説明

太陽電池モジュール用硬化性組成物および太陽電池モジュール

【課題】耐水性、耐水接着性、低吸水性、耐候性、耐候接着性、低汚染性に優れた硬化物を得ることが可能な、特に太陽電池モジュールに用いた場合に有効な硬化性組成物の提供。
【解決手段】架橋性官能基を有するビニル系重合体を含有する太陽電池モジュール用硬化性組成物。特に、上部透光性基板と下部保護膜の間に太陽電池素子を挟んで接着・封入する際の充填剤として、太陽電池モジュール端部の保護コート剤として、太陽電池モジュールの端子箱用封止材として、太陽電池モジュールの端子箱を接着させるための接着剤として、あるいは、太陽電池モジュールの強度を補強する為に太陽電池の裏面に取り付ける補強桟を接着させるための接着剤として、該硬化性組成物を用いた太陽電池モジュール。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋性官能基を平均して少なくとも一個有するビニル系重合体(I)を含有する太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項2】
分子量分布が1.8未満であるビニル系重合体(I)を含有する、請求項1に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項3】
主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合して製造されるものであるビニル系重合体(I)を含有する、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項4】
主鎖が、(メタ)アクリル系重合体であるビニル系重合体(I)を含有する、請求項3に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項5】
主鎖が、アクリル系重合体であるビニル系重合体(I)を含有する、請求項4に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項6】
主鎖が、アクリル酸エステル系重合体であるビニル系重合体(I)を含有する、請求項5に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項7】
ビニル系重合体(I)の主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項8】
ビニル系重合体(I)の主鎖が原子移動ラジカル重合法により製造されたものである、請求項7記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項9】
ビニル系重合体(I)の架橋性官能基が、架橋性シリル基であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項10】
ビニル系重合体(I)の架橋性シリル基が一般式(1)で表される、請求項9に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a(1)
(式中、R1およびR2は、同一若しくは異なって、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R′)3SiO−で表されるトリオルガノシロキシ基を示す(式中、R′は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。複数のR′は同一であってもよく又は異なっていてもよい)。R1またはR2がそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示す。Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1、2または3を示す。bは0、1、または2を示す。mは0〜19の整数を示す。ただし、a+mb≧1であることを満足する。)
【請求項11】
ビニル系重合体(I)の架橋性官能基が、アルケニル基であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項12】
ビニル系重合体(I)の架橋性官能基が、水酸基であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項13】
ビニル系重合体(I)の架橋性官能基が、アミノ基であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項14】
ビニル系重合体(I)の架橋性官能基が、重合性の炭素−炭素二重結合を有する基であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項15】
ビニル系重合体(I)の架橋性官能基が、エポキシ基であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項16】
ビニル系重合体(I)の架橋性官能基が分子鎖末端にある、請求項1〜15のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項17】
ビニル系重合体(I)が、架橋性官能基を1分子あたり平均して1.1個以上4.0個以下有するビニル系重合体である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項18】
ビニル系重合体(I)の数平均分子量が、500以上100,000以下である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項19】
さらに、架橋性官能基を平均して少なくとも一個有するポリエーテル系重合体(II)を含有することを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項20】
ポリエーテル系重合体(II)の主鎖が、本質的にポリプロピレンオキシドである、請求項19に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項21】
ポリエーテル系重合体(II)の架橋性官能基が、架橋性シリル基であることを特徴とする請求項19または20に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項22】
ポリエーテル系重合体(II)の架橋性シリル基が一般式(1)で表される、請求項21に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
−[Si(R12-b(Y)bO]m−Si(R23-a(Y)a(1)
(式中、R1、R2、Y、a、b、mは上述したものと同様である。)
【請求項23】
ポリエーテル系重合体(II)が、架橋性官能基を1分子あたり平均して1.1個以上4.0個以下有するポリエーテル系重合体である、請求項19〜22のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項24】
ポリエーテル系重合体(II)の数平均分子量が、500以上100,000以下である、請求項19〜23のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項25】
さらに、(III)成分として、カルボン酸金属塩(III−1)および/またはカルボン酸(III−2)を含有することを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項26】
(III)成分が、カルボン酸金属塩(III−1)、および、カルボン酸(III−2)のいずれか一方のみを含むことを特徴とする請求項25に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項27】
(III)成分が、カルボン酸金属塩(III−1)、および、カルボン酸(III−2)の両方を含むことを特徴とする請求項25に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項28】
カルボン酸金属塩(III−1)が、カルボン酸イオンを構成するカルボニル基に隣接する炭素原子が3級炭素または4級炭素であるカルボン酸金属塩であることを特徴とする請求項25〜27のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項29】
カルボン酸(III−2)が、酸基を構成するカルボニル基に隣接する炭素原子が3級炭素または4級炭素であるカルボン酸であることを特徴とする請求項25〜28のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項30】
さらに、アミン化合物(VI)を含有することを特徴とする請求項25〜29のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項31】
さらに、チタン触媒(IV)を含有することを特徴とする請求項1〜30のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項32】
前記チタン触媒(IV)が、一般式(2):
Ti(OR34 (2)
(式中、R3は有機基であり、4個のR3は相互に同一であっても、異なっていてもよい。)で表される化合物である請求項31に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項33】
前記チタン触媒(IV)が、一般式(3):
【化1】

(式中、n個のR4は、それぞれ独立に炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。4−n個のR5は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1から8の置換あるいは非置換の炭化水素基である。4−n個のA1および4−n個のA2は、それぞれ独立に−R6または−OR6である(ここでR6は炭素原子数1から8の置換あるいは非置換の炭化水素基である)。nは0、1、2、3のいずれかである。)で表される化合物および/または一般式(4):
【化2】

(式中、R5、A1、A2は前記と同じ。R7は、炭素原子数1から20の置換あるいは非置換の二価の炭化水素基である。)で表される化合物である請求項32に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項34】
さらに、有機錫触媒(V)を含有することを特徴とする請求項1〜33のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項35】
ビニル系重合体(I)とポリエーテル系重合体(II)との総量100重量部に対して、0.01〜0.5重量部の有機錫触媒(V)を含有することを特徴とする太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項36】
ビニル系重合体(I)および/またはポリエーテル系重合体(II)が、一般式(5)で表される架橋性シリル基を有することを特徴とする請求項1〜35のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
−SiY3 (5)
(式中、Yは水酸基または加水分解性基を示し、3つのYは相互に同一であっても、異なっていてもよい)
【請求項37】
さらに、シリケート(VII)を含有することを特徴とする請求項1〜36のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項38】
さらに、エポキシシランカップリング剤(VIII)を含有することを特徴とする請求項1〜37のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物。
【請求項39】
全ての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化する1成分型として調製されている請求項1〜38のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用1成分型硬化性組成物。
【請求項40】
上部透光性基板と下部保護膜の間に太陽電池素子を挟んで接着、封入する際に、請求項1〜39のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物を用いてなる太陽電池モジュール。
【請求項41】
太陽電池モジュール端部の保護コート剤として、請求項1〜39のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物を用いてなる太陽電池モジュール。
【請求項42】
太陽電池モジュールの端子箱用封止材として、請求項1〜39のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物を用いてなる太陽電池モジュール。
【請求項43】
太陽電池モジュールの端子箱を接着させるための接着剤として、請求項1〜39のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物を用いてなる太陽電池モジュール。
【請求項44】
太陽電池モジュールの裏面に取り付ける補強桟を接着させるための接着剤として、請求項1〜39のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用硬化性組成物を用いてなる太陽電池モジュール。

【図1】
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【公開番号】特開2010−100839(P2010−100839A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219323(P2009−219323)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】