説明

太陽電池用裏面回路シート、太陽電池モジュール及び太陽電池用裏面回路シートの製造方法

【課題】バックコンタクト方式の太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セルの実装強度を向上させることができるとともに、回路層の絶縁基材からの剥離を防止することが可能な太陽電池用裏面回路シートを提供する。
【解決手段】繊維及び樹脂を含有する複合材料からなる絶縁基材11と、該絶縁基材11の表面に積層され、太陽電池セルに電気的に接続される回路層12とから太陽電池用裏面回路シートを成形し、前記回路層を前記絶縁基材の表面に埋没させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールを構成する一部材である太陽電池裏面回路シート、及びそれを用いた太陽電池モジュール、並びに太陽電池用裏面回路シートの製造方法に関するものである。特に、従来方式と比較し、耐候性、耐熱性、耐湿性、機械的特性に優れる太陽電池裏面回路シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽電池は無公害で地球環境に優しい新たなエネルギー源として注目されている。一般的な太陽電池モジュールの構造は、太陽光が照射する面をガラスで覆い、熱可塑性プラスチックからなる封止層で太陽電池セルを封止し、裏面側に耐熱、耐候性プラスチック材料等の回路を貼り合わせた構造をなしている。一つの太陽電池モジュールには数枚から数十枚の太陽電池セルが直列又は並列に接続されることで搭載されている。
【0003】
太陽電池モジュールは屋外で使用されるため、その構成において十分な耐久性、耐候性が要求される。特に、太陽電池セルの裏面に使用する回路には耐候性とともに水蒸気バリア性が要求される。これは水分の透過により充填材が変質(剥離や変色)したり、配線が腐食したりすると、モジュールの出力が低下する虞があるためである。
【0004】
従来、この太陽電池モジュールに使用する太陽電池用裏面回路シートとしては、ポリエステル系シート基材の両面に接着剤を塗布し、ポリフッ化ビニルのフィルムを貼り合わせた積層構造のものが用いられてきた。しかしながら、この構成で用いられる接着剤はウレタン系樹脂やポリエステル系樹脂を主成分とするため、例えば10年以上にわたった長期間の使用をした場合、接着剤の変質による剥離が起きる可能性があると指摘されていた。
【0005】
例えば、ウレタン系樹脂接着剤やポリエステル系樹脂接着剤は吸湿による加水分解を受け易く、樹脂自体の耐熱性も低いことから、長期間の使用では熱や湿度、更には紫外線の影響で変質する。その結果、機械的強度の低下から接着界面での剥離が生じ易くなってしまう。
【0006】
この問題に対し、接着剤の劣化による剥離を防止する為に、PET基材上にフッ素系樹脂を直接押出し積層する方法も提案されている。ただし、ポリエステル系シート基材がフッ素樹脂の溶融温度で収縮するため、積層したシートにシワが発生する等の問題がある。また熱収縮を改善した耐熱ポリエチレンテレフタレート(PET)シートやポリエチレンナフタレート(PEN)シートを用いることも考えられるが、この場合コストが高くなるという問題が生じるため好ましくない。
【0007】
また最近では、受光面積のロスとなる太陽電池セル間の配線を裏面回路上に形成した、バックコンタクト方式と呼ばれる太陽電池モジュールも開発されている。この方式では太陽電池セルの接続は表面に回路を形成した太陽電池用裏面回路シート(以下、バックコンタクト用回路材と呼ぶ)により行う。つまり、太陽電池セルの裏面に端子部を形成し、太陽電池用裏面回路シートの表面に京成した回路層を介して太陽電池セル同士が電気接続される。この太陽電池用裏面回路シートは、端子部以外の回路が絶縁層で被覆されており、回路の耐腐食性と回路間の絶縁性が確保されている。
【0008】
現在提案されているバックコンタクト用の太陽電池用裏面回路シートは、ポリエステル系シート基材の両面に接着剤を塗布し、一方の面に金属箔を積層するとともに他方の面にフッ素樹脂等の耐候性樹脂フィルムを積層した構造をなしている。しかしながら、この構成でもウレタンやポリエステルを主成分とした接着剤を使用するため、長期間の使用における剥離の問題がある。また、接着剤の絶縁性不足から回路間の絶縁性が確保できないという問題がある。
【0009】
更に、ポリエステル系フィルム基材は耐熱性が低く、プロセス条件が限定されるという問題も生じる。つまり、接着剤層を形成する際の乾燥温度、銅箔や耐候性樹脂フィルムを積層する際のラミネート温度、絶縁層を形成する際の硬化温度等、バックコンタクト用回路材を製造する際に高温での処理が困難となってしまう。これにより、使用できる材料が限定されるばかりか、生産性も低下してしまうという問題がある。
【0010】
一方、ポリエステル系フィルム基材は高温での寸法変化が大きく、太陽電池用裏面回路シートにおいては、太陽電池セルとの接合部に応力が集中し易い。その結果、端子接合部が剥離したり、クラックが発生する等、接続信頼性を確保できないという問題もある。さらに、銅箔とポリエステル系フィルム基材の熱膨張差により、積層後の回路に反りが発生し易いという問題もある。
【0011】
また、上記バックコンタクト用の太陽電池用裏面回路シートを現在のハンダゴテ等による太陽電池モジュール製作と同様に手工業的な作業で行った場合、今後の急激な需要を考えると未だ能力が足りないというのが現状である。したがって、回路間の接続および積層工程の自動化を視野に入れた、効率良く作業が出来る仕組みが必要とされている。なお、現在提案されているバックコンタクト回路は、積層毎の重ね合わせ寸法精度及び太陽電池セル裏面電極と回路とのハンダ等の溶融性金属もしくは導電性樹脂(以下、導電性接着剤と称する)による強固な接着性が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2001−68701号公報
【特許文献2】特開2001−68695号公報
【特許文献3】特開昭61−251176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、ハンダ等の溶融性金属もしくは導電性樹脂の熱溶融による太陽電池セルと回路層とを接続する場合、機械的強度の観点から導電性接着剤によって絶縁基材と太陽電池セルとを強固に一体化できることが好ましい。しかしながら、導電性接着剤は絶縁基材よりも回路層に対して馴染み易いため、回路層に集中して接触して絶縁基材上に付着しにくい。したがって、該絶縁基材から太陽電池セルまでの導電性接着剤の濡れ上がりを十分に確保することができないため、絶縁基材と太陽電池セルとを所望の強度まで一体化することができず、太陽電池セルの絶縁基材への実装が脆弱となってしまうという問題があった。
【0014】
さらに、太陽電池セルを封止する封止層としては、EVAシートを用いることが多いが、このEVAシートからは時間の経過とともに酢酸ガスが放出されるため、当該酢酸ガスによって回路層が腐食することで絶縁基材から剥離してしまう懸念があった。
【0015】
本発明はこのような課題を鑑みてなされたものであり、バックコンタクト方式の太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セルの実装強度を向上させることができるとともに、回路層の絶縁基材からの剥離を防止することが可能な太陽電池用裏面回路シート及び当該太陽電池用裏面回路シートを用いた太陽電池シェル、並びに、太陽電池用裏面回路シートの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係る太陽電池用裏面回路シートは、繊維及び樹脂を含有する複合材料からなる絶縁基材と、該絶縁基材の表面に積層され、太陽電池セルに電気的に接続される回路層とを備え、前記回路層が前記絶縁基材の表面に埋没していることを特徴とする。
【0017】
このような特徴の太陽電池用裏面回路シートによれば、回路層が絶縁基材の表面に埋没しているため、埋没量に応じた回路層の厚み方向の側面の分だけ、外部に露呈する回路層の表面積は小さくなる。したがって、導電性接着剤14との接触面積も小さくなるため、回路層に馴染んで接触する導電性接着剤14量を低減させることができる。これにより絶縁基材上に付着する導電性接着剤14量を増大させ、該絶縁基材から太陽電池セルまでの導電性接着剤14の濡れ上がりを十分に確保することができる。
また、回路層が絶縁基材に埋没することで、該回路層の厚み方向の裏面のみならず側面も絶縁基材に被覆されるため、EVAシートから放出される酢酸ガスとの接触面積を低減させることができる。
【0018】
上記太陽電池用裏面回路シートにおいては、前記回路層の前記絶縁基材の表面に対する埋没量が、前記回路層の厚みの10%以上に設定されていることが好ましい。
少なくとも回路層の厚みの10%以上が絶縁基材に埋没していることにより、導電性接着剤の濡れ上がりを十分に確保し太陽電池セルの実装強度を向上させることができるとともに、酢酸ガスとの接触面積を効果的に減少させることで回路層の剥離を防止することができる。
【0019】
本発明に係る太陽電池モジュールは、受光面側に配置された透光性基板と、該透光性基板の裏面側に配置されたバックシートと、前記透光性基板及び前記バックシートの間に配置され、前記回路層に電気的に接続される太陽電池セルと、該太陽電池セルを封止する封止層とを備えた太陽電池モジュールであって、前記バックシートが、上記太陽電池用裏面回路シートであることを特徴とする。
【0020】
このような特徴の太陽電池モジュールによれば、上記太陽電池用裏面回路シートを採用しているため、太陽電池セルの実装強度を向上させることができるとともに回路層の絶縁基材からの剥離を防止することができる。
【0021】
本発明に係る太陽電池用裏面回路シートの製造方法によれば、金属箔と繊維及び樹脂を含有する複合材料からなる絶縁基材とを、加圧加熱処理を施すことにより半加圧状態で積層する工程と、前記絶縁基材層に積層された前記金属箔にパターン加工を施して回路層を形成する工程と、前記絶縁基材層及び前記回路層にさらに加圧加熱処理を施して、前記絶縁基材における前記樹脂を溶融させるとともに、前記回路層をこの溶融した樹脂内に埋没させる工程とを備えることを特徴とする。なお、前記金属箔を前記絶縁基材に積層させる工程は、積層プレス機を用いて行われることが好ましい。
【0022】
このような特徴の太陽電池用裏面回路シートの製造方法によれば、金属箔と絶縁基材とに加圧加熱処理を施す際に、通常、絶縁基材を繊維の厚さまで圧縮するところ、半圧縮状態に留めることで樹脂の圧縮しろを残した状態とする。そして、回路形成後に再度加圧加熱処理にて回路層ごと圧縮することで、回路層を絶縁基材の樹脂内に埋没させることができる。
【0023】
また、本発明に太陽電池用裏面回路シートの製造方法においては、前記金属箔を前記絶縁基材に積層させる工程が、ラミネート機を用いて行われるものであってもよい。
この場合、上記のように樹脂の圧縮しろを残した状態を容易に実現することができるとともに、後工程である感光性レジストフィルムのラミネート工程との工程間の連携を図ることができるため、製造効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の太陽電池用裏面回路シート及び太陽電池モジュールによれば、回路層を越縁基材に対して埋没させた状態で積層することで、太陽電池セルの実装強度を向上させることができるとともに、回路層の絶縁基材からの剥離を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】太陽電池用裏面回路シートの概略構成を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す太陽電池用裏面回路シートの製造方法の第1段階を説明する図である。
【図3】図2(a)に示す絶縁基材に金属箔を積層固定する過程の他の態様を説明する図である。
【図4】図1に示す太陽電池用裏面回路シートの製造方法の第2段階を説明する図である。
【図5】太陽電池モジュールの概略構成を示す縦断面図である。
【図6】太陽電池用裏面回路シートに太陽電池セルを実装する過程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の太陽電池用裏面回路シートの実施形態について説明する。
図1に、本実施形態の太陽電池用裏面回路シートを示す。この太陽電池用裏面回路シート10は、絶縁基材11と、絶縁基材11の表面側に設けられた回路層12とを備えており、いわゆるバックコンタクト方式の太陽電池セル30の接続に用いられる。
【0027】
絶縁基材11としては、繊維及び樹脂を含有する複合材料からなる板状をなす部材、例えば、繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸又は塗布し乾燥させて得たプリプレグが用いられる。繊維基材としてはガラス繊維、アラミド繊維、フッ素繊維、ポリエステル繊維、ポリアリレート繊維等が用いられるが、熱硬化性樹脂との親和性、絶縁信頼性、材料コストの観点からガラス繊維を採用することが好ましい。
【0028】
また、これら繊維は、平織り、綾織、朱子織りの他、目抜き平織り、目抜きカラミ織り等、長繊維を用いた織物とすることがこのましい。なお、短繊維状物を用いた場合、絶縁基材11の表面に繊維端が突出し易く、また、保護層にピンホールが発生したり、気泡が発生し易いことから好ましくない。
【0029】
また、これらの繊維基材に含浸させる熱硬化性樹脂としては、副生物を生成せずに硬化する付加重合型等の熱硬化性樹脂が好ましく、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、シアナート樹脂、シアン酸エステル樹脂−エポキシ樹脂、シアン酸エステル−マレイミド樹脂、シアン酸エステル−マレイミド−エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、マレイミド−ビニル樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、その他熱硬化性樹脂類並びにこれらを適宜二種以上配合してなる組成物等を用いることが好ましい。絶縁基材11の厚みは絶縁破壊耐性、耐突き刺し性を確保する為に50μm以上、特に100μm〜300μmの範囲に設定されていることが好ましい。
【0030】
回路層12は、後述する太陽電池セル30の電極31に電気的に接続される層であって、上記絶縁基材11の表面側に積層されている。この回路層12は、太陽電池用裏面回路シート10に積層される多数の太陽電池セル30を電気的に直列に接続するパターンを有している。このため、絶縁基材11の表面の全範囲を覆っているのではなくパターンの形状に従って絶縁基材11の表面を受光面側に露呈させる隙間を有している。
【0031】
回路層12を構成する材料としては、電気抵抗が低い材料、例えば、銅、アルミニウム、鉄−ニッケル合金などが使用される。また、導電性高分子を使用することもできる。
【0032】
また、特に本実施形態における回路層12は、絶縁基材11の表面と略面一となるように絶縁基材11の表面に埋没されている。なお、回路層12はその厚み方向の全てが絶縁基材11に埋没されておらずともよく、少なくとも回路層12の厚みの10%以上が絶縁基材11の表面に埋没していればよい。
【0033】
次に上記太陽電池用裏面回路シート10の製造方法について説明する。
本実施形態例の太陽電池用裏面回路シート10の製造方法では、まず、図2(a)に示すように、銅、アルミニウム、鉄−ニッケル合金などの金属からなる金属箔18を上層に配置するとともに絶縁基材11を下層に配置して積層し、その上下からそれぞれ熱源に接続された積層プレス機のプレート101,101で挟み込む。
【0034】
なお、絶縁基材11と金属箔18の積層条件は、絶縁基材11を構成する繊維基材及び熱硬化性樹脂の種類によっても異なるが、一般的には温度が150〜200度で、圧力が0.5〜3.0MPa、時間は10〜40分である。積層温度は含浸樹脂の溶融温度±30℃で実施することが好ましい。積層温度が低過ぎる場合、樹脂が十分に溶融せず、基材表面へ濡れ広がり不足から絶縁基材11と金属箔18との接着強度が低くなり易い。また積層温度が高過ぎると、含浸樹脂中の溶媒が急激に蒸発することによる気泡が発生し易くなってしまう。また、樹脂の粘度が下がり過ぎて基板の周囲に樹脂が流出し、回路の厚さが不均一になるという問題が生じる。
【0035】
ここでは、絶縁基材11と金属箔18との積層条件としては、上記範囲の下限値である150℃、圧力0.5Mpa、積層時間10分を採用し、この条件にて加圧加熱処理を施す。これによって、絶縁基材11の表面の熱硬化性樹脂が溶融及び再硬化することで金属箔18が接着され、絶縁基材11と金属箔18とが積層固定される。
【0036】
上記絶縁基材11と金属箔18との積層条件は、これら絶縁基材11と回路層12とを加圧加熱積層するために最低限必要な下限値としての設定であり、特に圧力については比較的小さな圧力による半加圧状態とされている。このように、本実施形態においては、絶縁基材11と金属箔18との積層条件を半圧縮状態に留めることで、熱硬化性樹脂の圧縮しろを残した状態で、これら絶縁基材11と金属箔18とを積層する。換言すれば、金属箔18の下側にある絶縁基材11における熱硬化性樹脂の溶融能力を底下状態で、これら絶縁基材11と金属箔18とが積層固定されるのである。
【0037】
なお、上記のように積層プレス機のプレート101,101を用いた方法に限らず、例えば図3に示すように、ラミネート機105を用いて絶縁基材11と金属箔18とを積層固定してもよい。即ち、上側のみに高温で熱したゴムロールを配し、膜厚12μm〜35μm程度の銅、アルミ等の金属箔18を上層に配置するとともに絶縁基材11を下層に配置することでこれら金属箔18と絶縁基材11とを積層する。そして、この積層体を、所定の送り速度、上下の圧力、所定温度に設定されたゴムロール間に送ることで、絶縁基材11の熱硬化性樹脂が溶融及び再硬化し、絶縁基材11と金属箔18とが積層固定される。
【0038】
このラミネート機を用いた場合であっても、絶縁基材11と金属箔18との積層条件を半圧縮状態に留めることで、熱硬化性樹脂の圧縮しろを残した状態でこれら絶縁基材11と金属箔18とが積層固定される。また、後工程である感光性レジストフィルム107のラミネート工程との工程間の連携を図ることができるため、製造効率を向上させることができる。
【0039】
このように、上記方法で絶縁基材11と金属箔18とを積層固定した場合、例えば積層プレス機で積層条件を上限値に設定して積層固定した場合に比べ、圧着温度、圧力、圧着時間が不十分であるため、金属箔18と絶縁基材11との接着が不十分な状態となる。
【0040】
次に、図2(b)に示すように、積層接着された金属箔18の表面にラミネート機105を使用することで、感光性レジストフィルム107を所定条件にてラミネートする。その後、感光性レジストフィルム107に任意の回路パターンを形成すべく、図2(c)に示すように、該感光性レジストフィルム107にレーザーを使った直接照射を施し、あるいは、写真製版に銀塩フィルムを使用したマスクフィルムを真空密着してUV照射を施す。
【0041】
そして、感光性レジストフィルム107にアルカリ性の現像液での溶融処理を施すと、上記図2(c)に示す過程による光の透過、不透過によって生じた露光部109、非露光部110のうち、非露光部110のみが溶融され、この感光性レジストフィルム107の下層に配置された金属箔18が露出する(図2(d)参照)。
【0042】
続いて、金属箔18における表面に露出した部分に対し、塩化第2鉄水溶液あるいは塩化第2銅水溶液によるスプレーエッチング法を施すことにより、絶縁基材11の表面が露出するまでエッチングを行なう(図2(e)参照)。なお、金属箔18におけるエッチングされることのない部分が上記回路層12として成形されるが、回路パターンの幅、間隔についての調整は、スプレーエッチング法の条件変化に起因するため、随時エッチング状態を把握して塩化第2鉄水溶液あるいは塩化第2銅水溶液の濃度、並びに腐食中の基材の流れる速度を調整する必要がある。
【0043】
そして、エッチングされなかった金属箔18上に残された感光性レジストフィルム107の露光部109をアルカリ性の剥離液で剥離し、中和及び金属箔18面の酸化膜等の除去の為、希硫酸を主成分とする溶液で洗い、水洗、乾燥させる。これにより、図2(f)に示すように、絶縁基材11上に回路層12が配置された積層構造体を得ることができる。
【0044】
次いで、回路層12を絶縁基材11に埋没させる処理を行う。即ち、図4に示すように、積層プレス機プレート101,101を用いて、再度所定条件にて絶縁基材11と回路層12との積層構造体を挟み込む。そして、200℃前後に加熱した状態で、上下から比較的高い圧力、即ち、絶縁基材11に金属箔18を積層固定する際の圧力よりも高い圧力でプレスする。これにより、絶縁基材11の熱硬化性樹脂が溶融するとともに、この溶融した熱硬化性樹脂内に回路層12が埋没する。この際、積層プレス機のプレート101,101による圧力の大きさ及び圧力の印加時間を調節することで、回路層12の絶縁基材11に対する埋没量を調整する。これによって、回路層12がその厚みの所定量だけ絶縁基材11内に埋没した本実施形態の太陽電池用裏面回路シート10を得ることができる。
【0045】
上記太陽電池用裏面回路シート10は太陽電池モジュールに使用される。図5に上記太陽電池用裏面回路シート10を使用した太陽電池モジュールを示す。
この太陽電池モジュール1は、裏面側に配置された太陽電池用裏面回路シート10と、太陽電池用裏面回路シート10に配置された太陽電池セル30と、太陽電池セル30の裏面側を封止する封止層40とを備えている。
さらに、この太陽電池モジュール1に用いられる太陽電池用裏面回路シート10には、その裏面側にバリア層13が配置され、さらに、太陽電池セル30を太陽電池用裏面回路シート10に固定するために導電性接着剤14が使用されている。
【0046】
バリア層13は空気透過を調整する層である。バリア層13としては、耐候性、絶縁性など長期信頼性を有する材料が使用され、例えば、フッ素樹脂フィルム、低オリゴマー・耐熱ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム/ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、シリカ(SiO2)蒸着フィルム、アルミニウム箔などが使用される。
【0047】
導電性接着剤14は、回路層12と太陽電池セル30との電気的接続を補助する部材である。この導電性接着剤14の材料としては、電気抵抗が低い材料が使用される。中でも、回路層12との電気抵抗が低くなることから、銀、銅、錫、鉛、ニッケル、金よりなる群から選ばれる1種以上の金属を含有することが好ましい。
【0048】
この導電性接着剤14は、粘度が高く、容易に所望の形状にできることから、銀、銅、錫、半田(銅と鉛が主成分である。)よりなる群から選ばれる1種以上の金属を含有する導電性ペーストにより形成されていることが好ましい。
【0049】
また、導電性ペーストは低温硬化タイプであることが好ましい。導電性ペーストが低温硬化タイプであれば、120〜160℃という低温で太陽電池セルの電極と回路層12とを電気的に接続できる。120〜160℃は、封止層40として使用可能なEVAシートの軟化、溶融、架橋が生じる温度であるから、封止層40としてEVAシートを用いる場合には、容易に加工できるため、太陽電池セル30の電極と該導電性ペーストから形成される導電性接着剤14とをより容易に電気的に接続させることができる。
【0050】
低温硬化タイプの導電性ペーストとしては、ポリマーと導電性フィラーを含有し、ポリマーの硬化による導電性フィラーの物理的接触によって導電性を発現するもの、有機物に銀もしくは銅を配位、還元させたナノ粒子を含有し、低温焼結(120〜160℃)させることにより導電性を発現するものが挙げられる。電気抵抗がより低くなる点では、後者の材料が好ましい。
【0051】
透光性基板20としては、例えば、ガラス基板、透明樹脂基板などが挙げられる。透明樹脂基板を構成する透明樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
【0052】
太陽電池セル30としては、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、化合物型、色素増感型などが挙げられる。これらの中でも、発電効率に優れる点では、単結晶シリコン型が好ましい。この太陽電池セル30は裏面側にプラス極及びマイナス極の電極31,31を備えている。
【0053】
封止層40は、封止用フィルムにより形成される。封止用フィルムとしては、例えば、EVAシート、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂フィルムなどが一般的に使用されるが、本実施形態においてはEVAシートが採用されている。通常、封止用フィルムは、太陽電池セル30を挟み込むように2枚以上で使用される。
【0054】
ここで、太陽電池セル30の太陽電池用裏面回路シート10への実装は、例えば図6に示すように、太陽電池用裏面回路シート10の回路層12上に導電性接着剤14を配置するとともに、太陽電池セル30の電極31に導電性接着剤14が対向するように該太陽電池セル30を配置し、さらにこれら太陽電池用裏面回路シート10、導電性接着剤14及び太陽電池セル30からなる積層体を加熱加圧することにより行なわれる。
【0055】
なお、導電性接着剤14の形成方法としては、例えば、めっき、スクリーン印刷、ディスペンス、転写などの方法を適用することができる。その際には、容易に所望の形状にできることから、銀、銅、錫、半田よりなる群から選ばれる1種以上の金属を含有する導電性ペーストを用いることが好ましい。さらには、太陽電池セル30の電極31と導電性接着剤14とをより容易に電気的に接続させることができる点では、低温硬化タイプの導電性ペーストがより好ましい。
【0056】
そして、その後、太陽電池用裏面回路シート10の表面側において太陽電池セル30を周囲から覆うようにして該太陽電池セル30を封止層40により封止し、次いで、該封止層40の表面側に透光性基材20を配置するとともに太陽電池用裏面回路シート10の裏面にバリア層13を形成することで、本実施形態の太陽電池モジュール1を得ることができる。
【0057】
上記構成をなす太陽電池用裏面回路シート10及び太陽電池モジュール1によれば、絶縁基材11の表面に設けられた回路層12に太陽電池セル30を導電性接着剤14を解して積層することよって、太陽電池セル30を電気的に直列に接続できる。このように、太陽電池セル30の太陽電池用裏面回路シート10への積層と太陽電池セル30同士の接続とを同時に行うことができるため、太陽電池モジュール1を容易に製造でき、その生産性を高くできる。
【0058】
さらに、絶縁基材11が複合材料からなるため、太陽電池用裏面回路シート10の寸法安定性、剛性に優れる。特に、例えば、従来広く使用されているPET基材、PEN基材からなる太陽電池用裏面回路シートよりも寸法安定性および剛性に優れる。したがって、絶縁基材11が複合材料からなることで、太陽電池用裏面回路シート10は優れた物性を有するものとなる。
【0059】
また特に本実施形態の太陽電池用裏面回路シート10によれば、回路層12が絶縁基材11の表面に埋没しているため、埋没量に応じた回路層12の厚み方向の側面の分だけ、外部に露呈する回路層12の表面積は小さくなる。したがって、太陽電池セル30と接続する際に用いられる導電性接着剤14との接触面積も小さくなるため、回路層12に馴染んで接触する導電性接着剤14の量を低減させることができる。
【0060】
これにより絶縁基材11上に付着する導電性接着剤14量を増大させ、該絶縁基材11から太陽電池セル30までの導電性接着剤14の濡れ上がりを十分に確保することができる。これにより、太陽電池セル30の実装強度を向上させることができる。
【0061】
また、回路層12が絶縁基材11に埋没することで、該回路層12の厚み方向の裏面のみならず側面も絶縁基材に被覆されるため、当該太陽電池用裏面回路シート10を用いて太陽電池モジュールを構成する際に太陽電池セル30を封止するために使用されるEVAシートとの接触面積を低減させることができる。
【0062】
即ち、このEVAシートからは時間の経過とともに回路層12を腐食させる酢酸ガスが放出されるが、本実施形態の太陽電池用裏面回路シート10においては回路層のEVAシートに対する接触面積を最低限に抑えることができるため、回路層12の腐食を防止して当該回路層12の絶縁基材11からの剥離を回避することができる。
【0063】
さらに、回路層12の厚みの少なくとも10%が絶縁基材11に埋没していることにより、上記の太陽電池セル30の実装強度の向上、及び、回路層12の剥離の回避といった効果を確実に得ることができるとともに、回路層12の絶縁基材11に対する接触面積が増加していることから、回路層12自体の絶縁基材11に対する接着性も向上させることができる。したがって、例えば高熱時に各部材に熱膨張が生じた場合であっても、回路層12が絶縁基材11から剥離してしまうことを防止できる。
【0064】
また、本実施形態の太陽電池用裏面回路シート10の製造方法によれば、金属箔18と絶縁基材11とに加圧加熱処理を施す際に、通常、絶縁基材11を繊維基材の厚さまで圧縮するところ、半圧縮状態に留めることで熱硬化性樹脂の圧縮しろを残した状態とし、その後、回路層12形成後に再度加圧加熱処理にて回路層12ごと圧縮することで、回路層12を絶縁基材11の樹脂内に容易に埋没させることができる。これにより、本実施形態の太陽電池用裏面回路シート10を容易に得ることができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本実施形態の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく多少の設計変更等も可能である。
例えば、実施形態の太陽電池用裏面回路シート10は、絶縁基材11及び回路層12のみから構成されていたが、バリア層13や導電性接着剤14を当初から備えた上で、これら絶縁基材11、回路層12、バリア層13及び導電性接着剤14から太陽電池用裏面回路シート10が構成されていてもよい。
【0066】
また、太陽電池用裏面回路シート10においては、回路層12における太陽電池セル30の電極31と接触する部分以外を被覆するオーバーコート層が設けられていてもよい。このオーバーコート層を構成する絶縁性材料としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これら樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。このオーバーコート層を設けることでいに隣接する回路層12の短絡を防止できる上、EVAシートから放出される酢酸ガスによる回路層12の腐食をより効果的に防止することができる。
【実施例】
【0067】
<実施例1>
プリプレグ(絶縁基材)(三菱ガス化学製;CCL−EL190、厚さ200μm)の片面に銅箔(日鉱金属性JTCS箔、厚さ35μm)、その上に厚さ1mmのテフロン(登録商標)板を載せ、その外側にステンレス板とクッション材を適宜配置した構成とし、テストプレス機の熱盤間にセットした。この状態で真空引きを開始し、真空度が1.5kPaに到達した段階で加圧を開始した。積層条件は180℃で30分間、圧力は2.0MPaとした。装置はテストプレス機(北川精機製、500mm×500mm型)を使用し、得られた積層シートは反りや気泡もみられず良好な仕上がりとなった。
【0068】
<実施例2>
プリプレグ(絶縁材料)(三菱ガス化学製;CCL−EL190 厚さ200μm)の片側上面に銅箔(日鉱金属性JTCS箔、厚さ35μm)を載せ、上側のみに250℃前後で熱したゴムロールを配ラミネート機(大成ラミネーター製、VA2−700PH)で、ロール圧力1Mps、通し速度0.01mから0.05m/分でラミネートした。
【0069】
上記実施例1及び実施例2にてそれぞれ作成したプリプレグと銅箔とからなる積層シートに対して、以下の工程を加え、太陽電池用裏面回路シートを作成した。
まず、上記積層シート銅箔表面にラミネート機(大成ラミネーター製、VAII−700PH)で感光性レジストフィルムを重ね、温度110℃、圧力1Mpa、通し速度2mから3m/分でラミネートした。
【0070】
その後、形成すべき回路パターンをUV光が透過する仕様で描写したフィルムマスクを、感光性レジストフィルムを重ねた基材に真空密着させ、UV露光照射を施した。約2〜3分後、露光を止め、アルカリ現像層にて、露光部を溶出し、銅箔の表面を露出させた。
【0071】
そして、露出した銅箔表面を塩化第2鉄溶液で、プリプレグ表面が露出するまでエッチングを行い、水酸化ナトリウム水溶液で、レジスト膜を溶解し、希硫酸で酸洗い、水洗、乾燥を行うことで、プリプレグ上に銅箔による回路層を成形した。
【0072】
次に、プリプレグ上に出っ張る形で形成された回路層を、プリプレグ表面と同一面の高さまで埋没させる為に、厚さ1mmのテフロン(登録商標)板で上下挟み、積層プレス機の熱盤間にセットした。この状態で真空引きを開始し、真空度が1.5kPaに到達した段階で加圧を開始した。積層条件は200℃で30分間、圧力は3.0Mpaとした。装置はテストプレス機(北川精機製、500mm×500mm型)を使用した。
【0073】
上記工程によって、回路層直下に残存したプリプレグに含浸してある樹脂が当該回路層の脇より染み出したことにより、結果的に回路層が樹脂内に埋没した。
上記工程で積層シートの表面に、絶縁層としてソルダーレジストインキ(太陽インキ製造製、PSR−4000 EG30)を、スクリーン印刷機にて、予め当該印刷機で印刷した位置制御用目印を基準に回路上の樹脂厚が35μmになるよう塗布した。次いで80℃で30分間予備乾燥を行い、フィルムマスクを用いて500mJで片面露光を行った。さらに、1.0%炭酸ナトリウム溶液にて120秒間スプレー現像を行い、絶縁層に開口部を形成した後、150℃で30分間加熱硬化させた。このようにして得られた太陽電池用裏面回路シートは、バックコンタクト用回路材としての使用を想定したものである。
【0074】
上記実施例1及び実施例2の太陽電池用裏面回路シートの評価を行なった。
<接着強度測定1>
接着強度の測定試験を行った。試験条件は以下の通りである。
前処理条件;なし
装置;テンシロンRTC−1250 オリエンテック社製
チャック間距離;60mm
試料;10mm×100mm×約0.4mm n=5
クロスヘッド速度;5.0mm/min
<接着強度測定2>
接着強度の測定試験を行った。試験条件は以下の通りである。
前処理条件;85℃/85%/3000h
測定方法は接着強度測定1と同じ条件
<接着強度測定3>
接着強度の測定試験を行った。試験条件は以下の通りである。
即ち、一定の時間毎に−40℃〜80℃に冷却及び加熱する作業を200回繰り返した後に、接着強度を試験した。
<絶縁信頼性試験>
くし型の回路を導線550μm、導線間600、400、100μmと回路シート上に形成し、その上にソルダーレジストを被覆した状態で、130℃湿度85%192時間の間、釜の中に投入し、導線間に一定の電圧をかけて絶縁抵抗値を監視し、短絡の有無を確認した。
<回路の初期抵抗値(Ω)測定試験1>
上記接着強度測定2を行なう前段階において、上記くし型回路の導線間の抵抗値をテスターで測定し、回路の初期抵抗値測定試験を行った。
<回路の初期抵抗値(Ω)測定試験2>
上記接着強度測定2を行なった後に、上記くし型回路の導線間の抵抗値をテスターで測定し、回路の初期抵抗値測定試験を行った。
<SEMによる断面観察>
上記くし型回路の断面を電子顕微鏡で観察し、導線間に金属イオン溶融による短絡現象が起きているかの有無を確認した。
【0075】
<評価結果>
評価結果を表1に示す。
【表1】

【0076】
表1に示す通り、実施例の太陽電池用裏面回路シートは加水分解を受け易い接着剤を使用しないため、85℃/85%/3000h処理後の接着強度の低下が少ないことがわかった。さらに、接着剤を使用せず積層を真空中で気泡なく行うため、絶縁信頼性に優れることがわかった。即ち、従来とと比較して、耐久性に優れることが判明した。また、回路層のプリプレグへの埋没も確認することができた。
【符号の説明】
【0077】
1 太陽電池モジュール
10 太陽電池用裏面回路シート
11 絶縁基材
12 回路層
13 バリア層
14 導電性接着剤
18 金属箔
30 太陽電池セル
31 電極
40 封止層
101 プレート
105 ラミネート機
107 感光性レジストフィルム
109 露光部
110 非露光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維及び樹脂を含有する複合材料からなる絶縁基材と、
該絶縁基材の表面に積層され、太陽電池セルに電気的に接続される回路層とを備え、
前記回路層が前記絶縁基材の表面に埋没していることを特徴とする太陽電池用裏面回路シート。
【請求項2】
前記回路層の前記絶縁基材の表面に対する埋没量が、前記回路層の厚みの10%以上に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用裏面回路シート。
【請求項3】
受光面側に配置された透光性基板と、該透光性基板の裏面側に配置されたバックシートと、前記透光性基板及び前記バックシートの間に配置され、前記回路層に電気的に接続される太陽電池セルと、該太陽電池セルを封止する封止層とを備えた太陽電池モジュールであって、
前記バックシートが、請求項1又は2に記載の太陽電池用裏面回路シートであることを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項4】
金属箔と繊維及び樹脂を含有する複合材料からなる絶縁基材とを、加圧加熱処理を施すことにより半加圧状態で積層する工程と、
前記絶縁基材層に積層された前記金属箔にパターン加工を施して回路層を形成する工程と、
前記絶縁基材層及び前記回路層にさらに加圧加熱処理を施して、前記絶縁基材における前記樹脂を溶融させるとともに、前記回路層をこの溶融した樹脂内に埋没させる工程とを備えることを特徴とする太陽電池用裏面回路シートの製造方法。
【請求項5】
前記金属箔を前記絶縁基材に積層させる工程が、積層プレス機を用いて行われることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池用裏面回路シートの製造方法。
【請求項6】
前記金属箔を前記絶縁基材に積層させる工程が、ラミネート機を用いて行われることを特徴とする請求項4に記載の太陽電池用裏面回路シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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