説明

媒体欠陥検出のためのシステム及び方法

本発明の種々の実施例は媒体欠陥検出のためのシステム及び方法を提供する。例えば、データ検出器、欠陥検出器及びゲート制御回路を含むデータ転送システムが開示される。データ検出器は軟出力を提供し、欠陥検出器は軟出力及びデータ信号を受信し、その軟出力及びデータ信号に少なくともある程度基づいて欠陥表示をアサートするように動作できる。ゲート制御回路は欠陥表示がアサートされると検出器の軟出力を修正するように動作できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報を転送するシステム及び方法に関し、より具体的には、データ転送に関連する媒体に関係する問題を判断するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
記憶システム、セルラ電話システム、無線送信システム等の種々のデータ転送システムが開発されてきた。そのシステムの各々では、データは送信者から受信者に何らかの媒体を介して転送される。例えば、記憶システムでは、データは送信者(即ち、書込み機能)から受信者(即ち、読取り機能)へ記憶媒体を介して送信される。いずれの転送の有効性も転送媒体に関連する何らかの欠陥によって損なわれる。場合によっては、転送媒体における欠陥によってもたらされるデータ消失は、非欠陥領域又は時間から受信されるデータについてさえも転送媒体からのデータの回復を困難なものとする。
【0003】
転送媒体における欠陥を識別するための種々のアプローチが開発されてきた。そのようなアプローチは欠陥を識別するための一般的な能力を提供するが、多くの場合において不正確である。最も良い場合でも、この不正確さはあらゆる欠陥識別の有効性を制限する。最悪の場合、不正確な欠陥検出は現実にデータ回復プロセスを妨げる。
【0004】
従って、少なくとも上述の理由のために、当分野には欠陥検出のための高度なシステム及び方法へのニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は情報を転送するシステム及び方法に関し、より具体的には、データ転送に関連する媒体に関係する問題を判断するシステム及び方法に関する。
【0006】
本発明の種々の実施例は媒体欠陥検出のためのシステム及び方法を提供する。本発明のある特定の実施例はデータ検出器、欠陥検出器及びゲート制御回路を含むデータ転送システムを提供する。データ検出器は軟出力を提供し、欠陥検出器は軟出力及びデータ信号を受信して、その軟出力及びデータ信号に少なくともある程度基づいて欠陥表示をアサートするように動作できる。ゲート制御回路は欠陥表示がアサートされると検出器の軟出力を修正するように動作できる。上述の実施例のあるインスタンスにおいては、データ検出器は、限定するわけではないが、ビタビ検出器又は最大事後確率検出器であればよい。
【0007】
前述の実施例の種々のインスタンスにおいて、システムはハードディスクドライブである。このようなシステムでは、ハードディスクドライブは記憶媒体を含み、データ信号はその記憶媒体から引き出される。データ検出器は記憶媒体から引き出されたデータ信号を受信し、そのデータ信号に少なくともある程度基づいて軟出力を提供する。欠陥検出器は記憶媒体上の欠陥領域を検出するように動作できる。場合によっては、欠陥検出器はデータ解析回路、軟解析回路及び2つのカウンタ回路を含む。データ解析回路はデータ信号の絶対値をデータ閾値に対して比較するよう動作可能な第1のコンパレータを含み、カウンタ回路の一方はデータ信号の絶対値がデータ閾値未満となる期間の数を特定するよう動作できる。軟解析回路は軟出力を軟閾値に対して比較するよう動作可能な第2のコンパレータを含み、他方のカウンタ回路は軟出力が軟閾値未満となる期間の数を特定するよう動作できる。
【0008】
上述の実施例のあるインスタンスでは、データ信号はデータ閾値に対する比較の前にハイパスフィルタを用いてフィルタリングされる。上述の実施例の種々のインスタンスにおいて、データ閾値及び軟閾値はプログラム可能である。上述の実施例の特定のインスタンスにおいて、第1のカウンタ及び第2のカウンタの少なくとも一方がカウント閾値以上になると欠陥表示がアサートされる。さらに、データ信号の絶対値がデータ信号閾値以上になるとデータ信号比較に対応付けられたカウンタがリセットされ、軟出力が軟閾値以上になると他方のカウンタがリセットされる。特定の場合では、一度欠陥表示がアサートされると、少なくとも最小期間にわたってアサートが維持される。最小期間はプログラム可能である。
【0009】
上記の実施例の他の場合では、システムは通信装置である。このようなインスタンスでは、通信装置は通信チャネルを介して情報を受信し、データ信号は通信チャネルから引き出される。データ検出器は通信チャネルから引き出されたデータ信号を受信し、データ信号に少なくともある程度基づいて軟出力を提供する。欠陥検出器は通信チャネルの欠陥期間を検出するように動作できる。
【0010】
本発明の他の実施例は欠陥検出のための方法を提供する。その方法は、データ信号を受信するステップ、及びそのデータ信号上で検出プロセスを実行するステップを含む。検出プロセスは軟出力を提供する。方法はさらに、データ信号をデータ閾値と比較するステップ、及び軟出力を軟閾値と比較するステップを含む。比較は、データ信号が第1の所定期間にわたってデータ閾値未満となるとデータ比較結果のアサートをもたらし、及び軟出力が第2の所定期間にわたって軟閾値未満となると軟比較結果のアサートをもたらす。方法はさらに、軟比較結果及びデータ比較結果の少なくとも一方がアサートされると必ず欠陥表示をアサートするステップを含む。場合によっては、軟比較結果及びデータ比較結果の両方がアサートされるときのみ欠陥検出器はアサートされる。上述の実施例の種々のインスタンスにおいて、第1の所定期間及び第2の所定期間は同じ期間であり、共通の期間がプログラム可能である。
【0011】
上述の実施例の種々のインスタンスはデータ信号の絶対値を特定するステップを含む。この場合、データ閾値と比較されるデータ信号はデータ信号の絶対値である。さらに、本発明のいくつかの実施例は軟出力の絶対値を特定するステップを含む。この場合、軟閾値と比較される軟出力は軟出力の絶対値である。さらに、本発明のある実施例はデータ信号をフィルタリングするステップを含む。この場合、データ閾値と比較されるデータ信号はフィルタリングされたデータ信号である。
【0012】
本発明の更なる他の実施例は記憶システムを提供する。その記憶システムは、記憶媒体、読取り/書込み回路、及び位置決めコントローラを含む。読取り/書込み回路の少なくとも一部分は記憶媒体との関係で位置決めされ、位置決めコントローラは記憶媒体との関係で読取り/書込み回路の少なくとも一部分を位置決めするように動作できる。読取り/書き込み回路は、限定するわけではないが、軟出力を提供するデータ検出器、欠陥検出器及びゲート制御回路を含む。欠陥検出器は軟出力を受信し、軟出力に少なくともある程度基づいて欠陥表示をアサートするように動作できる。ゲート制御回路は欠陥表示がアサートされると検出器の軟出力を修正するよう動作できる。上記実施例のあるインスタンスでは、記憶システムは電子システム内に組み込まれる。この電子システムは、限定するわけではないが、コンピュータ、オーディオプレーヤー、ビデオプレーヤー、スタンドアロン記憶システム、及び/又はセルラ電話機等である。このコンピュータは、限定するわけではないが、パーソナルコンピュータ、ノートブックコンピュータ、サーバ及び/又はパーソナルデジタルアシスタントであればよい。
【0013】
この概要は発明のいくつかの実施例の概略を提供するに過ぎない。発明の他の多数の課題、特徴、有利な効果及び他の実施例が以降の詳細な説明、付随する特許請求の範囲及び添付図面からより完全に明らかになる。
【0014】
本発明の種々の実施例の更なる理解が、明細書の残りの部分に記載される図面への参照によって達成される。図面においては、図面を通じて同様の符号が同様の部材を言及するために使用される。いくつかのインスタンスでは、小文字からなる副表記は複数の同様の部材の1つを示すための符号に対応付けられている。存在する副表記に対する指定がない符号に対する参照がなされる場合は、複数のそのような同様の部材全てに言及するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は本発明の種々の実施例による欠陥検出システムを示す。
【図2a】図2aは本発明のある実施例による欠陥検出回路の特定の実施を示す。
【図2b】図2bは図2aの欠陥検出回路に適用され、及びそこから受信される例示の信号のタイミング図を示す。
【図3a】図3aは本発明のある実施例によるデータフィルタリングを含む欠陥検出回路の他の特定の実施を示す。
【図3b】図3bは図3aの欠陥検出回路に適用され、及びそこから受信される例示の信号のタイミング図を示す。
【図4a】図4aは本発明の1以上の実施例による欠陥表示延長を含む欠陥検出回路の更に他の実施を示す。
【図4b】図4bは図4aの欠陥検出回路に適用され、及びそこから受信される例示の信号のタイミング図を示す。
【図5】図5は本発明の種々の実施例による媒体欠陥システムを含む記憶システムを示す。
【図6】図6は本発明の1以上の実施例による媒体欠陥システムを含む通信システムを示す。
【図7】図7は本発明のある実施例による媒体欠陥検出のための方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は情報を転送するシステム及び方法に関し、より具体的には、データ転送に関連する媒体に関係する問題を判断するシステム及び方法に関する。
【0017】
媒体欠陥は媒体に関連する欠陥エリアの周辺及び/又は欠陥時間の付近にエラーのバーストをもたらす。多くの場合、多数の媒体欠陥に関連するエラーは局部化され、伝搬しない。従って、一般に、媒体欠陥に起因するエラーの伝搬は大きな問題ではないと考えられてきた。しかし、様々な条件において、媒体欠陥に起因するエラーの伝搬は問題となり得ることが確認されてきた。特に、複数の検出器/復号器の実装において、欠陥領域から又は欠陥期間中に取得されたデータに関して合理的に高い軟確率が報告される場合にこれらのエラーが伝搬しそうである。本発明のいくつかの実施例は軟出力情報を媒体欠陥特定プロセスに取り込むことによってこの問題に対処する。
【0018】
図1に移ると、本発明の種々の実施例による欠陥検出システム100が図示される。欠陥検出システム100は軟入力媒体欠陥検出器120、軟出力検出器110、150、ゲート制御回路130、160、及び軟出力復号器140を含む。軟出力検出器110、150は軟出力情報(即ち、検出データが正しく識別された確率)を提供することができる何らかの周知の検出器であればよい。従って、軟出力検出器は、限定するわけではないが、周知の軟出力ビタビアルゴリズム検出器(SOVA)又は最大事後確率(MAP)検出器であればよい。当業者であれば、ここに提供される開示に基づいて、本発明の異なる実施例に関連して使用される種々の検出器を認識するはずである。
【0019】
媒体データ180は何らかの形式の媒体から受信され、欠陥検出システム100に転送される。従って、例えば、欠陥検出システム100がハードディスクドライブシステムの一部として実装される場合、媒体データ180はハードディスクドライブシステムに内蔵された磁気記憶媒体から引き出される。他の例として、欠陥検出システム100が通信システムの一部として実装される場合、媒体データ180は送受信装置間で無線又は他の転送媒体から引き出される。ここに提供される開示に基づいて、当業者であれば媒体データ180が引き出される種々の媒体を認識するはずである。
【0020】
媒体データ180は軟出力検出器110及び軟入力媒体欠陥検出器120に供給される。軟出力検出器110は媒体データ180上の検出機能を実行し、軟入力112を軟入力媒体欠陥検出器120に供給する。軟入力媒体欠陥検出器120は媒体データ180を軟入力112との組合せにおいて解析して、媒体データ180の媒体が、媒体データ180が取得された場所の周辺に欠陥を示すかを判断する。軟入力媒体欠陥検出器120によって欠陥が識別されると欠陥出力122及び欠陥遅延出力124がアサートされる。欠陥出力122が軟出力検出器110からの出力とともにゲート制御回路130に供給される。欠陥出力122がアサートされると、媒体データ180が適切に検出されたことを示す確率がゼロとなるように、ゲート制御回路130によって軟出力検出器110からの軟出力がアサートされる。この「ゼロ」の確率が軟出力検出器140に供給され、媒体データ180を復号するのに使用される。軟出力復号器140は周知の任意のデータ復号器であればよい。媒体欠陥の識別と同時に軟出力情報をゼロにすることによって、ゲート制御回路130は、軟出力復号器140が欠陥エリアからのデータを正しいものとして不適切に識別したであろう確率を制限するよう動作する。
【0021】
軟出力復号器140からの出力は、他の検出プロセスを実行し、正しいデータの可能性を示す他の軟出力を提供する軟出力検出器150に供給される。欠陥遅延出力124は軟出力検出器150からの出力とともにゲート制御回路160に供給される。欠陥遅延出力124は、媒体データ180をゲート制御回路130、軟出力復号器140及び軟出力検出器150を介して通過させることによって発生した時間遅延に一致するだけの充分に遅延された欠陥出力122のバージョンである。ゲート制御回路130と同様に、欠陥遅延出力124がアサートされると、媒体データ180が適正に検出された表示確率がゼロになるように、ゲート制御回路160によって軟出力検出器150からの軟出力がアサートされる。この「ゼロ」の確率は軟出力復号器170に供給され、それが媒体データ180を復号するのに使用される。軟出力復号器170は任意の周知の復号器であればよい。媒体欠陥の識別と同時の軟出力情報をゼロにすることによって、ゲート制御回路160は軟出力復号器170が欠陥エリアからのデータを誤って正しいものとして識別してしまう確率を制限するよう動作する。軟出力復号器170は、特定の設計に従って使用されるか又は更なる検出/復号段に適用されるデータ出力190を供給する。
【0022】
図2aに移ると、本発明のいくつかの実施例による軟入力欠陥検出回路200が示される。軟入力欠陥検出回路200はデータ解析回路241(破線で示す)、軟解析回路243(破線で示す)、及び合成回路212を示す。データ解析回路241は問題となる媒体から引き出されるデータ入力202に基づいて潜在的な媒体欠陥を識別するように設計されている。軟解析回路243は軟出力検出器(不図示)から受信された軟入力232に基づいて潜在的な媒体欠陥を識別するように設計されている。合成回路212はデータ解析回路241及び軟解析回路243の両方の結果を合成して媒体検出が存在するかの判断を行い、その判断に基づいて欠陥出力214をアサートするように設計される。軟入力欠陥検出回路200はまた、欠陥出力214を受信し、望まれる場合にはそれを後段の復号/検出プロセスで使用するために遅延させる遅延回路216を含むことができる。遅延された出力は欠陥遅延出力218として識別される。
【0023】
データ解析回路241は、データ入力202を受信してデータ入力202の絶対値を導出するオフセットプロセスを実行する絶対値回路204を含む。データ入力202の絶対値246は、絶対値246をプログラマブルデータ閾値220と比較するコンパレータ206に供給される。絶対値246がプログラマブルデータ閾値220以上の場合、カウンタ208がクリアされる。それ以外、即ち絶対値246がプログラマブルデータ閾値220未満の場合、カウンタ208はクロック248に同期した増分を続ける。カウンタ出力250はコンパレータ210に供給され、それがプログラマブルビットカウント222に対して比較される。カウンタ出力250がプログラマブルビットカウント222以上の場合、媒体欠陥表示254がデータ入力202に基づいてアサートされる。
【0024】
軟解析回路243は軟入力232をプログラマブル軟閾値242と比較するコンパレータ236を含む(なお、軟入力232は回路204と同様の絶対値回路に供給され、絶対値は必要な場合には後の比較に使用される)。軟入力232がプログラマブル軟閾値242以上の場合、カウンタ238はクリアされる。それ以外、即ち軟入力232がプログラマブル軟閾値242未満の場合、カウンタ238はクロック248に同期した増分を続ける。カウンタ出力252はコンパレータ240に供給され、それがプログラマブルビットカウント244に対して比較される。カウンタ出力252がプログラマブルビットカウント244以上の場合、媒体欠陥表示256がデータ入力232に基づいてアサートされる。
【0025】
媒体欠陥表示254及び媒体欠陥表示256は合成回路212によって合成される。ある場合では、合成回路212は媒体欠陥表示254と媒体欠陥表示256の論理積ANDと等価な処理を実行し、論理積ANDの出力が欠陥出力214となる。このような合成を実行することによって、軟入力欠陥検出回路200から偽陽性(欠陥がないのに欠陥があると検出してしまうこと)が出力される確率を制限するように動作する。他の場合では、合成回路212は媒体欠陥表示254と媒体欠陥表示256の論理和ORと等価な処理を実行し、論理和ORの出力が欠陥出力214となる。このような合成を実行することによって、軟入力欠陥検出回路200から偽陰性(欠陥があるのに見逃してしまうこと)が出力される確率を制限するよう動作する。ここに提供される開示に基づいて、当業者であれば、欠陥出力214を生成するために媒体欠陥表示254と媒体欠陥表示256を合成するのに使用され得る種々の合成回路を実現できるはずである。
【0026】
図2bに移ると、タイミング図201、211、231は、検証において発見されたのと同じ例示入力に基づいて軟入力欠陥検出回路200の動作を図示する。特に、タイミング図201は、データが非欠陥媒体から受信される期間205、207、及びデータが欠陥媒体から受信される期間203を含む例示のデータ入力202を示す。非欠陥媒体(部分205、207)からのデータは、欠陥媒体(部分203)からのデータと比較すると比較的高い振幅を示す。タイミング図211はタイミング図201の信号の絶対値を図示する。この絶対値は図2aの絶対値246を表す。プログラマブルビットカウント222との比較の充足がタイミング図211において破線213で表される。この場合、プログラマブルビットカウントは4であり、絶対値246の4個の連続する値がプログラマブルデータ閾値220未満で記録されると直ちに充足される。前述したように、これらの4個の連続する期間が得られたら直ちに媒体欠陥表示254がアサートされる。なお、4個の期間という数値は単なる例示であり、任意の期間数が本発明の種々の実施例に従ってプログラムされ得る。
【0027】
タイミング図211は(生の値であっても、その絶対値であっても)軟入力232がプログラマブル軟閾値242と比較されることを図示する。プログラマブルビットカウント244との比較の充足がタイミング図231において破線233で表される。この場合、プログラマブルビットカウントは4であり、軟入力232の4個の連続する値がプログラマブル軟閾値242未満で記録されると直ちに充足される。前述したように、これらの4個の連続する期間が得られたら直ちに媒体欠陥表示256がアサートされる。なお、再度になるが、4個の期間という数値は単なる例示であり、任意の期間数が本発明の種々の実施例に従ってプログラムされ得る。
【0028】
欠陥出力214も示される。図示するように、媒体欠陥表示254と媒体欠陥表示256のいずれか又は両方がアサートされると欠陥出力214がアサートされる。場合によっては、図2bに示すのとは異なり、プログラマブルビット閾値222及びプログラマブルビット閾値244は異なる時点で充足される。このような場合、欠陥出力214は、合成回路212が論理積AND関数、論理和OR関数、又はその他の関数であるかによって異なる時点でアサートすることになる。
【0029】
図3aに移ると、本発明の種々の実施例による軟入力欠陥検出回路300が示される。軟入力欠陥検出回路300はデータ解析回路341(破線で示す)、軟解析回路343(破線で示す)、及び合成回路312を含む。データ解析回路341は問題となっている媒体から引き出されたデータ入力302に基づいて潜在的な媒体欠陥を識別するように設計されている。軟解析回路343軟出力検出器(不図示)から受信された軟入力332に基づいて潜在的な媒体欠陥を識別するように設計される。合成回路312はデータ解析回路341及び軟解析回路343の両方の結果を合成して媒体欠陥が存在するか否かの判断を行い、その判断に基づいて欠陥出力314をアサートするように設計される。軟入力欠陥検出回路300はまた、欠陥出力314を受信し、望まれる場合には後段の復号/検出プロセスで使用するためにそれを遅延させる遅延回路316を含むことができる。遅延された出力は欠陥遅延出力318として識別される。
【0030】
データ解析回路341は生のデータ入力302又はデータ入力302のフィルタリングされたバージョン373のいずれかの選択を可能とするフィルタ375及びマルチプレクサ377を含む。モード選択器379は所望のデータ入力302又はフィルタリングされたバージョン373を選択する。マルチプレクサ377の出力は絶対値回路304に供給される。絶対値回路304は選択されたバージョンのデータ入力302を受信し、選択されたバージョンのデータ入力302の絶対値を導出するためのオフセットプロセスを実行する。データ入力302の絶対値346は、絶対値346をプログラマブルデータ閾値320に対して比較するコンパレータ306に供給される。絶対値346がプログラマブルデータ閾値320以上の場合、カウンタ308がクリアされる。それ以外、即ち絶対値346がプログラマブルデータ閾値320未満の場合、カウンタ308はクロック348に同期した増分を続ける。カウンタ出力350はコンパレータ310に供給され、それがプログラマブルビットカウント322に対して比較される。カウンタ出力350がプログラマブルビットカウント322以上の場合、媒体欠陥表示354がデータ入力302に基づいてアサートされる。
【0031】
軟解析回路343は軟入力332をプログラマブル軟閾値342に対して比較するコンパレータ336を含む(なお、軟入力332は必要であれば回路304と同様の絶対値回路に供給されてもよい)。軟入力332がプログラマブルデータ閾値342以上の場合、カウンタ338がクリアされる。それ以外、即ち軟入力332がプログラマブル軟閾値342未満の場合、カウンタ338はクロック348に同期した増分を続ける。カウンタ出力352はコンパレータ340に供給され、それがプログラマブルビットカウント344に対して比較される。カウンタ出力352がプログラマブルビットカウント344以上の場合、媒体欠陥表示356がデータ入力332に基づいてアサートされる。
【0032】
媒体欠陥表示354及び媒体欠陥表示356は合成回路312によって合成される。ある場合では、合成回路312は媒体欠陥表示354と媒体欠陥表示356の論理積ANDと等価な処理を実行し、論理積ANDの出力が欠陥出力314となる。このような合成を実行することによって、軟入力欠陥検出回路300から偽陽性が出力される確率を制限するように動作する。他の場合では、合成回路312は媒体欠陥表示354と媒体欠陥表示356の論理和ORと等価な処理を実行し、論理和ORの出力が欠陥出力314となる。このような合成を実行することによって、軟入力欠陥検出回路300から偽陰性が出力される確率を制限するよう動作する。ここに提供される開示に基づいて、当業者であれば、欠陥出力314を生成するために媒体欠陥表示354と媒体欠陥表示356を合成するのに使用され得る種々の合成回路を実現できるはずである。
【0033】
図3bに移ると、タイミング図301、311、331は、検証において発見されたのと同じ例示入力に基づいて軟入力欠陥検出回路300の動作を図示する。特に、タイミング図301は、データが非欠陥媒体から受信される期間305、307、及びデータが欠陥媒体から受信される期間303を含む例示のデータ入力202を示す。なお、非欠陥媒体からのデータは、軟入力欠陥検出回路300のフィルタ375の使用によって除去され得るDCオフセットを含む。フィルタ375は任意の周知のフィルタ技術を用いて設計できる。本発明のある特定の実施例では、フィルタ375はハイパスフィルタである。そのようなハイパスフィルタは、例えば、単にf=1−maであればよく、ここでmaは移動平均ローパスフィルタである。タップ数がL(これはプログラム可能である)の場合、ハイパスフィルタは次の式:f=1−[11...]/L で記述される。さらに、非欠陥媒体(部分305、307)からのデータは、欠陥媒体(部分303)からのデータと比べると比較的高い振幅を示す。特に、タイミング図311のフィルタリングされた絶対値信号は軟入力欠陥検出回路300の信号346を表し、ここで、モード選択379はデータ入力302のフィルタリングされたバージョンを選択する。プログラマブルビットカウント322との比較の充足がタイミング図311において破線313で表される。この場合、プログラマブルビットカウントは4であり、絶対値346の4個の連続する値がプログラマブルデータ閾値320未満で記録されると直ちに充足される。前述したように、これらの4個の連続する期間が得られたら直ちに媒体欠陥表示354がアサートされる。なお、4個の期間という数値は単なる例示であり、任意の期間数が本発明の種々の実施例に従ってプログラムされ得る。
【0034】
タイミング図311は(生の値であっても、その絶対値であっても)軟入力332がプログラマブル軟閾値342と比較されることを図示する。プログラマブルビットカウント344との比較の充足性がタイミング図331において破線333で表される。この場合、プログラマブルビットカウントは4であり、軟入力332の4個の連続する値がプログラマブル軟閾値342未満で記録されると直ちに充足される。前述したように、これらの4個の連続する期間が得られたら直ちに媒体欠陥表示356がアサートされる。なお、再度になるが、4個の期間という数値は単なる例示であり、任意の期間数が本発明の種々の実施例に従ってプログラムされ得る。
【0035】
欠陥出力314も示される。図示するように、媒体欠陥表示354と媒体欠陥表示356のいずれか又は両方がアサートされると欠陥出力314がアサートされる。場合によっては、図3bに示すのとは異なり、プログラマブルビット閾値322及びプログラマブルビット閾値344は異なる時点で充足される。このような場合、欠陥出力314は、合成回路312が論理積AND関数、論理和OR関数、又はその他の関数であるかによって異なる時点でアサートすることになる。
【0036】
図4aに移ると、本発明の種々の実施例による軟入力欠陥検出回路400が示される。軟入力欠陥検出回路400はデータ解析回路441(破線で示す)、軟解析回路443(破線で示す)、及び合成回路412を含む。データ解析回路441は問題となっている媒体から引き出されたデータ入力402に基づいて潜在的な媒体欠陥を識別するように設計されている。軟解析回路443軟出力検出器(不図示)から受信された軟入力432に基づいて潜在的な媒体欠陥を識別するように設計される。合成回路412はデータ解析回路441及び軟解析回路443の両方の結果を合成して媒体欠陥が存在するか否かの判断を行い、その判断に基づいて欠陥出力414をアサートするように設計される。
【0037】
データ解析回路441は生のデータ入力402又はデータ入力402のフィルタリングされたバージョン473のいずれかの選択を可能とするフィルタ475及びマルチプレクサ477を含む。フィルタ475は任意の周知のフィルタ技術を用いて設計できる。本発明のある特定の実施例では、フィルタ475はハイパスフィルタである。モード選択器479は所望のデータ入力402又はフィルタリングされたバージョン473を選択する。マルチプレクサ477の出力は絶対値回路404に供給される。絶対値回路404は選択されたバージョンのデータ入力402を受信し、選択されたバージョンのデータ入力402の絶対値を導出するためのオフセットプロセスを実行する。データ入力402の絶対値446は、絶対値446をプログラマブルデータ閾値420に対して比較するコンパレータ406に供給される。絶対値446がプログラマブルデータ閾値420以上の場合、カウンタ408がクリアされる。それ以外、即ち絶対値446がプログラマブルデータ閾値420未満の場合、カウンタ408はクロック448に同期した増分を続ける。カウンタ出力450はコンパレータ410に供給され、それがプログラマブルビットカウント422に対して比較される。カウンタ出力450がプログラマブルビットカウント422以上の場合、媒体欠陥表示454がデータ入力402に基づいてアサートされる。
【0038】
軟入力回路443は、軟入力432をプログラマブル軟閾値442に対して比較するコンパレータ436を含む(なお、軟入力432は必要であれば回路404と同様の絶対値回路に供給されてもよい)。軟入力432がプログラマブルデータ閾値442以上の場合、カウンタ438がクリアされる。それ以外、即ち軟入力432がプログラマブル軟閾値442未満の場合、カウンタ438はクロック448に同期した増分を続ける。カウンタ出力452はコンパレータ440に供給され、それがプログラマブルビットカウント444に対して比較される。カウンタ出力452がプログラマブルビットカウント444以上の場合、媒体欠陥表示456がデータ入力432に基づいてアサートされる。
【0039】
媒体欠陥表示454及び媒体欠陥教示456は合成回路412によって合成される。ある場合では、合成回路412は媒体欠陥表示454と媒体欠陥表示456の論理積ANDと等価な処理を実行し、論理積ANDの出力が欠陥出力414となる。このような合成を実行することによって、軟入力欠陥検出回路400から偽陽性が出力される確率を制限するように動作する。他の場合では、合成回路412は媒体欠陥表示454と媒体欠陥表示456の論理和ORと等価な処理を実行し、論理和ORの出力が欠陥出力414となる。このような合成を実行することによって、軟入力欠陥検出回路400から偽陰性が出力される確率を制限するよう動作する。ここに提供される開示に基づいて、当業者であれば、欠陥出力414を生成するために媒体欠陥表示454と媒体欠陥表示456を合成するのに使用され得る種々の合成回路を実現できるはずである。
【0040】
軟入力欠陥検出回路400はまた欠陥延長回路490を含む。欠陥延長回路490は所定期間にわたって欠陥出力414のアサートを延長する回路である。この延長は、とりわけ、媒体の有効部分の誤った表示をフィルタ除去するように作用する。従って、例えば、欠陥出力414がアサートされ、かつ、フィルタリングされた絶対値446がプログラマブルデータ閾値420以上であり、及び/又は軟入力432がプログラマブル軟閾値442以上である場合、欠陥出力414は欠陥延長回路490の少なくとも所定の期間が満了するまでアサートされた状態を維持する。非欠陥エリアであろう部分の発生が本格的でない場合、欠陥出力414はアサート解除及び再アサートされない。一方、非欠陥エリアであろう部分の発生が欠陥延長回路490の期間以上の期間にわたって継続する場合に、欠陥出力414は欠陥延長回路490の期間の終了時にアサート解除する。実装によっては、欠陥延長回路は軟入力検出回路400の他の部分にフィードバックを与えることができる。ここに提供される開示に基づいて、当業者であれば、本発明の異なる実施例による延長期間を実装するのに開発され得るカウンタ回路等の種々の回路を実現できるはずである。軟入力欠陥検出回路400はまた、欠陥出力414を受信し、望まれる場合には後段の復号/検出プロセスで使用するためにそれを遅延させる遅延回路416を含むことができる。遅延された出力は欠陥遅延出力418として識別される。
【0041】
図4bに移ると、タイミング図401、411、431は、検証において発見されたのと同じ例示入力に基づいて軟入力欠陥検出回路400の動作を図示する。特に、タイミング図401は、データが非欠陥媒体から受信される期間405、407、及びデータが欠陥媒体から受信される期間403を含む例示のデータ入力402を示す。なお、非欠陥媒体からのデータは、上記の図3bとの関連でより完全に説明されるように、DCオフセットを含んでいてもいなくてもよい。さらに、非欠陥媒体(部分405、407)からのデータは、欠陥媒体(部分403)からのデータと比較すると比較的高い振幅を示す。タイミング図411はタイミング図401の信号のフィルタリングされた絶対値を図示する。ここで、期間403の中でのある信号がプログラマブルデータ閾値401を超える。この場合、欠陥延長回路は媒体の非欠陥部分であろう部分の本格的でないインスタンス中に欠陥出力414がリセットすることを許容しない。逆に、欠陥出力414は延長期間491が所定の開始期間407を過ぎるまで保持される。この場合、延長期間は4クロックサイクルであり、タイミング図上で破線で示されたプログラマブル延長カウント492との比較によって決定される。なお、4個の期間という数値は単なる例示であり、本発明の異なる実施例では任意の異なる値及び/又は延長期間が使用され得る。
【0042】
特に、タイミング図411のフィルタリングされた絶対値信号は軟入力欠陥検出回路400の信号446を表し、ここで、モード選択479はデータ入力402のフィルタリングされたバージョン473を選択する。プログラマブルビットカウント422との比較の充足がタイミング図411において破線413で表される。この場合、プログラマブルビットカウントは4であり、絶対値446の4個の連続する値がプログラマブルデータ閾値420未満で記録されると直ちに充足される。前述したように、これらの4個の連続する期間が得られたら直ちに媒体欠陥表示454がアサートされる。なお、プログラマブルデータ閾値を超える信号のインスタンス415、417、419には一貫性がなく、プログラマブル延長カウント492よりも少ない連続する発生を含む。このため、インスタンス415、417、419のいずれによっても欠陥出力414はアサート解除されない。なお、再度になるが、4個の期間という数値は単なる例示であり、任意の期間数が本発明の種々の実施例に従ってプログラムされ得る。
【0043】
タイミング図411は(生の値であっても、その絶対値であっても)軟入力432がプログラマブル軟閾値442と比較されることを図示する。プログラマブルビットカウント444との比較の充足がタイミング図431において破線433で表される。この場合、プログラマブルビットカウントは4であり、軟入力432の4個の連続する値がプログラマブル軟閾値442未満で記録されると直ちに充足される。前述したように、これらの4個の連続する期間が得られたら直ちに媒体欠陥表示456がアサートされる。なお、再度になるが、4個の期間という数値は単なる例示であり、任意の期間数が本発明の種々の実施例に従ってプログラムされ得る。
【0044】
欠陥出力414も示される。図示するように、媒体欠陥表示454と媒体欠陥表示456のいずれか又は両方がアサートされると欠陥出力414がアサートされる。図4bに示すのとは異なり、ある場合では、プログラマブルビット閾値422及びプログラマブルビット閾値444は異なる時点で充足される。このような場合、欠陥出力414は、合成回路412が論理積AND関数、論理和OR関数、又はその他の関数であるかによって異なる時点でアサートすることになる。
【0045】
図5に移ると、媒体欠陥システムを含む記憶システム500が本発明の種々の実施例に従って示される。記憶システム500は、例えば、ハードディスクドライブである。記憶システム500は内蔵された媒体欠陥検出器を有する読取りチャネル510を含む。内蔵媒体欠陥検出器は媒体欠陥の特定を形成するための軟情報を用いることができる何らかの媒体欠陥検出器であればよい。従って、例えば、内蔵媒体欠陥検出器は、限定するわけではないが、軟入力欠陥検出回路200、300、400のいずれかとすることができる。さらに、記憶システム500はインターフェイスコントローラ520、プリアンプ570、ハードディスクコントローラ566、モータコントローラ568、スピンドルモータ572、ディスクプラッタ578、及び読取り/書込みヘッド576を含む。インターフェイスコントローラ520はディスクプラッタ578への/そこからのデータのアドレス付け及びタイミングを制御する。ディスクプラッタ578上のデータは、読取り/書込みヘッドアセンブリ576によって(アセンブリがディスクプラッタ578上に適切に位置決めされたときに)検出され得る電磁信号群からなる。通常の読取り動作において、読取り/書込みヘッドアセンブリ576がモータコントローラ568によってディスクプラッタ578の所望のデータトラック上に正確に位置決めされる。モータコントローラ568は読取り/書込みヘッドアセンブリ576をディスクプラッタ578との関係で位置決めし、及び、読取り/書込みヘッドアセンブリ576をハードディスクコントローラ566の指示下でディスクプラッタ578上の適切なデータトラックに移動させることによってスピンドルモータ572を駆動する。スピンドルモータ572はディスクプラッタ578を所定の回転速度(RPM)で回転させる。
【0046】
読取り/書込みヘッドアセンブリ576が適切なデータトラックの隣に位置決めされると、ディスクプラッタ578がスピンドルモータ572によって回転されつつ、ディスクプラッタ578上のデータを表す磁気信号が読取り/書込みヘッドアセンブリ576によって検知される。検知された電磁信号はディスクプラッタ578上の電磁データを示す連続瞬時アナログ信号として供給される。瞬時アナログ信号は読取り/書込みヘッドアセンブリ576から読取りチャネルモジュール564へプリアンプ570を介して転送される。プリアンプ570はディスクプラッタ578からアクセスされた瞬時アナログ信号を増幅するよう動作できる。さらに、プリアンプ570はディスクプラッタ578に書き込まれるべき読取りチャネルモジュール510からのデータを増幅するように動作できる。逆に、読取りチャネルモジュール510は受信アナログ信号を復号(媒体欠陥検出を含む)及びデジタル化してディスクプラッタ578に元々書き込まれていた情報を再作成する。このデータは読取りデータ503として受信回路に供給される。書込み動作は前記の読取り動作の実質的に逆であり、書込みデータ501が読取りチャネルモジュール510に供給される。その後このデータは符号化されディスクプラッタ578に書き込まれる。
【0047】
図6に移ると、本発明の1以上の実施例による媒体欠陥システムを有する受信機620を含む通信システム600が示される。通信システム600は、周知のように、転送媒体630を介して符号化信号を送信するように動作できる送信機を含む。符号化データは受信機620によって転送媒体630から受信される。受信機620は、「欠陥」が転送媒体630で発生したかを判断することができる媒体欠陥検出回路を内蔵する。従って、例えば、転送媒体620がインターネットである場合、信号が受信されていないことを特定することができる。あるいは、転送媒体620が無線信号を搬送する大気の場合、媒体欠陥検出回路は非常にノイズが多く信頼性のない転送環境を示すことができる。ここに提供された開示に基づいて、当業者であれば、欠陥を含み得る、及び本発明の異なる実施例に関連して利用され得る種々の媒体を認識するはずである。内蔵媒体欠陥検出器は媒体欠陥の判断を形成する軟情報を使用することができるあらゆる媒体欠陥検出器とすることができる。従って、例えば、内蔵媒体欠陥検出器は、限定するわけではないが、軟入力欠陥検出回路200、300、400のいずれかとすることができる。
【0048】
図7に移ると、フローチャート700は本発明のある実施例による媒体欠陥検出のための方法を示す。フローチャート700をたどると、データ信号が受信される(ブロック705)。このデータ信号は、例えば、ハードディスクドライブからの読取り中に受信されたデータのストリーム又は通信装置によって受信されたデータのストリームであればよい。ここに提供される開示に基づいて、当業者であれば本発明の異なる実施例に関連して使用され得る種々のデータ信号及び信号源を認識するはずである。
【0049】
データ検出が受信データ信号上で実行される(ブロック760)。このデータ検出は、限定するわけではないが、ビタビアルゴリズムを実行することを含み得る。このデータ検出プロセスはデータが正しいことの可能性を示す軟出力を生成する。その後、供給された軟出力の絶対値が作成される(ブロック765)。軟出力の絶対値は軟閾値に対して比較される(ブロック770)。この軟閾値は、例えば、軟閾値レジスタを介してプログラム可能とすることができる。軟出力の絶対値が軟閾値未満の場合(ブロック770)、軟カウンタが増分される(ブロック785)。一方、軟出力の絶対値が軟閾値以上の場合(ブロック770)、欠陥表示が以前に存在したか、及びそれが少なくとも最小又は延長期間にわたってアサートされたかがさらに判断される(ブロック775)。欠陥表示が以前に延長期間にわたってアサートされた場合又は全くアサートされなかった場合(ブロック775)、軟カウンタがリセットされる(ブロック780)。一方、欠陥表示がアサートされ、少なくとも最小又は延長期間にわたってアサートされなかった場合(ブロック775)、軟カウンタはリセットされない。
【0050】
さらに、受信データ信号がフィルタリングされるべきかが判断される(ブロック710)。信号がフィルタリングされるべき場合(ブロック710)、信号がフィルタリングされる(ブロック715)。これは、例えば、信号をハイパスフィルタに通過させていずれかの低い周波数オフセットを除去することを含む。いずれのイベントでも、フィルタリングされた信号又は生の信号のいずれかの絶対値が特定される(ブロック720)。データ信号の絶対値がデータ閾値に対して比較される(ブロック725)。データ閾値は、例えば、データ閾値レジスタを介してプログラム可能とすることができる。データ信号の絶対値がデータ閾値未満の場合(ブロック725)、データカウンタが増分される(ブロック735)。一方、データ信号の絶対値がデータ閾値以上の場合(ブロック725)、欠陥表示が以前に存在したか、及びそれが少なくとも最小又は延長期間にわたってアサートされたかがさらに判断される(ブロック730)。欠陥表示が以前に延長期間にわたってアサートされた場合又は全くアサートされなかった場合(ブロック730)、データカウンタがリセットされる(ブロック740)。一方、欠陥表示がアサートされ、少なくとも最小又は延長期間にわたってアサートされなかった場合(ブロック730)、データカウンタはリセットされない。
【0051】
その後、軟カウント及びデータカウントの合成各々がそれぞれの閾値以上かが判断される(ブロック790)。ある場合では、これは軟カウントを軟カウント閾値に対して、及びデータカウントをデータ閾値に対して比較することを含む。ある場合では、上記の閾値の各々がそれぞれのレジスタを介してプログラム可能とすることができる。論理積AND関数(ブロック790に示す)が実装される場合は、軟カウントが軟カウント閾値以上で、かつデータカウントがデータカウント閾値以上の場合に欠陥表示がアサートされる(ブロック795)。この場合、軟カウントが軟カウント閾値以上でない場合、又はデータカウントがデータカウント閾値以上でない場合、欠陥表示はこの時点ではアサートされない。一方、論理和OR関数(ブロック790には不図示)が実装される場合は、軟カウントが軟カウント閾値以上の場合かデータカウントがデータカウント閾値以上の場合のいずれかの場合に欠陥表示がアサートされる(ブロック795)。この場合では、軟カウントが軟カウント閾値以上でなく、かつデータカウントがデータカウント閾値以上でない場合、この時点で欠陥表示はアサートされない。
【0052】
結論として、発明は媒体欠陥を検出するための新規なシステム、装置、方法及び構成を提供する。発明の1以上の実施例の詳細な記載が上記に与えられたが、種々の代替例、変形例及び均等物が発明の精神からずれることなく当業者に明らかとなる。例えば、本発明の1以上の実施例は、テープ記録システム、光ディスクドライブ、無線システム及びデジタル加入線システムのような種々のデータ記憶システム及びデジタル通信システムに適用され得る。従って、以上の記載は発明の範囲を限定するものとして捉えられてはならず、それは以下の特許請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ転送システムであって、復号システムが、
データ信号に基づいて軟出力を供給するデータ検出器、
該軟出力及び該データ信号を受信するよう動作し、該欠陥検出器が該軟出力及び該データ信号に少なくともある程度基づいて欠陥表示をアサートするよう動作する欠陥検出器、及び
該欠陥表示がアサートされると該検出器の軟出力を修正するように動作するゲート制御回路
からなるデータ転送システム。
【請求項2】
請求項1のシステムにおいて、該データ検出器が、ビタビ検出器及び最大事後確率検出器からなるグループから選択されるものであるシステム。
【請求項3】
請求項1のシステムにおいて、該システムがハードディスクドライブであり、該ハードディスクドライブが記憶媒体を含み、前記データ信号が該記憶媒体から引き出され、前記データ検出器が該記憶媒体から引き出されたデータ信号を受信し、該データ信号に少なくともある程度基づいて前記軟出力を供給し、前記欠陥検出器が該記憶媒体の欠陥領域を検出するよう動作するシステム。
【請求項4】
請求項3のシステムにおいて、前記欠陥検出器が、
前記データ信号の絶対値をデータ閾値に対して比較するよう動作する第1のコンパレータを含むデータ解析回路、
該データ信号の絶対値が該データ閾値未満となる期間の数を特定するよう動作する第1のカウンタ回路、
前記軟出力を軟閾値に対して比較するよう動作する第2のコンパレータを含む軟解析回路、及び
該軟出力が該軟閾値未満となる期間の数を特定するよう動作する第2のカウンタ回路
を含むシステム。
【請求項5】
請求項4のシステムにおいて、前記データ信号が前記データ閾値に対する比較の前にハイパスフィルタを用いてフィルタリングされるシステム。
【請求項6】
請求項4のシステムにおいて、前記データ閾値がプログラム可能であるシステム。
【請求項7】
請求項4のシステムにおいて、前記軟閾値がプログラム可能であるシステム。
【請求項8】
請求項4のシステムにおいて、前記欠陥表示は前記第1のカウンタ及び前記第2のカウンタの少なくとも一方がカウント閾値以上になるとアサートされるシステム。
【請求項9】
請求項8のシステムにおいて、前記データ信号の絶対値が前記データ信号閾値以上になると前記第1のカウンタがリセットされ、前記軟出力が前記軟閾値以上になると前記第2のカウンタがリセットされるシステム。
【請求項10】
請求項9のシステムにおいて、前記欠陥表示がアサートされると、少なくとも最小期間はアサートが維持されるシステム。
【請求項11】
請求項10のシステムにおいて、前記最小期間がプログラム可能であるシステム。
【請求項12】
請求項1のシステムにおいて、前記システムが通信装置であり、該通信装置が通信チャネルを介して情報を受信し、該データ信号が該通信チャネルから引き出され、前記データ検出器が該通信チャネルから引き出されたデータ信号を受信して該データ信号に少なくともある程度基づいて前記軟出力を供給し、前記欠陥検出器が該通信チャネルの欠陥期間を検出するように動作するシステム。
【請求項13】
欠陥検出のための方法であって、
データ信号を受信するステップ、
該データ信号上で軟出力を供給する検出プロセスを実行するステップ、
該データ信号をデータ閾値に比較するステップであって、該データ信号が第1の所定期間にわたって該データ閾値未満となるとデータ比較結果がアサートされる、ステップ
該軟出力を軟閾値に比較するステップであって、該出力軟が第2の所定期間にわたって該軟閾値未満となると軟比較結果がアサートされる、ステップ、及び
該軟比較結果及び該データ比較結果の少なくとも一方がアサートされると欠陥表示をアサートするステップ
からなる方法。
【請求項14】
請求項13の方法において、前記欠陥表示をアサートするステップが、前記軟比較結果及び前記データ比較結果の両方がアサートされたときのみ行われる方法。
【請求項15】
請求項13の方法において、前記第1の所定期間及び前記第2の所定期間が同じ期間であり、その共通の期間がプログラム可能である、方法。
【請求項16】
請求項13の方法であって、さらに、
前記データ信号の絶対値を特定するステップを備え、前記データ閾値と比較される該データ信号が該データ信号の絶対値である、方法。
【請求項17】
請求項13の方法であって、さらに、
前記軟出力の絶対値を特定するステップを備え、前記軟閾値と比較される該軟出力が該軟出力の絶対値である、方法。
【請求項18】
請求項13の方法であって、さらに、
前記データ信号をフィルタリングするステップを備え、前記データ閾値と比較される該データ信号が該フィルタリングされたデータ信号である、方法。
【請求項19】
記憶システムであって、
記憶媒体と、
読取り/書込み回路を備え、該読取り/書込み回路の少なくとも一部分が該記憶媒体との関連で位置決めされ、該読取り/書込み回路が、
軟出力を供給するデータ検出器と、
該軟出力を受信するように動作して、該軟出力に少なくともある程度基づいて欠陥表示をアサートするよう動作する欠陥検出器と、
該欠陥表示がアサートされると該検出器の軟出力を修正するように動作するゲート制御回路を含み、
さらに、
該記憶媒体に関連して該読取り/書込み回路の少なくとも一部分を位置決めするよう動作する位置決めコントローラを備えたシステム。
【請求項20】
請求項19のシステムにおいて、前記記憶システムが電子システムに内蔵され、該電子システムが、コンピュータ、オーディオプレーヤー、ビデオプレーヤー、スタンドアロン記憶システム及びセルラ電話機からなるグループから選択されるものであるシステム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−541120(P2010−541120A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526867(P2010−526867)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/080043
【国際公開番号】WO2009/045203
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(500587067)アギア システムズ インコーポレーテッド (302)
【Fターム(参考)】