説明

妨害電磁界の補償

【課題】一様な磁界および一様でない磁界を補償する、妨害電磁界を補償するシステムを提供する。
【解決手段】本発明は、妨害電磁界(一様でない妨害電磁界)を補償するシステムであって、リアル・センサ信号を出力する2つの3軸磁界センサ(3、4)と、保護すべき対象物(2)の周りにケージとして構成され、個別に作動する6つの補償コイル(6)と、6つの入力および6つの出力、ならびに入力側でセンサ信号を受信し、信号を処理して補償コイル(6)用の制御信号にするデジタル・プロセッサを有する制御ユニット(7)とを備え、対象物(2)の位置における妨害電磁界をマッピングする第1の行列乗算によりリアル・センサ信号が変換されて仮想センサ信号になり、制御装置の構成を記述する演算子により仮想センサ信号が変換されて修正された信号になり、第2の行列乗算により修正された信号が変換されてリアル制御信号になり、これらの制御信号が6つの補償コイル(6)に個別に供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、妨害電磁界を補償するためのシステムに関し、詳細には、2つのセンサとデジタル・プロセッサとを有する磁界補償用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
妨害電磁界、特に妨害磁界を補償するために、ほとんどの場合にフィードバック制御システムが使用され、それにより、1つまたは複数のセンサが、カルテシアン空間の3つ全ての軸について妨害電磁界の振幅を測定する。各センサの測定信号が制御ループに供給され、この制御ループは、磁界を生成する装置について、各センサの測定信号から制御信号またはアクチュエータ信号を計算する。
【0003】
補償すべき磁界は、地磁界でもよく、また周囲に存在する他の導電装置によって生成されてもよい。
【0004】
たとえば、磁界補償システムは、たとえば走査型電子顕微鏡(SEM)の場合には、磁界を使用するイメージング・システムとともに使用される。
【0005】
磁界を生成するための上記装置の場合、もっとも容易なケースでは、導電体の問題になることがある。一般に、遠方界の特性を有する妨害電磁界、すなわち5mの範囲内で電磁界の振幅が本質的に変化しないような電磁界を仮定する。この仮定は、たとえば鉄道車両による妨害に対しては当てはまる。妨害電磁界が対象範囲において一様である場合、補償電磁界もまた一様でなければならない。
【0006】
一様な補償磁界を生成するには、複数対のいわゆるヘルムホルツ・コイルを使用することが好ましい。ここでは、すなわち、それぞれが同じ向きに接続され、互いの距離が縁部(=コイルの直径)の半分の長さに等しい2つのコイルについての説明である(いわゆるヘルムホルツ条件)。
【0007】
さらに、互いの距離が縁部の1つの長さに等しい複数対のヘルムホルツ・コイルが使用される。3つの空間軸のそれぞれに対して1対のヘルムホルツ・コイルが使用される場合、これら複数対のコイルは、その位置の周りに立方体形状のケージを形成し、そこで1つまたは複数の妨害電磁界が補償されることになる。このようなコイル配置の場合、ケージの内部には確かに電磁界の不均質性が存在するが、こうした不均質性は、用途のほとんどの場合において許容可能である。
【0008】
磁界を補償するための装置が、米国特許出願公開第2005/019555号に開示してあり、ケージ内に3つのコイル対を有する。アナログ制御装置が使用されている場所で、補償すべき磁界が測定され補償される。
【0009】
補償電磁界を生成するのに空間軸毎に1つのコイルのみを使用するシステムも利用可能であるが、補償領域すなわち良好な補償が実現される領域は、ヘルムホルツ・コイルの場合よりも著しく小さい。
【0010】
一般に、対象となる場所での磁界を測定するためには、1つの単一磁界センサが使用される。例外として、ただし診断目的で使用される第2のセンサが存在する。単一の磁界センサは、保護すべき対象物の位置において、補償すべき磁界が一様なのか一様でないのかを検出することができない。
【0011】
妨害電磁界に対して保護すべき対象物は、一般にこの位置にあるので、妨害電磁界が補償されることになる位置において妨害電磁界を直接測定できないことが、妨害電磁界を補償するときにさらなる問題となる。
【0012】
2つの磁界補償システムが互いに直接隣接して配置される場合に、さらなる問題が生じる。次いで、これら2つのシステム間には、不要なフィードバック効果が生じることがある。
【0013】
制御システムは一般に、単一の用途に対して最適化することができるという点で、これら制御システムに関連する問題がある。制御構成における変化などに対する、全く異なる制御タスクへの適応は、通例は不可能であり、もしくは限定されたやり方でのみ可能であり、かつ/または実装することが非常に困難である。さらに、線形制御システムよりも妨害電磁界補償がより良好になり得る非線形制御システムは、一般にコストが高い場合にのみ実装することができる。制御環境が変化するとき、全体の制御回路または制御ループを新規に計算し、設計し、かつ/または変更しなければならないはずである。ほとんどの場合、直接ユーザはそれを行う立場にない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/019555号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、一様な磁界および一様でない磁界を補償することのできる、妨害電磁界を補償するためのシステムを提供することが、本発明の一目的である。
【0016】
保護すべき対象物の位置における妨害電磁界の測定シミュレーションを実行することが、本発明の別の目的である。
【0017】
直近で2つの磁界補償システムを使用する場合に潜在的に生じるフィードバックの影響を等化することが、本発明のさらに別の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の不可欠な特徴が、特許請求の範囲に示してある。
【0019】
具体的には、妨害電磁界を補償するためのシステムが提供され、このシステムは、妨害電磁界の影響から対象物を保護するための、2つの3軸リアル磁界センサ、3対の補償コイル、および1つの制御ユニットを有する。デジタル信号プロセッサDSPまたはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイFPGAなどの制御プロセッサとして、制御ユニットを設計することが好ましい。
【0020】
自由に定義可能な種類の平均化ステップにより、2つのリアル・センサの合計6つの出力信号を組み合わせて、仮想センサの3つの出力信号にしてもよい。平均化アルゴリズムを適切に選択することにより、仮想センサの出力信号が、保護すべき対象物の位置における妨害電磁界の振幅を表すことが可能になる。
【0021】
平均化ステップは制御システムによって実行され、この制御システムは、6つの入力を介して2つのリアル磁界センサの6つの出力信号を受信する。
【0022】
あらゆるセンサにおいて、2つの磁界センサの出力信号を3次元ベクトルで表してもよい。これら2つのベクトルを組み合わせて、6次元のベクトルすなわち6×1行列にしてもよい。2つのリアル・センサの出力信号の平均化ステップ、すなわち仮想センサの出力信号を計算するステップは、行列乗算によって記述してもよい。

V=M・S

V:仮想センサの各出力信号の6×1行列
M:リアル・センサの各出力信号の平均化ステップを記述する6×6行列
S:仮想センサの各出力信号の6×1行列
【0023】
ここで仮想センサの使用可能な出力信号(=制御システムの仮想入力信号)は、並列に動作している独立制御ループ用の入力として使用される。これらの制御ループは広帯域でもよく、周波数範囲について選択的でもよく、また周波数について選択的でもよい。各制御ループは、仮想入力信号Vを変更された信号
【数1】

(以下、「V^」と表記、他の記号についても同じ)に変換する制御アルゴリズムを有する。ここでV^は、制御システムの変更された合計6つの入力信号を表す6×1行列である。制御アルゴリズムは、演算子Ωで記述される。使用される制御アルゴリズムについて制限はない。したがって、演算子Ωは、行列でなくてもよく、したがって非線形のアルゴリズムを使用してもよい。したがって、修正された信号V^への変換は以下の通りに記述される。

V^=Ω(V)
【0024】
行列V^を6×6行列Lで乗算して、6つのコイルに対する制御信号を得る。すなわち、

O=L・V^

ここで、Lは修正された信号O=L・V^から制御信号Oを計算するための6×6行列である。
【0025】
したがって、制御システムが使用するアルゴリズムは、総合的に以下のように記述してもよい。

O=L・Ω(M・S)
【0026】
妨害が一様である場合に補償電磁界が一様でないほど、また妨害が一様でない場合に補償電磁界が一様であるほど、良好な補償効果を有するフィードバック・センサの周りの領域が小さくなる。
【0027】
妨害電磁界が一様でない場合、一様な補償電磁界を生成することは意味がない。この場合には、1対のヘルムホルツ・コイルの代わりに単一のアクチュエータ・コイルを使用することも意味がある。
【0028】
この場合は単一の補償システムのみが使用される。すなわち、仮想センサの位置を処理するために、またMが3×6行列になり得、Lが6×3行列になり得るように勾配電磁界を生成するために、3つの仮想信号のみが使用される。あるいは、6×6行列のうちの「使用しない」要素は、ゼロに等しくてもよい。
【0029】
ヘルムホルツ・コイル構成の場合には、コイル対のうちの1つのコイルのみがアクティブに作動し、しかも補償領域の下または補償領域の上の妨害電磁界の勾配に依存する。したがって、妨害電磁界の構造が変化する場合には、制御ループの新規パラメータ化以外に、単一コイルの位置を変更するための再構成は必要でない。
【0030】
2つの補償システムが直接隣り合って動作する場合には、結果として相互干渉が生じる。2つのシステム間のフィードバックは、6×6フィードバック行列または交差結合行列Cによって記述してもよい。Cは、仮想信号Vを有する制御信号Oのフィードバックを表す。
【0031】
妨害を回避するためには、フィードバック・システムは最適な結果をもたらすことにはならない。通例、デジタル制御システムでのみ過補償または不十分な補償が実現可能であり、この場合、広帯域で動作していないシステムでも実現可能である。他の全てのシステムにおいては、センサの位置を合わせなければならないはずである。こうした位置の変更により、3つの空間軸に対する各センサを空間内の様々な位置に位置決めしなければならないことが必要になる。しかし、全ての種類の用途に対する1つの単一システムを意図してはいないので、過補償または不十分な補償は、それぞれ適切な方法ではない。
【0032】
そうすると、リアル・センサの出力信号の行列Sは、6×1行列S^に拡張される。したがって、以下は全体として真である。

O=L・Ω(M・(S−C・O))
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】一様でない妨害電磁界を補償するためのシステムの概略図である。
【図2】妨害電磁界を補償するためのシステムと、その制御システムの概略図である。
【図3】妨害電磁界を補償するためのシステムの制御信号を計算するためのブロック図である。
【図4】磁界補償システムを使用しているところの概略図である。
【図5】直接隣り合う2つの磁界補償システムを使用しているところの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、例示的な実施形態により添付図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。ここで、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。
【0035】
図1には、妨害電磁界を補償するためのシステムが概略的に示してある。妨害電磁界1の影響から保護すべき対象物2には、妨害電磁界1が透過する。ここで、妨害電磁界1は勾配電磁界と仮定する。妨害電磁界1の振幅は2つのリアル磁界センサ3および4によって測定される。第1のリアル・センサ3は、出力信号S=[x(t),y(t),z(t)]をもたらし、第2のリアル・センサ4は、出力信号S=[x(t),y(t),z(t)]をもたらす。これら2つの出力信号は、図2に示す制御ユニット7にデジタル化形式で供給される。
【0036】
制御ユニット7は、合計6つの信号用の6つの入力を有し、2×3の空間軸に対応する。さらに、制御ユニット7は、6つのコイル6に対して制御信号を出力するための6つの出力を有する。
【0037】
2つのベクトルSおよびSを組み合わせて、6ベクトルS=(S,S,S,S,S,S)にする。図3に概略的に示したアルゴリズムに従って、制御ユニット7によってSが処理される。第1のステップで、制御ユニット7に供給された合計6つの信号が変換されて、仮想センサ5(図1)の信号V=(V,V,V,V,V,V)になる。Sを6×6行列Mで乗算することにより、これが生じる。したがって、以下は有効である。

V=M・S
【0038】
仮想信号Vは、保護すべき対象物2の位置における妨害電磁界の振幅に対応する。したがって、Mは、全体構成の幾何学的形状、ならびに2つのリアル・センサ3および4の各信号をどのように組み合わせるかを記述する。
【0039】
このようにして生成される仮想信号Vは、並列に動作する独立制御ループに供給され、さらに処理される。制御ユニット7の一部分としてのこれらの制御ループは、広帯域でもよく、周波数範囲について選択的でもよく、また周波数について選択的でもよい。制御ループは、仮想信号Vを変更して、修正された信号V^にする。VからV^への変換が、演算子Ωで記述される。したがって、以下のようになる。

V^=Ω(V)
【0040】
使用される制御アルゴリズムについての制限はないので、一般に、信号Vの修正は演算子Ωによって記述されるが、この演算子は必ずしも行列ではなく、したがって非線形のアルゴリズムを使用してもよい。
【0041】
コイル6についての制御信号を得るために、修正された信号V^が変換されてリアル制御信号Oになる。やはりOは6×1行列であり、したがって6つの単一信号を含み、それら信号が6つのコイル6を制御するのに使用される。したがって、修正された信号V^から制御信号Oへの変換は次式で示される。

O=L・V^

または、全体として、

O=L・Ω(M・S)

である。
【0042】
ここで、Lは6×6行列である。その要素の正確な値は、補償すべき妨害電磁界の性質、および補償電磁界を生成するコイル6の幾何学的形状に依存する。たとえば、x方向で動作している勾配電磁界が補償されるものとすると、この方向で動作している2つのコイルが別々に強い信号を得て、その結果これら2つのコイルは別々に強磁界を生成し、したがって、補償電磁界はまた勾配電磁界になり、その電磁界強度の方向は妨害電磁界の方向とは逆になる。
【0043】
1つの単一補償システムのみが使用される限り、これまでに述べてきたアルゴリズムが使用される。この場合、3つの仮想信号が必要になるだけであった。そうすると、仮想センサの位置が計算され、勾配電磁界が生成される。このためには、Mが3×6行列であり、Lが6×3行列であれば十分である。あるいは、6×6行列のうちの「使用しない」要素は、ゼロに等しくてもよい。
【0044】
やはり、直接隣り合って配置されている2つの補償システムは、制御ユニット7によって作動してもよい。保護すべき2つの対象物が隣り合って直接配置されており、大規模な補償システムによって保護されることになっていない、または保護されないことがある場合に、これは意味をなし得る。このことは、2つの補償システムが使用されているために、保護すべき領域のボリュームが著しく小さいことを意味する。したがって、補償するための勾配電磁界は必要とされない。しかし、このように設置すると、補償のための勾配電磁界を生成することも可能ではない。というのも、制御ユニット7の6つの出力信号が6対のコイルに与えられ、これらのコイルは、もっぱら空間内の各方向のそれぞれで一様な磁界を生成することができるからである。各コイル対は、直列に、並列に、またはインピーダンスに応じて接続してもよい。これらのコイル対は、保護すべき対象物2の周りにそれぞれ配置され、対応するシステムのそれぞれは、3対のコイルそれぞれによって形成されたケージの内部にそれぞれ配置される。この構成が、図4に示してある。3対のヘルムホルツ・コイルH1、H2、H3が、保護すべき対象物2の周りに配置される。2つのリアル・センサ3、4が、1つのケージHの内部にある。
【0045】
2つの補償システムも、直接隣り合って配置してよい。この場合が、図5に示してある。ここで、3対のヘルムホルツ・コイルH1a、H2a、H3a、またはH1b、H2b、H3bはそれぞれ、ケージHaまたはHbをそれぞれ形成する。2つのリアル・センサ3、4のうちの一方が、2つのケージHa、Hbのそれぞれの中にある。
【0046】
2つの補償システムが直接近接して使用される場合、2つのシステムの間にフィードバックの影響が生じることがある。6×6反結合行列Cを提供することにより、この説明がつく。この行列により、出力信号Oから仮想信号Vへのクロストークとなる信号の各部分がコンピュータ処理によって排除される。したがって、Cは、直接隣り合って配置された2つの補償システム間のフィードバックの種類を記述する。
【0047】
本発明によれば、リアル・センサ信号の6×1行列が、このフィードバック部分によって拡張される。これら拡張された信号の6×1行列をS^で示すと、以下のようになる。

S^=S−C・O
【0048】
仮想センサ信号を有する6×1行列は、このようにして得られたフィードバック部分によって拡張された信号S^から計算される。したがって、以下のようになる。

V=M・S^

最後に、以下の関係式に従って制御信号が得られる。

O=L・Ω(M・(S−C・O))
【0049】
以下では、システムの標準的な設置を想定することにする。すなわち、1つのシステムだけを設置する。したがって、フィードバックの影響は発生せず、このことは、行列Cがゼロ行列に等しいことを意味する。さらに、妨害電磁界の勾配はx方向に進むので、x方向における仮想センサ信号は、x方向における2つのリアル・センサ信号の算術平均からなるものと仮定しなければならない。たとえば、第1のリアル・センサのy方向における信号は局所的な妨害源によって生じる望ましくない成分を含むので、y方向における仮想センサ信号は、第2のリアル・センサのy方向における信号に等しくなければならない。平均化/雑音の抑圧理由により、z方向における仮想センサ信号は、z方向における2つのリアル・センサ信号の算術平均に等しくなければならない。これらの仮定の下で、行列Mは以下の形式になる。
【数2】

【0050】
補償コイルが対で形成され、x方向において勾配を有する一様な補償電磁界がy方向およびz方向で放出されるものとする場合、行列Lは以下の形式になる。
【数3】

【0051】
以下の例では、2重の設置を考える。すなわち、電磁界を補償するための2つのシステムは、直接隣り合って動作する。
【0052】
この場合、両方の補償ケージについての出力信号は制御ユニット7内部で知られているので、ここで、制御構成においてフィードバック部分も考慮に入れることができる。すでに述べたように、フィードバック行列または交差結合行列Cを使用することにより、これが生じる。第1の補償システムの出力に信号を加え、どの成分が第2のシステムの各センサによって吸収されるのか、また振幅のどのくらいの割合が吸収されるのかを、第1のシステムのセンサと比較して、第2のシステムで測定することにより、この行列Cまたはその要素をそれぞれ、同様に容易なやり方で実験的に求めてもよい。次いで、これらの信号部分は、フィードバック行列Cの各要素である。そうすると、この測定法は全てのコイルに対して実行しなければならない。
【0053】
たとえば、依然として出力Oがセンサ入力S上に40%で放射する場合、行列の要素はC25=0.4でなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
妨害電磁界、また一様でない妨害電磁界を補償するシステムであって、
リアル・センサ信号(S1、S2、S3、S4、S5、S6)を出力する2つの3軸磁界センサ(3、4)と、
保護すべき対象物(2)の周りにケージとして構成され、個別に作動させることができる6つの補償コイル(6)と、
6つの入力および6つの出力、ならびに前記入力側で前記センサ信号(S1、S2、S3、S4、S5、S6)を受信し、前記信号(S1、S2、S3、S4、S5、S6)を処理して前記補償コイル(6)用の制御信号(O、O、O、O、O、O)にするデジタル・プロセッサを有する制御ユニット(7)とを含み、前記対象物(2)の位置における前記妨害電磁界をマッピングするための第1の行列乗算(V=M・S)により前記リアル・センサ信号(S1、S2、S3、S4、S5、S6)が変換されて仮想センサ信号(V、V、V、V、V、V)になり、制御装置の構成を記述する演算子(Ω)により前記仮想センサ信号(V、V、V、V、V、V)が変換されて、修正された信号
【数1】

になり、
第2の行列乗算
【数2】

により、前記修正された信号
【数3】

が変換されて、リアル制御信号(O、O、O、O、O、O)になり、これらの制御信号が前記6つの補償コイル(6)に個別に供給されるシステム。
【請求項2】
互いに影響し合う、保護すべき2つの対象物(2a、2b)の周りに2つのケージ(Ha、Hb)を備え、前記制御ユニット(7)の前記6つの出力がそれぞれコイル対と接続され、前記磁界センサ(3、4)のうちの1つが前記対象物(2a、2b)のうちの1つに対して配置され、前記制御信号(O、O、O、O、O、O)がフィードバック行列(C)で乗算され、請求項1による方式でさらに処理されて前記センサ信号と同様の信号になる、請求項1に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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