説明

娯楽ゲーム装置及び多連型娯楽ゲーム装置

【課題】 ゲーム中及び非ゲーム中のいずれにおいても、風を利用した演出効果を発揮することができ、しかも遊技者に不快感を与えることがない娯楽ゲーム装置を提供する。
【解決手段】 ゲーム中においては、送風手段20から吹き出された層流状態の風を遊技者に当てる。遊技者に層流状態の風が当たって発生する乱流状態の風を、複数枚の軟質シート51から構成されるガイド手段によって演出発生手段としての大きい垂れ幕41までガイドする。垂れ幕41を乱流状態の風に晒すと、垂れ幕41は規則性の無い動きとなる。その結果、演出発生手段としての垂れ幕41の動きは、観衆の注目を集める高い演出効果を発揮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風の力を利用して視覚的な演出を発生する演出装置を備えた娯楽ゲーム装置及び該娯楽ゲーム装置を複数備えた多連型娯楽ゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開平5−92082号公報(特許文献1)には、遊技者が座る運転席に向かって風を噴出するレーシングカーを模したシミュレーションシステムが開示されている。
【0003】
特開2000−317133号公報(特許文献2)には、移動体の速度に応じて遊技者にスピード感を与えるために、スピードに応じて遊技者に当てる風量を変える技術が開示されている。
【0004】
特開2002−239211号公報(特許文献3)には、ゲーム機本体の天板部から風を吹き出し、吹き出した風で風の吹き出し口に設けた布のような軟性材料をなびかせるゲーム用の演出装置が開示されている。
【特許文献1】特開平5−92082号公報
【特許文献2】特開2000−317133号公報
【特許文献3】特開2002−239211号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に示された技術では、遊技者に風を当てて臨場感を感じさせることはできるものの、周囲の観衆には、ゲーム装置の特徴を伝えることができなかった。また特許文献3には、ゲーム中において、風を利用して視覚的に臨場感を演出できることは記載されているものの、非ゲーム中において周囲の観衆に対して風を利用した演出を見せるか否かについては明示されていない。
【0006】
本発明の目的は、ゲーム中及び非ゲーム中のいずれにおいても、風を利用した演出効果を発揮することができ、しかも遊技者に不快感を与えることがない娯楽ゲーム装置及び多連型娯楽ゲーム装置を提供することにある。
【0007】
上記目的に加えて、本発明の他の目的は、少ない風量で、より効果的な演出をすることができる娯楽ゲーム装置及び多連型娯楽ゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ディスプレイ装置と、ディスプレイ装置を支持し且つ遊技者が操作する操作部を備えたゲーム装置本体と、風の力を利用して視覚的な演出を発生する演出装置とを備えた娯楽ゲーム装置を対象とする。本発明で用いる演出装置は、送風手段と、演出発生手段と、流れ状態変換手段と、ガイド手段とを備えている。送風手段は、操作部を操作するために遊技者が位置する方向に向かって層流状態の風を送る。なお層流状態とは、空気の流れが規則正しく流線上を運動している流れをいう。これに対して、乱流状態とは、空気の流れに渦が生じて空気が不規則に運動している流れのことをいう。
【0009】
流れ状態変換手段は、送風手段と演出発生手段との間に設けられて層流状態の風を乱流状態の風に変えるものである。具体的な流れ状態変換手段としては、遊技者が存在しないときであれば、遊技者が座るシート(椅子)の背もたれを利用することができる。また流れ状態変換手段としては、ゲーム中においては、操作部を操作している遊技者自身を利用することができる。
【0010】
演出発生手段は、遊技者が存在する位置の後方に配置されて風の力で視覚的な演出を発生する。演出発生手段は、例えば、風の流れによって揺れたり、またはなびく軟質材料によって形成されているのが好ましい。そしてガイド手段は、乱流状態の風を演出発生手段までガイドする。演出効果を高めることを考えると、ゲーム中及び非ゲーム中のいずれにおいても、送風手段は送風動作を行うのが好ましい。なお本願明細書中において、ゲーム中とは、娯楽ゲーム装置で実際にゲーム行っている遊技者がいるときを意味し、非ゲーム中とは娯楽ゲーム装置で実際にゲームを行っている遊技者がいないときを意味する。
【0011】
本発明によれば、ゲーム中においては、送風手段から吹き出された層流状態の風が遊技者に当たる。遊技者に当たる風は外気の風と同じ層流であるため、遊技者は爽やかな風当たりを感じる。そして遊技者が流れ状態変換手段となって発生する乱流は、ガイド手段によって演出発生手段までガイドされる。ガイド手段によって集中した乱流状態の風に晒される演出発生手段の動きは、規則性の無い動きとなる。その結果、演出発生手段の動きは、観衆の注目を集める高い演出効果となる。また本発明では、非ゲーム中においても送風手段は送風動作を行う。このときには、例えば遊技者が座るシートがあれば、そのシートの背もたれが流れ状態変換手段となる。その結果、送風手段からの層流状態の風は、シートの背もたれに当たって乱流となる。そして乱流状態の風は、ガイド手段によって演出発生手段へとガイドされ、演出発生手段は規則性のない動きが、観衆の注目を集める高い演出効果となる。その結果、本発明によれば、遊技者に不快感を与えることなく、ゲーム中及び非ゲーム中のいずれにおいても、観衆の注目を集めることができる高い演出効果を得ることができる。
【0012】
送風手段は、非ゲーム中において、予め定められた送風パターンで送風を行うのが好ましい。送風パターンとしては、送風量を変化せる送風パターンや、送風を断続的に行う送風パターン等が考えられる。ゲーム中における送風手段の送風パターンは任意であり、ゲーム内容に応じて変わるものが好ましい。このようにするとゲームの臨場感を高めることができる。
【0013】
なおガイド手段の構成は任意である。例えば、ガイド手段を、遊技者が位置する場所の上方空間を、ゲーム装置本体から演出発生手段に向かう方向と直交する横方向の両側から間に挟む位置に配置された1枚以上の軟質シートから構成された一対の垂れ幕から構成することができる。この場合、軟質シートの下端部には錘部材を装着するのが好ましい。垂れ幕は、装飾部材として利用できるので、遊技者に違和感を与えることなく、ガイド手段を設置することができる。しかし垂れ幕は少しの風の変化で大きく揺れるため、垂れ幕の下部に錘を装着すれば、垂れ幕の動きを規制して、垂れ幕をガイド手段として機能させることができる。
【0014】
ゲーム装置本体は、操作部及び送風手段が装着される本体部と、本体部を支える支持部とから構成することができる。送風手段は、本体部の内部に配置された送風機と、本体部のフロントパネルに設けられた送風口と、送風機から吐き出された風を送風口までガイドする風洞とから構成することができる。なおフロントパネルにはは、平板状のパネルだけでなく、凹凸や孔を有していている立体的なパネルも当然にして含まれる。そしてゲーム装置本体の支持部は、遊技者に当たって支持部側に向かって流れる風をゲーム装置本体の後方に向かって流すように設けられた開口部を備えているのが好ましい。支持部にこのような開口部を設けると、遊技者に当たって支持部に向かった風が支持部で再度反射して遊技者に向かうのを阻止することができる。その結果、遊技者が下方からの乱流に晒されて不快を感じることがなくなる。
【0015】
またディスプレイ装置のディスプレイ部を演出発生手段が配置されている方向に向かって傾斜させるようにしてもよい。このようにすると流れ状態変更手段により乱流状態になった風がディスプレイ装置のディスプレイ部に当たった場合、傾斜するディスプレイ部がガイドとなって、乱流状態の風は上方に向かって流れ易くなる。その結果、遊技者が不快感を感じ難くなる。またシートに座っている遊技者の上半身と傾斜するディスプレイ部とは、ほぼ平行に並んだ状態となる。そのため直立しているディスプレイ部を見る場合よりも、画像を違和感なく見ることができる利点もある。なお遊技者に不快感を与えないという観点から見ると、支持部に設ける開口部及びディスプレイ部を傾斜させた構成は、特にゲーム中において効果を発揮するものである。したがってこれらの構成を特徴とする場合には、非ゲーム中に送風動作を行うことは必ずしも必要な要件にはならない。
【0016】
本発明は、娯楽ゲーム装置が、複数台並んで設けられている多連型娯楽ゲーム装置にも当然にして適用することができる。この場合でも使用する娯楽ゲーム装置は、前述の構成
を備えていればよい。特に、多連型娯楽ゲーム装置に本発明を適用する場合には、複数台の娯楽ゲーム装置を同時に制御する共通制御装置を更に設ける。そして共通制御装置を、非ゲーム中は、複数台の娯楽ゲーム装置が有する複数のディスプレイ装置における複数のディスプレイ部を一つの合成ディスプレイ部として映像を表示するように構成する。そして共通制御装置は、合成ディスプレイ部に表示される映像に応じて、複数台の娯楽ゲーム装置が有する複数台の送風手段の送風量を制御するように構成するのが好ましい。例えば、合成ディスプレイ部に右か左に移動する自動車の画像を表示する場合に、右端の娯楽ゲーム装置の演出発生手段から左端の娯楽ゲーム装置の演出発生手段までの複数の演出発生手段を順番に動かすようにする。このようにすると、あたかも合成ディスプレイ部上で移動する自動者の動きで演出発生手段が動いたかのような錯覚を観衆に与えることができ、格別の演出効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技者に不快感を与えることなく、ゲーム中及び非ゲーム中のいずれにおいても、観衆の注目を集めることができる高い演出効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図面を参照して本発明の娯楽ゲーム装置及び多連型娯楽ゲーム装置の実施の形態を詳細に説明する。図1及び図2は、自動車の運転を楽しむことができる娯楽ゲーム装置1に本発明を適用した実施の形態を異なる方向から見た斜視図である。また図3(A)及び(B)は、娯楽ゲーム装置1から垂れ幕を除いた状態の側面図と背面図を示している。これらの図において、娯楽ゲーム装置1は、運転席のシート3が搭載された台座5と、台座5の前方に固定されたゲーム装置本体7と、ゲーム装置本体7の上に設けられたディスプレイ装置9と、台座5の後方端部に設置されたポール11とを備えている。運転席のシート3は、座部3Aと、ヘッドレスト3Cを含む背もたれ3Bとから構成されている。本実施の形態では、ディスプレイ装置9のディスプレイ部10はシート3側に向かって傾斜している。
【0019】
ゲーム装置本体7は、台座5に連結されるベース部12と2本の脚柱部13及び14を含んで構成された支持部15と、支持部15に支持された本体部17とを備えている。図4に示すように、本体部17は、支持部15に支持されたフレーム部18とフロントパネル19とから構成されている。本体部17の内部には、図4及び図5に示した送風手段20、2つのスピーカ21、ハンドル23の回転角度を信号に変換する変換装置25及びデータ読み取り装置26等が収納されている。フロントパネル19には、選択スイッチSWが取り付けられている。また脚柱部14には、シフトレバー27が操作可能に装着されている。脚柱部14の内部には、コンピュータによって構成される画像データ制御装置及びゲーム制御装置等の各種のデータ処理装置と、通信装置とを含む制御装置ユニットが収納されている。また脚柱部14の内部には、コイン回収装置も含まれている。なお後述するように本実施の形態の娯楽ゲーム装置1は、複数台並べて使用されることがあり、その場合には各娯楽ゲーム装置1は相互に通信する状態で使用される。そして複数台のうちの1台の娯楽ゲーム装置のいずれかのコンピュータがマスタコンピュータとなって各種の連動制御が実行される。
【0020】
ベース部12には、アクセルペダル29とブレーキペダル31とが、遊技者の右足で操作できるように設けられている。図3(B)に良く示されるようにゲーム装置本体7の支持部15には、2つの脚柱部13及び14の間に、遊技者に当たって支持部15側に向かって流れる風をゲーム装置本体7の後方に向かって流す開口部16が設けられている。支持部15にこのような開口部16を設けると、遊技者に当たって支持部15に向かった風が支持部15で再度反射して遊技者に向かうのを阻止することができる。その結果、遊技者が下方からの乱流に晒されて不快を感じることがなくなる利点が得られる。
【0021】
送風手段20は、操作部(ハンドル23、シフトレバー27)を操作するために遊技者が位置する方向に向かって層流状態の風を送る。具体的には、フロントパネル19に設けられた送風口33から吹き出された規則正しく流線上を運動する空気の流れ(層流状態の風)が、ハンドル23の周囲を通ってシート3の背もたれ3Bに向かって流れている。この層流状態の風は、遊技者の顔には直接当たらないように吹き出し角度が定められている。なお送風口33には、層流を乱流にしない程度の編み目の大きさを有する網状のガードが装着されている。
【0022】
図5に示すように、送風手段20は、風洞34を備えたケース35の外部に設けられたモータ37の回転軸に固定されてケース35の内部に配置されたインペラ(複数枚の羽を備えた回転体)が回転することにより層流を発生するクロスフローファンを送風機として備えている。クロスフローファンは、軸流ファンのように発生した風が渦巻き状にならず、図示しないインペラの長さに等しい幅の静かな層流を発生する。本実施の形態によれば、遊技者に最初に当たる風は外気の風と同じ層流であるため、遊技者は爽やかな風当たりを感じる。
【0023】
本実施の形態では、シート3に座った遊技者またはシート3の背もたれ3Bが、送風手段20とポール11との間に設けられて層流状態の風を乱流状態の風に変える流れ状態変換手段を構成している。すなわち、遊技者がシート3に座っていないときであれば、遊技者が座るシート3の背もたれ3Bに層流状態の風が当たり、その結果乱流状態の風となる。またゲーム中にあっては、ハンドル23を操作している遊技者自身が流れ状態変換手段となって、送風手段20から流れてくる層流状態の風を乱流状態の風に変換する。図1に破線の矢印で示すように、乱流の一部は、渦をまきながらシート3の上方及び後方へと流れる。また遊技者の前方上方に向かった乱流状態の風は、図2に破線の矢印で示すように、ディスプレイ装置9の傾斜するディスプレイ部10に沿って一部は上昇する。さらに遊技者の前方に下方に向かった乱流状態の風の大部分は、前述の開口部16を通って支持部15の後方へと流れる。
【0024】
本実施の形態では、ポール11の先端に設けたクリップ部39に、布製の細長い大きな垂れ幕41の上端が保持されている。本実施の形態では、この大きな垂れ幕41が遊技者が存在する位置の後方に配置されて風の力で視覚的な演出を発生する演出発生手段を構成している。本実施の形態で用いることができる演出発生手段は、例えば、風の流れによって揺れたりまたはなびくものがよい。具体的には、布、ビニールシート、ポリプロピレンの紐などのように、簡単に切れることがなく、しかも軟質の材料によって形成されているものが好ましい。なお図1及び図2においては、なびいている状態の大きな垂れ幕41′を破線で示してある。乱流状態の風に晒される大きな垂れ幕41(41′)の動きは、規則性の無い動きとなる。特に本実施の形態では、後述するガイド手段(51)によって乱流状態の風が垂れ幕41に向かってガイドされて集中して当たるため、大きな垂れ幕41(41′)の動きは、周囲の観衆の注目を集める高い演出効果を発揮する。
【0025】
本実施の形態では、ディスプレイ装置9の上に設けた装飾板43に対して2本の支持アーム45が装飾版43の横方向に間隔をあけて固定されている。2本の支持アーム45は、ポール11側に延びており、2本の支持アーム45の先端には水平方向に延びる横棒部材47が一体に設けられている。そしてこの横棒部材47の両端部とクリップ部39の両端部との間には、紐部材49がそれぞれ掛け渡されている。そして紐部材49には、それぞれ4枚の小さな軟質シート51が紐部材49に添うように固定されている。本実施の形態では、軟質シート51は軟質材料である布またはビニールシートによって形成されたものを使用している。そして軟質シート51の下側端縁に、棒状の錘53を外からは見えないように装着している。軟質シート51は少しの風の変化で大きく揺れるため、軟質シート51の下部に錘53を装着すれば、軟質シート51の動きを規制することができる。そこで本実施の形態では、これらの複数枚の軟質シート51を、乱流状態の風を演出発生手段としての大きな垂れ幕41までガイドするガイド手段として用いている。すなわち本実施の形態では、遊技者が位置する場所(シート3)の上方空間を、ゲーム装置本体7から演出発生手段(41)に向かう方向と直交する横方向の両側から間に挟む位置に配置された4枚の軟質シート51から構成された一対の細長い分割された垂れ幕によってガイド手段を構成している。なおこのようなガイド手段は、硬質の板材で構成してもよい。例えば図3(A)に破線で示すように、クリップ部39の両端に2枚の板材55を垂直方向に立てるように固定してガイド手段としてもよい。ガイド手段は、乱流状態になった風を演出発生手段としての大きな垂れ幕41に導くことができるものであれば、どのような構造を有していてもよい。
【0026】
本実施の形態では、送風手段20が、非ゲーム中においても、予め定められた送風パターンで送風を行うように、送風手段20の図示しない駆動装置が構成されている。ここで送風パターンとしては、例えば送風量を強弱を付けて変化させる送風パターンや、送風を断続的に行う送風パターン等が考えられる。ゲーム中における送風手段20の送風パターンは任意である。例えば、ゲーム内容に応じて(具体的には、ゲームで使用するパラメータの変化に応じて)送風量が変わるようにすれば、ゲームの臨場感を高めることができる。
【0027】
本実施の形態では、ディスプレイ装置9のディスプレイ部10が、シート3側に傾斜しているので、シート(座席)に座っている遊技者の上半身と傾斜するディスプレイ部10とは、ほぼ平行に並んだ状態となる。そのため直立しているディスプレイ部を見る場合よりも、画像を違和感なく見ることができる利点もある。しかしながら通常の娯楽ゲーム装置と同様に、デイスプレイ部を直立状態になるようにディスプレイ装置を配置してもよいのは勿論である。
【0028】
図6及び図7は、娯楽ゲーム装置を、4台並べて構成した本発明の多連型娯楽ゲーム装置の実施の形態の構成を示す図である。本実施の形態の多連型娯楽ゲーム装置では、図1乃至図5に示した娯楽ゲーム装置と実質的に同じ構成の娯楽ゲーム装置101A〜101Dを、4台横に並べている。図6及び図7には、図1乃至図5に示した実施の形態の構成部品と同じ部品には、図1乃至図5上に付した符号の数に100の数を加えた数の符号を付して説明を省略する。多連型娯楽ゲーム装置に本発明を適用する場合には、4台の娯楽ゲーム装置101A〜101Dを同時に制御する共通制御装置を必要とする。図8に示すように、4台の娯楽ゲーム装置101A〜101Dはそれぞれコンピュータを内蔵した制御装置ユニットCU1〜CU4を備えている。これらの制御装置ユニットCU1〜CU4は、通信回線Nを用いて相互に接続されている。そして本実施の形態では、4台の制御装置ユニットCU1〜CU4のうち、1台の制御装置ユニットCU1〜CU4内のコンピュータがマスタコンピュータとなって、他の制御装置ユニットのコンピュータを連動させる構成を採用している。したがってこのマスタコンピュータとなるコンピュータを含む1台の制御装置ユニットが共通制御装置となる。
【0029】
この多連型娯楽ゲーム装置では、非ゲーム中において、4台の娯楽ゲーム装置101A〜101Dがそれぞれ有する4台のディスプレイ装置109の4つのディスプレイ部110を一つの合成ディスプレイ部として映像を表示するように共通制御装置が構成されている。また本実施の形態では、合成ディスプレイ部に表示される映像に応じて、4台の娯楽ゲーム装置が有する4台の送風手段120の送風量を制御するように共通制御装置を構成している。したがって例えば、合成ディスプレイ部に右か左に移動する自動車の画像を表示する場合に、右端の娯楽ゲーム装置101Dの演出発生手段である垂れ幕141Dから左端の娯楽ゲーム装置101Aの演出発生手段である垂れ幕141Aまでの演出発生手段を順番に動かすように4台の娯楽ゲーム装置101A〜101Dのそれぞれの送風手段120を駆動する。このようにすると図7に示すように、あたかも合成ディスプレイ部上で移動する自動者の動きで順番に垂れ幕141A〜141Dが動いたかのような錯覚を観衆に与えることができる。
【0030】
なお本実施の形態の形態の娯楽ゲーム装置で採用しているディスプレイ装置のディスプレイ部が傾斜する構造は、従来にない新規な構成であり、他の種類の娯楽ゲーム装置にも当然にして適用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】自動車の運転を楽しむことができる娯楽ゲーム装置に本発明を適用した実施の形態の斜視図である。
【図2】図1に示した娯楽ゲーム装置を異なる方向から見た斜視図である。
【図3】(A)及び(B)は、図1及び図2に示した娯楽ゲーム装置から垂れ幕を除いた状態の側面図及び背面図である。
【図4】ゲーム装置本体の分解斜視図である。
【図5】送風手段の斜視図である。
【図6】娯楽ゲーム装置を4台並べて構成した本発明の多連型娯楽ゲーム装置の実施の形態の構成を示す図である。
【図7】娯楽ゲーム装置を4台並べて構成した本発明の多連型娯楽ゲーム装置の実施の形態の構成を示す図である。
【図8】娯楽ゲーム装置を4台並べて構成した多連型娯楽ゲーム装置の制御を説明するために用いる図である。
【符号の説明】
【0032】
1 娯楽ゲーム装置
3 シート
3B 背もたれ(流れ状態変換手段)
5 台座
7 ゲーム装置本体
9 ディスプレイ装置
10 ディスプレイ部
11 ポール
15 支持部
17 本体部
19 フロントパネル
20 送風手段
23 ハンドル
41 大きな垂れ幕(演出発生手段)
51 軟質シート(ガイド手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ装置と、前記ディスプレイ装置を支持し且つ遊技者が操作する操作部を備えたゲーム装置本体と、風の力を利用して視覚的な演出を発生する演出装置とを備えた娯楽ゲーム装置であって、
前記演出装置は、
前記操作部を操作するために前記遊技者が位置する方向に向かって層流状態の風を送る送風装置と、
前記遊技者が存在する位置の後方に配置されて風の力で前記視覚的な演出を発生する演出発生手段と、
前記送風手段と前記演出発生手段との間に設けられて前記層流状態の風を乱流状態の風に変える流れ状態変換手段と、
前記乱流状態の風を前記演出発生手段までガイドするガイド手段とを備え、
前記ゲーム装置本体は、前記操作部及び前記送風手段が装着される本体部と、前記本体部を支える支持部とからなり、
前記送風手段は前記本体部の内部に配置された送風機と、前記本体部のフロントパネルに設けられた送風口と、前記送風機から吐き出された風を前記送風口までガイドする風洞とからなり、
前記ゲーム装置本体の前記支持部は、前記遊技者に当たって前記支持部側に向かって流れる風を前記ゲーム装置本体の後方に向かって流すように設けられた開口部を備えており、
前記送風手段は、ゲーム中及び非ゲーム中のいずれにおいても送風動作を行うことを特徴とする娯楽ゲーム装置。
【請求項2】
ディスプレイ装置と、前記ディスプレイ装置を支持し且つ遊技者が操作する操作部を備えたゲーム装置本体と、風の力を利用して視覚的な演出を発生する演出装置とを備えた娯楽ゲーム装置であって、
前記演出装置は、
前記操作部を操作するために前記遊技者が位置する方向に向かって層流状態の風を送る送風手段と、
前記遊技者が存在する位置の後方に配置されて風の力で前記視覚的な演出を発生する演出発生手段と、
前記送風手段と前記演出発生手段との間に設けられて前記層流状態の風を乱流状態の風に変える流れ状態変換手段と、
前記乱流状態の風を前記演出発生手段までガイドするガイド手段とを備えており、
前記送風手段は、ゲーム中及び非ゲーム中のいずれにおいても送風動作を行うことを特徴とする娯楽ゲーム装置。
【請求項3】
前記流れ状態変換手段は、遊技者が存在しないときには、前記遊技者が座るシートの背もたれであり、
前記送風手段は、非ゲーム中において、予め定められた送風パターンで送風を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の娯楽ゲーム装置。
【請求項4】
前記流れ状態変換手段は、ゲーム中においては、前記操作部を操作している前記遊技者であり、
前記送風手段は、ゲーム中においては、ゲーム内容に応じて予め定められた送風パターンで送風を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の娯楽ゲーム装置。
【請求項5】
前記演出発生手段が、前記乱流状態の風によって揺れるまたはなびく軟質材料によって形成されていることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の娯楽ゲーム装置。
【請求項6】
前記ガイド手段は、前記遊技者が位置する場所の上方空間を、前記ゲーム装置本体から前記演出発生手段に向かう方向と直交する横方向の両側から間に挟む位置に配置された1枚以上の軟質シートから構成された一対の垂れ幕からなり、
前記軟質シートの下端部には錘部材が装着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の娯楽ゲーム装置。
【請求項7】
前記ゲーム装置本体は、前記操作部及び前記送風手段が装着される本体部と、前記本体部を支える支持部とからなり、
前記送風手段は前記本体部の内部に配置された送風機と、前記本体部のフロントパネルに設けられた送風口と、前記送風機から吐き出された風を前記送風口までガイドする風洞とからなり、
前記ゲーム装置本体の前記支持部は、前記遊技者に当たって前記支持部側に向かって流れる風を前記ゲーム装置本体の後方に向かって流すように設けられた開口部を備えている請求項2に記載の娯楽ゲーム装置。
【請求項8】
前記ディスプレイ装置のディスプレイ部が前記演出発生手段が配置されている方向に向かって傾斜している請求項1,2,3,4,5,6または7に記載の娯楽ゲーム装置。
【請求項9】
ディスプレイ装置と、前記ディスプレイ装置を支持し且つ遊技者が操作する操作部を備えたゲーム装置本体と、風の力を利用して視覚的な演出を発生する演出装置とを備えた娯楽ゲーム装置が、複数台並んで設けられている多連型娯楽ゲーム装置であって、
前記娯楽ゲーム装置の前記演出装置は、
前記操作部を操作する前記遊技者が位置する方向に向かって層流状態の風を送る送風手段と、
前記遊技者が存在する位置の後方に配置されて風の力で前記視覚的な演出を発生する演出発生手段と、
前記送風手段と前記演出発生手段との間に設けられて前記層流状態の風を乱流状態の風に変える流れ状態変換手段と、
前記乱流状態の風を前記演出発生手段までガイドするガイド手段とを備え、
前記送風手段は、ゲーム中及び非ゲーム中のいずれにおいても送風動作を行うことを特徴とする多連型娯楽ゲーム装置。
【請求項10】
前記複数台の娯楽ゲーム装置を同時に制御する共通制御装置を更に備えており、
前記共通制御装置は、非ゲーム中は、前記複数台の娯楽ゲーム装置が有する複数の前記ディスプレイ装置における複数のディスプレイ部を一つの合成ディスプレイ部として映像を表示するように構成され、
前記共通制御装置は、前記合成ディスプレイ部に表示される映像に応じて、前記複数台の娯楽ゲーム装置が有する複数台の前記送風手段の送風量を制御することを特徴とする請求項9に記載の多連型娯楽ゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図6】
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【図7】
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