のアルコール溶液に浸漬する前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの分離回収方法である。
【0017】
<5> 前記アルコール溶液が、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールからなる群より選択される少なくとも1種である前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの分離回収方法である。
【0018】
<6> 前記アミノ基を有するジアルコキシシランが、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランである前記<2>〜前記<5>のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの分離回収方法である。
【0019】
<7> 前記アルコール溶液処理工程が、前記太陽電池モジュールを前記アルコール溶液に浸漬する前に、前記裏面保護層に2以上の穴を開ける工程をさらに有する前記<4>〜前記<6>のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの分離回収方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、太陽電池モジュールから、受光面保護層、封止材層、および裏面保護層を容易に分離・回収する方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<太陽電池モジュールの分離回収方法>
本発明の太陽電池モジュールの分離回収方法は、受光面保護層、太陽電池セル若しくは太陽電池セルを直接受光保護材に蒸着した層、不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物を含有する封止材層、および裏面保護層を有する太陽電池モジュールに、アルコール溶液を付与するアルコール溶液処理工程と、前記受光面保護層、前記太陽電池セル若しくは太陽電池セルを直接受光保護材に蒸着した層、前記不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物を含有する封止材層、および前記裏面保護層を分離・回収する部材分離回収工程と、を有する。
さらに、本発明の効果を損なわない限度において、分離した各部材を洗浄したり乾燥する工程を有していてもよい。
【0022】
〔アルコール溶液処理工程〕
本発明の太陽電池モジュールの分離回収方法におけるアルコール溶液処理工程は、受光面保護層、太陽電池セル若しくは太陽電池セルを直接受光保護材に蒸着した層、不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物を含有する封止材層、および裏面保護層を有する太陽電池モジュールに、アルコール溶液を付与する工程である。
本発明における太陽電池モジュールは、後述するように、例えば、受光面保護層と、太陽電池セルが封止された封止材層と、裏面保護層とが順次積層された積層体を含んで構成することができる。このような太陽電池モジュールに、アルコール溶液を付与して処理することにより、受光面保護層と封止材層と裏面保護層とを分離し、各々の部材として回収することができる。封止材層に封止された太陽電池セルは、封止材の加熱溶融により回収することができる。
【0023】
前記アルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノールなどを用いることができ、中でもメタノール、エタノール、イソプロパノールがより好ましい。
前記アルコールは、それぞれ1種類以上を混合して用いることができる。前記アルコールには、水や他の低沸点溶剤、アセトン、酢酸エチル、エーテルなどを50%程度まで加えてもよい。
【0024】
本発明において、太陽電池モジュールに前記アルコール溶液を付与する方法は限定されないが、太陽電池モジュールをアルコール溶液に浸漬させる方法、太陽電池モジュールをアルコール溶液の蒸気に接触させる方法などが挙げられる。好ましくは、予め、フレームおよび端子ボックスを取り外した太陽電池モジュールを、アルコール溶液に浸漬させる方法が好ましい。
【0025】
また、太陽電池モジュールをアルコール溶液に浸漬させる方法において、アルコール溶液は常温または常温以上の液温とすることが好ましい。具体的には、好ましくは40℃以上、例えば40〜100℃の液温のアルコール溶液に前記太陽電池モジュールを10分以上、好ましくは1時間〜48時間浸漬する。
【0026】
また、太陽電池モジュールをアルコール溶液に浸漬させる方法において、太陽電池モジュールの裏面保護層には予め、千枚通し、針、釘、レーザーなどで小さな穴を2以上、または多数開けてアルコール溶液が封止材層に浸透しやすくすることが好ましい。
【0027】
〔部材分離回収工程〕
本発明の太陽電池モジュールの分離回収方法における部材分離回収工程は、前記受光面保護層、前記太陽電池セル若しくは太陽電池セルを直接受光保護材に蒸着した層、前記不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物を含有する封止材層、および前記裏面保護層を分離・回収する工程である。
【0028】
前記部材分離回収工程は、具体的には、例えば、前記アルコール溶液処理工程において、アルコール溶液を付与した(例えば、アルコール溶液に浸漬した)太陽電池モジュールをふき取り、受光面保護層と太陽電池セルが封止された封止材層と裏面保護層とを剥離して、各部材を回収する工程である。
【0029】
<太陽電池モジュール>
本発明において用いられる太陽電池モジュールは、受光面保護層と、太陽電池セルと、不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物を含有する封止材層と、裏面保護層とを有する。
前記太陽電池モジュールは、受光面保護層と太陽電池セルが封止された封止材層と裏面保護層とが順次積層されてなる積層体を含んで構成される。
受光面保護層と太陽電池セルは、太陽電池セルを直接受光保護材に蒸着した層、すなわち、太陽電池セルが直接受光保護層に蒸着して一体となっているものを用いてもよい。
【0030】
−エチレン系亜鉛アイオノマー組成物−
封止材層は、不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物を含有する。前記不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物は、封止材として機能する。以下、不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物を単に「封止材」とも称する。
【0031】
本発明において用いるエチレン系亜鉛アイオノマーとは、エチレン由来の構成単位及び不飽和カルボン酸に由来の構成単位を有するエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の亜鉛アイオノマーである。
前記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸モノエステルなどが挙げられ、特にアクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。エチレン・アクリル酸共重合体およびエチレン・メタクリル酸共重合体の亜鉛アイオノマーは、特に好ましいアイオノマーの例である。
【0032】
本発明におけるエチレン系亜鉛アイオノマーを使用する利点は透明性、高温における貯蔵弾性率が高いことであり、その中和度としては、例えば80%以下程度のものを使用することが望ましいが、接着性等を勘案するとあまり中和度の高いものを使用するのは得策ではなく、例えば中和度が60%以下、とくに30%以下程度のものを使用するのが好ましい。
【0033】
前記エチレン系亜鉛アイオノマーは、得られる共重合体の透明性、接着性の観点から、ベースポリマーであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の不飽和カルボン酸単位含量が1質量%以上であることが必要である。
なお本発明で不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマーとはエチレン系亜鉛アイオノマーのベースポリマーのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体中の不飽和カルボン酸単位含量が1質量%以上であるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の亜鉛アイオノマーを意味する。
また、エチレン系亜鉛アイオノマーの融点の低下抑制、吸湿性の増加防止、および接着性が不充分なものとなることを防止する観点から、エチレン系亜鉛アイオノマーのベースポリマーであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の不飽和カルボン酸単位含量は、20質量%以下、好ましくは15質量%以下であることが望ましい。
【0034】
エチレン系亜鉛アイオノマーの融点は55℃以上、好ましくは60℃以上、特に好ましくは70℃以上であることが望ましい。上記共重合体やアイオノマーの融点が低すぎると、耐熱性が充分でなく、太陽電池素子の封止材に用いた場合、太陽電池使用時における温度上昇により封止材層が変形したり、太陽電池モジュールを加熱圧着法で製造するときに、これら封止材が必要以上に流れ出してバリを生じたりする恐れがある。
【0035】
また、エチレン系亜鉛アイオノマーとしては、成形加工性、機械的強度などを考慮すると、JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR、以下同じ)が1〜300g/10分、とくに5〜100g/10分のものを使用することが好ましい。
【0036】
本発明において、エチレン系亜鉛アイオノマーとしては、そのベースポリマーのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体中に不飽和カルボン酸以外のモノマー単位を含有していてもよく、例えばビニルエステルや(メタ)アクリル酸エステルなどが共重合されたものを使用したとき柔軟性付与の効果が得られる。前記不飽和カルボン酸以外のモノマー単位の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲、例えば0〜30重量%であることが好ましい。
【0037】
このような、エチレン系亜鉛アイオノマーは、高温、高圧下のラジカル共重合によりエチレンと不飽和カルボン酸及び必要この共重合体を酸化亜鉛、酢酸亜鉛などを反応させることによって得ることができる。
【0038】
(アミノ基を有するアルコキシシラン)
前記エチレン系亜鉛アイオノマー組成物は、アミノ基を有するアルコキシシランを含有することが好ましい。
前記アミノ基を有するアルコキシシランとしては、具体的には、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシキシシランなどのアミノートリアルコキシシラン類、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロプルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロプルメチルジエトキシシラン、3−メチルジメトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、3−メチルジメトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンなどのアミノ−ジアルコキシシラン類などを挙げることができる。
【0039】
以上のアミノ基を有するアルコキシシランの中でも、アミノ基を含有するジアルコキシシランであることが好ましく、より好ましくは、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシランなどである。特にN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン〔N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン〕が好ましい。
【0040】
ジアルコキシシランを用いた場合にはよりシート成形時の加工安定性を維持することができるので、より好ましい。
【0041】
前記アミノ基を有するアルコキシシランの含有量は、接着性改良効果及びシート成形時の加工安定性の観点から、エチレン系亜鉛アイオノマー100質量部に対し、3質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.03〜3質量部、特に好ましくは0.05〜1.5質量部の割合でエチレン系亜鉛アイオノマー組成物に配合される。
特にジアルコキシシランを用いた場合には、アイオノマー100質量部に対し、アミノ基を含有するジアルコキシシラン3質量部以下を含有していることが好ましい。
【0042】
−耐候安定剤−
また、エチレン系亜鉛アイオノマーには、太陽光線中の紫外線に基づく封止材の劣化を防ぐために、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの耐候安定剤の少なくとも一種を配合するのが効果的である。
酸化防止剤として、例えば各種ヒンダードフェノール系やホスファイト系のものが好適に使用することができる。また光安定剤としては、ヒンダードアミン系のものが好適に使用することができる。
【0043】
紫外線吸収剤としては、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフエノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフエノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−カルボキシベンゾフエノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフエノンなどのベンゾフエノン系、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第3ブチルフエニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフエニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−第3オクチルフエニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系、フエニルサリチレート、p−オクチルフエニルサリチレートなどのサリチル酸エステル系のものなどが使用できる。
これら、耐候安定剤は、エチレン系亜鉛アイオノマー100質量部に対し、5質量部以下、とくに0.1〜3質量部の割合でエチレン系亜鉛アイオノマー組成物に配合するのが効果的である。
【0044】
更に、エチレン系亜鉛アイオノマーには、その使用目的を損なわない範囲において、任意の他の添加剤を配合することができる。そのような他の添加剤としては、公知の各種添加剤を使用することができる。他の添加剤の例としては、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、発泡剤、発泡助剤、無機充填剤などを例示することができる。
【0045】
本発明においては、エチレン系亜鉛アイオノマーを太陽電池セル封止材として用いるため、例えば変色防止剤として、カドミウム、バリウム等の金属の脂肪酸塩を配合することができる。また下部の裏面保護材側の封止材として用いる場合においては、透明性は要求されないので、着色、発電効率向上などの目的で、顔料、染料、無機充填剤などを配合することができる。例えば酸化チタン、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ウルトラマリンなどの青色顔料、カーボンブラックのような黒色顔料などのほか、ガラスビーズや光拡散剤などを例示することができる。とくに酸化チタンのような無機顔料を配合する系に適用すると、絶縁抵抗低下の防止効果が優れているので好ましい。無機顔料の好適な配合量は、エチレン系亜鉛アイオノマー100質量部に対し、100質量部以下、好ましくは0.5〜50質量部、特に好ましくは4〜50質量部である。
【0046】
本発明において、上記エチレン系亜鉛アイオノマー組成物よりなる太陽電池セルの封止材は、一般にはシート状にして使用されることが好ましい。封止材用シートの成形は、T−ダイ押出機、カレンダー成形機、インフレーション成形機などを使用する公知の方法によって行なうことができる。例えばエチレン系亜鉛アイオノマー及びシランカップリング剤、必要に応じて添加される無機顔料、その他の添加剤を予めドライブレンドして、押出機のホッパーから供給し、その他の配合成分は、マスターバッチにより添加することができる。シート厚みは特に規定されないが、通常0.2〜1.2mm程度である。
【0047】
本発明における封止材は多層構成にすることも可能である。多層T−ダイ押出機の主押出機及び従押出機それぞれのホッパーから供給し、シート状に多層押出成形することによって得ることができる。またこのような積層シートを予め作成せずに、単層のシートを目的に合わせて重ね合わせて使用することも可能である。
ガラス、太陽電池セルに接する面にアミノ基を含有するジアルコキシシランを配合しないエチレン系亜鉛アイオノマー組成物の封止材を、裏面保護層に接する面にアミノ基を含有するジアルコキシシランを配合したエチレン系亜鉛アイオノマー組成物の封止材を用いるのが望ましい。そのため封止材は2層構成や3層構成、それ以上の多層構成であってもよい。
【0048】
このような封止材用シートを用い、太陽電池セルが封止された封止材層を上下の保護層の保護材で固定することにより太陽電池モジュールを製作することができる。このような太陽電池モジュールとしては、種々のタイプのものを例示することができる。例えば上部透明受光面保護層/封止材シート/太陽電池セル/封止材シート/下部裏面保護層のように太陽電池セルの両側から封止材で挟む構成のものを挙げることができる。このような構成の太陽電池モジュールにおいては、上部透明受光面保護材層の封止材として無機顔料不含有の本発明における封止材を使用し、下部裏面保護層側の封止材として無機顔料含有の本発明における封止材を使用することが好ましい。また別のタイプの太陽電池モジュールとして、下部裏面保護層の内周面上に形成させた太陽電池セル上に封止材用シートと上部透明受光面保護層を形成させるような構成のもの、上部透明受光面保護層の内周面上に形成させた太陽電地セル、例えばガラスやフッ素樹脂系シート上にアモルファス太陽電池セルをスパッタリング等で作成したものの上に封止材用シートと下部裏面保護層を形成させるような構成のものなどを挙げることができる。
【0049】
−太陽電池セル−
太陽電池セルを構成する太陽電池素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、ガリウムー砒素、銅−インジウム−セレン、カドミウムーテルルなどのIII−V族やII−VI族化合物半導体系等の各種太陽電池素子を用いることができる。本発明における封止材は、とくにアモルファス太陽電池素子、例えばアモルファスシリコンの封止に有用である。
【0050】
−受光面保護層、裏面保護層−
太陽電池モジュールを構成する受光面保護層(上部受光面保護層)の保護材としては、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂などを例示することができるが、この中ではガラスが本発明の効果が最も発現する(すなわち処理後の保護層と封止材層の剥離性が優れる)ので好ましい。
また、裏面保護層(下部裏面保護層)の保護材としては、金属や各種熱可塑性樹脂フイルムなどの単体もしくは多層のシートであり、例えば、錫、アルミ、ステンレススチールなどの金属、ガラス等の無機材料、ポリエステル、無機物蒸着ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィンなどの1層もしくは多層のシートを例示することができる。また接着性を改良するために表面にコロナ処理やプライマー処理が施されていてもよい。本発明における封止材は、これらの上部又は下部保護層に対して良好な接着性を示す。
【0051】
本発明において、太陽電池モジュールの製造は、本発明における封止材用シートが溶融するような温度で、必要な時間を掛けて、太陽電池セルや上下保護層に該封止材用シートを接着すればよい。
【0052】
以上のように、封止材層は、使用時は、強固に受光面保護層と接着しているが、本発明においては、これをアルコール溶液で処理することにより、容易に受光面保護層から剥離して分離することができ前記太陽電池モジュールをアルコール溶液で処理することにより、容易に受光面保護層と封止材層とを分離し、回収することができる。同様に、封止材層と裏面保護層、封止材と太陽電池セルとを分離し、回収することが可能である。
【0053】
分離回収された各部材は、各々再生材料として再利用することができる。
分離回収された受光面保護層は容易に再利用することができる。より具体的には、受光面保護層が例えば強化ガラスの場合は、表面清浄し乾燥した後、再度保護層として、或いは再生ガラス原料として再利用することができる。
【0054】
更に、本発明における封止材層の封止材(不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物)は、非架橋の熱可塑性樹脂組成物であるので、加熱溶融等により、封止された太陽電池セルの分離、再利用が容易であり、同様に封止材の再利用も容易である。
【0055】
太陽電池セルは表面清浄後、再度太陽電池セルとして、或いは、シリコン素子再生原料として再利用することができる。一方、封止材は再生原料等として再利用することができる。裏面保護層も又、再生原料等として再利用することができる。
【実施例】
【0056】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって、何ら制限されるものではない。
【0057】
<1.原料>
原料として、下記材料を準備した。
−A.樹脂−
a.エチレン系亜鉛アイオノマー(1)
〔エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸単位含量:15重量%)の亜鉛アイオノマー、MFR:5g/10分、亜鉛中和度:23%〕
b.エチレン系亜鉛アイオノマー(2)
〔メタクリル酸含量:8.5質量%、MFR:5.5g/10分、亜鉛中和度17%〕
c.エチレン系亜鉛アイオノマー(3)
〔メタクリル酸含量:10質量%、MFR:11g/10分、亜鉛中和度21%〕
【0058】
−B.シランカップリング剤−
a.N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
b.3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
【0059】
−C.耐候安定剤−
・酸化防止剤:Irganox1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・紫外線吸収剤:2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン
・耐光安定剤:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
・シランカップリング剤:N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
【0060】
<2.基材>
基材として、下記材料を準備した。
a.白板熱処理ガラス(受光面保護層)
厚み3.2mm、サイズ7.5cm×12cm(旭硝子社製)
b.バックシート(裏面保護層)
アルミ箔入りPET(凸版印刷社製、構成:黒PET/PET/Al箔/白PET)
黒PET面にコロナ処理をかけたもの。
【0061】
<3.封止材の作成>
−封止材1の作成−
エチレン系亜鉛アイオノマー(1)4600gと、予めエチレン系亜鉛アイオノマー(1)に紫外線吸収剤6g及び耐光安定剤3gを練りこんだマスターバッチ400gと、酸化防止剤1.5gとをそれぞれ秤量し混合して混合物1を得た。混合物1を、押出機(L/D=26、フルフライトスクリュー、圧縮比2.6)を用いて加工温度180℃にて混練して、均一な厚み0.2mmのシートである封止材1を得た。
【0062】
−封止材2の作成−
エチレン系亜鉛アイオノマー(2)4600gと、予めエチレン系亜鉛アイオノマー(2)に紫外線吸収剤6g及び耐光安定剤3gを練りこんだマスターバッチ400gと、酸化防止剤1.5gとをそれぞれ秤量し混合して混合物2を得た。混合物2を、押出機(L/D=26、フルフライトスクリュー、圧縮比2.6)を用いて加工温度180℃にて混練して、均一な厚み0.2mmのシートである封止材2を得た。
【0063】
−封止材3の作成−
エチレン系亜鉛アイオノマー(2)4600gと、予めエチレン系亜鉛アイオノマー(2)に紫外線吸収剤6g及び耐光安定剤3gを練りこんだマスターバッチ400gと、酸化防止剤1.5gと、シランカップリング剤(a)10gとをそれぞれ秤量し混合して混合物3を得た。混合物3を、押出機(L/D=26、フルフライトスクリュー、圧縮比2.6)を用いて加工温度180℃にて混練して、均一な厚み0.2mmのシートである封止材3を得た。
【0064】
−封止材4の作成−
エチレン系亜鉛アイオノマー(3)4600gと、予めエチレン系亜鉛アイオノマー(3)に紫外線吸収剤6g及び耐光安定剤3gを練りこんだマスターバッチ400gと、酸化防止剤1.5gと、シランカップリング剤(a)20gとをそれぞれ秤量し混合して混合物4を得た。混合物4を、押出機(L/D=26、フルフライトスクリュー、圧縮比2.6)を用いて加工温度180℃にて混練して、均一な厚み0.2mmのシートである封止材4を得た。
【0065】
<4.貼り合わせ>
以上のようにして得た基材(白板ガラス、バックシート)と太陽電池セルと封止材1〜4とを、下記条件で貼り合わせて積層体を作成した。
・条件:150℃で、真空3分と加圧3分との計6分で基材と封止材とを貼り合わせた。
・貼り合わせ装置:NPC製ラミネーターLM−50x50S
・貼り合わせ構成:白板ガラス/封止材/バックシート
【0066】
(実施例1)
白板ガラス上に、封止材1、ついで封止材4を重ねて、その上にバックシートを置き、温度150℃で、6分間で貼り合わせて、積層体を得た。得られた積層体に、バックシートの上から千枚通しを用いて0.5mm間隔で穴を開けて、積層体1を得た。この積層体1について下記<5.試験方法>により、アルコール溶液浸漬処理を行いアルコール溶液浸漬による剥離試験〔リサイクル試験〕を行った。
【0067】
(実施例2)
白板ガラス上に封止材2、ついで封止材3を重ねて、その上にバックシートを置き、温度150℃で、6分間で貼り合わせて、積層体を得た。得られた積層体をバックシートの上から千枚通しを用いて0.5mm間隔で穴を開けて、積層体2を得た。この積層体2について下記<5.試験方法>により、アルコール溶液浸漬処理を行いアルコール溶液浸漬による剥離試験〔リサイクル試験〕を行った
【0068】
(実施例3)
白板ガラス上に封止材1、ついで封止材3を重ねて、その上にバックシートを置き、温度150℃で、6分間で貼り合わせて、積層体を得た。得られた積層体をバックシートの上から千枚通しを用いて0.5mm間隔で穴を開けて、積層体3を得た。この積層体3について下記<5.試験方法>により、アルコール溶液浸漬処理を行いアルコール溶液浸漬による剥離試験〔リサイクル試験〕を行った。

【0069】
(実施例4)
白板ガラス上に封止材1、ついで封止材3を重ねて、その上にバックシートを置き、温度150℃で、6分間で貼り合わせて、積層体4を得た。得られた積層体4は千枚通しでは穴を開けなかった。この積層体4について下記<5.試験方法>により、アルコール溶液浸漬処理を行いアルコール溶液浸漬による剥離試験〔リサイクル試験〕を行った。
【0070】
<5.試験方法>
得られた積層体1〜4を用い、アルコール溶液処理工程前におけるガラス/封止材間、およびバックシート/封止材間の接着強度試験(a.接着強度試験)、およびアルコール溶液処理工程後におけるガラス/封止材間、およびバックシート/封止材間の接着強度試験(b.アルコール溶液浸漬による剥離試験〔リサイクル試験〕)を行った。
【0071】
−a.接着強度試験−
積層体1〜4を、それぞれ15mm幅に切り出し、島津製作所社製AG-Xを用いて引張速度100mm/分で、ガラス/封止材間、およびバックシート/封止材間の接着強度を測定した。ガラス/封止材間の接着強度は、バックシートと封止材一体でガラスから剥離することにより測定した。測定結果を下記表1の「処理前」の欄に示す。
【0072】
−b.アルコール溶液浸漬による剥離試験〔リサイクル試験〕−
積層体1〜4を、それぞれ83℃に加温したエタノールに浸漬し、16時間後に取りして、液をふき取り、島津製作所社製AG-Xを用いて引張速度100mm/分で、ガラス/封止材間、およびバックシート/封止材間の剥離強度を測定した。ガラス/封止材間の接着強度は、バックシートと封止材一体でガラスから剥離することにより測定した。測定結果を下記表1の「処理後」の欄に示す。
【0073】
【表1】

【0074】
積層体1〜4について、上記アルコール溶液処理をすることにより、ガラス、封止材、およびバックシートを容易に分離回収することができた。更に、加熱溶融により、封止材で封止された太陽電池セルも容易に回収することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光面保護層、太陽電池セル若しくは太陽電池セルを直接受光保護材に蒸着した層、不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物を含有する封止材層、および裏面保護層を有する太陽電池モジュールに、アルコール溶液を付与するアルコール溶液処理工程と、
前記受光面保護層、前記太陽電池セル若しくは太陽電池セルを直接受光保護材に蒸着した層、前記不飽和カルボン酸を1質量%以上含有するエチレン系亜鉛アイオノマー組成物を含有する封止材層、および前記裏面保護層を分離・回収する部材分離回収工程と、を有する太陽電池モジュールの分離回収方法。
【請求項2】
前記エチレン系亜鉛アイオノマー組成物が、エチレン系亜鉛アイオノマー100質量部に対し、アミノ基を有するジアルコキシシラン3質量部以下を含有する請求項1に記載の太陽電池モジュールの分離回収方法。
【請求項3】
前記封止材層が、前記エチレン系亜鉛アイオノマー組成物を2以上積層した層である請求項1又は請求項2に記載に記載の太陽電池モジュールの分離回収方法。
【請求項4】
前記アルコール溶液処理工程は、前記太陽電池モジュールを温度40℃以上のアルコール溶液に浸漬する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの分離回収方法。
【請求項5】
前記アルコール溶液が、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの分離回収方法。
【請求項6】
前記アミノ基を有するジアルコキシシランが、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランである請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの分離回収方法。
【請求項7】
前記アルコール溶液処理工程が、前記太陽電池モジュールを前記アルコール溶液に浸漬する前に、前記裏面保護層に2以上の穴を開ける工程をさらに有する請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの分離回収方法。

【公開番号】特開2010−104929(P2010−104929A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280517(P2008−280517)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000174862)三井・デュポンポリケミカル株式会社 (174)
【Fターム(参考)】