説明

太陽電池用接続リード線及びその製造方法並びに太陽電池

【課題】Siセルに接続した後の熱収縮時においてもSiセルの反りが少なく、かつ、高導電性を有する太陽電池用接続リード線及びその製造方法並びに太陽電池を提供するものである。
【解決手段】本発明に係る太陽電池用接続リード線12は、太陽電池のSiセルの所定の接点領域に、高温で接続され、断面平角状の導体3の表面にめっき層14を備えるものであり、太陽電池用接続リード線12全体の0.2%耐力が60MPa以下であり、めっき層14の、Siセルに対向する面の厚さが5μm以下としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池のSiセルの所定の接点領域に接続される太陽電池用接続リード線及びその製造方法並びに太陽電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在主流の太陽電池には、多結晶又は単結晶のSi結晶ウェハを用いてなるSiセルが用いられている。図2に示すように、Siセル1の所定の領域にはんだめっき平角線2(太陽電池用接続リード線)をはんだで接合し、これを通じて発電された電力を伝送する構成となっている。はんだめっき平角線2としては、図3に示すように、導体にタフピッチCuや無酸素Cuなどの純Cu3で構成される平角導体を用い、はんだにSn−Pb共晶はんだ4を適用したものがある(特許文献1参照)。
【0003】
また、近年、環境への配慮からPbを含まないはんだを使用したものへの切り替えが検討されている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−21660号公報
【特許文献2】特開2002−263880号公報
【特許文献3】特開2005−243935号公報
【特許文献4】特開2005−243972号公報
【特許文献5】特開2006−49666号公報
【特許文献6】特開2006−140039号公報
【特許文献7】特開2006−54355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
太陽電池を構成する部材の内、材料コストの大半をSi結晶ウェハが占めている。そのため、Si結晶ウェハの薄板化が検討されているが、薄板化した際に、接続リード線の接合時の加熱プロセスや使用時の温度変化により、Si結晶ウェハが反ったり、破損したりするという不具合が生ずる。例えば、はんだ接続前では、図4(a)に示すように、Siセル1及びはんだめっき平角線2共に反りはなく、真直であるが、はんだ接続後では、図4(b)に示すように、Siセル1に反りが発生してしまう。
【0006】
これに対処するため、接続リード線の構成材料として、熱膨張が小さい材料のニーズが高まっている。
【0007】
図5に示すようなCu3とインバー(登録商標)5をCu−インバー−Cuの順にクラッドした材料(CIC)を平角導体として用いる場合、Cu−インバー(Fe−36mass%Ni)−Cu、Cu、Fe−36mass%Ni、Siの材料特性の一例を表1に示すように、インバーが低熱膨張であるため、Siとの熱膨張整合が可能になる。しかしながら、インバーは導電率がCuに比べて低い(体積抵抗率がCuに比べて高い)ことから、太陽電池としての発電効率が下落してしまう。
【0008】
【表1】

【0009】
導電率とセル反り抑制を両立する方法として、導電率の高い導体の0.2%耐力値を低減することにより、はんだ接続後の導体熱収縮によって発生する「セルを反らせる力」を低減させる方法が考えられ、これによって、Siとの熱膨張整合が可能になる。しかしながら、導体にはんだ4を被覆することで、0.2%耐力値がはんだ被覆前よりも増大してしまうため、この方法ではさらなるセルの薄型化への対応が困難である。
【0010】
そこで本発明の目的は、Siセルに接続した後の熱収縮時においてもSiセルの反りが少なく、かつ、高導電性を有する太陽電池用接続リード線及びその製造方法並びに太陽電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、太陽電池のSiセルの所定の接点領域に、高温で接続され、断面平角状の導体の表面にめっき層を備える太陽電池用接続リード線において、該リード線全体の0.2%耐力が60MPa以下であり、上記めっき層の、上記Siセルに対向する面の厚さが5μm以下であることを特徴とする太陽電池用接続リード線である。
【0012】
請求項2の発明は、上記導体材料が、Cu、Al、Ag、Auのいずれかである請求項1記載の太陽電池用接続リード線である。
【0013】
請求項3の発明は、上記導体が、タフピッチCu、低酸素Cu、無酸素Cu、リン脱酸Cu、99.9999%以上の高純度Cuのいずれかで構成される請求項2記載の太陽電池用接続リード線である。
【0014】
請求項4の発明は、上記導体の体積抵抗率が50μΩ・mm以下である請求項1から3いずれかに記載の太陽電池用接続リード線である。
【0015】
請求項5の発明は、上記めっき層が、Ni、Ag、Sn、Zn、Cr、Au、Pd、Ru、Ptから選択される少なくとも1種の元素を含む金属材料で構成される請求項1記載の太陽電池用接続リード線である。
【0016】
請求項6の発明は、上記めっき層を構成する金属材料が、第3成分として1000ppm以下の微量元素を含む請求項5記載の太陽電池用接続リード線である。
【0017】
請求項7の発明は、太陽電池のSiセルの所定の接点領域に、高温で接続される太陽電池用接続リード線の製造方法において、体積抵抗率が50μΩ・mm以下の金属材に、圧延加工あるいはスリット加工を施して断面平角状の導体を形成し、その平角導体に連続式通電加熱あるいは連続式加熱炉あるいはバッチ式加熱の設備で熱処理を施した後、その平角導体表面にめっき層を設けると共に、そのめっき層の、上記Siセルに対向する面のめっき厚を5μm以下とし、リード線全体の0.2%耐力値を60MPa以下に調整することを特徴とする太陽電池用接続リード線の製造方法である。
【0018】
請求項8の発明は、太陽電池のSiセルの所定の接点領域に、太陽電池用接続リード線を接続してなる太陽電池において、請求項1から6いずれかに記載の太陽電池用接続リード線の、上記接点領域と接続される部分に予め導電性接着剤を塗布しておき、太陽電池の接点領域と導電性接着剤を塗布した太陽電池用接続リード線を接触させた後、高温に加熱して上記導電性接着剤を溶融させ、その後、導電性接着剤を固化させて太陽電池の接点領域と太陽電池用接続リード線を接着、接続させたことを特徴とする太陽電池である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の太陽電池用接続リード線によれば、Siセルと接続した後の熱収縮時においてもSiセルの反りが少なく、かつ、高い導電性が得られる。また、0.2%耐力値を容易に測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基いて説明する。
【0021】
一般に熱膨張率の異なる異種金属同士を高温で接続した場合には、温度変化に熱膨張率、ヤング率を積算した値が反りを発生させる力となる。しかし、太陽電池のように接続する両部材(Siセル、太陽電池用接続リード線)の剛性が著しく異なり、また接続温度も200℃以上と高温のものでは、断面積がより小さい導体(太陽電池用接続リード線)の方が降伏してしまい、上記熱膨張率、ヤング率による力がそのまま反り発生力とはならない。
【0022】
導体は、その降伏応力が低いと小さい(弱い)力で塑性変形してしまい、それ以上の変形抵抗とならない。そのため塑性変形の指標である0.2%耐力の小さい導体を用いた太陽電池用接続リード線は、Siセルヘ接続した後の反り量を低減させる効果がある。
【0023】
そこで、図1に示すように、本実施の形態に係る太陽電池用接続リード線12は、導体3の表面にめっき層(薄めっき)14を設けてなり、0.2%耐力値を60MPa以下としたものである。導体3は、体積抵抗率が比較的小さい、具体的には50μΩ・mm以下の材料で構成され、Siセルヘの接続が容易となるよう断面形状が平角型のものが望ましい。また、めっき層14の厚さは、5μm以下とされる。
【0024】
導体3の材料としては、表2に示すようにCuの他にAu、Ag、Alなどがあり、材料選択によっては0.2%耐力を更に低減できる可能性がある。これらの導体材料の中で体積抵抗率が最も低いのはAgであり、Ag導体を用いることで、発電効率を最大限にすることが可能である。また、低コスト化を優先するときにはCuを、軽量化を図りたいときにはAlを、導体材料として選択するのが望ましい。表2に示す0.2%耐力は材料によって固有の値ではなく、軟化温度を上回る温度で熱処理を施すことによって変化するものであり、Cu、Ag、Au、及びAlの各0.2%耐力値は一例でしかない。
【0025】
【表2】

【0026】
Cuの種類としてはタフピッチCu、低酸素Cu、無酸素Cu、リン脱酸Cu、Cu(純度99.9999%以上)のいずれを用いることも可能である。0.2%耐力を最も小さくするためには純度が高いCuを用いることが有利であり、例えば、純度99.9999%以上の高純度Cuを選択する。一方、低コスト化を図りたい時には、不純物を含んでおり0.2%耐力は大きいものの、タフピッチCuもしくはリン脱酸Cuを選択する。
【0027】
めっき層14に用いる金属は、Ni、Ag、Sn、Zn、Cr、Au、Pd、Ru、Ptから選択される少なくとも1種の元素を含む金属材料であるが、第3成分として、1000ppm以下の範囲で微量元素を含んでいてもよい。めっき層14に用いる金属としては、コストの低さとめっき線に熱処理した場合の導体金属拡散が抑制可能なことから、特にNiが優れている。また、第3成分の微量元素としてはCo、Pなどがある。
【0028】
本実施の形態に係る太陽電池用接続リード線12の製造方法の一例を、以下に示す。
【0029】
先ず、導体3を構成する体積抵抗率が50μΩ・mm以下の金属材料を平角状に圧延形成し、平角導体が形成される。その平角導体にバッチ式加熱による熱処理を施し、平角導体の0.2%耐力を低減させ、所定値(目標とする0.2%耐力値(60MPa以下))に調整がなされる。
【0030】
その熱処理後の平角導体の周囲に厚さ5μm以下のめっき層14を設け、0.2%耐力値が60MPa以下の太陽電池用接続リード線12が得られる。
【0031】
導体3を平角状に加工する方法としては、圧延加工、スリット加工のいずれも適用可能である。丸線から圧延して平角化する方式は長尺で均一なものが製造できる。スリット方式では種々の幅の材料に対応できるメリットがある。
【0032】
導体3の0.2%耐力を低減するための熱処理方式としては、通電加熱方式でも連続式加熱炉を用いた方式でもバッチ式加熱方式でも適用可能である。連続で長尺にわたって処理する場合には通電加熱方式あるいは連続式加熱炉を用いた方式が向いており、安定した熱処理が必要な場含にはバッチ式加熱方式が望ましい。また、熱処理時における導体3の酸化を防止する観点から、水素還元雰囲気あるいは窒素などの不活性ガス雰囲気の炉を用いて熱処理を行ってもよい。また、熱処理は、導体3の軟化温度を上回る温度でなされ、0.2%耐力が所定値となるように熱処理条件が調整される。さらに、熱処理は平角導体の周囲にめっき層を設けた後、あるいはめっき前後の2回以上実施してもよく、これらの場合、めっき前のみの熱処理の場合よりもさらに0.2%耐力を下げることが可能である。
【0033】
めっき層14のめっき法としては、電気めっきや無電解めっきなどのバッチ方式のものが適用可能である。めっきをバッチ方式で行うことで、連続めっき方式で生じる張力による加工硬化を防止することができ、導体の0.2%耐力増大を抑制することが可能である。
【0034】
以上に述べた本実施の形態に係る太陽電池用接続リード線12は、太陽電池のSiセルの所定の接点領域に接続される。具体的には、太陽電池用接続リード線12の、接点領域と接続される部分に予め導電性接着剤あるいははんだを塗布しておき、太陽電池の接点領域と導電性接着剤あるいははんだを塗布した太陽電池用接続リード線12を接触させる。その後、高温に加熱して導電性接着剤あるいははんだを溶融させた後、導電性接着剤あるいははんだを固化させることで、太陽電池の接点領域と太陽電池用接続リード線12が接着、接続され、太陽電池が得られる。
【0035】
導電性接着剤は、はんだと同等以上の熱伝導率、また、はんだと同等以下の体積抵抗率及び溶融温度を有することが望ましい。また、導電性接着剤あるいははんだは、Siセルの所定の接点領域にも予め塗布していてもよい。導電性接着剤としては、特に限定するものではなく、慣用のものが適用可能である。例えば、導電フィラにAg、Ag基合金、C、Cu、Sn−Bi系はんだなど、接着剤バインダにエポキシ、シリコーン、フェノール、ウレタン、アクリル、ポリイミドなどがある。
【0036】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0037】
従来の太陽電池用接続リード線は、Siセル(太陽電池セル)に接続するために、導体表面に溶融めっきによるはんだの厚めっき(例えば、厚み40μm)を設けていた。このめっき厚は、太陽電池セルと太陽電池用接続リード線の接合強度を重視し、十分な接合強度を確保する上で必要な厚さであった。しかし、そのはんだめっきの結果、太陽電池用接続リード線の0.2%耐力が増大するという問題があった。
【0038】
そこで、本実施の形態に係る太陽電池用接続リード線12は、平角状の導体3の表面にはんだの厚めっきを被覆する代わりに、耐食性に優れた金属材料のめっき層14を5μm以下の厚さで被覆したものである。これにより、太陽電池用接続リード線12の0.2%耐力の増大を抑制している。
【0039】
この太陽電池用接続リード線12を、導電性接着剤などによりSiセルと接続させることで、太陽電池用接続リード線12が熱膨張するが、0.2%耐力が低い、すなわち降伏応力が低いことから、熱膨張時の引張応力によって塑性変形が生じる。このため、導電性接着剤が固化しても、太陽電池用接続リード線12が収縮することは殆どなく、Siセルと太陽電池用接続リード線12の接続後の導体熱収縮によって発生する「セルを反らせる力」を低減させることができる。
【0040】
また、導電性接着剤は、はんだと同等以上の熱伝導率、体積抵抗率を有していることから、導電性や接続信頼性を損なうことなく、Siセルと太陽電池用接続リード線12を接続することができる。
【0041】
本実施の形態に係る太陽電池用接続リード線12の0.2%耐力値は60MPa以下が望ましい。0.2%耐力値を、この領域、範囲とすることで、Cu−インバー(登録商標)−Cuのクラッド材や熱処理したCuを導体に用いてはんだめっきした従来の太陽電池用接続リード線(平角線)よりも、セル反りを低減することが可能であり、大きな効果が得られる。このように、太陽電池用接続リード線12の0.2%耐力値を60MPa以下に規定することで、製品形状での特性評価を可能にしている。
【0042】
また、本実施の形態に係る太陽電池用接続リード線12におけるめっき層14のめっき厚さは5μm以下であることが望ましい。5μm以下の厚さでめっき層14を設けることで、はんだめっきした従来の太陽電池用接続リード線に比べて0.2%耐力が大きく低下し、セル反り抑制効果が十分に得られる。このように、導体3に対するめっき層14の厚みを制御することで、めっきによる耐力増大を抑制している。図1中では、導体3の全周にわたって均一にめっき層14を設けているが、めっき層14による導体3の被覆は、図2、図6に示したSiセル1に対向する面、又は導体3の外周の一部(例えば、導体3の上面及び下面)だけであってもよく、これによって0.2%耐力を更に低下させることができる。
【実施例】
【0043】
本発明に係る太陽電池用接続リード線の一実施例を以下に示す。
【0044】
Cu材料を幅2.0mm、厚さ0.16mmの平角線状に圧延成形した後、その導体に300℃×90分の熱処理を施し、その熱処理した導体の周囲をNiで薄めっきし、太陽電池用接続リード線を製作した。
【0045】
この時、表3に示すように、薄めっきのめっき厚みを変えて種々の0.2%耐力の太陽電池用接続リード線を作製した(実施例1〜6、比較例1)。また、めっき方法をはんだめっきに変えたもの(比較例2)、導体にCu−インバー(登録商標)−Cu(板厚比率2:1:2)を用い、はんだめっきしたもの(比較例3)、導体に従来Cuを用い、はんだめっきしたもの(比較例4)も作製した。薄めっきは、電気めっき(又は無電解めっき)によるバッチ方式により行い、はんだめっきは溶融めっきによるリールtoリール(連続式)で行った。
【0046】
0.2%耐力は、引張速度20mm/minの引張試験で得られたS−S曲線から0.2%耐力点荷重を求め、導体の断面積で除して算出した。
【0047】
また、温度サイクル特性を評価するために、温度サイクル試験(−40〜90℃)を実施し、接続信頼性を評価した。
【0048】
さらに、それぞれの太陽電池用接続リード線を縦150mm×横150mm、厚み200μmのSiセルに接続(実施例1〜5、比較例1は導電性接着剤で接続、実施例6、比較例2〜4ははんだ接続)した後、Siセルの反りを調べた。導電性接着剤にはAg/エポキシ系接着剤を用い、硬化条件は180℃×3minとした。
【0049】
【表3】

【0050】
表3に示すように、薄めっき品(実施例1〜5、比較例1)でも導電性接着剤による接続で、はんだめっき品(比較例2〜4)と同様、良好な温度サイクル特性が得られることが分かる。また、はんだ接続した薄めっき品(実施例6)も良好な温度サイクル特性が得られる。一方、はんだめっき品は0.2%耐力が大きくなり、セルの反りに影響する。
また、薄めっき品でも、めっき厚6μmの場合(比較例1)は、0.2%耐力、セルの反りともに、はんだめっき品(比較例2)と大きく変わらない。このことから、薄めっきのめっき厚さは5μm以下が望ましいことが確認できた。
【0051】
めっき厚5μmの薄めっき品(実施例5)であっても、0.2%耐力は60MPaであり、従来のCu導体を用いた比較例4の0.2%耐力(160MPa)よりも十分に低く、反り量を従来の4割以下に低減できている。薄めっき品のめっき厚をさらに薄くしていくことで、0.2%耐力、セルの反りともに小さくしていくことができ、さらなるSiセルの薄型化への対応が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の好適一実施の形態に係る太陽電池用接続リード線の横断面図である。
【図2】太陽電池用接続リード線をSiセルに接続した状態を示す斜視図である。
【図3】従来の一般的な太陽電池用接続リード線の横断面図である。
【図4】Siセルと太陽電池用接続リード線の接続状態を示す図である。図4(a)ははんだ接続前の状態、図4(b)ははんだ接続後に反りが発生した状態を示している。
【図5】従来のCICを用いた太陽電池用接続リード線の横断面図である。
【図6】太陽電池用接続リード線をSiセルに接続した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 Siセル
2 はんだめっき平角線
3 導体
4 はんだめっき
5 インバー
6 導電性接着剤又ははんだ
12 太陽電池用接続リード線
14 めっき層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池のSiセルの所定の接点領域に、高温で接続され、断面平角状の導体の表面にめっき層を備える太陽電池用接続リード線において、該リード線全体の0.2%耐力が60MPa以下であり、上記めっき層の、上記Siセルに対向する面の厚さが5μm以下であることを特徴とする太陽電池用接続リード線。
【請求項2】
上記導体材料が、Cu、Al、Ag、Auのいずれかである請求項1記載の太陽電池用接続リード線。
【請求項3】
上記導体が、タフピッチCu、低酸素Cu、無酸素Cu、リン脱酸Cu、99.9999%以上の高純度Cuのいずれかで構成される請求項2記載の太陽電池用接続リード線。
【請求項4】
上記導体の体積抵抗率が50μΩ・mm以下である請求項1から3いずれかに記載の太陽電池用接続リード線。
【請求項5】
上記めっき層が、Ni、Ag、Sn、Zn、Cr、Au、Pd、Ru、Ptから選択される少なくとも1種の元素を含む金属材料で構成される請求項1記載の太陽電池用接続リード線。
【請求項6】
上記めっき層を構成する金属材料が、第3成分として1000ppm以下の微量元素を含む請求項5記載の太陽電池用接続リード線。
【請求項7】
太陽電池のSiセルの所定の接点領域に、高温で接続される太陽電池用接続リード線の製造方法において、体積抵抗率が50μΩ・mm以下の金属材に、圧延加工あるいはスリット加工を施して断面平角状の導体を形成し、その平角導体に連続式通電加熱あるいは連続式加熱炉あるいはバッチ式加熱の設備で熱処理を施した後、その平角導体表面にめっき層を設けると共に、そのめっき層の、上記Siセルに対向する面のめっき厚を5μm以下とし、リード線全体の0.2%耐力値を60MPa以下に調整することを特徴とする太陽電池用接続リード線の製造方法。
【請求項8】
太陽電池のSiセルの所定の接点領域に、太陽電池用接続リード線を接続してなる太陽電池において、請求項1から6いずれかに記載の太陽電池用接続リード線の、上記接点領域と接続される部分に予め導電性接着剤あるいははんだを塗布しておき、太陽電池の接点領域と導電性接着剤あるいははんだを塗布した太陽電池用接続リード線を接触させた後、高温に加熱して上記導電性接着剤あるいははんだを溶融させ、その後、導電性接着剤あるいははんだを固化させて太陽電池の接点領域と太陽電池用接続リード線を接着、接続させたことを特徴とする太陽電池。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate