媒体取り忘れ防止装置
【課題】本発明は自動機を使用する際、カード等の媒体の取り忘れを防止し、また取り忘れたカードや現金の返還処理の負担を軽減する媒体等取り忘れ防止装置を提供するものである。
【解決手段】ATM等の自動機を使用する際の媒体取り忘れ防止装置であって、顧客の口座番号を送信する送信部と、口座番号の送信に基づいてサーバから送信される対応する顧客の媒体取り忘れ情報を受信する受信部と、顧客の媒体取り忘れ情報に基づいて、媒体放出順序を設定する媒体放出順序設定部と、この媒体放出順序設定部によって設定された媒体放出順序に従って前記媒体を放出すると共に、音声メッセージ、又は注意喚起表示を行うか否かを設定する媒体放出パターン設定部と、媒体放出パターン設定部によって設定された媒体放出パターンに従って前記媒体を放出する媒体放出部とを有することを特徴とする。
【解決手段】ATM等の自動機を使用する際の媒体取り忘れ防止装置であって、顧客の口座番号を送信する送信部と、口座番号の送信に基づいてサーバから送信される対応する顧客の媒体取り忘れ情報を受信する受信部と、顧客の媒体取り忘れ情報に基づいて、媒体放出順序を設定する媒体放出順序設定部と、この媒体放出順序設定部によって設定された媒体放出順序に従って前記媒体を放出すると共に、音声メッセージ、又は注意喚起表示を行うか否かを設定する媒体放出パターン設定部と、媒体放出パターン設定部によって設定された媒体放出パターンに従って前記媒体を放出する媒体放出部とを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ATM等の自動機を利用する際に使用するキャッシュカードや預金通帳等の媒体の取り忘れを防止する媒体取り忘れ防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、銀行やコンビニエンスストア等に設置された自動機(例えば、ATM(現金自動預け払い機・Automated Teller Machine))を使用して預金の預け入れや引き出し、口座振り込み等が広く行われている。また、上記自動機を利用する際には、キャッシュカード(以下、単にカードで示す)や預金通帳(以下、単に通帳で示す)等の媒体が使用され、現金の預け入れや引き出しが行われる。
【0003】
また、上記自動機を利用して預金の預け入れや引き出しを行い、必要な操作が終了すると、使用したカードや通帳等の媒体は予め設定された順序に従って放出される。この放出順序は、一般に自動機を使用する全ての顧客に対して同じ放出順序に設定されている。
【0004】
尚、特許文献1は、現金自動取引装置を使用して行った顧客の各媒体の受け取りパターンをセンタに記憶させ、次回以降の取引において記憶した媒体の受け取りパターンに基づいて、各媒体を放出させる発明を開示する。また、特許文献2は、顧客自身の操作の慣れ具合に応じて媒体の排出順序を指定させ、指定された順序に従って媒体を放出する自動取引装置の発明を開示する。さらに、特許文献3は、取忘れ媒体の口座番号と共に、媒体の取り忘れを履歴情報として記憶手段に記憶する自動取引装置の発明を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−254030号公報
【特許文献2】特開2006−099315号公報
【特許文献3】特開平09−161137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ATM等の自動機を利用する際、媒体の放出順序が顧客に関係なく一定の順序で放出される場合、顧客の性格や癖からカード等の媒体を取り忘れることがある。特に、時間がなく急いで自動機を操作する場合には、顧客の性格や癖が顕著に現れ、媒体の取り忘れが発生する。この場合、自動機が休止することもあり、また取り忘れたカードや現金の処置に労力を要する。例えば、カードや通帳の取り忘れがあった場合、取り忘れをした顧客に返却する必要があるが、顧客への連絡や返却手続きに労力を要する。また、現金を取り忘れた場合、一定の時間経過によって自動機が休止する。
【0007】
そこで、本発明は未然に媒体の取り忘れを防止し、自動機を休止させることなく、顧客への媒体返却作業の労力を軽減する媒体取り忘れ防止装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
媒体に記憶された顧客の口座番号をサーバに送信する送信部と、上記口座番号の送信に基づいてサーバが検索した顧客の媒体取り忘れ情報を受信する受信部と、上記顧客の媒体取り忘れ情報に基づいて、媒体放出順序を設定する媒体放出順序設定部と、この媒体放出順序設定部によって設定された媒体放出順序に従って上記媒体を放出すると共に、音声メッセージ、又は注意喚起表示を行うか否かを設定する媒体放出パターン設定部とを有し、上記媒体放出順序設定部は、サーバから送信された媒体取り忘れ情報に含まれる媒体の内訳と媒体毎の取忘れ回数の情報、及び全媒体の取忘れ回数の情報に基づいて、上記媒体の放出順序を設定し、上記媒体放出パターン設定部は、上記媒体取り忘れ情報の中の全媒体の取忘れ回数に基づいて、媒体放出順序に従った前記媒体放出のみを行うか、又は音声メッセージと共に媒体放出を行うか、又は注意喚起表示後、音声メッセージと共に媒体放出を行うかの設定を行う。
【0009】
このように処理することにより、カードや通帳等の媒体の取り忘れを未然に防止し、顧客への連絡や媒体の返却手続きの労力を軽減することができる。
また、上記媒体放出順序設定部は、上記媒体取り忘れ情報の中の全媒体の取忘れ回数が所定回以上であるとき、上記媒体の一括放出の設定を行う。このように処理することにより、顧客の取忘れ回数が多い場合、例えばカードや、通帳、現金等を一括放出することによって、媒体の取り忘れを防止する。
【0010】
また、注意喚起表示は、放出対象である媒体放出直前に表示し、上記音声メッセージは放出対象である媒体放出直後にそれぞれ行われ、顧客に媒体の取り忘れの注意喚起を行う。
【0011】
さらに、上記媒体取り忘れ情報は通信ネットワークを介して接続されたサーバの記憶部に記憶され、送信部から顧客の口座番号を送信することによって、上記記憶部を検索し、上記顧客の口座番号に対応する顧客の媒体取忘れ情報を上記受信部に送信する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、顧客の性格や癖に対応した媒体取り忘れ情報を、例えばサーバの記憶部に記憶し、対応する顧客がATM等の自動機を操作する際、使用したカード等の媒体を上記媒体取り忘れ情報に基づいて順次放出することによって、未然に媒体の取り忘れを防止することができる。したがって、自動機を休止させることもなく、また顧客への媒体返却作業の労力を軽減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の媒体取り忘れ防止装置のシステム構成図である。
【図2】自動機の操作部の構成を説明する図である。
【図3】記憶部に構築されたデータベースの構成を示す図である。
【図4】媒体の取り忘れ情報をサーバの記憶部に構築されたデータベースに記憶する処理を説明するフローチャートである。
【図5】(a)は媒体取り忘れ情報を送信する際の送信電文フォーマットの例を示す図であり、(b)は送信電文の内容を説明する図である。
【図6】媒体の取忘れを防止する基本的な処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】(a)は口座番号の情報を送信する際の送信電文のフォーマットの例を示す図であり、(b)は送信電文の内容を説明する図である。
【図8】(a)は応答電文のフォーマットの例を示す図であり、(b)は応答電文の内容を説明する図である。
【図9】媒体放出順序を設定する際の処理を説明するフローチャートである。
【図10】媒体放出順序を設定する際の処理を説明するフローチャートである。
【図11】媒体放出順序の確定ケースを説明する図である。
【図12】パターン設定処理を説明するフローチャートである。
【図13】注意喚起表示の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態の媒体取り忘れ防止装置のシステム構成図である。同図において、本システムは、自動機1と顧客取忘情報サーバ(以下、単にサーバで示す)2で構成され、自動機1とサーバ2は、例えば専用回線で接続されている。尚、サーバ2は不図示の他の複数の自動機にも接続されており、後述するフォーマットに従って作成された電文の送受信を行う。
【0015】
図2は上記自動機1の外観図である。尚、自動機1は銀行の支店のみならず、コンビニエンスストアや、スーパ等に設置され、本来のATM機能である、入金、出金、残高照会、振込等の機能に加えて、媒体放出順序の設定機能や媒体放出パターンの設定機能を有する。
【0016】
図2において、自動機1は、ディスプレイ3、カード挿入部4、通帳挿入部5、現金投入部6a、6b、及び受話器7で構成されている。尚、同図において、現金投入部6aは紙幣の投入部を示し、現金投入部6bは硬貨の投入部を示す。また、受話器7は顧客が緊急時にオペレータと通話するための装置である。
【0017】
ディスプレイ3は入金、出金、残高照会、振込等の表示や、後述する媒体の取り忘れを防止するため注意喚起表示、その他各種表示を行う。また、ディスプレイ3の表面はタッチパネルで構成されている。
【0018】
また、カード挿入部4には不図示のカードが挿入され、所謂銀行系のカードに限らず、例えば信販系のカードや、流通系のカード等の使用も可能である。
通帳挿入部5には不図示の通帳が挿入され、通帳には少なくとも顧客名、銀行名、口座番号等の情報が記録されている。
【0019】
また、図1に示すように自動機1は送信部10、受信部11、媒体放出順序設定部12、及び媒体放出パターン設定部13で構成され、送信部10は取引開始の際、例えばカードを挿入すると(図1に示す(i))、カードの口座番号等の口座情報をサーバ2に送信し(図1に示す(ii))、受信部11はサーバ2が抽出した顧客の媒体取り忘れ情報を受信する(図1に(iii、iV))。また、媒体放出順序設定部12は上記顧客の媒体取り忘れ情報に基づいて後述する媒体放出順序の設定を行う(図1に示す(v))。また、媒体放出パターン設定部13は上記媒体放出順序設定部12によって設定された媒体放出順序に従って媒体の放出を行うと共に、後述する注意喚起表示や音声メッセージの発声を行う。
【0020】
一方、サーバ2は、例えば銀行サーバであり、図1に示すように、CPU15、ROM16、RAM17、及びハードディスク(HDD)等で構成される記憶部18を備え、CPU15はROM16に記憶されたシステムプログラムに従って本例の処理を行う。また、RAM17はCPU15による上記処理のワークエリアとして使用される。
【0021】
また、記憶部18には図3に示す顧客取忘情報データベース(以下、単にデータベースで示す)が構築されている。このデータベースは口座番号毎に媒体取り忘れ情報を記憶する。図3に示すように、このデータベースは「口座番号」の記憶エリア、及び「取忘れ媒体情報」の記憶エリアで構成され、「取忘れ媒体情報」の記憶エリアは、更に「全取忘れ回数」の記憶エリアと「媒体内訳」の記憶エリアで構成されている。
【0022】
「口座番号」の記憶エリアには、例えば銀行に口座を開設した顧客の口座番号の情報が記憶されている。また、「取忘れ媒体情報」の記憶エリアには、対応する口座番号を有する顧客の媒体取り忘れ情報が記憶され、例えば「全取忘れ回数」の記憶エリアには全媒体の取り忘れ回数の情報が記憶され、「媒体内訳」の記憶エリアには取り忘れた媒体の内訳情報が記憶されている。
【0023】
例えば、口座番号“1111111”の顧客の場合、全取り忘れ回数が3回であり、取り忘れた媒体はカードと通帳であり、カードを2回取り忘れ、通帳を1回取り忘れたことが記憶されている。また、口座番号“2222222”の顧客の場合、全取り忘れ回数が3回であり、取り忘れた媒体は通帳と現金であり、通帳を1回取り忘れ、現金を2回取り忘れたことが記憶されている。尚、他の口座番号の顧客についても、図3に記載する通りの媒体取り忘れ情報が記憶されている。
【0024】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
先ず、カード等の媒体の取忘れ情報を前述のデータベースに記憶する処理について説明する。図4はこの処理を説明するフローチャートであり、同図の左側が自動機1の処理を説明するフローチャートであり、同図の右側がサーバ2の処理を説明するフローチャートである。
【0025】
先ず、顧客待ちの状態において、自動機1の前に向かった顧客は媒体(例えば、カード)を前述のカード挿入部4に挿入する(ステップ(以下、STPで示す)1)。次に、顧客は暗証番号の入力を行う(STP2)。この暗証番号の入力は、例えば自動機1のディスプレイ3に暗証番号の入力を促す表示を行うことによって利用者は暗証番号の入力を行う。その後、金額の入力(STP3)、及び金額確認(STP4)を順次行い、媒体放出処理を行う(STP5)。尚、上記金額の入力処理、及び金額確認処理も、上記と同様、自動機1のディスプレイ3に金額入力、及び金額確認を促す表示を行うことによって行われる。
【0026】
ここで、上記媒体放出処理(STP5)によって、使用したカード等の媒体が放出されるが、顧客がカード等の媒体を取忘れ、例えば帰宅してしまう場合がある。この場合、自動機1は媒体の取り忘れが発生したものと判断し、取忘れ情報送信処理を行う(STP6)。この処理は取り忘れた媒体の情報をサーバ2に通知し、顧客の取忘れ情報をデータベースに蓄積するための処理である。このため、自動機1は先ず送信電文を作成し、顧客の取忘れ情報をサーバ2に送信する。
【0027】
図5(a)はこの場合の送信電文フォーマットの例であり、同図(b)は送信電文の内容を説明する図である。同図(a)に示すように、送信電文は10バイトの電文長であり、「顧客口座番号」7桁の記述エリアを有し、「取忘れ媒体内訳」3桁の記述エリアを有する。また、「取忘れ媒体内訳」3桁の記述エリアは、「カード」記述エリア1桁、「通帳」記述エリア1桁、及び「現金」記述エリア1桁で構成されている。
【0028】
また、送信電文の内容は図5(b)に示すように、「顧客口座番号」の記述エリアには顧客の保有する媒体の口座番号が7桁でセットされる。また、「カード」記述エリアには、カードの取り忘れの有無の情報を記述し、例えば“1”はカードの取り忘れ有りを示し、“0”はカードの取忘れなしを示す。また、「通帳」記述エリアには、通帳の取り忘れの有無の情報を記述し、例えば“1”は通帳の取忘れ有りを示し、“0”は通帳の取忘れなしを示す。同様に、「現金」記述エリアには、現金の取り忘れ有無の情報を記述し、例えば“1”は現金の取り忘れ有りを示し、“0”は現金の取り忘れなしを示す。
【0029】
自動機1は媒体の取忘れが発生した場合、上記フォーマットに従って作成した電文をサーバ2に送信する。サーバ2では上記電文を受信すると、この送信電文に記述されている顧客口座番号の情報を読み出す。そして、顧客取忘情報更新処理を行う(STP7)。この顧客取忘情報更新処理は、サーバ2に構築されたデータベースを検索し、対応する顧客の取忘情報の更新処理を行う(STP8)。
【0030】
例えば、自動機1から送信された送信電文を解析し、顧客口座番号が“1111111”である場合、前述の図3に示すデータベースを検索し、送信電文フォーマットの「取忘媒体内訳」に記述された情報に基づいてデータベースの更新処理を行う。例えば、「カード」記述エリアに“1”が記述される場合、カードの取り忘れがあったものとして、上記データベースの「カード」の記憶エリアの情報をインクリメント(+1)する。また、例えば、「通帳」記述エリアに“1”が記述される場合、通帳の取り忘れがあったものとして、データベースの「通帳」の記憶エリアの情報をインクリメント(+1)する。また、例えば、「現金」記述エリアに“1”が記述される場合、現金の取り忘れがあったものとして、データベースの「現金」の記憶エリアの情報をインクリメント(+1)する。
【0031】
同様に、他の顧客口座番号である場合にも、図3に示すデータベースを検索し、送信電文フォーマットの「取忘れ媒体内訳」に記述された情報に基づいて対応する顧客のデータベースの更新処理を行う。
【0032】
上記処理によってデータベースには顧客の取忘れ情報が順次蓄積され、顧客が自動機1を使用して預金の預け入れや引き出しを行う際、カード等の媒体の取忘れを防止する処理が実行される。以下、具体的に説明する。
【0033】
図6は媒体の取忘れを防止する基本的な処理動作を説明するフローチャートであり、同図の左側が自動機1の処理を説明するフローチャートであり、右側がサーバ2の処理を説明するフローチャートである。
【0034】
先ず、顧客待ち状態において、自動機1のディスプレイ3に表示される、例えば通帳又はカードを挿入して下さいの表示に従って、カード挿入部4又は通帳挿入部5に対応する媒体を挿入する(ステップ(以下、Sで示す)1)。
【0035】
自動機1は上記媒体の挿入を確認し、例えばカードに記憶されている口座番号を読み出し、サーバ2に送信する(S2)。この送信処理は、送信電文フォーマットに顧客の口座番号の情報を記述し、送信する。図7(a)はこの送信電文フォーマットの例であり、電文長は7バイトであり、7桁のカードの口座番号を記述し、サーバ2に送信する。尚、同図(b)は送信電文の内容を説明する図である。
【0036】
サーバ2では上記電文を受信し、送信電文に記述されている口座番号を読み出し、顧客取忘情報検索処理を行う(S3)。この顧客取忘情報検索処理は、サーバ2に構築された前述のデータベースを検索し、対応する顧客の取り忘れ情報を読み出す。
【0037】
前述のように、図3に示すデータベースには顧客の媒体の取り忘れ情報が蓄積されている。例えば、口座番号“1111111”の顧客の場合、全取り忘れ回数が3回であり、取り忘れた媒体はカード、及び通帳であり、カードを2回取忘れ、通帳を1回取り忘れたことが記憶されている。また、口座番号“2222222”の顧客の場合、全取忘れ回数が3回であり、取忘れた媒体は通帳と現金であり、通帳を1回取り忘れ、現金を2回取り忘れたことが記憶されている。
【0038】
したがって、サーバ2は上記データベースを検索し、対応する顧客の取り忘れ情報を読み出す。例えば、自動機1から送信された送信電文を解析し、顧客口座番号が“1111111”である場合、図3に示すデータベースを検索し、全取り忘れ回数が3回、取忘れた媒体がカード及び通帳であり、取り忘れ回数がカード2回、通帳1回である情報を読み出す。尚、自動機1から送信された送信電文を解析し、他の顧客口座番号である場合も同様であり、図3に示すデータベースを検索し、全取り忘れ回数や取忘れた媒体等の情報を読み出す。
【0039】
次に、サーバ2は上記情報を記述した応答電文を作成し、自動機1に送信する。図8(a)は応答電文のフォーマットである。この応答電文の電文長は8バイトであり、「全取忘れ回数」が2桁で記述され、「取忘れ媒体内訳」が6桁で記述される。また、「取忘れ媒体内訳」は、「カード」2桁、「通帳」2桁、及び「現金」2桁で記述される。尚、同図(b)に示すように、2桁の「全取忘れ回数」の記述エリアには、データベースに記憶されている対応する顧客の全取り忘れ回数の累積情報が記述され、2桁の「カード回数」の記述エリアにも、同じくデータベースに記憶されている対応する顧客のカードの取り忘れ回数の累積情報が記述され、2桁の「通帳」の記述エリアにも、対応する顧客の通帳の取り忘れ回数の累積情報が記述され、2桁の「現金」記述エリアにも、対応する顧客の現金の取忘れ回数の累積情報が記述される。
【0040】
自動機1は上記応答電文の受信処理を行い(S4)、応答電文の内容を解析し、媒体放出順序を設定する(S5)。図9に示すフローチャートはこの媒体放出順序を設定する処理を説明するフローチャートである。
【0041】
先ず、全取り忘れ回数が1回以上であるか判断する(ステップ(以下、STで示す)1)。ここで、全取り忘れ回数が0回であれば(ST1がNO)、当該顧客は媒体を自動機1に取り忘れたことがないと判断し、次の処理に移行する。一方、全取り忘れ回数が1回以上であれば(ST1がYES)、当該顧客は媒体を自動機1に取り忘れた経験があるものとして、更に全取り忘れ回数が7回以上であるか判断する(ST2)。
【0042】
ここで、全取り忘れ回数が7回以上であれば(ST2がYES)、カード等の媒体を一括放出する(ST3)。この場合、当該顧客の取忘れ回数が多いので、カード、通帳、及び現金を一括放出することによって、媒体の取り忘れを防止する。一方、全取り忘れ回数が7回以下あれば(ST2がNO)、次の媒体放出順序処理を行う(ST4)。
【0043】
図10はこの媒体放出順序処理を説明するフローチャートである。先ず、カード→通帳→現金の放出順序を初期値として設定する(ST5)。この初期値に対して、上記受信電文に記述された情報に基づいて媒体放出順序を設定する。
【0044】
先ず、カード取り忘れ回数と通帳取り忘れ回数を比較し(ST6)、カード取り忘れ回数が通帳取り忘れ回数より少ない場合(ST6がNO)、媒体の放出順序を暫定的に通帳→カード→現金の順に設定する(ST7)。一方、カード取り忘れ回数が通帳取り忘れ回数より多い場合(ST6がYES)、媒体の放出順序を暫定的にカード→通帳→現金の順に設定する(ST14)。尚、この場合、上記処理(ST5)において設定した初期設定と同じであり、上記初期設定の媒体放出順が維持される。
【0045】
次に、上記処理(ST7)によって設定された暫定放出順序(通帳→カード→現金)の設定状態において、現金取り忘れ回数と通帳取り忘れ回数を比較する(ST8)。ここで、現金取り忘れ回数が通帳取り忘れ回数より多い場合(ST8がYES)、現金→通帳→カードの媒体放出順序を確定放出順序に設定する(ST9)。この場合、前述の応答電文の解析によって、図11に示すケース6の媒体取り忘れ情報を取得した場合である。この場合、当該顧客は現金、通帳、カードの順に媒体の取り忘れが多いことが解り、従って媒体放出順序を上記のように現金→通帳→カードの順に設定することによって、最も取忘れ回数の多い現金から放出し、次に通帳を放出し、最後にカードを放出し、当該顧客の媒体の取忘れを合理的に防止する。
【0046】
一方、上記判断(ST8)において、現金取り忘れ回数が通帳取り忘れ回数より少ない場合(ST8がNO)、暫定的に媒体放出順序を通帳→現金→カードに設定し(ST10)、更に現金取り忘れ回数とカード取り忘れ回数を比較する(ST11)。そして、現金取り忘れ回数がカード取り忘れ回数より多い場合(ST11がYES)、通帳→現金→カードの媒体放出順序を確定放出順序に設定する(ST12)。この場合、前述の応答電文の解析によって、図11に示すケース4の媒体取り忘れ情報を取得した場合である。この場合、当該顧客は通帳、現金、カードの順に媒体の取り忘れが多く、従って媒体放出順序を上記のように通帳→現金→カードの順に設定することによって、当該顧客の最も取忘れ回数の多い通帳から放出し、次に現金を放出し、最後にカードを放出し、当該顧客の媒体の取忘れを合理的に防止する。
【0047】
また、上記判断(ST11)において、現金取り忘れ回数がカード取り忘れ回数より少ない場合(ST11がNO)、通帳→カード→現金の媒体放出順序を確定放出順序に設定する(ST13)。この場合、前述の応答電文の解析によって、図11に示すケース3の媒体取り忘れ情報を取得した場合である。この場合、当該顧客は通帳、カード、現金の順に媒体の取り忘れが多く、従って媒体放出順序を上記のように通帳→カード→現金の順に設定することによって、当該顧客の最も取忘れ回数の多い通帳から放出し、次にカードを放出し、最後に現金を放出し、媒体等の取忘れを合理的に防止する。
【0048】
次に、上記処理(ST14)によって暫定放出順序をカード→通帳→現金に設定した場合について説明する。この場合、先ず現金取り忘れ回数とカード取り忘れ回数の比較を行う(ST15)。ここで、現金取り忘れ回数がカード取り忘れ回数より多い場合(ST15がYES)、現金→カード→通帳の媒体放出順序を確定放出順序に設定する(ST16)。この場合、前述の応答電文の解析によって、図11に示すケース5の媒体取り忘れ情報を取得した場合である。この場合、当該顧客は現金、カード、通帳の順に媒体の取り忘れが多く、従って媒体放出順序を上記のように現金→カード→通帳の順に設定することによって、当該顧客の最も取忘れ回数の多い現金から放出し、次にカードを放出し、最後に通帳を放出し、媒体等の取忘れを合理的に防止する。
【0049】
一方、上記判断(ST15)において、現金取り忘れ回数がカード取り忘れ回数より少ない場合(ST15がNO)、暫定的に媒体放出順序をカード→現金→通帳に設定し(ST17)、更に現金取り忘れ回数と通帳取り忘れ回数を比較する(ST18)。そして、現金取り忘れ回数が通帳取り忘れ回数より多い場合(ST18がYES)、カード→現金→通帳の媒体放出順序を確定放出順序に設定する(ST19)。この場合は、前述の応答電文の解析によって、図11に示すケース1の媒体取り忘れ情報を取得した場合である。この場合、当該顧客はカード、現金、通帳の順に媒体の取り忘れが多く、従って上記のようにカード→現金→通帳の順に媒体放出順序を設定することによって、当該顧客の最も取忘れ回数の多いカードから放出し、次に現金を放出し、最後に通帳を放出し、媒体の取忘れを合理的に防止する。
【0050】
最後に、上記判断(ST18)において、現金取り忘れ回数が通帳取り忘れ回数より少ない場合(ST18がNO)、カード→通帳→現金の媒体放出順序を確定放出順序に設定する(ST20)。この場合、前述の応答電文の解析によって、図11に示すケース2の媒体取り忘れ情報を取得した場合である。この場合、当該顧客はカード、通帳、現金の順に媒体の取り忘れが多く、従って上記のようにカード→通帳→現金の順に媒体放出順序を設定することによって、当該顧客の最も取忘れ回数の多いカードから放出し、次に通帳を放出し、最後に現金を放出し、媒体の取忘れを合理的に防止する。
【0051】
尚、上記媒体放出の順序設定処理において、例えば各媒体間の取り忘れ回数が同じである場合、既に設定された媒体放出順序を保持する。
以上のようにして媒体放出順序の設定を行った後、次に媒体放出パターンの設定処理を行う(S6)。この媒体放出パターンの設定処理は媒体の全取り忘れ回数に基づいて、注意喚起表示や音声メッセージの発声を同時に行うか否かを設定する処理であり、図12に示すフローチャートに従って処理を行う。
【0052】
先ず、媒体の取り忘れ回数の判定を行う(ステップ(以下、Wで示す)1)。この判定はサーバ2から送信された応答電文の全取り忘れ回数の情報に基づいて行われ、媒体の全取り忘れ回数が0回であれば、次の処理に移行する。この場合、当該顧客の履歴には媒体の取忘れがなく、注意喚起表示や音声メッセージの発声を行う必要がないためである。一方、媒体の全取り忘れ回数が1回以上ある場合、パターン1の処理を行う(W2)。すなわち、前述の媒体放出順序の設定処理によって設定された取忘れ頻度の高い媒体から返却する。
【0053】
次に、再度媒体の全取忘れ回数の判定を行い(W3)、全取り忘れ回数が1回又は2回の場合、次の処理に移行する。この場合も、当該顧客の媒体の取忘れ回数が少なく、注意喚起表示や音声メッセージの発声を行う必要がないと判断するためである。一方、全取り忘れ回数が3回以上の場合、当該顧客の媒体の取忘れ回数が多いため、パターン2の設定(W4)、又はパターン3の設定(W6)を行う。すなわち、媒体の全取り忘れ回数が3回又は4回の場合パターン2の設定を行い、音声メッセージの発声を行う。すなわち、この場合、当該顧客の媒体の取忘れ回数が多いので媒体を前述の媒体放出順序によって放出すると共に、音声メッセージによって媒体の取忘れがないように注意喚起を行う。
【0054】
さらに、媒体の取忘れ回数が5回以上の場合、パターン3の設定を行い、音声メッセージ及び注意喚起表示を行う(W5、W6)。この場合、当該顧客の媒体の取忘れ回数が極めて多いため、ディスプレイ3への注意喚起表示と媒体を媒体放出順序によって放出すると共に、音声メッセージの発声を行う。尚、図13はディスプレイ3への表示画面例を示す図であり、例えば“ご利用ありがとうございます。XXX、XXX、XXXが返却されますので取り忘れのないようご注意ください”との表示を行う。尚、上記ディスプレイ3への表示を確認した場合、顧客は確認ボタン20を押下する。
【0055】
以上のようにして媒体放出の際のパターン設定が行われると、自動機1の利用者は暗証番号の入力を行う(S7)。この暗証番号の入力は、自動機1のディスプレイに暗証番号の入力を促す表示を行うことによって利用者は暗証番号の入力を行う。
【0056】
その後、金額の入力(S8)、金額確認(S9)を順次行い、媒体の放出を行う(S10)。尚、金額の入力処理、及び金額確認処理は、上記と同様、自動機1のディスプレイに金額入力、及び金額確認を促す表示を行うことによって行われる。
【0057】
媒体の放出は、前述の媒体放出順序の設定処理によって設定された順序で放出される。例えば、口座番号“1111111”の顧客の場合、全取り忘れ回数が3回であり、取り忘れた媒体はカードと通帳であり、カードを2回、通帳を1回取り忘れたことが記憶されている。この場合、前述の図10に示す媒体放出順序の設定処理によってケース2のカード→通帳→現金の放出順序が確定し、前述の図12に示す媒体放出パターンの設定処理によってパターン2が設定される。したがって、口座番号“1111111”の顧客が自動機1を操作して、例えば預金の引き出しを行った後、音声メッセージが発声され、上記媒体放出順に使用した媒体の放出が行われる。
【0058】
具体的には、先ずカード挿入部4から挿入した顧客のカードが放出され、例えば“カードを抜き取って下さい”とのメッセージが流れ、顧客がカードを抜き取ると、通帳挿入部5から挿入した通帳が放出され、例えば“通帳を抜き取って下さい”とのメッセージが流れる。さらに、現金投入部6a、6bが開放され、例えば金額確認を行った現金が出力され、例えば“現金を抜き取って下さい”とのメッセージが流れる。尚、上記媒体の何れかが放出される際、不図示の取引明細書の放出を行うように構成してもよい。
【0059】
一方、例えば、口座番号“2222222”の顧客の場合、全取り忘れ回数が3回であり、取り忘れた媒体は通帳と現金であり、通帳を1回、現金を2回取り忘れたことが記憶されている。この場合、前述の媒体放出順序の設定処理によってケース6の現金→通帳→カードの放出順序が確定し、前述の図12に示すパターン設定処理によってパターン2が設定される。したがって、口座番号“2222222”の顧客が自動機1を操作して預金の引き出しを行った後、前述の音声メッセージが発声され、上記媒体放出順に使用した媒体の放出が行われる。
【0060】
この場合も、各媒体が放出された直後に、放出した媒体の抜き取りを促すメッセージが流れ、媒体の取り忘れを防止する。
さらに、例えば口座番号“3333333”の顧客の場合、全取り忘れ回数が5回であり、取り忘れた媒体はカードと通帳であり、カードを2回、通帳を3回取り忘れたことが記憶されている。この場合、前述の媒体放出順序の設定処理によってケース3の通帳→カード→現金の放出順序が確定し、前述のパターン設定処理によってパターン3が設定される。したがって、口座番号“3333333”の顧客が自動機1を操作して預金の引き出しを行った後、前述の注意喚起表示後、上記媒体放出順に使用した媒体の放出が行われると同時に音声メッセージの発声を行う。
【0061】
具体的には、先ずディスプレイ3へ注意喚起表示を行い、次に通帳挿入部5から挿入した通帳が放出され、例えば“通帳を抜き取って下さい”とのメッセージが流れ、顧客が通帳を抜き取ると、更にカード挿入部4から挿入した顧客のカードが放出され、例えば“カードを抜き取って下さい”とのメッセージが流れる。さらに、顧客がカードを抜き取ると、現金投入部6a、6bが開放され、例えば金額確認を行った現金が出力され、例えば“現金を抜き取って下さい”とのメッセージが流れる。
尚、この場合も、上記媒体の何れかが放出される際、不図示の取引明細書の放出を行うように構成してもよい。
【0062】
一方、例えば口座番号“4444444”の顧客の場合、全取り忘れ回数が7回であり、取り忘れた媒体はカードと現金であり、カードを6回、現金を1回取り忘れたことが記憶されている。この場合、図9に示す媒体放出順序の設定処理によって全媒体を一括放出することが設定され、前述のパターン設定処理によってパターン3が設定される。したがって、口座番号“4444444”の顧客が自動機1を操作して預金の引き出しを行った後、前述の注意喚起表示後、音声メッセージの発声を行い、使用した媒体は同時に一括放出される。
【0063】
具体的には、ディスプレイ3に注意喚起表示が行われ、カード挿入部4から挿入した顧客のカードと、通帳挿入部5から挿入した通帳が同時に放出され、更に現金投入部6a、6bが開放され、例えば金額確認を行った現金が出力される。同時に、“カード、通帳、及び現金を抜き取って下さい”とのメッセージが流れる。
【0064】
尚、他の口座番号の顧客についても同様に、全取り忘れ回数、及び取り忘れ媒体の内訳と回数に基づいて、媒体の取り忘れを無くす媒体放出順序とパターン設定を行い、使用した媒体の放出を行うことができる。
【0065】
以上のように、本実施形態による媒体の放出処理によれば、自動機1を使用する顧客の履歴情報に基づいて、媒体の放出順序を合理的に設定し、かつ媒体放出時に顧客の履歴情報に基づく音声メッセージや注意喚起表示を行い、媒体の取り忘れを防止することができる。
【0066】
尚、上記説明において使用した個々の数値は一例であり、例えば図3のデータベースに記載された各数値も変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0067】
1 自動機
2 サーバ
3 ディスプレイ
4 カード挿入部
5 通帳挿入部
6a、6b 現金投入部
7 受話器
10 送信部
11 受信部
12 媒体放出順序設定部
13 媒体放出パターン設定部
15 CPU
16 ROM
17 RAM
18 記憶部
20 確認ボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、ATM等の自動機を利用する際に使用するキャッシュカードや預金通帳等の媒体の取り忘れを防止する媒体取り忘れ防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、銀行やコンビニエンスストア等に設置された自動機(例えば、ATM(現金自動預け払い機・Automated Teller Machine))を使用して預金の預け入れや引き出し、口座振り込み等が広く行われている。また、上記自動機を利用する際には、キャッシュカード(以下、単にカードで示す)や預金通帳(以下、単に通帳で示す)等の媒体が使用され、現金の預け入れや引き出しが行われる。
【0003】
また、上記自動機を利用して預金の預け入れや引き出しを行い、必要な操作が終了すると、使用したカードや通帳等の媒体は予め設定された順序に従って放出される。この放出順序は、一般に自動機を使用する全ての顧客に対して同じ放出順序に設定されている。
【0004】
尚、特許文献1は、現金自動取引装置を使用して行った顧客の各媒体の受け取りパターンをセンタに記憶させ、次回以降の取引において記憶した媒体の受け取りパターンに基づいて、各媒体を放出させる発明を開示する。また、特許文献2は、顧客自身の操作の慣れ具合に応じて媒体の排出順序を指定させ、指定された順序に従って媒体を放出する自動取引装置の発明を開示する。さらに、特許文献3は、取忘れ媒体の口座番号と共に、媒体の取り忘れを履歴情報として記憶手段に記憶する自動取引装置の発明を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−254030号公報
【特許文献2】特開2006−099315号公報
【特許文献3】特開平09−161137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ATM等の自動機を利用する際、媒体の放出順序が顧客に関係なく一定の順序で放出される場合、顧客の性格や癖からカード等の媒体を取り忘れることがある。特に、時間がなく急いで自動機を操作する場合には、顧客の性格や癖が顕著に現れ、媒体の取り忘れが発生する。この場合、自動機が休止することもあり、また取り忘れたカードや現金の処置に労力を要する。例えば、カードや通帳の取り忘れがあった場合、取り忘れをした顧客に返却する必要があるが、顧客への連絡や返却手続きに労力を要する。また、現金を取り忘れた場合、一定の時間経過によって自動機が休止する。
【0007】
そこで、本発明は未然に媒体の取り忘れを防止し、自動機を休止させることなく、顧客への媒体返却作業の労力を軽減する媒体取り忘れ防止装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
媒体に記憶された顧客の口座番号をサーバに送信する送信部と、上記口座番号の送信に基づいてサーバが検索した顧客の媒体取り忘れ情報を受信する受信部と、上記顧客の媒体取り忘れ情報に基づいて、媒体放出順序を設定する媒体放出順序設定部と、この媒体放出順序設定部によって設定された媒体放出順序に従って上記媒体を放出すると共に、音声メッセージ、又は注意喚起表示を行うか否かを設定する媒体放出パターン設定部とを有し、上記媒体放出順序設定部は、サーバから送信された媒体取り忘れ情報に含まれる媒体の内訳と媒体毎の取忘れ回数の情報、及び全媒体の取忘れ回数の情報に基づいて、上記媒体の放出順序を設定し、上記媒体放出パターン設定部は、上記媒体取り忘れ情報の中の全媒体の取忘れ回数に基づいて、媒体放出順序に従った前記媒体放出のみを行うか、又は音声メッセージと共に媒体放出を行うか、又は注意喚起表示後、音声メッセージと共に媒体放出を行うかの設定を行う。
【0009】
このように処理することにより、カードや通帳等の媒体の取り忘れを未然に防止し、顧客への連絡や媒体の返却手続きの労力を軽減することができる。
また、上記媒体放出順序設定部は、上記媒体取り忘れ情報の中の全媒体の取忘れ回数が所定回以上であるとき、上記媒体の一括放出の設定を行う。このように処理することにより、顧客の取忘れ回数が多い場合、例えばカードや、通帳、現金等を一括放出することによって、媒体の取り忘れを防止する。
【0010】
また、注意喚起表示は、放出対象である媒体放出直前に表示し、上記音声メッセージは放出対象である媒体放出直後にそれぞれ行われ、顧客に媒体の取り忘れの注意喚起を行う。
【0011】
さらに、上記媒体取り忘れ情報は通信ネットワークを介して接続されたサーバの記憶部に記憶され、送信部から顧客の口座番号を送信することによって、上記記憶部を検索し、上記顧客の口座番号に対応する顧客の媒体取忘れ情報を上記受信部に送信する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、顧客の性格や癖に対応した媒体取り忘れ情報を、例えばサーバの記憶部に記憶し、対応する顧客がATM等の自動機を操作する際、使用したカード等の媒体を上記媒体取り忘れ情報に基づいて順次放出することによって、未然に媒体の取り忘れを防止することができる。したがって、自動機を休止させることもなく、また顧客への媒体返却作業の労力を軽減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の媒体取り忘れ防止装置のシステム構成図である。
【図2】自動機の操作部の構成を説明する図である。
【図3】記憶部に構築されたデータベースの構成を示す図である。
【図4】媒体の取り忘れ情報をサーバの記憶部に構築されたデータベースに記憶する処理を説明するフローチャートである。
【図5】(a)は媒体取り忘れ情報を送信する際の送信電文フォーマットの例を示す図であり、(b)は送信電文の内容を説明する図である。
【図6】媒体の取忘れを防止する基本的な処理動作を説明するフローチャートである。
【図7】(a)は口座番号の情報を送信する際の送信電文のフォーマットの例を示す図であり、(b)は送信電文の内容を説明する図である。
【図8】(a)は応答電文のフォーマットの例を示す図であり、(b)は応答電文の内容を説明する図である。
【図9】媒体放出順序を設定する際の処理を説明するフローチャートである。
【図10】媒体放出順序を設定する際の処理を説明するフローチャートである。
【図11】媒体放出順序の確定ケースを説明する図である。
【図12】パターン設定処理を説明するフローチャートである。
【図13】注意喚起表示の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本実施形態の媒体取り忘れ防止装置のシステム構成図である。同図において、本システムは、自動機1と顧客取忘情報サーバ(以下、単にサーバで示す)2で構成され、自動機1とサーバ2は、例えば専用回線で接続されている。尚、サーバ2は不図示の他の複数の自動機にも接続されており、後述するフォーマットに従って作成された電文の送受信を行う。
【0015】
図2は上記自動機1の外観図である。尚、自動機1は銀行の支店のみならず、コンビニエンスストアや、スーパ等に設置され、本来のATM機能である、入金、出金、残高照会、振込等の機能に加えて、媒体放出順序の設定機能や媒体放出パターンの設定機能を有する。
【0016】
図2において、自動機1は、ディスプレイ3、カード挿入部4、通帳挿入部5、現金投入部6a、6b、及び受話器7で構成されている。尚、同図において、現金投入部6aは紙幣の投入部を示し、現金投入部6bは硬貨の投入部を示す。また、受話器7は顧客が緊急時にオペレータと通話するための装置である。
【0017】
ディスプレイ3は入金、出金、残高照会、振込等の表示や、後述する媒体の取り忘れを防止するため注意喚起表示、その他各種表示を行う。また、ディスプレイ3の表面はタッチパネルで構成されている。
【0018】
また、カード挿入部4には不図示のカードが挿入され、所謂銀行系のカードに限らず、例えば信販系のカードや、流通系のカード等の使用も可能である。
通帳挿入部5には不図示の通帳が挿入され、通帳には少なくとも顧客名、銀行名、口座番号等の情報が記録されている。
【0019】
また、図1に示すように自動機1は送信部10、受信部11、媒体放出順序設定部12、及び媒体放出パターン設定部13で構成され、送信部10は取引開始の際、例えばカードを挿入すると(図1に示す(i))、カードの口座番号等の口座情報をサーバ2に送信し(図1に示す(ii))、受信部11はサーバ2が抽出した顧客の媒体取り忘れ情報を受信する(図1に(iii、iV))。また、媒体放出順序設定部12は上記顧客の媒体取り忘れ情報に基づいて後述する媒体放出順序の設定を行う(図1に示す(v))。また、媒体放出パターン設定部13は上記媒体放出順序設定部12によって設定された媒体放出順序に従って媒体の放出を行うと共に、後述する注意喚起表示や音声メッセージの発声を行う。
【0020】
一方、サーバ2は、例えば銀行サーバであり、図1に示すように、CPU15、ROM16、RAM17、及びハードディスク(HDD)等で構成される記憶部18を備え、CPU15はROM16に記憶されたシステムプログラムに従って本例の処理を行う。また、RAM17はCPU15による上記処理のワークエリアとして使用される。
【0021】
また、記憶部18には図3に示す顧客取忘情報データベース(以下、単にデータベースで示す)が構築されている。このデータベースは口座番号毎に媒体取り忘れ情報を記憶する。図3に示すように、このデータベースは「口座番号」の記憶エリア、及び「取忘れ媒体情報」の記憶エリアで構成され、「取忘れ媒体情報」の記憶エリアは、更に「全取忘れ回数」の記憶エリアと「媒体内訳」の記憶エリアで構成されている。
【0022】
「口座番号」の記憶エリアには、例えば銀行に口座を開設した顧客の口座番号の情報が記憶されている。また、「取忘れ媒体情報」の記憶エリアには、対応する口座番号を有する顧客の媒体取り忘れ情報が記憶され、例えば「全取忘れ回数」の記憶エリアには全媒体の取り忘れ回数の情報が記憶され、「媒体内訳」の記憶エリアには取り忘れた媒体の内訳情報が記憶されている。
【0023】
例えば、口座番号“1111111”の顧客の場合、全取り忘れ回数が3回であり、取り忘れた媒体はカードと通帳であり、カードを2回取り忘れ、通帳を1回取り忘れたことが記憶されている。また、口座番号“2222222”の顧客の場合、全取り忘れ回数が3回であり、取り忘れた媒体は通帳と現金であり、通帳を1回取り忘れ、現金を2回取り忘れたことが記憶されている。尚、他の口座番号の顧客についても、図3に記載する通りの媒体取り忘れ情報が記憶されている。
【0024】
以上の構成において、以下に本例の処理動作を説明する。
先ず、カード等の媒体の取忘れ情報を前述のデータベースに記憶する処理について説明する。図4はこの処理を説明するフローチャートであり、同図の左側が自動機1の処理を説明するフローチャートであり、同図の右側がサーバ2の処理を説明するフローチャートである。
【0025】
先ず、顧客待ちの状態において、自動機1の前に向かった顧客は媒体(例えば、カード)を前述のカード挿入部4に挿入する(ステップ(以下、STPで示す)1)。次に、顧客は暗証番号の入力を行う(STP2)。この暗証番号の入力は、例えば自動機1のディスプレイ3に暗証番号の入力を促す表示を行うことによって利用者は暗証番号の入力を行う。その後、金額の入力(STP3)、及び金額確認(STP4)を順次行い、媒体放出処理を行う(STP5)。尚、上記金額の入力処理、及び金額確認処理も、上記と同様、自動機1のディスプレイ3に金額入力、及び金額確認を促す表示を行うことによって行われる。
【0026】
ここで、上記媒体放出処理(STP5)によって、使用したカード等の媒体が放出されるが、顧客がカード等の媒体を取忘れ、例えば帰宅してしまう場合がある。この場合、自動機1は媒体の取り忘れが発生したものと判断し、取忘れ情報送信処理を行う(STP6)。この処理は取り忘れた媒体の情報をサーバ2に通知し、顧客の取忘れ情報をデータベースに蓄積するための処理である。このため、自動機1は先ず送信電文を作成し、顧客の取忘れ情報をサーバ2に送信する。
【0027】
図5(a)はこの場合の送信電文フォーマットの例であり、同図(b)は送信電文の内容を説明する図である。同図(a)に示すように、送信電文は10バイトの電文長であり、「顧客口座番号」7桁の記述エリアを有し、「取忘れ媒体内訳」3桁の記述エリアを有する。また、「取忘れ媒体内訳」3桁の記述エリアは、「カード」記述エリア1桁、「通帳」記述エリア1桁、及び「現金」記述エリア1桁で構成されている。
【0028】
また、送信電文の内容は図5(b)に示すように、「顧客口座番号」の記述エリアには顧客の保有する媒体の口座番号が7桁でセットされる。また、「カード」記述エリアには、カードの取り忘れの有無の情報を記述し、例えば“1”はカードの取り忘れ有りを示し、“0”はカードの取忘れなしを示す。また、「通帳」記述エリアには、通帳の取り忘れの有無の情報を記述し、例えば“1”は通帳の取忘れ有りを示し、“0”は通帳の取忘れなしを示す。同様に、「現金」記述エリアには、現金の取り忘れ有無の情報を記述し、例えば“1”は現金の取り忘れ有りを示し、“0”は現金の取り忘れなしを示す。
【0029】
自動機1は媒体の取忘れが発生した場合、上記フォーマットに従って作成した電文をサーバ2に送信する。サーバ2では上記電文を受信すると、この送信電文に記述されている顧客口座番号の情報を読み出す。そして、顧客取忘情報更新処理を行う(STP7)。この顧客取忘情報更新処理は、サーバ2に構築されたデータベースを検索し、対応する顧客の取忘情報の更新処理を行う(STP8)。
【0030】
例えば、自動機1から送信された送信電文を解析し、顧客口座番号が“1111111”である場合、前述の図3に示すデータベースを検索し、送信電文フォーマットの「取忘媒体内訳」に記述された情報に基づいてデータベースの更新処理を行う。例えば、「カード」記述エリアに“1”が記述される場合、カードの取り忘れがあったものとして、上記データベースの「カード」の記憶エリアの情報をインクリメント(+1)する。また、例えば、「通帳」記述エリアに“1”が記述される場合、通帳の取り忘れがあったものとして、データベースの「通帳」の記憶エリアの情報をインクリメント(+1)する。また、例えば、「現金」記述エリアに“1”が記述される場合、現金の取り忘れがあったものとして、データベースの「現金」の記憶エリアの情報をインクリメント(+1)する。
【0031】
同様に、他の顧客口座番号である場合にも、図3に示すデータベースを検索し、送信電文フォーマットの「取忘れ媒体内訳」に記述された情報に基づいて対応する顧客のデータベースの更新処理を行う。
【0032】
上記処理によってデータベースには顧客の取忘れ情報が順次蓄積され、顧客が自動機1を使用して預金の預け入れや引き出しを行う際、カード等の媒体の取忘れを防止する処理が実行される。以下、具体的に説明する。
【0033】
図6は媒体の取忘れを防止する基本的な処理動作を説明するフローチャートであり、同図の左側が自動機1の処理を説明するフローチャートであり、右側がサーバ2の処理を説明するフローチャートである。
【0034】
先ず、顧客待ち状態において、自動機1のディスプレイ3に表示される、例えば通帳又はカードを挿入して下さいの表示に従って、カード挿入部4又は通帳挿入部5に対応する媒体を挿入する(ステップ(以下、Sで示す)1)。
【0035】
自動機1は上記媒体の挿入を確認し、例えばカードに記憶されている口座番号を読み出し、サーバ2に送信する(S2)。この送信処理は、送信電文フォーマットに顧客の口座番号の情報を記述し、送信する。図7(a)はこの送信電文フォーマットの例であり、電文長は7バイトであり、7桁のカードの口座番号を記述し、サーバ2に送信する。尚、同図(b)は送信電文の内容を説明する図である。
【0036】
サーバ2では上記電文を受信し、送信電文に記述されている口座番号を読み出し、顧客取忘情報検索処理を行う(S3)。この顧客取忘情報検索処理は、サーバ2に構築された前述のデータベースを検索し、対応する顧客の取り忘れ情報を読み出す。
【0037】
前述のように、図3に示すデータベースには顧客の媒体の取り忘れ情報が蓄積されている。例えば、口座番号“1111111”の顧客の場合、全取り忘れ回数が3回であり、取り忘れた媒体はカード、及び通帳であり、カードを2回取忘れ、通帳を1回取り忘れたことが記憶されている。また、口座番号“2222222”の顧客の場合、全取忘れ回数が3回であり、取忘れた媒体は通帳と現金であり、通帳を1回取り忘れ、現金を2回取り忘れたことが記憶されている。
【0038】
したがって、サーバ2は上記データベースを検索し、対応する顧客の取り忘れ情報を読み出す。例えば、自動機1から送信された送信電文を解析し、顧客口座番号が“1111111”である場合、図3に示すデータベースを検索し、全取り忘れ回数が3回、取忘れた媒体がカード及び通帳であり、取り忘れ回数がカード2回、通帳1回である情報を読み出す。尚、自動機1から送信された送信電文を解析し、他の顧客口座番号である場合も同様であり、図3に示すデータベースを検索し、全取り忘れ回数や取忘れた媒体等の情報を読み出す。
【0039】
次に、サーバ2は上記情報を記述した応答電文を作成し、自動機1に送信する。図8(a)は応答電文のフォーマットである。この応答電文の電文長は8バイトであり、「全取忘れ回数」が2桁で記述され、「取忘れ媒体内訳」が6桁で記述される。また、「取忘れ媒体内訳」は、「カード」2桁、「通帳」2桁、及び「現金」2桁で記述される。尚、同図(b)に示すように、2桁の「全取忘れ回数」の記述エリアには、データベースに記憶されている対応する顧客の全取り忘れ回数の累積情報が記述され、2桁の「カード回数」の記述エリアにも、同じくデータベースに記憶されている対応する顧客のカードの取り忘れ回数の累積情報が記述され、2桁の「通帳」の記述エリアにも、対応する顧客の通帳の取り忘れ回数の累積情報が記述され、2桁の「現金」記述エリアにも、対応する顧客の現金の取忘れ回数の累積情報が記述される。
【0040】
自動機1は上記応答電文の受信処理を行い(S4)、応答電文の内容を解析し、媒体放出順序を設定する(S5)。図9に示すフローチャートはこの媒体放出順序を設定する処理を説明するフローチャートである。
【0041】
先ず、全取り忘れ回数が1回以上であるか判断する(ステップ(以下、STで示す)1)。ここで、全取り忘れ回数が0回であれば(ST1がNO)、当該顧客は媒体を自動機1に取り忘れたことがないと判断し、次の処理に移行する。一方、全取り忘れ回数が1回以上であれば(ST1がYES)、当該顧客は媒体を自動機1に取り忘れた経験があるものとして、更に全取り忘れ回数が7回以上であるか判断する(ST2)。
【0042】
ここで、全取り忘れ回数が7回以上であれば(ST2がYES)、カード等の媒体を一括放出する(ST3)。この場合、当該顧客の取忘れ回数が多いので、カード、通帳、及び現金を一括放出することによって、媒体の取り忘れを防止する。一方、全取り忘れ回数が7回以下あれば(ST2がNO)、次の媒体放出順序処理を行う(ST4)。
【0043】
図10はこの媒体放出順序処理を説明するフローチャートである。先ず、カード→通帳→現金の放出順序を初期値として設定する(ST5)。この初期値に対して、上記受信電文に記述された情報に基づいて媒体放出順序を設定する。
【0044】
先ず、カード取り忘れ回数と通帳取り忘れ回数を比較し(ST6)、カード取り忘れ回数が通帳取り忘れ回数より少ない場合(ST6がNO)、媒体の放出順序を暫定的に通帳→カード→現金の順に設定する(ST7)。一方、カード取り忘れ回数が通帳取り忘れ回数より多い場合(ST6がYES)、媒体の放出順序を暫定的にカード→通帳→現金の順に設定する(ST14)。尚、この場合、上記処理(ST5)において設定した初期設定と同じであり、上記初期設定の媒体放出順が維持される。
【0045】
次に、上記処理(ST7)によって設定された暫定放出順序(通帳→カード→現金)の設定状態において、現金取り忘れ回数と通帳取り忘れ回数を比較する(ST8)。ここで、現金取り忘れ回数が通帳取り忘れ回数より多い場合(ST8がYES)、現金→通帳→カードの媒体放出順序を確定放出順序に設定する(ST9)。この場合、前述の応答電文の解析によって、図11に示すケース6の媒体取り忘れ情報を取得した場合である。この場合、当該顧客は現金、通帳、カードの順に媒体の取り忘れが多いことが解り、従って媒体放出順序を上記のように現金→通帳→カードの順に設定することによって、最も取忘れ回数の多い現金から放出し、次に通帳を放出し、最後にカードを放出し、当該顧客の媒体の取忘れを合理的に防止する。
【0046】
一方、上記判断(ST8)において、現金取り忘れ回数が通帳取り忘れ回数より少ない場合(ST8がNO)、暫定的に媒体放出順序を通帳→現金→カードに設定し(ST10)、更に現金取り忘れ回数とカード取り忘れ回数を比較する(ST11)。そして、現金取り忘れ回数がカード取り忘れ回数より多い場合(ST11がYES)、通帳→現金→カードの媒体放出順序を確定放出順序に設定する(ST12)。この場合、前述の応答電文の解析によって、図11に示すケース4の媒体取り忘れ情報を取得した場合である。この場合、当該顧客は通帳、現金、カードの順に媒体の取り忘れが多く、従って媒体放出順序を上記のように通帳→現金→カードの順に設定することによって、当該顧客の最も取忘れ回数の多い通帳から放出し、次に現金を放出し、最後にカードを放出し、当該顧客の媒体の取忘れを合理的に防止する。
【0047】
また、上記判断(ST11)において、現金取り忘れ回数がカード取り忘れ回数より少ない場合(ST11がNO)、通帳→カード→現金の媒体放出順序を確定放出順序に設定する(ST13)。この場合、前述の応答電文の解析によって、図11に示すケース3の媒体取り忘れ情報を取得した場合である。この場合、当該顧客は通帳、カード、現金の順に媒体の取り忘れが多く、従って媒体放出順序を上記のように通帳→カード→現金の順に設定することによって、当該顧客の最も取忘れ回数の多い通帳から放出し、次にカードを放出し、最後に現金を放出し、媒体等の取忘れを合理的に防止する。
【0048】
次に、上記処理(ST14)によって暫定放出順序をカード→通帳→現金に設定した場合について説明する。この場合、先ず現金取り忘れ回数とカード取り忘れ回数の比較を行う(ST15)。ここで、現金取り忘れ回数がカード取り忘れ回数より多い場合(ST15がYES)、現金→カード→通帳の媒体放出順序を確定放出順序に設定する(ST16)。この場合、前述の応答電文の解析によって、図11に示すケース5の媒体取り忘れ情報を取得した場合である。この場合、当該顧客は現金、カード、通帳の順に媒体の取り忘れが多く、従って媒体放出順序を上記のように現金→カード→通帳の順に設定することによって、当該顧客の最も取忘れ回数の多い現金から放出し、次にカードを放出し、最後に通帳を放出し、媒体等の取忘れを合理的に防止する。
【0049】
一方、上記判断(ST15)において、現金取り忘れ回数がカード取り忘れ回数より少ない場合(ST15がNO)、暫定的に媒体放出順序をカード→現金→通帳に設定し(ST17)、更に現金取り忘れ回数と通帳取り忘れ回数を比較する(ST18)。そして、現金取り忘れ回数が通帳取り忘れ回数より多い場合(ST18がYES)、カード→現金→通帳の媒体放出順序を確定放出順序に設定する(ST19)。この場合は、前述の応答電文の解析によって、図11に示すケース1の媒体取り忘れ情報を取得した場合である。この場合、当該顧客はカード、現金、通帳の順に媒体の取り忘れが多く、従って上記のようにカード→現金→通帳の順に媒体放出順序を設定することによって、当該顧客の最も取忘れ回数の多いカードから放出し、次に現金を放出し、最後に通帳を放出し、媒体の取忘れを合理的に防止する。
【0050】
最後に、上記判断(ST18)において、現金取り忘れ回数が通帳取り忘れ回数より少ない場合(ST18がNO)、カード→通帳→現金の媒体放出順序を確定放出順序に設定する(ST20)。この場合、前述の応答電文の解析によって、図11に示すケース2の媒体取り忘れ情報を取得した場合である。この場合、当該顧客はカード、通帳、現金の順に媒体の取り忘れが多く、従って上記のようにカード→通帳→現金の順に媒体放出順序を設定することによって、当該顧客の最も取忘れ回数の多いカードから放出し、次に通帳を放出し、最後に現金を放出し、媒体の取忘れを合理的に防止する。
【0051】
尚、上記媒体放出の順序設定処理において、例えば各媒体間の取り忘れ回数が同じである場合、既に設定された媒体放出順序を保持する。
以上のようにして媒体放出順序の設定を行った後、次に媒体放出パターンの設定処理を行う(S6)。この媒体放出パターンの設定処理は媒体の全取り忘れ回数に基づいて、注意喚起表示や音声メッセージの発声を同時に行うか否かを設定する処理であり、図12に示すフローチャートに従って処理を行う。
【0052】
先ず、媒体の取り忘れ回数の判定を行う(ステップ(以下、Wで示す)1)。この判定はサーバ2から送信された応答電文の全取り忘れ回数の情報に基づいて行われ、媒体の全取り忘れ回数が0回であれば、次の処理に移行する。この場合、当該顧客の履歴には媒体の取忘れがなく、注意喚起表示や音声メッセージの発声を行う必要がないためである。一方、媒体の全取り忘れ回数が1回以上ある場合、パターン1の処理を行う(W2)。すなわち、前述の媒体放出順序の設定処理によって設定された取忘れ頻度の高い媒体から返却する。
【0053】
次に、再度媒体の全取忘れ回数の判定を行い(W3)、全取り忘れ回数が1回又は2回の場合、次の処理に移行する。この場合も、当該顧客の媒体の取忘れ回数が少なく、注意喚起表示や音声メッセージの発声を行う必要がないと判断するためである。一方、全取り忘れ回数が3回以上の場合、当該顧客の媒体の取忘れ回数が多いため、パターン2の設定(W4)、又はパターン3の設定(W6)を行う。すなわち、媒体の全取り忘れ回数が3回又は4回の場合パターン2の設定を行い、音声メッセージの発声を行う。すなわち、この場合、当該顧客の媒体の取忘れ回数が多いので媒体を前述の媒体放出順序によって放出すると共に、音声メッセージによって媒体の取忘れがないように注意喚起を行う。
【0054】
さらに、媒体の取忘れ回数が5回以上の場合、パターン3の設定を行い、音声メッセージ及び注意喚起表示を行う(W5、W6)。この場合、当該顧客の媒体の取忘れ回数が極めて多いため、ディスプレイ3への注意喚起表示と媒体を媒体放出順序によって放出すると共に、音声メッセージの発声を行う。尚、図13はディスプレイ3への表示画面例を示す図であり、例えば“ご利用ありがとうございます。XXX、XXX、XXXが返却されますので取り忘れのないようご注意ください”との表示を行う。尚、上記ディスプレイ3への表示を確認した場合、顧客は確認ボタン20を押下する。
【0055】
以上のようにして媒体放出の際のパターン設定が行われると、自動機1の利用者は暗証番号の入力を行う(S7)。この暗証番号の入力は、自動機1のディスプレイに暗証番号の入力を促す表示を行うことによって利用者は暗証番号の入力を行う。
【0056】
その後、金額の入力(S8)、金額確認(S9)を順次行い、媒体の放出を行う(S10)。尚、金額の入力処理、及び金額確認処理は、上記と同様、自動機1のディスプレイに金額入力、及び金額確認を促す表示を行うことによって行われる。
【0057】
媒体の放出は、前述の媒体放出順序の設定処理によって設定された順序で放出される。例えば、口座番号“1111111”の顧客の場合、全取り忘れ回数が3回であり、取り忘れた媒体はカードと通帳であり、カードを2回、通帳を1回取り忘れたことが記憶されている。この場合、前述の図10に示す媒体放出順序の設定処理によってケース2のカード→通帳→現金の放出順序が確定し、前述の図12に示す媒体放出パターンの設定処理によってパターン2が設定される。したがって、口座番号“1111111”の顧客が自動機1を操作して、例えば預金の引き出しを行った後、音声メッセージが発声され、上記媒体放出順に使用した媒体の放出が行われる。
【0058】
具体的には、先ずカード挿入部4から挿入した顧客のカードが放出され、例えば“カードを抜き取って下さい”とのメッセージが流れ、顧客がカードを抜き取ると、通帳挿入部5から挿入した通帳が放出され、例えば“通帳を抜き取って下さい”とのメッセージが流れる。さらに、現金投入部6a、6bが開放され、例えば金額確認を行った現金が出力され、例えば“現金を抜き取って下さい”とのメッセージが流れる。尚、上記媒体の何れかが放出される際、不図示の取引明細書の放出を行うように構成してもよい。
【0059】
一方、例えば、口座番号“2222222”の顧客の場合、全取り忘れ回数が3回であり、取り忘れた媒体は通帳と現金であり、通帳を1回、現金を2回取り忘れたことが記憶されている。この場合、前述の媒体放出順序の設定処理によってケース6の現金→通帳→カードの放出順序が確定し、前述の図12に示すパターン設定処理によってパターン2が設定される。したがって、口座番号“2222222”の顧客が自動機1を操作して預金の引き出しを行った後、前述の音声メッセージが発声され、上記媒体放出順に使用した媒体の放出が行われる。
【0060】
この場合も、各媒体が放出された直後に、放出した媒体の抜き取りを促すメッセージが流れ、媒体の取り忘れを防止する。
さらに、例えば口座番号“3333333”の顧客の場合、全取り忘れ回数が5回であり、取り忘れた媒体はカードと通帳であり、カードを2回、通帳を3回取り忘れたことが記憶されている。この場合、前述の媒体放出順序の設定処理によってケース3の通帳→カード→現金の放出順序が確定し、前述のパターン設定処理によってパターン3が設定される。したがって、口座番号“3333333”の顧客が自動機1を操作して預金の引き出しを行った後、前述の注意喚起表示後、上記媒体放出順に使用した媒体の放出が行われると同時に音声メッセージの発声を行う。
【0061】
具体的には、先ずディスプレイ3へ注意喚起表示を行い、次に通帳挿入部5から挿入した通帳が放出され、例えば“通帳を抜き取って下さい”とのメッセージが流れ、顧客が通帳を抜き取ると、更にカード挿入部4から挿入した顧客のカードが放出され、例えば“カードを抜き取って下さい”とのメッセージが流れる。さらに、顧客がカードを抜き取ると、現金投入部6a、6bが開放され、例えば金額確認を行った現金が出力され、例えば“現金を抜き取って下さい”とのメッセージが流れる。
尚、この場合も、上記媒体の何れかが放出される際、不図示の取引明細書の放出を行うように構成してもよい。
【0062】
一方、例えば口座番号“4444444”の顧客の場合、全取り忘れ回数が7回であり、取り忘れた媒体はカードと現金であり、カードを6回、現金を1回取り忘れたことが記憶されている。この場合、図9に示す媒体放出順序の設定処理によって全媒体を一括放出することが設定され、前述のパターン設定処理によってパターン3が設定される。したがって、口座番号“4444444”の顧客が自動機1を操作して預金の引き出しを行った後、前述の注意喚起表示後、音声メッセージの発声を行い、使用した媒体は同時に一括放出される。
【0063】
具体的には、ディスプレイ3に注意喚起表示が行われ、カード挿入部4から挿入した顧客のカードと、通帳挿入部5から挿入した通帳が同時に放出され、更に現金投入部6a、6bが開放され、例えば金額確認を行った現金が出力される。同時に、“カード、通帳、及び現金を抜き取って下さい”とのメッセージが流れる。
【0064】
尚、他の口座番号の顧客についても同様に、全取り忘れ回数、及び取り忘れ媒体の内訳と回数に基づいて、媒体の取り忘れを無くす媒体放出順序とパターン設定を行い、使用した媒体の放出を行うことができる。
【0065】
以上のように、本実施形態による媒体の放出処理によれば、自動機1を使用する顧客の履歴情報に基づいて、媒体の放出順序を合理的に設定し、かつ媒体放出時に顧客の履歴情報に基づく音声メッセージや注意喚起表示を行い、媒体の取り忘れを防止することができる。
【0066】
尚、上記説明において使用した個々の数値は一例であり、例えば図3のデータベースに記載された各数値も変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0067】
1 自動機
2 サーバ
3 ディスプレイ
4 カード挿入部
5 通帳挿入部
6a、6b 現金投入部
7 受話器
10 送信部
11 受信部
12 媒体放出順序設定部
13 媒体放出パターン設定部
15 CPU
16 ROM
17 RAM
18 記憶部
20 確認ボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の口座番号を送信する送信部と、
前記口座番号の送信に基づいてサーバから送信される対応する顧客の媒体取り忘れ情報を受信する受信部と、
前記顧客の媒体取り忘れ情報に基づいて、媒体放出順序を設定する媒体放出順序設定部と、
前記媒体放出順序設定部によって設定された媒体放出順序に従って前記媒体を放出すると共に、音声メッセージ、又は注意喚起表示を行うか否かを設定する媒体放出パターン設定部と、
前記媒体放出パターン設定部によって設定された媒体放出パターンに従って前記媒体を放出する媒体放出部と、
を有することを特徴とする媒体等取り忘れ防止装置。
【請求項2】
前記媒体取り忘れ情報は、前記口座番号毎の前記媒体毎の取忘れ回数の情報であり、前記媒体放出順序設定部は、前記媒体取り忘れ情報に基づいて、顧客毎の媒体放出順序を設定することを特徴とする請求項1に記載の媒体取り忘れ防止装置。
【請求項3】
前記媒体取り忘れ情報は、前記口座番号毎のカード、通帳、現金それぞれの取忘れ回数の情報であり、前記媒体放出順序設定部は、前記媒体取り忘れ情報に基づいて、顧客毎の媒体放出順序を設定することを特徴とする請求項1、又は2に記載の媒体取り忘れ防止装置。
【請求項4】
前記媒体取り忘れ情報は、前記口座番号毎の全媒体の全取忘れ回数の情報であり、
前記媒体放出順序設定部は、前記媒体取り忘れ情報の中の全媒体の全取忘れ回数が所定回以上である場合、前記媒体の一括放出の設定を行うことを特徴とする請求項2、又は3に記載の媒体取り忘れ防止装置。
【請求項5】
前記媒体放出パターン設定部は、前記媒体取り忘れ情報の中の全媒体の取忘れ回数に基づいて、前記媒体放出順序に従った前記媒体放出のみを行うか、又は音声メッセージと共に媒体放出を行うか、又は音声メッセージと注意喚起表示と共に媒体放出を行うか、の設定を行うことを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の媒体取り忘れ防止装置。
【請求項6】
前記媒体放出パターン設定部は、前記媒体取り忘れ情報の中の前記カード、通帳、現金の全取忘れ回数に基づいて、前記媒体放出順序に従った前記媒体放出のみを行うか、又は音声メッセージと共に媒体放出を行うか、又は音声メッセージと注意喚起表示と共に媒体放出を行うか、の設定を行うことを特徴とする請求項3に記載の媒体等取り忘れ防止装置。
【請求項7】
前記音声メッセージ及び注意喚起表示は、放出対象である媒体放出前直後にそれぞれ行われることを特徴とする請求項5、又は6に記載の媒体取り忘れ防止装置。
【請求項8】
前記媒体取り忘れ情報は通信ネットワークを介して接続されたサーバの記憶部に記憶され、前記送信部から前記顧客の口座番号を送信することによって、前記記憶部を検索し、前記顧客の口座番号に対応する顧客の媒体等取忘れ情報を前記受信部に送信することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、又は7に記載の媒体取り忘れ防止装置。
【請求項9】
顧客の口座番号を送信する送信処理と、
前記口座番号の送信に基づいてサーバから送信される対応する顧客の媒体取り忘れ情報を受信する受信処理と、
前記顧客の媒体取り忘れ情報に基づいて、媒体放出順序を設定する媒体放出順序設定処理と、
前記媒体放出順序設定処理によって設定された媒体放出順序に従って前記媒体を放出すると共に、音声メッセージ、又は注意喚起表示を行うか否かを設定する媒体放出パターン設定処理と、
前記媒体放出パターン設定処理によって設定された媒体放出パターンに従って前記媒体を放出する媒体放出処理と、
を行うことを特徴とする媒体取り忘れ防止方法。
【請求項10】
前記媒体取り忘れ情報は通信ネットワークを介して接続されたサーバの記憶部に記憶され、前記送信部から前記顧客の口座番号を送信することによって、前記記憶部を検索し、前記顧客の口座番号に対応する顧客の媒体等取忘れ情報を前記受信部に送信することを特徴とする請求項9に記載の媒体取り忘れ防止方法。
【請求項1】
顧客の口座番号を送信する送信部と、
前記口座番号の送信に基づいてサーバから送信される対応する顧客の媒体取り忘れ情報を受信する受信部と、
前記顧客の媒体取り忘れ情報に基づいて、媒体放出順序を設定する媒体放出順序設定部と、
前記媒体放出順序設定部によって設定された媒体放出順序に従って前記媒体を放出すると共に、音声メッセージ、又は注意喚起表示を行うか否かを設定する媒体放出パターン設定部と、
前記媒体放出パターン設定部によって設定された媒体放出パターンに従って前記媒体を放出する媒体放出部と、
を有することを特徴とする媒体等取り忘れ防止装置。
【請求項2】
前記媒体取り忘れ情報は、前記口座番号毎の前記媒体毎の取忘れ回数の情報であり、前記媒体放出順序設定部は、前記媒体取り忘れ情報に基づいて、顧客毎の媒体放出順序を設定することを特徴とする請求項1に記載の媒体取り忘れ防止装置。
【請求項3】
前記媒体取り忘れ情報は、前記口座番号毎のカード、通帳、現金それぞれの取忘れ回数の情報であり、前記媒体放出順序設定部は、前記媒体取り忘れ情報に基づいて、顧客毎の媒体放出順序を設定することを特徴とする請求項1、又は2に記載の媒体取り忘れ防止装置。
【請求項4】
前記媒体取り忘れ情報は、前記口座番号毎の全媒体の全取忘れ回数の情報であり、
前記媒体放出順序設定部は、前記媒体取り忘れ情報の中の全媒体の全取忘れ回数が所定回以上である場合、前記媒体の一括放出の設定を行うことを特徴とする請求項2、又は3に記載の媒体取り忘れ防止装置。
【請求項5】
前記媒体放出パターン設定部は、前記媒体取り忘れ情報の中の全媒体の取忘れ回数に基づいて、前記媒体放出順序に従った前記媒体放出のみを行うか、又は音声メッセージと共に媒体放出を行うか、又は音声メッセージと注意喚起表示と共に媒体放出を行うか、の設定を行うことを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の媒体取り忘れ防止装置。
【請求項6】
前記媒体放出パターン設定部は、前記媒体取り忘れ情報の中の前記カード、通帳、現金の全取忘れ回数に基づいて、前記媒体放出順序に従った前記媒体放出のみを行うか、又は音声メッセージと共に媒体放出を行うか、又は音声メッセージと注意喚起表示と共に媒体放出を行うか、の設定を行うことを特徴とする請求項3に記載の媒体等取り忘れ防止装置。
【請求項7】
前記音声メッセージ及び注意喚起表示は、放出対象である媒体放出前直後にそれぞれ行われることを特徴とする請求項5、又は6に記載の媒体取り忘れ防止装置。
【請求項8】
前記媒体取り忘れ情報は通信ネットワークを介して接続されたサーバの記憶部に記憶され、前記送信部から前記顧客の口座番号を送信することによって、前記記憶部を検索し、前記顧客の口座番号に対応する顧客の媒体等取忘れ情報を前記受信部に送信することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、又は7に記載の媒体取り忘れ防止装置。
【請求項9】
顧客の口座番号を送信する送信処理と、
前記口座番号の送信に基づいてサーバから送信される対応する顧客の媒体取り忘れ情報を受信する受信処理と、
前記顧客の媒体取り忘れ情報に基づいて、媒体放出順序を設定する媒体放出順序設定処理と、
前記媒体放出順序設定処理によって設定された媒体放出順序に従って前記媒体を放出すると共に、音声メッセージ、又は注意喚起表示を行うか否かを設定する媒体放出パターン設定処理と、
前記媒体放出パターン設定処理によって設定された媒体放出パターンに従って前記媒体を放出する媒体放出処理と、
を行うことを特徴とする媒体取り忘れ防止方法。
【請求項10】
前記媒体取り忘れ情報は通信ネットワークを介して接続されたサーバの記憶部に記憶され、前記送信部から前記顧客の口座番号を送信することによって、前記記憶部を検索し、前記顧客の口座番号に対応する顧客の媒体等取忘れ情報を前記受信部に送信することを特徴とする請求項9に記載の媒体取り忘れ防止方法。
【図3】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【図10】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【図10】
【公開番号】特開2013−50932(P2013−50932A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189892(P2011−189892)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
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