説明

太陽電池モジュール用端子ボックス

【課題】 放熱特性を良好にする。
【解決手段】 基板11上に複数の端子板30が並設され、これら端子板30が太陽電池パネル90からのプラス電極及びマイナス電極と両電極に対応する外部接続用のケーブル60との間を電気的に中継しており、かつ、対応する二つの端子板30間にバイパスダイオード50が架け渡されている。端子板30には、バイパスダイオード50の載置面をその周りの面よりも下位とした段差部38が形成されている。バイパスダイオード50で発生した熱を段差部38から太陽電池パネル90側へ放熱することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール用端子ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムは、家屋の屋根上に敷設した太陽電池パネルからの直流電流をインバータ等を介して各電器製品に供給する構成とされる。太陽電池パネルは複数の太陽電池モジュールからなり、各太陽電池モジュールの電極を端子ボックスを介して直列または並列接続した構造となっている。
【0003】
従来の端子ボックスとしては、基板上に隣接して配されて一端が太陽電池モジュールの裏面側から引き出されたプラス電極及びマイナス電極に接続されるとともに他端が外部接続用ケーブルに接続される端子板と、この端子板間に架け渡されるバイパスダイオードとを備えたものが知られている(例えば、以下の特許文献1を参照)。バイパスダイオードは、逆負荷時の逆電流を外部接続用ケーブルの一方から他方へ短絡するためのものであって、チップ状のダイオード機能部とこのダイオード機能部を挟み込むようにして同ダイオード機能部に接続される一対の導体片とからなる。各導体片は、互いの重合部間にダイオード機能部との接点部を有し、この接点部から互いに反対方向へ延出しその延出端側で対応する端子板に半田付け等により接続されている。ここで、バイパスダイオードと太陽電池モジュールとの間には、基板と空気層(接点部以外の部位の場合はこれに加えて端子板)とが介在している。
【特許文献1】特許第3498945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の場合は、ダイオード機能部で発生した熱が熱伝導率の低い基板や空気層を介して太陽電池モジュール側に放熱されていたため、放熱特性があまり良くなかった。そのため、ダイオード機能部側に熱がこもってダイオード機能部のバイパス機能が不具合を起こす懸念もあった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、放熱特性を良好にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、ボックス本体の基板上に複数の端子板が並設され、これら端子板が太陽電池モジュールからのプラス電極及びマイナス電極と両電極に対応する外部接続用のケーブルとの間を電気的に中継しており、かつ、対応する二つの端子板間に逆負荷時バイパス用の整流素子が架け渡されている太陽電池モジュール用端子ボックスにおいて、前記整流素子が架け渡されている部分の裏面側には、前記太陽電池モジュール側に近づくことにより、前記整流素子の発熱を前記太陽電池モジュール側に伝える伝熱手段が設けられている構成としたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記伝熱手段は、前記端子板における前記整流素子の載置面をその周りの面よりも下位とした段差部によってなるところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記段差部の裏面は、前記太陽電池モジュール側と直接接触しているところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記伝熱手段は、前記基板に設けられた除肉部に収容され、少なくとも前記基板を構成する樹脂よりも熱伝導率の高い伝熱性部材によってなるところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記基板の除肉部は、同基板を厚み方向に貫通して形成された開口部として構成されているところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記基板の除肉部は、同基板の裏面側に凹み形成された凹所として構成され、この凹所に収容される前記伝熱性部材が前記太陽電池モジュールに対する接着材として機能するところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項4ないし請求項6に記載のものにおいて、前記伝熱性部材は、合成樹脂に金属紛または金属塊を混入することによって形成されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0013】
<請求項1の発明>
整流素子が架け渡されている部分の裏面側に、太陽電池モジュール側に近づくことにより、整流素子の発熱を太陽電池モジュール側(太陽電池パネル側)に伝える伝熱手段が設けられているから、整流素子で発生した熱を太陽電池モジュール側に効率良く放熱することができる。
【0014】
<請求項2の発明>
伝熱手段が端子板における整流素子の載置面をその周りの面よりも下位とした段差部によってなるから、整流素子の発熱を端子板の段差部を介して太陽電池モジュール側に伝熱することが可能となる。
【0015】
<請求項3の発明>
段差部の裏面が太陽電池モジュール側と直接接触しているから、整流素子で発生した熱を段差部から太陽電池モジュール側へ迅速に放熱することが可能となる。
【0016】
<請求項4の発明>
伝熱手段が基板の除肉部に収容された少なくとも基板を構成する樹脂よりも熱伝導率の高い伝熱性部材によってなるから、整流素子の発熱を基板に設けられた伝熱性部材を介して太陽電池モジュール側に伝熱することが可能となる。
【0017】
<請求項5の発明>
基板の除肉部が同基板を厚み方向に貫通して形成された開口部として構成され、この開口部への伝熱性部材の収容により、整流素子で発生した熱を伝熱性部材から太陽電池モジュール側へ迅速に放熱することが可能となる。
【0018】
<請求項6の発明>
基板の除肉部が同基板の裏面側に凹み形成された凹所として構成され、この凹所に収容された伝熱性部材が太陽電池モジュールに対する接着材として機能するから、接着材が凹所に入り込むことにより、太陽電池モジュールに対する接着強度が高められる。また、伝熱性部材が接着材としての機能を兼ね備えるから、伝熱性部材と接着材とを別々に用意しなくて済む。
【0019】
<請求項7の発明>
伝熱性部材が合成樹脂材に金属紛または金属塊を混入することによって形成されているから、金属紛または金属塊の混入量を適宜変更することで伝熱性部材の熱伝導率の調整が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1及び図2によって説明する。本実施形態にかかる太陽電池モジュール用端子ボックスは、表面に直列接続された多数の太陽電池を配した太陽電池モジュール(以下、太陽電池パネル90という)の裏面側(受光面と反対側の面)に取り付けられるものであって、ボックス本体10と、ボックス本体10内に配された多数の端子板30と、隣接する端子板30間に架け渡される、電流の逆流を防止するためのバイパスダイオード50(本発明の整流素子に相当する)とを備えて構成される。
【0021】
ボックス本体10は、合成樹脂材によって上面開放の箱型に形成されており、その内部に絶縁樹脂が充填され、かつ、上方からカバー(図示せず)が被せられるようになっている。詳しくはボックス本体10は、図1に示すように、複数の端子板30が横並びで載置された略矩形状の基板11と、基板11の周縁部から立ち上げられて四方を取り囲む側板12と、基板11上の所定位置から立ち上げられて隣り合う端子板30間を区画する仕切壁13とを備える。基板11には略方形状のリード挿通口14が複数あいており、各リード挿通口14に対応する端子板30の先端部が臨んでいる。そして、リード挿通口14には太陽電池パネル90のプラス電極及びマイナス電極の両電極に接続されたリード(図示せず)が挿通され、挿通されたリードは対応する端子板30の先端部に半田付けにより接続されるようになっている。端子板30の先端部には、幅方向に長孔状の仮保持孔34が設けられており、この仮保持孔34にリードの端末が上方から挿通可能とされている。
【0022】
基板11の上面において端子板30が載置される載置面は、図2に示すように、周囲よりも一段高くなった端子台15として構成されている。端子台15は、基板11の底上げに伴ない形成されるものであり、対応する基板11の裏面側には凹所16が形成されている。端子台15には位置決め突部79が突出して形成されている。この位置決め突部79は端子板30とバイパスダイオード50とを貫通することで両者を位置決め保持している。また、端子台15には、バイパスダイオード50との対応位置に貫通口78が形成されているが、これについては後に詳述する。
【0023】
端子台15の上面には、端子板30に設けられた被係止孔35に緊密に嵌め込み可能な係止突部19が設けられている。係止突部19は、平面視して略方形状をなし、その先端周縁部がテーパ状に切り欠かれている。基板11において係止突部19を挟んだ両側二位置には、撓み可能な一対の係止片17が突出して形成されている。各係止片17は、端子台15の両端外方における基板11の上面から上方へ垂直に立ち上げられたあと内側へ折り返された形態とされ、その折り返し端にて端子板30の上面を端子台15側へ押さえ付けるようになっている。かかる係止片17は、端子板30が端子台15に載せられる過程で対応する端子板30の両側部の夫々と摺接して弾性的に拡開変形され、端子板30が端子台15に載せられるに伴ない復元してその折り返し端を端子板30の上面両側部に押し付け状態で当接させるものである。
【0024】
また、側板12の一端側(図1に示す下側)の両側部には切り欠き20が設けられ、ここに上方から外部出力用のケーブル60が嵌め込まれ、さらにその上方からケーブル押さえ部材65が嵌着されてケーブル60が固定されるようになっている。仕切壁13は、端子板30の外縁形状に沿うように区画形成され、仕切壁13内の端子板30上にシリコン樹脂等の絶縁樹脂が充填されるようになっている。つまり、仕切壁13は、絶縁樹脂の樹脂流れを塞き止め、ボックス本体10内の全体に絶縁樹脂を充填しないことで絶縁樹脂の節約に寄与している。
【0025】
端子板30は、導電性金属板により一端から他端にかけて長く延びた帯状に形成されている。基板11の両側部に配された端子板30には対応する外部接続用のケーブル60が接続されている。ケーブル60の端末は被覆61の剥離によって芯線62が露出しており、この芯線62に対して端子板30の端部に形成されたバレル部31がかしめ付けられることにより、ケーブル60と端子板30とが接続されるようになっている。なお、ケーブル60の端末にはコネクタ部(図示せず)が接続されている。
【0026】
そして、隣り合う端子板30(基板11の両側部に配された端子板30を除く)同士は、その一端部にて連繋部32を介して一体に連なっている。このうち一方の端子板30は太陽電池パネル90側との接点を備えておらず、他方の端子板30より短寸に形成されてその先端周りが仕切壁13に取り囲まれている。この一方の端子板30が迂回して配されている分だけバイパスダイオード50が発生する熱の放熱効果が高められている。端子板30の両側縁には付設部33が側方へ張り出して設けられ、付設部33の先端縁が隣り合う端子板30間で対向状に配されている。
また、隣り合う端子板30間にはバイパスダイオード50が架け渡されている。図示する場合には、三つのバイパスダイオード50が端子板30を横切って所定のピッチで直列状に並んでいる。
【0027】
バイパスダイオード50は、メサ型のベアチップダイオード(図示せず)と一対の導体片51とからなり、両導体片51は互いの重合領域間にベアチップダイオードを挟み込むことでベアチップダイオードと電気的に接続されている。そして、両導体片51は、互いの重合領域から離れる方向に延び、その延出端側にて対応する端子板30に半田溶接、抵抗溶接、もしくは超音波溶接等して接続されている。
【0028】
さて、端子板30は、バイパスダイオード50の導体片51が接合された載置面がその周囲の面よりも低い位置に至るように一段下がった形態の段差部38を備えている。段差部38は、図2に示すように、端子台15の貫通口78との対応位置にて略コの字に曲げ形成され、端子台15の貫通口78に嵌入することで、段差部38の裏面がパネルの裏面側に接触するようになっている。図示する太陽電池パネル90は、太陽電池を包み込むEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)等の透光性樹脂部91の裏面側に接着層92が積層された構造であり、したがって、段差部38の裏面は接着層92に接触することとなる。なお、本発明において「太陽電池モジュール側」とは、接着層92をも含めた概念である。
【0029】
次に、本実施形態の製造方法及び作用効果を説明する。まず、端子板30のバレル部31をケーブル60の端末にて露出された芯線62にかしめ付けて端子板30とケーブル60とをかしめ接続する。続いて、上方から端子板30を基板11の端子台15に載せる。端子板30を端子台15に載せる過程で、係止突部19を端子板30の被係止孔35に嵌め込むとともに係止片17を端子板30との当接によって弾性的に拡開変形させ、その後、係止突部19を被係止孔35に遊動規制した状態で緊密に嵌め込むとともに、係止片17の復元によって端子板30をその浮き上がりを規制した状態で端子台15に押し付け固定する。
【0030】
そして、基板11の両側部に配される端子板30に関しては、上方からケーブル押さえ部材65をケーブル60に覆い被せつつ取り付け、ケーブル60を基板11に押し付け固定する。これにより、端子板30は、図2に示すように、端子台15上に密接状態で略水平に載置される。また、端子板30を基板11に載せると、端子板30の段差部38が基板11の貫通口78に上方から進入し、さらに、段差部38の裏面が貫通口78を通過して太陽電池パネル90の裏面側に露出する。 続いて、バイパスダイオード50を隣り合う端子板30間に架け渡すようにして載せ、バイパスダイオード50の両導体片51と端子板30とが重なり合う部分に、半田溶接、抵抗溶接、もしくは超音波溶接を施し、両導体片51と端子板30とを接続する。
【0031】
次いで、シリコン系の接着材を基板11の底面に塗布し、その状態で基板11を太陽電池パネル90の透光性樹脂部91の裏面側に貼付けて接着層92を形成する。そして、太陽電池パネル90の両電極に接続されたリードを基板11のリード挿通口14を通してボックス本体10内に引き込み、かかるリードを端子板30の先端部に半田接続する。また、この状態で貫通口78から太陽電池パネル90側に臨む段差部38の裏面は太陽電池パネル90の裏面側に直接接触した状態となる。
【0032】
これにより、バイパスダイオード50(詳しくはベアチップダイオード)で発生した熱を段差部38から太陽電池パネル90側に伝熱することが可能となり、しかも、段差部38の裏面が太陽電池パネル90の裏面側に直接接触していることから、太陽電池パネル90側へ迅速に放熱することが可能となる。したがって、従来の放熱経路に加え、太陽電池パネル90側への放熱経路が加わることになるから、放熱効率が良好となる。
【0033】
<実施形態2>
図3は、本発明の実施形態2を示す。実施形態2では、実施形態1と同様に、バイパスダイオード50が架け渡されている部分の裏面側に、太陽電池パネル90側に近づくことで、バイパスダイオード50の発熱を太陽電池パネル90側に伝える伝熱手段が設けられているが、その形態が実施形態1とは異なっている。その他は実施形態1とほぼ同様であるので、同じ構造部位には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0034】
実施形態2では、端子板30に構造上の変更を加えることなく、基板11にその表裏を貫通する開口部77が形成され、この開口部77に、基板11を構成する合成樹脂材(本実施形態の場合、変性PPO(ポリフェニレンオキサイド)または変性PPE(ポリフェニレンエーテル))よりも熱伝導率の高い伝熱性部材76が収容されている。開口部77は、端子板30の裏面のうちバイパスダイオード50と対応する位置に臨み、バイパスダイオード50の発熱が太陽電池パネル90側に迅速に伝わるように設定されている。
【0035】
伝熱性部材76は、金属紛または金属塊を合成樹脂材に混入することで形成されるものである。詳しくは、金属紛としては、銅紛末、アルミニウム紛末、もしくはセラミック紛末等が例示され、金属塊としては、銀もしくは銅等が例示され、合成樹脂材としては、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリエート、もしくはポリテトラフルオロエチレン等が例示されるが、特にこれらに限定されるわけでもない。
【0036】
実施形態2によれば、バイパスダイオード50で発生する熱を基板11の厚み範囲に収容された伝熱性部材76から太陽電池パネル90側へ迅速に放熱することが可能となる。また、金属紛等の配合割合を変更することで熱伝導率の調整が可能となる。
【0037】
<実施形態3>
図4は、本発明の実施形態3を示す。実施形態3では、端子板30間に架け渡されたバイパスダイオード50自体が太陽電池パネル90側に接触している点で上記実施形態と異なる。
すなわち、実施形態3では、バイパスダイオード50の導体片51が端子板30の側縁から太陽電池パネル90の裏面にかけてバネ性をもって湾曲形成されており、その最下点にベアチップダイオードとの接点部55を位置させ、そこで太陽電池パネル90側と接触している。
【0038】
実施形態3によれば、バイパスダイオード50で発生する熱を太陽電池パネル90側へダイレクトに放熱することが可能となる。また、導体片51が太陽電池パネル90との接触に伴ない撓み変形され、この撓み変形によって端子板30と太陽電池パネル90との間の寸法誤差が吸収される。
【0039】
<実施形態4>
図5は、本発明の実施形態4を示し、基板11の裏面を示している。実施形態4では、基板11の裏面に伝熱手段を設けた点で上記実施形態と異なる。
すなわち、実施形態4では、基板11の裏面に多数の凹所75が設けられ、ここに充填される接着材が伝熱性部材76(実施形態2で既述)としての役割を担っている。図示する凹所75は、基板11の裏面を互いに平行でかつ斜めに走る複数条の溝75Aからなる。各溝75Aの延出方向の両端は、基板11の周縁部74によって閉じられており、これにより、接着材が各溝75Aから流れ出るのを阻止している。
【0040】
実施形態4によれば、基板11の裏面に伝熱性部材76としての接着材を塗布する際に、かかる接着材が溝75A内に入り込むようになっているから、基板11の裏面が平坦な場合と比べて、太陽電池パネル90側に対する接着強度が高められる。また、伝熱性部材76が接着材としての機能を兼ね備えるから、伝熱性部材76と接着材とを別々に用意しなくて済む。
【0041】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)実施形態2では、伝熱性部材がパネル側に接触するように構成されていたが、本発明においては、伝熱性部材がパネル側に近づくように構成されていればよく、伝熱性部材を収容する開口部が基板の表裏いずれか一方面のみに開口するものであっても構わない。要は、基板に除肉部が形成されていればよい。
(2)実施形態4では、凹所が基板の裏面に形成された複数条の溝によって構成されていたが、本発明においては、凹所が、例えば、基板の裏面に点在する凹球面によって構成されていてもよい。
(3)本発明においては、バイパスダイオードは、パッケージタイプのダイオードであっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態1にかかるボックス本体の平面図
【図2】パネルに取り付けられたボックス本体の側断面図
【図3】実施形態2の図2相当図
【図4】実施形態3の要部拡大縦断面図
【図5】実施形態4の底面図
【符号の説明】
【0043】
10…ボックス本体
11…基板
12…側板
15…端子台
30…端子板
38…段差部
50…バイパスダイオード(整流素子)
60…ケーブル
90…太陽電池パネル(太陽電池モジュール)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボックス本体の基板上に複数の端子板が並設され、これら端子板が太陽電池モジュールからのプラス電極及びマイナス電極と両電極に対応する外部接続用のケーブルとの間を電気的に中継しており、かつ、対応する二つの端子板間に逆負荷時バイパス用の整流素子が架け渡されている太陽電池モジュール用端子ボックスにおいて、
前記整流素子が架け渡されている部分の裏面側には、前記太陽電池モジュール側に近づくことにより、前記整流素子の発熱を前記太陽電池モジュール側に伝える伝熱手段が設けられていることを特徴とする太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項2】
前記伝熱手段は、前記端子板における前記整流素子の載置面をその周りの面よりも下位とした段差部によってなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項3】
前記段差部の裏面は、前記太陽電池モジュール側と直接接触していることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項4】
前記伝熱手段は、前記基板に設けられた除肉部に収容され、少なくとも前記基板を構成する樹脂よりも熱伝導率の高い伝熱性部材によってなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項5】
前記基板の除肉部は、同基板を厚み方向に貫通して形成された開口部として構成されていることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項6】
前記基板の除肉部は、同基板の裏面側に凹み形成された凹所として構成され、この凹所に収容される前記伝熱性部材が前記太陽電池モジュールに対する接着材として機能することを特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。
【請求項7】
前記伝熱性部材は、合成樹脂に金属紛または金属塊を混入することによって形成されていることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の太陽電池モジュール用端子ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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