説明

好中球優位の炎症性疾患の治療のための9−デオキソ−9A−メチル−9A−アザ−9A−ホモエリスロマイシンA誘導体

本発明は、好中球優位の炎症性疾患の治療において、特に好中球浸潤に起因する好中球優位の炎症性疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患の治療において有用な式(I)
【化1】


[式中、Rは、
(i)無置換の、またはヒドロキシ−C1−3アルコキシおよび−C(O)OC1−3 アルキルから選択される基によって末端炭素原子において置換された、または、− C1−8アルキルが分岐している場合、2個の各末端炭素原子においてヒドロキシル基により置換されていてもよい、−C1−8アルキル、
(ii)O、SおよびNから選択されるヘテロ原子が、場合によって介在していてもよい、−CH(NH)C1−4アルキル、
(iii)RとRがそれぞれ独立してHまたはC1−3アルキルを表すCHN(R)(R)、但し、RとRが両方とも同時にHを表さない、
(iv)O、SおよびNから独立して選択される最大2個のヘテロ原子を含有し、無置換の、または−C1−3アルキルによって置換された、四−六員の複素環式環、
(v)無置換の、またはハロ、ヒドロキシル、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシ、−CF、−OCFおよび−NHから独立して選択される1〜3個の基によって置換された五−六員ヘテロ芳香環、
(vi)アリール基が無置換、または−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシおよびヒドロキシルから独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい、CH(NH)CH−アリール、
(vii)−C3−7シクロアルキル、または
(viii)無置換の、またはハロ、ヒドロキシル、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシ、−CF、−OCFおよび−NHから独立して選択される1または2個の基によって置換されたフェニル
を表す。]
の2’−O−置換14員または15員アザライドマクロライドまたはこれらの塩、これらの製造の方法、治療剤としてのこれらの使用、およびこれらの塩に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炎症性疾患の治療に有用な2’−O−置換14員マクロライドおよび15員アザライドマクロライドに関する。より詳しくは、本発明は、好中球優位の炎症性疾患の治療において、特に好中球浸潤に起因する好中球優位の炎症性疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患の治療において有用な2’−O−置換14員マクロライドおよび15員アザライドマクロライド、これらの調製の方法、治療剤としてのこれらの使用、ならびにこれらの塩に関する。
【背景技術】
【0002】
炎症は、感染症、外傷およびアレルギーなどの様々な損傷の、人体への最終共通路である。それは、炎症細胞の動員および活性化ならびに前炎症性媒介物質の産生を伴う免疫系の活性化を特徴とする。
【0003】
ほとんどの炎症性疾患は、単球/大食細胞、顆粒球、血漿細胞、リンパ球および血小板を含む炎症細胞の異なる比率の増強された蓄積を特徴とする。組織内皮細胞および線維芽細胞と共に、これらの炎症細胞は、局部の組織損傷を引き起こす複雑な一連の脂質、成長因子、サイトカインおよび破壊酵素を放出する。
【0004】
炎症反応の1つの形態は、宿主側防御の主成分である好中球の多形核白血球(PMN、すなわち好中球)による炎症を起こした組織の浸潤を特徴とする好中球の炎症である。好中球は、種々様々の刺激によって活性化し、それらが枢要な役割を果たす場合には、いくつかの臨床症状および疾患に関与する。そのような疾患は、主な好中球の活性化事象(Witko−Sarsatら、Laboratory Investigation(2000)80(5),617−653、Vの638ページ、表3)に従って分類することができる。細胞外の細菌による組織感染症は、この炎症反応の原型を表す。他方では、様々な非感染疾患は、好中球の脈管外の動員を特徴とする。これらの非感染炎症性疾患は、間欠性再起(例えば慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis)などの自己免疫疾患の発赤)または土台となる免疫機能障害から生じる炎症性シグナルの継続的な発生(例えば慢性閉塞性肺疾患(COPD))の結果であり得る。非感染炎症性疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、び漫性汎細気管支炎(DPB)、閉鎖性細気管支炎(BOS)、気管支炎、気管支拡張症、気腫、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS、急性呼吸窮迫症候群または呼吸窮迫症候群、RDSとしても知られる)、ならびに糸球体腎炎、慢性関節リウマチ、痛風性関節炎、潰瘍性大腸炎、乾癬および脈管炎などのある種の皮膚病を含む。これらの症状において、好中球は、持続する場合、正常組織構造の不可逆的破壊を、結果として生じる臓器機能障害を伴ってもたらすことがある、組織傷害の発生に決定的な役割を果たすと考えられる。したがって、唾液または気管支肺胞洗浄液中の好中球の数と重症度と肺機能の低下との間の相関性は、いくつかの例を挙げると、慢性閉塞性肺疾患(DiStefanoら、Am J Respir Crit Care Med.(1998),158(4):1277−1285)、嚢胞性線維症(Sagel S Dら、J Pediatr.(2002),141(6):811−817)、び漫性汎細気管支炎(YanagiharaKら、Int J Antimicrob Agents.(2001),18 Suppl1:S83−87)、閉鎖性細気管支炎(Devouassoux Gら、Transpl Immunol.(2002),10(4):303−310)、気管支炎(Thompson A Bら、Am Rev Respir Dis.(1989),140(6):1527−1537)、気管支拡張症(Sepper Rら、Chest(1995),107(6):1641−1647)、成人型呼吸窮迫症候群(Weiland JEら、Am Rev Respir Dis.(1986),133(2):218−225)、をもつ患者において実証される。さらに、特に重篤な患者および喫煙する患者の喘息において、好中球の炎症の証拠は増加しつつある。(Jatakanon Aら、Am J Respir Crit Care Med.(1999),160:1532−1539、Chalmers G Wら、Chest(2001),120:1917−1922)。いくつかの肺疾患において好中球が重要であるという証拠は、肺への好中球浸潤およびその結果である炎症を抑制する薬物の追求を促してきた。(総説としてBarnes P J、J Allergy Clin Immunol.(2007),119(5):1055−1062)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記式(I)で表される化合物またはその塩:
【化1】

[式中、
Aは二価ラジカル−C(O)−、−N(R)CH2−、−CHN(R)−、−CH(NR1011)−、−C(=NR12)−または−CH(OH)−を表し、
は下記式(a)のα−L−クラジノシル(α-L-cladinosyl group)基を表し、
【化2】

はHまたは−CHを表し、
はHまたは−C(O)C1−3アルキルを表し、または、RおよびRは、介在する原子と共に下記式(b)の環状炭酸エステルを形成し:
【化3】

はHを表し、または、RおよびRは、介在する原子と共に式(b)の環状炭酸エステル基を形成し、
はH、−C1−4アルキルまたは−C(O)C1−3アルキルを表し、
は、
(i)無置換の、またはヒドロキシ、−C1−3アルコキシ、および−C(O)OC1−3アルキルから選択される基によって末端炭素原子において置換された、または、−C1−8アルキルが分岐している場合、2個の各末端炭素原子においてヒドロキシル基により置換されていてもよい、−C1−8アルキル、
(ii)O、SおよびNから選択されるヘテロ原子が、場合によって介在していてもよい、−CH(NH)C1−4アルキル、
(iii)RとRがそれぞれ独立してHまたはC1−3アルキルを表すCHN(R)(R)、但し、RとRが両方とも同時にHを表さない、
(iv)O、SおよびNから独立して選択される最大2個のヘテロ原子を含有し、無置換の、または−C1−3アルキルによって置換された、四−六員複素環式環、
(v)無置換の、またはハロ、ヒドロキシル、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシ、−CF、−OCF、および−NHから独立して選択される1〜3個の基によって置換された五−六員のヘテロ芳香環、
(vi)アリール基が無置換、または−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシ、およびヒドロキシルから独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい、CH(NH)CH−アリール、
(vii)−C3−7シクロアルキル、または
(viii)無置換の、またはハロ、ヒドロキシル、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシ、−CF、−OCF、および−NHから独立して選択される1または2個の基によって置換されたフェニル
を表し、
はHまたは−C1−4アルキルを表し、
10およびR11はそれぞれ独立してH、−C1−6、アルキルまたは−C(O)Rを表し、
12は−OR13であり、
13はH、または無置換の、またはシアノ、−NR1415、および−C1−6アルコキシから独立して選択される1または2個の置換基によって置換された−C1−6アルキル、または−C3−7シクロアルキル、または−C3−6アルケニルであり、
14およびR15は独立してHまたは−C1−6アルキルであり、
かつ、
aは2〜6の整数である]
によって表される、2’−O−置換14員マクロライドおよび15員アザライドマクロライドまたはその塩に関する。
【0006】
本発明はまた、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を含む医薬組成物に関する。
【0007】
さらに、本発明はまた、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、好中球浸潤に起因する好中球優位の炎症性疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患を治療する方法に関する。
【0008】
別の態様によると、本発明は、ヒトまたは畜産の医薬療法で使用するための式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩に関する。
【0009】
別の態様において、本発明は、好中球浸潤に起因する好中球優位の炎症性疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患の治療に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩に関する。
【0010】
別の態様において、本発明は、好中球浸潤に起因する好中球優位の炎症性疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患の治療のための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】インビトロのIL−6産生の抑制とインビボのBALFへの細胞浸潤の抑制との相関を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明が、本明細書において記載される態様の、適切で、好都合で好ましい群の組合せをすべて包含することは理解されるであろう。
【0013】
本明細書において使用される用語「アルキル」は、炭素原子の明示された数を含む直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素ラジカル、例えば1〜4個の炭素原子を含む−C1−4アルキルを指す。「−C1−3アルキル」ラジカルの例としては、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルを包含する。「−C1−4アルキル」ラジカルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびtert−ブチルを包含する。「−C1−8アルキル」ラジカルの例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプタニル、オクタニルなどを包含する。
【0014】
本明細書において使用される用語「C3−6アルケニル」は、1個または複数の炭素炭素二重結合を含み、3から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を指す。そのような基の例はプロペニル、ブテニル、ペンテニルまたはヘキセニルなどを包含する。
【0015】
本明細書において使用される用語「アルコキシ」は、アルキルが上に定義された通りである−O−アルキル基を指す。「−C1−3アルコキシ」ラジカルの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびイソプロポキシを包含する。「−C1−6アルコキシ」ラジカルの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキソキシなどを包含する。
【0016】
本明細書において使用される用語「シクロアルキル」は、炭素原子の明示された数、例えば3から7個の炭素原子を含有する単環式飽和炭化水素環を指す。そのような基の例はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどを包含する。
【0017】
用語「複素環式環」は、酸素、窒素または硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を含有する、飽和、または部分的に不飽和であってよい四−六員単環式環を指す。そのような単環式環の例は、ピロリジニル、アゼチジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、オキシラニル、オキセタニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、オキサチオラニル、オキサチアニル、ジチアニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどを包含する。
【0018】
本明細書において使用される用語「ヘテロ芳香環」または「ヘテロアリール環」は、酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する五、六員単環式芳香環を指す。そのような単環式芳香環の例は、チエニル、フリル、ピロリル、フラザニル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル基、チアジアゾリル、ピラニル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリジル、トリアジニルなどを包含する。
【0019】
本明細書において使用される用語「アリール」は、少なくとも1個の環が芳香族であるC6−10単環式または二環式炭化水素環を指す。そのような基の例はフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフタレニルなどを包含する。
【0020】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子を指す。
【0021】
本明細書において使用される用語「不活性溶媒」または「反応に対して不活性な溶媒」は、溶解された化合物と反応し得ない溶媒を指し、ヘキサン、トルエン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、THF、ジクロロメタンなどの無極性溶媒、アセトニトリル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジンなどの極性の非プロトン性溶媒、ならびに低級アルコール、酢酸、ギ酸および水などの極性のプロトン性溶媒を包含する。
【0022】
本明細書において使用される用語「低級アルコール」は、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノールなどのC1−4アルコールを指す。
【0023】
本発明の一態様は、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩に関する。適切な塩についての総説は、Bergeら、J.Pharm.Sci.,66(1977)1−19を参照されたい。薬学上許容される適切な塩は、酸または塩基の付加塩を含むことができる。
【0024】
適切な付加塩は、無毒な塩を形成する無機酸または有機酸から形成される。例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、水素リン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、サリチル酸塩、プロピオン酸塩、ピルビン酸塩、ヘキサン酸塩、シュウ酸塩、オキサロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、糖酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、アルキルまたはアリールスルホン酸塩(例えばメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩)およびイセチオン酸塩を挙げることができる。例えば塩酸塩または酢酸塩である。
【0025】
有機化学の当業者は、多くの有機化合物が、溶媒(有機化合物はその中で反応し、またはそこから沈殿または結晶化する)と錯体を形成できることを認識するだろう。これらの錯体は「溶媒和物」として知られている。例えば、水との錯体は「水和物」として知られている。本発明の化合物の溶媒和物は本発明の範囲内である。式(I)の化合物の塩は溶媒和物(例えば水和物)を形成することができ、本発明はまたそのような溶媒和物をすべて包含する。
【0026】
一態様において、本発明の化合物は、薬学上許容される塩、溶媒和物または塩の溶媒和物の形態をしていてもよい。さらなる態様において、本発明の式(I)の化合物は、薬学上許容される塩の形態をしていてもよい。
【0027】
以下の「本発明による化合物」または「本発明の化合物」への言及は、式(I)(溶媒和の形態であろうとなかろうと)の化合物、およびその薬学上許容される塩(溶媒和の形態であろうとなかろうと)の両方を包含する。
【0028】
立体異性体に関して、式(I)の化合物は1個を超える不斉炭素原子を有する。一般式(I)において描かれる、くさび形の黒い結合は、結合が紙面より上にあることを示す。破線の結合は、結合が紙面より下にあることを示す。
【0029】
マクロライド上の置換基もまた1個または複数の不斉炭素原子を有することができることは認識されるであろう。したがって、式(I)の化合物は、個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマー、またはラセミ混合物を含むこれらの混合物として存在し得る。そのような異性体はすべて本発明内に包含され、これらの混合物を包含する。
【0030】
ジアステレオマーの分離は、従来の手法、例えば分別晶出、クロマトグラフィまたはH.P.L.C.によって達成することができる。個々の立体異性体はまた、対応する光学的に高純度の中間体から、または適切なキラル支持体を使用するH.P.L.C.などの、対応する混合物の分割によって、または適切な光学活性な酸または塩基を適宜用いて対応する混合物の反応によって形成されるジアステレオ異性塩の分別晶出によって調製することができる。
【0031】
本発明の化合物が幾何異性体(シス/トランスまたは(E)/(Z))として存在することができることは認識されるであろう。本発明は、本発明の化合物の個々の幾何異性体および、適切な場合には、その混合物を包含する。
【0032】
式(I)の化合物は結晶または非晶形であってもよい。さらに、式(I)の化合物の結晶形態のいくつかは、多形として存在してもよく、これらは本発明に包含される。
【0033】
一態様において、本発明は、式(Ia):
【化4】

[式中、
Aは二価ラジカル−C(O)−、−N(R)CH−、−CHN(R)−、−CH(NR1011)−、−C(=NR12)−または−CH(OH)−を表し、
は、式(a)のα−L−クラジノシル基を表し、
【化5】

はHまたは−CHを表し、
はHまたは−C(O)C1−3アルキルを表し、または、RおよびRは、介在する原子と共に式(b)の環状炭酸エステル基を形成し:
【化6】

はHを表し、または、RおよびRは、介在する原子と共に式(b)の環状カーボネート基を形成し、
はH、−C1−4アルキル、または−C(O)C1−3アルキルを表し、
は、
(i)末端炭素原子でヒドロキシによって、場合によって置換されたC1−8アルキル、
(ii)O、SおよびNから選択されるヘテロ原子が、C1−4アルキルに場合によって介在していてもよい、−CH(NH)C1−4アルキル、
(iii)RとRがそれぞれ独立して水素またはC1−3アルキルを表す、CHN(R)(R)、但し、RとRが両方とも同時に水素を表さない、
(iv)O、S、およびNから独立して選択される最大2個のヘテロ原子を含有し、−C1−3アルキルによって場合によって置換されてもよい四−六員の複素環式環、
(v)ピリジル、または
(vi)アリール基が無置換、または−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシおよびヒドロキシルから独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい、−CH(NH)CH−アリール
を表し、
はHまたは−C1−4アルキルを表し、
10およびR11はそれぞれ独立してH、C1−6アルキルまたは−C(O)Rであり、
12は−OR13であり、
13はH、またはシアノ、−NR1415および−C1−6アルコキシから独立して選択される1または2個の置換基によって場合によって置換された−C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、またはC3−6アルケニルであり、
14およびR15は独立してHまたはC1−6アルキルであり、
かつ、
aは2から6の整数である。]
によって表される式(I)の2’−O−置換14もしくは15員アザライドマクロライドまたはその塩を対象とする。
【0034】
本発明の一態様において、Aは、Rが−C1−4アルキルである二価ラジカル−N(R)CH−である。本発明のさらなる態様において、Aは、Rがメチルである二価ラジカル−N(R)CH−である。
【0035】
本発明の一態様において、RはHである。
【0036】
本発明の一態様において、RはHである。
【0037】
本発明の一態様において、RはHである。
【0038】
本発明の一態様において、Rは−C1−4アルキルである。本発明の一態様において、Rはメチルである。
【0039】
本発明の一態様において、Rは、−C1−4アルキルである。本発明のさらなる態様において、Rはメチル、エチル、イソプロピルまたはtert−ブチルである。さらなる態様において、Rは、−C1−3アルコキシ、−C(O)OC1−3アルキルまたはヒドロキシルによって末端炭素原子において置換された−C1−4アルキルである。さらなる態様において、Rは、末端炭素原子で−C1−3アルコキシによって置換された−C1−4アルキルである。さらなる態様において、Rは、末端炭素原子で−C1−3アルコキシによって置換されたメチルである。
【0040】
本発明の一態様において、Rは、2個の各末端炭素原子でヒドロキシル基によって置換された、分岐−C1−8アルキルである。例えば、3個の末端炭素原子をもつ分枝−C1−8アルキルは、(−CH(CH)(CHOH)(CHOH)などのヒドロキシル基によって、3個の末端炭素原子の2個でsubtitutedされていてもよい。
【0041】
本発明の一態様において、Rは−CH(NH)C1−4アルキルである。本発明のさらなる態様において、Rは、−C1−4アルキルに硫黄が介在している−CH(NH)C1−4アルキルである。
【0042】
本発明の一態様において、Rは、RおよびRがそれぞれ独立してHまたは−C1−3アルキルを表す−CHN(R)(R)である。本発明のさらなる態様において、Rは、RおよびRがそれぞれ独立してH、メチルまたはエチルを表す−CHN(R)(R)である。
【0043】
本発明の一態様において、Rは、O、SおよびNから独立して選択される最大2個のヘテロ原子を含む四−六員複素環式環である。本発明のさらなる態様において、Rは、窒素である1個のヘテロ原子を含む五員複素環式環である。さらなる態様において、Rは、メチルによって場合によってN−置換されたピロリジン−2−イルである。本発明のさらなる態様において、Rは、酸素である1個のヘテロ原子を含む六員の複素環式環である。
【0044】
本発明の一態様において、Rは、フラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピロリルおよびイミダゾリルから選択される五−六員のヘテロ芳香環である。本発明のさらなる態様において、Rは、ハロ、CH、CFおよびNHから独立して選択される1〜3個の基によって置換された五−六員ヘテロ芳香環である。
【0045】
本発明の一態様において、Rはピリジルである。
【0046】
本発明の一態様において、Rはオキサゾリルである。
【0047】
本発明の一態様において、Rは−CH(NH)CH−アリールである。本発明のさらなる態様において、Rは−CH(NH)CH−フェニルである。
【0048】
本発明の一態様において、Rは、ハロ、ヒドロキシルおよびNHから独立して選択される1または2個の基によって置換されたフェニルである。
【0049】
本発明の一態様において、RはC3−7シクロアルキルである。本発明のさらなる態様において、Rはシクロブチルである。
【0050】
本発明の一態様において、整数aは3である。
【0051】
一態様において、本発明は、式(I)[式中、Aは二価ラジカル−N(CH)CH−であり、RはHであり、RはHであり、RはHであり、Rはメチルであり、Rは、末端炭素原子で−OC1−3アルキルによって置換されたC1−4アルキルであり、かつ、aは3である。]の化合物を対象とする。
【0052】
一態様において、本発明は、以下から選択される式(I)の化合物またはその塩を含む。
2’−O−[3−(アセチルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−[3−(プロパノイルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(2−メチルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(2,2−ジメチルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(N,N−ジエチルグリシル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(4−ピリジニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(N,N−ジメチルグリシル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(N−メチルグリシル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−[3−(L−プロリルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−[3−(L−フェニルアラニルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−[3−(L−イソロイシルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−[3−(L−メチオニルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[4−(メチルオキシ)−4−オキソブタノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[5−(メチルオキシ)−5−オキソペンタノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(シクロブチルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(メトキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(3−フラニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(5−メチル−2−ピラジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール4−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(3−ピリジニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(エチルオキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(2−ピラジニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(2,5−ジメチル−3−フラニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(1,2,5−トリメチル−1H−ピロール−3−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−[3−({[1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール4−イル]カルボニル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(4−クロロフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(ヒドロキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(2−ピリジニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(2,5−ジヒドロキシフェニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(4−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(2−クロロ−3−ピリジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(2−クロロ−6−メチル−3−ピリジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(5−アミノ−3−ピリジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(3−アミノ−2−ピラジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(2,5−ジメチル−1,3−オキサゾール−4−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(1−メチル−L−プロリル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(3−メチルブタノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA。
【0053】
一態様において、本発明は、2’−O−{3−[(メトキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAである式(I)の化合物を含む。
【0054】
一態様において、本発明は、2’−O−{3−[(メトキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAである、式(I)の化合物またはその塩を含む。
【0055】
一態様において、本発明は、2’−O−{3−[(メトキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAである式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩を含む。
【0056】
一態様において、本発明は、2’−O−{3−[(エチルオキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAである式(I)の化合物を含む。
【0057】
一態様において、本発明は、2’−O−{3−[(エチルオキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAである式(I)の化合物またはその塩を含む。
【0058】
一態様において、本発明は、2’−O−{3−[(エチルオキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAである式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩を含む。
【0059】
本発明の化合物は、(以下に実証するように)炎症を起こした肺組織への好中球の浸潤を抑制する。したがって、これらの化合物は炎症性病状、特に肺組織、例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、び漫性汎細気管支炎(DPB)、閉鎖性細気管支炎(BOS)、気管支炎、気管支拡張症、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS、急性呼吸窮迫症候群または呼吸窮迫症候群、RDSとしても知られる)、重症または耐ステロイド性の喘息(Simpson JLら、(2008)Am J Respir Crit Care Med,177:148−155)、および気腫への、または呼吸器官、例えば慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)(Wallwork Bら、(2006)Laryngoscope,116:189−193)への、好中球の広範囲の浸潤に伴うこれらの病状の、短期および長期治療に潜在的な有用性を有する。さらに、本発明の化合物は、好中球の変化した細胞機能に伴う他の疾患、例えば慢性関節リウマチ(Kitsis EおよびWeissmann G、Clin Orthop Relat Res.(1991),265:63−72)、痛風性関節炎、炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease;潰瘍性大腸炎およびクロン病などの)、糸球体腎炎(Heinzelmann Mら、Am J Kidney Dis.(1999),34(2):384−399)、虚血再灌流(Kaminski KAら、Int J Cardiol.(2002),86(1):41−59)からの損傷、アテローム性動脈硬化症(Henriksen P AおよびSallenave JM.Int J Biochem Cell(2008)、印刷中)、乾癬(Terui Tら、Exp Dermatol.(2000),9(1):1−10)などの皮膚病、および脈管炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、虚血再潅流障害、酒さ、歯周炎、歯肉増殖症および前立腺炎症候群の治療に使用することができる。
【0060】
細菌リポ多糖(LPS)の局所適用によるげっ歯動物の肺の好中球の浸潤の誘発は、肺の炎症性疾患のヒト肺の好中球浸潤の試験モデルとして広く使用されている。本発明者らは、鼻腔内でLPS治療したマウスの気管支肺胞液(broncho−alveolar lung fluid(BALF))への細胞浸潤への化合物の抑制活性とインビトロのLPS刺激したマウス脾細胞によるインターロイキン6(IL−6)産生のそれらの抑制との相関性を観察した。(図1)。したがって、LPS刺激したマウス脾臓細胞のIL−6産生の抑制は、好中球浸潤に起因する好中球優位の炎症性疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患の治療において、化合物のインビボ活性に関する適切なインビトロモデル(バイオマーカー)となり得る。
【0061】
好中球優位の炎症性疾患、特に好中球浸潤に起因する疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患を「治療すること」または「治療」は、症候の緩和および/またはその疾患の悪化の遅延を意味し、無症候性患者の症候再発の抑制を含むことができる。
【0062】
好中球浸潤に起因する好中球優位の炎症性疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、び漫性汎細気管支炎(DPB)、閉鎖性細気管支炎(BOS)、気管支炎、気管支拡張症、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫、慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)、慢性関節リウマチ、痛風性関節炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクロン病)、糸球体腎炎、虚血再灌流からの損傷、アテローム性動脈硬化症、乾癬および脈管炎などの皮膚病、全身性エリトマトーデス(SLE)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、虚血再潅流障害、酒き、歯周炎、歯肉増殖症および前立腺炎症候群を含む。
【0063】
一態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の治療有効量を対象に投与することを含む、そのような治療を必要とする対象における、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、び漫性汎細気管支炎(DPB)、閉鎖性細気管支炎(BOS)、気管支炎、気管支拡張症、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫、慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)、慢性関節リウマチ、痛風性関節炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクロン病)、糸球体腎炎、虚血再灌流からの損傷、アテローム性動脈硬化症、乾癬および脈管炎などの皮膚病、全身性エリトマトーデス(SLE)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、虚血再潅流障害、酒さ、歯周炎、歯肉増殖症および前立腺炎症候群を治療する方法を提供する。
【0064】
一態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の治療有効量を対象に投与することを含む、そのような治療を必要とする対象における、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、び漫性汎細気管支炎、閉鎖性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、成人型呼吸窮迫症候群、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫および慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)を治療する方法を提供する。
【0065】
一態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の治療有効量を対象に投与することを含む、そのような治療を必要とする対象における、慢性閉塞性肺疾患を治療する方法を提供する。
【0066】
さらなる態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の治療有効量を対象に投与することを含む、そのような治療を必要とする対象における、閉鎖性細気管支炎を治療する方法を提供する。
【0067】
さらなる態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の治療有効量を対象に投与することを含む、そのような治療を必要とする対象における、重症または耐ステロイド性の喘息を治療する方法を提供する。
【0068】
さらなる態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の治療有効量を対象に投与することを含む、そのような治療を必要とする対象における、嚢胞性線維症を治療する方法を提供する。
【0069】
一態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の治療有効量を対象に投与することを含む、そのような治療を必要とする対象における、慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)を治療する方法を提供する。
【0070】
一態様において、本発明は、医薬療法において使用される式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を提供する。
【0071】
一態様において、本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、び漫性汎細気管支炎(DPB)、閉鎖性細気管支炎(BOS)、気管支炎、気管支拡張症、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫、慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)、慢性関節リウマチ、痛風性関節炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクロン病)、糸球体腎炎、虚血再灌流からの損傷、アテローム性動脈硬化症、乾癬および脈管炎などの皮膚病、全身性エリトマトーデス(SLE)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、虚血再潅流障害、酒き、歯周炎、歯肉増殖症および前立腺炎症候群の治療において使用される、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を提供する。
【0072】
別の態様において、本発明は、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、び漫性汎細気管支炎、閉鎖性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、成人型呼吸窮迫症候群、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫および慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)の治療において使用される、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を提供する。
【0073】
さらなる態様において、本発明は、慢性閉塞性肺疾患の治療において使用される、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を提供する。
【0074】
さらなる態様において、本発明は、閉鎖性細気管支炎の治療において使用される、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を提供する。
【0075】
さらなる態様において、本発明は、重症または耐ステロイド性の喘息の治療において使用される、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を提供する。
【0076】
さらなる態様において、本発明は、嚢胞性線維症の治療において使用される、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を提供する。
【0077】
さらなる態様において、本発明は、慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)の治療において使用される、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を提供する。
【0078】
さらなる態様において、本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、び漫性汎細気管支炎(DPB)、閉鎖性細気管支炎(BOS)、気管支炎、気管支拡張症、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫、慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)慢性関節リウマチ、痛風性関節炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクロン病)、糸球体腎炎、虚血再灌流からの損傷、アテローム性動脈硬化症、乾癬および脈管炎などの皮膚病、全身性エリトマトーデス(SLE)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、虚血再潅流障害、酒き、歯周炎、歯肉増殖症および前立腺炎症候群の治療のための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の使用を提供する。
【0079】
本発明のさらなる態様において、本発明は、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、び漫性汎細気管支炎、閉鎖性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、成人型呼吸窮迫症候群、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫および慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)の治療のための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の使用を提供する。
【0080】
さらなる態様において、本発明は、慢性閉塞性肺疾患の治療のための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の使用を提供する。
【0081】
さらなる態様において、本発明は、閉鎖性細気管支炎のための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の使用を提供する。
【0082】
さらなる態様において、本発明は、重症または耐ステロイド性の喘息の治療のための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の使用を提供する。
【0083】
さらなる態様において、本発明は、嚢胞性線維症の治療のための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の使用を提供する。
【0084】
さらなる態様において、本発明は、慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)の治療のための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の使用を提供する。
【0085】
本発明はまた、そのような治療を必要とする対象における、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、び漫性汎細気管支炎(DPB)、閉鎖性細気管支炎(BOS)、気管支炎、気管支拡張症、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫、慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)、慢性関節リウマチ、痛風性関節炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクロン病)、糸球体腎炎、虚血再灌流からの損傷、アテローム性動脈硬化症、乾癬および脈管炎などの皮膚病、全身性エリトマトーデス(SLE)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、虚血再潅流障害、酒さ、歯周炎、歯肉増殖症および前立腺炎症候群の治療に有効な量の式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を含む医薬組成物を対象とする。
【0086】
別の態様において、本発明はまた、そのような治療を必要とする対象における、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、び漫性汎細気管支炎、閉鎖性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、急性呼吸窮迫症候群、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫および慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)の治療に有効な量の式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を含む組成物を対象とする。
【0087】
本発明は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、び漫性汎細気管支炎(DPB)、閉鎖性細気管支炎(BOS)、気管支炎、気管支拡張症、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫、慢性副鼻腔炎(鼻ポリープ症の有無に関わらず)、慢性関節リウマチ、痛風性関節炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクロン病)糸球体腎炎、虚血再灌流からの損傷、アテローム性動脈硬化症、乾癬および脈管炎などの皮膚病、全身性エリトマトーデス(SLE)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、虚血再潅流障害、酒さ、歯周炎、歯肉増殖症および前立腺炎症候群の治療のための、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を含む医薬組成物にさらに関する。
【0088】
本発明は、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、び漫性汎細気管支炎、閉鎖性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、急性呼吸窮迫症候群、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫および慢性副鼻腔炎(鼻のポリープ症の有無に関わらず)の治療のための、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を含む医薬組成物にさらに関する。
【0089】
治療される対象にとっての恩恵は統計的に有意であるか、または、その対象または医師にとって少なくとも認知可能であるかの、いずれかである。
【0090】
「対象」とは、動物、特に哺乳動物、とりわけヒトもしくは家畜または疾患のモデル(例えば、マウス、猿など)として役立つ動物を指す。一態様において、対象はヒトである。
【0091】
「治療有効量」は、好中球浸潤に起因する好中球優位の炎症性疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患を治療するために対象に投与された場合、そのような治療を達成するのに十分である化合物の量を意味する。「治療有効量」は、治療される対象の疾患、その重症度および年齢、体重、健康状態および反応性に応じて変動し、究極的には、関与する医師の裁量に委ねられる。
【0092】
医薬組成物
本発明の方法において使用するために、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩が、バルク物質として投与されてもよいが、例えば、意図する投与経路および薬事の標準慣行に関連して選択される、薬学上許容される少なくとも1種の担体と医薬を混合して、医薬製剤中に活性成分を与えることが好ましい。
【0093】
したがって、本発明は、a)式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩およびb)一種または二種以上の薬学上許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0094】
用語「担体」は、活性化合物が共に投与される希釈剤、賦形剤および/またはビヒクルを指す。本発明の医薬組成物は、複数の担体の組合せを含んでいてもよい。そのような製薬担体は、水、塩水、水性デキストロース溶液、水性グリセリン溶液、および石油、動物、落花生油、大豆油、鉱油、ごま油などの植物または合成起源のものを含むオイルなどの、無菌の液体であってよい。水または塩水溶液および水性のデキストロースおよびグリセリンの溶液は、好ましくは担体として特に注射剤に使用される。適切な製薬担体は、E.W.Martin「Remington’s Pharmaceutical Sciences」第18版に記載されている。製薬担体の選択は意図する投与経路および薬事の標準慣行に関連して選択することができる。医薬組成物は、担体に加えて、何らかの適切な結合剤(複数可)、潤滑剤(複数可)、懸濁剤(複数可)、コーティング剤(複数可)および/または可溶化剤(複数可)を含むことができる。
【0095】
語句「薬学上許容される」は、本明細書に使用される場合、哺乳動物(例えばヒト)に投与された場合、一般に生理学上耐えられ、通常有害反応を発生しない、組成物の塩、分子実体および他の成分を指す。適切には、用語「薬学上許容される」は、本明細書に使用される場合、哺乳動物、とりわけヒトに使用するために、連邦または州政府の取り締まり機関によって承認されている、または米国の薬局方または他の一般に認知された薬局方においてリストされていることを意味する。
【0096】
「薬学上許容される賦形剤」は、一般に安全で無毒で、生物学上もそれ以外でも不都合のない医薬組成物を調製するのに有用な賦形剤を意味し、ヒトの製薬の使用だけでなく畜産の使用に対しても許容される賦形剤を包含する。本出願において使用される「薬学上許容される賦形剤」は一種および二種以上のそのような賦形剤を包含する。
【0097】
本発明は、式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩を含む、好中球浸潤に起因する好中球優位の炎症性疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患の治療のための医薬組成物にさらに関連する。
【0098】
本発明は、a)10から2000mgの式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩、およびb)0.1〜2gの一種または二種以上の薬学上許容される賦形剤を含む医薬組成物にさらに関する。
【0099】
本発明によって使用するための医薬組成物が、一種または二種以上の薬学上許容される担体または賦形剤を使用して、従来の手法で製剤化することができる、経口、非経口、経皮的、吸入、舌下、局所、インプラント、鼻または腸内で投与される(または他の粘膜に投与される)懸濁液、溶液、カプセル剤または錠剤の形態であってよいことが認識されるであろう。
【0100】
一態様において、医薬組成物は経口投与用に製剤化される。
【0101】
本発明の化合物は、即時放出、遅延放出、修正放出、保持放出、パルス放出または制御放出に適用するために投与することができる。
【0102】
一態様において、経口組成物は、緩徐の、遅延したまたは配置した放出(例えば腸、特に結腸での放出)の錠剤またはカプセル剤である。この放出プロファイルは、例えば、胃内の条件に耐性があるが、病巣または炎症の部位が明らかになった結腸または胃腸管の他の部分において内容物を放出するコーティングを使用することによって達成することができる。または、遅延放出は、崩壊するのが単に遅いコーティングによって達成することができる。または、2種の(遅延および配置した放出)プロファイルは、一種または二種以上の適切なコーティングおよび他の賦形剤の選択によって単一の製剤に組み合わせることができる。そのような製剤は、本発明のさらなる特色を構成する。
【0103】
遅延したまたは配置した放出の、および/または、腸コーティングした経口製剤に適する組成物は、湿らせた場合、耐水性、pH感受性、緩慢であるが規則的な速さで消化される、腸液によって乳化または脱落する物質を用いて被覆した錠剤製剤フィルムを包含する。適切なコーティング材料は、これらに限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、metacrylic酸およびそのエステルのポリマーおよびこれらの組合せを含む。ポリエチレングリコール、フタル酸ジブチル、トリアセチンおよびヒマシ油などの可塑剤を使用することができるが、これらに限定されない。顔料もまたフィルムを着色するために使用することができる。坐剤は、カカオ脂、坐剤基剤(例えば、Suppocire CおよびSuppocire NA50(Gattefosse Deutschland GmbH、D−Weil am Rhein,Germanyによって供給される)ならびに水素化パーム油およびパーム核油(C8−18トリグリセリド)のエステル交換、グリセリンおよび特定の脂肪酸のエステル化によって得られる他のSuppocire型賦形剤、またはポリグリコシル化グリセリド、ならびにウィテップゾール(whitepsol)(添加剤を含む水素化植物油誘導体)などの担体を使用することによって調製することができる。浣腸剤は、本発明による適切な活性化合物、懸濁化の溶媒または賦形剤を使用することにより製剤化される。懸濁液は、微粉化化合物、ならびに以下のような懸濁安定剤、増粘剤および乳化剤を含有する適切なビヒクルを使用することにより製造することができる。カルボキシメチルセルロースおよびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシビニルポリマーおよびその塩、アルギン酸およびその塩、アルギン酸プロピレングリコール、キトサン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミドポリマー、ポリビニルメタクリル酸塩、ポリエチレングリコール、プルロニック、ゼラチン、メチルビニルエーテル無水マレイン酸コポリマー、可溶性澱粉、プルラン、およびアクリル酸メチルおよび2−エチルヘキシルアクリレートレシチンのコポリマー、レシチン誘導体、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン水和ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、およびプルロニック、ならびに6.5から8のpHの範囲の適切な緩衝系。防腐剤、隠蔽剤の使用は適切である。微粉化粒子の平均直径は1〜20マイクロメートルの間であってよく、または1マイクロメートル未満であってもよい。化合物はまた、その水溶性塩形態を使用することによって、製剤に組み込むことができる。
【0104】
代替として、材料は錠剤のマトリクス(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロースまたはアクリル酸およびメタクリル酸エステルのポリマー)に組み込むことができる。後者の材料はまた、圧縮コーティングによって錠剤に適用することができる。
【0105】
投与の方法に依存して、異なる形態を有し得る薬学上許容される担体と治療有効量の活性物質を混合することによって、医薬組成物は調製することができる。医薬組成物は、従来の医薬賦形剤および調製の方法を使用することによって、調製することができる。経口投与のための形態は、カプセル剤、散剤または錠剤であってよい。ここで、ラクトース、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、マニトールを含む通常の固体ビヒクル、ならびに、これらに限定されないが、エタノール、グリセリンおよび水を含む通常の液体経口賦形剤が添加されてもよい。すべての賦形剤は、崩壊剤、溶媒、粒化剤、湿潤剤および結合剤と混合することができる。経口組成物の調製のために固体担体が使用される場合(例えば、デンプン、糖、カオリン、結合剤、崩壊剤)、調製物は、限定されないが、散剤、顆粒もしくはコート粒子を含むカプセル剤、錠剤、硬質ゼラチンカプセル剤、または顆粒剤の形態であってよく、また固体担体の量は変動し得る(1mg−1gの間)。錠剤およびカプセル剤は好ましい経口組成物形態である。
【0106】
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、例えば溶液、懸濁液または乳剤を含む意図する投与方法に適切な任意の形態であってよい。液体の担体は、溶液、懸濁液および乳濁液を調製するのに通常使用される。本発明の実施における使用が企図される液体担体は、例えば水、食塩水、薬学上許容される有機溶媒(複数可)、薬学上許容されるオイルまたは脂肪など、ならびにこれらの2種以上の混合物を含む。液体担体は、他の適切な薬学上許容される添加物(例えば、可溶化剤、乳化剤、栄養剤、緩衝剤、防腐剤、懸濁剤、増粘剤、粘性調節剤、安定剤など)を含み得る。適切な有機溶媒は、例えば、エタノールなどの一価アルコール、およびグリコールなどの多価アルコールを包含する。適切なオイルは例えば、大豆油、やし油、オリーブオイル、サフラワー油、綿実油などを包含する。非経口投与について、担体はまた、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルなどの油性エステルであってよい。本発明の組成物はまた、微小粒子、微小カプセル、リポソームカプセルなど、ならびにこれらの任意の2種以上の組合せの形態であってよい。
【0107】
本発明において有用な経口組成物のための薬学上許容される崩壊剤の例としては、限定されないが、デンプン、α化デンプン、グリコール酸デンプンナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロース、アルギン酸塩、樹脂、界面活性剤、発泡性組成物、水性ケイ酸アルミニウムおよび架橋ポリビニルピロリドンが挙げられる。
【0108】
本明細書における有用な経口組成物のための薬学上許容される結合剤の例としては、限定されないが、アラビアゴム、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロース)、ゼラチン、グルコース、デキストロース、キシリトール、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、トラガカント、キサンタン樹脂、アルギン酸塩、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリエチレングリコールまたはベントナイトが挙げられる。
【0109】
経口組成物のための薬学上許容される充填剤の例としては、限定されないが、ラクトース、アンヒドロラクトース、ラクトース一水和物、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、セルロース(特に微結晶性セルロース)、ジヒドロまたはアンヒドロリン酸カルシウム、炭酸カルシウムおよび硫酸カルシウムが挙げられる。
【0110】
本発明の組成物において有用な薬学上許容される潤滑剤の例としては、限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドのポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素が挙げられる。
【0111】
経口組成物のための適切な薬学上許容される香味料の例としては、限定されないが、合成芳香および天然芳香油(例えば、オイル、花、果実(例えば、バナナ、リンゴ、スミノミザクラ、モモ)およびこれらの組合せの抽出物)、ならびに類似の芳香が挙げられる。その使用は多くの因子に依存し、医薬組成物を服用する集団に対する感覚受容の許容性が最も重要である。
【0112】
経口組成物のための適切な薬学上許容される色素の例としては、限定されないが、合成色素および天然色素(例えば、二酸化チタン、βカロテンおよびグレープフルーツ皮の抽出物)が挙げられる。
【0113】
経口組成物のための薬学上許容される甘味料の適切な例としては、限定されないが、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、ラクトースおよびスクロースが挙げられる。
【0114】
薬学上許容される緩衝剤の適切な例は、限定されないが、クエン酸、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウムおよび水酸化マグネシウムが挙げられる。
【0115】
薬学上許容される界面活性剤の適切な例としては、限定されないが、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベートが挙げられる。
【0116】
薬学上許容される防腐剤の適切な例としては、限定されないが、例えば、エタノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、クロロブタノールなどの溶媒、四級アンモニウム塩およびパラベン(例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンなど)などの種々の抗菌剤および抗真菌剤が挙げられる。
【0117】
薬学上許容される安定剤および抗酸化剤の適切な例としては、限定されないが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、チオ尿素、トコフェロールおよびブチルヒドロキシアニソールが挙げられる。
【0118】
本発明の化合物はまた、例えば坐剤(例えば、ヒトまたは動物の医療における使用のための従来の坐薬基剤を含む)として、またはペッサリー(例えば、従来のペッサリー基剤を含む)として製剤化することができる。
【0119】
本発明による化合物は、局所投与のために、ヒトまたは動物の医療において使用するために、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、ヒドロゲル、ローション剤、溶液、シャンプー、散剤(噴霧または散布粉剤を含む)、ペッサリー、タンポン、噴霧剤、ディップ、エアロゾル、点滴剤(例えば、目、耳もしくは鼻点滴剤)または灌注剤(pour−on)の形態で製剤され得る。
【0120】
皮膚への局所的な適用のために、本発明の化合物は、例えば以下の一種または二種以上との混合物中に懸濁または溶解された活性化合物を含む適切な軟膏として製剤化することができる:ミネラル油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ろう、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水。そのような組成物はまた、他の薬学上許容される賦形剤(例えば、ポリマー、オイル、液体担体、界面活性剤、緩衝剤、防腐剤、安定剤、抗酸化剤、湿潤剤、軟化剤、着色料および香味料)を含んでいてもよい。
【0121】
そのような局所組成物に適切な薬学上許容されるポリマーの例としては、限定されないが、アクリルポリマー、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロース)、天然ポリマー(例えば、アルギン酸塩、トラガカント、ペクチン、キサンタンおよびシトサン(cytosan))が挙げられる。
【0122】
示すように、本発明の化合物は鼻腔内にまたは吸入によって投与することができ、適切な噴霧剤(例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA134AT)または1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA227EA)などのヒドロフルオロアルカン)を使用して、加圧容器、ポンプ、スプレーまたはネブライザーからの乾燥散剤吸入器またはエアロゾル噴霧剤組成の形態で簡便に送達される。加圧エアロゾルの場合、用量単位は、計量される量の送達のための弁を備えることによって、決定することができる。加圧容器、ポンプ、スプレーまたはネブライザーは、例えば溶媒としてのエタノールおよび噴霧剤の混合物(これは、潤滑剤、例えば、トリオレイン酸ソルビタンをさらに含み得る)を使用して、活性化合物の溶液または懸濁液を含むことができる。
【0123】
吸入器または注入器における使用のためのカプセルおよび薬包(例えば、ゼラチンから作られる)は、化合物および適切な散剤基剤(例えば、ラクトースまたはデンプン)の散剤混合物を含むように製剤化することができる。
【0124】
吸入による局所投与のために、本発明による化合物は、ヒトまたは動物の医療における使用のためにネブライザーを介して送達することができる。
【0125】
本発明の化合物が非経口的に投与される場合、そのような投与の例は、静脈内に、動脈内に、腹腔内に、鞘内に、脳室内に、尿道内に、胸骨内に、頭蓋内に、筋肉内にまたは皮下に医薬を投与することの一種または二種以上を含み、および/または注入手法の使用による。
【0126】
非経口投与に関して、化合物は、他の物質、例えば、溶液を血液と等張にする十分な塩またはグルコースを含んでいてもよい無菌液剤の形態で最も好適に使用される。必要ならば、水溶液は適切にバッファーを用いるべきである(好ましくは3から9のpHに)。無菌条件の下で適切な非経口の製剤の調製は、当業者に周知の標準製薬手法によって容易に遂行される。
【0127】
本発明による化合物は、注射によって(例えば静脈内ボーラス注射もしくは注入によって、または筋肉内、皮下もしくは鞘内の経路によって)、ヒトまたは動物の医療において使用するために製剤化することができ、また、必要な場合、防腐剤を添加して、単位用量形態で、アンプル、または他の単位用量容器、または多重用量容器で与えられてもよい。注射用の組成物は、油性または水性ビヒクル中の、懸濁液、溶液または乳濁液の形態であってよく、懸濁剤、安定剤、可溶化剤および/または分散剤などの製剤化剤を含んでいてもよい。代替として、活性成分は、使用の前に適切なビヒクル(例えば無菌の、発熱性物質を含まない水)を用いて再構成するための無菌の粉末形態であってもよい。
【0128】
本発明の医薬組成物は、0.01〜99%(重量/体積)の活性物質を含み得る。局所投与について、例えば組成物は一般に0.01−10%、より好ましくは0.01−1%の活性物質を含む。
【0129】
本発明の化合物の治療有効量は、当分野において公知の方法によって求めることができる。治療有効量は、対象の年齢および一般的な生理学的状態、投与経路および使用される医薬製剤に依存する。治療用量は、一般に約10から2000mg/日の間であり、適切には約30から1500mg/日の間である。例えば50−500mg/日、50−300mg/日、100−200mg/日を含む、他の範囲が使用することができる。短期ヒト治療に対して使用される一日量は、0.01〜250mg/kg体重の範囲、適切には2−100mg/kg体重、または適切には5−60mg/kg体重であり、例えば投与経路および対象の条件に依存して、1日1回から4回で投与することができる。組成物が投与単位を含む場合、各単位は、好ましくは、活性成分10mgから2g、適切には活性成分200mgから1gを含有する。
【0130】
投与は1日に1度、1日に2度またはそれより多くであってもよく、疾患または障害の維持期の間に減少してもよい(例えば、毎日または1日に2回の代わりに2、3日ごとに1回)。用量および投与頻度は、当業者に公知の急性期の少なくとも1つ以上、好ましくは1つより多くの臨床徴候が減少または欠如する、臨床徴候に依存する。本発明の一態様において、投与は1日1回の経口服用である。
【0131】
一態様において、本発明は、a)式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩およびb)一種または二種以上のさらなる治療上活性な医薬を含む組合せを提供する。
【0132】
上に言及した組合せは、医薬組成物の形態での使用に対して都合よく提示することができる。したがって、その一種または二種以上の薬学上許容される担体と一緒に上に定義された組合せを含む医薬組成物は、本発明のさらなる態様を表す。
【0133】
そのような組合せの個々の成分は、別々のまたは組み合わせた医薬製剤において連続してまたは同時に投与されてもよい。公知の治療剤の適切な用量は、当業者によって容易に認識されるであろう。
【0134】
調製の方法
式(I)およびその塩の化合物は、以下に略述される一般法、または本発明のさらなる態様を構成する当業界で公知の任意の方法によって調製することができる。以下の説明において、基A、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびaは、他に断らない限り、式(I)の化合物に対して定義した意味を有する。
【0135】
式(I)の化合物の調製において使用される中間体の保護された誘導体を使用するのが望ましいことがあることは、当業者によって認識されるであろう。官能基の保護および脱保護は、当業界で公知の方法によって実施することができる。ヒドロキシルまたはアミノ基は、何らかのヒドロキシルまたはアミノ保護基(例えばGreenおよびWuts、Protective Groupsin Organic Synthesis.John Wiley and Sons,New York,1999に記載されているように)を用いて保護することができる。保護基は従来の手法によって除去することができる。例えば、アシル基(アルカノイル、アルコキシカルボニルおよびアリーロイル基などの)は加溶媒分解(例えば酸性または塩基性条件下での加水分解による)によって除去することができる。ベンジル基は、パラジウム炭素などの触媒の存在下で水素化分解によって開裂することができる。1,2ジオール基はN,N−ジメチルアセトアミド(DMADMA)のジメチルアセタールとの、またはN,N−ジメチルホルムアミド(DMFDMA)のジメチルアセタールとの反応によってアセタールとして保護することができ、水素化分解または還流してメタノリシスによって除去することができる。(Tetrahedron Lett.12(1971),813−816,Collection Czech.Chem.Commun.32(1967),3159)。
【0136】
目標化合物の合成は、当業者に周知である標準手法を使用する最終直前中間体中に存在する何らかの保護基の除去により完了する。次いで、最終生成物は、シリカゲルクロマトグラフィ、シリカゲルのHPLCなどの標準手法を使用して、または再結晶によって、必要なときに、精製される。
【0137】
がC1−4アルキルまたはC(O)C1−3アルキルである式(I)の化合物は、ポリマー支持カルボジイミド(PSCDI)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などのカルボジイミドまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0.]ウンデカ−7−エン(DBU)の存在下で、ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(HOBt)の存在下で、ハロ炭化水素(例えばジクロロメタン)、N,N−ジメチルホルムアミドまたはこれらの混合物などの適切な不活性有機溶媒中において場合によってジメチルアミノピリジンまたはトリエチルアミンなどの第三級有機塩基の存在下で、または無機塩基(例えば水酸化ナトリウム)の存在下で、0℃から120℃の範囲の温度で、式(II)
【化7】

のアミンを、式(III)HOOCRの適切な酸と反応させることによって調製することができる。
【0138】
がC1−4アルキルである式(I)の化合物は、RがHである式(I)の化合物のアルキル化によって、例えば、Rがメチルである場合、RがHである化合物のクロロホルム溶液をギ酸の存在下でホルムアルデヒドでアルキル化することにより調製することができる。RがC2−4アルキルである式(I)の化合物はまた、RがHである式(I)の化合物を、式C1−3アルキルC(O)Hのアルデヒドで還元N−アルキル化することによって調製することができる。
【0139】
が−C(O)C1−3アルキルである式(I)の化合物は、RがHであり、R、Rが適切なヒドロキシ保護基であり、また、RがC/4’’−ヒドロキシル保護基を有する式(a)のα−L−クラジノシル基を表す式(I)の化合物からdicloromethaneなどの適切な溶媒中のDCCおよびDMAPの存在下で適切なカルボン酸C1−3アルキルC(O)OHとの反応によって調製することができる。
【0140】
が水素である式(I)の化合物は、3’−NMe基のモノ脱メチル化の従来の手法による、RがC1−4アルキル、適切にはメチルである式(I)の化合物の反応によって、例えば、酢酸ナトリウム三水和物の存在下で紫外照射(好ましくは500Wハロゲンランプを用いて)下でヨウ素との反応によって(US3,725,385およびWO2004/013153)、または式(I)の化合物を、アセトニトリル中室温でN−ヨードスクシンイミドと反応させることによって(J.Org.Chem.65(2000)3875−3876)、またはUS5,250,518中に記載されているようにモルホリンの存在下でヨウ素とまたはクロロ蟻酸ベンジルと反応させ、続いて2’および3’位でベンジルオキシカルボニル基を脱離させることによって調製することができる。
【0141】
式(II)[式中、aは2から6の整数であり、RはC1−4アルキルまたはC(O)C1−3アルキルである。]の化合物は、a’が1〜5の整数である式(IV)
【化8】

の化合物からシアノ窒素の−NHへの還元によって調製することができる。
【0142】
反応は、酢酸などの適切な溶媒中において、二酸化白金などの適切な触媒の存在下で、3から7バールの範囲の圧力、適切には5バールの適切な圧力で、水素化などの適切な還元条件を使用して適切に行われる。
【0143】
a’が2である式(IV)の化合物は、DMSOまたはt−BuOHなどの適切な溶媒中において、NaOH、KOtBu、NaOtBuまたはNaHなどの強塩基の存在下で、式(V)
【化9】

[式中、R、Rは適切なヒドロキシ保護基であり、RはC/4’’−ヒドロキシル保護基を有する式(a)のα−L−クラジノシル基を表す。]の化合物のアクリロニトリルとの反応によって、調製することができる。
【0144】
a’が1である式(IV)の化合物は、DMSOまたはt−BuOHなどの適切な溶媒中において、NaOH、KOtBu、NaOtBuまたはNaHなどの強塩基の存在下で、式(V)[式中、R、Rは適切なヒドロキシ保護基であり、Rは、C/4’’−ヒドロキシル保護基を有する式(a)のα−L−クラジノシル基を表す。]の化合物の、適切なモノハロゲン化されたアセトニトリル(例えばクロロアセトニトリル)との反応によって、調製することができる。
【0145】
a’が3から5の整数である式(IV)の化合物は、Grubbsメタセシス(A.K.Chatterjee,T.−L.Choi,D.P.Sanders,R.H.Grubbs,JACS125(2003)11360)の条件下で、式(VI)
【化10】

[式中、R、Rは適切なヒドロキシ保護基であり、Rは、C/4’’−ヒドロキシル保護基を有する式(a)のα−L−クラジノシル基を表す。]の化合物の、a’’が0から2の整数である式(VII)
【化11】

の化合物との反応によって、調製することができる。二重結合(−CN基ではない)の選択的還元は、エタノールまたはメタノールなどのアルコールなどの適切な溶媒中において、Pd/C触媒の存在下で水素化によって達成することができる(J.Med.Chem51(2008)424−431)。
【0146】
式(II)[式中、aは5または6の整数であり、RはC1−4アルキルまたはC(O)C1−3アルキルである。]の化合物はまた、上記のGrubbsメタセシスを使用し、ただし、酢酸などの適切な溶媒中において、3から7バールの範囲の圧力、適切には5バールの適切な圧力で、二酸化白金などの適切な触媒の存在下で水素化などの酸性還元条件を使用して、式(VI)および(VII)の化合物から調製することができる。
【0147】
式(VI)の化合物は、式(V)[式中、R、Rは適切なヒドロキシ保護基であり、Rは、C/4’’−ヒドロキシル保護基を有する式(a)のα−L−クラジノシル基を表す。]の化合物のパラジウム触媒アリル化によって、例えば、WO2006/120541中の中間体16に記載された手順によって、調製することができる。
【0148】
およびRが、介在する原子と共に式(b)、
【化12】

の環状炭酸エステル基を形成する式(V)の化合物および式(I)の化合物は、それぞれがRおよびRがHである式(V)の化合物および式(I)の化合物から、当業界で公知の類似した方法によって調製することができる。このようにして、これらは、J.Antibiot.40(1987),1006−1015およびEP0307177の手順によって調製することができる。
【0149】
Aが−C(O)−を表しRがメチルである式(V)の化合物は、J.Antibiotics37(1984)187−189に従って調製することができる。
【0150】
式(V)[式中、Aは−C(=NOR)−を表し、Rは水素またはメチルである。]の化合物は、米国特許3,478,014またはJ.Antibiotics44(1991)313−330に従って調製することができる。
【0151】
Aが−CH(OH)−を表す式(V)の化合物は、Aが−C(O)−である式(V)の化合物からJ.Antibiotics(1990)1334−1336に従って還元剤、例えば水素化物(水素化ホウ素ナトリウム水素化ホウ素リチウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化アルミニウムリチウム)を使用して調製することができる。
【0152】
Aが−N(R)CH−または−CHN(R)−を表す式(V)の化合物は、J.Chem.Soc.PerkinTrans(1986)1881−1890、J.ChemRes.S(1988)152−153;(M)(1988)1239−1261、J.Antibiotics41(1988)1029−1047およびEP0508725に記載された手順に従って、対応する9a−イミノエーテルまたは8a−イミノエーテルの還元に続いて還元N−アルキル化によって得ることができる。
【0153】
式(V)[式中、Aは−CH(NR1011)を表し、R10およびR11はHである。]の化合物は、Tetrahedron Lett.,11(1970)157−160に記載されているように調製することができる。
【0154】
式(V)[式中、Aは−CH(NR1011)−を表し、R10およびR11は−C1−6アルキルまたは−C(O)Rである。]の化合物は、J.Med.Chem.,16(1973),1059−1060に記載されている手順に従って調製することができる。
【0155】
式(V)[式中、Aは−CH(NR1011)−を表し、R10およびR11は−C1−6アルキルである。]の化合物はまた、J.Antibiotics41(1988)1029−1047に記載されている手順に従って調製することができる。式IIIおよびVIIの化合物は、市販、または当業界で周知の方法によって容易に調製することができる。
【0156】
本発明の目的をも表す薬学上許容される酸付加塩は、反応に不活性な溶媒中で少なくとも等モルの量の対応する無機酸または有機酸、例えば、塩酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、ラウリルスルホン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、コハク酸、エチルコハク酸、ラクトビオン酸、シュウ酸、サリチル酸および類似の酸との、式(I)の化合物の反応によって得ることができる。付加塩は、溶媒を蒸発させることにより、または代替として自発的な沈澱または無極性助溶媒の添加による沈澱の後に、濾過により単離される。
【0157】
バイオアッセイ
好中球浸潤に起因する好中球優位の炎症性疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患の治療の恩恵を提供するための有利なプロファイルを有する、本発明の化合物の可能性を、例えば次のアッセイを用いて実証することができる。
【0158】
本明細書に定義されるバイオアッセイを用いて分析される化合物は、次の結果の少なくとも1つを示す場合、活性であると見なされる:
a)LPS刺激マウスspleenocytesアッセイにおけるIL−6産生のインビトロ抑制の、40%以上、適切には50%以上の抑制、および/または
b)オスBALB/cJマウスにおいて細菌性リポ多糖体によって誘発されるインビボの肺好中球増加症での、40%以上、適切には50%以上の抑制−方法A、および/または
c)オスBALB/cJマウスにおいて細菌性リポ多糖体によって誘発されるインビボの肺好中球増加症の、30%以上、適切には50%以上の抑制−方法B、および/または
d)インビボ喫煙誘発性肺好中球増加症アッセイにおけるBALFにおける統計的に有意な好中球数の減少。
【0159】
次の略語が本文において用いられるコロニー形成ユニットにはcfu、ジメチルスルホキシドにはDMSO、細菌性リポ多糖体にはLPS、リン酸緩衝生理食塩水にはPBSおよび気管支肺胞洗浄にはBAL。
【0160】
インビトロスクリーニングプロトコル
化合物の調製
インビトロアッセイにおいて用いる試験および参照物質を、ジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma Chemical Co.,米国)に50mMの濃度で溶解し、適切な細胞培養培地の濃度を試験するためにさらに希釈した。
【0161】
LPS刺激マウス脾細胞におけるIL−6産生のインビトロの抑制
頸椎脱臼後、マウスの脾臓を無菌の解剖用具を用いて除去した。脾臓を、50mLの無菌円錐管中の予め濡らしておいた細胞ストレーナーに移し、緩やかに捏ねて細胞懸濁液を作成した。細胞を遠心分離機にかけ(20分、300xg)、2mLの無菌のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Sigma Chemical Co.,米国)中で再懸濁した。赤血球を、3mLの滅菌水を加え、時々緩やかに1分間振り混ぜることによって溶解した。その後、管にDMEM培養液を40mLまで充填し、遠心分離機にかけた(20分、300xg)。細胞を、1%FBSを補ったDMEM中で再懸濁し、培養液1mL当たり1x106セルで24ウェルプレートに接種した。1%の熱不活性化したウシ胎児血清(FBS)(BioWest,Ringmer,英国)を補ったダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(Gibco、米国)中に50mMDMSOストックを希釈することによって、50μM、25μM、12.5μM、6.3μMおよび3.1μMの最終濃度の試験化合物を調製した。5%のCOおよび90%の湿度の雰囲気で、試験化合物と共に、細胞を37℃で3時間予備培養した。その後、1μg/mLのリポ多糖体(LPS,E.coli0111:B4,Sigma Chemical Co.,米国)を用いて、細胞を刺激し、一晩インキュベートした。製造業者の推奨に従い捕捉抗体および検出抗体(R&D Systems、米国)を用いるサンドイッチELISAによって、細胞上澄み中のIL−6の濃度を求めた。
抑制率(百分率による)は、下記式を用いて算定される:
%抑制=[1−(試料中のIL−6濃度−負の対照中のIL−6濃度)/(正の対照中のIL−6濃度−負の対照中のIL−6濃度)]×100.
正の対照とは、化合物と共に予備培養されなかったLPS刺激試料を指す。
負の対照とは、刺激されていない未処理試料を指す。
【0162】
THP−1およびHepG2細胞株中の細胞毒性アッセイ
THP−1細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS;BioWest)、50U/mlのペニシリン、50μg/mlのストレプトマイシン、および2.5μg/mlアムホテリシンB(Fungizone)(すべてGibcoによる)を補ったRPMI1640培養液(Institute of Immunology,Zagreb)中で培養した。10%FBS、1mMピルビン酸ナトリウム、0.1mM可欠アミノ酸、50U/mlペニシリン、50μg/mlストレプトマイシン、および2.5μg/mlのアムホテリシンB(フンギソン)(全てGibcoによる)を含有するイーグル最小必須培地(MEM;Gibco)中に、HepG2細胞を維持した。
【0163】
試験化合物の抗炎症作用が、観測されたサイトカイン産生の抑制によるものであって細胞傷害の影響ではないと判断するために、生細胞におけるコハク酸デヒドロゲナーゼ活性の測定を行った。100、50、25、12.5、6.25、3.13、1.56、0.78μMの濃度の試験化合物の存在下で、細胞を適切な組織培養培地で24時間培養した。50μM、25μM、12.5μM、6.3μMおよび3.1μMの最終濃度の試験化合物を、50mMDMSOストックへの希釈によって細胞培養培地中で調製した。細胞の生存率を、CellTiter96(登録商標)AQueous Assay(Promega、米国)によって求めた。生成したMTSフォルマザン[[3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム]の量を、492nmで分光光度計を用いて求めた(Mosmann,J.Immunol Methods,(1983)65:55−63)。
【0164】
細胞増殖抑制率の百分率は、下記式を用いて算定した。
細胞増殖抑制率%=OD492処理細胞/OD492未処理細胞×100
【0165】
インビボスクリーニングプロトコル
オスBALB/cJマウスにおける、細菌性リポ多糖体(LPS)による肺好中球増加症の誘発
方法A
腹腔内投与(i.p.)のために、化合物を10mg/mLの最終濃度に溶解した。初めに、必要量の化合物をジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma)に溶解し、次いで最終のDMSO濃度が5%(体積/体積)となるように、0.5%(重量/体積)メチルセルロースを用いて希釈した。得られた溶液を、動物10g当たり0.2mLの用量で適用した。したがって、化合物用量は200mg/kgであった。
【0166】
平均体重30gのオスBALB/cJマウス(Charles River,仏国)を、無作為にグループ化した(試験群はn=8、正の対照はn=10および負の対照はn=8)。マウスは腹腔内(i.p.)に、1回量200mg/kgの試験化合物を受け取った。投与から2時間後、体積60μLの無菌PBS中に溶解したLPS(エシェリキア・コリ(Escherichiacoli)血清型0111:B4、Sigma)による)2μgを、負の対照群以外の全実験群に鼻腔内で投与し、この群は同体積のビヒクル(PBS)を受け取った。動物を、LPS適用からおよそ24時間後に屠殺し、気管支肺胞洗浄液(BALF)を採取し、細胞の絶対数および好中球の百分率を求めるために用いた。結果は、正の対照(LPSで処理したが治療していない動物)と比較して、治療した動物のBALF中の合計細胞数と好中球数の減少百分率として示す。
【0167】
方法B
腹腔内投与(i.p.)に関しては、化合物を10mg/mLの最終濃度で溶解した。必要量の化合物は、まずジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma)に溶解し、次いで、最終DMSO濃度が5%(体積/体積)となるように、0.5%(重量/体積)メチルセルロースを用いて希釈した。得られた溶液は、動物10g当たり0.1mLの用量で施した。したがって、化合物の用量は100mg/kgであった。
【0168】
平均重量約25gのオスBALB/cJマウス(Charles River、Germany)を無作為にグループ化した(試験群n=8、正の対照10および負の対照6−8)。マウスは、腹腔内(i.p.)で試験化合物100mg/kgの1回量を受け取った。投与から2時間後、体積50μLの無菌食塩水(0.9%NaCl)中に溶解したLPS(エシェリキア・コリ(Escherichia coli)血清型0111:B4、Sigma)による)0.4μgを、負の対照群以外の全実験群に鼻腔内で投与し、この群は同体積のビヒクル(食塩水)を受け取った。動物を、LPS適用からおよそ24時間後に屠殺し、気管支肺胞洗浄液(BALF)を採取し、細胞の絶対数および好中球の百分率を求めるために用いた。結果は、cytospine評価によって明らかになるように、正の対照(LPSで処理したが治療していない動物)と比較して、治療した動物のBALF中の合計細胞数と好中球数の減少百分率として示した。いくつかの実験において、BALF中の好中球のレベルは、好中球に特異的な酵素ミエロペルオキシダーゼ(MPO)の濃度測定によって評価した。次いで、結果は、正の対照(Mouse MPO ELISA Kit,Hycult biotechnology,Nederlands)と比較して、治療した動物のBALF溶解物中で測定したミエロペルオキシダーゼ(MPO)濃度の減少百分率として表現する。この目的のために、分析するまで、BALFは、逆浸透水(Milli−Qwater)中の1.5%トリトン−X−100(Pharmacia Biotech)を添加した後超音波処理し、−80℃で冷凍した。
【0169】
フォルボル12ミリステート13アセテートに誘発されたCD1マウスの耳浮腫
体重30−40gのオスCD1マウス(Charles River、仏国)を無作為にグループ化した(試験群はn=8、そのうち治療していない耳を負の対照として用いた、正の対照群は8、それ自体の負の対照群として用いた。)。試験化合物ならびにビヒクル(Trans−phase Delivery system、ベンジルアルコール10%、アセトン40%およびイソプロパノール50%含有)(すべてKemika、Croatiaから)を、フォルボル12ミリステート13アセテート(PMA)(Sigma、米国)の投与の30分前に、左耳の内側面に局所投与した。試験化合物は、1つの耳当たり15μL中の用量500μgで投与した。30分後に、アセトン中の0.01%PMA溶液を、各動物の左耳の内側面に1つの耳当たり12μLの量を局所的に施した。治療および処理中は、動物は吸入による麻酔で麻酔をかけた。処理の6時間後に、動物は腹腔内のチオペンタール注射(PLIVA、Croatia)によって安楽死させた。耳の浮腫を評価する、8mmの円板を左右の耳介から切り抜き秤量した。浮腫の程度は、治療していない耳の8mmの円板の重量を、治療した反対側の耳のそれから減じることにより算定した。治療した動物の浮腫の抑制は、対照マウスと比較して、百分率として表現される。
【0170】
紙巻タバコ煙で誘発される肺好中球増加症
オスBALB/cマウス(体重21−24g、1群当たり5匹の動物を無作為にグループ化した)は、10mL/kgの量を経口胃管栄養によって、化合物(100、30、10、3および1mg/kg体重)またはビヒクル(5%DMSO/95%メチルセルロース、0.5%重量/体積、正の対照)を用いて予備治療した。化合物投与の2時間後に、10匹のマウスを、エアゾールの入力ポートおよび排気の別のポートをもつプレキシグラス箱(Braintree Scientific、サイズ10’’x4’’x4’’)に入れた。紙巻タバコの煙は40ml/分に設定した蠕動ポンプ(Masterflex L/S,Digital Economy Drive)によってエアゾールポートを通して導入した。呼吸用空気も0.4L/分の速度で配管のエルボーを介して同一のポートを通して導入した。これらを設定して、箱に送達された煙濃度はおよそ10%であった。3本の紙巻タバコ(調査品4A1、UniversityofKentuckyTobaccoInstitute)を連続して与えたが、タバコとタバコの間には、マウスは1分間新鮮な空気を呼吸した。紙巻タバコの第1の群の2から3時間後に、2本の追加の紙巻タバコを、各紙巻タバコ間でもう一度1分を与えた。最後の紙巻タバコの後、マウスは平常の収容に戻した。この手順を2日間行った。
【0171】
3目日に、マウスは0.1mlのFatal Plus(腹腔内)を用いて安楽死させ、次いで気管チューブを通して5×0.7mlダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(dPBS、組織内Media Prep lab)を用いて気管支肺胞洗浄した。BALFを3000rpmで10分間回転し、上澄みは廃棄し、1mlのdPBSで細胞を再懸濁した。スライドを、サイトスピン(100μl液、300rpmで5分間回転)で作製し、次いで、微分計数(最小200の細胞カウント)のためにDiff Quickを用いて染色した。全細胞カウントは、Tuerks溶液で稀釈した後、血球計数器を用いて実施した。結果は、正の対照(ビヒクル治療したおよび煙処理した動物)と比較して、治療した動物のBALF中の好中球の数の減少百分率として表現する。
【0172】
化合物は、BALF中で好中球の数が著しく減少していた場合、活性であると考えられる(p<0.05対ビヒクル対照、Bonferroni post testを用いる1元分散分析、GraphPad Prism version5.00 for Windows(登録商標),GraphPad Software,San Diego California、米国、www.graphpad.com)。
【実施例】
【0173】
以下の略語が本文において使用される:N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールにはDMF−DMA、ジメチルアセタール−ジメチルアセタールにはDMA/DMA、N,N−ジメチルホルムアミドにはDMF、ジクロロメタンにはDCM、ジメチルアミノピリジンにはDMAP、酢酸エチルにはEtOAc、ジエチルアミンには、DEAまたはEtN、トリエチルアミンには、TEAまたはEtN、イソプロピルアミンにはIPA、メタノールにはMeOH、tert−ブタノールにはt−BuOH、ブタノールにはBuOH、ジエチルエーテルにはEtO、ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物にはHOBt、酢酸にはHOAc、ポリマー支持カルボジイミドにはPSカルボジイミドまたはPS−CDI、ジメチルスルホキシドにはDMSO、テトラヒドロフランにはTHF、また1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩には、EDCまたはEDCxHCl、室温にはr.t.当量にはeq.。
【0174】
本発明の化合物およびプロセスは、以下の実施例(これらは例証としてのみ意図され、本発明の範囲を限定しない)に関連して一層よく理解されるだろう。。開示された実施形態に対する、様々な変更および修正は当業者にとって明白であり、本発明の化学構造、置換基、誘導体、製剤および/または方法に関するものを包含し、これらに限定されない、そのような変更および修正は、本発明の精神および添付された特許請求の範囲の範囲から離れずに行うことができる。
【0175】
前により完全に記載された反応と類似した方式で行われた反応が記載されているが、使用された一般的反応条件は本質的に同じであった。使用される処理条件は、当業界で標準の種類であったが、しかし、反応に応じて適応させてもよい。従う手順において、中間体または実施例の生成物への参照は、番号によって、通常与えられる。使用される出発物質を識別するために、当化学者に対する助力としてのみ、番号は与えられる。出発物質は、必ずしも言及されたバッチから調製されていなくてもよい。
9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAは、J.Chem.Res.(S)1988,152ページに記載されている手順によって調製することができる。
【0176】
中間体:
中間体1
2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化13】

手順A(WO2009016142)
段階1:3の調製
【化14】

9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(2)(50g、66.7mmol)をクロロホルム(250mL)に溶解した。DMA/DMA(40mL、0.35モル、5.2当量)を一度に添加し、次いで、24時間還流温度で加熱した。溶媒は蒸発させ45.28gの表題生成物を与えた。
MS(ES+)m/z:818[MH]+
【0177】
段階2:4の調製
【化15】

段階1からの化合物3(3g、3.66mmol)をDCM(70mL)に溶解し、氷浴で冷却した。反応混合物にEtN(3.2mL、6.2当量)、DMAP(44.7mg、0.1当量)およびアセトン(1.9mL、5.4当量)を添加した。温度をr.t.に徐々に到達させ、反応混合物はr.t.で28時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO溶液(100mL)(pH9)を用いて洗浄した。DCM層はNaSO上で乾燥し、真空下で濃縮し2.78gの表題生成物を与えた。粗生成物をEtOから、さらにアセトニトリル/HOから再結晶し、白色粉末として2.13gの表題生成物を与えた。
MS(ES+)m/z:902.17[MH]+
【0178】
段階3:5aおよび5bの調製
【化16】

段階2からの化合物4(2.13g、2.36mmol)をMeOH(50mL)に溶解し、r.t.で21時間撹拌した。メタノールは真空下で蒸発させ、白色固形物として2.08gの表題生成物を与えた。
MS(ES+)m/z:860[MH]+5a
847[MH]+5b
【0179】
段階4:6aおよび6bの調製
【化17】

アクリロニトリル(12mL)中の段階3からの5aおよび5b(1.94g、2.25mmol)の撹拌した混合物に、t−BuOH(0.94mL,4.4当量)を窒素下でr.t.で添加し、反応混合物を0℃に冷却した。NaH(鉱油中の60%、60mg,2.47mmol,1.1当量.)を、15分間に少量ずつ添加した。温度をr.t.に徐々に到達させた。24時間の撹拌後、アクリロニトリルを減圧下で蒸発させた。アクリロニトリルのポリマーはEtOAc/n−ヘキサン中で沈澱させ、濾別した。母液は蒸発させて油性生成物を与え、次いで、これをEtOAcに溶解し、水で抽出した。EtOAc層を集め、NaCO上で乾燥した。溶媒は真空下で蒸発させ、1gの表題生成物を与えた。
MS(ES+)m/z:914.10[MH]+6a
MS(ES+)m/z:900.15[MH]+6b
【0180】
段階5:7の調製
【化18】

段階4からの化合物6aおよび6b(1g)を、精製なしで使用して、氷酢酸(10mL)に溶解し、5バールのHpresureでPtO(100mg)を用いてr.t.で24時間水素化した。触媒を濾別し、母液は減圧下で蒸発させた。残渣を水およびDCMに溶解し、pHを9に調節し、DCM(150mL)を用いて抽出した。DCM層を集めNaSO上で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させ、560mgの白色粉末を与えた。粗生成物をEtOAc/n−ヘキサンから再結晶し、486.4mgの表題生成物を与えた。
MS(ES+)m/z:890.5[MH]+
【0181】
段階6:中間体1の調製
2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化19】

段階5からの化合物7(486mg,0.54mmol)をTHF(4.5mL)に溶解し、LiOH(0.5Mの6mL)を添加し、40℃で2時間加熱し、r.t.で72時間撹拌した。HO(10mL)を反応混合物に添加し、続いて、EtOAcを用いて抽出した。有機層を集めNaSO上で乾燥した。溶媒は蒸発させ、白色固形物として380mgの表題生成物を与えた。
MS(ES+):806[MH]
13C−NMR(CDCl)δ/ppm:178.9,102.6,94.4,82.4,80.6,78.3,77.3,77.1,74.1,73.7,73.4,72.9,72.6,70.0,68.3,65.4,64.4,62.9,49.8,45.6,42.5,39.7,39.6,36.3,34.6,29.0,27.4,26.6,26.5,22.3,21.6,21.5,18.4,16.4,14.5,11.3,8.5,7.6.
【0182】
中間体1
手順B1(WO2009016142)
段階1:8の調製
【化20】

CHCl(75mL)中の9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(2)(20g、0.027モル)の溶液に、DMF/DMAを添加し(12.5mL、0.093モル)、反応物は65℃で5時間撹拌し、次いで、r.t.で次の17時間静置した。その後、追加のDMF/DMA(12.5mL)を添加し、反応混合物はr.t.でさらに5時間撹拌した。反応の完了後、溶媒は蒸発させ、明るい黄色の非晶質固体として26.58gの表題生成物を与えた。
MS(ES):804.6[MH]
【0183】
段階2:9の調製
【化21】

DCM(250mL)中の段階1からの化合物8(26.5g、0.033モル、精製なしで使用する)の溶液に、トリエチルアミン(28.6mL、0.2モル)およびDMAP(0.403g、0.0033モル)を添加した。次いで、溶液は0℃に冷却し、無水酢酸(17.1mL、0.18モル)を滴下して添加した。反応混合物をr.t.で4時間撹拌した。有機層をNaHCOの飽和溶液で2度、次いで水および塩水で洗浄した。NaSO上で乾燥し溶媒を蒸発させた後、粗生成物をジエチルエーテルから再結晶し、8.3gの表題生成物を白色結晶として与えた。母液の蒸発後に、追加の20.1gの表題生成物を単離した。
MS(ES):888.6[MH]
【0184】
段階3:10bの調製
【化22】

段階2からの化合物9(3.1g、3.49mmol)をMeOH(125mL)に溶解し、r.t.で72時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、褐色粉末として2.55gの混合物10aおよび10bを与えた。
MS(ES+)791[MH]、10a
846[MH]10b
【化23】

CHCl(15mL)中の、未保護10aおよび保護した化合物10bの混合物(2.49g)に、DMF/DMA(3mL)を添加し、反応混合物は65℃で3時間撹拌した。反応混合物をr.t.で冷却し、溶媒を蒸発させ、明黄色固体として3gの表題生成物を与えた。
MS(ES+):846[MH]+
【0185】
段階4:11aおよび11bの調製
【化24】

段階3からの化合物10b(2.56g、3.03mmol)を、アクリロニトリル(25mL)に溶解し、t−BuOH(1.5mL、15.9mmol)を添加し、反応混合物は0℃に冷却し、続いてNaH(112mg、3.33mmol、鉱油中の60%懸濁液)を添加した。反応混合物を3時間撹拌し、次いで蒸発させた。残渣をEtOAcに溶解し、水および塩水で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、溶媒は蒸発させ、2.4gの褐色油状生成物を与え、これをカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH:NHOH90:9:0.5)によってさらに精製して、1.69gの表題生成物を与えた。
MS(ES+):844[MH]11a
899[MH]11b
【0186】
段階5:12の調製
【化25】

HOAc(30mL)中の段階4からの11aおよび11b(1.69g)の溶液に、PtO(301mg)を添加し、5バールのH圧力で20時間、反応混合物をr.t.で撹拌した。触媒を濾別し、溶媒はevporatedし、残渣を水およびDCMに溶解した。pH値は1MNaOHの添加によって9.3に調節し、生成物はDCMを用いて抽出した。集めた有機層をNaSO上で乾燥し、溶媒は蒸発させた。粗生成物はEtOAc/n−ヘキサンから再結晶し、白色粉末として1.23gの表題生成物を与えた。
MS(ES+):848.5[MH]+
【0187】
段階6:中間体1の調製
2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化26】

THF(15mL)中の段階5からの12(1.67g、1.97mmol)の溶液に、LiOH(HO中の0.5M溶液10mL)を添加した。反応混合物を65℃で5時間およびadditionalyにr.t.で72時間撹拌した。反応混合物はEtOAcを用いて希釈し、水で洗浄した。有機層はNaSO上で乾燥し、溶媒は蒸発させ、1.3gの白色粉末を与えた。これは、さらにカラムクロマトグラフィ(DCM:MeOH:NHOH90:9:0.9)によって精製し、白色粉末として0.77gの表題生成物を与えた。
MS(ES+):806.3[MH]
【0188】
中間体1
手順B2
段階1:8の調製
手順B2の段階1は、下記手順を用いて、880gの9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(2)からそれぞれ始めて、2つの別々のバッチで実施した。9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(2)(880g、1.18モル)およびDMF/DMA(710mL、5.32モル)を、70℃でDMF(1.32l)中で終夜撹拌した。少量の後処理を行い、NMRは反応が完了していたことを示した。反応容器を−10℃に冷却し、水(6.2L)を30分間徐々に添加し、その結果生成物が沈澱した。室温に反応物を暖め、2時間撹拌した。白色固形物を濾過によって集め、水(3.7L)を用いて洗浄した。HNMRはそれでもなお5−10%のDMFの存在を示し、そのため、反応物は水(2.5L)で1時間さらにスラリー化した。白色固形物を濾過によって集め、真空下で50℃で3日間乾燥し、白色固形物として表題生成物(708g、バッチ1)を与えた。水性濾液を合わせて酢酸エチル(6L)で抽出した。酢酸エチルは水(1L)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、溶媒を除去して、追加の量の表題生成物(99gの生成物、この中に、HNMRによると、74gの表題生成物(8)、12%のDMFおよび18%の酢酸エチルが存在した。)を与え、段階1バッチ1から合計782gの表題生成物(83%)が得られた。手順B2段階1バッチ2からは、合計863gの表題生成物(8)が得られた。手順B2段階1からの2バッチは、合わせて1635gの表題生成物(8)を与え、それ以上の精製をしないで次の段階で使用した。
【0189】
段階2:9の調製
手順B2の段階2は、下記に述べた手順を用いて、2つの別々のバッチ(手順B2の段階1からの化合物8からの、800gから始めるバッチ1、および835gから始めるバッチ2)で実施した。
DCM(16.3L)中の段階1(800g、0.99モル)からの化合物8の溶液に、DMAP(12.7g、0.1モル)およびトリエチルアミン(865mL、6.2モル)を添加した。溶液を窒素下で−6℃に冷却し、次いで、無水酢酸(510mL、5.4モル)は0℃未満の温度を維持しながら、滴下して添加した。終夜撹拌の後、TLCは、反応物が完了したことを示した。このバッチを二等分し、それぞれ重炭酸ナトリウム(2×2.1L)を用いて洗浄した。有機物を硫酸ナトリウム(700g)上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。白色固形物は、50℃で真空下で終夜乾燥し、バッチ1から表題生成物(9)を与えた。(902g、この中に、HNMRによると、5%のDCMが存在し、MSデータ(MS(ES+)m/z:888[MH]+)が基準に適合する。)手順B2段階2バッチ2から、1043gの表題生成物(9)が得られた(この中に、HNMRによると約10%のDCMおよび約5%のDMFが存在した。)。
手順B2段階2からの2バッチを合わせて、1945gの表題生成物(9)を与え、それ以上の精製をしないで次の段階において使用した。
【0190】
段階3:10bの調製
【化27】

手順B2の段階3は、下記に述べた手順を用いて、3つの別々のバッチ(手順B2の段階2からの化合物9からの、700gから始めるバッチ1、664gから始めるバッチ2、および574gから始めるバッチ3)で実施した。
手順B2段階2からの化合物9を、MeOH(18L)中で約22℃で4日間撹拌した。次いで、メタノールを真空中でおよそ3Lに減らし、濾過によって白色沈殿物を集め、メタノール(1L)を用いて洗浄した。白色固形物を真空下で35℃で乾燥し、バッチ1から415gの化合物10bを与えた。これは、それ以上の精製をしないで手順B2段階4に使用した。
濾液を蒸発させ、バッチ1から保護した化合物10bおよび部分的に脱保護した化合物10aの混合物254gを与えた。
手順B2段階3バッチ2から、保護した化合物10bおよび部分的に脱保護した化合物10aの混合物514g、ならびに、手順B2段階3バッチ3から、保護した化合物10bおよび部分的に脱保護した化合物10aの混合物510gが得られた。
混合物質(手順B2段階3からの3つのバッチからの保護した化合物10bおよび部分的に脱保護した化合物10a)を合わせ、合計1278gの物質が得られ、これは2つのバッチへdevidedし、下記手順を施した。
【化28】

未保護10aおよび保護した化合物10bの混合物(560g)を、DMF(840mL)において溶解し、DMF−DMA(480mL)を添加し、反応混合物をN下で6時間70℃に加熱した。TLCによる分析は、反応物の完了を示した。その反応物は激しく撹拌しながら氷水(7.4kg)へ注いだ。0℃で2時間の撹拌の後、沈殿物を濾過し、水(2L)で洗浄した。得られた生成物を40℃で2日間真空オーブンで乾燥し、白色固形物として425.6gの化合物10bを与えた。
水性濾液をEtOAc(3×3.7L)を用いて抽出し、次いで、合わせた有機物は水(2×3.7L)を用いて洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、真空中で濃縮し、40℃で2日間真空オーブンにおいて乾燥し、白色固形物として123gの化合物10bを与えた。HNMRは、両方の単離した固体が類似した純度で基準と同等であることを示した。バッチ1からの10bの合計収量は548.6gで、バッチ2からは763gであった。生成物はさらなる精製をしないで次のステージに使用した。
【0191】
段階4:11bの調製
【化29】

下記に述べた手順を使用して、この反応を、手順B2段階3で得られた、1722gの化合物10bから始める、18の別々のバッチにおいて実施した。
【表1】

水素化ナトリウム(4.79g、オイル中の60%の分散液)を、アクリロニトリル(654mL)およびt−ブタノール(47.3mL)の冷却した(−6℃)溶液に、0℃未満の温度に維持しながら、分割して添加した。次いで、手順B2段階3からの化合物10b(96.2g)を少量ずつ添加し、15分間−5℃未満の温度を維持した。反応物を0℃に暖め、20分後にTLCは出発物質の消費を示した。0℃で65分後、酢酸(7.5mL)を添加した。IPA(200mL)を使用して蒸発フラスコに反応混合物を移し、反応物は真空中で濃縮した。IPA(300mL)を添加し、反応物は真空中で濃縮した。残渣は30分間EtOAc(1.5L)中でスラリーにし、次いで、濾過(ポリマーの除去)し、濾過ケーキは追加のEtOAc(1.2L)を用いて洗浄した。濾液を真空中で540mLの体積に濃縮し、結果として得られる濁った溶液は水(2×180mL)を用いて洗浄した。水性抽出物を合わせてEtOAc(2×180mL)で洗浄し、有機物を合わせて、硫酸ナトリウム(100g)上で乾燥し、濾過した。有機物を真空中で濃縮して粗生成物を与えた。次いで、DCM(87mL)を粗生成物に添加して、濁った溶液が得られ、これにヘプタン(1440mL)を添加した。7℃で10分間スラリー化した後、結果として得られる懸濁液をセライト(11g)に通して濾過した。濾過ケーキは、DCM/ヘプタン(ヘプタン1220mL中にDCM72mL)を用いて洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、高真空下で乾燥して93.5gの化合物11b(91%)を与えた。これはさらなる精製をしないで次の段階で使用した
【0192】
段階5:12の調製
【化30】

手順B2の段階5は、下記に述べた手順を用いて、2つの別々のバッチ(手順B2の段階4からの化合物11bの、826gから始めるバッチ1、および934gから始めるバッチ2)で実施した。
【0193】
酢酸(6.32L)中の手順B2段階4で得られた化合物11bの溶液および(826g)を、酸化白金(IV)(80.4g)に添加し、結果として得られる懸濁液は、5バールの水素圧で終夜撹拌した。触媒は濾過によって除去し、水(7L)を添加した。混合物のpHは、40%水酸化ナトリウム水溶液(約10L)の添加によって9.5に調節した。次いで、混合物をDCM(4×5L、次いで2x3L)を用いて抽出した。合わせた有機物を塩水(2L)で洗浄し、次いで、乾燥(硫酸ナトリウム、800g)し濾過した。次いで、有機物を真空中で濃縮し、40℃で真空オーブンにおいて終夜乾燥し、白色固形物として627gの化合物12がバッチ1から得られた。
手順B2段階5バッチ2から、890gの化合物12が得られた。
生成物はさらなる精製をしないで次のステージにおいて使用した。
【0194】
段階6:中間体1の調製
2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化31】

手順B2段階6は、4つの別々のバッチにおいて実施した。
【0195】
段階6(バッチA):
THF(3.17L)中の手順B2段階5からの化合物12(313.5g)および0.5MLiOH(2.48L)を、64℃で3日間で加熱した。次いで反応物を冷却し、真空中で約3Lの量に濃縮した。生成物はEtOAc(4.1L、次いで3×2.1L)を用いて抽出した。合わせた有機物を飽和塩水(1.3L)を用いて洗浄した。有機物を乾燥し(硫酸ナトリウム、1.1kg)、濾過し、真空中で濃縮し、次いでオーブン乾燥して粗中間体1(245.9g)を与えた。
【0196】
段階6(バッチB):
THF(3.17L)中の手順B2段階5からの化合物12(313.5g)および0.5MLiOH(2.48L)を、64℃で3日間加熱した。LCMS分析によって、出発物質が残っていることを示した。その反応物は、64℃で終夜加熱した。LCMS分析によると出発物質が残っていたことを示す。追加のTHF(317mL)および0.5MLiOH(248mL)を添加し、出発物質が微量残るのみになるまで、反応物を、64℃で4時間加熱した。その反応物は終夜加熱し、次いで冷却し、真空中で約3Lの量に濃縮した。生成物は、EtOAc(4.1L、次いで3×2.1L)を用いて抽出した。合わせた有機物を飽和塩水(1.3L)を用いて洗浄した。有機物(硫酸ナトリウム、1.0kg)を乾燥し、濾過し、次いで、オーブン乾燥し真空中で濃縮する粗中間体1(232.5g)を与えた。
【0197】
段階6(バッチC):
THF(4.5L)中の手順B2段階5からの化合物12(445g)、および0.5MLiOH(3.5L)を、64℃で3日間加熱した。次いで、反応物を冷却し真空中で約4Lの量に濃縮した。生成物は、EtOAc(4.9L、次いで3L、次いで2L、次いで1L)を用いて抽出した。合わせた有機物を飽和塩水(2L)を用いて洗浄した。有機物を乾燥し(硫酸ナトリウム、1.2kg)、濾過し、真空中で濃縮し、次いでオーブン乾燥して粗中間体1(336.8g)を与えた。
【0198】
段階6(バッチD):
THF(4.5L)中の手順B2段階5からの化合物12(445g)および0.5MLiOH(3.5L)を、64℃で3日間加熱した。次いで、反応物を冷却し、真空中で約4Lの量に濃縮した。生成物は、EtOAc(4.9L、次いで3L、次いで2L、次いで1L)を用いて抽出した。合わせた有機物を飽和塩水(2L)を用いて洗浄した。有機物を乾燥し(硫酸ナトリウム、1.2kg)、濾過し、真空中で濃縮し、次いでオーブン乾燥し、粗中間体1(296.5g)を与えた。
1027.1gの粗中間体1はカラムクロマトグラフィによって精製した。
【0199】
段階6(精製1):
粗生成物(478.4g)をカラムクロマトグラフィ(9.6kgのシリカ、溶離液DCM/MeOH/アンモニア、900:60:10→900:66.9:11.5→900:75:12.5→900:83.3:13.7→900:90:15)によって精製し、高純度の中間体1(191.5g)、ならびに、著しく高いRをもつ不純物を含有する生成物(70.4g)、より高いR(36.8g)をもつimpuritiiesを含有する生成物、および近傍を流れるより低いRfスポットを含有する生成物(52.6g)を与えた。
【0200】
段階6(精製2):
粗生成物(548.7g)は、カラムクロマトグラフィ(9.6kgのシリカ、溶離液DCM/MeOH/アンモニア、900:60:10→900:66.9:11.5→900:75:12.5→900:83.3:13.7→900:90:15)によって精製し、高純度の中間体1(169.4g)、ならびに、より高いRをもつ不純物を含有する生成物(183.2g)および近傍を流れるより低いRスポットを含有する生成物(30.3g)を与えた。
【0201】
段階6(再精製A):
生成物および近傍を流れるより低いRスポット含有する画分(52.6g+30.3g)をカラムクロマトグラフィ(5.0kgのシリカ、60.3当量、溶離液DCM/MeOH/アンモニア、900:90:15)によって精製し、高純度の中間体1(8.3g)および混合画分(51.1g)を与えた。
【0202】
段階6(再精製B):
高いRの不純物(220g)および残りの段階6粗物質(75g)を含有する合わせた物質を、カラムクロマトグラフィ(10kgのシリカ、33.9当量、溶離液DCM/MeOH/アンモニア、900:60:10→900:66.9:11.5→900:75:12.5→900:83.3:13.7→900:90:15→900:180:30→0:90:10)によって精製し、高純度の中間体1(134.5g)および著しく高いRの不純物(124.0g)を含有する物質を与えた。
【0203】
得られた高純度の物質はすべてさらに乾燥し、合計431.9gの中間体1を与えた。この物質をブレンドした。物質はDCM(2L)に溶解し、硫酸ナトリウム(100g)を用いて乾燥し、濾過し、濾過ケーキはDCM(1L)を用いて洗浄した。濾液は真空中で濃縮した。物質は細粉に粉砕し、乾燥して430.0gの中間体1を与えた。
【0204】
中間体1
手順B3
段階1:8の調製
手順B3の段階1は、下記に述べた手順を用いて、1500gの9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAからそれぞれ始める2つの別々のバッチで実施した。
9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA(2)(1500g、2.0モル)およびDMF/DMA(1.21L、9.1モル)を、DMF(2.25l)中で70℃で終夜撹拌した。少量の後処理を行い、NMRは反応物が完了していたことを示した。反応容器は10℃に冷却し、水(14L)を徐々に添加し、その結果生成物が沈澱した。その反応物を室温に暖め、2時間撹拌した。白色固形物は濾過によって集め、水(3L)を用いて洗浄した。固体は真空下で6日間乾燥し、白色固形物(純度>95%、溶媒を除き1393.1gの表題生成物(8)が存在した。)として1443.5gの表題生成物を与えた。
水性濾液を合わせ、酢酸エチル(10L)で抽出した。酢酸エチルを水(2L)を用いて洗浄し、NaSO上で乾燥し溶媒は除去して、追加量の表題生成物(142.4gの生成物、この中に溶媒を除いて131.3gの表題生成物(8)が存在した)を与え、段階1バッチ1から合計1520.5gの表題生成物が得られた。
手順B3段階1バッチ2から、合計1558.7gの表題生成物(8)が得られた。
手順B3段階1からの2バッチを合わると3079.2gの表題生成物(8)を与え、それ以上の精製をしないで次の段階において使用した。
【0205】
段階2:9の調製
手順B3の段階2は、下記に述べた手順を用いて、手順B3の段階1からの化合物8の、811.1g、726.7g、757.7gおよび784.3gから始める4つの別々のバッチで実施した。
DCM(16L)中の段階1からの化合物8(784.3g)の溶液に、DMAP(11.9g)およびトリエチルアミン(848mL、6.2モル)を添加した。溶液は窒素下で−6℃に冷却し、次いで、無水酢酸(499mL)を、0℃未満の温度を維持しながら、滴下して添加した。終夜撹拌の後、TLCおよびMSは、反応物が完了していることを示した。バッチは重炭酸ナトリウム(3×2.8L)を用いて洗浄した。有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。白色固形物は、50℃で真空下で終夜乾燥し、908gの表題生成物(9)が得られ、HNMRによると851.3gの活性な表題生成物(9)が存在した。
手順B3段階2バッチ2、3および4から、870.1g、805.7gおよび835.6gの表題生成物(9)が得られた。
手順B3段階2からの4バッチを合わせて、3362.7gの表題生成物(9)を与え、さらなる精製をしないで次の段階において使用した。
【0206】
段階3:10bの調製
【化32】

手順B3の段階3は、下記に述べた手順を用いて、7つの別々のバッチ(手順B3の段階2からの化合物9の、4x700g、2x350g、および1x97gから始める)で実施した。
手順B3段階2からの化合物9(350g)を、MeOH(9L)中で約24℃で5日間撹拌した。次いで、メタノールは、真空中でおよそ1−1.5Lに減少させ、白色沈殿物を濾過によって集め、メタノール(0.2L)を用いて洗浄した。白色固形物は、真空下で35℃で終夜、次いで真空下で40℃で終夜乾燥し、化合物10aおよび10b(混合物中約23%の10a)の混合物182.7gを与えた。
濾液は蒸発させ、35℃で終夜、次いで40℃で終夜乾燥し、10aおよび10b(混合物中98%の10a)の混合物134.4gを与えた。
手順B3段階3の他のバッチから、下表に述べたように、化合物10aおよび10bの混合物が得られた。
【表2】

脱保護した化合物10aの約10−25%を含む固体から生じた、化合物10aおよび10bの混合物は合わせて1894.3gを与えた。
脱保護した化合物10aの約75−98%を含む濾液から生じた、化合物10aおよび10bの混合物は合わせて1476.7gを与えた。
【化33】

未保護の10aおよび保護した化合物10bの混合物(1894.3g)をDMF(2840mL)に溶解し、DMF−DMA(1625mL)を添加し、反応混合物をN下で70℃に6時間加熱した。TLCによる分析は、反応の完了を示した。反応物を激しく撹拌しながら氷水(26.4kg)へ注いだ。0℃で1.5時間の撹拌の後、沈殿物を濾過し、水(4L)で洗浄した。得られた生成物は、40℃で真空オーブン内で数日間(恒量まで)乾燥し、1226.8gの化合物10bを白色固形物として与え、この中にHNMRによると1221.8gの活性な表題生成物(10b)が存在した。
水性濾液はEtOAc(3×9.7L)を用いて抽出し、次いで、合わせた有機物を水(2×10L)を用いて洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、真空中で濃縮し、40℃で真空オーブン内で数日間(contant質量まで)乾燥して、白色固形物として592.2gの化合物10bを与えた(561.9gの活性な表題生成物10b)。
HNMRは、両方の単離した固体が類似した純度で基準に同等であったことを示す。バッチ1からの10bの合計収量は1783.7gで、バッチ2からは1369.8gであった。生成物はさらなる精製をしないで次のステージにおいて使用した。
【0207】
段階4:11bの調製
【化34】

この反応は、下記に述べた手順を用いて、手順B3段階3で得られた化合物10bから始める22の別々のバッチで実施した。各バッチの量は、下表に述べる。
【表3】

水素化ナトリウム(7.2g、オイル中の60%分散液)を、−8℃未満の温度に維持しながら、アクリロニトリル(980mL)およびt−ブタノール(71mL)の冷却した(−10℃)溶液に5分にわたって分割して添加した。次いで、手順B3段階3からの化合物10b(144.1g)を、10分にわたって−5℃未満の温度を維持しながら少量ずつ添加した。その反応物を0℃に暖め、40分後に出発物質が消費されたことをTLCは示した。1時間後に酢酸(11.3mL)を添加した。IPA(250mL)は蒸発フラスコに反応物混合物を移すために使用し、反応物を真空中で濃縮した。IPA(2x250mL)は添加された。また、反応物は真空内で濃縮された。残渣は30分間EtOAc(2L)中でスラリー化し、次いで、濾過(ポリマーの除去)し、濾過ケーキはさらなるEtOAc(2x150mL)を用いて洗浄した。濾液は真空中で濃縮し、結果として発泡体が得られた。
次いで、濾過ケーキはさらなるEtOAc(810mL)中でスラリー化し、濾過した。濾液は発泡体と合わせ、結果として得られる濁った溶液は水(2×270mL)を用いて洗浄した。水性抽出物を合わせてEtOAc(2×270mL)で抽出し、この有機物を合わせて、乾燥(硫酸ナトリウム、200g)し、濾過した。有機物を真空中で濃縮し、粗生成物を与えた。DCM(130mL)を粗生成物に添加し、濁った溶液を与え、これにヘプタン(2160mL)を添加した。室温で10分間スラリー化した後、結果として得られる懸濁液はセライト(100g)に通して濾過した。濾過ケーキは、DCM/ヘプタン(ヘプタン1830mL中のDCM110mL)を用いて洗浄した。濾液は他の2バッチからの濾液と合わせて、真空中で濃縮し、オイルとして粗生成物(644g)を与えた。この物質の一部(32g)は、クロマトグラフィ(SiO213g、溶離液=DCM→90:10:0.3DCM/MeOH/アンモニア)によって精製し、ポリマーを除去して、24gの表題化合物11bを与えた。残りの粗生成物(612g)は、他の5バッチ(997g)からの類似した純度の粗生成物と合わせ、クロマトグラフィ(SiO6kg、溶離液=ヘプタン中10%のDCM→→→90:10:0.3DCM/MeOH/アンモニア)によって精製した。より高く流れるポリマー不純物の大部分は除去し、生成物含有画分を真空中で濃縮し、およそ10−15%のポリマーを含む粘性のあるオイルとして1348.3gの表題生成物11bを与えた。生成物はさらなる精製をしないで次のステージに使用した。
バッチ9−22について、同一の手順を施したが、生成物をクロマトグラフィで精製せず、さらなる精製なしで次のステージに使用したことは異なる。
【0208】
段階5:12の調製
【化35】

手順B3の段階5は、下記に述べた手順を用いて、4つの別々のバッチ(手順B3の段階4からの化合物11bの、107g、1710.5g、483.3gおよび1264.1gから始める)で実施した。
【0209】
酢酸(13L)中の手順B3段階4において得られた化合物11b(1710.5g)の溶液を、酸化白金(IV)(150g)に添加し、結果として得られる懸濁液は、5バールの水素圧力で終夜撹拌した。触媒は濾過によって除去し、メタノール(3.5L)を添加し、濾過した。濾液は真空中で4072gの質量に濃縮し、水(14.5L)およびDCM(10L)を添加した。5分間撹拌の後、相を分離した。水相のpHを、40%水酸化ナトリウム水溶液(2.5L)の添加によって約9に調節した。次いで、水相をDCM(2×10L、1x1L、2×5Lおよび4×2.5L)を用いて抽出した。合わせた有機抽出物(初めのDCM洗浄液を含まずに)は、塩水(4.1L)を用いて洗浄し、次いで、乾燥(硫酸ナトリウム、800g)し、濾過した。次いで、有機物を真空中で濃縮し、40℃で真空オーブン内で終夜乾燥し、白色固形物として表題生成物12(1571.9g)を与え、さらなる精製をしないで次ステージに使用した。
他の3バッチから、追加の1508gの表題生成物12が得られた。
【0210】
段階6:中間体1の調製
2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化36】

手順B3段階6は、下記に述べた手順を用いて、8つの別々のバッチで実施した。各バッチの量は、下表に述べる。
【表4】

【0211】
THF(4.5L)中の手順B3段階5からの化合物12(450g)、および0.5MLiOH(3.5L)を、64℃で3日間加熱した。次いで、反応物は冷却し、真空中で約4Lの量に濃縮した。このステージでは、反応を同一の規模で行い、物質を合わせた。生成物は、EtOAc(1x11.8L、1x6Lおよび3×4L)を用いて抽出した。合わせた有機物を飽和塩水(4L)を用いて洗浄した。有機物を乾燥(硫酸ナトリウム、3.4kg)し、濾過し、真空中で濃縮して、次いでオーブン乾燥し粗中間体1(656.6g)を与えた。
【0212】
2189.3gの粗製の中間体1は5つのカラムでカラムクロマトグラフィによって精製した。
精製は、カラムクロマトグラフィ(10kgのシリカ、溶離液DCM/MeOH/アンモニア、900:60:10→900:66.9:11.5→900:75:12.5→900:83.3:13.7→900:90:15)によって500gの粗生成物を用いて4回それぞれ繰り返し、精製した物質(それぞれ56.3g、97.4g、145.3gおよび112.3g)ならびに混合画分を与えた。
粗生成物の残り(189g)は、カラムクロマトグラフィ(5kgのシリカ、溶離液DCM/MeOH/アンモニア900:60:10)で精製し、精製された物質(60.4g)ならびに混合画分を与えた。
5カラムすべてからの混合画分を合わせ、以下のように濃縮した。
生成物および近傍を流れるより高いR不純物を含有する画分を濃縮し、HNMRによると約80%純度の生成物256.5gを与えた。
生成物および近傍を流れるより低いR不純物を含有する画分を濃縮し、HNMRによると約80%純度の生成物331gを与えた。
生成物およびより低い流れるR不純物を含有する画分を濃縮し、182.8gを与えた。
【0213】
再精製A
生成物および近傍を流れるより高いR不純物を含有する画分(256.5g)をさらにカラムクロマトグラフィ(7kgのシリカ、溶離液DCM/MeOH/アンモニア、900:45:7.5→900:60:10→900:90:15→800:180:20)によって精製し、表題生成物(109g)ならびに混合画分(より高いR不純物を有する生成物(23.6g)、より低いR不純物を有する生成物(10.6g)を与えた。より高いR不純物を有する生成物(10.6g)は、アセトニトリル(20mL)中で終夜スラリー化し、濾過し、アセトニトリル(10mL)を用いて洗浄して5.8gの表題生成物を与えた。より低いR不純物を有する生成物(23.6g)は、アセトニトリル(50mL)中で終夜スラリー化し、濾過し、アセトニトリル(25mL)を用いて洗浄し、乾燥して5gの表題生成物を与えた。
【0214】
再精製B:
生成物および近傍を流れるより低いR不純物を含有する画分(331g)は、アセトニトリル(660mL)中で終夜スラリー化し、濾過し、アセトニトリル(200mL)を用いて洗浄し、乾燥して213gの表題生成物を与えた。
【0215】
再精製C:
より低いR不純物を含有する生成物(182.8g)は、アセトニトリル(160mL)中で終夜スラリー化し、濾過し、アセトニトリル(180mL)を用いて洗浄して、126gの物質を与え、これはアセトニトリル(250mL)中でさらにスラリー化し、濾過し、アセトニトリル(150mL)を用いて洗浄し、104.4gの表題生成物を与えた。
【0216】
再精製D:
カラム1およびカラム2からの合わせ乾燥した単一スポットの生成物(153g)を、アセトニトリル(300mL)中で終夜スラリー化し、次いで濾過し、アセトニトリル(80mL)を用いて洗浄して、表題生成物約134.4gを与えた。
【0217】
得られた高純度の物質はすべてさらに乾燥して、合計842.9gの中間体1を与えた。この物質をブレンドした。物質はDCM(7L)に溶解し、濾過し、濾過ケーキはDCM(1.2L)を用いて洗浄した。濾液は真空中で濃縮した。粉砕し、広げて40℃で乾燥して、合計777.2gの表題生成物、中間体1が得られた。
【0218】
実施例
実施例1および3から6の一般手順:
【化37】

乾燥したPSカルボジイミド樹脂(PS−CDI、装填:1.2mmol/g、1.3当量)を、反応容器に添加した。対応する酸(1.05当量)およびHOBt(0.7当量)をDCM(1mL)およびDMF(100−200μL)の乾燥混合液に溶解し、樹脂に添加した。混合物は室温で5分間撹拌し、次に乾燥DCM(1mL)に溶解した2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1を添加した。反応物混合物は、70−75℃で6−7分間マイクロ波照射(300W、移行時間2.00分)によって加熱した。
HOBtは、PSトリスアミン(装填:4.11mmol/g、HOBtに対して5当量)を室温で3時間使用して捕捉した。樹脂は濾過によって反応混合物から除去し、DCM(1−1.5mL)を用いて洗浄した。溶媒の蒸発によって、実施例1および3から6の対応する化合物を与えた。
【0219】
実施例1
2’−O−[3−(アセチルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化38】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(30mg、0.037mmol)および酢酸(1.05当量)から始める、実施例1および3から6の一般手順に従って、表題化合物(30.4mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:848.40[MH]+
13C(DMSO,125MHz)δ177.4,169.0,102.4,94.8,82.7,80.1,77.7,77.5,76.7,75.3,74.0,73.2,72.9,70.3,69.0,67.2,65.1,64.3,61.8,49.2,45.2,42.2,41.9,41.2,36.7,36.1,35.0,31.7,30.0,27.8,26.4,23.1,22.5,21.8,21.4,21.3,18.9,18.1,15.2,11.3,8.7,7.2.
【0220】
実施例2
2’−O−[3−(プロパノイルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化39】

方法A:
乾燥したPSカルボジイミド樹脂(PS−CDI、装填:1.2mmol/g、1.3当量)を、反応容器に添加した。DCM(2.4mL)およびDMF(300μL)の乾燥混合液に溶解したプロパン酸(1当量)およびHOBt(0.7当量)を、樹脂に添加した。混合物は室温で5分間撹拌し、次に乾燥DCMに溶解した2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(30mg、0.037mmol)を添加した。反応混合物を、マイクロ波照射(300W、移行時間2.00分)によって70℃で5分間加熱した。
HOBtは、PSトリスアミン(装填:4.11mmol/g、HOBtに対して5当量)を室温で3時間使用して捕捉した。樹脂は濾過によって反応混合物から除去した。溶媒の蒸発によって、表題生成物(30.8mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:862.73[MH]+
13C(DMSO,125MHz)δ177.5,172.7,102.4,94.7,82.7,80.1,77.7,77.5,76.7,75.3,74.0,73.2,72.9,70.4,67.2,65.1,64.3,61.8,49.2,45.2,42.2,41.9,41.2,36.6,36.1,35.0,31.8,30.1,29.0,27.8,26.4,22.5,21.8,21.4,21.3,18.9,18.0,15.2,11.3,10.4,8.7,7.
【0221】
方法B:
DCM(200ml)中のプロパン酸(1.160mL、15.51mmol))の溶液に、TEA(10のmL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(2.179g、16.13mmol)およびDCM(100ml)中のEDCxHCl(4.04g、21.09mmol)の溶液を添加し、反応混合物は15分間N下で撹拌した。DCM(100ml)中の2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(10g、12.41mmol)の溶液を添加し、反応混合物をN下で室温で終夜撹拌し、飽和したaueousなNaHCO(400ml)を添加した。層を分離し、水層はDCM(1x150ml)を用いて抽出した。合わせたDCM層を、真空中で蒸発させた。
泡状白色固形物をEtOAc(80ml)に溶解し、HO(60ml)を添加し、pHは4に調節し層を分離した。HO層に、DCMを添加し(60ml)、pHは6に調節に層を分離した。DCM層に、HO(40ml)を添加し、pHは9.5に調節した。層を分離し、DCMは真空中で蒸発させ、1.7gの粗生成物を与えた。これはアセトン/HOから沈殿させ、真空中で50℃で乾燥し1.44gの表題生成物を与えた。
pH6での抽出からのHO層をpH6.3でDCM(100ml)を用いて抽出し、層を分離した。DCM層にHO(50ml)を添加し、pHは9.5に調節し、層を分離し、DCMを真空中で蒸発させ、追加の5.3gの粗生成物を与えた。
pH6.3での抽出からのHO層は、DCM(100ml)で抽出し層を分離した。DCM層に、HO(50ml)を添加し、pHは、9.5に調節し、層を分離させ、DCMを真空中で蒸発させ、追加の2.45gの粗生成物を与えた。
最後の2つの抽出からの粗生成物を合わせ(7.75g)、アセトン(5ml)/HO(50ml)から沈澱させた。沈殿物は、真空中で50℃で乾燥し、追加の4.38gの表題生成物を与えた。
方法Bによって得られた表題生成物は、方法Aによって得られた生成物と同一の質量およびNMRデータを有する。
【0222】
実施例3
2’−O−{3−[(2−メチルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化40】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(30mg、0.037mmol)およびイソブタン酸(1.05当量)から始める、実施例1および3から6の一般手順に従って、表題化合物(26.0mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:876.47[MH]+
13C(DMSO,125MHz)δ176.9,168.4,101.8,94.2,82.1,79.6,77.2,76.9,76.1,74.7,73.4,72.6,72.4,70.0,68.4,66.6,64.5,63.7,61.3,48.6,44.6,41.6,41.3,40.6,36.0,35.5,34.4,33.9,31.3,29.6,27.2,25.8,21.9,21.2,20.8,20.7,19.4,19.3,18.7,18.3,17.4,14.6,10.7,8.1,6.6.
【0223】
実施例4
2’−O−{3−[(2,2−ジメチルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化41】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(30mg、0.037mmol)およびピバル酸(1.05当量)から始める、実施例1および3から6の一般手順に従って、表題化合物(28.4mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:890.50[MH]+
13C(DMSO,125MHz)δ177.5,170.0,102.4,94.8,82.5,80.4,77.7,77.4,76.7,75.3,74.0,73.2,72.9,70.7,69.0,67.1,65.1,64.2,61.9,49.2,45.2,42.0,41.9,41.3,38.3,36.9,36.1,35.0,30.4,27.8,27.2,26.3,22.5,21.8,21.4,21.3,18.9,18.0,15.2,11.3,8.7,7.1.
【0224】
実施例5
2’−O−{3−[(N,N−ジエチルグリシル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化42】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(102mg、0.127mmol)およびN−ジエチルグリシン(1.05当量)から始める、実施例1および3から6の一般手順に従って、表題化合物(83.0mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:919.65[MH]+
13C(DMSO,125MHz)δ177.5,170.8,102.3,94.7,82.6,80.2,77.7,77.4,76.7,75.2,74.0,73.2,72.9,69.9,69.0,67.2,65.4,65.1,64.4,62.0,49.2,48.2,45.2,42.0,41.9,41.3,36.1,35.8,35.0,32.3,31.4,30.7,26.9,26.4,22.5,21.8,21.3,18.9,18.0,15.1,12.3,11.3,8.7,7.2.
【0225】
実施例6
2’−O−{3−[(4−ピリジニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化43】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(30mg、0.037mmol)および4−ピリジンカルボン酸(1.05当量)から始める、実施例1および3から6の一般手順に従って、表題化合物(30.9g)が得られた。
MS(ES+)m/z:911.30[MH]+
13C(DMSO,125MHz)δ176.9,164.4,150.0,141.7,121.0,101.9,94.2,82.2,79.8,77.3,77.0,76.2,74.7,73.5,72.7,72.5,70.1,68.5,66.7,64.6,63.7,61.4,48.7,44.7,41.6,41.5,40.7,37.1,35.6,34.6,31.6,29.6,27.3,25.8,21.9,21.3,20.9,20.8,18.4,17.6,14.7,10.9,8.3,6.7.
【0226】
実施例7
2’−O−{3−[(N,N−ジメチルグリシル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化44】

DCM(10mL)中の2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(500mg、0.62mmol)の溶液に、N,N−ジメチルグリシン(1.25当量)およびトリエチルアミン(0.5mL)を添加し、反応混合物は15分間N下で撹拌した。反応混合物に、HOBt(1.3当量)およびDCM(25mg/mL)中のEDCxHCl(1.7当量)の溶液を添加し、N下で室温で終夜撹拌した。反応混合物に、飽和水性NaHCO(50mL)を添加し、層を分離し、水層はDCM(20mL)を用いて抽出した。合わせた有機抽出物に、水(30mL)を添加し、pHは2NHClを用いてpH6.5に調節した。層を分離し、有機層に水を添加しpHをNH:HO=1:1を用いてpH9.5に調節した。有機層は真空下で蒸発させ、粗生成物として表題化合物を与えた。これはカラムクロマトグラフィ(溶離液:EtOAc:n−ヘキサン:EtN=100:100:20)によって精製し、表題化合物(59mg)を与えた。
MS(ES+)m/z:892.04[MH]+
13C(DMSO,125MHz)δ177.5,169.5,102.3,94.8,82.7,80.1,77.7,77.5,76.7,75.3,74.0,73.2,72.9,70.1,69.0,67.2,65.1,64.4,63.4,61.8,49.2,45.8,45.2,42.2,41.9,41.1,36.1,36.0,35.0,31.6,30.4,27.8,26.4,22.5,21.8,21.4,18.9,18.0,15.2,11.3,8.6,7.2.
【0227】
実施例8
2’−O−{3−[(N−メチルグリシル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化45】

DCM(10mL)中の2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(500mg、0.62mmol)の溶液に、Fmoc−サルコシン(241mg、0.775mmol)およびトリエチルアミン(0.5mL)を添加し、反応混合物はN下で15分間撹拌した。反応混合物に、HOBt(109mg、0.806mmol)およびDCM(10mL)中のEDCxHCl(202mg、1.05mmol)溶液を添加し、混合物をN下で室温で終夜撹拌した。次いで、飽和水性NaHCO(50mL)を添加し、層を分離し、水層をDCM(20mL)を用いて抽出した。合わせたDCM抽出物に、水(30mL)を添加し、pHはpH6.5に調節した。層の分離の後、水(10mL)を有機層に添加し、pHは9.5に調節した。層を分離し、有機層は真空下で蒸発させ、部分的に脱保護された表題生成物(506mg)を与え、これはDMF(5mL)に溶解し、ピペリジン(1mL)を添加し、30分間反応混合物を撹拌してcompleateに脱保護した。次いで、飽和水性NaHCO(50mL)およびEtOAc(20mL)を添加し、層を分離した。EtOAc層に、水(20mL)を添加し、pHは3.5に調節した。水層に、DCM(10mL)を添加し、pHは6.6に調節した。層の分離の後、DCM(10mL)を水層に添加し、pHは6.9に調節した。層は分離し、水層はDCM(4×10mL)を用いて再抽出した。合わせたDCM層に、水(20mL)を添加し、pHは9.5に調節した。層を分離し、DCM層は真空下で蒸発させ、粗生成物(319mg)が得られ、これはCHCNから沈澱させ、表題化合物(237mg)を与えた。
MS(ES+)m/z:878.04[MH]+
13C(DMSO,125MHz)δ177.5,171.0,102.3,94.7,82.7,80.1,77.7,77.5,76.7,75.3,74.0,73.2,72.9,70.1,69.0,67.2,65.1,64.3,61.8,54.8,49.2,45.2,42.2,41.9,41.2,36.5,36.1,35.0,31.8,30.3,27.8,26.4,22.5,21.8,21.4,21.3,18.9,18.0,15.2,11.3,8.7,7.2.
【0228】
実施例9から12の一般手順
乾燥したPS−CDI樹脂(17.77mg、0.062mmol)を反応容器に添加した。乾燥DCM(1mL)および乾燥DMF(200μL)の混合液に溶解した、対応するFmocで保護したアミノ酸(0.062mmol)およびHOBt(66.5mg、0.434mmol)を、樹脂に添加した。混合物は5分間室温で撹拌し、乾燥DCM(1mL)に溶解した2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(50mg、0.062mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌した。樹脂は濾別し、DCM(3x0.7mL)を用いて洗浄した。得られた反応溶液は濃縮し、ピペリジン(100μL、1.01mmol)を添加し、結果として得られる混合物を15分間室温で撹拌した。次いで、水(5mL)およびDCM(2.5mL)を添加し、pHは3.5に調節した。層を分離し、水層はDCM(3x2.5mL)を用いて洗浄した。Than,水層のpHは10.0に調節し、水層をDCM(4x2mL)を用いて抽出した。pH10で合わせた有機抽出物を、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮して、実施例9から12の対応する化合物が得られた。
【0229】
実施例9
2’−O−[3−(L−プロリルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化46】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(50mg、0.062mmol)およびFmoc−L−プロリン(20.93mg、0.062mmol)から始める実施例9から12の一般手順に従って、表題化合物(48.8mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:903.19[MH]+
【0230】
実施例10
2’−O−[3−(L−フェニルアラニルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化47】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(50mg、0.062mmol)およびFmoc−L−フェニルアラニン(24.03mg、0.062mmol)から始める実施例9から12の一般手順に従って、表題化合物(52.1mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:953.25[MH]+
【0231】
実施例11
2’−O−[3−(L−イソロイシルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化48】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(50mg、0.062mmol)およびFmoc−L−イソロイシン(21.92mg、0.062mmol)から始める実施例9から12の一般手順に従って、表題化合物(52.1mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:919.24[MH]+
【0232】
実施例12
2’−O−[3−(L−メチオニルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化49】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(50mg、0.062mmol)およびFmoc−L−メチオニン(23.04mg、0.062mmol)から始める実施例9から12の一般手順に従って、表題化合物(58mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:937.27[MH]+
【0233】
実施例13
2’−O−(3−{[4−(メチルオキシ)−4−オキソブタノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化50】

雰囲気下でDCM(5mL)中で希釈したコハク酸モノメチル(102mg、0.775mmol)に、トリエチルアミン(0.5mL)、HOBt(109mg、0.806mmol)、およびDCM(6mL)中のEDC(202mg、1.054mmol)の溶液を添加し、反応混合物は室温で15分間撹拌した。次いで、DCM(9mL)中の2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(500mg、0.620mmol)の溶液を添加し、室温で20時間撹拌を継続した。反応混合物は飽和水性NaHCO(2x15mL)を用いて抽出した。合わせた水層は、DCM(20mL)を用いて抽出した。合わせた有機層は、真空中で蒸発させた。白色泡状固体をEtOAc(20mL)で希釈し、pH4で水(20mL)を用いて抽出した。pH4で有機層は廃棄し、pH5.5でDCM(20mL)を用いて水層を抽出した。pH5.5で有機層は廃棄し、pH6でDCM(2x20mL)を用いて水層を抽出した。pH6で合わせた有機層に水(20mL)を添加し、pHは9に調節し、層を分離した。DCMは真空中で蒸発させ、白色泡状の固体として粗生成物(360mg)を与えた。これをEtOAc:n−ヘキサン:ジエチルエーテルから沈殿させ、50℃で5時間乾燥し、白色粉末として表題化合物(241mg)を与えた。
MS(ES+)m/z:921.25[MH]+.
13C(DMSO,125MHz)δ177.5,173.2,170.52,102.4,94.7,82.7,80.1,77.7,77.5,76.7,75.3,73.9,73.2,72.9,70.3,60.0,67.2,65.1,64.3,61.8,51.6,49.2,45.2,42.2,41.9,41.1,36.8,36.1,35.0,31.6,30.3,29.9,29.2,27.8,26.4,22.5,21.8,21.4,21.3,18.9,18.0,15.2,11.3,8.7,7.2.
【0234】
実施例14
2’−O−(3−{[5−(メチルオキシ)−5−オキソペンタノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化51】

雰囲気下でDCM(5mL)で希釈したグルタル酸モノメチル(113mg、0.775mmol)に、トリエチルアミン(0.5mL)、HOBt(109mg、0.806mmol)およびDCM(6mL)中のEDC(202mg、1.054mmol)の溶液を添加し、反応混合物は室温で15分間撹拌した。次いで、DCM(9mL)中の2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(500mg、0.620mmol)の溶液を添加し、20時間撹拌を継続した。反応混合物は飽和水性NaHCO(2x15mL)を用いて抽出した。合わせた水層は、DCM(20mL)を用いて抽出した。合わせた有機層は、真空中で蒸発させた。白色泡状の固体はEtOAc(20mL)で希釈し、pH4で水(20mL)を用いて抽出した。pH4で有機層は廃棄し、DCM(3x20mL)を用いて水層をpH6で抽出した。pH6で合わせた有機層に水(20mL)を添加し、pHは9に調節し、層を分離した。DCMは真空中で蒸発させ、5時間50℃で乾燥して、白色泡状の固体として表題化合物(435mg)を与えた。
MS(ES+)m/z:935.24[MH]+.
13C(DMSO,125MHz)δ177.5,173.4,171.3,102.4,94.7,82.7,80.1,77.7,77.5,76.7,75.3,73.9,73.2,72.9,70.4,60.0,67.2,65.1,64.3,61.8,51.6,49.2,45.2,42.2,41.9,41.1,36.7,36.1,35.0,34.8,33.0,31.6,30.1,27.8,26.4,22.5,21.8,21.4,21.3,21.0,18.9,18.0,15.2,11.3,8.7,7.2.
【0235】
実施例15
2’−O−{3−[(シクロブチルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化52】

PSカルボジイミド樹脂(PS−CDI、装填:1.24mmol/g、390mg、0.806mmol、1.3当量)を、乾燥した反応容器に添加した。DCM(5mL)およびDMF(0.2mL)の乾燥した混合液に懸濁したシクロブタンカルボン酸(39.1mg、0.391mmol)およびHOBt(35.2mg、0.261mmol)を、乾燥した樹脂に添加した。その混合物は室温で5分間撹拌し、乾燥DCM(7mL)に溶解した2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)を添加した。反応混合物は75℃で7分間マイクロ波によって加熱した。PSトリスアミン(装填:4.11mmol/g)(318mg、HOBtに対して5当量)を室温で4時間使用してHOBtを捕捉した。樹脂は濾過によって反応混合物から除去し、DCM(2x10mL)を用いて洗浄した。溶媒は真空中で蒸発させ、白色泡状の固体が得られた。これにMeCN(2−3mL)を添加し生成物を沈澱させ、濾別すると白色粉末として表題化合物(227mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:888.47[MH]+.
13C(DMSO,125MHz)δ177.5,173.8,102.4,94.7,82.5,80.2,77.7,77.5,76.7,75.0,73.9,73.2,72.9,70.4,68.7,67.2,65.2,64.2,62.0,49.2,45.2,42.1,41.9,41.2,38.2,36.6,36.1,35.2,32.2,30.1,27.8,26.3,25.1,22.5,21.8,21.4,21.3,18.9,18.2,18.0,15.2,11.3,8.7,7.2.
【0236】
実施例16
2’−O−{3−[(メトキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化53】

方法A:
PSカルボジイミド樹脂(PS−CDI、装填:1.24mmol/g、390mg、0.806mmol、1.3当量)を、乾燥した反応容器に添加した。乾燥DCM(5mL)およびDMF(0.2mL)の混合物に懸濁したメトキシ酢酸(0.030mL、0.391mmol)およびHOBt(35.2mg、0.261mmol)を、乾燥した樹脂に添加した。その混合物は室温で5分間撹拌し、乾燥DCM(7mL)に溶解した2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)を添加した。反応混合物は75℃で7分間マイクロ波によって加熱した。PSトリスアミン(装填:4.11mmol/g)(318mg、HOBtに対して5当量)を室温で4時間使用して、HOBtを捕捉した。樹脂は濾過によって反応混合物から除去し、DCM(2x10mL)を用いて洗浄した。溶媒は真空中で蒸発させ、390mgの透明オイルを与えた。これをEtOAc(20mL)で希釈し、pH4で水(20mL)を用いて抽出した。有機層は廃棄し、水層はpH5.8でDCM(20mL)を用いて抽出した。pH5.8で有機層は廃棄し、水層はpH6.2でDCM(3x20mL)を用いて抽出した。pH6.2で合わせた有機層に水を添加し(20mL)、pHを9に調節し、層を分離し、DCMを真空中で蒸発させて、白色粉末として表題化合物(197mg)を与えた。
MS(ES+)m/z:878.42[MH]+.
13C(DMSO,125MHz)δ177.5,168.8,102.3,94.8,82.7,80.0,77.7,77.5,76.7,75.3,73.9,73.2,72.9,72.0,70.2,69.0,67.2,65.1,64.4,61.8,58.8,49.2,45.2,42.2,41.9,41.1,36.2,36.1,35.0,31.6,30.2,27.8,26.4,22.5,21.8,21.4,21.3,18.9,18.0,15.2,11.3,8.7,7.2.
【0237】
方法B:
メトキシ酢酸(0.119mL、1.551mmol)をN雰囲気下でDCM(10ml)で希釈した。TEA(1mL)、HOBT(0.218g、1.613mmol)およびDCM(10ml)中のEDC(0.404g、2.109mmol)の溶液を添加し、反応混合物は15分間室温で撹拌した。DCM(20ml)中の2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(1g、1.241mmol)の溶液を添加し、撹拌は20時間継続し、飽和水性NaHCO(30ml)を添加した。層を分離し、DCMは真空中で蒸発させた。泡状固体をEtOAc(30ml)で希釈し、pH4で水(30ml)を用いて抽出した。有機層は廃棄し、水層をpH5.8でDCM(3x25ml)を用いて洗浄した。合わせた有機層は廃棄し、水層をpH6.2でDCM(3x30ml)を用いて抽出した。合わせた有機層に、水(30ml)を添加し、pHを9に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、白色泡状の固体として510mgの粗生成物を与えた。これをジエチルエーテル/n−ヘキサンから沈殿させ濾別し、50℃で5時間乾燥し白色粉末として表題生成物(505.1mg)を与えた。
方法Bによって得られた表題生成物は、方法Aによって得られた生成物と同一の質量およびNMRデータを有している。
【0238】
実施例17
2’−O−{3−[(3−フラニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化54】

PSカルボジイミド樹脂(PS−CDI、装填:1.24mmol/g、390mg、0.806mmol、1.3当量)を、乾燥した反応容器に添加した。DCM(5mL)およびDMF(0.2mL)の乾燥混合液に懸濁した3−フロン酸(43.8mg、0.391mmol)およびHOBt(35.2mg、0.261mmol)を、乾燥樹脂に添加した。その混合物は室温で5分間撹拌し、乾燥したDCM(7mL)に溶解した2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)を添加した。反応混合物は75℃で7分間マイクロ波によって加熱した。PSトリスアミン(装填:4.11mmol/g)(318mg、HOBtに対して5当量)を室温で4時間使用してHOBtを捕捉した。樹脂は濾過によって反応混合物から除去し、DCM(2x10mL)を用いて洗浄した。溶媒は真空中で蒸発させ、透明オイルを与えた。これをEtOAc(20mL)で希釈し、pH4で水(20mL)を用いて抽出した。有機層は廃棄し、水層をpH5.5でDCM(20mL)を用いて抽出した。pH5.5で有機層は廃棄し、水層をpH6.3でDCM(2x20mL)を用いて抽出した。pH6.3で合わせた有機層に水(20mL)を添加し、pHは9に調節し、層を分離した。DCMは真空中で蒸発させ、白色泡状の固体を与えた。これにジイソプロピルエーテル(約4ml)を添加した。沈殿物は濾別し、50℃で5時間乾燥して白色粉末として表題化合物(193mg)を与えた。
MS(ES+)m/z:900.48[MH]+.
13C(DMSO,125MHz)δ177.5,161.8,145.0,144.2,123.4,109.3,102.4,94.7,82.7,80.3,77.7,77.5,76.7,75.3,73.9,73.2,72.9,70.1,69.0,67.1,65.1,64.2,61.8,49.2,45.2,42.1,41.9,41.3,36.6,36.1,35.0,32.7,30.4,27.8,26.3,22.4,21.8,21.4,21.3,18.9,18.0,15.2,11.3,8.8,7.1
【0239】
実施例18
2’−O−(3−{[(5−メチル−2−ピラジニル基)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化55】

PSカルボジイミド樹脂(PS−CDI、装填:1.24mmol/g、390mg、0.806mmol、1.3当量)を、乾燥した反応容器に添加した。5−メチル−2−ピラジンカルボン酸(54.0mg、0.391mmol)およびDCM(5mL)およびDMF(0.2mL)の乾燥混合液に希釈した、HOBt(35.2mg、0.261mmol)を、乾燥した樹脂に添加した。その混合物は室温で5分間撹拌し、乾燥DCM(7mL)に溶解した2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol))を添加した。反応混合物は75℃で7分間マイクロ波によって加熱した。PSトリスアミン(装填:4.11mmol/g)(318mg、HOBtに対して5当量)を4時間室温で使用してHOBtを捕捉した。樹脂は濾過によって反応混合物から除去し、DCM(2x10mL)を用いて洗浄した。溶媒は真空中で蒸発させ、400mgの帯黄色のオイルを与えた。これは、EtOAc(20mL)で希釈し、pH4で水(20mL)を用いて抽出した。pH4で有機層は廃棄し、水層をpH5.5でDCM(20ml)を用いて抽出した。pH5.5で有機層は廃棄し、水層をpH6.2でDCM(3x20mL)を用いて抽出した。pH6.2で合わせた有機層に水(20ml)を添加し、pH9に調節し層を分離した。DCMは真空中で蒸発させ白色泡状の固体を与えた。これはジイソプロピルエーテルから沈殿させ、50℃で5時間乾燥し、白色粉末として表題化合物(198mg)を与えた。
MS(ES+)m/z:926.45[MH]+.
13C(DMSO,125MHz)δ177.4,163.0,157.0,143.1,142.7,142.6,102.2,94.8,82.8,79.9,77.7,77.5,76.7,75.3,73.9,73.1,72.9,70.3,69.0,67.1,65.1,64.4,61.8,49.1,45.2,42.1,41.9,41.1,37.0,36.1,34.9,31.4,30.0,27.8,26.3,22.4,21.8,21.6,21.3,18.9,18.1,15.2,11.3,8.7,7.1.
【0240】
実施例19
2’−O−(3−{[(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール4−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化56】

PSカルボジイミド樹脂(PS−CDI、装填:1.24mmol/g、390mg、0.806mmol、1.3当量)を、乾燥した反応容器に添加した。1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸、および乾燥DCM(5mL)および乾燥DMF(0.2mL)の混合液で希釈したHOBt(35.2mg、0.261mmol)を、乾燥した樹脂に添加した。その混合物は室温で5分間撹拌し、DCM(モレキュラーシーブ上で乾燥した)(7mL)に溶解した2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)を添加した。反応混合物は75℃で7分間マイクロ波によって加熱した。PSトリスアミン(装填:4.11mmol/g)(318mg、HOBtに対して5当量)を室温で4時間使用して、HOBtを捕捉した。樹脂は濾過によって反応混合物から除去し、DCM(2x10mL)を用いて洗浄した。溶媒は真空中で蒸発させ、540mgの透明オイルを与え、EtOAc(20ml)で希釈し、pH4で水(20ml)を用いて抽出した。有機層は廃棄し、水層をpH5.5でDCM(20ml)を用いて抽出した。有機層は廃棄し、水層をpH6でDCM(3x20ml)を用いて抽出した。合わせた有機層に、水(20ml)を添加し、pHは9に調節し層を分離した。DCMは真空中で蒸発させ、透明オイルを与えた。これを、EtOAc/nヘキサンから沈殿させ、濾別し、50℃で5時間乾燥し、白色粉末として表題化合物(141mg)を与えた。
MS(ES+):942.58[MH]
13CNMR(DMSO,125MHz)δ177.5,164.4,144.9,139.7,114.9,102.5,94.7,82.4,80.6,77.7,77.4,76.7,75.3,73.9,73.2,72.9,71.3,68.9,67.2,65.0,64.0,61.8,49.2,45.3,42.2,41.9,40.9,37.2,36.1,35.8,35.0,32.1,30.5,27.8,26.3,22.3,21.8,21.4,21.3,18.9,18.0,15.2,13.3,11.3,10.5,8.6,7.1.
【0241】
実施例20
2’−O−{3−[(3−ピリジニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化57】

PSカルボジイミド樹脂(390mg、0.484mmol)を反応容器に添加した。ニコチン酸(48.1mg、0.391mmol)および乾燥DCM(6mL)および乾燥DMF(0.3mL)の混合液に溶解したHOBt(35.2mg、0.261mmol)を、樹脂に添加した。その混合物は室温で5分間撹拌し、乾燥DCM(6mL)に溶解した2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)を添加した。反応混合物は75℃で7分間マイクロ波によって加熱した。
PSトリスアミン(装填:4.11mmol/g)(318mg、1.305mmol、HOBtに対して5当量)を3時間室温で使用して、HOBtを捕捉した。樹脂は濾過によって除去し、DCM(2x1mL)を用いて洗浄した。有機溶媒は蒸発させて、ジエチルエーテルから沈澱させ、白色泡状の生成物として110mgの表題化合物を与えた。
MS(ES+)m/z:912.24[MH]+
13C(DMSO,125MHz)δ177.5,165.0,152.0,148.5,135.2,130.8,123.8,102.4,94.7,82.7,80.3,77.7,77.4,76.7,75.2,74.0,73.2,72.9,70.7,68.8,67.2,65.1,64.2,61.9,49.2,45.2,41.9,41.1,37.5,36.1,35.0,32.1,30.2,27.8,26.3,22.4,21.8,21.4,21.3,18.9,18.0,15.2,11.3,8.7,7.1
【0242】
実施例21
2’−O−{3−[(エチルオキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化58】

方法A:
PSカルボジイミド樹脂(390mg、0.484mmol)を反応容器に添加した。(エチルオキシ)酢酸(40.7mg、0.391mmol)および乾燥DCM(6mL)および乾燥DMF(0.2mL)の混合物に溶解したHOBt(35.2mg、0.261mmol)を、乾燥した樹脂に添加した。混合物は室温で5分間撹拌し、乾燥DCM(6mL)に溶解した2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)を添加した。反応混合物は75℃で7分間マイクロ波によって加熱した。
PSトリスアミン(装填:4.11mmol/g)(318mg、1.305mmol、HOBtに対して5当量)を3時間室温で使用して、HOBtを捕捉した。樹脂は濾過によって除去しDCM(2x1mL)を用いて洗浄した。有機溶媒は蒸発させた。
泡状白色固形物をEtOAc(20ml)に溶解し、HO(20ml)を添加し、pHはpH3.7に調節した。層を分離し、HO層に、DCM(10ml)を添加し、pHはpH5.5に調節した。不純物のいくらかがDCM層に分離され、生成物はHO層中に残った。この抽出は2回繰り返した。
O層に、pH5.5でDCM(10ml)を添加し、pHはpH6.1に調節した。層を分離し、DCMを用いて抽出は4回繰り返した。合わせたDCM層に、H2O(20ml)を添加し、pHはpH9.5に調節した。層を分離し、DCM層は真空中で蒸発させ、190mgの表題化合物を与えた。
MS(ES+)m/z:892.52[MH]+
13C(DMSO,125MHz)δ177.5,169.2,102.3,94.7,82.7,80.1,77.7,77.5,76.7,75.3,74.0,73.2,70.1,69.1,67.2,66.4,65.1,64.4,61.8,49.2,45.2,42.2,41.9,41.1,36.1,35.0,31.8,30.3,27.8,26.4,22.5,21.8,21.4,21.3,18.9,18.0,15.2,15.1,11.3,8.7,7.2
【0243】
方法B:
DCM(200ml)中のエチルオキシ酢酸(1.468mL、15.51mmol))の溶液に、トリエチルアミン(10mL)、HOBT(2.470g、16.13mmol)およびDCM(100ml)中のEDC(4.04g、21.09mmol)の溶液を添加し、反応混合物はN下で15分間撹拌した。DCM(100ml)中の2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(10g、12.41mmol)の溶液を添加し、反応混合物をN下で室温で終夜撹拌し、飽和aquousNaHCO(400ml)を添加した。層を分離し、水層はDCM(1x150ml)を用いて抽出した。合わせたDCM層は、真空中で蒸発させた。
泡状の白色固形物はEtOAc(60ml)に溶解し、HO(40ml)を添加し、pHは3.7に調節した。層を分離し、HO層にDCMを添加し(30ml)、pHを5.5に調節した。この抽出は2回繰り返した。
O層にpH5.5でDCM(10ml)を添加し、pHは5.8に調節した。層は分離し、水層をDCM(4x)を用いて抽出した。合わせたDCM層にHO(20ml)を添加し、pHは9.5に調節した。層を分離し、DCM層は真空中で蒸発させ、残渣はアセトン(3ml)/HO(50ml)から沈殿させ、70℃で6時間乾燥して1.7gの表題生成物を与えた。
追加の量の生成物が、DCM(6回繰り返し)を用いてpH5.8でHO層を抽出することによって得られた。合わせたDCM層にHO(20ml)を添加し、pHは9.5に調節し層を分離し、DCMを真空中で蒸発させ、残渣はアセトン(5ml)/HO(60ml)から沈殿させ、70℃で6時間乾燥し、追加の2.7gの表題生成物を与えた。
【0244】
実施例22から23の一般手順
乾燥DCM(5ml)に懸濁した対応する酸(1.25当量)を、丸底フラスコに添加した。HOBt(1.3当量)およびEtN(5.8当量)を添加し、続いて乾燥DCM(6ml)中のEDAC(1.7当量)の懸濁液を添加した。室温で15分の撹拌の後、乾燥DCM(9mL)に溶解した2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1を添加した。撹拌は室温で20時間継続した。反応混合物は飽和水性NaHCO(2×15ml)を用いて抽出した。有機溶媒は蒸発させた。
精製は酸塩基の抽出によって実施し、実施例22から23の対応する化合物を与えた。
【0245】
実施例22
2’−O−(3−{[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化59】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(500mg、0.620mmol)および2,2−ビス−(hydroxmethyl)プロピオン酸(1.25当量)から始める実施例22から23の一般手順に従って、粗生成物が得られ、EtOAcに溶解し、pH4で水を用いて抽出した。pH4で有機層は廃棄し、水層をpH6.5でDCMを用いて洗浄した。pH6.5で有機層を廃棄し、水層をpH7.4でDCMを用いて抽出した。pH7.4で合わせた有機層に水を添加し、pHは9に調節し、層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をCHCNから沈澱させ、表題化合物(235mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:923.1[MH]+
【0246】
実施例23
2’−O−{3−[(2−ピラジニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化60】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(500mg、0.620mmol)および2−ピラジンカルボン酸(1.25当量)から始める実施例22から23の一般手順に従って、粗生成物が得られ、EtOAcに溶解し、pH4で水を用いて抽出した。pH4で有機層は廃棄した。水層にDCMを添加し、pHは5.9に調節し、水層をDCMを用いて抽出した。pH5.9で合わせた有機層に水を添加し、pHを9に調節し層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をジイソプロピルエーテルから沈澱させ、表題化合物(236mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:913.27[MH]+
【0247】
実施例24から40の一般手順
乾燥したPSカルボジイミド樹脂(PS−CDI、装填:1.2mmol/g、1.3当量)を、反応容器に添加した。対応する酸(1.05当量)およびDCM(6mL)およびDMF(100−500μL)の乾燥混合液に溶解したHOBt(0.7当量)を、樹脂に添加した。混合物は室温で5分間撹拌し、乾燥DCM(6mL)に溶解した2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1を添加した。反応混合物は70−75℃で7−8分間マイクロ波照射によって加熱した。
PSトリスアミン(装填:4.11mmol/g、HOBtに対して5当量)を3時間室温で使用してHOBtを捕捉した。樹脂は濾過によって反応混合物から除去し、DCM(2−5mL)を用いて洗浄した。有機溶媒は蒸発させ実施例24−40の粗生成物を与えた。
精製は、酸塩基の抽出によって、沈澱によって、またはHPLC手法によって実施した。
【0248】
実施例24
2’−O−(3−{[(2,5−ジメチル−3−フラニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化61】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および2,5−ジメチル−3−フランカルボン酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られ、これをEtOAcに溶解し、pH4で水を用いて抽出した。pH4で有機層は廃棄し、水層をpH5.5でDCMを用いて洗浄した。pH5.5で有機層は廃棄し、水層をpH6.2でDCMを用いて抽出した。pH6.2で合わせた有機層に水を添加し、pHは9に調節し、層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をジイソプロピルエーテルから沈澱させ、表題化合物(193mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:928.48[MH]+
【0249】
実施例25
2’−I−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化62】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)およびテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られ、EtOAcに溶解し、pH4で水を用いて抽出した。pH4で有機層は廃棄し、水層をpH5.5でDCMを用いて洗浄した。pH5.5で有機層は廃棄し、水層をpH6.0でDCMを用いて抽出した。pH6.0で合わせた有機層に水を添加し、pHを9に調節し層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をEtOAc/n−ヘキサンから沈澱させ、表題化合物(158mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:918.6[MH]+
【0250】
実施例26
2’−O−(3−{[(1,2,5−トリメチル−1H−ピロール−3−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化63】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および1,2,5−トリメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをEtOAcに溶解し、pH4で水を用いて抽出した。pH4で有機層は廃棄した。水層にDCMを添加し、pHは5.8に調節し、水層をDCMを用いて抽出した。pH5.8で合わせた有機層に水を添加し、pHを9に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をEtOAc/n−ヘキサンから沈澱させ、表題化合物(155mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:941.7[MH]+
【0251】
実施例27
2’−O−(3−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化64】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および1−メチル−1H−イミダゾール−5−カルボン酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをEtOAcに溶解し、pH4で水を用いて抽出した。pH4で有機層は廃棄した。水層にDCMを添加し、pHは6.5に調節し、水層をDCMを用いて抽出した。pH6.5で合わせた有機層に水を添加し、pHを9に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をEtOAc/n−ヘキサンから沈澱させ、表題化合物(165mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:914.44[MH]+
【0252】
実施例28
2’−O−[3−({[1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール4−イル]カルボニル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化65】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール4−カルボン酸(1.05当量),から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをEtOAcに溶解し、pH4で水を用いて抽出した。pH4で有機層は廃棄した。水層にDCMを添加し、pHは5.8に調節し、水層をDCMを用いて抽出した。pH5.8で合わせた有機層に水を添加し、pHを9に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をEtOAc/n−ヘキサンから沈澱させ、表題化合物(160mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:982.38[MH]+
【0253】
実施例29
2’−O−(3−{[(4−クロロフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化66】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および4−クロロ安息香酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをEtOAcに溶解し、pH4で水を用いて抽出した。pH4で有機層は廃棄した。水層にDCMを添加し、pHは5.4に調節し、水層をDCMを用いて抽出した。pH5.4で合わせた有機層に水を添加し、pHを9に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をジイソプロピルエーテル/n−ヘキサンから沈澱させ、表題化合物(170mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:944.40[MH]+
【0254】
実施例30
2’−O−{3−[(ヒドロキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化67】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)およびglicolic酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをEtOAcに溶解し、pH3.7で水を用いて抽出した。pH3.7で有機層は廃棄し、水層をpH6.3でDCMを用いて洗浄した。pH6.3で有機層は廃棄し、水層をpH7.0でDCMを用いて抽出した。pH7.0で合わせた有機層に水を添加し、pHを9に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をジエチルエーテルから沈澱させ、表題化合物(302mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:864.50[MH]+
【0255】
実施例31
2’−O−{3−[(2−ピリジニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化68】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および2−ピリジンカルボン酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをジエチルエーテルから沈殿させ表題生成物(59mg)を与えた。母液を蒸発させ、残渣はCHCNから沈殿させ、追加の量の表題生成物(100mg)を与えた。
MS(ES+)m/z:911.34[MH]+
【0256】
実施例32
2’−O−{3−[(2,5−ジヒドロキシフェニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化69】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および2,5−ジヒドロキシ安息香酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをEtOAcに溶解し、pH3.7で水を用いて抽出した。pH3.7で有機層は廃棄し、水層をpH5.5でDCMを用いて洗浄した。pH5.5で有機層は廃棄し、水層をpH6.3でDCMを用いて抽出した。pH6.3で合わせた有機層に水を添加し、pHを9.5に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をCHCNから沈澱させ、表題化合物(17mg)が得られた。母液は蒸発させ、残渣はジエチルエーテルから沈殿させ、追加の量の表題生成物(32mg)を与えた。
MS(ES+)m/z:942.44[MH]+
【0257】
実施例33
2’−O−(3−{[(4−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化70】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これを、勾配手法を適用し溶離液A(10mMNHHCO/pH10)およびB(CHCN)の混合物を使用してHPLCによって精製した。表題化合物(150.4mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:941.60[MH]+
【0258】
実施例34
2’−O−(3−{[(2−クロロ−3−ピリジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化71】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および2−クロロ−3−ピリジンカルボン酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをEtOAcに溶解し、pH3.7で水を用いて抽出した。pH3.7で有機層は廃棄した。水層にDCMを添加し、pHは6.0に調節し、水層をDCMを用いて抽出した。pH6.0で合わせた有機層に水を添加し、pHを9.5に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をジイソプロピルエーテルから沈澱させ、表題化合物(220mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:945.34[MH]+
【0259】
実施例35
2’−O−(3−{[(2−クロロ−6−メチル−3−ピリジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化72】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および2−クロロ−6−メチル−3−ピリジンカルボン酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをEtOAcに溶解し、pH3.7で水を用いて抽出した。pH3.7で有機層は廃棄し、水層をDCMを用いて洗浄した。pH5.8で有機層は廃棄し、水層をpH6.0でDCMを用いて抽出した。pH6.0で合わせた有機層に水を添加し、pHを9.5に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をジイソプロピルエーテルから沈澱させ、表題化合物(218mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:959.44[MH]+
【0260】
実施例36
2’−O−(3−{[(5−アミノ−3−ピリジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化73】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および5−アミノニコチン酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをEtOAcに溶解し、pH3.7で水を用いて抽出した。pH3.7で有機層は廃棄した。水層にDCMを添加し、pHは6.5に調節し、水層をDCMを用いて抽出した。pH6.5で合わせた有機層に水を添加し、pHを9.5に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をCHCN/ジイソプロピルエーテルから沈澱させ、表題化合物(95mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:926.63[MH]+
【0261】
実施例37
2’−O−(3−{[(3−アミノ−2−ピラジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化74】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および3−アミノ−2−ピラジンカルボン酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをEtOAcに溶解し、pH3.7で水を用いて抽出した。pH3.7で有機層が廃棄した。水層にDCMを添加し、pHは5.9に調節し、水層をDCMを用いて抽出した。pH5.9で合わせた有機層に水を添加し、pHを9.5に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をジエチルエーテルから沈澱させ、表題化合物(70mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:927.58[MH]+
【0262】
実施例38
2’−O−(3−{[(5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール4−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化75】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール4−カルボン酸(1.05当量)を始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをEtOAcに溶解し、pH3.7で水を用いて抽出した。pH3.7で有機層は廃棄した。水層にDCMを添加し、pHは6.0に調節し、水層をDCMを用いて抽出した。pH6.0で合わせた有機層に水を添加し、pHを9.5に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、残渣をジエチルエーテル/n−ヘキサンから沈澱させ、表題化合物(166mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:962.60[MH]+
【0263】
実施例39
2’−O−(3−{[(2,5−ジメチル−1,3−オキサゾール−4−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化76】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)および2,5−dimethy−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをEtOAcに溶解し、pH3.7で水を用いて抽出した。pH3.7で有機層は廃棄した。水層にDCMを添加し、pHは5.8に調節し、水層をDCMを用いて抽出した。pH5.8で合わせた有機層に水を添加し、pHを9.5に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、表題化合物(202mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:929.42[MH]+
【0264】
実施例40
2’−O−{3−[(1−メチル−L−プロリル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化77】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(300mg、0.372mmol)およびN−メチル−L−プロリン(1.05当量)から始める実施例24から40の一般手順に従って、粗生成物が得られた。これをEtOAcに溶解し、pH3.7で水を用いて抽出した。pH3.7で有機層は廃棄し、水層をpH5.8でDCMを用いて洗浄した。pH5.8で有機層は廃棄し、水層をpH6.2でDCMを用いて抽出した。pH6.2で合わせた有機層に水を添加し、pHを9.5に調節して層を分離した。DCM層は真空中で蒸発させ、表題化合物(147.6mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:917.84[MH]+
【0265】
中間体2
2’−O−{3−[(3−メチル−2−ブテノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化78】

2’−O−(3−アミノプロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体1(500mg、0.620mmol)および3,3−ジメチルアクリル酸(1.25当量)から始める実施例22から23の一般手順に従って、表題化合物(355mg)が得られた。
MS(ES+)m/z:889.24[MH]+
【0266】
実施例41
2’−O−{3−[(3−メチルブタノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
【化79】

2’−O−{3−[(3−メチル−2−ブテノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、中間体2(250mg、0.28mmol))をMeOH(25ml)に溶解した。10%Pd/C(25mg)を添加し、Parraparatus中で2.5バールのH圧力で17時間水素化を実施した。触媒は濾過によって除去し、溶媒を真空中で蒸発させた。泡状の固体はEtOAc(20ml)に溶解し、pH4で水(20ml)を用いて抽出した。有機層は廃棄された。また、水層はpH9でDCM(20ml)用いて抽出された。DCMは真空中で蒸発させ、白色泡状の固体として粗生成物(215mg)を与えた。MeCN(3ml)を添加し、沈殿物は濾別し、50℃5時間乾燥し、白色粉末として表題化合物(113mg)を与えた。
MS(ES+)m/z:891.26[MH]+
【0267】
インビトロアッセイ
本発明の化合物のインビトロの効能インビトロのプロトコル「インビトロでLPSに刺激されたマウスspleenocytesにおけるIL6産生の抑制」に記載されている方法論を用いて測定した。実施例8、9、22、30および36の化合物インターロイキン6(IL−6)産生の40%未満の抑制を示した。
実施例1−7の化合物、10−21、23−29、31−35および37−41は、化合物の50μM濃度で、LPSで刺激されたspleenocytesのインターロイキン6(IL−6)産生の40%を超える抑制を示した。
【0268】
インビボアッセイ
本発明の化合物のインビボ効能は、「オスBALB/cJマウスの細菌のリポ多糖によって誘発された肺好中球増加症」のインビボプロトコルに記載されている方法論を用いて、測定した。−方法Aまたは方法B。
【0269】
オスBALB/cJマウスの細菌のリポ多糖によって誘発された肺好中球増加症で200mg/kgの試験化合物の1回量を腹腔内で(i.p.)受け取った、治療した動物の合計細胞数およびBALFにおける好中球の数の50%を超える抑制を、実施例2、5および8の化合物は示した。−方法A。
【0270】
オスBALB/cJマウスの細菌のリポ多糖によって誘発された肺好中球増加症で100mg/kgの試験化合物の1回量を腹腔内で(i.p.)受け取った治療した動物の、合計細胞数および好中球の数の、または合計細胞数の抑制が、実施例13、16−18、19、21および25の化合物は50%を超える抑制を、実施例7、14、15および20の化合物は30%を超える抑制およびBALF中のミエロペルオキシダーゼ濃度の減少を示した−方法B。
【0271】
実施例2、16および21の化合物は紙巻タバコ煙誘発肺好中球増加症アッセイにおいて試験した。実施例16および21の化合物は、用量30mg/kgで40%を超える抑制を示してBALF中の好中球の数を著しく減少させた。実施例2の化合物は、用量100mg/kgでBALFにおいて好中球の数の10%未満の抑制を示し、統計的に有意性はなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で表される化合物またはその塩:
【化1】

[式中、
Aは二価ラジカル−C(O)−、−N(R)CH2−、−CHN(R)−、−CH(NR1011)−、−C(=NR12)−、または−CH(OH)−を表し、
は下記式(a)のα−L−クラジノシル基を表し、
【化2】

はHまたは−CHを表し、
はHまたは−C(O)C1−3アルキルを表し、または、RおよびRは、介在する原子共に下記式(b)の環状炭酸エステル基を形成し:
【化3】

はHを表し、または、RおよびRは、介在する原子と共に式(b)の環状炭酸エステル基を形成し、
はH、−C1−4アルキル、または−C(O)C1−3アルキルを表し、
は、
(i)無置換の、またはヒドロキシ、−C1−3アルコキシ、および−C(O)OC1−3 アルキルから選択される基によって末端炭素原子において置換された、または、−C1−8アルキルが分岐している場合、2個の各末端炭素原子においてヒドロキシル基により置換されていてもよい、−C1−8アルキル、
(ii)O、S、およびNから選択されるヘテロ原子が、場合によって介在していてもよい、−CH(NH)C1−4アルキル、
(iii)RとRがそれぞれ独立してHまたはC1−3アルキルを表すCHN(R)(R)、但し、RとRが両方とも同時にHを表さない、
(iv)O、S、およびNから独立して選択される最大2個のヘテロ原子を含有し、無置換の、または−C1−3アルキルによって置換された、四−六員の複素環式環、
(v)無置換の、またはハロ、ヒドロキシル、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシ、−CF、−OCF、および−NHから独立して選択される1〜3個の基によって置換された五−六員のヘテロ芳香環、
(vi)アリール基が無置換、または−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシ、およびヒドロキシルから独立して選択される1または2個の置換基によって置換されていてもよい、CH(NH)CH−アリール、
(vii)−C3−7シクロアルキル、または
(viii)無置換の、またはハロ、ヒドロキシル、−C1−3アルキル、−C1−3アルコキシ、−CF、−OCF、および−NHから独立して選択される1または2個の基によって置換されたフェニル
を表し、
はHまたは−C1−4アルキルを表し、
10およびR11はそれぞれ独立してH、−C1−6アルキル、または−C(O)Rを表し、
12は−OR13であり、
13はH、または無置換の、またはシアノ、−NR1415、および−C1−6アルコキシから独立して選択される1または2個の置換基によって置換された−C1−6アルキル、または−C3−7シクロアルキル、または−C3−6アルケニルであり、
14およびR15は独立してHまたは−C1−6アルキルであり、
かつ、
aは2〜6の整数である]。
【請求項2】
Aが、Rが−C1−4アルキルである二価ラジカル−N(R)CH−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がHである、請求項1および請求項2のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項4】
がHである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
がHである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
がメチルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
が、末端炭素原子で−C1−3アルコキシによって置換された−C1−8アルキルである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
aが3である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
2’−O−[3−(アセチルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−[3−(プロパノイルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(2−メチルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(2,2−ジメチルプロパノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(N,N−ジエチルグリシル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(4−ピリジニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(N,N−ジメチルグリシル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(N−メチルグリシル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−[3−(L−プロリルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−[3−(L−フェニルアラニルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−[3−(L−イソロイシルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−[3−(L−メチオニルアミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[4−(メチルオキシ)−4−オキソブタノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[5−(メチルオキシ)−5−オキソペンタノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(シクロブチルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(メトキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(3−フラニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(5−メチル−2−ピラジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール4−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(3−ピリジニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(エチルオキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパノイル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(2−ピラジニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(2,5−ジメチル−3−フラニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(1,2,5−トリメチル−1H−ピロール−3−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−[3−({[1−メチル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール4−イル]カルボニル}アミノ)プロピル]−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(4−クロロフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(ヒドロキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(2−ピリジニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(2,5−ジヒドロキシフェニルカルボニル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(4−アミノ−2−ヒドロキシフェニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(2−クロロ−3−ピリジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(2−クロロ−6−メチル−3−ピリジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(5−アミノ−3−ピリジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(3−アミノ−2−ピラジニル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(5−クロロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−(3−{[(2,5−ジメチル−1,3−オキサゾール−4−イル)カルボニル]アミノ}プロピル)−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(1−メチル−L−プロリル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA、
2’−O−{3−[(3−メチルブタノイル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンA
から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその塩。
【請求項10】
2’−O−{3−[(メトキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAである、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその塩。
【請求項11】
2’−O−{3−[(エチルオキシアセチル)アミノ]プロピル}−9−デオキソ−9a−メチル−9a−アザ−9a−ホモエリスロマイシンAである、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその塩。
【請求項12】
塩が薬学上許容される塩である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその塩。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩の治療有効量を対象に投与することを含む、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、び漫性汎細気管支炎、閉鎖性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、成人型呼吸窮迫症候群、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫、慢性副鼻腔炎、慢性関節リウマチ、痛風性関節炎、炎症性腸疾患、糸球体腎炎、虚血再灌流からの損傷、アテローム性動脈硬化症、乾癬および脈管炎などの皮膚病、全身性エリトマトーデス、全身性炎症反応症候群、敗血症、虚血再潅流障害、酒さ、歯周炎、歯肉増殖症および前立腺炎症候群から選択される、好中球浸潤に起因する好中球優位の炎症性疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患の治療を必要とする対象における、治療方法。
【請求項14】
治療を必要とする対象がヒトである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
疾患が、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、び漫性汎細気管支炎、閉鎖性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、急性呼吸窮迫症候群、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫、および慢性副鼻腔炎から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
a)請求項1〜11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩、およびb)一種または二種以上の薬学上許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項17】
医薬療法に用いられる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその薬学上許容される塩。
【請求項18】
慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、び漫性汎細気管支炎、閉鎖性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、成人型呼吸窮迫症候群、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫、慢性副鼻腔炎、慢性関節リウマチ、痛風性関節炎、炎症性腸疾患、糸球体腎炎、虚血再灌流からの損傷、アテローム性動脈硬化症、乾癬および脈管炎などの皮膚病、全身性エリトマトーデス、全身性炎症反応症候群、敗血症、虚血再潅流障害、酒さ、歯周炎、歯肉増殖症および前立腺炎症候群から選択される、好中球浸潤に起因する好中球優位の炎症性疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患を治療するための医薬の製造における、請求項1〜11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩の使用。
【請求項19】
疾患が、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、び漫性汎細気管支炎、閉鎖性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、急性呼吸窮迫症候群、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫、および慢性副鼻腔炎から選択される、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、び漫性汎細気管支炎、閉鎖性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、成人型呼吸窮迫症候群、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫、慢性副鼻腔炎、慢性関節リウマチ、痛風性関節炎、炎症性腸疾患、糸球体腎炎、虚血再灌流からの損傷、アテローム性動脈硬化症、乾癬および脈管炎などの皮膚病、全身性エリトマトーデス、全身性炎症反応症候群、敗血症、虚血再潅流障害、酒さ、歯周炎、歯肉増殖症、および前立腺炎症候群から選択される、好中球浸潤に起因する好中球優位の炎症性疾患および/または好中球の変化した細胞機能に関連した疾患の治療に使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩。
【請求項21】
慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、び漫性汎細気管支炎、閉鎖性細気管支炎、気管支炎、気管支拡張症、急性呼吸窮迫症候群、重症または耐ステロイド性の喘息、気腫、および慢性副鼻腔炎の治療に使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩。。
【請求項22】
a)請求項1〜11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩、およびb)一種または二種以上のさらなる治療上活性な医薬を含む、組合せ。

【図1】
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【公表番号】特表2012−516305(P2012−516305A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546834(P2011−546834)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050968
【国際公開番号】WO2010/086350
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】