説明

媒体内に存在する対象物の位置検出方法および測定装置

本発明は、対象物(12)に相関する測定信号(U)が形成され、そこから少なくとも1つの第1のステータス"対象物有り"(Z=a)と少なくとも1つの第2のステータス"対象物無し"(Z=b)とを区別する信号(Z)が形成される、媒体内に存在する対象物の位置検出方法に関する。本発明によれば、その時点での測定信号(U)の値が先行して測定された局所的最大値(UMax,n)を設定された第1のパーセンテージ(P1)だけ下回る場合に、第1のステータス"対象物有り"(Z=a)から第2のステータス"対象物無し"への遷移が行われる。また本発明はこの方法を実行する測定装置、特に携帯可能な位置検出装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載された媒体内に存在する対象物の位置検出方法、および、請求項8の上位概念に記載された測定装置に関する。
【0002】
従来技術
媒体内に存在する対象物、例えば壁内、天井裏、床下または地中に存在する電線、水道管などの管、金属台架または木材梁などの位置を検出するために、測定装置または位置検出装置が長い間使用されている。ここではとりわけ、誘導式位置検出装置、すなわち磁場を形成し、この磁場が媒体内に存在する金属の物体によって妨害される様子を検出する装置が使用される。このような誘導式位置検出装置のほか、容量式位置検出装置、電源網電圧検出器および高周波数検出器も使用される。AC検出器とも称される電源網電圧検出器では受信導体ループシステムが使用され、これにより所望の信号が検出されて相応の対象物の位置が特定される。
【0003】
誘導式位置検出装置および容量式位置検出装置では、装置の較正が行われるにもかかわらず、使用されるセンサの甚大なダイナミクスが生じ、これにともなって、検出された測定信号の信号強度が変動するという問題が生じる。金属探知機によって異なる大きさおよび異なる収容深さの金属の対象物をできる限り多く検出できるようにするには、大きなダイナミクス領域をカバーしなければならない。ここで、収容深さとは、媒体内に存在する対象物から金属探知機までの距離である。媒体内に存在する対象物の深さのほか、この種のセンサの測定信号は、検出すべき材料の特性によってもそのつど大きなダイナミクス領域を有する。例えば、壁内深くに埋設された銅ケーブルによって形成されるセンサ信号または測定信号は2cmの深さに敷設された鉄管によって形成されるセンサ信号または測定信号より数オーダも小さい。
【0004】
したがって公知の位置検出装置、特に金属探知機または電源網電圧検出器には、しばしば、センサの感度をユーザが手動で再調整するための手段が設けられている。このために例えば位置検出装置のケーシングに形成された相応の回転ホイールを有する回転ポテンショメータが使用される。
【0005】
また、測定のたびに再較正することにより、センサ感度ひいては検出される測定信号の強度を存在する対象物に適合させることのできる位置検出装置も存在する。
【0006】
しかし当該の位置検出装置では、異なる大きさの対象物、例えば銅ケーブルと鋼支持体とを区別し、双方の正確な位置を知ることは困難である。検出される測定信号の信号強度が過度に大きいと、例えばセンサの受信増幅器の過制御が生じて不都合である。なぜなら、この場合、広い領域にわたって、対象物の正確な位置検出に必須の信号上昇ないしは信号下降を識別できなくなるからである。このような場合、媒体内に存在する対象物は横方向の広い領域にわたって測定装置の最大の振れを示すので、ユーザは対象物の正確な位置を把握できない。また、相互に密接する対象物を2つの別個の対象物として区別することもできない。
【0007】
従来技術から大きなダイナミクスを有する信号を検出するための複数のアプローチが公知である。
【0008】
独国出願第4200518号明細書からは、2つのコイル対を備えたセンサによって壁内に埋設されている金属の存在およびその収容深さを求めることのできる金属探知機が公知である。当該のセンサの2つのコイル対はそれぞれ発振器に接続されており、連続的に異なる周波数で振動する。これにより金属に影響された信号が測定され、評価のために重みづけされる。測定装置の強度によってユーザに金属の位置が表示される。埋設された金属の深さの測定、すなわち、媒体(壁、床または大地その他)の表面から媒体内に存在する対象物までの距離の測定のために、金属の存在が検出された後、定義された値だけ金属探知機を持ち上げるリフト装置が操作される。そしてもう一度測定が行われ、距離変化の設定値を考慮して、金属の埋設深さが計算されるのである。対象物の測定位置は手動で操作されるマーキング装置によりマーキングされる。
【0009】
当該の金属探知機の感度は受信信号の重みづけにより自動調整され、埋設された金属の測定はかなり正確となっている。
【0010】
したがって、本発明の基礎となる課題は、媒体内に存在する対象物の位置をできる限り正確に知ることのできる対象物の位置検出方法を提供することである。
【0011】
この課題は、請求項1の特徴を有する媒体内に存在する対象物の位置検出方法、または、請求項8の特徴を有する測定装置によって解決される。
【0012】
本発明の利点
本発明による媒体内に存在する対象物の位置検出方法では、対象物の位置情報を取得するための測定信号が形成される。この測定信号は、例えば、本発明の方法にしたがって動作する測定装置のセンサの受信導体ループシステムにおける誘導電圧である。相対信号強度によって媒体内に存在する対象物の位置が検出される。
【0013】
対象物の位置情報を有する測定信号から、本発明の方法またはこれにしたがって動作する測定装置のユーザに対して、位置検出の少なくとも2つのステータスを区別する出力信号が形成される。つまり、本発明の方法では、第1の信号は対象物が検出されたことを表す第1のステータス"対象物有り"に相応する。また、第2の信号は対象物が検出されなかったことを表す第2のステータス"対象物無し"に相応する。
【0014】
本発明の方法によれば、その時点の測定信号の値が先行して測定された局所的最大値を設定された第1のパーセンテージだけ下回った場合に第1のステータス"オブジェクト有り"から第2のステータス"オブジェクト無し"への遷移が行われる。
【0015】
従来技術の位置検出装置では、典型的には、測定信号が対象物識別のために設定された閾値を上回る場合に対象物の検出情報を送信する。測定信号の閾値は固定であるから、測定信号が当該の閾値を下回ると、対象物を識別することができない。このとき、早期につまり対象物までの距離が大きいうちに固定の閾値を上回る大きな測定信号によって対象物が検出されるが、その正確な位置を特定することはできない。
【0016】
本発明の方法では、第1のステータス"対象物有り"により、同じ測定過程において先行して測定された測定信号の最大値に関連する相対信号強度に基づいて対象物の位置が検出されたことがユーザに伝達される。典型的には対象物の位置検出にともなう測定信号の最大値が検出されると、さらなる測定信号が先行して測定された測定信号の最大値を定義されたパーセンテージだけ下回ることにより、所定の距離範囲が検出された対象物に割り当てられる。
【0017】
例えば2つの対象物が密接して存在している場合、一定の閾値を用いる従来技術では2つの対象物を合わせた全体の領域が閾値を超える1つの信号によって検出されていたが、本発明ではこれらを区別することができる。
【0018】
本発明の方法によれば、媒体内に存在している対象物の正確な位置検出が保証される。
【0019】
従属請求項に記載された手段により、本発明による位置検出方法の有利な実施形態が得られる。
【0020】
本発明の有利な実施形態によれば、その時点の測定信号の値が設定された第1の閾値を下回れば、先行して測定された局所的最大値を設定された第1のパーセンテージだけ下回らなくても、第1のステータス"対象物有り"から第2のステータス"対象物無し"への遷移が行われる。
【0021】
本発明の方法の有利な実施形態によれば、第1の閾値は従来技術に比べて小さい値である。第1の閾値を上回るのみで対象物の存在および位置が検出される。
【0022】
当該の実施形態では、その時点の測定信号の値が固定の第1の閾値を下回る場合、または、測定信号が最後に測定された最大値を定義された第1のパーセンテージだけ下回る場合、第1のステータス"対象物有り"から第2のステータス"対象物無し"への遷移が行われる。最大値はそのつどの測定において値が上方超過されるたびに更新される。
【0023】
本発明の方法の有利な実施形態によれば、その時点の測定信号の値が先行して測定された局所的最小値を設定された第2のパーセンテージだけ上回った場合に第2のステータス"対象物無し"から第1のステータス"対象物有り"への遷移が行われる。本発明では、第1のステータス"対象物有り"すなわち対象物が検出されたことは、固定の測定閾値が上方超過される場合だけでなく、先行して測定された測定信号の局所的最小値が設定された第2のパーセンテージだけ上方超過される場合にも報告される。測定信号が最小値を通過してさらに上昇すると、そこから、媒体内に存在しているさらなる対象物の存在が推論される。このように、本発明によれば、複数の対象物が密接して存在していても、その位置を特定することができる。
【0024】
本発明の方法の有利な実施形態によれば、第1のパーセンテージは第2のパーセンテージよりも大きく選定されている。最小値の上方超過の基準となる第2のパーセンテージは最大値の下方超過の基準となる第1のパーセンテージよりも小さいので、測定に際して複数回の掃引を行えば1回だけの掃引よりも正確に位置を特定することができる。こうして、第1のステータス"対象物有り"から第2のステータス"対象物無し"への遷移が報告された場合、例えば本発明の方法を実行する位置検出装置の移動方向を変更することができる。ステータスの遷移に対応する異なるパーセンテージに基づいて、測定信号の最大値によって表される正確な位置が信号強度のデータなしにステータス信号のみから高い精度で求められる。
【0025】
本発明の方法によれば、媒体内に存在している対象物の正確な位置検出が行えるので、詳細な測定信号特性を識別しなくとも、ユーザはステータス"対象物有り""対象物無し"間の遷移のみによってきわめて正確な検出を行うことができる。
【0026】
本発明の方法にしたがって動作する測定装置は広い移動範囲にわたって第1のステータス"対象物有り"を示すことはない。対象物に対応する測定領域は測定装置の移動方向を複数回変更することにより、さらに限定される。
【0027】
本発明の有利な実施形態によれば、その時点の測定信号の値が設定された第2の閾値を上回れば、局所的最小値を設定された第2のパーセンテージだけ上回らなくても、第2のステータス"対象物無し"から第1のステータス"対象物有り"への遷移が行われる。
【0028】
例えば測定過程が新たに開始される場合、測定信号の測定値ひいてはその最大値および最小値も存在しない。このようなケースでは、その時点の測定信号の値が設定された第2の閾値を上回った場合に第2のステータス"対象物無し"から第1のステータス"対象物有り"への遷移が行われる。
【0029】
本発明の方法の有利な実施形態によれば、第1の閾値は第2の閾値に等しく、これらの閾値は一定の比較的小さな値を有する。
【0030】
さらに有利には、測定信号は横方向移動量の関数として測定される。このようなセンサには例えば1つまたは複数の送信コイルおよび受信導体システムが設けられている。別の実施形態では、センサには、例えば交流電流によって位置検出を行う受信導体ループシステムが設けられる。センサは例えば木材梁を検知するための容量式センサであってもよい。センサは個々に別々の測定装置へ組み込むこともできるし、任意の組み合わせの複数のセンサを1つの測定装置へ統合することもできる。この場合、本発明の方法にしたがって動作する測定装置を壁に沿って移動させると、埋設されている相応の対象物、例えば金属部材、電線または木材梁の位置が特定される。測定装置のそれぞれの位置に定められた大きさの測定信号が対応する。
【0031】
本発明の媒体内に存在する対象物の位置検出方法を実行する測定装置、例えば携帯可能な位置検出装置には、そのつど測定されるステータス"対象物有り"または"対象物無し"を出力する出力手段が設けられている。センサごとに固有の出力手段を設けても出力させてもよいし、個々のセンサのステータス信号をまとめて中央出力ユニット、例えばグラフィックディスプレイによって出力させてもよい。音響出力も可能である。個々のセンサのそのつどのステータス"対象物有り"または"対象物無し"を出力することにより、ユーザには測定装置が検出された対象物の領域にあるか否かおよび対象物のタイプが報告される。
【0032】
本発明の有利な実施形態によれば、ステータス"対象物有り"または"対象物無し"の出力は光学的手段により行われる。例えば各ステータスは異なる色で符号化された状態で表示される。また、各ステータスを光信号の反復周波数を異ならせることによって区別することもできる。
【0033】
光学的出力のほか、音程または反復周波数を異ならせることによって各ステータスを区別する音響出力も可能である。本発明の測定装置には、少なくとも1つの受信導体ループシステム、例えば受信コイルを備えた少なくとも1つのセンサが設けられている。別の実施形態において、本発明の測定装置にさらなる送信コイル、受信コイルまたはセンサを設けてもよい。対象物の位置を検出する際には、対象物に対する測定装置の相対運動における信号変化が測定可能となるようにセンサが補償される。本発明の方法およびこれを実行する測定装置(例えば携帯可能な位置検出装置)により、高精度で媒体内に存在する対象物の位置を知ることができる。センサによって形成される測定信号のダイナミクス領域がきわめて高くても、本発明の方法のダイナミックなステータス割り当てにより、対象物の正確な検出が可能となる。
【0034】
本発明の方法によれば、媒体内に含まれている対象物の正確な位置検出が行えるので、詳細な測定信号特性を識別しなくとも、ユーザはステータス"対象物有り"および"対象物無し"の遷移のみによってきわめて正確な検出を行うことができる。
【0035】
本発明の方法およびこれを実行する装置の実施例を図示し、以下に詳細に説明する。
【0036】
図面
本発明の方法の実施例を図示し、これを以下に詳細に説明する。明細書、特許請求の範囲および図面には、多数の特徴およびその組み合わせが含まれる。当該分野の技術者はこれらの特徴を単独でまたは有利に組み合わせて考察することができるはずである。
【0037】
図1には媒体内に存在する対象物の位置検出に際しての典型的な測定状況の概略図が示されている。図2のaには従来技術の方法にしたがって検出された測定信号の特性および位置の関数として出力されたステータスのグラフが示されており、bにはaの信号の測定状況の概略図が示されている。図3のaには本発明の方法にしたがって検出された測定信号の特性および位置の関数として出力されたステータスのグラフが示されており、bにはaの信号の測定状況の概略図が示されている。図4には位置検出すべき対象物の直接近傍の測定信号の特性およびそこから得られたステータス信号の特性の概略図が示されている。図5には本発明の測定装置の有利な実施例の斜視図が示されている。
【0038】
実施例の説明
図1には、壁、大地または床、屋根などの媒体10に含まれている対象物の位置を検出する典型的な測定状況が示されている。位置検出装置24を検査すべき媒体10の表面26上で移動させることにより、この媒体10内に存在する対象物12が検出される。このような対象物12は、例えば、電線、水道管などの管または金属台架その他の物体である。このような位置検出装置24はとりわけ、少なくとも1つの送信コイルと受信ユニットとして使用される受信導体ループシステムとを備えた誘導式センサを有する。こうした位置検出装置は、測定信号を検出するためのセンサとして受信導体ループシステム、例えばコイルのみを備えた電源網電圧検出器であってもよい。測定装置はさらに種々のセンサの組み合わせを有していてもよい。
【0039】
ここで、このような受信ジオメトリの近傍に相応の物体が存在する場合、この物体は、送信ジオメトリによって形成されたフィールドを変化させ、その結果受信コイルに磁束が誘導される。そして、受信コイルないしは受信導体ループシステムに誘導された磁束が測定電圧としてコイルまたは後置接続された測定増幅器で取り出される。検出される測定信号すなわち取り出される測定電圧Uは、媒体内に存在する対象物に誘導式センサが接近するほど大きくなる。
【0040】
このような位置検出装置24が例えば図1に示されている矢印32の方向へ移動され、媒体内に存在する対象物12に接近すると、検出される測定信号は上昇する。
【0041】
このとき、特に従来技術の装置の場合には、媒体10内に存在する対象物12の近傍では次のような測定状況が生じる。すなわち、検出すべき対象物12の領域における位置検出装置24の大きな移動距離にわたって、出力量の最大振れ、例えば取り出される測定電圧Uの最大振れが現れ、強い測定信号が得られる。この場合、媒体内に存在する対象物12の位置を正確に特定することはできない。適切な駆動制御電子回路、エネルギ供給部および検出された測定信号を評価するための評価ユニットのほか、この種の位置検出装置24はたとえばグラフィックディスプレイ28も有する。このグラフィックディスプレイ28は検出された測定信号の強度に相関する出力量を表示する。出力量は例えばバーグラフ30の形態で表示され、発光するバーの長さが測定信号の強度を最小値から最大値まで表す。図1に示されているバーグラフによる出力量の表示とは異なる別の出力形態も可能であり、特に別の光学的表現も可能である。例えば相応の発光素子22を介してステータス"対象物有り"または"対象物無し"を表示することができる。
【0042】
図2のaには、従来技術の位置検出方法による測定信号Uの特性とステータスZすなわち"対象物有り"または"対象物無し"との関係が示されている。ここでは第1のステータス"対象物有り"は領域Z=aに相当し、第2のステータス"対象物無し"は領域Z=bに相当する。
【0043】
図2のaの基礎となる測定状況が図2のbに示されている。媒体36内には水道管、電線その他の種々の対象物12が存在している。位置検出装置124はこれらの対象物12の位置を特定しようとしている。位置検出装置24は矢印32の方向に例えば壁34の表面26上を移動される。図2のaには位置検出装置24のコイル内に誘導された電圧としての測定信号Uの相応の信号特性が示されている。この測定信号は検査すべき壁34の表面26を移動する位置検出装置24の横方向移動量Xの関数である。
【0044】
センサを備えた位置検出装置が対象物12から遠ざかるにつれて、相応の測定信号も小さくなる。従来技術による位置検出装置はたいてい検出閾値Uを有する。対象物の測定閾値が当該の検出閾値Uを下回る場合、対象物の存在も位置も検出されない。このような場合、位置検出装置は第2のステータス"対象物無し"Z=bを表す情報を出力する。第2のステータス"対象物無し"は図2に示されている測定状況では横方向移動量Xの領域bに含まれる。位置検出装置24が媒体36内に存在する対象物12に接近すると、測定信号Uは上昇する。その時点で測定された測定信号Uが検出閾値Uを上回ると、第2のステータス"対象物無し"Z=bから第1のステータス"対象物有り"Z=aへの遷移が生じる。こうしてユーザに、位置検出装置が媒体内に含まれている対象物を検出したことが報告される。
【0045】
図2に示されている従来技術の方法では、第1のステータス"対象物有り"は位置検出装置24の横方向の広い移動距離にわたって表示される。なぜなら測定信号Uが領域全体にわたって検出閾値Uを上回るからである。特に図2に示されている方法では、壁の左方から中央にかけての広い範囲において測定信号Uが検出閾値Uを上回る大きな信号となっており、2つの別個の対象物121,122を区別することができない。したがって対象物121,122の正確な位置は従来技術の方法では特定できないのである。
【0046】
また従来技術の方法によれば、壁の右方においては測定信号Uが検出閾値を下回っているため、対象物123を検出することができない。その時点の測定信号Uが例えば図2のaの横方向位置Xで検出閾値Uを下回ると、第1のステータス"対象物有り"Z=aから第2のステータス"対象物無し"Z=bへの遷移が生じる。測定信号Uが位置検出装置24のさらなる移動によっても検出閾値Uを下回ったままであれば、測定信号Uの明らかな増大が発生して対象物123の存在が推定される場合であっても、第2のステータス"対象物無し"は領域b全体にわたって維持されてしまう。
【0047】
つまり、図2に示されている従来技術による方法は、測定信号が形成されてもこれが検出閾値を下回っていると、対象物の存在をそもそも検出することができないという欠点を有する。検出閾値を設定すれば、その超過によって早期につまり対象物までの距離が大きいうちに大きな測定信号で対象物を検出することができるが、対象物の位置を正確に特定したり種々の対象物を区別したりすることはできないのである。
【0048】
図3のa,bには本発明の方法を用いるケースの測定状況が示されている。図3のbの測定状況は図2のbの測定状況に相応する。すなわち、本発明の方法にしたがって動作する位置検出装置24を矢印32の方向へ壁36の表面26上を移動させ、内部に存在する水道管、電線、木材梁などの対象物12を検出しようとしている。
【0049】
図3のaには位置検出装置によって検出された測定信号Uとステータス信号Zとの関係が示されている。測定信号Uから2つのステータス"対象物有り"Z=aと"対象物無し"Z=bとが形成される。
【0050】
本発明の位置検出方法では従来技術よりも小さい固定の閾値Uを用いる。当該の閾値Uを上回るのみで対象物の存在が識別される。本発明の方法にしたがって動作する位置検出装置が矢印32の方向へ壁36の表面26上を移動されると、図3のaに示されているように、測定信号Uが上昇する。測定信号Uが測定信号閾値Uを上回ると、第1のステータス"対象物有り"を表すステータス信号Z=aが形成される。当該のステータス信号Z=aはユーザに対して対象物が検出されたことを示す。ステータス"対象物有り"Z=aまたは"対象物無し"Z=bの表示は、例えば、出力手段として位置検出装置24内に集積された2つの発光ダイオード38のカラー信号により行われる。第1のステータス"対象物有り"Z=aから第2のステータス"対象物無し"Z=bへの遷移は例えば赤色発光ダイオードから緑色発光ダイオードへの切り換えによって表され、対象物の存在を考慮しなくてよいことがユーザにシグナリングされる。
【0051】
別の実施例として、位置検出装置24を図3のbの矢印32の方向へ移動させたとき、測定信号Uがさらに上昇し、ユーザにシグナリングされるステータスが第1のステータスZ=aのままとどまるケースを考察する。位置XMax1で測定信号Uは第1の最大値UMax1に達している。測定信号の上昇はユーザに報告されてもされなくても良い。
【0052】
本発明の方法において、位置検出装置24を矢印の方向に移動したとき、測定信号Uが最後に測定された最大値UMax1に比べて設定されたパーセンテージだけ低下すると、そのつどのステータスを表すステータス信号Zは第1のステータス"対象物有り"Z=aから第2のステータス"対象物無し"Z=bへ遷移する。
【0053】
位置検出装置の出力により、対象物の位置特定可能範囲を離れたことがユーザにシグナリングされる。図3の実施例では、測定信号Uが先行して測定された最大値UMax1に比べて15%低下すると、第1のステータスZ=aから第2のステータスからZ=bへの遷移が生じる。15%という値は典型的な値であり、本発明を限定するものではない。もちろん他の値も可能である。第1のステータスから第2のステータスへの切り換えに用いられる閾値は、位置検出装置の種々の検出プログラムにおいて、対象物の材料組成に基づく種々の応答特性に合わせて最適化することができる。使用されるセンサのタイプ(誘導式センサ、容量式センサまたはACセンサ)に応じて、第1のパーセンテージPを最適化することができる。当該の第1のパーセンテージPおよび後述する第2のパーセンテージPは絶対的な値ではなく、先行して測定された最大値UMaxまたは最小値UMinであることに注意されたい。測定信号Uにおいて第1のステータスZ=aと第2のステータスZ=bとのあいだの遷移に必要な信号変化量は絶対的な値にはならず、それまでに測定された測定信号の大きさに依存して定められる。このようにして、対象物122のような小さな物体または対象物123のような深い位置に存在している物体によって形成される小さな測定信号であっても、対象物121によって形成される大きな信号との比較により充分な定義が得られ、個々の対象物の位置の特定が可能となる。
【0054】
位置検出装置24が図3のbの矢印32の方向へさらに移動され、対象物121を通過してしまうと、測定信号Uは低下し、位置XMin1で最小値UMin1に達する。位置検出装置がさらに矢印32の方向へ移動されると、測定信号は内部に存在する対象物122の影響により再び上昇しはじめ、横方向位置XMax2で第2の局所的最大値UMax2に達する。したがって対象物122が位置XMax2に存在することを正確に識別することができる。
【0055】
測定信号Uが先行して測定された最小値UMin1を設定された第2のパーセンテージだけ上回ると、ステータス信号Zは第2のステータス"対象物無し"Z=bから第1のステータス"対象物有り"Z=aへ切り換えられる。図3の実施例では、第2のパーセンテージPは10%であるが、この10%という値は典型的な値であって本発明を限定するものではない。
【0056】
有利には、第2のパーセンテージPは第1のパーセンテージPよりも小さく選定される。このことは図4に関連して後述する。
【0057】
測定装置が位置XMax2を超えてさらに移動されると、測定信号Uは対象物122から離れるにつれて低下する。測定信号Uが先行して測定された最大値UMax2の値を第1のパーセンテージPだけ、すなわち図3の実施例では15%だけ下回ると、ステータス信号Zは本発明の条件にしたがって第1のステータスZ=aから第2のステータスZ=bへ切り換えられる。ここでユーザには、位置検出装置が対象物122の検出領域を離れたことがシグナリングされる。特に、当該の"対象物無し"の情報は測定信号Uが測定信号閾値Uを上回っていても形成される。このようにすれば、一定の閾値のみを使用する場合よりも正確に対象物の位置を特定することができる。
【0058】
本発明の測定装置24が矢印32の方向にさらに移動されると、位置Xで測定信号Uが閾値Uより小さくなるが、ステータスZは変化しない。なぜなら出力信号は既に第2のステータス"対象物無し"Z=bにセットされているからである。
【0059】
位置検出装置24が矢印32の方向へ位置Xを超えてさらに移動されると、測定信号Uは位置XMin2の第2の局所的最小値を通過し、そこから図3のbの右方に存在するさらなる対象物123の影響を受けて上昇する。測定信号Uが上昇していき、閾値Uを上回るとステータスZ=bからステータスZ=aすなわち"対象物有り"へ切り換えられる。本発明の方法では、有利には、その時点の測定信号の値が最後に測定された局所的最小値を設定された第2のパーセンテージだけ上回った場合、または、その時点の測定信号の値が固定の閾値Uを上回った場合に、第2のステータス"対象物無し"Z=bから第1のステータス"対象物有り"Z=aへの遷移が行われる。図3の実施例では閾値Uは最後に測定された局所的最小値を10%上回る値よりも小さいので、閾値Uが上方超過されると、ステータスZ=bからステータスZ=aへ切り換えられる。
【0060】
位置検出装置24を矢印32の方向へさらに移動させると、測定信号Uは対象物123への接近によって上昇し、位置XMax3で第3の局所的最大値に達する。これにより当該の位置が対象物123の位置として識別される。測定装置が位置XMax3を超えてさらに矢印32の方向へ移動されると、測定信号Uは対象物123から離れるにつれて低下する。測定信号Uが最後に測定された第3の最大値UMax3の値を第1のパーセンテージPだけ、すなわち図3の実施例では15%だけ下回ると、ステータス信号Zは本発明の条件にしたがって第1のステータスZ=aから第2のステータスZ=bへ切り換えられる。ここでユーザには、位置検出装置が対象物123の位置特定可能範囲を離れたことがシグナリングされる。
【0061】
有利には、第2のステータス"対象物無し"Z=bから第1のステータス"対象物有り"Z=aへの遷移の条件として用いられる第2のパーセンテージPの値は第1のステータス"対象物有り"Z=aから第2のステータス"対象物無し"Z=bへの遷移の条件として用いられる第1のパーセンテージPより小さく選定される。最小値の上方超過の基準となる第2のパーセンテージは最大値の下方超過の基準となる第1のパーセンテージよりも小さいので、同じ対象物を複数回掃引すれば1回だけの掃引よりも正確に位置を特定することができる。このことについては図4の個々の対象物を検出する実施例に則してさらに説明する。
【0062】
図4によれば、測定装置が開始位置Xから矢印32の方向へ向かって壁34の表面上を移動すると、測定信号Uはまず上昇をはじめる。測定信号Uが閾値Uを上回ると、第1のステータス"対象物有り"を表すステータス信号Zが形成される。当該のステータス信号Z=aにより、ユーザには対象物12が検出されたことがわかる。位置検出装置が矢印32の方向へさらに移動されると、測定信号Uは位置XMaxで最大値を通過し、この位置が対象物12の存在する位置として識別される。位置検出装置が位置XMaxを超えてさらに矢印32の方向へ壁34の表面上を移動すると、測定信号Uは最大値UMaxに対して低下しはじめるが、さしあたって第1のステータスZ=aは変化しない。測定信号Uが最大値UMaxに比べて設定された第1のパーセンテージPだけ、すなわち図4の実施例では15%だけ低下すると、当該の測定信号からステータス信号Z=b"対象物無し"が形成される。こうしてユーザに、位置検出装置が対象物の検出位置を離れたことが報告される。
【0063】
ユーザが位置検出装置の移動を矢印32の方向から矢印33の方向へ変更した場合、測定信号の転換点である最後に測定された測定値Uが最小値として用いられる。位置検出装置が矢印33の方向へ移動されると、第2のステータスZ=bは本発明により測定信号のその時点の値が最後に測定された最小値Uを第2のパーセンテージPだけ上回るまで維持される。図4の実施例では、第2のステータスZ=b"対象物無し"から第1のステータスZ=a"対象物有り"への遷移の条件を満足するには、測定信号の値が最後に測定された最小値Uを10%上回らなければならない。図4の実施例では当該の信号レベルは位置Xで達成される。すなわち、位置検出装置を矢印33の方向へ横方向領域で戻すように移動させるとき、本発明の方法では"対象物有り"という情報および信号Z=aはいっそう限定されてユーザに伝達される。
【0064】
位置検出装置が矢印33の方向へさらに移動されると、測定信号Uは位置XMaxで最大値を通過し、そこからは低下しはじめる。測定信号の値が最大値UMaxに対して設定された固定のパーセンテージPだけ低下すると、信号Zは第1のステータスZ=a"対象物有り"から第2のステータスZ=b"対象物無し"へ切り換えられる。第1のパーセンテージPの値は図4の実施例では15%であるが、これは基本的に任意の値であってよい。有利には、第1のパーセンテージPは第2のパーセンテージPより大きく選定される。
【0065】
図4からわかるように、対象物12の上方の領域は、位置検出装置を矢印33の方向へ戻すと、矢印32の方向への移動において最初に対象物が検出されたときに比べて、きわめて限定された状態で特定される。ユーザが第1のステータス"対象物有り"Z=aから第2のステータスZ=bへの遷移のあった位置Xで新たに移動方向を変更し、対象物12を超えて位置検出装置をこんどは矢印32の方向へ再び移動させると、本発明の方法により、領域Z=aよりもさらに限定された状態で領域Z=aの信号が出力される。
【0066】
本発明の方法によれば、ユーザは、測定信号Uの詳細な特性を取得しなくとも対象物の正確な位置を知ることができる。図4ではこれは位置XMaxである。本発明によれば、第1のステータス"対象物有り"に相応する信号Z=aおよび第2のステータス"対象物無し"に相応する信号Z=bについて、ステータス遷移のための条件P,Pの大きさが異なることにより、対象物の存在だけでなくその位置をきわめて正確に特定することができる。例えば位置検出装置は導出されたステータス信号Zの出力のみを保証すればよく、それでも対象物の正確な検出が可能である。もちろん別の実施例として、位置検出装置でステータス信号Zおよび測定信号Uの双方を出力することもできる。
【0067】
図5には本発明の方法にしたがって動作する測定装置、特に携帯可能な位置検出装置が示されている。
【0068】
図5には本発明による測定装置124の実施例の斜視図が示されている。測定装置124はケーシング150を有し、このケーシング150はシェル上半部152およびシェル下半部154から構成される。ケーシング内部には受信導体ループシステム、例えばコイル装置を備えた少なくとも1つのセンサが設けられている。誘導式センサまたは容量式センサなどの他のセンサを測定装置124内に集積することもできる。また、測定装置124の内部には、信号形成電子回路、評価電子回路、および、例えばバッテリまたは蓄電池を用いてエネルギ供給するエネルギ供給部が設けられている。図5に示された測定装置はさらに、測定信号と相関する出力信号を出力するためのディスプレイ128を有する。ディスプレイ128での例えばセグメント化されたバーグラフを用いる表示またはLCDを用いるグラフィック表示により、検出された測定信号Uの強度を表示することができる。
【0069】
さらに、本発明による測定装置は一連の操作素子160を備えた操作フィールド158を有し、これらの操作素子158によって例えば装置のオンオフ、また場合によっては測定プロセスまたは較正プロセスの開始を操作することができる。操作素子156を介してユーザが例えば測定信号の周波数を変更できるように構成してもよい。また、測定周波数のこうした変更が装置によって自動的に行われ、特にユーザのアクセスが禁止されるように構成することもできる。
【0070】
図5に示されている測定装置は操作フィールド158の下側に、形状および材料の点で測定装置を案内するためのグリップ164として構成された領域162を有する。このグリップ164を用いて測定装置は案内され、図5に見えている測定装置の表側とは反対側の裏側が検査すべき対象物の表面、または、媒体、例えば図3に概略的に示されている壁の表面を掃引することになる。
【0071】
測定装置124のグリップ164とは反対側の領域170において、この測定装置はケーシングを貫通する開口部172を有する。開口部172は少なくともセンサの受信導体ループシステム134と同心に配置されている。このように、測定装置における開口部172の位置は位置検出センサの中心に対応するので、検出される対象物の正確な位置をこの装置のユーザに同時に表示することができる。さらに測定装置は付加的に上側にマーキング線174を有し、この線によりユーザは開口部172の正確な中心ひいては対象物の位置を特定することができる。開口部172は部分的に透明なカプセル部176によって区切られており、そこには種々の発光ダイオードの光が供給される。測定装置により測定信号Uが検出され、ここから前述した方法にしたがってステータス信号Z=aが形成されて対象物が検出されると、カプセル部は例えば赤色に発光し、対象物が開口部172の位置に存在することおよびその位置を例えば穿孔前に開口部から視認できることがユーザに伝達される。本発明の方法によりステータスZ=bによる信号が形成されると、カプセル部は例えば緑色に発光し、対象物が検出されなかったことがユーザに伝達され、例えば開口部172の領域に穿孔が行われる。
【0072】
本発明の測定装置の別の実施例では、ステータスZの出力が直接に測定装置のケーシング内またはケーシング壁に配置された発光ダイオードなどの出力手段を介して行われる。
【0073】
また本発明の方法によるセンサを穿孔工具などの工作機に直接組み込むかまたはアタッチメントユニットとして取り付け、ユーザがこのような機械による作業を安全に行えるようにすると有利である。
【0074】
本発明の方法または本発明の方法にしたがって動作する測定装置は図示の実施例に限定されない。
【0075】
特に本発明による方法は送信コイルないしは受信導体ループシステムのみの使用に限定されない。多重的なシステムも可能である。このような位置検出装置は例えば補償センサを有する。この種のセンサは例えば3つのコイル、すなわち、第1の送信器に接続された第1の送信コイル、場合により設けられる第2の送信器に接続された第2の送信コイル、および、受信器に接続され受信コイルとして使用される受信導体ループシステムを有する。2つの送信コイルにはそれぞれの送信器から周波数fかつ相互に逆相の交流電流が供給される。その際に、第1の送信コイルが受信コイル内に磁束を誘導する。また第2の送信コイルは第1の送信コイルの誘導する磁束とは逆方向の磁束を受信コイル内に誘導する。ゆえに受信コイルに誘導される2つの磁束は相互に補償されるので、このようなコイルシステムの近傍に外部の金属の物体が存在しない場合、受信器は受信コイルにおいて受信信号を検出しない。個々の送信コイルによって受信コイルに励磁される磁束φは、コイルのターン数、コイルの幾何学的形状、送信コイルに供給された電流の振幅および当該の電流の相互の位相など種々のパラメータに依存する。このような検出器において最終的には、金属の物体が存在しない場合に受信コイルにおいて励磁される磁束Φができるだけ小さくなるようにパラメータを最適化すべきである。
【0076】
これに代えて、1つの送信コイルのみを使用し、金属の対象物が存在しない場合に受信導体ループシステムに電圧が誘導されないよう、受信コイルシステムを空間内に位置決めすることもできる。
【0077】
複数のセンサを組み合わせて1つの位置検出装置へ統合することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】従来技術の位置検出装置の概略図である。
【図2】従来技術の位置検出方法から得られた測定信号およびステータス信号の特性とその測定状況とを示した概略図である。
【図3】本発明の位置検出方法から得られた測定信号およびステータス信号の特性とその測定状況とを示した概略図である。
【図4】本発明の位置検出方法のバリエーションから得られた測定信号およびステータス信号の特性とその測定状況とを示した概略図である。
【図5】本発明の位置検出装置の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体(10)内に存在する対象物(12)に相関する測定信号(U)を形成し、該測定信号から少なくとも1つの第1のステータス"対象物有り"(Z=a)と少なくとも1つの第2のステータス"対象物無し"(Z=b)とを区別する信号(Z)を形成する、
媒体内に存在する対象物の位置検出方法において、
その時点の測定信号(U)の値が先行して測定された局所的最大値(UMax,n)を設定された第1のパーセンテージ(P)だけ下回った場合に第1のステータス"対象物有り"から第2のステータス"対象物無し"への遷移を行う
ことを特徴とする媒体内に存在する対象物の位置検出方法。
【請求項2】
その時点の測定信号(U)の値が設定された第1の閾値(US1)を下回れば、先行して測定された局所的最大値(UMax,n)を設定された第1のパーセンテージ(P)だけ下回らなくても、第1のステータス"対象物有り"から第2のステータス"対象物無し"への遷移を行う、請求項1記載の方法。
【請求項3】
その時点の測定信号(U)の値が先行して測定された局所的最小値(UMin,n)を設定された第2のパーセンテージ(P)だけ上回った場合に第2のステータス"対象物無し"から第1のステータス"対象物有り"への遷移を行う、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
第1のパーセンテージ(P)を第2のパーセンテージ(P)よりも大きく選定する、請求項1または3記載の方法。
【請求項5】
その時点の測定信号(U)の値が設定された第2の閾値(US2)を上回れば、先行して測定された局所的最小値(UMin,n)を設定された第2のパーセンテージ(P)だけ上回らなくても、第2のステータス"対象物無し"から第2のステータス"対象物有り"への遷移を行う、請求項3記載の方法。
【請求項6】
第1の閾値(US1)は第2の閾値(US2)に等しい、請求項2または5記載の方法。
【請求項7】
測定信号(U)をセンサの横方向移動量(X)の関数として測定する、請求項1記載の方法。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項記載の媒体内に存在する対象物の位置検出方法を実行する測定装置、例えば携帯可能な位置検出装置(24,124)において、
そのつど測定されるステータス(Z)を出力する出力手段(28,38,176)が設けられている
ことを特徴とする測定装置。
【請求項9】
ステータス(Z)の出力は光学的に行われる、請求項8記載の測定装置。
【請求項10】
少なくとも1つの受信導体ループシステムを備えた少なくとも1つのセンサが設けられている、請求項8または9記載の測定装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−534938(P2008−534938A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503468(P2008−503468)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060705
【国際公開番号】WO2006/103164
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】